Web担当者になったら知っておきたい「基本」が学べる Web担ビギナー

Step 4-11 【5分でわかる】Web担当者になったら、まずは知っておきたいこと

Step 4-11(最終回)では、Web担初心者が知っておきたい重要ポイントと、これから学び続けるための情報源を知ってほしいです。

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2021年4月から始まった連載「Web担ビギナー」では、Web担当者になったばかりという方に、基礎知識や知識習得のコツ、仕事を行う上で心がけたいことなどを、4つのステップに分けて解説してきました。

  • Step1:自分に求められていることを把握する
  • Step2:サイト開発企画作成を通し、Web戦略を把握する
  • Step3:サイト開発手順の概略を把握する
  • Step4:サイトの運用時のポイントを把握する

最終回のStep4-11では、Step1~4の各ステップのポイントを駆け足で振り返ることで、「Web担当者になったら、まずは知っておきたいこと」をまとめました。

Step1:自分に求められていることを把握する

企業にとって良いサイトとは?

企業にとっての良いサイトとは何でしょう? かっこいいサイトや楽しいサイト、とにかく役に立つサイトではありません。「その企業のビジネスに何らかの形で貢献できるサイト」です。だから、まずは自分が担当するサイトが「何を目的にしたサイトかを知る」ことが大切になります。

企業にとって良いサイトのWeb戦略は、ビジネス戦略に沿ったものになるはずです。そしてWeb戦略を立てる際には、ターゲットユーザーのニーズを把握し、企業の目的とユーザーの目的がうまく合うサイトを作ることが重要になります。とはいえ、ターゲットユーザーの行動は激変しています。たとえば、スマホでWebサイトにいつでもアクセスできるようになったユーザーは、「いつも使っている洗剤をすぐに買える」といったような、目的を早く達成できるサイトを望むようになりました。

また、企業のWebサイトは、マーケティングを行うための1つのツールであるともいえます。Webサイトは作っておしまいではなく、来てもらい、利用してもらうことが必要です。ターゲットのユーザーニーズに応え、想定したビジネス成果につながるサイトを「ちゃんと」作らなくてはなりません。Webサイトを作る(あるいはリニューアルする)際には、企業活動として「ちゃんと」「組織として」「プロジェクト」にしましょう。

Step2:サイト開発企画作成を通し、Web戦略を把握する

プロジェクトでWebサイトを作っていく際には、まずはプロジェクトを発足し、方向性の決定をして、Web戦略の策定、サイト設計を行っていきます。

戦略策定フェーズ1. プロジェクトの発足
2. プロジェクトの方向性の決定
3. Web戦略の策定
設計フェーズ4. サイト設計
開発フェーズ5. サイト制作・開発
6. 運用準備・運用開始
運用フェーズ7. 運用・効果測定・改善

1. プロジェクトの発足のポイント

Web担当者としてプロジェクトに呼ばれたら、まずはプロジェクトの体制図を読み、自分の役割と承認経路、参加すべきミーティングはしっかり確認しておきましょう。

2. プロジェクトの方向性の決定のポイント

プロジェクトの方向性として、「プロジェクトの目的」「現状分析と課題の解決策」「スケジュール」「予算 / コスト」「成果物」といった項目の概要は把握しておきます。この方向性を決めるために、「サイト調査」「ユーザーニーズ調査」などの調査が行われていることが多いので、調査結果を知っておくこともお忘れなく。

3. Web戦略の策定のポイント

Web戦略で必ず確認しておきたいのが、「目的」を具体的な数値にした「KGI(Key Goal Indicator)」、KGIを達成するための具体的な施策を伴う数値である「KPI(Key Performance Indicator)」です。また、ユーザーの抱えるニーズ(問題)に注力し、ユーザーの問題解決に至るまでのプロセスを記した「ユーザーシナリオ」の把握も重要です。

4. サイト設計のポイント

Web担当者になりたての頃は、設計書に書かれていることをすべて理解することは難しいかもしれません。まずは、「サイト構造」「基本デザイン」「ワイヤー・要件定義書」が何を意味しているのか、わかるようにしておきましょう。

委託先の選定ポイント

サイト開発を外部に委託する場合も多いですが、委託先選定を誤ると、スケジュールの遅延が発生したり、満足のいくものが作れなかったりします。委託候補先から提出された提案書&見積書は、「RFPの要求項目が満たされているか」「見積金額と条件は適切か」「スケジュール、体制図などに無理がないか」を確認してください。また、書類以外の確認ポイントとして、「実績」「コミュニケーション力」があります。

プライバシーポリシーの注意ポイント

プライバシーポリシーには、自社が個人情報取扱事業者であれば、個人情報保護法に基づき、Webサイトで取り扱っている個人情報を適切に取り扱っていることを記しているはずです。しかし、法律は改正されていきます。改正内容に合わせて更新する必要があることを覚えておきましょう。

Step3:サイト開発手順の概略を把握する

サイト構築が始まる前に確認しておきたいこと

いよいよサイトの構築段階に入ったら、委託した制作会社にお任せして、何か問題があれば制作会社から連絡をもらえば良いでしょうか? もちろん、お任せのままでは良くありません。制作会社が行うこと、自社のWeb担当者が行うことを明確にし、スケジュール表にそれを明記して、ミーティングで確認しながら構築(制作)を進めましょう。

サイト設計のポイントについて先ほど触れましたが、設計書に記された「プロジェクト全体のスケジュール表」「システム構成」も把握しておきたい内容です。システム構成というと難しく感じるかもしれませんが、運用者として、おおまかにでも把握しておくことが望まれます。クラウドサービスを利用するのか、マーケティングオートメーション(MA)やコンテンツ管理システム(CMS)を活用するのかを確認し、たとえばCMSを使うのであれば、それで何ができるのかを情報システム部の人や上司に聞いて確認しておきましょう。

Web担当者が知っておきたいWebサイト制作上のポイント

ページデザインに関するポイント

Web戦略を実施するため、各サイトならではの「デザインコンセプト」が作成されているはずです。本来、Webページはデザインコンセプトに基づいて作成されますが、日々の仕事に追われるとオザナリになりがちです。そのため、デザインコンセプトに沿った「デザインテンプレート」を作っておくと便利です。もし、テンプレートがなければ提案してみると良いでしょう。

素材(テキスト、画像、動画)管理上のポイント

Webコンテンツを構成する「素材(テキスト、画像、動画)」の管理は、Web担当者の重要な仕事です。素材収集のための進行管理表を作り、収集の進捗を管理しましょう。素材が集まらないためにWebサイト制作が遅延することも少なくありません。

また、素材管理の注意点に「著作権」があります。素材サイトから写真・イラストを購入する場合は、規約を確認しましょう。制作を外部に委託している場合は、制作物に関わる一切の著作権について、委託先との契約書に明記しておくことも重要です。肖像権、商標権にも配慮する必要があります。

Step4:サイトの運用時のポイントを把握する

Webサイト運用時には、目的を達成するための積極的なコンテンツ更新を行っていきましょう。

効果測定とWebコンテンツ改善ポイント

効果測定を行い、KPIの数値をチェックすることは大切ですが、細かな数値の変化に振り回されないことも重要です。たとえば、「新規訪問数18,000件/月」の達成を目指していて、先月12,000件だった訪問数が今月には25,000件になったとしても、それは偶然にTwitterで芸能人が話題にしてくれたせいかもしれません。

さまざまな影響で変わるKPIに一喜一憂するのではなく、その変化をみつめて原因を発見し、対応していくことが大切になります。つまり、効果測定とコンテンツの改善については、「PDCAをまわして仮説と検証を繰り返すこと」「多岐に渡って計測を行いながら、原因と解決策への仮説を立てて、バランスよく数値を上げていくこと」が重要なポイントです。

スマホファースト時代のSEO施策のポイント

Webサイトの目的を達成するため、「SEO(Search Engine Optimization)」の実施、「ネット広告」「SNS」の活用も行っていくことになります。

SEOはユーザーの検索ニーズにマッチするコンテンツとサイトを用意して、ターゲットユーザーにリーチ(reach)することです。スマホファースト時代のSEO施策では、「ユーザー本位のスマホサイトをしっかり作ること」「検索ニーズを理解し、ニーズに合わせたコンテンツを作ること」が欠かせません。

ビジネスの成長につなげるネット広告のポイント

近年、ネット広告の活用が進んでいますが、単純に、広告で集客すればCV(コンバージョン)も増えるわけではありません。広告で集客したWebサイトに目的の情報がなければ、ユーザーはすぐにその場を去ってしまい、CVには結び付かないからです。Webコンテンツの棚卸をしてから、ネット広告を出しましょう。

SNSのKGI・KPIに基づいた運用のポイント

企業アカウントを運用する際には、必ずしも「いいね」の数が増えれば良いものではありません。Webサイト同様、KGI・KPIを明確にし、効果測定で数値を見ながら、投稿内容を改善していきましょう。また、ターゲットのニーズを知るためにSNSのペルソナを設定し、各SNSの特徴をふまえてどのSNSを活用するかを考えてください。

◇◇◇

最後に、これからももっと学び、成長するために参考になるURL、書籍を紹介します。

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デザイン:三苫慧子
用語集
HCD / KGI / KPI / SEO / SNS / クラウド / クリエイティブ / コンバージョン / スマートフォン / リスティング広告 / 人間中心設計 / 検索エンジン / 訪問
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