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Step 3-11 Web制作で、気を付けておきたい著作権

Step 3-11で知ってほしいことは、Web制作で課題になる著作権の基礎を知ることです。

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クイズ

事業部から受け取った風景写真は、制作マニュアルに沿った画像ファイル形式、サイズでした。そのままWebページに掲載してもよいでしょうか?

写真には著作権が認められているので、著作権者に無断で使用することはできません。その風景写真の著作権をもっている人が誰かを確認してから、使用許諾を得て掲載しましょう。

  • 他部署から受け取った風景写真をそのままWebページに掲載しない

3-11では、Webページの制作で気を付けたい著作権上のポイントを紹介します。

素材サイトから写真やイラストを購入するポイント

Web制作で著作権が問題になるのは、ほとんどが写真やイラストを使用する場合です。写真やイラストには著作権が認められています。そのため、著作権の保護期間内にあるのかを把握し、保護期間内であれば使用許諾を得るようにしましょう。なお、保護期間は、原則として著作者の生存年間およびその死後70年間ですが、例外もあるので、文化庁のWebページを確認してください(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/hogokikan.html)。

写真やイラストは自社内で撮影・作成する場合もありますが、素材サイトで購入する場合も多いでしょう。素材サイトを利用する場合には、次の2点を確認してください。

  • 素材サイトの規約
  • 制作を外部に委託している場合の注意点

素材サイトの規約を確認する

購入前に、素材サイトの規約にはどのような条件が記載されているのかを必ず確認しておきましょう。Web制作で使う場合には、購入したデータを元データとして、切り抜いたり編集したりして使うことがほとんどです。こうした二次加工をして企業のサイトに掲載できる、そのような条件になっているかを確認してください。商業利用が可能かどうかもポイントです。また、紙媒体でも使う可能性がある場合は、その使用許諾についてもチェックしましょう。

なかには掲載できる期間が決められた素材もあります。もしも掲載期間が設けられている場合には、期限前に延長の許諾をうけるか、期限がきたら他のものに差し替えるかを検討しなくてはなりません。期限を管理して対応しなくてはいけない煩雑さを避けるため、制作現場ではできる限り期限付きを選ばないことが多いのが現状です。「ロイヤリティフリー」の写真を選んでおけば問題ないでしょう。

制作を外部に委託している場合の注意点

制作者側と発注者側で、どちらが素材サイトから購入して権利を得るのか、あらかじめ契約で決めておくことをおススメします。制作者側が購入する場合は、購入した写真の権利はどちらがもつのかも、明確にしておきましょう。

制作会社との間で確認しておきたいこと

上記のほかに、発注者側として制作者側との間で決めておきたいことが、PhotoshopやIllustratorなどのデザインデータを納品してもらうかどうかです。制作者側がPhotoshopで加工した場合、かき出したJPEGデータやPNGデータと元データだけを納品し、Photoshopデータは渡さないケースがほとんどです。Photoshopデータがほしい場合は、契約時に取り決めておきましょう。

なお、ワイヤーフレーム、チャート図などの制作物にも著作権を主張する制作会社があるかもしれません。「成果物、中間成果物、元データを含めて、著作権を譲渡する」といった項目をきちんと契約書に明記しておきましょう。たとえば、「本制作物に関わる一切の著作権(著作権法第27条および第28条で規定されている権利含む)は甲に帰属する」といった内容を、甲を自社として記載しておくわけです。実際の契約書の作成は法務部がしてくれると思いますが、その際、こうした内容が記載されているかの確認は必要です。

肖像権、商標権にも配慮を

著作権ではないものの、肖像権や商標権にも注意が必要な場合があります。たとえば、撮影した写真に一般の人が写ってしまっているケースです。人物の写真にはプライバシーを保護する肖像権が認められている場合もあるので、人の顔がしっかり写り込んだ写真をそのまま使うことはNGです。たとえ、背景に写り込んでいるだけであっても、人物が特定できるようなら使用を控えましょう。写っている本人の同意が得られない限り、使用しないでください。

また、新しいWebサイトのスタートと同時に、新しいサービスの提供を始める場合がありますが、そのサービス名がすでに商標権を取得されてしまっていないかも確認しましょう。制作が進んでしまった後からサービス名を変更するとなると、多くの修正が必要になります。

著作権とは?

ではここで、あらためて著作権の目的とは何かを見てみましょう。著作権法には、次のようにあります。

「第1条 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。」

著作者の権利を守ることによって、文化の発展を目指しているわけです。

著作権の内容は国によって異なりますが、日本を含む世界中の多くの国が国際的な条約である「ベルヌ条約」を批准しています。そのベルヌ条約では、著作物が制作された時点で自動的に権利が付与される無方式主義を採用していますので、日本もまた、特別な申請等必要なく著作物の制作と同時に著作権が発生します。

なお、著作権の概要については、文化庁のWebページ(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/index.html)に解説があります。簡潔にまとめられていますので、一読しておくとよいでしょう。

◇◇◇

3-11では、Web制作の際に気を付けたい「著作権上のポイント」を解説しました。3-12では、Webサイト開発での「テスト段階における注意ポイント」を紹介します。

ポイント
3-11 「Web制作で、気を付けておきたい著作権」のポイント
  • 素材サイトから写真・イラストを購入する場合は、規約を確認する
  • 制作を外部に委託している場合は、素材サイトから購入して権利を得るのはどちらかを決めておく
  • 制作を外部に委託している場合は、制作物に関わる一切の著作権について契約書に記載しておく
  • 肖像権、商標権にも配慮する
やってみよう
  • 自社サイトの写真やイラストを確認し、著作権上の問題がないかを再確認してみよう。
もっと学び、成長するために
著作権の詳細については、次の文化庁のWebページを確認してください。
本記事の監修者

濱 大洋(はま たいよう)

株式会社キノトロープ 執行役員 コンサル部 副部長
プロジェクトマネージャー/コンサルタント

2007年キノトロープ入社。
コンサルティングを中心に、プロジェクトマネージャーとして小規模から大規模まで多数のサイトリニューアルを担当。セミナーや大学での講師も務める。
著書に『HEARTCORE導入・構築ガイド』(インプレス)がある。

デザイン:三苫慧子
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