フェリシモの2026年2月期連結業績は、売上高が前期比0.9%減の291億7900万円と微減だった一方、営業利益は同204.9%増の2億1500万円と大幅増益だった。経常利益は同106.2%増の4億6800万円、当期純利益は同163.3%増の3億5800万円。
売上高は計画を下回ったものの、サプライチェーンの効率化による原価低減で売上総利益率が改善したことなどが、利益を押し上げた。
主力の定期便事業は減収ながら、バリューチェーンの再編により付加価値創出力を強化。これにより、同事業の収益性は1.2ポイント改善。連結売上総利益率の前期比0.8ポイント上昇につながった。
販管費の抑制も寄与した。広告費やダイレクトメール費用の効率化に加え、顧客属性に応じたカタログ配布の最適化を進め、広告費比率を改善。基盤システム開発や物流設備更新に伴うコスト増があったものの、全社的なコストコントロールの徹底や出荷関連費用の低減により、販管費は前期比6200万円削減した。
商品面では、ファッション・生活雑貨ともに売上高は前年を下回ったものの、ファッションカテゴリーで市場ニーズを捉えたヒット商品創を出したほか、主力ブランドや手作り系商品が堅調に推移した。
定期便事業のKPIでは、延べ顧客数が前期比3.8%減、顧客1人当たりの購入頻度も同0.9%減となった一方、平均購入単価は同2.5%増と上昇した。
フェリシモは、2026年2月期に確立した収益基盤をベースに、2027年2月期を「増収増益の常態化」に向けた重要な実行年と位置付ける。「定期便事業の抜本的強化」と「次世代事業の創造」を両輪に、成長軌道への回帰をめざす。
マーケティング面では、コストや利便性に依存しない共感主導型のアプローチを軸に据える。定期便事業では、熱量の高い顧客層に向けた企画やIP・コンテンツとのコラボレーションを強化し、新規顧客の獲得と継続利用の拡大を図る。また、顧客接点を月1回の配送にとどめず、デジタルメディアを活用して日常的な接点へ拡張し、継続率の向上につなげる。
加えて、取引先事業者が出品・出稿できる「フェリシモパートナーズ事業」は販売代行にとどまらないプラットフォーム型へ進化させるほか、法人・自治体向け支援の「ビジネスプロデュース事業」では万博や自治体連携で培ったノウハウを他分野へ展開。特定エリアをメディアとして捉える「エリアメディア」の考え方をベースに、他社との共創を通じて社会価値と経済価値の両立をめざす次世代事業の創出にも取り組む。
2027年2月期の連結業績は、売上高が前期比3.7%増の302億6500万円、営業利益は同10.4%増の2億3700万円を見込む。一方、経常利益は同30.2%減の3億2700万円、当期純利益は同16.5%減の2億9900万円を計画している。
イオンは4月8日、子会社で靴専門店チェーン「ASBee(アスビー)」などを展開するジーフットを、株式併合により完全子会社化すると発表した。ジーフットは株式を非公開化し、6月23日に上場廃止となる予定。
完全子会社化の背景には、7期連続の最終赤字と、2026年2月期に債務超過に陥る見込みという厳しい経営状況がある。イオンは意思決定の迅速化とグループ内連携の強化を通じて、事業再建と成長の立て直しを進める。
ジーフットは2019年2月期以降、実需型消費の縮小や新型コロナウイルス感染症の影響などを受け、最終赤字が継続。イオンはこれまでに約115億円を投じて経営を支援してきたが、収益改善には至らず、2026年2月期に債務超過となる見通しとなった。こうした状況を踏まえ、2026年2月中旬から完全子会社化の検討を進めていた。
両社は、完全子会社化によりグループ内の連携を強化し、経営資源やノウハウの統合を進めることで、靴事業の再成長をめざすとしている。具体的には、イオンリテールと連携した売り場づくりの推進、総合スーパー(GMS)やスーパーマーケットへの商品供給拡大、服飾・バッグなど雑貨領域との融合による新業態の開発、不採算店舗の整理や本部コストの合理化などに取り組む。
ジーフットの2026年2月期の連結業績は、売上高が前期比5.1%減の569億600万円、営業損失は23億8800万円(前期は8億500万円の損失)、経常損失は26億3000万円(同12億7300万円の損失)、当期純損失は32億5700万円(同10億6000万円の損失)となった。主力のスポーツシューズ販売の低迷や、不採算店舗の整理が影響した。
一方でEC事業は成長を維持している。前期に導入した「ASBeeアプリ」の会員数は約110万人増加し、累計237万人に拡大。キッズ商品の強化や大型販促の効果もあり、EC売上高は前期比9%増となった。
博報堂とティックトックが「ブランドが選ばれるSNS・ショート動画活用のあり方」レポートを公開。生活者がタイムライン上で指を止め、「いま見たい」と感じる背景には、7つの根源的な欲求があるという。
TikTok for Businessと博報堂が「ブランドが選ばれるSNS・ショート動画活用のあり方」レポートを公開
https://ads.tiktok.com/business/ja/blog/hakuhodo-tiktok-report2026
https://www.hakuhodo.co.jp/news/info/122440/
米Amazonは、ユーザーの購買意思決定を支援するAI搭載の新ショッピング機能「Help Me Decide」を米国で展開している。閲覧・検索・購買履歴や嗜好データをもとに、複数の候補から「最適な1商品」を提示し、その選定理由まで説明する点が特長だ。
「Help Me Decide」は、ユーザーが同一カテゴリ内で複数商品を比較検討している場面で表示。商品詳細ページ上部にボタンを表示するほか、Amazonショッピングアプリのホーム画面上部にある「Keep shopping for」からも利用できる。ユーザーはワンタップで自分に合った商品を見つけられる。
現在は米国のiOS・Androidアプリおよびモバイルブラウザで、数百万人規模のユーザーに提供している。
「Help Me Decide」は、単なるレコメンド機能にとどまらない。商品提案時には、商品仕様やカスタマーレビューを踏まえ、「なぜその商品が適しているのか」を文章で提示。さらに、より高機能な選択肢を示す「Upgrade pick」や、価格重視の「Budget pick」も提示し、ユーザーの意図に応じた比較検討を支援する。
たとえば、キャンプ用テントを探しているユーザーが、寒冷地向け寝袋やファミリー向けアウトドア用品を閲覧している場合、行動履歴を踏まえ、家族利用に適した4人用・オールシーズン対応のテントを提案するといった活用が想定される。
この機能には、大規模言語モデル(LLM)に加え、AWSの「Amazon Bedrock」「Amazon SageMaker」「OpenSearch」などの技術を活用。ユーザーの行動データと商品情報、レビュー内容を統合的に分析し、「何が必要か」だけでなく「なぜ必要か」までを推定した上で提案を生成する。
エービーシー・マートの2026年2月期のデジタル売上高は推定で前期比7.4%増の約265億円、国内事業におけるデジタル売上高構成比は前期比0.2ポイント増の10.6%となった。
デジタル売上高は、「オンライン販売」と「実店舗でデジタルを活用してEC在庫を販売した分」を含む売上高を指す。2026年2月期のデジタル売上高は、2025年2月期の国内店舗売上高に対するデジタル売上高構成比10.4%をもとに推計した2025年2月期のデジタル売上高に、前期比7.4%増を適用して算出した。
期中のEC関連施策では、著名人とのコラボ商品が売り上げをけん引し、増収につながった。
エービーシー・マートの2026年2月期における連結業績は、売上高が前期比1.7%増の3786億2400万円、営業利益が同1.2%増の632億8700万円、経常利益が同3.9%増の671億5600万円、当期純利益が同2.2%増の463億4600万円。スポーツ系カジュアルやハンズフリーシューズなど高付加価値商品の需要が拡大する一方、物価上昇による節約志向も強まり、消費動向に応じた戦略が求められた。こうしたなか、大型店舗や複合業態店の拡大、デジタル活用、ライフスタイルカジュアルの強化を推進し、増収増益につなげた。
※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。
KURANDは4月7日、るオンライン酒屋「クランド」で、対象商品の売り上げの一部を寄付するチャリティ販売「寄付酒(きふさけ)」を開始した。期間は6月8日まで。
「寄付酒」は、「クランド」の購入者が期間内に対象となる酒を購入すると、その売り上げの一部を社会貢献活動や支援を必要としている団体へ寄付するプロジェクト。購入者は購入を通じて社会貢献ができる。さまざまな支援の輪を広げるため、対象商品は固定せず、不定期に入れ替える。
「寄付酒」の取り組みは今回が初めて。嗜(し)好品である酒の価値を社会課題の解決へと循環させることを目的としている。KURANDは今後も酒類を通じた社会支援活動を継続する。
6月8日までの期間、「寄付酒」の対象商品を「犬ラベル」のお酒に特化して展開する。期間中の売上の一部は、保護犬の支援団体へ寄付する。
対象商品は、寄付酒限定セットと、特設ページに掲載している「犬ラベル」商品。
KURANDは「お酒の新しい価値をつくり、世界中のあらゆる人々の人生に、楽しさ、豊かさ、幸せを届ける」ことをミッションに掲げ、全国の酒蔵と多種多様な酒類を提供してきた。今回の「寄付酒」は、嗜好品であるお酒の価値を社会課題の解決へと循環させることを目的とする取り組み。今後も酒類を通じた支援活動を継続し、仕組み作りを進める。
オンワードホールディングス傘下のウィゴーはこのほど、アパレルブランド「WEGO」の海外進出を本格化すると発表した。台湾では2030年までに約20店舗の展開を計画している実店舗展開は2026年5月から開始し、年内に台北と中国・上海に旗艦店を開設する。
海外展開では、「Fashion」「Culture」「Lifestyle」を街ごとの個性に合わせて編集し、“その街にしかないWEGO”の構築をめざす。商品のラインアップは街の空気感、コミュニティ、若者のムードを反映する。日本のストリートカルチャーを起点に、現地の若者と新しいカルチャーを共創する。
台湾は日本ブランドへの信頼度や好感度が高い市場。ウィゴーによると、SNSを中心に「WEGO」の認知が広がっており、親和性が高いと見ている。日本発のファッションスタイルやカルチャーへの関心が高い台湾で、日本のストリート・若者カルチャーを背景に持つ「WEGO」の実店舗展開を推進する。
これまでの実績を踏まえ、オンライン事業の成長を加速させる拠点として、2026年内に上海で旗艦店を開設する。
「WEGO」の国内店舗には、中国人インバウンド客が多く来店している。2025年5~6月に上海で実施したポップアップイベントでも反響があり、SNS上でも認知と支持が拡大。近年開設した中国向けオンラインストアも「予想を大きく上回る成長」という。
海外展開では、「Fashion」「Culture」「Lifestyle」を街ごとの個性に合わせて編集し、“その街にしかないWEGO”の構築をめざす。商品のラインアップは若者のムードを反映するなど、街ごとの特性や若者の感性を捉えて展開する。
オンワードHDは2023年5月にウィゴーの発行済み株式20.27%を取得し、資本業務提携を締結していた。その後、2025年9月に残りの全株式を取得し、ウィゴーを完全子会社化している。取得価額は5億円。完全子会社化の目的の1つに、アジアマーケット向けコンテンツの強化がある。
オンワードHDの2026年2月期連結業績は売上高が前期比13.6%増の2368億400万円、営業利益は同14.3%増の116億400万円、経常利益は同10.8%増の111億7600万円、当期純利益は同18.5%増の100億9400万円だった。
ウィゴー単体の2026年2月期の売上高は325億4600万円、営業利益は14億7100万円だった。
トライアルホールディングス、アサヒグループジャパン、三菱食品、NTTは、飲食料品・日用品を中心とした流通業界で企業の枠を超えてサイバー脅威の情報共有・分析を行う「流通ISAC(Information Sharing and Analysis Center)」を4月中に設立する。製造・卸・小売を横断した連携により、業界全体のサイバー防御力向上をめざす。
近年、サイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、サプライチェーン上の一部企業への攻撃が、製造停止や物流混乱、店舗営業停止など、業界全体に波及するリスクが高まっている。こうした背景から、個社単位での対策には限界があり、特定の業界内でサイバー攻撃の脅威情報や被害事例を共有・分析し、対策を講じる民間組織であるISAC(アイザック)の取り組みが重要性を増している。
流通ISACでは、参加企業が信頼関係のもとで脅威情報やインシデント情報を共有・分析し、実効性のある対策につなげる。主な活動は、
製造・卸・小売の三業態を横断して攻撃の兆候や被害事例を把握し、迅速な注意喚起や初動対応の高度化を図る。
また、各社のセキュリティガイドラインへの対応や知見を持ち寄り、流通業界の特性に即した実践的な指針として体系化・共有する。実務担当者に加え、経営層や管理者も対象に勉強会や演習を実施し、組織全体での対応力向上を進める。設立後は目的別のワーキンググループを設置し、継続的な議論と成果共有を行う。
発起人は、アサヒグループジャパン、花王、サントリーホールディングス、スギホールディングス、トライアルホールディングス、PALTAC、三井物産流通グループ、三菱食品の8社。NTTおよびNTTドコモビジネスが事務局として運営を担い、経済産業省もオブザーバーとして参加する予定。
NTTとNTTドコモビジネスは、流通業界の多様なステークホルダーと連携し、サイバーリスクへの共助体制を構築することで、飲食料品・日用品の安定供給を支える安全で信頼性の高い流通基盤の実現に貢献するとしている。
流通ISACは今後、設立趣旨に賛同する企業を広く募り、4月中の正式発足に向けて準備を進める。
ファッションECモール「ZOZOTOWN」を運営するZOZOは4月から、全社共通のAI活用指標「All ZOZO AI Readiness Score(AZARS)」を導入した。職種を問わない統一基準を設けることで、AI活用の可視化と高度化を進め、組織全体の価値創出につなげる。
「AZARS」は、生成AIを含むAI活用状況を「個人AI活用レベル」と「組織AI活用レベル」の2軸で評価する指標。業務上期待される能力や状態をそれぞれ4段階で定義し、主観に依存しがちなAI活用度を定量的に把握できるようにした。
特長は、エンジニアなどの開発職に限らず、事業部門やコーポレート部門を含む全職種共通の指標として設計している点。職種横断でAI活用の底上げと標準化を図る狙いがある。
「個人AI活用レベル」は、個人がAIをどの程度業務に組み込めるかという「力量」を示す指標。自己認識や振り返りを通じて、継続的な成長を支援することを目的としている。
「組織AI活用レベル」は、組織がAIをどの程度業務に組み込んでいるかという「状態」を示す指標。レベルの判定は、「誰がどれだけ使えるか」といった個人のスキルではなく、AIを前提とした業務プロセスや意思決定が組織の仕組みとして機能しているかどうかに基づく。
ZOZOはこれまで、全社員参加型の生成AI研修や、業務効率化ツールの開発・社内提供を推進してきた。2025年7月には開発AIエージェントを全エンジニアに導入し、同年8月には「ChatGPT Enterprise」を全社展開。こうした取り組みの結果、2026年3月時点で社内アンケートにおける「週1回以上の生成AI活用率」は97%に達したという。
AI活用の本質は、単なる効率化にとどまらず、事業そのもののあり方を変革する点にある。AI活用を組織的な競争力へと転換していく必要がある。「AZARS」は、その実現に向けた基盤となる指標。AI活用の状態を可視化し、当社らしく全社で共通の基準を持つことで、継続的な進化と価値創出を支えていく。(ZOZO 執行役員 兼 CTO 瀬尾 直利氏)
パルグループホールディングスの2026年2月期におけるEC売上高は、前期比11.0%増の590億4600万円だった。
内訳は、自社EC「PAL CLOSET」が前期比8.1%増の242億1500万円、「ZOZOTOWN」が同9.3%増の279億9700万円、その他が同32.0%増の68億3300万円。衣料売上高に占めるEC比率は40.8%。アプリ会員数の増加も寄与し、EC売上は過去最高を更新した。
社員インフルエンサーによるSNS発信の強化と、自社ECにおける購買・行動データの活用を推進。SNSの定性データとECの定量データを各ブランドに連携することで、トレンド把握や需要予測の精度を高め、売上拡大に加え在庫回転率の向上や廃棄ロスの抑制につなげた。そのほかのトピックとして、子会社のノーリーズで新EC「NOLLEY'S OUTLET」が寄与し、EC売上高は同66.8%増と大きく伸長した。
2027年2月期のEC売上高は700億円(うち自社ECは310億円)を計画。2030年2月期には1000億円(うち自社EC500億円)達成を目標とする。今期の主な施策として、衣料と雑貨ブランド「3COINS」の同梱配送を開始し、顧客利便性の向上と購買単価を引き上げる。
「PALアプリ」の会員数は2026年2月期に1355万人となり、2027年2月期は1600万人、2029年2月期には2000万人の達成をめざす。
パルグループHDの2026年2月期の連結業績は、売上高が前期比12.9%増の2347億400万円、営業利益が同14.7%増の271億4400万円、経常利益が同13.4%増の271億2900万円、当期純利益は同49.5%増の177億1400万円だった。衣料・雑貨の両事業が好調に推移し、5期連続で過去最高売上、4期連続で営業最高益を更新した。
クラシコムが運営するEC「北欧、暮らしの道具店」の「YouTube」戦略が、コンテンツ起点での認知拡大とブランド接点の強化につながっている。公式チャンネルの登録者数は2025年4月時点で100万人を突破。「YouTube」発のオリジナルドラマ「ひとりごとエプロン」は国内外に広げている。
「ひとりごとエプロン」は国内ではFOD、Prime Video、U-NEXTといった定額制動画配信サービスで見放題配信を開始。韓国ではテレビ放送とデジタル配信をスタートした。
クラシコムの「YouTube」活用は、2018年配信のオリジナルドラマ「青葉家のテーブル」を契機に本格化。その後、2019年末に公開した第2弾「ひとりごとエプロン」が大きな反響を呼び、チャンネル成長をけん引してきた。
「ひとりごとエプロン」は、団地でひとり暮らしをする26歳の女性の日常と料理を描いた短編ドラマ。1話約10分の完結型シリーズで、2022年までに全12話を公開し、累計再生数は1700万回を超える。DVD(4500枚限定)は完売し、関連グッズも展開。Instagramでもハッシュタグ投稿が5000件を超えるなど、長期にわたり支持を集めている。
こうしたヒットコンテンツは、チャンネル全体の成長にも寄与。2020年にはコロナ禍による視聴需要の拡大を背景に登録者数が前年比4倍に増えた。2022年3月に50万人を突破し、2025年4月には100万人に到達した。
クラシコムの「YouTube」の特長は、特定のインフルエンサーや一過性の話題に依存せず、「オリジナルドラマ」「ドキュメンタリー」「Vlog」などのシリーズコンテンツを継続的に開発している点にある。コンテンツ資産を積み上げることで、中長期的な視聴者獲得とブランド浸透を図っている。
「YouTube」チャンネルは当初、20代を中心とした若年層にリーチする入り口として機能してきたが、成長に伴い主要顧客層である40代以上にも視聴者層を拡大している。
さらに動画は、ブランドの世界観醸成にとどまらず、D2C商品の訴求にも活用。機能やスペックの説明だけでなく、使用シーンや開発背景、価値観までを伝えることで共感を醸成し、購買につなげている。
ZETAは、サイト内検索・EC商品検索エンジン「ZETA SEARCH」などの製品群が、OpenAIの「ChatGPT」内アプリ機能「Apps in ChatGPT」に対応したと発表した。

ZETAは、事業戦略的にAIエージェント対応を進めるなかで、「ChatGPT」「Gemini」などのメジャーな生成AIへの対応は不可欠であると考え、それらへの対応に順次取り組んでいる。その取り組みの一環として、OpenAIのアプリ連携機能「Apps in ChatGPT」に「ZETA CXシリーズ」各製品の対応を開始した。
消費者は、EC事業者の提供する「ChatGPT」アプリを通じて、ECサイトなどで「ZETA CXシリーズ」を使う商品検索、レコメンド、クチコミ・Q&Aなどを直接参照できるようになる。具体的には、ZETAの生成AI連携基盤サービス「ZETA LINK」を経由することで、「Apps in ChatGPT」のアプリ仕様に準拠する。
また、ZETAが該当のアプリ構築、OpenAIにおける審査のサポートも対応。OpenAIの審査を通過すると、「ChatGPT」のアプリ一覧で公開され、ユーザーの利用が可能となる。「Apps in ChatGPT」の仕様変更なども「ZETA LINK」のアップデートで対応していく。
これにより、消費者が商品について詳しく知る、他のユーザーのクチコミやQ&Aを参照する、それらのコンテキストを踏まえたレコメンドを見るといったことを、「ChatGPT」との自然な会話の流れで行えるため、購買意欲を高め、ロイヤルティやLTVなどの向上が期待できるという。
決済業界の二大巨頭であるVisaとMastercardは、エージェント型コマースの利用拡大に伴うAIエージェントを活用した決済の普及において、独自の取り組みやパートナー企業との連携を広げています。新時代を見据えた両社の取り組みを詳しく解説します。
「エージェント型コマース」が進化を続けるなか、そこで行われる決済を支える技術も進化を続けています。グローバルな決済網を持つVisaとMastercardも、この変化にいち早く対応しています。
両社は2025年10月、エージェント型コマースの台頭を支援することを目的とした独自のフレームワークを発表。自社のネットワーク内にAIエージェントによる決済を確実に取り込むことを最優先課題として掲げています。両社のフレームワークは、加盟店が信頼できるAIエージェントを検証し、購入者の意図に基づいて決済処理をよりスムーズに行えるようにするものです。
昨今、人間に代わってリサーチし、買い物する商品を選び、決済まで済ませる「AIエージェント」が普及し始めています。それに伴い、新たなニーズが生まれており、決済大手の両社はここ数か月でさらなる一歩を踏み出しました。
VisaとMastercardのアプローチから、両社が共通して抱いている懸念事項や、エージェント型コマースのエコシステムに向けた最初の一手がどのようなものであるかがわかります。
まず、VisaとMastercardは、自社のネットワークを使ってエージェント型コマースの取引を確実に行えるよう、決済業界内の重要なパートナーとの連携を進めています。
コンサルティング大手のMcKinsey & Companyは、2030年までに米国だけでAIエージェントによる取引額が1兆ドルに達すると予測。決済技術やサービスを提供する企業にとって、システムが構築されている今のうちに足場を固めておくことは非常に魅力的なのです。
その重要なパートナーの例が決済大手のStripe(ストライプ)です。2026年3月、Stripeが「共有決済トークン(SPT)」を用いてネットワーク主導のエージェント決済機能を拡張すると発表した際、VisaのAIエージェントを活用した決済基盤「Intelligent Commerce」とMastercardのエージェント型決済プラットフォーム「Agent Pay」が、後払い(BNPL)サービスのAffirmやKlarnaとともにStripeの連携相手として名を連ねました。
また、2026年1月にGoogleが「ユニバーサル・コマース・プロトコル(UCP)」(AIエージェントが消費者に代わって買い物関連のタスクを実行する「エージェンティック・コマース」を推進する新標準プロトコル)を発表した際も、VisaとMastercardは連携する企業の1社に加わりました。
Visaは独自の「Trusted Agent Protocol」も保有しています。「Trusted Agent Protocol」は、エージェントコマースの基盤となるセキュリティフレームワークです。Visaは以前、このプロトコルをOpenAI独自の「エージェント型コマース・プロトコル」と連携させると発表しました。他にも、Visaが築いている注目すべき協力関係として、クラウドセキュリティ事業を手がけるAkamai Technologies、Amazon Web Services(AWS)とも連携しています。
グローバル決済を主導するVisaとMastercardは、エージェント型コマースが「自分たちが関与すべき領域である」という点について考えが一致しているようです。同時に、解決すべき課題もあると考えています。
Visaのチーフ・プロダクト・アンド・ストラテジー・オフィサーであるジャック・フォレステル氏は、2026年3月にニューヨークで開催されたカンファレンスで、「1990年代後半から2000年代初頭のEC黎明期以来、これほどの変化は見たことがありません」と話しました。
VisaはAkamai Technologiesと協力し、本人確認、認証、不正防止に取り組もうとしています。
AIエージェントにも「身元」が必要です。その身元を安全に保護し、正当なものであることを確認し、セキュリティを確保するためにより多くのデータを収集する――そうした全ての仕組みが必要なのです。(Visa フォレステル氏)
Visa チーフ・プロダクト・アンド・ストラテジー・オフィサー ジャック・フォレステル氏(Visaのコーポレートサイトから追加)
Mastercardも、人間が介在しない「AIによる自律的な取引」のための認証基準の構築に取り組んでおり、OpenAI、Google、Cloudflareと提携しています。
Webセキュリティの強化および表示速度の最適化を手がけるCloudflareの「Web Bot Auth」技術(ボット認証)は、Microsoft、Shopify、Checkout.com、Worldpay、Adyenなどの企業とともに開発されたもので、現在はVisaとMastercardの両方で採用されています。
Mastercardのマイケル・ミーバッハCEOは、2025年10月、同社のネットワーク上で「最初のエージェント取引が行われた」と発表しました。

ミーバッハCEOは、Mastercardが将来的にエージェント型コマースの「中心」になると宣言。さらに、Mastercard傘下で支払いトラブルの早期解決やチャージバック削減ソリューションを提供するEthoca(エソカ)のリアルタイムデータや、最新のサイバー攻撃を検知する「Mastercard Threat Intelligence」(マスターカードスレットインテリジェンス)を活用することで、Mastercardの「Agent Pay」プログラムにおけるセキュリティや不正防止のニーズに対応していくとミーバッハCEOは話しています。
振り返れば、こうした一連の課題は、かつてEC黎明期に小売事業者のECサイトがクレジットカード決済を導入した際の状況と似ています。当時は「インターネット上でクレジットカード番号を入力しても安全か」という消費者の不安を解消することが、普及への第一歩でした。
エージェント型コマースという新たな時代の到来により、業界は再び同じ、しかしより高度な信頼構築のプロセスを歩み始めています。VisaとMastercardは、この新市場がもたらすであろう莫大な収益の機会を、確かな手応えとともに見据えています。
BEENOSグループのBEENOS Solutionsは、海外向け購入支援サービス「Buyee」を通じて2025年に購入された「おもちゃ・ホビー・グッズ」カテゴリを分析した。年間購入件数は前年比1.7倍に伸長しており、商材別では「ぬいぐるみ」がカテゴリをけん引しているという。
BEENOSグループによると、「おもちゃ・ホビー・グッズ」は「Buyee」で常に人気上位の商品カテゴリだという。同グループの「越境ECヒットランキング」では毎年トップ3にランクインしている。また、2025年は伸長率ランキングでも1位を獲得するなど、成長性も高いという。二次流通品を含む「おもちゃ・ホビー・グッズ」の2025年年間購入件数は、前年比1.7倍に伸長した。
国内の玩具業界のEC化率は30%前後で、日本の物販系EC化率9.78%(経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果取りまとめ」より)と比較してECの利用が進んでいる。
「おもちゃ・ホビー・グッズ」のなかで最も購入件数が多いのは台湾。次いで米国となっている。これに続き、香港、英国、韓国が多いという。
主要な購入層は20代から40代。台湾と香港は30代の利用者が最も多く、米国では20代のユーザーが最も多い。
ランキングの上位30エリアでは、20代の利用が最も高いのはブラジルで、購入率は50%を超えているという。50代の利用が多いのは香港、タイ、マカオ。購入率は10%超だった。
「Buyee」の「おもちゃ・ホビー・グッズ」カテゴリのなかの商品ジャンルでは、マスコットなどを含めた「ぬいぐるみ」ジャンルの購入件数が27.1%を占めた。ぬいぐるみの購入件数は2024年に比較して1.3倍に伸長し、カテゴリ全体をけん引している。
国内では「ぬい活」市場は450億円規模まで拡大している。海外でもZ世代を中心に、#plushiesをつけた「ぬい撮り」動画が多数投稿されているという。BEENOS Solutionsは「Buyeeの購買データに見られるように、ぬいぐるみは世代を超えて愛されるようになり、商機が急拡大している」と指摘している。
人気のIPは「ちいかわ」で、特に東アジアで人気だったという。エリア別では、サンリオのぬいぐるみは北米で人気が高く、「ポケットモンスター」は欧州でシェア率が高かった。
IPのなかでも、「鬼滅の刃」「ワンピース」「あんさんぶるスターズ!!」「プロジェクトセカイ」のぬいぐるみは東南アジアでシェア率が高い。
ぬいぐるみのほかにも、アクリルキーホルダー、カード・フォト・ブロマイド、模型・ミニカー・ラジコンも「おもちゃ・ホビー・グッズ」カテゴリの購入件数で上位だった。
「おもちゃ・ホビー・グッズ」カテゴリの購入金額の中央値は2800円だった。数百円から数十万円以上まで幅広い金額で商品が購入されている。
「Buyee」の購入データにはリユース品も含まれており、高価格帯の主要商品は限定品やデッドストック品となっている。
2026年3月にBEENOSが発表した意識調査では、越境ECの1回あたりの平均的な購入金額は「5000円以上1万円未満」の回答が20.9%で最多だった。購入金額の中央値が2800円であることから、「おまとめ梱包」サービスを利用し、1回の注文で複数の商品を購入していると考えられる。同サービスは無料のため、利用者は国際配送料金を抑えることができる。
メルカリは4月から、「置き配」指定での受け取りを前提とした「エコメルカリ便」の発送拠点として、Packcity Japanが運営する宅配便ロッカー「PUDO(プドー)ステーション」での発送受付を本格的に開始した。対象地域は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県と大阪府、奈良県(一部対象外あり)。
「PUDO」に対応したことで、「エコメルカリ便」の利用者はいつでも手数料無料・非対面での発送が可能となる。送料は従前どおり、全国一律730円。早朝・深夜を問わずロッカー投函が可能となり、利便性アップを見込む。
「PUDO」から発送できるサイズは60〜100サイズまで。発送方法は次の通り。
メルカリはSBS即配サポートとの連携で、置き配指定での受け取りを前提とした「エコメルカリ便」を2024年3月に開始。「エコメルカリ便」は宅配便160サイズまで全国一律730円で発送でき、再配達の削減にも寄与している。
2025年3月には、「エコメルカリ便」の荷物を自宅周辺の指定場所に置くだけでドライバーが集荷する「置き発送」サービスもスタートした。「置き発送」のサービス対象エリアは、東京都(島しょ部除く)、神奈川県、埼玉県、千葉県(2026年4月7日現在)。