インターネット広告「信頼できる」は18%
日本インタラクティブ広告協会が、2026年2月に実施した「2026年インターネット広告に関するユーザー意識調査」の結果を公表。インターネット広告を「信頼できる」と回答したのは18.3%。信頼度が2割を下回ったのは初めて。
日本インタラクティブ広告協会が、2026年2月に実施した「2026年インターネット広告に関するユーザー意識調査」の結果を公表。インターネット広告を「信頼できる」と回答したのは18.3%。信頼度が2割を下回ったのは初めて。
スペースXが2026年第2四半期(4-6月期)決算を発表。上場後初の四半期決算。AI事業の内訳にXの広告収益の記載がある。それによると、2026年第2四半期のXの広告収益は前年同期比14%減の3億6,700万ドル。減少の理由は「新しい広告プラットフォームへの移行に伴う短期的な影響」だという。上場時の目論見書によると、第1四半期の広告収益も同じ理由で前年割れしている。
SpaceX - Investor Relations
https://ir.spacex.com/investors/
2026年第2四半期の決算資料と上場時の目論見書から数字を拾うと、Xの広告収益は下表の通り。
Xの広告収益(単位は百万ドル。空白部分は不明)
google.charts.load('current', {'packages':['table']}); google.charts.setOnLoadCallback(drawTable); function drawTable() { var data = new google.visualization.DataTable(); data.addColumn('string', ''); data.addColumn('number', 'Q1'); data.addColumn('number', 'Q2'); data.addColumn('number', 'Q3'); data.addColumn('number', 'Q4'); data.addColumn('number', 'H1'); data.addColumn('number', 'H2'); data.addColumn('number', 'FY'); data.addRows([ ['2023', null, null, null, null, null, null, 2323], ['2024', null, null, null, null, null, null, 1728], ['2025', 443, 426, null, null, 870, 974, 1844], ['2026', 343, 367, null, null, 710, null, null] ]); var table = new google.visualization.Table(document.getElementById('table_div')); table.draw(data, {showRowNumber: false, width: '100%', height: '100%'}); }イーロンマスク氏に買収される前のツイッターの最後の決算(2022年第2四半期決算)では、広告収益は10億8,000万ドルだった。それから4年間で広告収益は約3分の1に減少したことになる。
コマースデザインは8月27日、「EC事業者のための、AIエージェント実践・習得セミナー(ChatGPT Work編)」と題したオンラインセミナーを実施する。
▼「「EC事業者のための、AIエージェント実践・習得セミナー(ChatGPT Work編)」(2026年8月27日開催)
講座は、講師と共に手を動かしながら基本設定を済ませて、EC業務での活用まで体験する「実習セミナー」形式。実際に手を動かす「実習」と様子を視聴できる「見学」の2通りで参加が可能。2026年7月に登場したGPT版のAIエージェント「ChatGPT Work」を使用し、「AIエージェントで何が行えるのか」「ファイル整理」「商品画像作成」の方法などを解説する。
データ分析、商品画像の制作、CSVの更新、HTML制作やツール開発・・AIエージェントが、ECの作業を代行してくれます! 今回は、一緒に手を動かしながら、基本設定を済ませて、EC業務での活用まで体験する「実習セミナー」です。
ご紹介するのは、2026年7月登場の「ChatGPT Work」。GPT版のAIエージェントです。
- 性能は、Claude Codeと同じレベルです
- 慣れ親しんだChatGPTを、エージェント化しましょう。
- ClaudeCodeが良いらしいけど、忙しくて手が出せない・・という方。今こそぜひ。
- ChatGPT有料版に契約していれば、追加課金なく使えます!
- 界隈では、Claudeより良いのでは!と評判(講師は両方使ってます)
- GPTWorkは、ClaudeCodeより画像生成がすごい!
- AIエージェントといえばClaudeCodeですが「画像生成ができない」。
- しかしGPTWorkは、あのハイレベルな画像生成をエージェントとして動かせます
この研修が終わった頃には、すぐに業務で使い始めることができます。今回は「実習参加は有料・見学だけなら無料」です。お気軽にどうぞ!(主催のコマースデザイン代表取締役 坂本悟史氏)
AIと「チャットするだけ」の状態の人
「AIエージェントすごい」が気になってるが、手つかずの人
AI画像生成に不満がある人
経営者・リーダーの方
セミナー当日前に、事前設定が必要となる。セミナー当日は、下記の4部構成。
ユミルリンクは8月14日、メール配信システム「Cuenote FC」のUI・UXを刷新し、ダッシュボード画面を追加した新バージョンの提供を開始する。管理画面の操作性を高め、メールマーケティング業務の効率化につなげる。

新バージョンは、管理画面のデザインを全面的に刷新。視覚的にわかりやすく、直感的に操作できるインターフェースに改め、日々の運用負荷を軽減する。
新たに追加するダッシュボードでは、メールマーケティングの配信タスクをカレンダー形式で一覧表示できるほか、作成途中のメール文面も確認できる。表示項目の有無や並び順はカスタマイズでき、日々の運用状況を把握しやすくする。
シナリオメール機能のUIも改善。顧客行動に応じてパーソナライズ配信を行う際の複雑な分岐条件を、これまで以上にわかりやすく表示。顧客ごとに最適なメッセージを効率的に届けやすくする。このほか、管理画面からアクセスできるオンラインマニュアルも新たに提供する。

「Cuenote FC」は、独自開発の配信エンジン(MTA)を採用したメール配信システム。ユミルリンクによると、月間89億通に上る通信記録を分析し、到達率の向上を図っているという。大規模なメール配信でも高速かつ確実に届けられる点を特長としている。
新バージョンの提供開始に合わせ、初期費用無料キャンペーンも実施する。期間は8月14日から12月末まで。対象は法人、自治体、団体で、期間内に問い合わせのうえ申し込んだユーザー。「Cuenote FC Premiumプラン」は先着20社、「Cuenote FC専用プラン」は先着5社まで受け付ける。
アスクルは8月5日、事業所向け(BtoB)通販サービス「ASKUL」、一般消費者向け(BtoC)通販サービス「LOHACO」において、「防災士×国内衛生材料メーカー監修 防災救急セット20人用」の販売を始めた。

「防災士×国内衛生材料メーカー監修 防災救急セット20人用」は、災害発生後の生活維持に必要な衛生・生活用品を含む23種類31点をワンパッケージにしたセット商品。防災士の現場経験をもとに用品を厳選し、災害時に必要な用品を個別に選定・購入する手間を軽減すると同時に、備蓄漏れの防止にも貢献するという。
セット内容(23種類31点)は、抗菌消臭剤やポイズンリムーバー、ディスポーザブル担架、夏季・冬季の避難生活を想定し、冷却シートやカイロも用意している。

飲料水や非常食を別途備えることで、事業所に必要な防災備蓄を効率的に整えることができ、防災対策やBCP体制の強化を支援する。さらに、耐火・耐水性に優れたアルミケースを採用し、災害発生時の保管にも配慮したという。
本商品は、防災士が災害現場や避難所での経験をもとに、100年以上医療の現場を支え続けている国内老舗衛生材料メーカーの知見を取り入れ、災害時に必要となる23種類31点を厳選。抗菌消臭剤やポイズンリムーバー、ディスポーザブル担架などを採用している。
近年、自然災害の激甚化に伴い、企業や施設における防災備蓄や事業継続対策への関心が高まる一方、「何をどれだけ備えればよいかわからない」「必要な用品が揃っているか不安」といった課題を受け、防災士と国内老舗衛生材料メーカー監修のもと、防災救急セットを開発した。当社における防災救急セットの購買実績を分析した結果、20人用の需要が高いことに着目し、20人用のセットとして商品化した。
間接資材のBtoB-ECサイト「モノタロウ」を運営するMonotaROは8月6日、注文時に確認画面で商品の受取日を指定できる「お届け希望日指定サービス」を開始した。BtoB特有の計画的な資材調達ニーズに対応し、顧客の利便性向上と再配達削減の両立をめざす。

対象は、ECサイト「モノタロウ」と、ECサイト一体型の購買管理ソリューション「モノタロウ ONE SOURCE Lite」の利用者。注文確認画面から受取希望日を指定できる。
指定可能な期間は、最短配達日の翌日から注文日の7日後まで。対象エリアは沖縄県と離島を除く全国。配送はヤマト運輸の「宅急便」「宅急便コレクト」「EAZY(イージー)」が対象で、「ネコポス」は対象外となる。当日出荷対象の商品が対象となるが、直送品や大型商品など一部商品は対象外。

これまでは、商品出荷後に配送業者から届く通知メールを通じて受取日時を変更できる仕組みを提供していた。今回のサービスでは、出荷後ではなく注文時点で受取日を指定できるようにした。出荷後の日時変更も引き続き利用できる。
背景には、BtoBならではの受け取り事情がある。企業では「土日は会社が休みなので週明けに受け取りたい」「在庫状況や作業予定に合わせて受取日を調整したい」といったニーズがあるという。
2026年5月から一部顧客を対象に先行提供したところ、「保管場所に限りがあるため、置ける日に合わせて受け取りたい」「実際に使用する日に合わせて受け取りたい」といった声があり、計画的な受け取りに対する需要が想定以上に大きかったとしている。
MonotaROはこれまでも、利便性向上と物流最適化に向けた取り組みを進めてきた。2024年にはヤマト運輸との連携を強化し、出荷後の通知メールから受取日時を変更できるサービスを拡充。2025年には、「モノタロウ」のサイトや購買管理システム経由で注文する際、当日出荷対象商品の配達予定日を表示する機能を導入し、納期の可視化を進めていた。今回の受取日指定機能は、こうした取り組みの延長線上に位置付けられる。
物流面では、再配達の削減も見込む。MonotaROは主に事業者向けの配送で約95%という高い初回配達率を維持しているが、企業の休業日にあたる配達を事前に避けることで、不要な再配達をさらに減らせるとみている。配送ドライバーの負担軽減や、持続可能な物流ネットワークの構築にもつなげたい考えだ。
今後は、PC版サイトで提供している同サービスをスマートフォンサイトやアプリにも拡大する予定。また、購買管理システム連携「モノタロウ PunchOut」経由の顧客にも一部提供を開始しており、今後順次展開していくとしている。
アイリスグループのアイリスプラザは8月5日、アイリスオーヤマ公式通販サイト「アイリスプラザ」に、不正利用検知・防止サービスを本格導入した。クレジットカード決済の安全性を高めながら、正当な取引を過度に阻害しないことで、安心して購入できる環境の整備をめざす。

導入したのは、米国Forter(フォーター)が提供するEC事業者向け不正利用検知・防止サービス「Forter Fraud Management」。AIを活用して取引をリアルタイムに分析し、取引ごとの不正リスクを判定する。決済プロセスの前段階でリスクを評価することで、不正利用の防止と円滑な決済の両立を図る。
背景には、EC業界で深刻化するクレジットカードの不正利用がある。日本クレジット協会の集計では、クレジットカードの不正利用被害額は2023年から3年連続で年間500億円を超えている。
また、経済産業省のガイドラインに基づき、2025年3月からはEC事業者に対して本人認証サービス「3Dセキュア2.0」の導入が実質的に求められるなど、EC事業者にはより高度なセキュリティ対策が求められている。
一方、セキュリティ対策を強化すると、正当な利用であっても決済が通りにくくなるケースがある。不正利用を防ぐだけでなく、購入意欲の高い顧客の決済を過度に阻害しないことも、EC事業者にとって重要な課題となる。アイリスプラザはこうした課題を踏まえ、安全性と利便性の両立を目的にForterを採用した。
本格導入に先立って実施した試験では、決済承認率の向上を確認したという。不正利用のリスクを抑えるだけでなく、AIによるリアルタイム分析によって正当な取引を適切に見極めることで、利用者がよりスムーズに決済できる効果を見込む。
アイリスプラザは今後も、セキュリティ対策の強化とサービス機能の充実を進め、利用者の快適な購買体験の実現につなげていくとしている。
コクヨ傘下でBtoB通販を展開するカウネットは8月5日、箱や袋などのパッケージの価値を見直す取り組みとして「ハコ活。研究所」を発足した。初年度は「開けやすさ」を研究テーマに掲げ、梱包の使い勝手を改善することで、業務効率化や廃棄物削減などにつなげる。

BtoB通販では商品をケース単位で購入する機会が多く、梱包材は商品を保護するだけでなく、開梱、使用、再利用、廃棄までさまざまな場面で顧客と接点を持つ。カウネットは2017年から、コピー用紙の空き箱を書類保管などに再利用する「ハコ活。」を提案。オリジナルブランド「カウコレ」は現在約9300品番を展開しており、商品本体だけでなく、それを包む“ハコ”にも価値を見いだす取り組みを進めてきた。
こうした活動のなかで“ハコ”に関する顧客の声を分析したところ、「コピー用紙の空き箱が丈夫で再利用しやすい」といった好意的な評価がある一方、「テープが剥がしにくい」「ミシン目が切りにくい」など、開梱時の使い勝手に関する課題も見えてきたという。こうした声を踏まえ、パッケージそのものの使い勝手を研究する「ハコ活。研究所」を立ち上げた。
「ハコ活。研究所」は、商品開発部を中心とした社内横断メンバーで構成する。箱や袋などのパッケージを対象に、開梱や商品の取り出し、再利用、廃棄まで一連の使い勝手を研究し、得られた知見を商品開発に反映パッケージを単なる梱包材ではなく、顧客体験を左右する要素として捉え直し、より快適な利用体験の提供をめざす。
2026年は「ハコの開けやすさ」をテーマに研究を進める。6月にはパッケージのミシン加工・ジッパー加工に関する勉強会、7月には発売中商品の振り返り評価会を先行実施した。
今後は9月から10月にかけて他社事例を研究し、11月から12月には研究成果を取り入れたPB商品の開発を検討する。2027年以降、研究成果を反映した商品の発売を予定している。
また、今後は取り組みを自社内にとどめず、製造メーカーやパッケージ企業など外部パートナーを交えた活動へ拡大していく方針。社内外の知見を掛け合わせ、「ハコを活躍させる」という視点からパッケージの使い勝手を見直す。
商品を保護するための「ハコ」が、時にお客さまの業務の妨げになっている。「開けにくい」「取り出しにくい」「解体しづらい」といった小さなムダとストレスは、毎日の業務の中で積み重なる。一方、ケース単位での販売が多いBtoB通販においてハコは保護材でもあり商品でもある。「ハコ活。研究所」は、この課題を解決し、ハコの持つポテンシャルを最大限に引き出すことをめざす。研究で得られた知見は2027年度の新商品開発に生かし、業務効率化や廃棄物の削減にもつながる「ハコの新たな価値」を提案していく。(MD本部 商品開発部 部長 青井宏和氏)
楽天グループが8月5日に実施した「Rakuten AI Optimism」のオープニングキーノートに登壇した楽天グループの三木谷浩史代表取締役会長兼社長。世界的な経済状況の大きな変化や日本におけるインフレ、世界的なAI革命の進化スピード、激変期における楽天モバイルの役割、そして「楽天市場」が店舗と共にめざす「人間味のあるAI」の未来像について語った。
三木谷氏はまず、AIの話題に入る前に日本を取り巻く深刻なマクロ経済環境について言及。現在、多くの事業者や消費者が原材料、人件費、仕入れ値といったコスト高に直面し、日本の物価が過去6年間で13.6%上昇していることを踏まえ、三木谷氏は「物価高はここで止まらない。今後は減速するのではなくて、加速していくと考えざるを得ない」と予測する。

かつて1ドル80円だった為替が160円となり、「日本の価値が半分に下がったとも言える」と指摘し、円安基調も簡単には止まらないと予測。AIの進展に伴うメモリーの爆発的な不足やエネルギー需要の増大、国際紛争の影響も、今後のさらなる物価上昇圧力になると警鐘を鳴らした。
このインフレに対抗するため、楽天グループが取り組んでいるのが「家計における通信費の引き下げ(爆下げ)」。三木谷氏は「最強一択」として、どれだけデータを使っても月額2980円(通話はアプリ利用で無料)という破壊的な料金設定を維持し、消費者の可処分所得を守るミッションを推進していると強調する。
このコスト優位性を実現しているのが、ハードウェアの処理をソフトウェアで仮想的に行う「ネットワークの仮想化技術」。さらに、膨大なネットワーク管理の大部分をAI(RAN Intelligent Controller、ランインテリジェントコントローラー)によって自律的に稼働させており、通信の分野でも世界最先端のAI活用を実践している。


楽天モバイルはこの独自技術を強みに、まもなく1100万回線の達成を視野に入れている。
楽天モバイルの拡大は、「楽天市場」をはじめとする「楽天エコシステム(経済圏)」全体の成長に直結している。楽天モバイルを契約したユーザーは、非契約時と比較して次のような相乗効果があるという。
また、「楽天市場」における流通シェアの約23%を楽天モバイルユーザーが占めるまでに拡大しているという。

さらに、2025年12月にはコミュニケーションアプリ「Rakuten Link」から「楽天市場」へ毎月5000万トラフィック以上の送客を達成した。

もはやモバイル抜きに楽天のエコシステムは語れない。インフラとしての信頼性強化(ASTスペースモバイルによる携帯電話と直接つながる宇宙からのブロードバンド接続など)をこれからも進めていく。(三木谷氏)
三木谷氏は、毎年7月に米国アイダホ州で実施され、世界のIT・エンターテインメント・スポーツ業界のトップリーダーが集う「サンバレーカンファレンス」に10年以上連続で参加。そこでAppleのティム・クック氏、Microsoftのサティア・ナデラ氏、OpenAIのサム・アルトマン氏、Anthropicのダリオ・アモデイ氏らと交わした対話の「95%はAIの話題だった」と振り返る。
「AI革命」は、単なる業務の効率化にとどまらず、これまでのあらゆる前提や仕組みがガラガラポンになるほどの「根本的な革命」であると確信した。(三木谷氏)
半導体の進化を示す有名な「ムーアの法則」では、約1.5年(18か月)で性能が2倍になるとされてきた。しかし現在、「AIエージェントの性能向上スピードは『ムーアの法則』を遙かに上回るスピードで進化している」(三木谷氏)とし、7か月ごとに倍速化しており、1年間で約4倍、2年間で16倍のことができるようになると指摘。かつて「AIにはさすがに無理だろう」と思われていた領域が、またたく間に現実のものとなりつつあるという。

人間とAIエージェントの業務遂行能力の比較においても、2025年時点でAIは人間に肉薄、あるいはすでに追い抜いている可能性が高い。三木谷氏は「人間の業務遂行率72.35%に対し、AIエージェントはこれを超えるレベルに到達している」と指摘する。

一方で、フィッシング詐欺(三木谷氏の写真を悪用した偽投資広告など)や、将来的な暗号解読リスク、AIによるセキュリティホールの発見といった「光と影」の双方に、ディフェンスを固めて立ち向かう必要があると強調した。
AIはアルゴリズム(方程式)であり、それを動かす原資は「データ」である。三木谷氏は、楽天グループが蓄積してきたデータを「ダイヤモンドの原石」と表現した。毎月約5000万人のユニークユーザーがショッピングなどの経済活動を行い、蓄積されたデータの総数は実に3兆件を超える。
この膨大なマルチサービスデータ(EC、旅行、カード、銀行、モバイルなど)が1つのIDプラットフォーム上で相互につながっている点こそが、単一の検索エンジンや個別ECを持つ競合他社に対する、楽天の決定的な優位性である。

多くの企業がOpenAIやGoogleなどの外部AIに頼るなか、楽天は独自のAIモデル(LLM)の自社開発にこだわり続けている。すべてのシステムを外部(サードパーティ)のAIに全面依存することは、将来的な「コスト(利用料)の爆発的な高騰」を招き、最終的に出店店舗や消費者への金銭的負担として跳ね返る懸念があるためだ。また、大切な顧客のデータを保護するセキュリティの観点からも、自社開発による主導権確保が不可欠だとした。

楽天が現在開発・運用している独自モデルは4つあり、15億パラメータでスマホ上でも動く「2.0mini」から、7000億パラメータという大規模な最高級モデル「3.0」まで用意。デスクトップや携帯端末上で軽量に動くモデルから大規模な処理を行うモデルまで、適材適所で組み合わせることでコストを大幅に抑えつつ、日本語の評価スコアにおいても世界水準のAI企業に対抗できる性能を実現している。
一報で、中国のオープンソースAI(DeepSeek、AlibabaのQwen、MoonshotのKimiなど)の急進によって、1社あたり1~2兆円の開発費をかけた優れたモデルが進化しているという。
OpenAI、ANTHROPIC、Googleの「Gemini」などを使いながら、独自のAIを組み合わせていく。コストを下げるだけでなく、サービスの品質を向上させていく。(三木谷氏)
なお、2025年における楽天グループ全体のAI活用による利益創出効果は、約255億円に達しているという。

三木谷氏は、「楽天市場」と最大の競合である「Amazon.co.jp」の決定的な違いとして「店舗のエンパワーメント」をあげた。「『楽天市場』は自動販売機ではない」という創業からの信念に基づき、テクノロジーの進化がどれほど進んでも、最終的には「人」や「人間味」が商売の価値になると語る。
しかし、店舗が24時間365日、何万件もの顧客対応をすべて生身の人間で行うのには処理能力の限界がある。そこで楽天が現在開発を進めているのが、店舗のキャラクターや店長のペルソナを読み込み、店長をアバター化して接客を代替・補完する会話型「AI店長(仮称:イチコ)」だ。

キーノート内では、コスメ店舗での「イチコ」の接客デモを実演。デモでは、顧客の曖昧な要望や追加の質問に対し、商品のレビューデータなどを瞬時に要約しながら、自然かつ人間味のある対話でスムーズに購入へとつなげる一連の流れが披露された。今後は、「楽天市場」の多種多様な店舗が、それぞれの特長を生かした「独自のAI店長」を持つことができる世界をめざす。

楽天が描くAI戦略は、単体のサービス効率化に留まらない。無料通話アプリ「Rakuten Link」での会話内容のAI要約や、将来的には「リアルタイム通訳」といった通信サービスへのAI実装を進めていく。

そして、ショッピング、トラベル、モバイルなど70以上のサービスを横断し、たとえば北海道にスキーに行くユーザーに対して「楽天市場」の防寒具を提案する、ふるさと納税の返礼品を提案するといった、各領域をつなぐ「スーパー・エージェント」へと楽天AIを進化させていくとした。
三木谷氏は「AIがサービスの本質を進化させていくが、重要なことは『人気(ひとけ)」をどのように大切にしていくか」だと強調。「人間はなぜ未だにロレックスなどの機械式時計を求めるのか。クォーツやデジタルでも良いはずだが、そこに人間味やストーリーを感じるからだ」と語る。エージェントは単に買い物を遂行するだけのものではなく、「こういった物はどうか」と各店舗の特長を生かしていく。「楽天らしいAIエージェントをさらに進化させていく」とキーノートを締めくくった。
これまで、初回980円トライアルモデル、定期初回半額モデルなど、EC・通販業界でよく見られるリピートモデルを、「投資回収シミュレーション」の考え方で見てきました。今回は少し視点を変えて、ある美容機器サブスクリプションの「投資回収シミュレーション」を元に、月額1万円の美容機器サブスクが事業として成立するかを検証していきます。
サブスクリプションモデルというと、「毎月売り上げが積み上がる安定収益モデル」と捉えられがちです。確かに月額課金は、継続してもらえれば収益の見通しを立てやすいモデルです。だからといって事業として簡単に成立するわけではありません。特に美容機器のような有形商材のサブスクでは、機器原価、配送費、返却、再生加工、リユース運用、さらには周辺商材のクロスセルまで含めて見なければ、本当の収益性は見えてきません。
化粧品や健康食品の定期通販では、商品を購入し使い切り、再購入するというリピート構造が中心になります。購入回数が増えるほど売り上げと利益が積み上がり、原価、物流費、決済費などを差し引いた限界利益で投資回収を見ていく、という考え方です。
一方、美容機器のサブスクは少し性質が異なります。顧客は商品を「買う」のではなく、機器そのものを一定期間「利用する」形です。さらに、機器本体には原価があり、発送費もかかります。解約時には機器の返却が必要で、返却された機器を再利用する場合には、再生加工、検品、クリーニングなども発生します。
つまり、美容機器サブスクは単なる月額課金モデルではありません。機器をどう循環させるかという運用設計が、事業性に大きく影響するモデルなのです。
今回の試算では、美顔器を月額1万円で利用できるサブスクモデルを想定しました。初月はトライアル月として半額の5000円、2か月目以降は月額1万円で継続利用してもらう設計です。CPA(顧客獲得単価)は1万円としています。
この場合、初月売上は約4545円(税抜)となるため、初回ROASは45.5%です。初月だけを見ると当然赤字ですが、2か月目以降の月額課金で投資回収していく構造になります。
ここで重要なのは、月額課金だからといって、初月から利益が出るわけではないということです。むしろ初月は獲得コスト、機器原価、発送費などが重く、赤字になる前提で設計する必要があります。その赤字をどのくらいの期間で回収できるのかを見るのが、「投資回収シミュレーション」の役割です。
美容機器サブスク特有の論点になるのが、機器原価です。今回の試算では、すべて新品機を発送するのではなく、新品機とリユース機を組み合わせる前提にしています。
新品機の原価を1万円、リユース機の再生加工費を2000円とし、新品20%、リユース80%の比率で運用すると想定します。この場合、F1時点の平均原価は3600円になります。計算式としては、1万円×20%+2000円×80%です。
新品機だけで運用すれば、初期の原価負担は大きくなります。一方、リユース機を組み合わせれば、初回提供時の原価負担を抑えられます。ただし、リユース運用には品質管理、検品、再生加工、再発送に耐えられる状態の維持といった実務が必要です。原価だけを下げればよいわけではなく、運用品質と収益性を両立させる必要があります。
このモデルで大きく違うのが、F2転換率の見方です。化粧品の定期購入であれば、商品体験が良ければF2転換率をある程度高めに置ける場合があります。しかし美容機器のサブスクでは、初月は「一度使ってみたい」「自分に合うか試したい」という顧客も多く含まれます。
さらに2か月目からは月額1万円に上がります。初月5000円で試した顧客にとって、2か月目以降の1万円は心理的にも金額的にもハードルが上がります。そのため、ここで離脱する顧客は一定数出ると考えるべきです。今回の試算では、F1からF2への転換率を35%と低めに置いています。
一方で、F2以降の継続率は高めに設定しています。なぜなら、2か月目も継続した顧客は、月額1万円を払ってでも価値を感じている層と考えられるからです。実際に機器を使い、使用感や生活習慣への組み込みやすさを感じている顧客であれば、その後の継続率は高まりやすくなります。
今回の試算では、F2からF3を75%、F3からF4を80%、F4からF5を90%、F5以降を95%と置いています。初回から2回目への壁は高いが、そこを超えた顧客は比較的残りやすい。この構造が、美容機器サブスクの大きな特長です。
もう1つ、サブスク特有の要素として見落としやすいのが、終了時の返送コストです。美容機器サブスクでは、顧客が解約した場合、機器を返送してもらう必要があります。その際、返送用の資材費や送料が発生します。
通常の定期通販では、商品を届ければ取引は一旦完結します。しかし機器サブスクでは、終了時に「戻ってくる」ことまで設計に入れなければなりません。継続しなかった顧客の分だけ返送コストが発生するため、F別推移で離脱した人数に応じてコストがかかる構造になります。
そのため、配送時の送料だけでなく、終了時返送に関わる資材・送料も含めて試算する必要があります。今回のモデルでも、F1時点では初回発送に加えて、早期離脱者の返送コストが乗るため、フルフィルメント費はかなり大きなものになります。
この前提で試算すると、美容機器本体のサブスクだけでも、投資回収期間は約10か月となります。5年後の投資回収効率は2.29倍です。
つまり、CPA1万円で顧客を獲得できる前提であれば、顧客1人あたりの限界利益は10か月程度で累積黒字化し、長期では一定の収益性を見込めるということになります。
ただし、この結果だけを見て「問題なく成立する」と判断するのは早計です。なぜなら、美容機器サブスクでは、単純な月額利用料だけでは判断できない要素が多いからです。
美容機器サブスクでは、一定期間利用した顧客に対して、機器本体をそのまま譲渡する設計が採用されることもあります。たとえば15万円相当の機器を月額1万円で提供し、累計の月額利用料が本体価格を超えた顧客には、そのまま機器を提供するという考え方です。
この場合、10か月で投資回収できるなら、その後の数か月分は利益になります。しかし、機器の実質価値や譲渡条件によっては、十分な利益が残らない場合もあります。たとえば10万円相当の機器を実質的に10か月で回収する設計であれば、ほぼトントンで終わってしまう可能性もあるわけです。
美容機器サブスクでは「月額課金が積み上がるから良い」と単純に見るのではなく、機器原価、リユース比率、返却・再生加工費、譲渡条件まで含めて判断する必要があります。特にリユース運用を行う場合は、回収した機器をどの程度再利用できるのか、再生加工費はいくらか、再発送に耐えられる品質を保てるのかといった運用設計が、収益性に直結します。
そしてもう1つ、美容機器サブスクで重要になるのが、専用美容液などのクロスセルです。美顔器は、機器単体で完結する商品ではありません。電流を肌に届けるタイプの機器であれば、通電性の高い状態を保つことが重要になります。また、電極を肌に当てながら動かす場合には、肌との摩擦を抑えるためのクッション性も必要になります。
つまり専用美容液は、単なる美容成分としての美容液ではなく、機器を適切に使うための補助商材としての意味を持ちます。
もちろん、表現上は「効果・効能」を断定するような言い方には注意が必要です。ただし、事業設計上は、専用美容液やジェルの存在は非常に重要です。通電性、クッション性、使いやすさを高める周辺商材を組み合わせることで、機器の利用体験そのものを高めることができます。そして、それはサブスク継続の理由にもつながります。
今回の試算では、サブスク利用者に対して、通常5000円程度の専用美容液を割安に購入できる設計を想定しました。原価を1000円程度とし、定期クロスセルのレスポンス率を30%と置いた場合、投資回収期間は9か月に短縮され、5年後の投資回収効率は2.56倍まで改善します。
本体サブスクのみの場合は、投資回収期間10か月、5年後の投資回収効率2.29倍でした。クロスセルを加えることで、収益性が一段高まることがわかります。
ここで重要なのは、クロスセルを単なる追加売上として見るのではなく、サブスク体験を支える構造として捉えることです。専用美容液があることで、機器の使用体験が安定し、顧客が使い続けやすくなる。その結果、クロスセル売上が生まれ、さらに継続率にも好影響を与える可能性があります。
美容機器サブスクにおける専用美容液は、単なる「ついで買い」ではなく、事業モデル全体を支える重要な要素なのです。
ここまで見てきたように、美容機器のサブスクリプションモデルは、単品リピート通販とは異なる収益構造を持っています。F2転換率は低く見ざるを得ない一方で、F2以降の顧客は比較的強く残りやすい。機器原価や返却・再生加工費の負担はあるものの、リユース運用によって初期原価を抑えることができる。そして専用美容液などのクロスセルを組み合わせることで、事業全体の収益性を改善できる可能性があります。
ただし、このモデルは決して簡単ではありません。リユース機の品質管理、返却オペレーション、再生加工、機器譲渡条件、専用美容液のクロスセル設計など、検討すべき要素が多くあります。だからこそ、感覚で「月額課金だから安定する」と判断するのではなく、「投資回収シミュレーション」で構造を分解して見る必要があります。
今回のような美容機器サブスクは、試算上は検討に値するモデルだと思います。ただし、それは本体利用料だけで判断するのではなく、機器の循環運用とクロスセルまで含めて設計した場合です。サブスクリプションモデルは、単に月額課金にすれば成立するわけではありません。顧客が継続する理由と、事業として利益が残る構造を同時に作る必要があるのです。
今回解説したシミュレーションファイルの実物については、筆者のnoteで有料提供しています。実際に数値を変更しながら、美容機器サブスクの収益構造を検証できる形にしています。
月額費用、F別継続率、新品機とリユース機の比率、再生加工費、専用美容液のクロスセル率などを変えながら、自社の条件に近い形で試算できるため、同様のモデルを検討している方には参考になるはずです。
▶試算ファイルの実物はこちらのnoteで(有料販売):https://note.com/kawabe_atsushi/n/n6e30f5923967
試算してから、勝負する。必要に応じて、事業設計の参考にしていただければと思います。
飲食料品に適用している軽減税率が、時限的に「8%から1%」へ引き下げられる方針が固まった。対象は現在8%の軽減税率が適用されている飲食料品で、ECで販売する食品も同様に対象となる見通しだ。飲食料品を扱うEC事業者には、税率変更に向けたシステム改修や表示、受注、会計処理の見直しが求められる。

高市早苗首相は7月30日、「飲食料品に係る消費税率の引下げ」について会見し、2027年4月から2年間、飲食料品の消費税率を1%に引き下げる方針を表明。あわせて、2029年度に本格導入をめざす「給付付き税額控除」までの「つなぎ」と位置付ける考えも示した。「給付付き税額控除」は、税や社会保険料の負担と給付を組み合わせ、所得に応じて負担をきめ細かく調整する仕組みで、政府は2029年度の本格導入をめざしている。
その後、政府は8月5日、臨時閣議で「給付付き税額控除」の制度導入に向けた基本方針を閣議決定した。内閣官房も同日、同基本方針を公表。内閣官房が公表した「『給付付き税額控除』の制度導入の基本方針」には、制度の経過措置として、2027年4月1日から2年間、「軽減税率の対象となっている飲食料品に係る消費税率を1%とする」と明記している。
なお現行の軽減税率制度に関する国税庁の見解として、「消費税の軽減税率制度に関するQ&A(個別事例編)」の中で、「インターネット等を利用した通信販売であっても、販売する商品が『飲食料品』に該当する場合には、『飲食料品の譲渡』に該当し、軽減税率の適用対象となる」と明記。今回の政府方針は、「軽減税率の対象となっている飲食料品」の税率を1%に引き下げる立て付けであるため、現行制度上、軽減税率の対象となるECの飲食料品も、今回の措置の対象に含まれる見通しだ。一方、酒類や外食など、現在の軽減税率の対象外となっている商品は、今回の引き下げ対象には含まれない。食品と酒類、日用品などを同時に扱うEC事業者では、商品ごとの税率区分を改めて確認する必要がある。
今回の制度の背景には、物価高への対応を急ぐ狙いがある。高市首相は会見で、税・社会保険料負担や物価高に苦しむ中低所得層の負担軽減を「最重要課題」と位置付け、給付付き税額控除を改革の本丸としつつ、飲食料品の消費税率引き下げをその実施までの経過措置と説明した。あわせて、2027年度には、飲食料品に係る消費税1%相当分の範囲内で、現時点で公的機関が保有する所得情報を活用した所得に連動した給付を導入し、全体として「実質ゼロ化」を実現する考えも示している。
EC事業者にとって重要になるのが、2027年4月1日の税率変更に向けたシステム対応。また2年後には新制度への移行に伴う再対応も想定される。
まず確認したいのが、ECサイトやカートシステムの商品・税率設定だ。商品詳細ページ、カート、注文確認画面、受注メール、納品書、請求書など、税額を表示・計算する箇所を洗い出し、施行日に1%へ切り替えられるよう準備する必要がある。
食品と非食品、酒類、雑貨などを同じECサイトで販売している場合は、商品マスタに設定された税率区分が正しいかどうかも確認しておきたい。
また、受注管理システム、基幹システム、会計システムなどとの連携も重要になる。ECサイト側の表示や計算だけを1%に変更しても、受注データや請求・会計データが8%のままでは、システム間で不整合が生じる可能性がある。
特に注意したいのが、施行日前後にまたがる取引だ。予約販売や定期購入、出荷日が注文日から大きく離れる商品、返品・キャンセルなどについて、どの時点の税率を適用するのか、制度の詳細を踏まえて運用ルールを確認する必要がある。
価格表示についても対応が必要になる。税込価格を表示している場合、税率が8%から1%に変われば、税抜価格を維持した場合の税込価格は変わる。一方、税込価格そのものを維持するのであれば、税率変更分を販売価格側で調整することになる。
そのため、商品ページだけでなく、キャンペーンページ、広告、メールマガジン、モール内の商品情報など、価格を掲載している箇所を横断的に確認する必要がある。
特に複数の販売チャネルを運営している事業者では、自社EC、ECモール、実店舗、モバイルオーダーなどで、価格や税率設定が一致しているかを確認することが重要になる。
ECシステムベンダーでも、対応に向けた動きが始まっている。STORESは7月31日、食料品の消費税率変更を見据え、「STORES レジ」「STORES ネットショップ」「STORES モバイルオーダー」「STORES 請求書決済」などで新税率に対応すると発表した。税率の一括設定や予約設定機能も提供する予定で、制度変更に伴う事業者の対応負担を軽減する。そのほか、BASEも対応準備を進めているという。
ベンダー側の対応状況を確認しながら、自社で利用しているECカート、受注管理、在庫管理、会計など各システムの対応方針を早めに確認しておく必要がある。
政府の議論では、税率変更に伴う事業者のシステム対応も課題となってきた。政府の基本方針は、「消費税率の変更に柔軟に対応できるシステムの普及促進を図る」。今後は、法制化の議論とあわせて、システム改修支援や周知策の具体化が焦点になりそうだ。なお、高市首相は7月30日の会見で、1%への引き下げであれば0%とする場合よりシステム改修期間を短縮でき、2027年4月からの実施が可能との認識を示していた。
今後の流れとして、高市首相は9月に大綱を決定した上で、臨時国会に法案を提出し、早期成立をめざす方針を示している。現時点では法制化に向けた手続きが残されているものの、基本方針では実施時期を2027年4月1日からとしている。EC事業者にとっては、制度の詳細を確認しながら、改修に必要な期間を逆算して準備を進める段階に入ったといえそうだ。
まずは、自社で販売する商品のうち軽減税率の対象となる飲食料品を棚卸しし、商品マスタや税率設定を確認したい。そのうえで、ECカート、受注、在庫、請求、会計、決済、販促表示など、税率変更の影響を受けるシステムや業務を洗い出しておきたい。
政府は、「給付付き税額控除」を2029年度に本格導入する方針。制度の詳細次第では、2029年度以降に再対応が必要になる可能性もあるため、今回の改修では単発の税率変更だけでなく、将来的な税制変更にも対応しやすいシステム設計を検討することが重要になりそうだ。
「洋服の青山」を展開する青山商事はこのほど、熱中症対策アイテムとして外出の多いビジネスパーソンをサポートする「ビジネス向けアイスベスト」を開発、「洋服の青山」全店および公式オンラインストアで販売を始めた。

「ビジネス向けアイスベスト」は、外出の多いビジネスパーソンをサポートする猛暑対策アイテム。ビジネスシーンや式典など、ジャケットの着用を避けられない場面でも、きちんとした見た目を保ちながら衣服内の温度を下げて快適に過ごせるように設計した。「上着を羽織ると熱がこもる」といった顧客の声を受け、「直接体を冷やすことができないか」という点に着目して開発したという。
太い血管が集まっている両脇と、熱がこもりやすい背中の計3か所に保冷剤用ポケットを配置。付属のアイスパック(保冷剤)は多層構造の断熱シートを使用し、冷気の放出を緩やかにすることで身体の冷え過ぎを防ぎながら、気温30度の環境下で5~10度の冷たさが約6時間持続する。
デザインは肩から掛けるインナータイプを採用。フロントベルトを省き、丈を胸下までの短い長さにすることで、ジャケットを羽織った際にもごわつきにくく、スッキリとした印象を演出する。生地にはストレッチ性の高いパワーメッシュ素材を使用。アイスパックを取り外せば、家庭の洗濯機で洗うことができる。
EC担当者の多くが、売り上げ拡大に向けた施策よりも、データの前処理などノンコア業務に多くの時間を割いている実態が明らかになった。EC専用のMA・CRMツール「EC Intelligence」を開発・提供するシナブルは8月5日、「EC・D2C事業者における顧客データ分析と業務リソース」に関する調査結果を公表。これによると、EC担当者の81.6%が、データ整備などのノンコア業務を理由に、本来実施したかった施策や顧客対応を諦めた経験があるという。
自社ECに導入しているツールの活用状況では、いずれのツールも「導入済み・ある程度活用できている」が4割台で最多だった。一方、「導入済み・十分に活用できている」との回答は、自社ECカートシステムでは比較的高かったものの、CDP・データ統合ツールやMAツールでは低く、高度なデータ処理を伴うツールほど十分に活用しきれていない傾向がみられた。
ツール活用における課題は、「ツールの管理画面や操作が複雑で分かりにくい」が37.0%でトップ。「専門知識やノウハウがなく、心理的なハードルが高い」が35.6%、「データの突合や前処理(クレンジングなど)に時間がかかる」と「ツールのサポート体制が良くない・不十分と感じる」がともに34.7%で続いた。
自社ECの管理・運用業務のうち、「データの前処理(突合、整形、クレンジングなど)」に費やす時間は、「6割~8割未満」が34.9%で最も多く、「4割~6割未満」が33.9%だった。全体の68.8%が、業務時間の4割以上をデータの前処理に充てていることがわかった。
前処理の手法では、「自社エンジニアが組んだ専用プログラム」が39.9%で最多。「表計算ソフト(関数やマクロ、VLOOKUPなど)を用いた手作業」が39.7%、「カートシステムや各モールの管理画面からCSVをエクスポートし、手動で統合」が37.8%で続き、多くの事業者が手作業や個別開発に依存している実態が浮かんだ。
顧客データの集計・抽出を他部署のエンジニアや外部ベンダーへ依頼した場合、データが手元に届くまでの時間は「翌日(1日程度)」が35.5%でトップだった。「2~3日」が29.5%、「即時(当日中)」は17.3%にとどまり、大半のケースで1日以上のタイムラグが発生していた。
「本来実施したかった企画・マーケティング施策・顧客対応を、データ整備や分析などのノンコア業務に追われて諦めた経験があるか」との設問では、「頻繁にある」が21.4%、「たまにある」が60.2%で、合計81.6%に達した。
諦めた施策・対応では、「サイトをより見やすく、買い物しやすくするためのUI/UX改善・ページ制作」が51.5%で最も多かった。「顧客ごとにパーソナライズした情報提供やメールマガジン配信」が45.0%、「限定クーポンやイベント・キャンペーンの企画」が32.6%で続いた。
一方、「データ処理がシステム化され、時間を削減できた場合に注力したい業務」では、「既存顧客のロイヤリティ向上(CRM施策・ファン化施策)の設計」が50.3%で最も多く、「顧客対応(カスタマーサクセス・サポート)の強化」が50.0%、「新規プロモーション・キャンペーンの企画立案」が29.3%だった。
改善策として検討している施策は、「現在のMA・CRMツールの見直し・リプレイス」が41.9%で最多。「外部ベンダー(コンサルティング、運用代行など)の活用」が38.8%、「データの自動統合・クレンジングツール(CDPやiPaaSなど)の導入」が30.7%で続いた。
今後、MA・CRMツールに期待する機能では、「専門知識がなくても直感的に操作できるノーコード・シンプルな管理画面」が43.7%でトップ。「自社ECの状況に合わせた施策を提案・自動設定するAIアシスタント・自動生成機能」が39.6%、「複数システム(カート、モールなど)とのノーコードによる自動データ連携機能」が31.6%で続いた。
シナブルは今回の調査について、データの前処理に多くの時間が割かれ、本来注力すべき顧客対応や施策立案が後回しになっている実態が浮き彫りになったと分析。そのうえで、誰もが直感的に扱えるデータ環境の構築が、EC事業者の顧客向け施策を後押しするとしている。
ecbeingは、Googleなどが共同開発した次世代商取引プロトコル「Universal Commerce Protocol(UCP)」を採用した独自実装を進める。GMOペイメントゲートウェイ(GMO-PG)と連携し、AIエージェントが商品選定から決済まで担う「エージェンティックコマース」に対応したECインフラの構築をめざす。

ecbeingは8月6日、社内でUCP対応のPoC(概念実証)を完了したと発表した。UCPは、AIエージェントが商品検索や購入、注文管理などの商取引機能を外部サービスと連携して実行するためのオープンな共通仕様。Googleの「AI Mode in Google Search」や「Gemini」などを通じ、商品発見から購入までをシームレスにつなぐことを想定している。

今回のPoCでは、Googleが公開する仕様に基づき、商品・在庫・価格情報のリアルタイム連携、AIエージェント経由の注文生成・管理、自社ECのCRM・顧客データとの統合、外部決済基盤との連携を検証した。決済領域では、GMO-PGが開発を進めるUCP対応の決済ソリューションと接続し、AIエージェント経由でも安全に決済できる仕組みの構築をめざす。
ecbeingは、エージェンティックコマースをEC事業者にとって新たな販売チャネルと位置付ける。従来の自社ECサイトやSNS、オムニチャネル施策に加え、AI経由の購買にも対応することで売上機会の拡大を図る考えだ。AI経由での購買でも、自社ECのCRMや顧客データを活用し、継続的な顧客関係の構築につなげられるとしている。
既存の「ecbeing」導入企業は、オプションモジュールを追加することで対応する予定。UCPを活用した独自機能の提供時期は、対応するAIエージェントの国内展開や普及状況に合わせて順次発表するとしている。
GMO-PGも同日、オンライン総合決済サービス「PGマルチペイメントサービス」で、UCPを採用した独自決済ソリューションの構築を2026年6月に完了したと発表した。AIエージェント経由の新たな購買需要に対応する環境整備を進めており、ECカート事業者との連携先の1つとしてecbeingをあげている。
電通デジタルが、アドビの「Adobe LLM Optimizer」を活用したGEO(生成エンジン最適化)支援サービスを開始。「Adobe LLM Optimizer」は、生成AIにおけるブランド可視性の分析と改善を支援するソリューションで、直近では機能を強化して「Adobe Brand Visibility」と改称している。
Adobe Brand Visibility(Adobe LLM Optimizerから改称)
https://business.adobe.com/jp/products/brand-visibility.html
電通デジタルは2025年5⽉から「GEOコンサルティングサービス」を提供しており、概要は次のページで確認できる。
生成エンジン最適化(GEO)とは? デジタルマーケティングの新たな潮流を解説
https://www.dentsudigital.co.jp/knowledge-charge/articles/2025-0909-geo
生成AIに正しく認識・参照されるためのGEO/LLMOソリューション
https://www.dentsudigital.co.jp/services/data-ai/generative-engine-optimization
類似のサービスは、Hakuhodo DY ONEやサイバーエージェントなども提供している。
https://www.dentsudigital.co.jp/news/release/services/2026-0727-000337