広告アカウントへの不正アクセスに注意
このところ不正アクセスによる情報漏えいが多発しており、連日報道されている。AIの進化と普及が背景にあるとみられる。広告アカウントへの不正アクセスも発生しているようで注意されたい。
このところ不正アクセスによる情報漏えいが多発しており、連日報道されている。AIの進化と普及が背景にあるとみられる。広告アカウントへの不正アクセスも発生しているようで注意されたい。
家電量販店のコジマが公表した2026年8月期決算によると、EC売上高は前期比3.6%増の382億100万円だった。内訳は、自社ECサイトが同4.3%増の104億9900万円、モール型ECサイトが同3.3%増の277億100万円。
コジマはEC事業を成長事業の1つに位置付けている。2026年8月期は、「コジマネット」で当日配送対象アイテムを拡充し、顧客の購入ニーズへの対応と利便性の向上に取り組んだ。
今後は、AI経由の購買行動が拡大することを見据え、エージェンティックコマースへの対応を進める方針。新たな購買機会の創出を通じて、EC事業の収益拡大につなげる考えだ。
2026年8月期の全社売上高は前期比5.2%増の2976億3200万円、営業利益は同17.7%増の86億2200万円、経常利益は同15.3%増の89億1100万円、当期純利益は同17.4%増の55億2900万円だった。ECを含む全チャネルで増収となった。
全社の取り組みでは、創業70周年記念セールなどの販促施策を展開したほか、IPコラボキャンペーンを実施し、幅広い顧客層の獲得を進めた。
商品別では、エアコンについて東京都の助成制度拡充に加え、「2027年問題」に伴う需要の高まりが寄与したと説明。ゲームは人気ソフトの発売やNintendo Switch 2の在庫回復を追い風に伸長した。パソコンとスマートフォンも堅調に推移した。
2027年8月期の通期業績は、売上高が前期比0.8%増の3000億円、営業利益が同4.4%増の90億円、経常利益が同2.1%増の91億円、当期純利益が同4.9%増の58億円を見込んでいる。
ローソンは10月8日、運営するアカウントサービス「ローソンID」と「ローソンアプリ予約」が第三者による不正アクセスを受け、顧客の個人情報の一部が漏えいしたと発表した。対象は「ローソンID」が215万5345件、「ローソンアプリ予約」が26件。現時点で、本件に起因すると考えられる不正利用や二次被害は確認されていないという。

ローソンによると、10月7日に実施した調査で、9月12日から14日にかけて「ローソンID」、9月17日に「ローソンアプリ予約」が不正アクセスを受けていたことが判明。今回確認された以外の不正アクセスや、マルウェアへの感染は確認されていないとしている。
漏えいが確認された情報は、「ローソンID」ではメールアドレス、氏名のほか、利用状況によっては性別、電話番号、住所、メルマガ取得情報など。「ローソンアプリ予約」では26件を対象に、氏名、電話番号、クレジットカード番号の一部も漏えい対象に含まれている。
原因についてローソンは、ローソンアプリに関連するシステムが不正に利用されたことによるものと説明。本来、アプリ上で利用者本人に情報を表示するためのセキュリティ機構が第三者による不正アクセスを受け、情報漏えいにつながったとしている。
ローソンは発覚後、不審なアクセス元のブロック、「ローソンアプリ予約」機能の停止、アプリ上での告知、対象顧客への個別連絡、関係機関への報告を実施した。個人情報保護委員会にも報告済み。停止中の「ローソンアプリ予約」は、10月中旬の再開を予定している。
再発防止策として、対象システムのセキュリティ対策や監視体制、インシデント対応体制の強化を進める。 ローソンは、対象となる可能性がある利用者に対し、不審なメール、SMS、電話などに注意するよう呼びかけている。
ファーストリテイリングの高成長が続いている。2026年8月期の連結売上収益は前期比16.6%増の3兆9633億円、事業利益は同30.4%増の7184億円となり、大幅な増収増益で5期連続の過去最高業績を達成。ユニクロ事業がすべての地域で増収増益となり、グループ全体の成長をけん引した。この成長の源泉としてファーストリテイリングが掲げるのが、「LifeWear」というコンセプトだ。

「LifeWear」は、顧客の声を起点に商品を磨き込み、必要な商品を必要な量だけ、必要なタイミングで届けるという、商品開発から販売までを一体で設計する考え方でもある。ファーストリテイリングは、この仕組みを事業成長とサステナビリティを両立させる基盤として育ててきた。
2026年8月期は年間4201万件の顧客の声を集め、商品改善や過去の人気商品の再販など、品ぞろえの見直しに生かした。特徴の1つが、商品部門とは独立したカスタマーセンターが顧客の意見を集約し、柳井正社長を含む全社・全部署・全社員に共有し、商品の改善・改良につなげている。
リネン群やヒートテックカシミヤなどのエッセンシャル商品は継続してヒットしたほか、過去の人気商品の再販も好調だった。日本では、1000件以上の要望を受けて「エアリズム3Dマスク」を再販したことも、顧客の声を商品展開につなげた事例としてあげている。
もう1つの強みは、「LifeWear」をグローバルで通用する商品群として磨き上げていることだ。
ファーストリテイリングは、東京、上海、ニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、ロンドンの6拠点にR&D機能を置き、各地域の生活者ニーズを捉えた商品開発を進めている。
世界各地でライフスタイルの共通性が高まるなか、「売れる商品はグローバルで売れる」という考えのもとで商品を育て、各市場へ横展開できる体制を築いている。
販売の考え方も、従来のアパレルとは異なる。春夏・秋冬といったシーズン単位で売り切るのではなく、半袖Tシャツやカジュアルアウターなどを、地域や着用シーンによっては年間を通じて販売できる商品として捉える。
気候変動や天候不順によって需要予測が難しくなるなか、商品の販売期間を柔軟に捉える発想で、販売機会の最大化につなげる。
「LifeWear」は「定番を強くする」だけではなく、「定番をどう長く、広く売るか」まで含めた成長戦略になっている。
店舗戦略も高成長を支える大きな柱だ。
ファーストリテイリングは店舗を「最大のブランディングの場」と位置付け、世界各地で旗艦店や大型店の出店・刷新を進めている。
2026年8月期には、年間売上高50億円以上の店舗がグローバルで60店舗超、うち100億円以上の店舗が10店舗に達した。今後は、年間50億円以上を売り上げる店舗を200店舗に増やすことを目標としている。
その取り組みの一環として、11月6日に京都の既存店を増床し新たにグローバル旗艦店としてオープンする。そのほか、今秋冬に東京都内でも錦糸町店、新宿西口店、ららぽーと豊洲店など、重要店舗の大型刷新を相次いで進める。
海外では、北米で旗艦店・大型店の出店、欧州で新規都市への出店を強化する。中国では、上海にあるグローバル旗艦店を移転・リニューアルし、10月30日に新店舗をオープンする。単なる販売拠点ではなく、「LifeWear」の世界観を体感できる場として店舗を磨き、ブランド支持の拡大につなげる狙いだ。
店舗戦略を下支えするのが人材育成だ。
ファーストリテイリングは、質の高い店舗や旗艦店を経営できる人材の育成を、事業成長における最重要課題の1つと位置付けている。
現役店長が次世代の店長候補を育てる体制を整え、グローバルで旗艦店・大型店を担える人材を計画的に増やしている。2026年8月末時点で、世界のユニクロには3200人以上の店長がおり、そのなかから将来の中核人材を育てていく構えだ。
国内ユニクロ事業のさらなる成長に向けては、オンライン領域も強化する方針だ。ECやデジタルを活用し、顧客ニーズに合った接客を充実させるほか、店舗受取りロッカーなどのサービスも拡充する予定としている。
ファーストリテイリングの高成長は、ヒット商品が偶発的に生まれているからではない。顧客の声を起点に商品を作り、グローバルで通用する定番へ育て、店舗でブランド価値を伝え、それを担う人材を育成する。この一連の仕組みが「LifeWear」というコンセプトのもとで有機的につながっている。成長の理由は、単品の強さではなく、顧客起点の仕組みそのものを磨き続けている点にあると言えそうだ。
ファーストリテイリングが発表した2026年8月期連結決算によると、国内ユニクロ事業のEC売上高は前期比6.3%増の1620億円だった。実店舗を含む国内ユニクロ事業の売上収益は同5.7%増の1兆848億円で、EC化率は同0.2ポイント上昇して15.0%となった。

2026年8月期の国内ユニクロ事業によるEC売上高は、上半期が前年同期比8.4%増の893億円。通期売上高から上半期の売上実績を差し引くと、下半期のEC売上高は同4.0%増の727億円となる。
期中は、ボトムスやTシャツなどの通年商品に加え、「ヒートテック」やUVカット商品などの機能性商品が好調に推移した。トレンドを反映したシルエットや素材の商品を展開したことも販売を後押ししたという。
ファーストリテイリングは、商品、売り場づくり、情報発信を連動させる取り組みを強化したことが、好調な販売につながったとしている。
一方、2026年6-8月期(純第4四半期)の国内ユニクロ事業の売上収益は前年同期比4.0%減。6月と8月の気温が前年に比べて低かったことに加え、台風や豪雨の影響もあり、打ち出していた夏物商品の需要が伸び悩んだという。
ファーストリテイリングの2026年8月期連結業績は、売上収益が前期比16.6%増の3兆9633億8900万円、営業利益が同31.7%増の7431億2800万円、当期純利益が同25.3%増の5425億1600万円だった。ユニクロ事業がすべての地域で増収増益となり、グループ全体の業績をけん引した。
Retail Media Summit事務局は、11月11日(水)・12日(木)に東京・新宿でリアルセミナー「Retail Media Summit 2026」を開催する。
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テーマは「―Beyond Marketing and Commerce―購買行動の変化は、マーケティングと顧客体験の進化へ」。生成AIの浸透に伴い、生活者の購買行動が大きく変化しつつある。生活者が“リアル店舗とEC店舗を自在に横断すること”はもはや当たり前となり、“AIに相談しながら購買意思決定を行うこと”も特別ではなくなろうとしている。
こうしたなか、マーケティング、流通・小売、メディア、広告ビジネス共に、分断/個別最適の従来型組織構造をブレークスルーし(Beyond Borders)、 AI時代の「優れた顧客体験」創造に向けて、進化することが求められる。
セミナーには、マーケティングおよびコマースの進化に関わる各業界のキーマンが登壇。「優れた顧客体験」をめざした最先端のAI・データ活用手法、具体的なケーススタディを語る。
セミナーはオフラインで、参加費は無料(要参加申込)。定員は各日先着1200人。
11月11日(水)
11月12日(木)
Shopify Japanは10月7日、2026年のブラックフライデー・サイバーマンデー(BFCM)やクリスマス、年末年始商戦を含むホリデーシーズンの購買行動と事業者動向に関する日本市場の調査結果を発表した。国内消費者がホリデーシーズンに予定している支出額は平均1万2927円。52%が、セールやお得な商品の検索、商品探しなど、少なくとも1つの用途でAIを利用する可能性があると回答した。

調査によると、ホリデーシーズンに予定している支出額は平均1万2927円だった。ただ国内消費者の47%は、物価や金利、雇用の先行きといった経済状況が、今年のホリデーシーズンの買い物計画にマイナスの影響を与えていると回答した。
こうした状況を背景に、消費者が購入する商品をより慎重に選んでいる姿が浮かび上がった。64%が「手軽に買える商品で済ませるより、本当に欲しい商品を待って購入したい」と回答。62%は、購入前に時間をかけて調べることで、より自分でコントロールして買い物ができていると感じているという。

価格の安さだけを重視するのではなく、納得できる商品を選ぶ傾向もみられた。「お得な買い物」として最も多かった回答は、「自分の予算では難しいと思っていた、より高品質な商品を購入できること」の38%。25%は「最安値の商品より高くても、その価値があるものを購入すること」と回答した。
こうした購買行動のなかで、AIは商品探索や比較の場面でも存在感を高めている。52%の消費者が、今年のホリデーシーズンの買い物で、セールやお得な商品の検索、商品探しなど、少なくとも1つの用途にAIを利用する可能性があると回答した。
また、61%は、最終的な購入を自分で行うのであれば、AIが商品をカートに追加し、必要な情報を入力することにも抵抗がないと回答。この割合は調査対象となった9市場のなかで日本が最も高かったという。

一方、AIに購入そのものを任せられると回答した割合は23%にとどまる。商品を探し、比較し、購入準備を進める工程ではAIを活用しながら、最終的な判断は自分で行いたいという消費者像が浮かび上がる。
若年層ほどAIの利用意向が強く、買い物時にAIツールを「時々」以上の頻度で利用すると回答した人は全体で24%だったのに対し、25~34歳では44%に達した。

事業者側では、今年のホリデーシーズンの売り上げに対する期待感が強い。国内事業者の73%が、売り上げは前年を上回ると見込んでいる。
一方、AI経由を含めて商品発見の接点が広がるなか、売り場の基礎となる商品情報の整備には課題が残る。
商品情報を詳細かつ正確、最新の状態に保つことを「十分に実践できている」と回答した事業者は36%、商品を類似商品と比較しやすくすることを「十分に実践できている」と回答した事業者は31%にとどまった。

Shopifyのグローバルプラットフォームのデータでは、AI経由で商品ページに到達したユーザーのコンバージョン率は、オーガニック検索経由と比べて約80%高かったという。
AIは事業者が顧客とつながる重要な経路になりつつある。事業者は、購入手続き以前の段階から、AIツールを含めたあらゆる接点で商品を見つけやすくし、信頼できる商品情報を提供する体制づくりが重要だ。(Shopify Japan カントリーマネージャー 馬場道生氏)
大塚商会は10月1日、働きやすい職場づくりと企業の福利厚生の充実を支援する「たのめーる サブスクリプションサービス」の提供を開始すると発表した。
オフィス用品通販「たのめーる」で培った法人向けの提供基盤を生かし、福利厚生分野のサービスを拡充。第1弾として、コーヒーサービス「キューリグ(KEURIG)」を10月中旬から提供する予定だ。

少子高齢化に伴う人材不足が続くなか、企業では給与や休暇に加え、働きやすい職場環境の整備や福利厚生の充実が重要な経営課題となっている。
一方、企業には「部署間のコミュニケーションを活性化したい」「従業員の飲食に関わる費用負担を軽減したい」「従業員の多様な嗜好に対応したい」といったニーズがあるものの、自社に合った福利厚生サービスの選定や運用が課題となっている。
こうしたニーズに対応するため、大塚商会は「たのめーる サブスクリプションサービス」を立ち上げた。複数の福利厚生サービスをワンストップで提供し、契約や問い合わせ窓口を一本化することで、サービス導入や運用にかかる企業側の負担軽減と利便性向上を図る。
第1弾として提供する「キューリグ」は、米国発のカプセル式コーヒー&ティーマシンのブランド。マシンと専用カプセルを組み合わせたサービスとなっている。大塚商会のサービスではKEURIG専用マシン「BS300」を貸与し、コーヒー、紅茶、日本茶など37種類から選べるカプセル飲料2箱(1箱12個入り)を定期配送する。
基本メニューの月額料金は税別3300円。専用マシン1台とカプセル2箱が含まれる。追加カプセルは月額1500円から選択でき、最低契約期間は1年以上。
大塚商会は導入メリットとして、従業員満足度の向上、コミュニケーションの活性化、リフレッシュ機会の創出、運用負担の軽減を挙げる。オフィスの休憩スペースにコーヒーマシンを設置することで、従業員同士が自然に交流できる場づくりにもつなげる考えだ。
大塚商会は今後、「たのめーる サブスクリプションサービス」のラインアップを拡充し、福利厚生分野における法人向け支援を強化していくとしている。
Amazonは、AIショッピングエージェント「Alexa for Shopping」に2つの新機能を拡充しました。今回のアップデートにより、米国の消費者はAmazonサイト内だけでなくWeb全域から新商品の発売情報を自動追跡できるようになるほか、Amazonを装った不審なメールやテキストメッセージ、電話が本物かどうかをAIで瞬時に判定できるようになります。
「Alexa for Shopping」は、2024年に公開したAIショッピングアシスタント「Rufus」の機能と、生成AIによって進化した音声アシスタント「Alexa+」を組み合わせ、2026年5月にローンチしたAIショッピングエージェント。商品の比較、価格履歴の確認、セール商品の探索、さらには消費者に代わって購入手続きやカート追加までをシームレスに行う機能を備えています。
Amazonはそれぞれの機能についてブログで詳細を公表し、米国の消費者向けに提供を開始したと発表しました。
米国のEC専門誌「Digital Commerce 360」の各種データベースにおけるAmazonの最新順位は次の通りです。
売上規模では絶対的な首位を誇るものの、サードパーティAIエージェントへのデータ開放度を測る「AI Commerce Rankings」では158位にとどまっており、自社独自のエコシステム(Alexa for ShoppingやRufus)への囲い込みを重視するAmazon独特の戦略が現れています。
新機能の1つ目である「Update Me When」は、従来からある価格トラッキング機能(指定価格に達した際の通知・自動購入)とは異なり、新商品やコンテンツのリリース情報を監視・通知する機能です。
最大の特長は、「Amazon.com」のカタログ内にとどまらず、Web全体を横断的にモニタリングできる点にあります。
Amazonで会話型ショッピング担当バイスプレジデントを務めるラジブ・メータ氏によると、ユーザーは「4人以上で遊べる新しい協力型ボードゲームが発売されたら教えて」「新しいKindleが発売されたら教えて」といった具体的な条件を依頼できると言います。
商品だけでなく、アーティストのツアー発表、書籍の新刊、テレビ番組の新シーズン、最新ガジェットの発売日などもAIが自動検知してユーザーに通知します。
2つ目の新機能は、深刻化するなりすまし詐欺(フィッシング詐欺)への対抗策です。Amazonには現在、同社を名乗る連絡が本物かどうかを確認する問い合わせが顧客から年間約36万件寄せられています。
ユーザーが不審なメッセージの送信者、受信日時、本文内容をAlexaに伝えると、AIは送信元、本文、タイミング、フォーマットなどの特長を分析し、Amazonが世界中で送信している数十億件の公式メッセージの記録と即座に照合します。
照合結果は、数秒で次の3つのいずれかを提示します。
AIが「完全に確信」できた場合のみ本物と判定する厳格な基準が設けられており、不審なメッセージと判断された場合はリンクのクリックや返信を行わないよう警告し、カスタマーサービスへの確認を促します。
Amazonによると、Alexaがメッセージを本物と判定するのは、そのことを「完全に確信」できる場合に限られるそうです。Amazonの記録と一致しない場合、エージェントはリンクをクリックしたり、返信したりしないよう消費者に通知。最近の注文履歴を確認したり、Amazonのカスタマーサービスに問い合わせたりするよう案内する場合もあります。
「Alexa」が判断できない場合は、追加の情報を提供するか、別の確認方法を利用できます。たとえば、不審なメッセージをAmazonの確認用メールアドレスに転送する方法があります。
送信された情報はすべて、Amazonの顧客保護・不正対策チームへ自動的に送られます。チームはこれらのデータを活用して、新たな詐欺のパターンを特定、不正行為者を調査します。この機能はまず米国で提供され、今後ほかの地域にも拡大する予定です。
米連邦取引委員会(FTC)の2025年レポートによると、企業や政府機関を装ったなりすまし詐欺により、60歳以上の成人が1万ドル以上の被害を受けた報告数は、2020年比で4倍以上に急増しています。
なかでも「Amazonの担当者」を装って不審なアカウント利用を警告する手法が横行しており、今回のAI機能導入はブランドと顧客の双方を守る重要な防犯インフラとなります。
AIを活用した商品検索が定着しつつある一方で、調査データからは消費者が抱く「信頼性の壁」が依然として高いことが浮き彫りになっています。
Alchemerの「2026 リテール レポート」によると、米国の消費者の48.5%が過去1年間に商品調査でAIを利用したと回答。しかし、AIのお勧めを「完全に、またはほぼ信頼している」と答えた割合は35.4%にとどまり、22.2%は「まったく信頼していない」と回答しています。
また、16.5%は「小売企業が売りたい商品へ意図的に誘導されること」を懸念しています。
「Digital Commerce 360」とBizrate Insightsが実施した調査では、EC利用者の55.8%がAIの利用に理解を示す一方、46%以上が「個人データの利用方法が不透明である」と回答しています。
ただ、Amazonが「Alexa for Shopping」に追加している機能には、多くの消費者がAIショッピングアシスタントに求めているものも含まれています。YouGovの2025年調査によると、消費者がAIアシスタントに期待する機能は「お得なセール情報の発見」(67%)「商品比較」(56%)「商品情報の提供」(55%)といった情報収集が中心で、お買い得な商品を見つけるためのサポートを求めていました。
また、「事前の確認なしにAIに購入まで任せられる」と答えた人はわずか4%にとどまりました。
全体として、信頼性が大きな障壁となっています。米国の消費者の40%強が、AIショッピングアシスタントをまったく信頼していないと回答しています。
不正アクセスによる個人情報の漏えいなどセキュリティインシデントが急増している。EC・通販業界でも、ヤマト運輸や佐川急便で不正アクセス事案が発生したほか、利用しているクラウドサービスへの不正アクセスの影響で在庫連携システムが停止するなど、外部サービスを介して実務に影響が及ぶケースも発生している。情報漏えいやシステム停止は、自社が直接攻撃を受けた場合だけでなく、利用している外部サービスの障害やセキュリティインシデントによっても起こり得る。自社が不正アクセスや情報漏えい、ウイルス感染、システム停止といったインシデントに直面した場合、何を優先し、どのような手順で対応すればよいのか。被害拡大を防ぎ、迅速な復旧と再発防止につなげるための基本的な対応を経済産業省が公表しているガイドラインの内容を基に整理する。

不正アクセスやランサムウェア被害、情報漏えい、システム停止といったセキュリティインシデントは、被害を完全に防ぐことが難しい。だからこそ重要になるのが「発生後にどう動くか」だ。
初動が遅れたり、判断を誤ったりすると、被害範囲の拡大や復旧の長期化、企業の信用低下につながる可能性がある。
経済産業省が公表している中小企業向けのインシデント対応資料でも、事故発生時には被害と影響範囲を最小限に抑え、迅速に復旧するとともに、再発防止につなげることが重要とされている。
情報漏えいや改ざん、システム停止などのインシデントでは、被害と影響範囲を最小限に抑えながら、事業継続を確保することが重要だ。あわせて原因を特定し、同じ問題を繰り返さないための再発防止策まで講じる必要がある。
被害は金銭面だけにとどまらない。直接的な損失として、不正送金や金銭要求への対応費用、調査・復旧のための外部委託費、社内外の対応に要する人件費、取引先や顧客への謝罪対応費、弁護士費用などが発生する可能性がある。
さらに、顧客や取引先への影響、企業の信用低下、サービス停止による機会損失など、間接的な被害にもつながる。
インシデント発生時の対応は、大きく3段階に整理できる。場当たり的に対応するのではなく、あらかじめ決めた手順に沿って動くことが重要だ。
異変や通報を検知した場合は、まず情報セキュリティ責任者などへ速やかに報告し、経営者を含めた対応体制を立ち上げる。誰が意思決定を行い、誰が調査を担当し、誰が社外対応を担うのかなど、役割分担を早期に明確にする。
初動では、被害拡大を防ぐための措置を優先する。具体的には、ネットワークからの遮断、対象機器の隔離、必要に応じたサービス停止などがある。
ただ、不用意に端末の電源を切るなどの操作を行うと、ログなどの証拠が失われる可能性がある。原因や被害状況が明確でない段階では、証拠保全も意識して対応する必要がある。
次に、関係者への連絡と必要な公表を進める。影響を受ける本人への連絡に加え、ウェブサイトや報道発表などによる第一報の公表、問い合わせ窓口の設置も重要になる。
事案の内容や被害状況が確定していない場合でも、判明している事実と調査中の事項を分けて伝えるなど、適切な情報発信が求められる。
また、事案の内容によっては、行政機関などへの報告・届け出が必要になる。個人情報の漏えいなどでは個人情報保護委員会への報告対象となる場合があるほか、犯罪被害が疑われる場合は警察、サイバー攻撃やウイルス被害についてはIPAなど、事案に応じた相談・届出先を確認する必要がある。業法などに基づく報告義務がある場合は、所管省庁への報告も必要になる。
初動対応と必要な報告を進めた後は、状況を5W1Hで整理しながら原因調査と復旧を進める。
修正プログラムの適用、設定変更、データ復元などを実施し、自社だけでの対応が難しい場合は、システムベンダーや外部の専門機関の支援を受ける。
同時に重要なのが証拠保全だ。後の原因究明や対外説明、必要に応じた法的対応に備え、ログや端末、設定情報などを適切に保全する。
必要に応じてフォレンジック調査を活用し、パソコンのハードディスクやメモリ、サーバー、ネットワーク機器などに残された情報を調査する。根本原因を分析したうえで、ルール整備や技術対策、運用改善などの再発防止策を講じる。
インシデントといっても、情報漏えい、マルウェア感染、システム停止では取るべき対応が異なる。代表的な3類型について整理する。
情報漏えいの原因は、不正アクセスだけではない。内部不正、メールの誤送信、ウェブ上での誤公開、端末の紛失など、複数のパターンがある。
不正アクセスが疑われる場合は、対象システムをネットワークから切り離し、必要に応じてサービスを停止する。アカウント情報やクレジットカード情報の漏えいが疑われる場合は、対象アカウントの停止・再発行や、カード会社への連絡など、情報の種類に応じた対応も必要になる。
内部不正が疑われる場合は、関係者のアクセス権限を制限するとともに、使用していたパソコンやログを保全し、証跡を確保する。
メールの誤送信やウェブ上での誤公開であれば、送信先への削除依頼、公開情報の削除やアクセス制限などを速やかに行う。
再発防止では、不正アクセスなら脆弱(ぜいじゃく)性対策や設定の見直し、内部不正ならアクセス制御やログ管理の強化、誤送信・誤公開ならダブルチェックや送信前確認の仕組み化など、原因に応じた対策が必要になる。
パソコンやサーバーがウイルスなどに感染した疑いがある場合は、被害拡大を防ぐため、対象機器をネットワークから切り離すことが基本となる。感染機器をネットワークにつないだままにすると、社内の他の機器やシステムに被害が広がる可能性がある。
感染の種類や状況を確認したうえで、セキュリティソフトによる検査・駆除、OSやソフトウェアの更新、必要に応じた機器の再構築などを行う。自社だけで判断せず、セキュリティ専門会社などに相談することも重要だ。
ランサムウェアでは、復号ツールが利用できるケースもあるが、必ずしも復旧できるとは限らない。バックアップが利用できる場合は、感染の影響を受けていないことを確認したうえで、バックアップからの復元を検討する。
このとき注意したいのがバックアップの保管方法だ。バックアップ装置が常時ネットワークに接続されていると、バックアップデータまで暗号化される可能性がある。そのため、複数の媒体や場所にバックアップを保管するなど、障害や攻撃を想定した運用が重要になる。
システム停止は、ソフトウェアの不具合、ハードウェア故障、設定ミス、サイバー攻撃など原因が幅広い。
そのため、初期段階で原因が分からない場合でも、単なるシステム障害と決めつけず、セキュリティ上の問題も含めて慎重に切り分ける必要がある。
業務継続を優先する場合は、冗長化構成への切り替えなどによって稼働継続を試みる。ただし、情報漏えいの可能性がある場合や、安全性を確認できない場合は、無理に稼働を続けず、システム停止を選択する判断も必要になる。
復旧までの間は、代替手段で業務を継続しながら原因調査を進める。事態収束後は、同様の停止に備え、事業継続計画(BCP)やIT-BCPの見直しも行う。
実際に事故が発生すると、現場は混乱しやすい。外部機関への相談や社内共有を円滑にするためにも、次の項目をできるだけ早く整理しておきたい。
この情報を整理できているかどうかで、初動対応の質や外部から支援を受ける際のスピードが変わる。
自社だけでの対応が難しい場合や、法令などに基づく報告が必要な場合は、外部機関への相談も検討する。代表的な相談先は次の通り。
不正アクセスやマルウェア被害を完全にゼロにすることは難しい。だからこそ重要なのは、被害を受けないための対策だけでなく、被害が発生したときにどう動くかを事前に決めておくことだ。
連絡体制、初動手順、外部相談先、証拠保全の方法、対外公表の流れまで整理しておけば、いざというときの判断スピードを高められる。
被害拡大を防ぎ、事業継続への影響を最小限に抑えるためにも、平時からインシデント対応手順を確認し、定期的に見直しておくことが重要だ。
IDCフロンティアの法人向けクラウドサービスが不正アクセスを受けた影響が、EC・通販業界にも広がっている。
EC事業者向けに在庫連動・在庫管理などのシステムを提供するグリニッジは10月7日、IDCフロンティアのクラウド基盤「IDCFクラウド」で発生した障害の影響により、「らくらく在庫」「らくらく最安更新」「ウルトラASP」の一部サービスが停止していると公表。在庫連携や価格更新など、EC店舗の運営に直結する処理が停止しており、利用事業者に影響が及んでいる。

グリニッジによると、停止しているのは「らくらく在庫(らくらくセット管理)」「らくらく最安更新」「ウルトラASP(一部)」。
利用しているサーバー基盤「IDCFクラウド」で第三者による不正アクセスに起因する障害が発生したためで、対象サービスを利用する全店舗で、復旧まで在庫連携や価格更新などの処理が行われない状態となっている。
グリニッジは「らくらく在庫(らくらくセット管理)」「らくらく最安更新」「ウルトラASP」を利用しているEC実施企業に対し、必要に応じて各ECモールの管理画面から在庫数や価格を確認するよう呼びかけている。
影響範囲については確認を進めており、10月7日時点で、グリニッジが管理する顧客情報の流出は確認されていないという。復旧状況やサービス再開の見通しについては、確認でき次第案内するとしている。
今回の障害の発端となったIDCフロンティアの発表によると、不正アクセスが発生したのは10月7日午前3時40分頃。
クラウドサービス「IDCFクラウド」の一部システムに第三者から不正アクセスがあり、東日本リージョン1で障害が発生した。調査の結果、原因は第三者によるランサムウェア攻撃だったことが判明したという。
IDCフロンティアは二次被害やデータ漏えいを防ぐため、東日本リージョン1をネットワークから遮断したうえでシステムを停止。侵入経路の特定と遮断を進めるとともに、東日本リージョン1以外のリージョンについても安全性を確認している。
さらに、被害拡大を防ぐため、他リージョンでも外部からアクセス可能な管理コンソールを停止し、安全確認を進めている。
IDCフロンティアによると、今回の影響範囲はIDCFクラウドを契約している495の企業・自治体に及ぶ。対象となる顧客には個別に連絡しているという。
今回の事案では、クラウドインフラへの不正アクセスが、グリニッジのようなEC支援事業者のサービス停止を通じ、その先のEC店舗の業務にも影響を及ぼしている。
ホームセンター大手のカインズは10月6日、木造住宅用建築副資材専門商社であるソニテックの全株式を取得する株式譲渡契約を締結したと発表した。契約締結日は9月18日で、必要な手続きを経て10月19日に株式譲渡を実行する予定。
ソニテックをグループに迎え、住宅図面を起点にした積算から受発注、在庫管理、配送管理までをつなぎ、新築からリフォームまでを支える建築資材のサプライチェーン強化を進める。

今回の買収は、建築・住宅業界で深刻化する職人や施工管理人材の不足を背景に、施工現場の生産性向上をめざすもの。
住宅建築の現場では、多様な資材を工事の進捗に合わせて手配・納品する必要がある。資材の調達や納期、配送の管理が施工現場の負担になっていることから、カインズは商品の供給だけでなく、調達から物流までを含めた供給体制の強化に取り組む。
住宅図面を起点にした積算、受発注、在庫管理、配送管理までをつなげることで、施工現場の業務効率化と生産性向上を支援する。
ソニテックは1967年創業の建築副資材専門商社。ハウスメーカーやビルダー向けに、住宅図面をもとにした積算代行から、複数メーカーの商品を取りまとめた邸別・工程別の配送管理まで、一気通貫で提供している。
東北から九州まで営業所や配送センターを展開し、木造住宅用建築副資材の総合販売を手がけるほか、建築のプロ向け業務用建材・建築資材のECサイトも運営している。
カインズはソニテックが持つ建築副資材の調達、積算、受発注、物流のノウハウを取り込み、建築プロ向けの資材調達・供給機能を拡充する。
カインズはホームセンターの店舗網に加え、EC、リフォーム事業、建築プロ向け会員制卸売店舗「C'z PRO」を展開している。これまでも大都のグループ化、リフォームテクノロジー(旧・交換できるくん)との連携、アンドパッドとの資本業務提携などを通じて、商品調達、販売、施工、デジタル基盤の連携を進めてきた。今回のソニテックのグループ化も、こうした取り組みの一環となる。
今後は、ソニテックが培ってきた専門性や既存の顧客・取引先との信頼関係を尊重しながら、カインズが持つデジタル活用のノウハウや商品開発力も生かし、事業運営の高度化を進める。新築からリフォームまで、建築プロの施工生産性向上に寄与する独自のサプライチェーン構築をめざすとしている。
経済産業省が設置しているデジタルプラットフォーム取引相談窓口が、「AI時代のデジタル広告サプライチェーンにおける透明性と媒体収益の確保」についてのセミナーを開催。広告主・パブリッシャー透明性推進協議会(APTI)の杉原剛氏と宮一良彦氏によると、デジタル広告サプライチェーンにおける透明性は「人への説明責任」だったが、AI時代には「機械の判断材料」に変わる。誰が売っているのか、この在庫は誰のものか、どの経路で買えるのかといった情報を機械が検証できなければ、買付対象として選定されにくくなる。ads.txtで「OWNERDOMAIN」(この在庫は誰のものか)は必ず宣言すべきだが、記載してある割合は1割に届かないという。収益を増やすために販売パートナーを広げた結果、複数リセラーの重複経路がある(適正な経路が分からない)在庫として買付対象から外されている例も少なくないようだ。
試しに日本の大手新聞社サイトのads.txtを確認してみると、読売新聞も朝日新聞も1,000行以上、毎日新聞は3,000行以上ある。アメリカの大手新聞社サイトのads.txtは300行未満であることからすると、適切に管理されているのかは疑わしい。
ジャパネットホールディングスは2027年1月、長崎スタジアムシティ内に通販事業を担う大規模コールセンターを開設する。スタジアムシティ全体の機能強化の一環として拠点を拡充するもので、オープニングスタッフとして300人を新規採用する。

新拠点は、長崎スタジアムシティノースで稼働している問い合わせ窓口を統合して設ける。ジャパネットによると、新たなコールセンターの規模は751.27平方メートルで、現在の約10倍に拡大する。通販事業を担う中核拠点として整備し、スタジアムの熱気を感じられるオフィス環境も特徴として打ち出している。
同社は今回の開設について、創業の地である長崎での地域経済活性化と雇用創出を進める取り組みの一環と位置づける。長崎スタジアムシティの機能を強化しながら、主幹事業である通信販売を支える体制を拡充する狙いだ。
あわせて開始した採用活動では、コールセンターのオープニングスタッフ300人を募集する。新拠点の開設を通じて、長崎における雇用の受け皿を広げる考えを示している。
また、長崎スタジアムシティでは、パート社員の時給を最大180円引き上げ、1220〜1350円の水準に見直した。
ジャパネットホールディングスは10月1日、非正規社員(契約社員・パート社員)の給与水準引き上げを柱とする人事・給与制度の改定を実施したと発表した。休日数の追加や食事補助の拡充、働き方選択制の導入も進める。
物価高への対応に加え、「より選ばれる企業」をめざし、長崎の雇用環境や賃金水準の底上げにつなげる考えだ。

今回の改定では、グループ全社で非正規社員の給与水準を引き上げる。なかでも長崎スタジアムシティのホテル・コールセンター勤務のパート社員は、時給を最大180円引き上げ、改定後のベース給与を1220~1350円とした。契約社員の月給も新基準に改定し、最大約4万2000円引き上げる。
これにより、長崎県内の非正規社員全体の月額基本給は大幅に増加。1人あたりの給与上昇率は長崎県平均で13.0%、最大で約24%の引き上げになるとしている。ジャパネットは今回の改定を通じて、長崎の賃金水準の向上に直接的に貢献したい考えを示した。
待遇改善は給与面にとどまらない。契約社員には新たに「夏季・年末年始休日」として年間5日を付与し、年間休日を拡充する。食事補助も強化する。6月から実施している、従来は月5回だった食事補助を月10回に倍増する施策を継続。長崎スタジアムシティでは、10食分として最大月1万1000円分を専用アプリ「スタpay」で支給する。日々の食費負担を軽減し、働きやすさの向上につなげる。
2027年4月からは、「アクティブワーク」と「バランスワーク」を選べる「働き方選択制」を導入する予定。出勤日を確保してしっかり稼ぎたい人向けの働き方と、休日数を確保して私生活を重視したい人向けの働き方を用意し、ライフステージに応じた柔軟な勤務を後押しする。
ジャパネットは、長崎スタジアムシティをはじめとした地域創生事業を通じて、創業の地である長崎の魅力をともに磨き上げ、ワクワクを伝えることで、日本全国の活性化につなげることをめざしている。2026年8月に総務省が公表した「都道府県別年間収入」によると、長崎は全国で34位。今回の取り組みが長崎の給与水準を力強く牽引し、長崎の雇用と経済に好循環を生み出せればと考えている。給与水準だけでなく、メリハリを持った“働き方”についても、1つのモデルケースとなるよう、これからも取り組んでいく。(ジャパネットホールディングス 髙田旭人社長)
英国生まれのオーダーメイドカーテン・ブラインドのD2Cブランド「Tuiss(チューイッシュ)」で、日本市場のマーケティングを担当している虻川です。この連載では、長年BtoBマーケティングを経験したのち、D2Cのマーケティングにキャリアチェンジして1年ほどの駆け出し担当者が取り組んでいることを紹介しています。前回は、値引きに頼らず「選ばれる力」を積み上げるための「ボトムアッププランニング」についてお伝えしました。今回は、その「選ばれる力」の中身であるコンテンツについて解説します。
D2Cのマーケターは、Webサイト、ブログ、動画、SNS、広告のコピーなど、デジタル上のさまざまなコンテンツを扱います。私もBtoB時代からコンテンツ制作に携わり、現在も実際に手を動かして制作をしています。
これまでの経験から強く感じているのは、どんな商材であれ成果を分けるのはクリエイティブ(制作物)のできだけではなく、その手前にある「何を伝えるか」だということです。お客さまの間で実際に話題になっていること、興味を持ってもらえることを把握し、正しく伝わる形にして、Webにも動画にも広告コピーにも一貫した内容を落とし込んでいく――。情報量が増え続けるこの時代に、この役割はますます重要になってくるでしょう。あえて言葉にするなら「ナラティブ・ディレクター」としての力が必要なのではないかと感じています。
特に「チューイッシュ」のような駆け出しのフェーズでは、限られた予算・リソースのなかでビジネスを伸ばしていかなければいけません。大きな費用を投じた施策だけに頼るわけにはいかないため、自分たちの手で作れるものをしっかり作ることを大切にしています。
「ナラティブ」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、私は「このブランドは何を大事にし、お客さまの暮らしをどう良くするのか」を、愚直に言葉にし続けることだと捉えています。お客さまが商品を使い、感想を口にしたものを、また次の発信につなげていく。その進行中のやり取り全体がナラティブです。だからこそ、1つひとつの発信に気を配りながら、あらゆる接点で同じことを伝え続けることが必要になります。
私が意識しているのは、次の4つです。
1つずつ見ていきます。
自社の訴求は、一度発信しただけでは伝わりません。さまざまな情報を繰り返し届けることで多くの人に見てもらえるようになります。そのため、コンテンツも「ボトムアッププランニング」と同じ発想で、まずは年間単位で「どれだけ作るか」を計画します。
私が計画の軸に置いているのは、今でもSEOです。商材によってはSNSの発信量を軸にするほうが合う場合もありますが、検索ボリュームは実需要との関連性が高く、ある程度の発信量を担保すればパフォーマンスが読めるので、計画に落としやすいというメリットがあります。
まず土台として、SEOの競合・キーワード分析ツールで、各キーワードの検索ボリュームを把握し、競合との比較を行います。こういったツールは有料ですが、「Ahrefs(エイチレフス)」など比較的安く導入できるものもあります。古典的な作業ですが、ここをおろそかにすると計画が「絵に描いた餅」になるので、SEOの実担当でなくても時間をかけて目を通す価値があります。
そのうえで、狙うキーワードを3つの層に分類します。層によって、やるべきことは変わってきます。
この3層それぞれに、対応するテーマのアセットを割り当てます。そのうえで、トレンドや季節性を見ながら優先順位をつけ、年間の制作カレンダーに落とし込みます。
着手する順番にも原則があります。まずは売れ筋・勝ち筋のある商品のコンテンツから手をつける。成果に直結する場所から埋めるのが基本です。計画倒れにしないためには、全方位に広げず、インパクトの大きいところから順に進めることが大事だと感じています。
計画ができたら、次は新しいものを作り始める……その前に、やることがあります。すでにあるアセットの点検です。特に、機能的な価値を伝えるサイト内コンテンツやオウンドメディアは、必要な情報を出しきれているかの確認が欠かせません。
「チューイッシュ」はSKUが2500を超える、商品数の多いブランドです。これだけ多いと、既存のコンテンツにどうしても「漏れ」が出てきます。SEO的にカバーできていないテーマ、強みが正しく載っていない広告コピー、購入の判断材料が足りていないWebページ、そもそも動画やSNS投稿がない商品。こうした不足を1つずつ埋めるだけで、パフォーマンスは大きく変わります。
既存アセットを見直しただけで成果が出た例はいくつもあります。広告のタグラインを強みが伝わる表現に変えただけでROAS(広告費用対効果)が数割改善したり、ブログ記事をリライトしただけで流入が数倍になったり。新しく何かを作ったわけではなく、すでにあるものの「伝わらなさ」を直しただけです。
コンテンツの漏れは、市場を見るとさらに見つかります。競合や近い業界をベンチマークすると、あるべき情報が抜けていたり、売れるポテンシャルのある商品なのに何も発信できていなかったり、ということが起こります。逆に、SNSでの発話を観察するなかで、ニーズがあるのにどの企業も発信していない情報が見つかれば、そこは自社が先に埋めるべき場所であり、そのまま制作の優先順位になります。
もう1つ見落としがちな漏れが、時間による劣化です。自身の顧客理解が深まり、知識も増えてくると過去のコンテンツが物足りなく見えてきますし、時間と共にトレンドも変わってきます。これも立派な漏れです。新規制作と並行して既存アセットを定期的に見直し、手入れし続けることが欠かせません。
大きなプロモーションももちろん大切ですが、多様なニーズを持つお客さまに非対面で購入してもらうD2Cで着実に効くのは、この「漏れをなくす」地道な作業だと考えています。
新しくコンテンツを作り始める前に、必ず決めておきたいことがあります。そのコンテンツに触れる前と後で、読み手の考えがどう変わってほしいのか。いわゆる「態度変容(パーセプションチェンジ)」です。
これは、私がマーケティングオートメーション(MA)ツールのベンダーにいた頃、「エンゲージメントマーケティング」という概念のなかで提唱されていた考え方です。当時から10年近く経ち、扱うチャネルも商材もすっかり変わりましたが、今も変わらず大事にしている視点です。
たとえば「そんな選択肢があると知らなかった人が、知る」「価格が高いと思っていた人が、その理由に納得する」。コンテンツを通じて新しい気づきを与えたり、検討中の不安を払拭(ふっしょく)したりする――。その変化を作り始める前に定義しておくと、コンテンツの核になる情報が自然と決まり、制作の途中で迷わなくなります。
この作業には、もう1つ効果があります。読み手の心を動かさないコンテンツが減ることです。文章として整っていても、言いたいことが伝わらないコンテンツは案外多いもの。ですが、変化を先に決めておけば、それを説明できないコンテンツは作られなくなります。
社内の別担当者や社外の人に制作してもらう場面も多くありますが、あがってきたものをレビューするときも、「その変化を起こせているか」という一本の基準で判断できます。
ここまで進めれば、必要なコンテンツは一通りそろってきます。ただ、他社と同じことを言っているだけでは、どれだけ量があっても差別化にならず、新しいニーズを生むこともできません。さらに成長するために必要なことは、自社ならではの独自性です。
一般に「インサイト」と呼ばれるものですが、中小企業に大がかりな調査の予算はありません。私がやっているのは、ごく当たり前のことです。競合のアセットを見る、近い業界のベンチマーク企業を見る、SNSを見る、検索する、いろいろな場所に足を運ぶ、お客さまやお客さまになり得る人の話をたくさん聞く、それだけです。
そこで差がつくのは、手段ではなく「見方」だと考えています。
まず「何を打ち出しているか」を見て、自社のリソースでは何を強みとして出せるかを比べます。逆に、まだ誰も言っていないことがあれば、そこは自社が語るべき隙間です。ベンチマークにする企業は上場企業が多いので、公開している戦略や中期計画から、どのような市場に可能性を見ているかまで読み取るようにしています。
公式アカウントと一般の投稿の両方で、伸びている投稿に注目します。なぜ伸びたのか、そこにどんな気づきがあるのかを探り、「自社でまねできるか」「それは商品アイデアか、訴求か」「どのくらいの手間で取り入れられるか」まで判断する。観察を、そのまま打ち手の候補に変えていくイメージです。
そして何より大事なのが、お客さまと同じ視点でいろいろなものに触れてみることです。「チューイッシュ」はインテリア商材で、日々の時間を大切にしているお客さまが多いです。だから私も、家具の展示会に足を運んだり、価格帯の高いインテリアショップを訪ねて「どんなブランドが並んでいるのか」「自分はどこを美しいと感じるのか」を確かめたりします。
おしゃれなカフェで「どんな内装に心が動くか」を眺めることもあります。インテリアが好きな人は、旅やファッション、音楽といったカルチャー全般を好む人が多い印象があるので、そうした場にもできるだけ触れるようにしています。数字やデータに加えて、1人の生活者として何に心が動くのかを意識しています。
自社のビジネスそのものに興味を持ち、お客さまになりきってみる。それを続けるほど、語れることが増えていきます。その積み重ねが、そのまま自社の独自性やブランドの中身になっていくのです。
ここまで見てきたように、必要な情報を取りまとめ、お客さまに伝わる形にして届けていく。それを続けるのが「ナラティブ・ディレクター」の役割です。
この積み重ねは、これからのマーケティングでますます効いてくると考えています。生成AIに引用・要約されるうえでまず大事なのは、情報が一通り網羅されていることです。存在しない情報は、当然ながらAIにも拾われません。上述した「漏れをなくす」作業は、そのまま「AIに見つけてもらえる状態」を作ることでもあります。
そのうえで、網羅した情報が正しく、一貫していること。矛盾した情報やあいまいな表現は、AIに誤って要約されたり、拾われなかったりします。まず網羅し、そのうえで一貫した情報を発信する。この順番で情報を整えておくことが、これからのAI経由の流入(LLMO)に効いてくると感じています。
限られた予算とリソースのなかで確実に成果を出し続けるには、量を計画し情報の漏れをなくし、起こしたい態度変容を決め、お客さまになりきって自社ならではの中身を作る。地味ですが、D2Cにとってはこれがいちばん確実な積み上げだと考えています。
次回は、その一貫したナラティブに「中の人」の人格をどう載せるか――。BtoBではドライな発信で問題なかったのに、D2Cではなぜパーソナリティが必要になるのか――といった内容をお伝えします。
ミスターマックス・ホールディングスは10月6日、グループ会社でディスカウントストアを展開するミスターマックスが運営する「MrMaxアプリ」とECサイトのサーバーが第三者による不正アクセスを受け、会員情報の一部が外部に流出したと発表した。対象は、2026年10月3日時点で会員登録していた最大173万5154人。
ミスターマックス・ホールディングスによると、10月3日夕方にサーバーへの不審なアクセスを確認。サービスを一時停止し、同日中に外部からのアクセスを遮断した。その後の調査で、第三者がサービスを構成するソフトウェアの機能を不正利用してサーバーに侵入し、会員情報の一部が流出したことが判明したという。
流出した可能性がある情報は、会員ID、氏名、メールアドレス、電話番号。対象となる情報は、会員ごとの登録状況によって異なるとしている。一方、住所、生年月日、クレジットカード情報、パスワード、購入履歴については、流出していないことを確認しているという。対象となる顧客には、メールで個別に連絡する。
現時点で、流出した情報を悪用した被害は確認されていない。ただ、同社は今後、流出した情報を悪用した「なりすましメール」や「フィッシングメール」が送られる可能性があるとして注意を呼びかけている。不審なメールや添付ファイルは開封せず削除することに加え、ミスターマックスや関係者を名乗る不審なメール、SMS、電話、郵便物にも注意するよう求めている。なお、ミスターマックスが顧客にパスワードやクレジットカード番号を尋ねることはないとしている。
個人情報保護委員会への報告と警察への相談を進めているほか、不正アクセスの経路を遮断する対策を実施済みという。現在は外部専門機関の協力を得て詳細な調査を進めると同時に、監視体制を強化している。
調査結果を踏まえてシステムの安全対策を強化し、再発防止に取り組む方針。新たに公表すべき事実が判明した場合は、速やかに知らせるとしている。
なお、業績への影響については精査中で、今後、重大な影響が認められた場合には開示するとしている。