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【EC運用の実務調査】バナー差し替えや文言修正を社内で完結できるのは3人に1人、軽微な修正を「ほぼすべて社内で完結できる」は32.5%

6 日 5 時間 ago
【EC運用の実務調査】バナー差し替えや文言修正を社内で完結できるのは3人に1人、軽微な修正を「ほぼすべて社内で完結できる」は32.5%
メルカートの調査によると、ECサイトのバナー差し替えや文言修正を社内だけで完結できる担当者は32.5%にとどまった。外部に依頼した場合は37.9%が反映までに1週間超かかると回答。軽微な更新でも外部依存や承認手続きが発生し、販促の機動力を損なっている実態が浮かび上がった。
furukawa2026年10月14日

クラウドECサイト構築プラットフォームを提供するメルカートは10月13日、「EC運用の実務調査」の結果を公表した。調査によると、ECサイトのバナー差し替えや文言修正といった軽微な更新を「ほぼすべて社内で完結できる」と回答したEC実務担当者は32.5%にとどまった。外部に依頼した場合、37.9%が反映までに1週間超かかると回答。EC運用における更新の待ち時間が課題として浮かび上がった。

【EC運用の実務調査】バナー差し替えや文言修正を社内で完結できるのは3人に1人、軽微な修正を「ほぼすべて社内で完結できる」は32.5%
メルカートは「EC運用の実務調査」の結果を公表

軽微な修正でも外部への依頼が必要な事業者が多く

EC事業の実務担当者に、バナー差し替えや文言修正などの軽微な修正・変更を社内だけで完結できるかを聞いたところ、「ほぼすべて社内で完結できる」と回答した割合は32.5%だった。

一方、「半分程度は社内で完結できる」は53.0%、「ほとんど外部に依頼している」は12.0%。合わせて65.0%が、軽微な修正でも外部に依頼する場面があると回答した。

【EC運用の実務調査】バナー差し替えや文言修正を社内で完結できるのは3人に1人、軽微な修正を「ほぼすべて社内で完結できる」は32.5%
65%が軽微な修正でも外部への依頼が必要と回答

ECでは、セールや新商品発売、季節特集などに合わせて、商品ページやバナー、掲載文言を日常的に更新する。スマートフォン経由の購買が広がるなか、PCとスマートフォンの双方に向けて売り場を適切なタイミングで更新できるかどうかは、販促施策の成果にも関わる。今回の調査からは、こうした更新を迅速に進めるうえで、運用体制に課題を抱える現場が多いようだ。

外部依頼では反映まで1週間超が37.9%

外部に依頼した場合、依頼から反映までにかかる時間を尋ねたところ、「1週間以内」が41.8%、「3日以内」が14.4%だった。一方、「2週間以内」は32.8%、「1カ月以上」は5.1%で、合計37.9%が反映までに1週間超かかると回答した。

【EC運用の実務調査】バナー差し替えや文言修正を社内で完結できるのは3人に1人、軽微な修正を「ほぼすべて社内で完結できる」は32.5%
外部依頼では反映まで3日以内は14.4%にとどまる

社内で完結できる範囲別に見ると、反映までに1週間超かかる割合は、「ほぼすべて社内で完結できる」層で23.1%、「半分程度は社内で完結できる」層で42.0%、「ほとんど外部に依頼している」層で60.4%だった。社内で対応できる範囲が狭い層ほど、反映までに時間がかかる傾向が見られた。

【EC運用の実務調査】バナー差し替えや文言修正を社内で完結できるのは3人に1人、軽微な修正を「ほぼすべて社内で完結できる」は32.5%
社内で対応できる範囲が狭い層ほど反映までに時間がかかる傾向

更新・改修後の費用手続きも運用負荷に

日常的な修正に加え、システムの更新・改修後に発生する作業についても調査した。その結果、92.0%が何らかの作業が発生すると回答し、34.5%は「追加で費用の見積もり・承認手続きが発生する」と答えた。

【EC運用の実務調査】バナー差し替えや文言修正を社内で完結できるのは3人に1人、軽微な修正を「ほぼすべて社内で完結できる」は32.5%
システムの更新・改修後に発生する作業についても調査

費用の見積もり・承認手続きが発生する割合を、日々の修正を社内で完結できる範囲別に見ると、「ほぼすべて社内で完結できる」層は27.7%、「半分程度は社内で完結できる」層は34.9%、「ほとんど外部に依頼している」層は56.3%だった。

【EC運用の実務調査】バナー差し替えや文言修正を社内で完結できるのは3人に1人、軽微な修正を「ほぼすべて社内で完結できる」は32.5%
修正作業そのものだけでなく依頼や社内調整にかかる負荷も、EC運用の課題に

外部への依頼が多い層ほど、更新や改修に伴って費用の見積もりや承認の手続きが発生する割合が高い。修正作業そのものだけでなく、依頼や社内調整にかかる負荷も、EC運用の課題となっているようだ。

78.3%がシステム対応を理由に販促を延期・断念

「システムの対応に時間を取られたことが原因で、販促施策を延期・断念した経験はあるか」と尋ねたところ、「よくある」が22.0%、「時々ある」が56.3%で、合計78.3%が経験ありと回答した。

【EC運用の実務調査】バナー差し替えや文言修正を社内で完結できるのは3人に1人、軽微な修正を「ほぼすべて社内で完結できる」は32.5%
78.3%がシステム対応を理由に販促を延期・断念

生成AIの普及により、販促に使う文章や画像のたたき台を短時間で作成できる環境は整いつつある。一方、今回の調査では、作成したコンテンツをECサイトに反映するまでの工程に、待ち時間や手続きの負担が残っている実態が示された。

ECシステムのリプレイス後も「連携の壁」が残る

過去3年以内にECシステムをリプレイスした企業の担当者を対象とした調査では、導入後に初めてわかった想定外の事柄として、「外部システム・ツールとの連携に制約があった」と回答した割合は21.5%だった。

この層では、想定どおりに運用できるまでに3カ月以上かかった割合が72.1%に上り、連携に制約がなかった層の47.8%を上回った。また、追加費用が当初想定の1.2倍以上になった割合も65.1%で、制約がなかった層の48.4%より高かった。

【EC運用の実務調査】バナー差し替えや文言修正を社内で完結できるのは3人に1人、軽微な修正を「ほぼすべて社内で完結できる」は32.5%
リプレイス後、想定どおりに運用できるまでに3カ月以上かかった割合は72.1%

メルカートは、ECシステムを新しくしても、外部システムとの連携に制約がある場合、運用開始までの時間や費用の負担が残りやすいと指摘している。

EC運用のスピードを左右するのは「作る速さ」だけではない

今回の調査では、バナー差し替えや文言修正といった軽微な更新でも、社内だけで完結できない企業が多いことが明らかになった。更新のたびに外部への依頼や承認手続きが必要な体制では、販促施策を機動的に展開しにくくなる。

ECの売り場づくりでは、クリエイティブを作成する速さだけでなく、完成したコンテンツを自社サイトにどれだけ迅速に反映できるかも重要だ。社内で対応できる範囲やシステムの柔軟性、外部システムとの連携状況が、販促のスピードや売上機会を左右する要素となりそうだ。

調査概要

  • <調査1>EC事業の実務担当者を対象とした調査
    ・調査名:EC事業実務担当者に関する調査
    ・調査方法:インターネットアンケート
    ・調査対象:EC事業の実務担当者(EC運営業務を勤務時間の3割以上担当している人)
    ・有効回答数:400人
    ・調査時期:2026年9月14日〜16日
     
  • <調査2>ECシステムを入れ替えた企業のEC担当者を対象とした調査
    ・調査名:ECシステムリプレイス関与者に関する調査
    ・調査方法:インターネットアンケート
    ・調査対象:過去3年以内に勤務先でECシステムのリプレイス(別のシステムへの乗り換え)を実施し、当時から在籍しているEC運営担当者(勤務先の自社ECサイトの運営業務に携わっている人)
    ・有効回答数:200人
    ・調査時期:2026年9月7日〜9日
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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

AIで仕事は速くなった。でも、自分で気づかないうちに仕事の質が落ちていませんか?【ネッ担まとめ】

6 日 6 時間 ago
AIで仕事は速くなった。でも、自分で気づかないうちに仕事の質が落ちていませんか?【ネッ担まとめ】fujita-h2026年10月14日新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

生成AIの活用で、何時間もかかっていた仕事が数分で終えられるようになりました。生産性が高まる一方、少し気になることも。それは「いつの間にか『自分で考えること』を手放してしまっていないか」ということです。今回の「ネッ担まとめ」では、AI活用の事例からAI時代に人間が担うべき役割について考えます。

AIを使いこなしているつもりが、使われている!?

AIでクオリティが落ちた外注さんが、自分では気づけてないという怖い話 | note | 片山良平@Eldipa代表、paiza創業者
https://note.com/rk611/n/n56e6db823eb1

素人にAIはあまり使わせないほうがいい、と言っていたプロが、知らず知らずのうちにAIによってクオリティを落とし、それについて発注側からは指摘もされず、気が付かないうちに見限られ、いつの間にか最近は仕事が減ったな、となっているわけです。

自分で気がつきにくい構造なだけに非常に怖い現象です。

(中略)

ただ今回の話を聞いて思ったのは、AIに段階的に頼るようになったことで、いつの間にかAIのアウトプットをちゃんと見なくなったり、意思決定をAIにたよるようになり、深く考えなくなった末に起きている現象なのではないでしょうか。

AIを使うことで仕事が速くなり、自分の中では生産性が高まったと思っている。ところが、実際には仕事の質が落ちていて、しかも本人だけがそれに気づいていない。

怖いのは、AIの出力に慣れてくると「これでいいだろう」と判断する基準そのものが少しずつ低くなることではないでしょうか。

自分の思考力や判断力が落ちていないか、定期的に確認する必要がありそうですね。その確認もAIの役目になるのかもしれませんが。

言語化されているかどうかはさておき、仕事には発注側の意図があり、達成したいゴールがあります。この「仕事の意図の理解」を自分がしていなければAIが出したアウトプットのクオリティの判断はできるはずもありません。

またAIはいろいろな有用そうな情報を含んだアウトプットを出してきますが、大体において過剰で長大です。これらの取捨選択や要約もできません。

つまり理解の外部化はできないのです。理解の外部化をした瞬間に、発注者とAIの間に入っている受注者の存在意義が完全に消えます。

そもそも、仕事で大切なことは「何のために作るか」。

きちんと目的を理解していなければ、仮に立派な成果物が出てきたとしても、それが正しいのかを自ら判断できないんですよね。目的を深く理解していれば、AIの出力から必要なものだけを選び取ることができる。

AI時代に価値が高まるのは、作業をこなす能力よりも、人間が「仕事の意味を理解し、判断する能力」なのでしょう。

要チェック記事

電池不要!持ち物にシールを貼って、落とし物が返ってくる世界を目指して 「落とし物クラウドfind」が紛失物拾得通知シール『find return』の販売開始〜10月1日より京王線・井の頭線の窓口にて販売開始〜 | find
https://www.finds.co.jp/news/detail/202609241000

「こういうのが欲しかった!」と思わされるアイテムだったので、PR記事でもチョイスしました。仕組みがわかりやすくて良いです。

しまむら絶好調の理由は「物価高」だけにあらず? 安売りを続けられる納得のカラクリとは | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2609/30/news010.html

最近も「ドラゴンクエスト」とのコラボ商品を発売していましたよね。私の奥さんが「しまむら」に走っていました。靴下を買ったらしいです(笑)

値上げに応じない顧客は追わない ユポ社長に聞く、高収益化するための「撤退の流儀」 | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2609/26/news007.html

なるほど。値上げすること自体を、「自社の付加価値」を図るためのスクリーニング作業にしているってわけなんですね。強気すぎる。

クチコミから「選ばれる理由」を見つける。AI時代の店舗集客と店舗AIO | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/104124

クチコミって、お客さまの個別のケースが詰まっている場所でもあるんですよね。この「個別のケース」を逆算して、次のマーケティングに活用するわけです。

顧客に選ばれるコンテンツをどうやって作る? 何を伝えるか決めて、やり続ける――「ナラティブ・ディレクター」として大切にしている4つのこと | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/e/2026/10/07/16684

たしかに検索ボリュームはイコール「お客さまが発する能動的なニーズ」だから、「SEO>SNS」という感覚は当然であるべきなのかもしれない。

成果は右肩上がりではなく、突然「垂直」にやってくる【no.2300】|ECマーケティング人財育成
https://www.ecmj.co.jp/no2300/

めちゃめちゃ興奮した出来事だったので、自身のコラムながら掲載しました。成果が花開く瞬間に立ち会えて、非常に感動しました。

今週の名言

集客につながるWebサイトの共通点は、何か? | note | Sou Furuta
https://note.com/soufuruta/n/nc5d80692bcda

顧客の目線に立ってWebサイトを見てみてると、お問い合わせが入らない理由がよくわかった。

初めてそのサイトに来た人は、社長の考えや思想を読みに来ている訳ではない。顧客が知りたいのは、自分の悩みに合うか、いくらか、どこに売っているのか、信用できる人が作っているのか、といった、自分に関係のあることだ。それが分かって初めて、こだわりや思想が読まれる。

つまり、順序が逆。最初に出てくるのが思想で、顧客が知りたいことは長文の奥に隠れている。丁寧に書かれている分、そこまで辿り着く前に離れてしまう。

企業はどうしても、「自分たちが伝えたいこと」から考えてしまう。でも、お客さまがまず知りたいのは、「自分にとってどのような価値があるのか」。そこが伝わって初めて、想いやこだわりに興味を持ってもらえるわけです。

大切なのは「何を伝えるか」だけではなく、「どの順番で伝えるか」。

同じ情報でも順番を変えるだけで、お客さまの受け取り方は大きく変わります。ある意味、これも1つの「ストーリー」ですね。

「新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」は以下の専門家が連載しています。

ECMJ 石田氏石田氏

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノイン 酒匂氏酒匂氏

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequation 中林氏中林氏

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 石田 麻琴

株式会社ECマーケティング人財育成

石田 麻琴(いしだ・まこと)

株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役

早稲田大学卒業後、ネット通販企業に6年間従事。ECの責任者として、ヤフーショッピング月間ベストストア8回受賞。全国第1位を獲得。ネット通販を中心としたWebビジネス支援の株式会社ECマーケティング人財育成を設立。EC・Web企業を支援。
BPIA/Webビジネス研究会ナビゲータ、協同組合ワイズ総研理事。

ECマーケティング人財育成では、日々、インターネット通販を手掛けている事業者、およびその関連事業者に向けた情報を発信しています。ECサイト運営などに役立つ情報については、こちらをご参照ください。

月1回、EC企業における優秀なスタッフやチームを育成するための事例やノウハウを提供する、人財育成に関するセミナーを無料で実施しています。

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日本郵便が「国際特定記録」の料金割引を2027年度中に新設、国際宅配便の新配送サービスも開始予定

6 日 6 時間 ago
日本郵便が「国際特定記録」の料金割引を2027年度中に新設、国際宅配便の新配送サービスも開始予定
日本郵便が、越境EC事業者向けに「国際特定記録」の料金割引を2027年度中に新設するほか、国際宅配便「UGX(ゆうグローバルエクスプレス)」の新たな配送サービスも開始する予定。
furukawa2026年10月14日

日本郵便は10月9日、越境EC事業者向けの新たな施策として、「国際特定記録」として差し出す「国際エアパケット郵便物」の料金割引を2027年度中に新設すると発表した。あわせて、国際宅配便「UGX(ゆうグローバルエクスプレス)」の新たな配送サービスも開始する予定。詳細は今後、別途公表する。

日本郵便が「国際特定記録」の料金割引を2027年度中に新設、国際宅配便の新配送サービスも開始予定
「国際エアパケット」のサービスサイトのトップ画面(画像は編集部がキャプチャ)

越境EC市場の拡大や販売事業者の増加を背景に、同社は低料金で追跡可能な小口配送サービスへの需要が高まっていると説明。新たな施策を通じて、越境EC事業の拡大やサービスの利用促進を支援する。

日本郵便は、越境EC事業者向けの施策として、2027年度中に「国際特定記録」の料金割引を新設する。対象となるのは、「国際特定記録」として差し出す「国際エアパケット郵便物」。割引の適用条件や具体的な料金などは、今後発表する。

「国際エアパケット」は、2026年6月に「国際eパケットライト」から名称変更したサービス。2kgまでの小形包装物を航空便で海外に送り、追跡機能によって配送状況を確認できるほか、届け先の郵便受けに配達する。現在の料金には、国際特定記録料370円が含まれている。

今回の割引制度は、こうした追跡可能な小口配送サービスの料金負担を軽減し、越境EC事業者の利用を促す狙いがあると見られる。

国際宅配便「UGX(ゆうグローバルエクスプレス)」についても、新たな配送サービスを開始する予定だ。

UGXは、日本郵便が海外の物流事業者と連携して提供する国際宅配便サービスで、海外向け配送や越境ECなどでの利用を想定している。EMS(国際スピード郵便)では取り扱えない規定外サイズの荷物にも対応できる点などが特長だ。

日本郵便が「国際特定記録」の料金割引を2027年度中に新設、国際宅配便の新配送サービスも開始予定
「UGX」のサービスサイトのトップ画面(画像は編集部がキャプチャ)

日本郵便は今後も、越境EC市場の発展に向けて、新たな商品・サービスの拡充に取り組む方針を示している。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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ジャパネット、メーカー機能をゼロから共に立ち上げへ。プロフェッショナル人材の採用を本格強化

6 日 7 時間 ago
ジャパネット、メーカー機能をゼロから共に立ち上げへ。プロフェッショナル人材の採用を本格強化
ジャパネットホールディングスが、自社ブランドの企画・開発を担う「ものづくり」事業を本格始動する。メーカー機能をゼロから立ち上げるプロフェッショナル人材の採用を強化し、専用の採用特設サイトも公開。7月に立ち上げたPB「J PRIDE LIFETECH」の展開を踏まえ、自社企画・開発路線をさらに前に進める。
furukawa2026年10月14日

ジャパネットホールディングスは10月8日、自社ブランドの企画・開発を担う「ものづくり」事業を本格始動すると発表した。メーカー機能をゼロから立ち上げるため、プロフェッショナル人材の採用を強化し、ものづくり専用の採用特設サイトを公開した。

ジャパネット、メーカー機能をゼロから共に立ち上げへ。プロフェッショナル人材の採用を本格強化
ジャパネットはプロフェッショナル人材の採用を強化。専用の採用特設サイトも公開

募集職種は、プロダクト企画、設計、品質保証などの開発関連職種。勤務地は東京・麻布十番と、開設を計画している大阪拠点としている。

顧客の声を商品企画・開発に生かす

ジャパネットは創業以来、「生活を豊かにする本当に良いモノ」を厳選して販売してきた。今回の発表では、販売にとどまらず、自社で企画・開発を手がける「本質的なものづくり」に本格参入する方針を打ち出した。

同社によると、毎日2万人の顧客との電話対応や月5万件にのぼるレビュー、修理の83.3%を自社で対応する体制を通じて、顧客の困りごとや実際の利用状況を把握してきた。こうした知見を、メーカー各社への改善提案や、使い勝手を追求したオリジナルモデルの開発につなげてきたという。

今後は、高い技術力を持つパートナー企業と連携するOEM体制のもと、ユーザー目線で直感的に使える高品質な製品づくりを進める。単に低価格を追求するのではなく、「本当に必要な機能」に絞り込み、設置やアフターサポートを含めた購入後の体験全体で差別化を図る考えだ。

7月にPB「J PRIDE LIFETECH」を立ち上げ

ジャパネットは7月、初のプライベートブランド(PB)「J PRIDE LIFETECH(ジェイプライドライフテック)」を立ち上げ、自社での商品企画・開発への参入を発表していた。

第1弾商品として発売したのは、OEM開発による「どこでも使える高圧ハンディウォッシャー」。電源や水道がない場所でも使えるコードレス仕様で、市販のペットボトルや付属のウォーターバッグ、吸水ホースを使い、ベランダや外壁、車、自転車、浴室、墓石周りなどを洗浄できる。

ジャパネット、メーカー機能をゼロから共に立ち上げへ。プロフェッショナル人材の採用を本格強化
「J PRIDE LIFETECH」の第1弾商品のハンディウォッシャー

また、30日間返品保証を標準で付帯。開封後や使用後でも返品を受け付けるなど、製品そのものだけでなく、購入後の不安軽減まで含めて商品体験を設計する姿勢を打ち出していた。

従来のオリジナルモデルが、既存メーカーの製品をベースに仕様変更やセット化を施す形だったのに対し、「J PRIDE LIFETECH」はジャパネットが販売元となり、使いやすさやアフターサービスまで含めて設計する点が特徴だ。今回の採用強化は、こうした自社主導の商品企画・開発をさらに推進する動きといえる。

顧客接点、設備投資、働き方を採用サイトで訴求

10月8日に公開した採用特設サイトでは、ジャパネットのものづくり環境として、顧客接点の多さ、設備投資、働き方の3点を紹介している。

1つ目は、毎日2万人の顧客の声と月5万件のレビューを開発の起点にできること。コールセンターや自社修理拠点に集まる顧客の困りごとやデータを、商品開発に直接生かせる環境を訴求している。

2つ目は、製品開発を支える設備投資。検証や設計に必要な機器を迅速に導入し、高いパフォーマンスを発揮できる環境を整えるとしている。

3つ目は、メリハリのある働き方だ。「PC持ち帰り禁止」「20時15分完全退社」「最大16連休のリフレッシュ休暇」などを挙げ、仕事とプライベートを切り分けながら生産性を高められる環境を打ち出した。

通販で培った顧客理解を自社のものづくりへ

ジャパネットは、厳選したメーカー商品の販売に加え、ウォーターサーバー、クルーズ、長崎スタジアムシティなど、小売りの枠を超えた事業を展開してきた。

今回の採用強化は、通販・販売を通じて蓄積してきた顧客理解を、自社主導の商品企画・開発へ本格的につなげる動きといえる。顧客の声を起点に、製品の企画から使いやすさ、アフターサポートまでを一体で設計する体制の構築をめざす。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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エージェンティックサーチ時代のEC戦略。なぜ今、検索とUGCの強化が不可欠なのか

6 日 7 時間 ago
エージェンティックサーチ時代のEC戦略。なぜ今、検索とUGCの強化が不可欠なのかuchiya-m2026年10月14日ネットショップ担当者フォーラム 2026 セミナーレポート
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AIがECの新たな顧客接点となるなか、人間の検索とは比較にならない大量かつ複雑なアクセスに対応する「AI-Ready」なECサイトの構築が早急に求められている。カギを握るのが、AIの不確実性を補う「エージェンティックサーチ」と、判断の根拠となる「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」の融合だ。ZETAの山崎徳之氏が、AI時代の検索・UGC活用や、商品詳細ページの整備など、EC企業が取るべき最新戦略を解説する。

ZETA 代表取締役社長 山崎徳之氏

AI時代に価値が高まる検索とUGC

検索は購買行動の起点の1つである。サイト上でユーザーが自らのニーズを入力する行為は、ほぼ検索に限られている。ECサイトでは「右上に検索ボックスが付いていれば十分ではないか」といった声もあるが、実際にはそうではない。商品検索は、ユーザーの意図を的確に捉え、最適な商品との出会いを生み出すための基盤。検索とはユーザーとの対話であり、この基盤を適切に構築できなければ、機会を大きく損失する可能性がある。(山崎氏)

ZETA 代表取締役社長 山崎徳之氏
ZETA 代表取締役社長 山崎徳之氏
ECサイトにおける検索の価値
ECサイトにおける検索の価値

検索と同様、UGC(User Generated Content/ユーザー生成コンテンツ)も極めて重要な要素である。UGCの中核は商品やサービスに対するレビューであり、近年ではハッシュタグの活用も広がるなど、ユーザーが登録するデータの重要性が高まっている。

UGCは購入の後押しをする
UGCは購入の後押しをする

かつてインターネットのトラフィックは、企業からユーザーへ流れる「下り」のデータがほとんどを占めていた。しかし現在では、SNSやCGM(Consumer Generated Media/ユーザー生成メディア)の普及で、ユーザーから企業へ向かう「上り」のデータ量が大きくなっている。

AIが変えるECと購買行動

米国の調査会社EMARKETERは、AI経由の小売EC売上高が2029年には1444.5億ドルに達するという調査結果を発表した (出典:『EMARKETER Forecast』2025年12月) 。これは全米のEC売上高全体の8.8%にあたる数値であり、AIがECの新たな顧客接点となる可能性を示している。

しかし、特性を理解しないでAIを利用するとさまざまな問題が生じる。たとえばハルシネーションによって存在しない商品や仕様を提示してしまう可能性がある。また、在庫や価格などの最新情報を正しく参照できず、誤った回答を返す可能性もある。さらに、生成AIは非決定性を持つため、同じ質問でも回答が揺らぎ、提示する商品が安定しないといった課題も発生する。

AIの不確実性がECに与える影響
AIの不確実性がECに与える影響

こうした特性を踏まえると、生成AIをECの購買体験にそのまま適用するだけでは不十分であることがわかる。AIを安全かつ正確に購買体験へ組み込むためには、AI自身が結果を検証し、必要に応じて再探索する仕組みが不可欠だ。

こうした課題を解決する鍵となるのがエージェンティックサーチである。エージェンティックサーチは、AIが一度生成した結果を自ら評価し「情報が不足している」「誤っている可能性がある」と判断した場合に、再度検索へ戻る仕組みを備えている。この自己検証プロセスがあることで、生成AIの不安定さを補い、より信頼性の高い回答を導くことができる。エージェンティックサーチは、AIを購買体験に安全に組み込むための重要な仕組みの1つと言える。

エージェンティックサーチの概要
エージェンティックサーチの概要

AI時代に求められる検索の量と質

エージェンティックサーチの次に重要になるのが「検索そのものをAIがどう扱っているか」という視点である。とりわけ「ChatGPT」は、生成AIの代表的存在でありながら、検索機能の強化に大きく舵を切っている。その背景には、LLM(大規模言語モデル)単体ではユーザーの需要に応えきれないという現実がある。

数年前「これから検索は不要になる」と語る人がいたが、実際はAIの裏側で膨大な検索が行われるようになった。かつてはクロールの頻度が低く、検索も比較的ゆっくりだったため負荷は限定的だったが、AIが高頻度で検索を繰り返すようになり、状況は大きく変わった。当社の顧客に「最近検索の負荷が異常に高い」と相談を受けて調査したところ、その約9割がAIによるアクセスだったというケースがある。(山崎氏)

AI検索の裏側には高度な処理技術がある
AI検索の裏側には高度な処理技術がある

AIが検索を多用するようになり、検索の量が変わったが、量だけではなく質も変わってきた。かつてユーザーがECサイトで検索していた頃は、「ワンピース」「白」「S」というように、ニーズを表す単語を入力してきた。しかしAIはまったく異なるアプローチを取る。

たとえばユーザーが「来週、友人の結婚式の二次会で軽井沢に行く。ふさわしい服装を探している」と入力したとする。AIはこの一文から、来週の軽井沢の気候や季節感、結婚式の二次会にふさわしいフォーマル度、移動手段など、膨大なコンテキストを自動的に抽出する。このコンテキストが増えたことで、検索に利用される情報量は人間の検索とは比較にならないほど膨大になる。

つまり、これからのECサイトに求められるのは「AI-Ready」であることだ。AIは驚異的な速度で検索するため、検索の機能、性能、処理速度には、従来とは比較にならないレベルが求められる。AIが大量かつ複雑な検索を行う時代に対応できる検索基盤を備えていなければ、ユーザー体験の質を維持することが難しくなる。

UGCが回答の質を支える

検索の高度化だけでは十分ではない。AIがより適切な判断を行うためには、検索結果の根拠となるデータの質が極めて重要になる。そこで鍵となるのがUGCである。

海外では「重要なのはコンテキストとオーセンティシティ(信憑性・信頼性)」だと指摘されている。このオーセンティシティに最も寄与するのがUGCだ。実際に商品を購入したユーザーが何を語っているか。その声は、AIにとっても人間にとっても極めて価値が高い。(山崎氏)

ECサイト上で収集・蓄積されるUGCは、企業にとってファーストパーティデータとして活用でき、写真・動画・レビューなどのリッチなコンテンツを含む。AIが高度なコンテキストを処理できるようになった今こそ、ECサイトはUGCを検索に統合し、AIが参照できる信頼性の高いデータを豊富に蓄積しておく必要がある。

AI時代のECでは、検索の高度化とUGCの充実が欠かせない要素である。どちらが欠けても、ユーザーが求める精度の高いレコメンドや商品提案は成立しにくくなるのだ。

UGCが保有するユーザー情報は多岐にわたる
UGCが保有するユーザー情報は多岐にわたる

AI時代のECでは、検索とUGCが密接に結びつき、ユーザー体験の質を左右するようになっている。アパレル商品では1商品に1000件以上の口コミが寄せられることもある。だが1000件もの口コミをすべて読むことは現実的ではない。そこで現在のECサイトでは口コミそのものを検索できるようになっている。

口コミには投稿者の年齢、性別、体型などの属性情報が記載されていることが多いため、ユーザーは自分と似た属性の人の口コミを検索し、参考にする。海外ではさらに細分化が進み、目の色、骨格タイプ(ウェーブ/ナチュラル/ストレート)などで口コミを絞り込んでいる。口コミは単なる評価情報ではなく、ユーザーが自分に最適な商品を見つけるための検索対象であり、検索の高度化を支える重要な基盤なのだ。

検索×UGC×AIで最適な提案を実現
検索×UGC×AIで最適な提案を実現

商品詳細ページの整備は不可欠

もう1つ見落としてはならない要素がある。それが商品詳細ページという、ECサイトの最も基礎的なデータレイヤーだ。現在、海外のEC企業はこの商品詳細ページの整備に最もAIを活用しているという。まずは商品データが正しいか、最新か、欠落がないかをAIを利用して整備する。商品詳細ページという基盤が整って初めて、AIはマーケティング領域で力を発揮できるのだ。

商品詳細ページが整っているECサイトでは、AIが商品情報を参照・理解しやすくなる。AIは、ユーザーから相談を受けた際に商品データが正確で、UGCが豊富で、高速な検索基盤を備えたサイトを優先的に参照し、ユーザーに対してそのサイトの商品を紹介しやすくなる。

商品詳細ページを正確かつ最新の状態に整備し、そのうえで高速な検索基盤を用意する必要がある。これらがそろって初めて、「ロジックをどうするか」「プロンプトをどう最適化するか」といった高度なAI活用について議論できるようになる。「商品詳細ページのできが悪いが、AIでなんとかカバーしてくれないか」という要望は現実的ではない。(山崎氏)

ZETA 代表取締役社長 山崎徳之氏

エージェンティックコマース時代のEC戦略を提案するZETA

ZETAはCX向上生成AIソリューション「ZETA CXシリーズ」を提供しており、主力製品としてAIによる自動最適化と高速な検索性能を備えたEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」、レビューを複数の評価軸で収集し、サイトコンテンツの充実を支援するレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」、商品説明やレビューから関連するキーワードを抽出するハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」を展開している。とりわけ「ZETA SEARCH」は処理速度が速く、膨大な検索条件を高速に処理できる点で高い評価を得ている。

ZETAが提供するソリューションの概要
ZETAが提供するソリューションの概要

ZETAはトータルで1750万件以上の口コミデータを保有している。また、「ZETA CXシリーズ」は国内外のEC企業に幅広く導入されており、業界専門誌が発表するECサイトランキングのうち、上位100社の約3割がすでにZETAの検索エンジンを採用している。ZETAの検索エンジンを導入した結果、検索結果離脱率が40%減少し、さらに「ChatGPT」経由のアクセス数が11.7倍に増加したという事例もある。

AI経由で流入するユーザーは購買率や1回あたりの購入金額、リピート率が高い傾向にある。つまり、AIはロイヤルカスタマーを連れてくる可能性が高いと考えられる。だからこそ、「AI-Ready」なECサイトであるかどうかが重要になる。AIがユーザーにECサイトを紹介しなければ、結果としてロイヤルカスタマーが流入する機会を失うことになるからだ。

また、ハッシュタグを踏むユーザーも、ロイヤルカスタマー率が高い傾向にある。ハッシュタグを踏むという行動は、ユーザーが「自分の興味や文脈に合った商品を探したい」という意図の表れともいえる。AIが文脈を理解して商品を探す時代において、ハッシュタグはその文脈データとして極めて価値が高い。ハッシュタグを整備し、文脈データを豊富に蓄積しておくことも重要な戦略と言えるのだ。ある大手雑貨店の事例では、「ZETA HASHTAG」を活用した結果、CTRが3倍に向上し、ハッシュタグページ経由のセッション数は2.3倍に増加した。

検索はECにおいて長年重要な役割を果たしてきた。UGCもまた、ユーザーの信頼を支える不可欠な要素である。そしてAI時代の到来によって、検索性能への要求はかつてないほど高まり、UGCの重要性も急速に増している。

ZETAは10年以上前からCX向上に徹底して取り組み、「ユーザー体験を高めるために必要なデータは何か」を追求してきた。その結果、同社が磨いてきた検索・UGC・ハッシュタグという領域が、AIが購買体験に深く入り込む現在において、より大きな価値を発揮するようになっているのだ。

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不正アクセスによる情報漏えいの事案増、経産省が注意喚起・情報提供の協力依頼

1 週間 ago
不正アクセスによる情報漏えいの事案増、経産省が注意喚起・情報提供の協力依頼
経済産業省が、不正アクセスによる情報漏えい事案の増加を受け、事業者などに向けて注意喚起するとともに、被害発生時の情報提供への協力を要請した。自社だけでなくサプライチェーン全体でのセキュリティ管理や、組織トップ主導の対策徹底、「ゼロトラスト」への移行などを求めている。
furukawa2026年10月13日

経済産業省は10月9日、不正アクセスによる情報漏えいなどの事案が相次いでいることを受け、事業者などへ注意喚起、サイバー攻撃による被害が発生した場合の情報提供への協力を呼びかけた。

不正アクセスによる情報漏えいの事案増、経産省が注意喚起・情報提供の協力依頼
経済産業省のサイバーセキュリティ政策ウェブページのトップ画面(画像は編集部がキャプチャ)

NCO・JPCERT/CC・個人情報保護委も注意喚起

経産省は、国内の企業・組織で、サプライチェーンを通じた侵害を含め、第三者による不正アクセスに起因する情報漏えいなどの被害が相次いでいると指摘した。

あわせて、国家サイバー統括室(NCO)が10月9日に「不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえた対応について」と題する注意喚起を公表し、国内の事業者などに対して、ウェブシステムの適切な管理やサプライチェーンを通じた侵害への対策、データの適切な管理などを徹底するよう促していると紹介した。

一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター(JPCERT/CC)も同日、「直近で相次いでいる国内組織における不正アクセスに関する注意喚起」を公表。現時点で確認されている攻撃手法などを踏まえ、API経由のアクセスへの対策などを推奨している。

また、個人情報保護委員会も10月7日、「大規模な漏えい等事案を踏まえた対応について(注意喚起)」を公表し、個人情報などの適切な取り扱いや、不正アクセスによる個人データの漏えいを防ぐための対策を促している。

自社だけでなく、サプライチェーン全体で対策を徹底

経産省は、これらの注意喚起を参照したうえで、自社だけでなくサプライチェーン全体でセキュリティを管理するという認識のもと、一層の対策を徹底するよう事業者に求めている。

具体的な取り組みとして、次の3点を挙げた。

  • 組織のトップが主導して対策を進める
  • 脆弱性情報を早期に把握し、対応する
  • 「ゼロトラスト」への移行を進める

「ゼロトラスト」とは、社内外のネットワークを問わず、すべてのアクセスを信頼せずに検証するセキュリティの考え方。

不正アクセスや情報漏えいへの対策を現場任せにせず、経営レベルで取り組むことを求めている。

被害発生時は経産省の担当課室へ速やかに報告

経産省は、サイバー攻撃による被害が発生した場合、被害状況などに関する情報提供にも協力するよう依頼した。

事業者に対しては、サイバー攻撃、またはその可能性があるインシデントによる被害が発生した場合、経産省の担当課室(業所管課室)へ速やかに一報するよう求めている。

提供を求める情報として、可能な範囲で次の項目を挙げた。

  • 発覚から現在までの経緯(発生日時、発覚日時など)
  • 被害状況(情報漏えい、システム停止など)
  • 攻撃の種類(ランサムウェア攻撃、不正アクセス攻撃、DDoS攻撃など)

情報提供後は専門機関の紹介や対応への助言も

経産省は、情報提供を受けた後、事態の早期収束と被害拡大の防止に向けて、サイバー攻撃などのインシデントに対応する専門機関の紹介や、今後の対応に関する助言などを行うとしている。

提供された情報は適切に管理し、事業者の同意なく公表することはないと明記した。一方、サイバー脅威の分析や官民での情報共有を促進する観点から、事業者の承諾を得たうえで、NCOに情報を共有する場合があるとしている。

また、被害の拡大防止や攻撃手口の把握、他の事業者への注意喚起につなげるため、サイバー事案に関する犯罪被害に遭った場合は、警察への通報・相談も積極的に検討するよう促した。

2027年3月開始予定の「SCS評価制度」など支援策を紹介

経産省は、サプライチェーンを構成する企業のセキュリティ対策状況を共通基準で評価・可視化する「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)」についても案内した。

同制度は、委託元企業と委託先企業双方の負担を軽減しながら、サプライチェーン全体のセキュリティ水準の底上げを図るもの。経産省は、2027年3月の制度開始に向けて準備を進めている。

あわせて、企業がサイバーセキュリティ対策を進める際に活用できる支援策として、次の施策を紹介している。

  • SECURITY ACTION(自己宣言)
  • サイバーセキュリティお助け隊サービス
  • SCS評価制度
  • 中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン
  • 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)
  • 中小企業のためのセキュリティインシデント対応の手引き

EC事業者にとっても、会員基盤や外部システムとの連携、委託先を含めたサプライチェーン全体でのセキュリティ管理が重要となる。インシデント発生時に備え、経営層を含めた報告・連携体制を整えるとともに、活用できる支援策を確認しておく必要がある。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

IPAが不正アクセス漏えいなどの事案増で事業者に要請、「速やかに実施すべき点検と対策」まとめ

1 週間 ago
IPAが不正アクセス漏えいなどの事案増で事業者に要請、「速やかに実施すべき点検と対策」まとめ
IPAが、不正アクセスによる情報漏えい事案の増加を受け、事業者に向けて「速やかに実施すべき点検と対策」を公表。外部公開アプリや外部サービス、保有データの総点検を求める内容となっている。
furukawa2026年10月13日

情報処理推進機構(IPA)は10月9日、不正アクセスによる情報漏えいなどの事案が相次いでいることを受け、事業者向けに「速やかに実施すべき対策等」を公表した。大量の個人情報や機微な情報を取り扱う事業者の経営者に対し、サイバーセキュリティリスクを重要な経営課題として認識し、至急、点検と見直しを進めるよう求めている。

IPAは「外部公開アプリ」「外部サービス」「保有データ」の緊急点検を要請

今回の注意喚起は、IPAの「重要なセキュリティ情報」の「注意」区分として掲載。背景には、国内の金融機関や通信事業者など幅広い業種で、不正アクセスによる情報漏えいの公表が相次いでいる状況がある。特に、オンラインサービスやアカウントサービスなど、大量の個人情報を扱うシステムへの侵入やデータ窃取が続いていると指摘した。

緊急点検の対象は「外部公開アプリ」「外部サービス」「保有データ」

IPAが速やかに実施すべき点検として示したのは、大きく3項目だ。

1. 外部公開アプリケーション・サービスのログと脆弱性を確認

1つ目は、自社が構築・運用する外部公開アプリケーションやサービスの洗い出しだ。対象となるシステムを把握したうえで、それぞれの直近のログに異常がないかを確認するよう求めた。ログの確認期間は直近1か月を対象とし、その後3か月へと段階的に広げることも推奨している。

あわせて、未適用の脆弱性対応パッチがないかを確認し、未適用のものがあれば速やかに適用するよう促した。

2. クラウドやVPNなど外部サービスの利用状況を把握

2つ目は、自組織が利用している外部サービスの洗い出し。クラウドサービスやVPNサービスなどについて、組織全体だけでなく、部署単位での利用も含めて網羅的に把握するよう要請した。

さらに、サービスごとのログ保有期間や、誰がいつ、どのようにログを確認できるかも整理する必要がある。そのうえで、ログイン失敗の増加、ログイン元のIPアドレスやログイン時間の異常、身に覚えのないアカウントの作成、無効化したはずのアカウントの再有効化などを点検するよう求めた。

3. 保有データを見直し、必要最小限に絞る

3つ目は、保有データの再点検だ。IPAは、情報が窃取されると、悪用されるだけでなく、情報を「公開する」と脅迫されたり、不正に売買されたりするなど、二次被害につながる恐れがあると指摘した。

「不要な情報は持たない」という原則のもと、保有する情報資産を正確に把握し、必要最小限にとどめるよう求めている。

また、今後、公的機関やセキュリティベンダーなどから、不審なIPアドレスやログの痕跡といった調査に活用できる情報が公表される可能性があるとして、情報収集の強化も呼びかけた。

異常を確認した場合はインシデントと判断し、詳細調査を

IPAは、外部公開アプリケーションや外部サービスで異常なログやアカウントが見つかった場合、速やかにセキュリティインシデントと判定し、対応を進めるよう求めた。

情報漏えいの可能性も考慮し、専門のセキュリティベンダーに詳細調査を依頼することも「強く推奨する」と明記している。

点検で異常がなくても、多要素認証や権限管理を強化

IPAは、緊急点検で異常が見つからなかった場合でも、外部公開アプリケーションや外部サービス、保有データについて、追加のセキュリティ対策を講じるよう求めている。

主な対策は次の通り。

  • 外部公開アプリケーション:外部への公開範囲の見直し、多要素認証など認証機能の強化、アカウント権限の見直し、API連携などの構成要素単位での管理状況の確認、ログの取得内容・保持期間の見直し、追加可能なセキュリティ対策の検討
  • 外部サービス:多要素認証の強化、アカウント付与範囲の見直し、アカウントの棚卸し運用の見直し、API連携などの管理状況の確認、ログの取得内容・保持期間の見直し、適用可能なセキュリティ対策の検討
  • 保有データ:データを保有し続ける必要性の再検討、保管場所の見直し、データアクセスログの取得内容・保持期間の見直し、データの暗号化

EC事業者は会員基盤や委託先、外部連携を総点検

EC事業者にとっても、今回の要請は重要だ。自社ECサイトや会員基盤、アプリ、CRM、マーケティングツール、決済連携、物流・カスタマーサポートなど、外部公開システムや外部サービス、委託先との連携が多層化しやすいためだ。

特に、会員情報や購買履歴、配送先、問い合わせ履歴などを幅広く保有する事業者には、保有データの最小化に加え、ログ管理やアカウント管理の徹底が求められる。

IPAは、十分なサイバーセキュリティ対策を進めるには、緊急点検や対策だけでなく、社内体制の整備や、国外拠点・取引先まで考慮した対応が必要だと説明。経営者が認識すべき原則として、次の3点を挙げた。

  • サイバーセキュリティリスクを重要な経営課題として捉える
  • 自社だけでなく、国内外の拠点やビジネスパートナー、委託先を含むサプライチェーン全体に目を配る
  • 平時・緊急時を問わず、関係者と積極的にコミュニケーションを取る

10月9日には、業界団体を通じた注意喚起も行われ、政府全体でも経営トップ主導による対策強化を求める動きが広がっている。EC事業者にとっても、情報システム部門だけの問題として扱うのではなく、会員基盤や委託先の管理を含めた全社的な課題として、点検と対策を急ぐ必要がある。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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内閣官房国家サイバー統括室が求める「不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえた対応」とは

1 週間 ago
内閣官房国家サイバー統括室が求める「不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえた対応」とは
内閣官房国家サイバー統括室が、不正アクセスによる情報漏えい事案を踏まえた対応を公表。ウェブシステムの脆弱性管理や多要素認証の導入、委託先を含むサプライチェーン管理、保有データの最小化やログ監視などをあげている。
furukawa2026年10月13日

内閣官房国家サイバー統括室(NCO)は10月9日、ウェブシステムの脆弱(ぜいじゃく)性悪用やサプライチェーンを通じた侵害、データ管理の不備などを背景に、事業者の情報システムが不正アクセスを受け、個人情報を含むデータが窃取される事案を複数確認しているとして、注意喚起を公表した。

内閣官房国家サイバー統括室が求める「不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえた対応」とは
NCOは委託先やクラウドを含むシステム全体で情報資産の管理や監視体制を強化することを求めている(画像はイメージをAIで生成)

NCOは、大量の個人情報や機微な情報を取り扱う事業者などに対し、対策のポイントを示したうえで、対策の一層の強化を速やかに検討するよう求めている。

「いつ攻撃を受けてもおかしくない」前提で管理を

NCOは対策の1つ目として、「ウェブシステム等の適切な管理」をあげた。

ウェブシステムは企業活動や顧客サービスの基盤として不可欠である一方、インターネットに公開されているシステムは攻撃対象になりやすい。そのため、「いつ攻撃を受けてもおかしくない」という前提で対策を講じることが重要だとしている。

脆弱性情報が公表されると、攻撃者が短期間で悪用を始める場合がある。NCOは、修正プログラムの適用を後回しにせず、インターネットに公開していない内部サーバーなども含め、リスクを適切に判断し、計画的かつ迅速に対応するよう求めた。

具体策として、次の項目をあげている。

  • OS、ミドルウェア、CMS、アプリケーションなどへのセキュリティパッチやアップデートの速やかな適用
  • サポートが終了した製品・バージョンの不使用
  • 不要なシステムや機能の停止・削除
  • 定期的な脆弱性診断
  • 不要なポート、プロトコル、サービスの無効化

認証面では、多要素認証(MFA)の導入、推測されやすいパスワードの使用禁止、管理者アカウントの利用者やアクセス権の最小化、退職者・異動者のアカウントや未使用アカウントの速やかな無効化を求めている。

また、侵入を完全に防ぐことは困難だとして、ログの取得・保管、不審な通信や大量アクセスの監視、侵入検知・防御システムの活用、異常な認証試行の把握なども必要だと指摘。事業継続計画へのサイバーセキュリティ対策の組み込みや、インシデント対応態勢の整備を通じて、被害を受けても事業を継続・復旧できる能力を高めるよう求めた。

委託先を含むサプライチェーン全体で安全性を確保

2つ目の柱は、「サプライチェーンを通じた侵害への対策」だ。自社システムだけでなく、個人情報や業務情報を預ける委託先なども含め、サプライチェーン全体で安全性を確保することが重要だと指摘した。

攻撃者は、セキュリティ対策が比較的弱い委託先などを足掛かりに侵入し、その後、標的企業へのアクセスを拡大することがある。NCOは、委託先と一体となって管理するという認識のもと、安全管理措置を講じるよう求めている。

委託先などのセキュリティ対策状況を把握するため、次の対応をあげた。

  • 情報セキュリティ方針や管理体制、役割分担、責任範囲の確認
  • 個人情報や業務情報の取り扱い状況の定期点検
  • セキュリティ認証の取得状況や監査結果の確認
  • 再委託先を含む管理状況の把握
  • 継続的な確認の実施

委託契約では、情報の取り扱い方法、アクセス権やログの管理、不正アクセス・情報漏えい発生時の報告義務、インシデント発生時の連携体制など、セキュリティ要件を明確にするよう求めた。

さらに、委託先に提供する個人情報や業務情報を必要最小限に絞ること、業務終了後にデータを確実に削除すること、委託先に付与するアクセス権を適切に管理することも重要だとしている。

サプライチェーン全体のリスク管理としては、重要な取引先・委託先の洗い出し、情報資産の流れの可視化、重要な依存関係の把握、定期的なリスク評価を求めた。

保有データの最小化、アクセス制御、ログ分析を徹底

3つ目の柱は、「データの適切な管理」だ。

企業が保有する個人情報や業務情報は重要な経営資産である一方、不要な情報を保有していたり、アクセス権限や保管方法の管理が不十分だったりすると、不正アクセスによる被害が大規模化する恐れがあると説明している。

近年の攻撃者は、窃取した情報の公開をちらつかせて脅迫したり、不正に売買したりするなど、情報そのものを標的とする傾向を強めているという。NCOは、保有する情報資産を守る視点から、安全管理措置を講じるよう求めた。

情報資産を把握し、保有量を必要最小限に

保有する情報資産の管理では、個人情報や業務情報の所在と管理者の把握、重要な情報資産の分類、利用目的や保存期間の明確化、定期的な棚卸しをあげた。

また、保有情報の最小化に向け、利用目的を終えた情報の速やかな削除や、法令上の保存期間を経過した情報の適切な廃棄を求めている。

アクセス権限とデータ保護を強化

アクセス制御では、業務上必要な人に限ってアクセスを許可すること、閲覧権限と更新権限を分けること、管理者権限の付与を最小限にとどめること、アカウントや権限設定を定期的に確認することをあげた。

データ保護については、保存データと通信経路の暗号化、パスワードや認証情報の平文保存の禁止、外部電磁的記録媒体の利用やデータ保存に関するルールの整備、バックアップデータの保護、クラウド利用時の公開設定やアクセス権限の確認を求めている。

アクセスログを点検・分析し、不正取得の兆候を把握

不正アクセスの早期発見と被害範囲の迅速な特定に向けては、個人情報や業務情報へのアクセス記録の取得、不審なアクセスや大量データ取得の監視、ログの一定期間の保管、異常を検知した際の対応態勢の整備をあげた。

複数の不正侵入事案が確認されている状況を踏まえ、不審な通信や大量アクセスの痕跡がないか、アクセスログなどを点検・分析することも推奨している。

サイバーセキュリティを経営課題として位置づけるよう要請

NCOは、サイバー攻撃による被害は情報システム部門だけの問題ではないと強調している。不正アクセスによって個人情報や業務情報が流出した場合、事業停止や顧客対応など、経営全体に影響するリスクへと発展する可能性があるためだ。

AIの悪用を含め、サイバー攻撃の手法が高度化・巧妙化するなか、経営層に対しては、サイバーセキュリティを経営課題として位置づけ、必要な投資や人員体制の整備を含めて対策を強化するよう求めている。

また、被害を受けた組織には、さらなる被害拡大を防ぐため、サイバー攻撃に関する技術情報をNCOや所管省庁、専門機関などへ速やかに共有するよう協力を呼びかけた。

EC事業者にとっても、自社ECサイトや会員基盤などの公開システム、委託先管理、保有データの最小化、ログの監視・分析、インシデント対応態勢の整備が重要となる。情報システム部門だけに任せず、サイバーセキュリティを経営を含む全社的な課題として見直すことが求められる。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

「選ばれ続ける店舗」はどう作る? 「ソムリエ@ギフト」と「腕時計のななぷれ」が「楽天NATIONS」10周年で語ったEC成長の条件

1 週間 ago

大きく変化したEC環境のなかで「選ばれ続ける店舗」をつくるためにはどうすればいいのか? 楽天グループが実施した「楽天市場」出店店舗向け育成プログラム「楽天NATIONS」の10周年記念イベントに登壇した年商100億円規模のギフトEC「ソムリエ@ギフト」のベルヴィ・宮﨑義則社長と、腕時計EC「腕時計のななぷれ」を展開するnanapleの國分英一社長が、「『NATIONS』を起点にずっと成長できる、店舗づくり」をテーマに「選ばれ続ける店舗」をつくるための考え方や実践例を語った。

写真右上がnanapleの國分社長、その左にベルヴィの宮﨑義則社長
写真右上がnanapleの國分社長、その左にベルヴィの宮﨑義則社長

「楽天NATIONS」のリーダー店舗を複数回務めてきたベルヴィとnanaple。セッションでは、価格競争に巻き込まれないための付加価値づくりやブランド化、挑戦を続ける姿勢、明確な目標設定など、両社が現場で積み重ねてきた取り組みを紹介した。

「NATIONS」で「教える側」になったことが自社の成長にもつながる

ベルヴィの宮﨑氏は、父親が営んでいたギフト事業会社に21歳で入社。当時は年商4~5億円規模で赤字が続く会社だったという。2005年に「楽天市場」へ出店したものの、当初は苦戦し、月商1000万円に達するまで5年を要した。

2007年に31歳で社長を継ぎ、現在はギフト店2店舗のほか、家具・雑貨、ベビー用品など複数ジャンルを展開。ふるさと納税の中間事業者として複数の自治体も支援している。

一方、nanapleの國分氏は29歳まで定職に就かず、飲食店経営などを経験。その後、EC会社で働いたことをきっかけに、ECの可能性を感じて独立した。現在は腕時計を主力に販売し、約26人の体制で事業を運営する。創業時から掲げるテーマは「お客さまの喜びを」。対面の飲食業で感じていた「ありがとう」と言われる喜びを、オンラインでも実現したいという思いが事業の軸になっているという。EC事業を成長させ、現在の年商規模は23億円となっている。

宮崎氏と國分氏に共通していたのが、「楽天NATIONS」での登壇経験が自社の成長にもつながったという点だ。宮﨑氏は2017年に初めて「NATIONS」のリーダー店舗の依頼を受けた際、「自社のノウハウを他店舗に開示することに抵抗があった」と言い、「当初は依頼を断るつもりだった」と話す。ただ、「楽天への恩返しが必要ではないか」という周囲の言葉を受け、登壇を引き受けたという。

実際にリーダー店舗を引き受けたベルヴィとnanapleは、「受講店舗に成果を示す責任を持つことで、自分たち自身も挑戦を止められなくなった」と振り返る。互いをライバルとして意識しながら、売上成長や受講生の成果達成を競い合ってきたことも成長につながったという。

リーダー店舗として登壇することで自分たちも怠けられなくなった。教える立場になったことが、社内の成長や組織力向上にもつながった。(nanaple 國分氏)

nanapleの國分英一氏
nanapleの國分英一氏

「一点突破」から「自店ならではのプラスオン」へ

10年前と現在では、EC店舗を取り巻く環境も大きく変わった。

宮﨑氏は10年前を振り返り、売り上げが伸びない時期は資金も人材も不足していたため、まず1商品を強くする「一点突破」が有効だったと説明。商品力、ページ、アクセス、利益設計を集中して強化し、成功した商品を2商品、3商品と広げていく――この繰り返しが成長の土台になったという。

一方、國分氏は、かつては「写真をきれいに撮って掲載する」こと自体が大きな差別化になったと振り返る。

現在は商品登録項目の増加に加え、SNS、「楽天ROOM」、YouTubeなど集客・販売チャネルも増え、必要な業務量は格段に増えた。基本施策を実行するだけでは足りず、そこに「自店ならではのプラスオン」を加えられる店舗が選ばれやすくなっていると指摘した。

nanapleは「合格ウォッチ」で価格以外の価値を創出

その具体例として紹介したのが、「腕時計のななぷれ」の「合格ウォッチ」だ。競争が激しく、通常は1本あたり100~200円程度しか利益が残らないカシオの時計に、電池交換と刻印サービスを組み合わせ、「受験を応援する時計」として訴求した。きっかけは、顧客レビューや知人から聞いた「受験で使った時計が思い出の品になった」という声だった。

単なる型番商品でも、利用シーンや贈る意味を再設計することで、価格以外の価値を付けられる。実際、「合格ウォッチ」は追加で1200~1300円程度の利益を生み、販売タイミングで最も売れた腕時計になったという。

また、シチズンの小型時計を「主張しない時計」として訴求した事例も紹介した。メーカー名や型番を前面に出すのではなく、「ファッションに自然になじむ」「時計そのものを主張しすぎない」といった顧客の自己イメージに寄り添った見せ方のページを用意したところ、対象商品の売り上げは約130%伸びたという。

お客さまは価格だけで見ているわけではない。使う場面や贈る意味が明確なら、追加の価値にお金を払う。(國分氏)

nanapleの「プラスオン」施策の例(画像は講演スライドより)
nanapleの「プラスオン」施策の例(画像は講演スライドより)

検索で見つけてもらうだけでなく「指名されるブランド」へ

宮﨑氏は、今後さらに重要になるのがブランド化だと指摘した。「楽天市場」ではパーソナライズ検索が進み、ユーザーごとに検索結果が異なる。加えて、今後はAIに選ばれなければ表示されにくくなる可能性もある。こうした環境では、検索で偶然見つかる商品だけでは厳しくなる。そこで重要なのがブランドだと力説した。

ギフト市場では割引販売が長年の慣習となっているうえ、購入者が贈り先に価格を知られたくないため、店名を前面に出しにくい事情もあった。そうしたなか、「ソムリエ@ギフト」を信頼されるブランドへと育てる方針を打ち出し、ロゴ刷新や商品パッケージへのブランド表示にも踏み切った。

ベルヴィはカタログギフトでシェアを築いた後、競争激化に対応するため、母の日、父の日、お中元、お歳暮、敬老の日、クリスマスなどシーズナルギフト全般へと領域を拡大。ラッピング、サムネイル、商品ページ、特集ページまで用途ごとに最適化し、ギフト需要を深掘りしてきた。

また家電・雑貨ジャンルも強化した。自家需要も取り込み、現在は家電・雑貨で約40億円規模の売り上げをつくっているという。ギフトを軸にしながら商材領域の拡充など「プラスオン」をして成長につなげた。

さらにオリジナルブランドとして、高品質カタログギフト「THE RED」や、菓子を中心としたプライベートブランド「ギフトリエ」も展開。「THE RED」は発売約2か月時点で約80件のレビューを集め、評価4.8を記録、今後は4.9を目標にしているという。型番商品への依存から脱却し、独自の商品・ブランドを育てる動きを強めている。

ベルヴィのブランド戦略の例(画像は講演スライドより)
ベルヴィのブランド戦略の例(画像は講演スライドより)

「失敗しても成功するまでやり続ける」一方、挑戦は時に大きな失敗も伴う。

一方、挑戦は時に大きな失敗も伴う。

ベルヴィでは、ベビーカー用冷却シートを約1億円分生産したものの、競合増加と価格下落によって在庫が7000個残ったことや、ディズニーとのギフトサービスでも想定通りの成果を得られなかったことを率直に共有した。そのうえで宮﨑氏は、失敗を経験しても挑戦を続ける重要性を強調した。

講演ではベルヴィの失敗事例も共有された(画像は講演スライドより)
講演ではベルヴィの失敗事例も共有された(画像は講演スライドより)

店舗運営で重要なのは「挑戦し続けること」。失敗を重ねても、成功するまで挑み続ける姿勢が生き残りにつながる。ベルヴィも数々の失敗を重ねてきた。ただ、挑戦しなければ成功の可能性も生まれない。(宮﨑氏)

ベルヴィの宮﨑義則社長
ベルヴィの宮﨑義則社長

売上目標から逆算して「ロジックを組み直す」

終盤では、挑戦を実行に移すための「明確な目標設定」についても語られた。

「NATIONS」では半年で売上1.5倍~2倍といった目標設定をするが、従来の延長線上では届かない。そのためには、目標達成に向けたロジックをゼロから組み直す必要があると指摘。國分氏は、自社でも売上目標を全社やバイヤー単位で明示した結果、過去最高の売り上げと利益につながったと紹介した。

宮﨑氏も、「まったく根拠はなかったが20代の頃から『50歳で100億円』と言い続け、実際に50歳で達成した」と話す。次は60歳までに300億円をめざすとし、その成長を従業員の幸せにつなげたいと意気込んだ。

「選ばれ続ける店舗」は地道な積み重ねから

今回のセッションでは、ECで成長するための特別な裏技ではなく、基本施策を徹底し、顧客視点で付加価値を設計し、失敗を恐れず挑戦を続けることの重要性が語られた。

そこに、ブランドとして選ばれるための工夫と、大きな目標を掲げて達成へのロジックを組み直す取り組みを重ねる。変化の激しいEC市場で「選ばれ続ける店舗」をつくるためのヒントが、ベルヴィとnanapleが10年にわたって積み重ねてきた実践の中に示された。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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ブックオフグループの会員システムに不正アクセス、最大約643万件が漏えいの可能性。カード情報は「システムでは保有していない」

1 週間 ago
ブックオフグループの会員システムに不正アクセス、最大約643万件が漏えいの可能性。カード情報は「システムでは保有していない」
ブックオフグループホールディングスが、子会社の会員情報管理システムへの不正アクセスを受け、最大約643万件の会員情報が漏えいした可能性があると発表した。対象には氏名や住所、連絡先、ポイントカード番号などが含まれる一方、クレジットカード情報は流出していないという。
furukawa2026年10月13日

ブックオフグループホールディングスは10月9日、子会社が提供する会員情報管理システムへの不正アクセスにより、会員情報が外部に流出したことを確認したと発表した。漏えいした可能性がある会員データは最大約643万件にのぼる。クレジットカード情報などの決済情報は、対象システムで保有していないため、漏えい対象には含まれないという。

ブックオフグループの会員システムに不正アクセス、最大約643万件が漏えいの可能性。カード情報は「システムでは保有していない」
ブックオフグループホールディングスのお知らせ(画像は編集部がキャプチャ)

ブックオフグループホールディングスが不正アクセスを確認したのは10月6日。調査の結果、子会社の会員情報管理システムで管理していた会員情報が外部から取得されたことが判明した。

漏えいした可能性がある情報は、氏名、生年月日、性別、メールアドレス、電話番号、郵便番号・住所、暗号化されたパスワードのハッシュ値、ポイントカード番号、会員番号。最大約643万件という件数は会員番号を基準としたもので、実際の対象人数とは異なるという。

10月9日時点で、流出情報が外部に公開された事実や、第三者に悪用された事実は確認されていない。会員情報の書き換えも確認されていないとしている。

ブックオフグループホールディングスは不正アクセスの確認後、攻撃元からの通信を遮断し、脆弱(ぜいじゃく)性を是正したうえで、対象システムへの外部からのアクセスも遮断した。10月9日時点で判明している不正取得の経路については封じ込めを完了しており、引き続き監視を続けているという。

あわせて、全システムを対象とした緊急総点検を実施。ネットワークとアプリケーションの両面から、追加の安全対策と恒久的な再発防止策を進める方針だ。個人情報保護委員会への報告など、必要な対応も進めている。対象となる顧客には、調査結果を踏まえて順次個別に連絡するとしている。

ブックオフグループホールディングスは、取得された可能性のある情報が悪用された場合、同社グループや関係先を装った不審なメール、SMS、電話などが送られる可能性があるとして、注意を呼びかけている。

具体的には、身に覚えのない連絡に記載されたURLや添付ファイルを開かないこと、個人情報や認証情報を入力しないことを求めている。また、同社グループがメール、SMS、電話でパスワード、認証コード、クレジットカード情報、銀行口座情報などを尋ねることはないとしている。不審な連絡や身に覚えのない利用を確認した場合は、専用窓口への連絡を案内している。

ブックオフグループホールディングスは今回の事態を重く受け止め、引き続き事実関係と影響範囲の調査を進めるとともに、セキュリティ体制の見直しと再発防止に取り組む。今後、新たに公表すべき事実が判明した場合は、速やかに知らせるとしている。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

消費者庁、悪徳商法対策でAIを活用した相談情報分析を強化。消費者被害の兆候を早期に把握

1 週間 ago
消費者庁、悪徳商法対策でAIを活用した相談情報分析を強化。消費者被害の兆候を早期に把握matsumura2026年10月13日通販新聞ダイジェスト

消費者庁は、悪質商法対策で、AIを活用した相談情報の分析を強化する。国民生活センター(国セン)と連携して、消費者被害に発展する恐れのある相談内容の兆候を早期に把握。社名公表を伴わない注意喚起を積極的に活用して対応する。

社名公表に至らない事例も注意喚起などで早期対応

消費者庁の27年度の予算要求は、国民生活センター運営費交付金として49億9000万円を計上した。前年度から約13億円増額している。

国センは、デジタル化を背景にした複雑・高度な相談への対応力を強化するため、「高度専門相談支援室」(仮称)を新設する。一方、消費者庁は9月1日付で、消費者政策課に「早期警戒準備室」を設置。体制整備に向け6人の定員要求を行っており、連携して詐欺的な悪質商法に対応する。高配当をうたい勧誘する事業者の破綻で被害回復が進まないといった悪質商法の課題を念頭に、庁内横断のプロジェクトチームで検討を進めていた。

投資詐欺や利殖商法への対応を想定するが、新たな手口によるトラブルや急増するトラブル、重大化の兆候を捉え対応する。これまで行政処分による対応が中心だったが、消費者政策課が所管する消費者安全法に基づき、社名公表に至らない事例も注意喚起などで早期対応する。特定商取引法や景品表示法の所管課とも情報を共有。警察当局や関係省庁への情報提供も行う。同課は、27年度予算要求で新たに「詐欺的な悪質商法への対応」として2億6000万円を計上した。

消費者相談の分析にAI導入。トラブルの早期把握をめざす

国センは、消費者相談の分析機能を強化する。「PIO-NET(パイオネット)」に集約された全国の消費者相談の分析にAIを導入。新規トラブルや急増トラブル、重大化の兆候の早期把握をめざす。実証事業として行い、本格的な運用を検討する。これまでは相談員の知見にばらつきがあり、断片的な相談情報から傾向や重大化の恐れを把握していた。

相談員がAIを活用して相談内容の傾向を把握できるようにしたり、一部エリアでAIが24時間365日相談対応するための実証事業も行ったりする。これまで地方の消費生活センターの運営時間が異なり、相談対応の水準が課題になっていた。

国センによる注意喚起などを目的にした「商品テスト」もAIを活用して、効率化や期間短縮を進める。25年度は、地方自治体等からの850件の相談・要望を踏まえ、116件(国セン独自の7件を含む)の商品テストを行った。AIによる分析機器の測定、画像解析の自動化を行い対応する。現在の試験施設で対応できない試験もあるため、施設の再整備、技術支援を行う技術者も配置することで、テスト数の増加や精度向上を図る。

「PIO-NET」の活用について(画像は国民生活センターのサイトから編集部がキャプチャし追加)
「PIO-NET」の活用について(画像は国民生活センターのサイトから編集部がキャプチャし追加)

消費者庁の27年度の予算要求は、前年度比16.1%増(約27億円)の197億9000万円だった。増額の約半分を国センの機能強化が占めている。

ほかにデジタル取引に関する消費者被害の未然・拡大防止に向けた体制整備として、デジタル消費者取引の適正化やデジタル広告の監視等で2億7000万円(前年度は2億円、取引対策課、表示対策課)などを要求している。

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家電のコジマの2026年8月期EC売上は382億円で3.6%増、モールは277億円

1 週間 4 日 ago
家電のコジマの2026年8月期EC売上は382億円で3.6%増、モールは277億円
コジマの2026年8月期EC売上高は前期比3.6%増の382億100万円。モール型ECサイトは277億100万円、自社ECサイトは104億9900万円。
furukawa2026年10月9日

家電量販店のコジマが公表した2026年8月期決算によると、EC売上高は前期比3.6%増の382億100万円だった。内訳は、自社ECサイトが同4.3%増の104億9900万円、モール型ECサイトが同3.3%増の277億100万円。

家電のコジマの2026年8月期EC売上は382億円で3.6%増、モールは277億円
自社EC・モール共に増収となった(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

コジマはEC事業を成長事業の1つに位置付けている。2026年8月期は、「コジマネット」で当日配送対象アイテムを拡充し、顧客の購入ニーズへの対応と利便性の向上に取り組んだ。

今後は、AI経由の購買行動が拡大することを見据え、エージェンティックコマースへの対応を進める方針。新たな購買機会の創出を通じて、EC事業の収益拡大につなげる考えだ。

2026年8月期の全社売上高は前期比5.2%増の2976億3200万円、営業利益は同17.7%増の86億2200万円、経常利益は同15.3%増の89億1100万円、当期純利益は同17.4%増の55億2900万円だった。ECを含む全チャネルで増収となった。

全社の取り組みでは、創業70周年記念セールなどの販促施策を展開したほか、IPコラボキャンペーンを実施し、幅広い顧客層の獲得を進めた。

商品別では、エアコンについて東京都の助成制度拡充に加え、「2027年問題」に伴う需要の高まりが寄与したと説明。ゲームは人気ソフトの発売やNintendo Switch 2の在庫回復を追い風に伸長した。パソコンとスマートフォンも堅調に推移した。

2027年8月期の通期業績は、売上高が前期比0.8%増の3000億円、営業利益が同4.4%増の90億円、経常利益が同2.1%増の91億円、当期純利益が同4.9%増の58億円を見込んでいる。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

ローソンにも不正アクセス、アカウントサービス「ローソンID」「ローソンアプリ予約」で一部個人情報が漏えい

1 週間 4 日 ago
ローソンにも不正アクセス、アカウントサービス「ローソンID」「ローソンアプリ予約」で一部個人情報が漏えい
ローソンは「ローソンID」と「ローソンアプリ予約」への不正アクセスにより、顧客の個人情報の一部が漏えいしたと公表した。対象は「ローソンID」が215万5345件、「ローソンアプリ予約」が26件で、現時点で不正利用や二次被害は確認されていないという。
furukawa2026年10月9日

ローソンは10月8日、運営するアカウントサービス「ローソンID」と「ローソンアプリ予約」が第三者による不正アクセスを受け、顧客の個人情報の一部が漏えいしたと発表した。対象は「ローソンID」が215万5345件、「ローソンアプリ予約」が26件。現時点で、本件に起因すると考えられる不正利用や二次被害は確認されていないという。

ローソンにも不正アクセス、アカウントサービス「ローソンID」「ローソンアプリ予約」で一部個人情報が漏えい
ローソンのお知らせ(画像は編集部がキャプチャ)

ローソンによると、10月7日に実施した調査で、9月12日から14日にかけて「ローソンID」、9月17日に「ローソンアプリ予約」が不正アクセスを受けていたことが判明。今回確認された以外の不正アクセスや、マルウェアへの感染は確認されていないとしている。

漏えいが確認された情報は、「ローソンID」ではメールアドレス、氏名のほか、利用状況によっては性別、電話番号、住所、メルマガ取得情報など。「ローソンアプリ予約」では26件を対象に、氏名、電話番号、クレジットカード番号の一部も漏えい対象に含まれている。

原因についてローソンは、ローソンアプリに関連するシステムが不正に利用されたことによるものと説明。本来、アプリ上で利用者本人に情報を表示するためのセキュリティ機構が第三者による不正アクセスを受け、情報漏えいにつながったとしている。

ローソンは発覚後、不審なアクセス元のブロック、「ローソンアプリ予約」機能の停止、アプリ上での告知、対象顧客への個別連絡、関係機関への報告を実施した。個人情報保護委員会にも報告済み。停止中の「ローソンアプリ予約」は、10月中旬の再開を予定している。

再発防止策として、対象システムのセキュリティ対策や監視体制、インシデント対応体制の強化を進める。 ローソンは、対象となる可能性がある利用者に対し、不審なメール、SMS、電話などに注意するよう呼びかけている。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

佐川急便「お荷物問い合わせサービス」に不正アクセスで個人情報流出の可能性/佐川急便が宅配便などの届出運賃・料金を改定へ【ネッ担アクセスランキング】

1 週間 4 日 ago
  1. 佐川急便「お荷物問い合わせサービス」に不正アクセス、個人情報流出の可能性。荷物の集荷・配達は通常営業

    佐川急便は「お荷物問い合わせサービス」への不正アクセスを確認したと公表、10月1日には個人情報流出の可能性を明らかにした。

    鳥栖 剛[執筆]

    10月5日 8:30

    佐川急便「お荷物問い合わせサービス」に不正アクセス、個人情報流出の可能性。荷物の集荷・配達は通常営業
  2. 佐川急便、宅配便などの届出運賃・料金を改定へ。2027年1月から「飛脚宅配便」「飛脚ラージサイズ宅配便」で約13.8%値上げ

    佐川急便は2027年1月1日、宅配便などの届出運賃・料金を改定する。「飛脚宅配便」「飛脚ラージサイズ宅配便」は平均約13.8%引き上げる予定で、メール便や大型家具・家電設置輸送サービス、紙請求書発行手数料も見直す。

    鳥栖 剛[執筆]

    10月5日 7:30

    佐川急便、宅配便などの届出運賃・料金を改定へ。2027年1月から「飛脚宅配便」「飛脚ラージサイズ宅配便」で約13.8%値上げ
  3. ヤマト運輸、「クロネコ代金後払いサービス」へ不正アクセスが発生と発表。サービスを停止

    ヤマト運輸は「クロネコ代金後払いサービス」が第三者による不正アクセスを受けたと発表。サービスを停止している。

    鳥栖 剛[執筆]

    10月2日 9:00

    ヤマト運輸、「クロネコ代金後払いサービス」へ不正アクセスが発生と発表。サービスを停止
  4. 日本郵便、都内郵便局の集配機能を再編、江東区で新たな物流施設を取得

    日本郵政と日本郵便は、都内郵便局の集配機能再編と連動し、日本郵便が東京都江東区で新たな物流施設を取得した。

    鳥栖 剛[執筆]

    10月6日 9:00

    日本郵便、都内郵便局の集配機能を再編、江東区で新たな物流施設を取得
  5. 日本郵便、郵便局の冷凍宅配食「post chef」をスタート。クラダシと共同で展開

    日本郵便は10月8日、郵便局の冷凍宅配食「post chef(ポストシェフ)」の提供を開始する。フードロス削減サービスなどを手がけるクラダシと共同展開し、郵便局のECサイトや窓口設置のタブレット端末、電話で注文を受け付ける。

    鳥栖 剛[執筆]

    10月5日 9:30

    日本郵便、郵便局の冷凍宅配食「post chef」をスタート。クラダシと共同で展開
  6. 「トイザらス」がドンキ運営会社へ。日本トイザらスが民事再生手続きを申し立て、PPIHがスポンサー支援

    日本トイザらスは10月1日、民事再生手続きの開始を申し立て、PPIHグループ関係会社への事業譲渡契約を締結した。店舗営業は継続し、今後は「ドン・キホーテ」などを展開するPPIHグループのもとで事業再生をめざす。

    鳥栖 剛[執筆]

    10月2日 8:00

    「トイザらス」がドンキ運営会社へ。日本トイザらスが民事再生手続きを申し立て、PPIHがスポンサー支援
  7. 人気記事ランキング
    しまむらと「ドラゴンクエスト」がコラボ/ecbeing林社長が明かす「エージェンティックコマース」による未来とデータ統合の重要性【ネッ担アクセスランキング】

    2026年9月25日~2026年10月1日にアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?

    藤田遥

    10月2日 9:40

    しまむらと「ドラゴンクエスト」がコラボ/ecbeing林社長が明かす「エージェンティックコマース」による未来とデータ統合の重要性【ネッ担アクセスランキング】
  8. 通販新聞ダイジェスト
    政府が化粧品をはじめとする美容産業を「J-Beauty」として成長戦略に位置づけ。官民一体でロードマップを策定

    「化粧品国際規制調和事業」を活用し、海外規制の調査事業を開始。2033年に日本の化粧品輸出額を現在の4倍となる2兆円を目標に掲げる

    通販新聞[転載元]

    10月6日 7:00

    政府が化粧品をはじめとする美容産業を「J-Beauty」として成長戦略に位置づけ。官民一体でロードマップを策定
  9. 6割超が「ポイント経済圏」を意識。最も活用しているポイントの上位は「楽天ポイント」「PayPayポイント」「Vポイント」

    MMD研究所が実施した「2026年7月ポイント経済圏のサービス利用に関する調査」によると、現在活用している共通ポイントのトップは「楽天ポイント」で58.8%だった

    松村朋亮[執筆]

    10月2日 10:00

    6割超が「ポイント経済圏」を意識。最も活用しているポイントの上位は「楽天ポイント」「PayPayポイント」「Vポイント」
  10. ジャパネット、非正規社員給与を平均13%アップの大幅給与改定。「長崎の“働き方”を変えたい」

    ジャパネットホールディングスは、非正規社員の給与水準を引き上げる人事・給与制度の改定を実施。長崎県内の非正規社員平均で13.0%の賃上げに加え、休日追加や食事補助の拡充、働き方選択制の導入も進める。

    鳥栖 剛[執筆]

    10月7日 8:30

    ジャパネット、非正規社員給与を平均13%アップの大幅給与改定。「長崎の“働き方”を変えたい」

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

この記事の筆者

藤田遥

ネッ担編集部

保険系SE→ECサイト運営を経て、編集未経験でインプレスに入社し、ネットショップ担当者フォーラム編集者に。趣味は音楽を聴く、ゲーム、ショッピング。ライブと買い物に行くとき以外は基本的にインドア派。カレーとコーラが好き。

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なぜ続くファーストリテイリングの高成長、成長の源泉はコンセプトの「LifeWear」

1 週間 4 日 ago
なぜ続くファーストリテイリングの高成長、成長の源泉はコンセプトの「LifeWear」
ファーストリテイリングの2026年8月期は売上収益が前期比16.6%増の3兆9633億円、事業利益が同30.4%増の7184億円と過去最高を更新した。高成長を支える要因となる、顧客の声を起点に商品開発から販売までを一体で設計する「LifeWear」戦略を探る。
furukawa2026年10月9日

ファーストリテイリングの高成長が続いている。2026年8月期の連結売上収益は前期比16.6%増の3兆9633億円、事業利益は同30.4%増の7184億円となり、大幅な増収増益で5期連続の過去最高業績を達成。ユニクロ事業がすべての地域で増収増益となり、グループ全体の成長をけん引した。この成長の源泉としてファーストリテイリングが掲げるのが、「LifeWear」というコンセプトだ。

なぜ続くファーストリテイリングの高成長、成長の源泉はコンセプトの「LifeWear」
大幅な増収増益で5期連続の過去最高業績を達成

「LifeWear」は、顧客の声を起点に商品を磨き込み、必要な商品を必要な量だけ、必要なタイミングで届けるという、商品開発から販売までを一体で設計する考え方でもある。ファーストリテイリングは、この仕組みを事業成長とサステナビリティを両立させる基盤として育ててきた。

年間4201万件の顧客の声を商品改善に生かす

2026年8月期は年間4201万件の顧客の声を集め、商品改善や過去の人気商品の再販など、品ぞろえの見直しに生かした。特徴の1つが、商品部門とは独立したカスタマーセンターが顧客の意見を集約し、柳井正社長を含む全社・全部署・全社員に共有し、商品の改善・改良につなげている。

リネン群やヒートテックカシミヤなどのエッセンシャル商品は継続してヒットしたほか、過去の人気商品の再販も好調だった。日本では、1000件以上の要望を受けて「エアリズム3Dマスク」を再販したことも、顧客の声を商品展開につなげた事例としてあげている。

「売れる商品はグローバルで売れる」商品開発

もう1つの強みは、「LifeWear」をグローバルで通用する商品群として磨き上げていることだ。

ファーストリテイリングは、東京、上海、ニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、ロンドンの6拠点にR&D機能を置き、各地域の生活者ニーズを捉えた商品開発を進めている。

世界各地でライフスタイルの共通性が高まるなか、「売れる商品はグローバルで売れる」という考えのもとで商品を育て、各市場へ横展開できる体制を築いている。

季節で売り切るのではなく、長く売れる商品へ

販売の考え方も、従来のアパレルとは異なる。春夏・秋冬といったシーズン単位で売り切るのではなく、半袖Tシャツやカジュアルアウターなどを、地域や着用シーンによっては年間を通じて販売できる商品として捉える。

気候変動や天候不順によって需要予測が難しくなるなか、商品の販売期間を柔軟に捉える発想で、販売機会の最大化につなげる。

「LifeWear」は「定番を強くする」だけではなく、「定番をどう長く、広く売るか」まで含めた成長戦略になっている。

店舗を「最大のブランディングの場」として磨く

店舗戦略も高成長を支える大きな柱だ。

ファーストリテイリングは店舗を「最大のブランディングの場」と位置付け、世界各地で旗艦店や大型店の出店・刷新を進めている。

2026年8月期には、年間売上高50億円以上の店舗がグローバルで60店舗超、うち100億円以上の店舗が10店舗に達した。今後は、年間50億円以上を売り上げる店舗を200店舗に増やすことを目標としている。

その取り組みの一環として、11月6日に京都の既存店を増床し新たにグローバル旗艦店としてオープンする。そのほか、今秋冬に東京都内でも錦糸町店、新宿西口店、ららぽーと豊洲店など、重要店舗の大型刷新を相次いで進める。

なぜ続くファーストリテイリングの高成長、成長の源泉はコンセプトの「LifeWear」
日本では重要店舗の大型刷新を進める

海外では、北米で旗艦店・大型店の出店、欧州で新規都市への出店を強化する。中国では、上海にあるグローバル旗艦店を移転・リニューアルし、10月30日に新店舗をオープンする。単なる販売拠点ではなく、「LifeWear」の世界観を体感できる場として店舗を磨き、ブランド支持の拡大につなげる狙いだ。

店舗成長を支えるグローバルな人材育成

店舗戦略を下支えするのが人材育成だ。

ファーストリテイリングは、質の高い店舗や旗艦店を経営できる人材の育成を、事業成長における最重要課題の1つと位置付けている。

現役店長が次世代の店長候補を育てる体制を整え、グローバルで旗艦店・大型店を担える人材を計画的に増やしている。2026年8月末時点で、世界のユニクロには3200人以上の店長がおり、そのなかから将来の中核人材を育てていく構えだ。

国内ユニクロはEC・デジタルも強化

国内ユニクロ事業のさらなる成長に向けては、オンライン領域も強化する方針だ。ECやデジタルを活用し、顧客ニーズに合った接客を充実させるほか、店舗受取りロッカーなどのサービスも拡充する予定としている。

「LifeWear」は商品ではなく、成長を生む仕組み

ファーストリテイリングの高成長は、ヒット商品が偶発的に生まれているからではない。顧客の声を起点に商品を作り、グローバルで通用する定番へ育て、店舗でブランド価値を伝え、それを担う人材を育成する。この一連の仕組みが「LifeWear」というコンセプトのもとで有機的につながっている。成長の理由は、単品の強さではなく、顧客起点の仕組みそのものを磨き続けている点にあると言えそうだ。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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(function(){ try{ var googletag = window.googletag || {cmd: []}; googletag.cmd.push(function() { const adUnitPath = '/49282802/ipc-netshop/pc-all/hyb101', adSizes = [[["fluid"], [728, 90]]], slotElementId = 'div-gpt-ad-1549503899339-0'; const iOr=/^https:\/\/([^.]+\.)+safeframe\.googlesyndication\.com/; googletag .pubads() .addEventListener('slotResponseReceived', function(evt) { if (evt?.slot?.getAdUnitPath() != adUnitPath) { return; } if (!evt?.slot?.getResponseInformation()) { const targetElem = document.querySelector('#'+slotElementId); if (targetElem) { targetElem.style.display = 'none'; } } }) .addEventListener('slotRenderEnded', function(evt) { if (evt?.slot?.getAdUnitPath() != adUnitPath) { return; } const postMessageWithDebounce = Drupal.debounce(function() { const viewportWidth = window.innerWidth; const wIfr = document .querySelector('#'+slotElementId) ?.querySelector('iframe') ?.contentWindow; if (!wIfr || !wIfr.postMessage) return; wIfr.postMessage( { slot: adUnitPath, type: 'banchoSetViewportInfo', data:{ viewportWidth: viewportWidth } }, '*' ); }, 250, false); postMessageWithDebounce(); window.addEventListener('resize', postMessageWithDebounce); window.addEventListener('orientationchange', postMessageWithDebounce); }); }); } catch (e) { if (drupalSettings?.bancho?.userInfo?.insider) { console.warn(e); } } })();
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