ネットショップ担当者フォーラム

日本郵便、郵便局の冷凍宅配食「post chef」をスタート。クラダシと共同で展開

9 時間 29 分 ago
日本郵便、郵便局の冷凍宅配食「post chef」をスタート。クラダシと共同で展開
日本郵便は10月8日、郵便局の冷凍宅配食「post chef(ポストシェフ)」の提供を開始する。フードロス削減サービスなどを手がけるクラダシと共同展開し、郵便局のECサイトや窓口設置のタブレット端末、電話で注文を受け付ける。
furukawa2026年10月5日

日本郵便は10月8日から、郵便局の冷凍宅配食「post chef(ポストシェフ)」の提供を開始する。フードロス削減サービスなどを手がけるクラダシと共同で展開する。郵便局のECサイトのほか、郵便局の窓口に設置したタブレット端末や電話から注文を受け付ける。

日本郵便、郵便局の冷凍宅配食「post chef」をスタート。クラダシと共同で展開
10月8日から郵便局の冷凍宅配食「post chef(ポストシェフ)」の提供を開始する

「post chef」は、栄養バランスとおいしさにこだわった冷凍宅配食を、電子レンジで手軽に楽しめるサービス。商品は「ワンプレート弁当」と「おかずパウチ」の2種類を用意し、冷凍便で配送する。

ブランドコンセプトは「今日の食事に、ちょうどいい。」。忙しい日や一人で食事をする時、あと一品ほしい時など、日常のさまざまな食事需要に対応する。

日本郵便とクラダシは2025年8月に資本業務提携契約を締結しており、今回の取り組みはその具体策の1つ。日本郵便が全国の郵便局ネットワークと顧客接点を、クラダシが商品開発・運営ノウハウを持ち寄り、商品を企画・開発した。企画・監修は日本郵便とクラダシが担い、販売事業者はクラダシ。

日本郵便は物販サービスで実用商品や生活必需品のラインアップ拡充を進めており、その一環として冷凍宅配食を商品化した。全国の郵便局というリアルな顧客接点に、Webや電話による注文手段を組み合わせることで、これまで冷凍宅配食の利用機会が少なかった層にも利用を促す狙いだ。

今後は、メニューの拡充や販売チャネルの拡大など、さらなるサービスの充実に向けた検討を進めるとしている。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

「楽天市場」、商品ジャンルごとのキャンペーンが集結する新セールイベント「ジャンル祭」を開始

9 時間 59 分 ago
「楽天市場」、商品ジャンルごとのキャンペーンが集結する新セールイベント「ジャンル祭」を開始
楽天グループが「楽天市場」で始める商品ジャンルごとのキャンペーンを集約した新たなセール企画「ジャンル祭」。初回は「お買い物マラソン」に連動し、ファッション、食品、日用品、家電の4ジャンルを中心に各種施策を展開する。
furukawa2026年10月5日

楽天グループは10月2日、インターネット・ショッピングモール「楽天市場」で、商品ジャンルごとのキャンペーンを集約した新たなセール企画「ジャンル祭」を実施すると発表した。初回は10月4日から10月9日まで実施する「お買い物マラソン」に合わせて展開する。

「楽天市場」、商品ジャンルごとのキャンペーンが集結する新セールイベント「ジャンル祭」を開始
「ジャンル祭」はさまざまなジャンルに特化したキャンペーンを集約した大型セール企画

「ジャンル祭」は、ファッション、食品、日用品、家電、コスメ、インテリアなど、さまざまなジャンルに特化したキャンペーンを集約した大型セール企画。これまで実施してきた各ジャンル特化キャンペーンの還元内容を強化。対象ジャンルや対象商品を拡充し、新たな総称で展開することにした。

各ジャンルの特性に合わせて、クーポン配布やポイント進呈企画を実施。ユーザーは関心の高いジャンルの商品を、お得に購入しやすくなる。楽天は「楽天スーパーSALE」や「お買い物マラソン」など既存の大型販促施策とも連動させ、各ジャンルの季節性やトレンドに合わせて継続的に実施していくとしている。

初回は4ジャンルを中心に展開、購入金額の全額ポイントバックも

初回は「お買い物マラソン」と同時に実施し、ファッション、食品、日用品、家電の4ジャンルを中心にキャンペーンを展開する。

あわせて、対象ジャンルの商品購入金額を抽選で2000人に全額ポイントバックするジャンル横断企画も実施。購入前後のエントリーが必要で、対象ジャンルでの1注文ごとに抽選を行う。ポイントバックの上限は最大1万円分で、付与するポイントは期間限定ポイントとなる。

ファッション・スポーツ・アウトドアはポイント最大20倍

ファッション、スポーツ、アウトドア領域では「MAX20」を展開し、対象商品をポイント最大20倍で販売する。

日用品領域では「日用品最大50%ポイントバック」を実施。「楽天スーパーDEAL」の対象商品で最大50%のポイントバックを行うほか、対象商品に使える最大800円オフクーポンも配布する。

食品ジャンルでは「楽天市場最大級の食の祭典」を実施する。対象商品に使える最大50%オフクーポンに加え、定番ドリンク向けの最大20%オフクーポン、定番の酒類向けの最大7%オフクーポンを配布する。

家電やインテリア、寝具、収納などのホームライフ領域では「オータムラッシュ」を展開。対象商品に使える最大50%オフクーポンを配布するほか、店舗ごとのポイントアップ施策も実施する。

「ジャンル祭」は、単にジャンル別キャンペーンを束ねるだけでなく、各ジャンルの購買行動に合わせてポイント還元、クーポン配布、ショップ別施策を組み合わせる設計としている。

「お買い物マラソン」と連動、買いまわりとジャンル施策を併用

同時に実施する「お買い物マラソン」は、期間中にエントリーしたうえで、1ショップあたり1000円(税込)以上の買い物をしたショップ数に応じてポイント進呈率が上がる販促施策。最大10ショップで買い物をすると、ポイント10倍(通常ポイント1倍、期間限定ポイント9倍)となる。

楽天は「ジャンル祭」と組み合わせることで、買いまわりによるポイントアップに加え、ジャンル別施策による還元も受けられる点を訴求する。

「楽天市場」は今後も、さまざまな企画を通じて、ユーザーに楽しい買い物体験を提供するとしている。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

佐川急便「お荷物問い合わせサービス」に不正アクセス、個人情報流出の可能性。荷物の集荷・配達は通常営業

10 時間 29 分 ago
佐川急便「お荷物問い合わせサービス」に不正アクセス、個人情報流出の可能性。荷物の集荷・配達は通常営業
佐川急便は「お荷物問い合わせサービス」への不正アクセスを確認したと公表、10月1日には個人情報流出の可能性を明らかにした。
furukawa2026年10月5日

佐川急便は9月30日、Webサイトの「お荷物問い合わせサービス」に第三者による不正アクセスを確認したと公表、10月1日には調査の結果、個人情報が外部に流出した可能性があることも明らかにした。荷物の集荷・配達は通常通り行っているが、被害拡大防止のため、一部のWeb受付サービスを停止している。

佐川急便「お荷物問い合わせサービス」に不正アクセス、個人情報流出の可能性。荷物の集荷・配達は通常営業
佐川急便の公式サイトのトップ画面(画像は編集部がキャプチャ)

佐川急便は9月30日に不正アクセスを確認。対策の一環として、「お荷物問い合わせサービス」へのアクセスを一部制限しており、利用しにくい状態が発生する場合があるとしていた。

10月1日には、調査の結果、個人情報が外部に流出した可能性があることが判明したと発表した。

流出した可能性がある情報は、佐川急便が預かった荷物の送り主と届け先の氏名、住所、電話番号で、対象は9月30日から遡って約100日間の累計データ。このほか、運賃契約を締結している法人・個人顧客の氏名、住所、電話番号、「スマートクラブ」登録者の氏名、住所、電話番号、メールアドレス、会員IDが含まれる。対象件数や影響範囲は引き続き調査中。なおクレジットカード情報とパスワードは含まれていないとしている。

不正アクセスの確認後、佐川急便は被害拡大防止のため、Webサービスの一部を停止した。10月1日時点の停止対象は次の通り。

  • インターネット貨物お荷物問い合わせ
  • インターネット貨物のお荷物問い合わせAPI
  • 飛脚宅配便受付
  • 飛脚往復便受付
  • 飛脚往復便(ゴルフ)受付
  • 商品回収返金サービス
  • 受取先変更(配達予定からの事前受取先変更)
  • 受取先変更(不在発生後の受取先変更)
  • 回収くん

一方、荷物の集荷・配達は通常通り継続しているとしている。

10月1日には専用コールセンターも開設した。電話番号は「0120-28-3449」。受付時間は午前9時から午後5時までで、土日・祝日も受け付ける。

荷物の集荷・配達状況など、荷物に関する問い合わせは最寄りの営業所に連絡するよう呼びかけている。

佐川急便は、影響範囲と原因について引き続き調査を進めるとしており、今後、公表すべき事項が判明した場合はWebサイトで速やかに知らせるとしている。

あわせて、佐川急便を装った不審なメール、SMS、電話などに注意し、記載されたURLへのアクセスや個人情報の入力・提供を行わないよう呼びかけている

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

EC人材は採用すべき? 育成すべき? 多くの企業が抱える「人材」という課題を解決するために必要な考え方

10 時間 59 分 ago

「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。

EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝えていきます。28回目の連載は「EC人材は採用か育成か」をテーマに解説します。

ここをクリックで連載の目次を表示
強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

ECのマーケティングは「ヒト・モノ・カネ・情報といった自社のリソース」と「外部のマーケティングソリューション」を組み合わせて、「結果としての売り上げと利益を最大限に伸ばす」ことが求められます。

つまり「EC事業の内製化」とは「業務の内製化」ではなく、「判断の内製化」なのです。ECの戦略・方針、日々のアクション・行動、そしてソリューションの選択が成果につながっているか、これだけは社内のネットショップ担当者でなければ判断ができません。

「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」では、ECマーケティング人財育成(ECMJ)が、こうした判断を行えるEC担当者育成に向けたポイントを解説します。

どんな人材をEC担当者にしたら良いの?

ネッタヌネッタヌ

石田さん、こんにちは!

石田

ネッタヌ君こんにちは~。

ネッタヌネッタヌ

今回のテーマについて相談なんですが、実は前から気になっていたことがあるんです。

石田

お? なになに?

ネッタヌネッタヌ

この連載って「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」というタイトルが付いているじゃないですか。これまでマーケティングチームの内製化について、石田さんからいろいろな考え方を教えてもらってきましたよね。

石田

うん。そうだね。

ネッタヌネッタヌ

でも、そもそも「どんな人をEC担当者にするのか」「どういう人をマーケティングチームに入れるべきなのか」っていう話は、あまり触れてこなかった気がするんです。

石田

たしかに、そこはまだ詳しく話してなかったね。

ネッタヌネッタヌ

実際「ECのマーケティングチームを内製化したい」と思っていても、「どんな人材を担当者にすればいいのか」「誰を育てればいいのか」で悩んでいる会社さんって、すごく多いんじゃないかなと思うんですよ。

石田

うん、その悩みは本当に多いね。

ネッタヌネッタヌ

なので今回は、そのあたりについてぜひ教えてほしいです!

多くの企業で「人材」に課題を抱えている

石田

流石ネッタヌ君、いいところに気づいてくれた。

ネッタヌネッタヌ

やっぱり、多くの会社さんが悩んでいることなんですね。

石田

そうなんだよ。ECってこの四半世紀で大きくデジタル化が進んできたなかでも、その代表的な存在と言っていいと思うんだ。

ネッタヌネッタヌ

確かに、ECってデジタル化の象徴みたいなところがありますよね。

石田

データだったり、広告だったり、Web制作・開発だったり――。最近だとAIなんかもそうだけど、EC事業を成長させるためのソリューションって、どんどん増えてきた。

ネッタヌネッタヌ

じゃあ、ほとんどの課題が解決できる時代になったんですよね?

石田

実はそうでもない。いろいろなツールやサービスが増えても、まだ十分に解決していない課題、それがまさにネッタヌ君が話してくれた「人材」なんだよ。

ネッタヌネッタヌ

やっぱり人なんですね。

石田

そう。2024年にECの特集を組んだ雑誌があった。ECに取り組んでいる会社さんの意識調査をまとめた特集だったんだけれど、そのなかで「自社のEC事業における課題は何ですか」という質問があったんだ。

ネッタヌネッタヌ

どんな答えが多かったんですか?

石田

7~8割くらいの会社さんが「人材」を課題としてあげていたんだよ。

ネッタヌネッタヌ

そんなに多かったんですか。

石田

もちろん、インタビューを受けていた会社さんは比較的大きな企業が多かったという背景はある。それでも新規顧客とかデータ活用とかシステムの話よりも、人材をあげる会社が圧倒的に多かった。

ネッタヌネッタヌ

それだけ人材の問題って、まだ解決されていない課題なんですね。

EC全体を理解してマネジメントできる人材は限られている

石田

ECって、ほとんどの会社は本業となる既存事業があって、新しい販売チャネルの1つとして取り組んでいるじゃない。

ネッタヌネッタヌ

ECが会社の中心というよりは、事業を広げるための新しいチャネルですね。

石田

だからECを会社の事業の柱に育てていこうと思ったら、当然ECがわかるメンバーを増やしていかなきゃいけない。でも、そこが難しい。そもそも会社に入社している人って、ECをやるために入社した人ばかりじゃないからね。

ネッタヌネッタヌ

むしろ、その方が少ないですよね。

石田

ほとんどの人は違う。だから、その状況のなかでどうやってECの体制を作っていくかっていうのが、多くの会社の課題なんだ。

ネッタヌネッタヌ

そこで悩むわけですね。

石田

新しくEC経験者を採用するのか。今いるメンバーをEC担当として育成していくのか。実際によく相談されるのは採用の方なんだよね。「石田さんの周りで、ECができるいい人いませんか?」っていう相談。

ネッタヌネッタヌ

それだけ人材を探している会社は多い。でも現実はそんなに簡単じゃない。

石田

今の日本の人材市場を見ても、EC全体を理解してマネジメントできる人材って、本当に限られているのが現実なんだよ。なぜ今こんな状況になっているのか。その理由を、ネッタヌ君と一緒に整理していきたい。

ネッタヌネッタヌ

ぜひお願いします。僕もすごく気になります。

ECのマーケティングを展開するソリューションは整ったが、マネジメントする「人材」がいない
ECのマーケティングを展開するソリューションは整ったが、マネジメントする「人材」がいない

「EC事業全体を見られる人」は、次のキャリアとして支援側に行く人が多い

石田

まず、大きいのは需要と供給のバランス。普通に考えて、ECに取り組もうとしている会社って、ものすごく増えているわけじゃない。

ネッタヌネッタヌ

そうですね。物販の会社だけじゃなくなっていますよね。

石田

メーカーや小売業だけじゃなくて、BtoBの会社もネットで取引しようとしているし、デジタルデータを扱うような新しいビジネスもどんどん出てきている。本来であれば、ECサイトの数だけ担当者が必要になるはずなんだけれど、その人数がまったく足りていないんだ。

ネッタヌネッタヌ

需要だけがどんどん増えている状態なんですね。でも、「EC経験者」っていう人は結構いるイメージもあるんですけれど。

石田

そこもポイント。たとえば広告代理店でEC案件を担当したことがある人、デザイナーとしてECサイトを作ってきた人は結構いるんだ。

ネッタヌネッタヌ

採用でも「EC経験あり」っていう人は見かけますよね。

石田

そう。でもね、EC人材って、EC業務やマーケティングの一連の流れを理解していて、その結果を数字で判断できる人だよね。つまり「EC事業全体を見られる人」。

ネッタヌネッタヌ

そういう人は少なそうですね。

石田

さらに、そういったEC人材としての経験を積んだ人って、その後のキャリアが少し特長的になるんだよ。EC事業会社に転職するよりも、大手のコンサル会社や広告代理店など、ソリューションを提供する側へいってしまう人がすごく多いんだ。

ネッタヌネッタヌ

EC担当者としてキャリアアップするというより、支援する側に回る人が多いんですね。そうなると、EC事業全体を任せられる人材はどんどん市場からいなくなりそうですね。

石田

この現実を考えると、多くの会社にとっては採用よりも育成を前提に考えるしかないんじゃないかなと思うんだ。

EC担当者として活躍しても、次のキャリアもEC担当者になる人は少ない
EC担当者として活躍しても、次のキャリアもEC担当者になる人は少ない

商品や会社の歴史・こだわりを知っている人をEC担当者として育成する

石田

EC市場の潮流を考えても、流れは確実に育成の方にある。

既存事業のある会社がECを強化していくのであれば、商品知識や会社の歴史、会社のこだわりを知っているEC担当者の方が、事業として成功する可能性が高いと思うんだ。

ネッタヌネッタヌ

その「会社らしさ」って、外から入ってきた人にはすぐにはわからないですもんね。

石田

今のEC市場って、単純に商品を並べれば売れる時代じゃないからね。会社や商品の背景を理解している人がECを学ぶ方がよっぽど強い。

ネッタヌネッタヌ

なるほど。ECを知っている人が会社を理解するより、会社を知っている人がECを学ぶ方が、今の時代には合っているんですね。ただ、ECのマーケティングって覚えることがすごく多そうなイメージがあります。

石田

確かに、具体的な施策だけを見れば本当にたくさんあるよ。広告もあるしSNSもあるしメールマガジンもあるし、データ活用もある。ケースをあげ始めたら、本当にきりがない。でもね、それを抽象化していくと、考え方はあるんだよね。

ネッタヌネッタヌ

まさにこの講座で毎回伝えてくれていることですよね!

石田

そう。この「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」は、まさにそのECのマーケティングに取り組む考え方を身につけてもらうために始めた連載なんだ。

ネッタヌネッタヌ

1つひとつのテーマが独立しているようで、実は考え方という点ですべてつながっているわけですね。

石田

そういうこと。だから、ぜひこの連載を読みながら、実際の業務でも少しずつ実践して、自社ならではのECマーケティングの考え方をブラッシュアップしていってもらえたらうれしいよね。

毎日のネットショップの運営って、本当に判断の連続だから、その判断の基準になる考え方を持っているかどうかで、積み重ねる経験も変わってくるんだよ。

ネッタヌネッタヌ

だから考え方を学ぶことが、人材育成、ひいては内製化のスタートなんですね。

石田

そして、この連載の冒頭にも毎回書いている「ECに関係する専門的な領域は、もう一担当者の努力だけでどうにかなる時代ではない」んだよ。

ネッタヌネッタヌ

確かに、制作もあれば広告もあって、システムもあって、AIもあって……。すべてを1人で極めるのは難しいですよね。

石田

その通り。ECのマーケティング担当者に本当に求められるのは、すべてを自分でやることじゃない。「判断力」を持つことなんだよね。マーケティングの内製化は「業務の内製化」じゃなくて、「判断の内製化」だからさ。

ネッタヌネッタヌ

専門家をめざすというより、判断できる担当者を育てることが、この連載のテーマですね。

石田

この講座では、ECのマーケティングの考え方を、もっと深く掘り下げて伝えていきたいと思っているよ。

ネッタヌネッタヌ

今回もありがとうございました。また次回もよろしくお願いします!

ECマーケティング人財育成は「マーケティングチームの内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 石田 麻琴

株式会社ECマーケティング人財育成

石田 麻琴(いしだ・まこと)

株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役

早稲田大学卒業後、ネット通販企業に6年間従事。ECの責任者として、ヤフーショッピング月間ベストストア8回受賞。全国第1位を獲得。ネット通販を中心としたWebビジネス支援の株式会社ECマーケティング人財育成を設立。EC・Web企業を支援。
BPIA/Webビジネス研究会ナビゲータ、協同組合ワイズ総研理事。

ECマーケティング人財育成では、日々、インターネット通販を手掛けている事業者、およびその関連事業者に向けた情報を発信しています。ECサイト運営などに役立つ情報については、こちらをご参照ください。

月1回、EC企業における優秀なスタッフやチームを育成するための事例やノウハウを提供する、人財育成に関するセミナーを無料で実施しています。

fujita-h

BtoB-ECの収益を決めるリピート率はどう伸ばす? チャネルトーク×ZETAが明かす「検索×AIチャット」を活用した業務自動化とCX向上

10 時間 59 分 ago
BtoB-ECの収益を決めるリピート率はどう伸ばす? チャネルトーク×ZETAが明かす「検索×AIチャット」を活用した業務自動化とCX向上uchiya-m2026年10月5日ネットショップ担当者フォーラム 2026 セミナーレポート
Sponsored by:
BtoB-ECで顧客体験を高めるには、どのような手を打てばいいのだろうか。顧客理解のためのAIエージェント「チャネルトーク」を展開するChannel Corporationの山本凌嗣氏と、CX向上生成AIソリューション「ZETA CXシリーズ」を提供し、BtoB-EC領域に精通するZETAの山崎徳之氏が対談。BtoB-ECの現状と主要な課題を整理し、AIチャットやCRMで課題をどう解決し、業務の自動化や顧客体験の向上を実現するのか、具体的な道筋を語った。
ZETA 代表取締役社長 山崎徳之氏、Channel Corporation 執行役員 VP of GTM 山本凌嗣氏

BtoB-ECの収益は「リピート」で決まる

山崎徳之氏(以下、山崎)一昔前までBtoB-EC市場規模はBtoCの10倍と言われていましたが、今や20倍。市場のポテンシャルはBtoBの方がはるかに大きくなっています。

BtoB-ECの市場規模はBtoC ECの20倍にまで拡大している(出典:経済産業省「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」)
BtoB-ECの市場規模はBtoC ECの20倍にまで拡大している(出典:経済産業省「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」)
ZETA 代表取締役社長 山崎徳之氏
ZETA 代表取締役社長 山崎徳之氏

山本凌嗣氏(以下、山本)BtoB-ECとBtoC-ECとで明らかに違うのは、お客さまの収益や売り上げの伸び方です。BtoCは広告を大量に打って新規顧客を獲得した後、どちらかというとLTVは右肩下がりのイメージがあります。一方でBtoBはお客さまとの付き合いが長く、LTVが右肩上がりの印象があります。

Channel Corporation 執行役員 VP of GTM 山本凌嗣氏
Channel Corporation 執行役員 VP of GTM 山本凌嗣氏

山崎BtoCの買い物は「商品を探す時間やプロセスも楽しい」といった感覚がありますが、BtoBの購入者は業務的に買っているので、「良いものを早く安く買いたい」と考える。買い物のプロセスを楽しむ必要がないですからね。

山本そこがBtoB-ECの大きな特長だと思います。BtoB-ECでは既存顧客がどれだけ反復発注し、リピートで取引してもらうことが重要。逆に言えば、1社の離脱がすごく大きなダメージになってしまいます。

山崎まさに、BtoBの収益はリピート取引で決まります。米国ではロイヤリティには次の3つがあると捉えられています。

① Transactional Loyalty……ポイント還元や価格の安さを理由に買うといった金銭的かつドライな取引
② Behavioral Loyalty……行動的ロイヤリティを意味しており、特別な思い入れがあるわけではないが、「便利だから」などの理由があり、自分にとって最適と思っているロイヤリティ
③ Emotional Loyalty……「Appleが好き」「パタゴニアが好き」というように、企業やブランドに対して感情が働くロイヤリティ

③はBtoBにはあまり当てはまらないので、BtoBの最上位は②の「Behavioral Loyalty」。お客さまが便利さや使いやすさを感じられることが大事だということになります。

山本確かにそうですね。ZETAさんの調査では「失望体験は離脱=機会損失に直結する」というデータがあったので、この解説をお願いします。

ECサイトにおける離脱の理由についての調査(出典:「ZETA自社調査」(2020年12月))
ECサイトにおける離脱の理由についての調査(出典:「ZETA自社調査」(2020年12月))

山崎ZETAはEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」を提供していますが、検索におけるユーザーの一番のフラストレーションはやはり、0件ヒットや在庫切れなどにより希望の商品が見つからないこと。「AIの登場によって検索しなくてもよくなる」と考えるのは大きな誤解で、ユーザーがGoogle検索などのインターフェースを使わなくなっても、むしろ裏ではこれまで以上にAIが検索をするようになってきているわけです。これはエージェンティックコマースのなかでも「エージェンティックサーチ」と言われていますが、ここがチャネルトークとZETAとの提携で非常に重要なところになります。

以前はLLM(大規模言語モデル)に一貫して検索を任せようと考える傾向が強かったですが、LLMに最新の商品情報などをすべて持たせることは難しい。現在は、LLMがユーザーの意図を理解し、実際の商品検索は検索エンジンが担うというように、それぞれの強みを生かした役割分担が進んできています。

山本LLMに頼り切るというよりは、どこを起点にどう体験を設計するのかがすべてのポイントだと考えています。BtoBのECサイトにおいては、いかにユーザーの期待値を下回らないかが大事で、まさに検索の部分やその先のコミュニケーション設計が肝要ですよね。

山崎そうですね。AIはまだハルシネーション(人工知能が事実に基づかない情報を生成する現象)の課題もあるので、ユーザーとしては間違ったことを言われると不愉快に感じます。ましてやユーザーがその間違いに気付けなければ大問題にも発展しかねません。

山本そうなると「もうそのECサイトは使わない」と信頼を失うことになるでしょう。だからこそ、意図を理解するAIと商品を探す検索機能の役割と構造を理解したうえで、コミュニケーションを設計しなければいけません。

リピート収益が落ちる原因の1つは、粗悪な問い合わせ対応

山本ECを運営する上で、リピート収益が落ちるボトルネックはいくつかありますが、ここでは「問い合わせ対応=お客さまとのコミュニケーション」に注目します。

山崎AIによる問い合わせ対応が増えていますが、そもそもAIはユーザーからの相談に適切な回答を返すことで信頼を得たいと思っているものなので、回答の根拠となるQ&Aなどの情報を参照することを重視しています。Q&AをAIが参照できるように整備すれば、問い合わせにきちんと答えられてAI自体も信頼を獲得できる。しかし、間違ったQに対するAを返すと、これも信頼喪失につながってしまいます。

山本私は安易にAIを活用することにあまり肯定的ではありません。裏に入れるデータの質や体験の設計をしっかりしていないと、むしろネガティブに作用してしまうことが多いからです。また有人対応が必要な問い合わせ対応も必ず存在します。そのためAIに何でもかんでも答えさせるのが良いわけではないと考えているのです。

一方、調べたり問い合わせたりする行動そのものがAIへ移行しつつあります。AIで買い物の相談や商品の比較を当たり前のように行うようになった社会のトレンドもありますし、実際に日常的にAIでショッピングをする人も増えてきていることが、背景の1つとしてありそうです。

「調べる」「問い合わせる」といった行動そのものがAIチャットへ移行しつつある(出典:『EMARKETER and Publicis Commerce』(2026年3月)/『Merkle Customer Research』(2025年Q4・2026年2月))
「調べる」「問い合わせる」といった行動そのものがAIチャットへ移行しつつある(出典:『EMARKETER and Publicis Commerce』(2026年3月)/『Merkle Customer Research』(2025年Q4・2026年2月))

山崎BtoCの話になりますが、AIを使う大きなメリットの1つが、検索キーワードなどを細かく考えなくても、会話形式で自分の要望を入力すれば商品を探せるため、商品探索のハードルが下がりやすいことがあげられます。そして、BtoCの場合に特長的なのが、AIをよく使う人のほうがコンバージョン率は高く、1回あたりの購入金額も高く、LTVも高まる傾向にあります。米国『EMARKETER Forecasts』は2025年から2029年までの4年間でAI経由のEC売上が約27倍に拡大すると予測しています。

山本AIを使う人から話を聞くと、人よりもAIの方が気軽に質問できるという感覚はやはりあるそうです。「問い合わせをして、疑問が解決したら購入する」という24時間365日対応できない有人の取りこぼしを、AIであれば拾えるため、潜在的な顧客を顕在化できると考えられます。

BtoB-ECの課題と「検索×問い合わせ」の解決策

山本前提として、AIチャットには3つのレベルがあるそうですね。

AIチャットには3つのレベルがある
AIチャットには3つのレベルがある

山崎レベル1の「FAQボット」は昔からあるチャットボットで、役に立つほどのものではありません。レベル2の「エージェンティックサーチ」は、RAG(Retrieval-Augmented Generation:LLMが持つ知識を補うために外部知識を活用する仕組み)をさらに発展させた新しい概念くらいに考えてください。

レベル3の「タスク実行型AIエージェント」は、レベル2がもっと具現化した先のこととイメージしてください。完全自律型AIエージェントによってAIエージェント同士が会話していろいろなことができるようになっていく展開については、注目しておく必要があると考えています。

BtoB-ECの課題1:パンチアウト対応

山本BtoB-ECは「品ぞろえ×掛率×契約条件」が取引先の数だけ増加するため、組み合わせが大量になります。EC側のロジックで処理すると表示速度は急落し、開発負荷も膨張しがちで、その結果、属人化してしまうという課題を抱える企業が多く見受けられます。

山崎ZETAでもBtoB-ECの検索で寄せられる相談の約9割に、パンチアウトの要件が入っています。

山本それだけBtoB-ECにおいてパンチアウトは当たり前の要件と言えます。ではBtoB-ECにAIチャットを入れるときにどのような問題が起こるかというと、まず、企業単位で情報を出し分けるという前提条件を満たせないケースが結構あることです。なぜなら、チャットは誰からの問い合わせか把握できずに、単なるテキストのやり取りで終わることが多いため、企業ごとの問い合わせにハードルがあることが多いのです。

ただし、Channel Corporationの「チャネルトーク」はCRMがひも付いているため、パンチアウト対応が可能です。A社から問い合わせが入ってきたときはA社の裏側の情報を見に行き、AIがA社専用の回答を案内できることが特長のため、BtoB-ECに高い価値を提供できます。

CRMとの連携で、取引先ごとの情報の出し分けが可能
CRMとの連携で、取引先ごとの情報の出し分けが可能

BtoB-ECの課題2:大量のSKUと型番問題

山本BtoB-ECは大量のSKUを取り扱い、問い合わせの回答には深い商品知識が求められるため、人力やFAQボットでは追い付きません。お客さまへどのように出し分けや回答をするかという点で、「ZETA SEARCH」と「チャネルトーク」の連携で良い体験が提供できています。

山崎検索のケースとして、型番を例に取り上げて説明しましょう。型番は3桁、8桁、2桁というような組み合わせになっていますが、発注者はメインの8桁しか入力しなかったり、1桁落としたり、ハイフンの有無を間違えたりすることがあります。それをいかに補完してあげられるかが、重要なポイントです。

入力ミスの補完ではAIの力が有効で、型番検索における難易度をかなり下げられるでしょう。さらにLLMの良いところは、過去の発注履歴など、過去の経緯を学習してくれること。同じ発注者が以前買った商品を踏まえ、型番を推測することも可能です。

検索(ZETA SEARCH)とAI(チャネルトーク)で検索時の入力ミスなどを補完し体験を向上する
検索(ZETA SEARCH)とAI(チャネルトーク)で検索時の入力ミスなどを補完し体験を向上する

山本単純な検索エンジンだけではなく、AIがかけ合わさることで「コンテキスト=その人の背景」がひも付いて、検索体験や購入体験が良くなるということですね。ZETAさんとChannel Corporationの提携によって「検索×AI」が自然と成り立っているので、コンテキストをしっかり把握した体験設計ができるようになっています。

BtoB-ECの課題3:煩雑な問い合わせフロー

山本お客さまへの回答が遅くなる背景として、まず在庫や受注、請求などの情報は基幹システムの中にあるので、基幹システムを見に行かなければ答えられないことがあります。そして、見積もりや承認、与信などの業務が特定の担当者に集中し、属人化により流れが停滞してしまうことがあります。さらに、電話、メール、FAXなど、窓口のチャネルが分散しているため、後追いのしにくさや抜け漏れも生じがちです。

こうした課題を解決するため、「チャネルトーク」では「タスク機能」を用意しています。この「タスク機能」を使うと、AIがヒアリングから本人確認、外部システム照会、回答の出し分けまでを自動で行えるようになります。

「タスク機能」により問い合わせフローの属人化が解消
「タスク機能」により問い合わせフローの属人化が解消

検索の場面で良い体験が提供できると紹介しましたが、その先で何か問い合わせが顧客単位で発生した場合にも、お客さまの識別をした上で適切な案内がAIでできるということです。また、「法人単位でこの情報を変更したい」といった際も、API接続にすべて対応しているので、参照だけでなく書き換えまで自動でできるようにしています。

「検索×チャット」を収益につなぐ。CRM起点で収益に転換する仕組み

山本検索とAIチャットは二者択一ではなく相関関係にあります。双方ともCRMを起点にしているからこそ「検索×チャット」で好循環が生まれ、最大限の体験をお客さまに提供できるということを、BtoB-ECを運営する企業にぜひ理解しておいていただきたいです。

BtoCと違ってBtoB-ECではエモーショナルな体験は求められていません。収益の原理は「Behavioral Loyalty」で決まります。優れた検索体験とAIのかけ合わせでコンテキストを把握した体験設計を行うことが重要です。

山崎そして、リピート取引が柱となるBtoB-ECでは、「PPX(Post Purchase Experience:購入後体験)」も重視しなければいけません。旧来のマーケティングでは、買ってもらうまでにどう頑張るかというところに焦点を当てがちでしたが、昨今は米国のマーケティングイベントでもPPXの話が盛んに繰り広げられています。

買った後にいかに満足してもらうかが重要で、なおかつこのPPXの場面で今、AIが最も活用されているのです。返品、キャンセル、配送確認のしやすさのほか、BtoCでは開封体験にもAIが活用されています。

BtoCの事例ですが、米国のあるEC企業では、返品ボタンが押された30秒後に「代替品を送りました」とメールを送る仕組みにしているそうです。すると、ユーザーは「この会社なら絶対安心だ」と感じ、ロイヤリティが向上すると言っていました。ユーザーの不安やストレスをAIで徹底的に取り除くPPXの流れは、確実にBtoBにもやって来ると私は考えています。

山本私も同意見です。「Behavioral Loyalty」とPPXのかけ合わせで体験を提供することで機会損失が防止でき、結果的に収益も右肩上がりに改善していけると思います。

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佐川急便、宅配便などの届出運賃・料金を改定へ。2027年1月から「飛脚宅配便」「飛脚ラージサイズ宅配便」で約13.8%値上げ

11 時間 29 分 ago
佐川急便、宅配便などの届出運賃・料金を改定へ。2027年1月から「飛脚宅配便」「飛脚ラージサイズ宅配便」で約13.8%値上げ
佐川急便は2027年1月1日、宅配便などの届出運賃・料金を改定する。「飛脚宅配便」「飛脚ラージサイズ宅配便」は平均約13.8%引き上げる予定で、メール便や大型家具・家電設置輸送サービス、紙請求書発行手数料も見直す。
furukawa2026年10月5日

佐川急便は2027年1月1日、宅配便などの届出運賃・料金を改定する。主力サービスの「飛脚宅配便」「飛脚ラージサイズ宅配便」は、対象となる届出運賃ベースで平均約13.8%引き上げる。

物流業界で施設、車両、資材、人材確保にかかるコスト上昇が続くなか、輸送力の維持・確保や物流ネットワークの強化に向けた継続的な投資が必要と判断した。

佐川急便の配達の様子(画像は過去のプレスリリースから)

改定対象は、宅配便、航空便、メール便などの各種サービス、大型家具・家電設置輸送サービス、紙請求書の発行手数料。佐川急便は、将来にわたって社会・経済活動を支える物流インフラを維持し、安全で安定したサービスを提供し続けるための改定としている。

「飛脚宅配便」「飛脚ラージサイズ宅配便」は、サイズと地域に応じて運賃を見直す。平均改定率は約13.8%だが、実際の改定幅は荷物のサイズや配送地帯によって異なる。関東発・関西着の場合、60サイズは1040円から1060円、100サイズは1630円から1650円、140サイズは2310円から2660円、160サイズは2570円から2960円、170サイズは3360円から4200円に改定する。小型サイズの上げ幅は限定的だが、大型サイズほど上昇幅が大きい。

このほか、「飛脚特定信書便」は160サイズまで改定後の「飛脚宅配便」運賃を適用する。

「飛脚航空便」「飛脚ラージサイズ航空便」「飛脚特定信書航空便」は、サイズと地域に応じて運賃を改定する。平均改定率は約2.7%。

「飛脚メール便」も重量区分ごとに料金を見直す。300g以内は168円から200円、600g以内は220円から240円、1kg以内は325円から350円となる。

「飛脚ゆうメール便」も値上げし、200g以内は115円から150円、500g以内は168円から200円、1kg以内は299円から350円、2kg以内は330円から400円、3kg以内は456円から500円に改定する。

小型荷物向けの「飛脚ゆうパケット便」は、厚さ3cm以内の料金を据え置く一方、1cm以内と2cm以内を引き上げる。1cm以内は250円から360円、2cm以内は310円から360円に改定。3cm以内は360円で据え置く。

「大型家具・家電設置輸送サービス」もサイズ別に料金を見直す。主な料金例では、170サイズを2651円から3250円、200サイズを3509円から4350円、260サイズを6116円から7700円に改定する。

紙請求書の発行手数料も、2027年1月1日以降、1通あたり100円(税抜)から200円(税抜)に引き上げる。

佐川急便はこれまで、パートナー企業との適正な取引条件の整備、従業員の処遇・労働環境の改善、輸送ネットワークの効率化などに取り組んできたと説明している。今回の運賃・料金改定を通じて、今後も輸送品質の向上とサービスの安定提供に努め、持続可能な物流の実現をめざすとしている。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

6割超が「ポイント経済圏」を意識。最も活用しているポイントの上位は「楽天ポイント」「PayPayポイント」「Vポイント」

3 日 8 時間 ago
6割超が「ポイント経済圏」を意識。最も活用しているポイントの上位は「楽天ポイント」「PayPayポイント」「Vポイント」
MMD研究所が実施した「2026年7月ポイント経済圏のサービス利用に関する調査」によると、現在活用している共通ポイントのトップは「楽天ポイント」で58.8%だった
matsumura2026年10月2日

MMDLaboが運営するMMD研究所が実施した「2026年7月ポイント経済圏のサービス利用に関する調査」によると、現在活用している共通ポイントのトップは「楽天ポイント」で58.8%だった。予備調査は18~79歳の男女2万5000人、本調査は6つの経済圏(ドコモ、au、PayPay、楽天、Vポイント、イオン)のメイン利用ユーザー3000人が対象。期間は2026年7月16~21日。

現在活用している共通ポイントの上位は「楽天ポイント」「PayPayポイント」「Vポイント」

調査対象者に現在活用している共通ポイントを聞いたところ、最多は「楽天ポイント」(58.8%)で、次いで「PayPayポイント」(41.7%)「Vポイント」(41.1%)「dポイント」(40.4%)「Pontaポイント」(38.4%)だった。

そのなかで最も活用している共通ポイントを聞いたところ、「楽天ポイント」が31.8%で最も多く、次いで「dポイント」が15.5%、「PayPayポイント」が14.9%となった。

現在活用している・最も活用している共通ポイント(n=25000/複数回答可、上位10項目抜粋、出典:MMD研究所)
現在活用している・最も活用している共通ポイント(n=25000/現在活用しているポイントは複数回答可、上位10項目抜粋、出典:MMD研究所)

62.6%が「ポイント経済圏を意識している」

予備調査対象者にポイント経済圏への意識について聞いたところ、「意識している」が62.6%で、「意識していない」は37.4%だった。

ポイント経済圏のサービス利用に関する調査 経済圏の意識(各n=25000、ポイント経済圏別、出典:MMD研究所)
経済圏の意識(各n=25000、ポイント経済圏別、出典:MMD研究所)

経済圏を意識し始めたきっかけ、PayPayは「QR・バーコード決済」、楽天は「ECサイト」

予備調査から抽出したポイント経済圏メイン利用者3000人を対象に、共通ポイントを使ったりためたりするためにメインで利用している経済圏を意識し始めたきっかけを聞いた。

ドコモ経済圏は「ポイントカード」(22.0%)、au経済圏は「モバイル通信」(23.6%)、PayPay経済圏は「QR・バーコード決済」(42.6%)、楽天経済圏は「ECサイト」(31.0%)、Vポイント経済圏は「ポイントカード」(34.4%)、イオン経済圏は「電子マネー」(31.8%)が、それぞれトップとなった。

 ポイント経済圏のサービス利用に関する調査 メインで利用している経済圏を意識し始めたきっかけ(n=各500、メイン利用のポイント経済圏別、上位3位抜粋、 出典:MMD研究所)
メインで利用している経済圏を意識し始めたきっかけ(n=各500、メイン利用のポイント経済圏別、上位3位抜粋、 出典:MMD研究所)

現在利用しているサービス、各経済圏の強みが反映される結果に

ポイント経済圏メイン利用者を対象に、各経済圏で日常的に活用しているサービスを聞いたところ、ドコモ経済圏とau経済圏は「モバイル通信」、PayPay経済圏は「QR・バーコード決済」、楽天経済圏は「ECサイト」、Vポイント経済圏は「ポイントカード」、イオン経済圏は「電子マネー」がそれぞれトップだった 。

ポイント経済圏のサービス利用に関する調査 メインで利用している経済圏の現在利用しているサービス(n=各500、出典:MMD研究所)
メインで利用している経済圏の現在利用しているサービス(n=各500、出典:MMD研究所)
調査実施概要
  • 調査タイトル:「2026年7月ポイント経済圏のサービス利用に関する調査」
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2026年7月16日~7月21日
  • 調査対象:【予備調査】18歳~79歳の男女 【本調査】ポイント経済圏メイン利用ユーザー
    ※ドコモ経済圏(n=500)、au経済圏(n=500)、PayPay経済圏(n=500)、楽天経済圏(n=500)、イオン経済圏(n=500)、Vポイント経済圏(n=500)
  • 有効回答:【予備調査】25000人、【本調査】3000人
  • 設問数:【予備調査】13問、【本調査】13問

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 松村朋亮

ネッ担編集部
ネッ担インターン生
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松村朋亮

しまむらと「ドラゴンクエスト」がコラボ/ecbeing林社長が明かす「エージェンティックコマース」による未来とデータ統合の重要性【ネッ担アクセスランキング】

3 日 9 時間 ago
  1. しまむらと「ドラゴンクエスト」がコラボ。全国の実店舗で販売

    税込5000円以上購入するごとにオリジナルショッパーを進呈する。巨大な「スライム」などの店舗限定オブジェや大阪でのPOP UP STOREも展開する

    大嶋 喜子[執筆]

    9月30日 10:00

    しまむらと「ドラゴンクエスト」がコラボ。全国の実店舗で販売
  2. 単発記事
    AI時代の小売・EC業界を生き抜く道――ecbeing林社長が明かす「エージェンティックコマース」による未来とデータ統合の重要性

    AIの急速な進化がEC業界に過去最大のパラダイムシフトをもたらしている。ecbeing林雅也社長へのインタビューを通じ、エージェンティックコマースの本質、文脈検索、一次データの重要性などをお伝えします。

    ネットショップ担当者フォーラム編集部[執筆]

    9月30日 7:00

    AI時代の小売・EC業界を生き抜く道――ecbeing林社長が明かす「エージェンティックコマース」による未来とデータ統合の重要性
  3. LINEヤフーが「LINE」内新設の「ショッピングタブ」で72時間限定のセール「激アツ チャンスタイム」を9/30から実施

    「LINE」内の「ショッピングタブ」で実施する72時間限定のキャンペーン「激アツ チャンスタイム」は、対象商品が日替わりで登場し、クーポンの利用により最大50%OFFで購入できる「チャンスタイム」で好評だった商品などを販売していく。

    大嶋 喜子[執筆]

    9月29日 7:30

    LINEヤフーが「LINE」内新設の「ショッピングタブ」で72時間限定のセール「激アツ チャンスタイム」を9/30から実施
  4. カスハラ対策、していますか? 10月1日から全企業に対策義務化。被害にあった従業員向け相談体制の整備など

    10月1日から、カスタマーハラスメント対策がすべての事業主の義務となる。EC・通販事業者も対象で、相談窓口の整備や対応方針の明確化などが求められる。

    鳥栖 剛[執筆]

    9月29日 9:30

    カスハラ対策、していますか? 10月1日から全企業に対策義務化。被害にあった従業員向け相談体制の整備など
  5. 米Amazon、セラーセントラルに他サイト販売の一元管理機能を実装へ。eBay、Shopify、TikTok、Walmartなどに対応

    米Amazonは、セラーセントラル上でAmazon以外の販売チャネルも一元管理できる新機能群を発表した。eBay、Shopify、TikTok、Walmartと連携し、商品情報や受注、収益性などをまとめて管理できるようにする。

    鳥栖 剛[執筆]

    9月30日 7:30

    米Amazon、遂にセラーセントラルが他サイト販売の一元管理機能を実装へ。eBay、Shopify、TikTok、Walmartなどに対応
  6. 米Amazonが出品者向けAIを「自律型エージェント」へ進化、「Claude」や「Amazon Quick」連携のプラグインも発表

    Amazonが、EC事業者向けAIを「補助」から「自律実行」へと進化させている。「Claude」や「Amazon Quick」からAmazon販売データを直接参照・操作できる「販売パートナー・プラグイン」を投入し、価格や在庫、商品ページ管理をまたぐ新たな運営支援を提供する。

    鳥栖 剛[執筆]

    9月29日 9:00

    米Amazonが出品者向けAIを「自律型エージェント」へ進化、「Claude」や「Amazon Quick」連携のプラグインも発表
  7. 四国放送がEC事業に参入、阿波銀行100%子会社でECモール運営の阿波銀コネクトに出資

    四国放送がEC事業に参入する。阿波銀行子会社で県産品のECモールを運営する阿波銀コネクトと資本業務提携を締結。両者の強みを掛け合わせ地域産業の振興や人口減少などの地域課題の解決をめざす。

    鳥栖 剛[執筆]

    9月28日 9:00

    四国放送がEC事業に参入、阿波銀行100%子会社でECモール運営の阿波銀コネクトに出資
  8. 単発記事
    アスクルは何を変えるのか? ランサムウェア被害を経て成松新社長が進める「意思決定」「AI」「物流」改革​​

    ランサムウェア被害からの復旧と業績回復を進めるアスクルが、新社長CEOに成松岳志氏を選任した。成松社長は、意思決定の高速化、AI活用の実装、物流品質の強化、新規事業の創出を通じて、中期経営計画「Beyond Retail」の実現をめざす

    鳥栖 剛[執筆], 吉田 浩章[撮影]

    10月1日 8:00

    アスクルは何を変えるのか? ランサムウェア被害を経て成松新社長が進める「意思決定」「AI」「物流」改革​​
  9. 良品計画、体や髪など全身をケアする「リラクシング」シリーズを発売。「無印良品」の店舗やECで展開

    良品計画が販売を始める「リラクシング」シリーズは、天然由来成分100%(天然成分を化学的に反応させた成分を含む)で、ボディ・ハンドケア、フェイスケア、ヘアケアまで揃えるトータルケアライン。

    大嶋 喜子[執筆]

    9月28日 9:30

    良品計画、体や髪など全身をケアする「リラクシング」シリーズを発売。「無印良品」の店舗やECで展開
  10. 米アマゾン、自社ECサイトでも「プライム配送」導入を可能にする新機能。「Buy with Prime」との違いは?配送代行手数料の割引プログラムも

    米Amazonが、自社ECサイトなどAmazon外の販売チャネル向け物流支援を強化。「Prime配送」を自社サイトに導入できる新機能に加え、FBA出品者向けにはMCF手数料を割り引く新プログラムも開始した。

    鳥栖 剛[執筆]

    9月28日 7:30

    米アマゾン、自社ECサイトでも「プライム配送」導入を可能にする新機能。「Buy with Prime」との違いは?配送代行手数料の割引プログラムも

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

この記事の筆者

藤田遥

ネッ担編集部

保険系SE→ECサイト運営を経て、編集未経験でインプレスに入社し、ネットショップ担当者フォーラム編集者に。趣味は音楽を聴く、ゲーム、ショッピング。ライブと買い物に行くとき以外は基本的にインドア派。カレーとコーラが好き。

fujita-h

フューチャーショップが始めたAIの分析・予測アプローチと担当コンサルタントの伴走支援を組み合わせたMA・CRMオプション「future Engagement Cast」とは

3 日 9 時間 ago
フューチャーショップが始めたAIの分析・予測アプローチと担当コンサルタントの伴走支援を組み合わせたMA・CRMオプション「future Engagement Cast」とは
フューチャーショップは、AIによる分析・予測と担当コンサルタントの伴走支援を組み合わせたMA・CRMオプション「future Engagement Cast powered by OmniSegment」の提供を開始。実店舗とECの顧客データを統合し、少人数でも1to1マーケティングを実行しやすくする。
furukawa2026年10月2日

フューチャーショップは10月1日、SaaS型ECサイト構築プラットフォーム「futureshop」で新たなMA・CRMオプション「future Engagement Cast powered by OmniSegment」の提供を開始した。

実店舗とECサイトの顧客データを一元化し、AIによる分析・予測と担当コンサルタントの伴走支援を組み合わせる。顧客ごとの1to1マーケティングに加え、店舗とECを横断したOMO施策の実行を支援する。

フューチャーショップが始めたAIの分析・予測アプローチと担当コンサルタントの伴走支援を組み合わせたMA・CRMオプション「future Engagement Cast」とは
「future Engagement Cast」は1to1マーケティングやOMO施策の実行を支援

EC事業者の間ではCRMやMAツールの高度化が進む一方、「セグメント設計が複雑で使いこなせない」「データは蓄積されているが分析する時間がなく、全顧客への一斉配信にとどまっている」「実店舗とECで顧客データが分断されている」といった課題もある。

フューチャーショップはこうした課題に対応するため、AIによる分析・予測と担当コンサルタントによる伴走支援を組み合わせた新オプションを開発した。

「future Engagement Cast」は、顧客データ統合(CDP)、AI予測分析・配信(MA)、Tableau連携ダッシュボード(BI)、定期分析レポートで構成するCRM・MAオプション。

ECの購買データに加え、POS連携によって実店舗の購買データも取り込むことができ、ECと店舗を横断した顧客分析やコミュニケーションを可能にする。

顧客データの分析から施策の実行までAIがサポートし、顧客ステータスの更新、パーソナライズ商品の提案、購買意欲の高いユーザーの予測、アイキャッチ画像やメルマガ文案の作成などに対応する。

配信チャネルはメール、LINE、Webポップアップ、アプリに対応。AIが顧客ごとに適した配信チャネルや時間帯を判断することで、少人数の運営体制でも1to1コミュニケーションを実行しやすくする。

フューチャーショップが始めたAIの分析・予測アプローチと担当コンサルタントの伴走支援を組み合わせたMA・CRMオプション「future Engagement Cast」とは
AIが顧客分析から文案作成や最適配信チャネルや時間帯の判断まで施策実行を支援

メッセージ作成や施策設定にプログラミングなどの専門知識は不要。画面上で「状態・行動タグ」を選択するだけでセグメントを作成できるノーコード設計とした。

複雑なセグメント作成やデータ統合をシステム側で支援することで、これまで一斉配信が中心だった事業者でも、顧客ごとに異なる施策を実行しやすくする。

フューチャーショップが始めたAIの分析・予測アプローチと担当コンサルタントの伴走支援を組み合わせたMA・CRMオプション「future Engagement Cast」とは
画面上で「状態・行動タグ」を選択するだけでセグメントを作成できる

実店舗とECの両方を運営する事業者に対しては、OMO施策の実行基盤としての活用を提案する。

実店舗の購買・ポイントデータとECの会員情報を統合し、「future Engagement Cast」へ手作業なしで自動連携できる。店舗の購入明細にはEC共通の商品番号を自動でひも付け、店舗での購入履歴とEC上の閲覧・購入行動を組み合わせた1to1アプローチを実現する。

たとえば、店舗のみを利用する会員にECクーポンを自動配信したり、EC専用会員に近隣店舗の入荷情報やイベント情報を案内したりするなど、店舗とECの相互送客につなげられる。

また、店舗・ECを横断した購買データを基に、「新規」「コア」「休眠」「離脱」といった顧客ステータスを日次で自動更新。チャネル間の利用状況のギャップも把握できる。

店舗での購入カテゴリとECでの閲覧・購入カテゴリを統合したタグ付けにも対応し、レコメンドの精度向上につなげる。レジ操作など店舗オペレーションを変更する必要はなく、データのひも付けや配信はシステムが自動で行う。

「futureshop omni-channel」の利用企業は、CROSS POINT連携によって会員情報や購買データをよりスムーズに統合できる。

毎月の分析レポートでは、「どの顧客層が離脱しかけているか」「どの施策が売り上げに貢献したか」などを可視化。分析結果を基に改善施策も提案する。

フューチャーショップが始めたAIの分析・予測アプローチと担当コンサルタントの伴走支援を組み合わせたMA・CRMオプション「future Engagement Cast」とは
分析レポートと改善施策提案のイメージ

ツールの提供だけでなく、担当コンサルタントがPDCA運用に伴走する点も特徴。通常は別途費用が発生しやすいコンサルティング支援を、ツール料金内で提供するとしている。

サービスの基盤には、台湾・日本のEC市場で導入実績を持つMA・CRMツール「OmniSegment」を採用した。

フューチャーショップは、実店舗を持つEC事業者のOMO戦略を後押しするとともに、少人数の運営体制でも顧客データを活用したCRM施策を実行できる環境を提供していく考えだ。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

ヤマト運輸、「クロネコ代金後払いサービス」へ不正アクセスが発生と発表。サービスを停止

3 日 9 時間 ago
ヤマト運輸、「クロネコ代金後払いサービス」へ不正アクセスが発生と発表。サービスを停止
ヤマト運輸は「クロネコ代金後払いサービス」が第三者による不正アクセスを受けたと発表。サービスを停止している。
furukawa2026年10月2日

ヤマト運輸は9月29日、後払い決済「クロネコ代金後払いサービス」が第三者による不正アクセスを受けたと発表した。

9月28日に不正アクセスを確認し、同日中に外部からのアクセス制限など必要な対策を講じた上で、22時28分に同サービスを停止した。

ヤマト運輸、「クロネコ代金後払いサービス」へ不正アクセスが発生と発表。サービスを停止
「クロネコ代金後払いサービス」のサービス利用フロー(画像は公式サイトから編集部がキャプチャ)

ヤマト運輸は現在、セキュリティ専門機関の協力を得ながら、原因や影響範囲の調査、復旧対応を進めている。復旧時期については、確認でき次第あらためて案内するという。なお、宅急便など「クロネコ代金後払いサービス」以外のサービスは、通常通りサービスを提供している。

「クロネコ代金後払いサービス」は、ECサイトなどで注文した商品を先に受け取り、商品に同梱されるか後日送付される払込票(利用明細)を使って、全国の主要なコンビニや郵便局などで代金を支払う後払い決済サービス。ヤマト運輸が商品代金を購入店に立て替えて支払い、購入者に請求する仕組み。購入者はクレジットカード情報を入力せずに利用できるほか、払込票の発行から14日以内であれば都合のよいタイミングで支払える。

ヤマト運輸は、「関係する皆さまに多大なるご迷惑とご心配をおかけしていることを、深くお詫び申し上げます」とコメントしている。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

「ANAのふるさと納税」が生成AIチャットボットを導入、ストレスフリーな寄付体験を実現

3 日 9 時間 ago
「ANAのふるさと納税」が生成AIチャットボットを導入、ストレスフリーな寄付体験を実現
ANAあきんどが運営する「ANAのふるさと納税」が生成AIチャットボットを導入。返礼品選びやワンストップ特例申請などを対話形式で支援し、利用者の不安軽減と寄付体験の向上につなげる。
furukawa2026年10月2日

ANAグループのANAあきんどは10月1日、「ANAのふるさと納税」に生成AIチャットボットを導入し、本格運用を開始した。返礼品選びからワンストップ特例申請、確定申告などの手続き案内までを対話形式で支援し、利用者の寄付体験の向上につなげる。

「ANAのふるさと納税」が生成AIチャットボットを導入、ストレスフリーな寄付体験を実現
AIチャットボットが返礼品選びからワンストップ特例申請、確定申告などの手続き案内までを対話形式で支援

ふるさと納税では、返礼品の選択肢が多い一方、「何を選べばよいかわからない」「ワンストップ特例申請の手続きが不安」といった利用者の悩みもある。今回の生成AIチャットボット導入では、こうした迷いや不安を軽減し、スタッフに相談するような感覚で利用できる環境を整える。

チャットボットは、「今、人気の返礼品を教えて」「お肉でおすすめはある?」といった曖昧な相談にも対応する。ワンストップ特例申請や確定申告に関する質問にも答え、サイト内の情報などを参照しながら、24時間365日、自然な対話形式で案内する。

「ANAのふるさと納税」が生成AIチャットボットを導入、ストレスフリーな寄付体験を実現
AIチャットボットの応答イメージ

チャットボットのアバターには、実際のANAの客室乗務員の姿を採用した。ANAグループが重視する「あんしん」と「あたたかみのあるホスピタリティ」をデジタル接点でも表現し、利用者に安心感を提供する。

「ANAのふるさと納税」が生成AIチャットボットを導入、ストレスフリーな寄付体験を実現
アバターには実際のANAの客室乗務員の姿を採用

ANAあきんどが導入したのは、ecbeingが開発する生成AIチャットボット「AIデジタルスタッフ」。タグを設置するだけで導入でき、ウェブサイトの情報更新も自動で取得する。

従来型のチャットボットで必要だったシナリオ設定やFAQ登録の負荷を抑えながら運用できる。料金は定額制で、文字数や問い合わせ件数などに応じた従量課金は発生しない。ecbeingによると、「AIデジタルスタッフ」は2026年10月時点で100サイト超に導入されている。

今後は「ANAのふるさと納税」内の「旅の返礼品」ページなどへの設置拡大も予定している。利用者との対話を通じてニーズを分析し、サイト改善にもつなげていく。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

「トイザらス」がドンキ運営会社へ。日本トイザらスが民事再生手続きを申し立て、PPIHがスポンサー支援

3 日 10 時間 ago
「トイザらス」がドンキ運営会社へ。日本トイザらスが民事再生手続きを申し立て、PPIHがスポンサー支援
日本トイザらスは10月1日、民事再生手続きの開始を申し立て、PPIHグループ関係会社への事業譲渡契約を締結した。店舗営業は継続し、今後は「ドン・キホーテ」などを展開するPPIHグループのもとで事業再生をめざす。
furukawa2026年10月2日

日本トイザらスは10月1日、東京地方裁判所に民事再生手続きの開始を申し立て、同日付で監督命令および弁済禁止の保全処分を受けた。

また、「ドン・キホーテ」などを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)グループとスポンサー契約および事業譲渡契約を締結。譲受主体はPPIHの完全子会社でグループ各社のバックオフィス業務を請け負うオペレーションシェアードサービス(OSS)で、裁判所の許可などを前提に、10月30日の事業譲渡実行を予定している。

「トイザらス」がドンキ運営会社へ。日本トイザらスが民事再生手続きを申し立て、PPIHがスポンサー支援
日本トイザらスのECサイトのトップ画面(画像は編集部がキャプチャ)

2007年をピークに業績悪化、8期連続の最終赤字

日本トイザらスは1991年に国内1号店を開店して以降、「トイザらス」「ベビーザらス」の実店舗とECサイト「トイザらス・ベビーザらス オンラインストア」を展開。会社発表によると、少子化を踏まえた事業転換の遅れや、EC企業などとの激しい価格競争を背景に売り上げが低迷したという。経費削減などに取り組んできたものの、売上減少に歯止めがかからず、自力での事業継続が困難になったとしている。

東京商工リサーチ(TSR)によると、負債総額は債権者1159名に対して132億2600万円。ピーク時の2007年1月期には約1943億6500万円の売上高を計上したが、その後は少子化やECとの競争激化で業績が悪化。2019年1月期に約33億6500万円の最終赤字に転落して以降、2025年12月期まで8期連続で最終赤字が続き、同12月期の売上高は約752億1100万円まで減少した。

希望退職の実施などリストラ策も講じたが、業績悪化に歯止めがかからなかったという。また、2017年9月には関係会社の米トイザらスもチャプター11(連邦破産法第11条)を申請していた。

PPIH、長期経営計画の成長戦略として事業を譲受

PPIHは日本トイザらスからの事業譲受を、2025年8月に策定した長期経営計画「Double Impact 2035」に基づく成長戦略の一環と位置付けている。

少子化が進む一方、国内玩具市場は拡大を続けているとし、「子どものための玩具」にとどまらず、IP・キャラクター、トレーディングカード、ホビーなどへ領域が広がっていると説明。さらに、「キダルト(Kid+Adult)」市場の成長によって、顧客層もベビー・キッズ・ファミリーから学生、若年層、大人まで広がっているという。

こうした市場環境を踏まえ、PPIHは競争優位性の源泉である非食品カテゴリーをさらに磨くことが持続的成長に重要と判断。トイザらスが持つ玩具分野の専門性とPPIHの店舗運営・販売基盤を掛け合わせ、玩具業界シェアNo.1のスケール実現をめざすとしている。

調達規模を拡大し、新商品・PB・限定商品などを強化

具体的には、調達規模の拡大によって新商品や売れ筋商品の安定供給を図るほか、仕入れ条件の改善を通じて価格競争力と収益性の向上を狙う。

主要玩具メーカーとの連携も深め、PB・OEM商品、限定商品、先行販売商品の拡充による差別化を進める方針。IP、キャラクター、ホビーなど、特定の「好き」を共有するコミュニティやスモールマスの需要を捉えた品ぞろえを強化する。ベビーカーや知育玩具など、新たな商品領域も広げる考えだ。

PPIHは、日本トイザらスが持つ専門性とブランド力を既存店舗に取り込むことで、新規顧客層の獲得と既存店舗の収益力向上につなげたいとしている。

158店舗の顧客接点を生かしLTV向上へ

顧客接点の面でも、日本トイザらスが持つ店舗網を生かす。2026年6月末時点で158店舗を展開しており、PPIHはベビー、キッズ、学生、大人、ファミリー、シニアまでライフステージに応じた接点を広げ、一生涯にわたる顧客関係の構築とLTV最大化につなげる方針を示す。

レジャー費用が高騰するなか、「見て・触れて・遊べる」リアル店舗ならではの体験価値を高める狙いもある。

トイザらスを「アソビ業態」へ。「買う場所」から「遊ぶ場所」に

PPIHは、トイザらスを単なる「おもちゃ屋」ではなく、「アソビ業態」へ再定義する構想も打ち出した。

IP商材やキダルト向け商材、玩具以外の関連商材も強化。リアル店舗ならではの体験価値や、コミュニティ・催事を通じて人が集まる場を創出し、「買う場所」から「遊ぶ場所」への転換を図る考えだ。

「3つの約束」で店舗・雇用・ブランドを承継

承継後の方針として、トイザらスが長年培ってきたカルチャーを守ることを前提に、「3つの約束」も示している。

1つ目は、可能な限り多くの店舗を承継・継続運営し、雇用を守ること。2つ目は、地域社会に欠かせないインフラとして、幅広い世代が安心して利用できる「新たな遊び場」へアップデートすること。3つ目は、子どもから大人まで「幸せなトイザらス体験」を進化させること。第1弾の取り組みとして、11月から全店でクリスマス企画を始めるとしている。

10月30日の事業譲渡を予定、店舗営業は当面継続

日本トイザらスでは、民事再生手続きの申し立て後も店舗営業を平常通り継続するとしている。商品品質や価格、サービス水準もこれまで通り維持し、顧客対応も続ける方針だ。

10月30日に予定する事業譲渡後は、OSSの事業として運営される見通し。ただし、全店舗の承継には賃貸人など契約先の同意が必要で、詳細な運営体制は現時点で未定としている。
雇用面では、日本トイザらスが従業員支援を最優先事項の1つに位置付けているほか、PPIHも可能な限り全従業員の承継をめざす方針を示している。PPIHによると、日本トイザらスの従業員数は2026年6月末時点で約3911人。

また、TSRによると、事業継続に必要な資金については三菱UFJ銀行から事業継続や再建のために行う融資であるDIPファイナンスを受けているという。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

「Yahoo!ショッピング」、日用品や生活雑貨を中心としたLINEヤフー直販の新ストア「うろこざっか」を開設

3 日 11 時間 ago
「Yahoo!ショッピング」、日用品や生活雑貨を中心としたLINEヤフー直販の新ストア「うろこざっか」を開設
LINEヤフーは「Yahoo!ショッピング」に、日用品や生活雑貨を扱う新ストア「うろこざっか」を開設した。暮らしのシーンから商品を選べる売り場を展開し、在庫管理から販売までを自社で手がける。
furukawa2026年10月2日

LINEヤフーは9月30日、日用品や生活雑貨を中心とした新たなオンラインストア「うろこざっか by Yahoo!ショッピング」を「Yahoo!ショッピング」に開設した。LINEヤフーが商品を厳選して仕入れ、在庫管理から販売までを手がける。

商品検索を起点とした従来の買い物に加え、「暮らしのシーン」から商品を選べる売り場を設け、生活提案型の購買体験を提供する。

LINEヤフー「Yahoo!ショッピング」、日用品や生活雑貨を中心とした新ストア「うろこざっか」を開設
LINEヤフーが販売主体となり輸入雑貨などを扱う

「うろこざっか」は、「暮らしを整えて、心に余白を。」をコンセプトにした新ストア。国外から輸入した雑貨を中心に、手ごろな価格とデザイン性、使いやすさを両立した商品をそろえる。

特徴は、商品単体ではなく、「こんな暮らしをしたい」というイメージを起点に商品を選べる売り場づくり。ストア内では、「リビング」「ダイニング」「シンク」「キッチン収納」「卓上収納」などのテーマごとに商品をまとめ、複数の商品を1枚のビジュアルとともに提案する。気になった商品はその場でまとめて購入でき、部屋全体や生活動線をイメージしながら買い物を進められるようにした。「収納をまとめて整えたい」「部屋全体の雰囲気をそろえたい」「暮らしをもっと心地よくしたい」といったニーズに応え、日々の暮らしに寄り添う売り場をめざすという。

LINEヤフー「Yahoo!ショッピング」、日用品や生活雑貨を中心とした新ストア「うろこざっか」を開設
複数の商品を1枚のビジュアルで提案。気になった商品をまとめてカートに追加できる

現時点では生活雑貨を中心とした一部カテゴリから展開を開始しており、今後は毎月複数回、新商品や特集を追加・更新する予定。季節やライフスタイルに合わせた商品提案を継続し、何度訪れても新しい発見がある売り場をめざす。

LINEヤフーは今回、商品を自社で仕入れ、在庫管理から販売まで行う小売事業として「うろこざっか」を運営する。品質表示や輸入関連法令への対応、知的財産権への配慮などの管理体制を整備するとともに、国内の品質基準に基づく検品・品質管理を実施する。

また、海外から商品を都度発送するのではなく、国内で在庫を管理することで、よりスムーズな購買体験の提供につなげる。

ストア開設を記念し、「うろこざっか」で利用できる最大10%オフのクーポンも配布する。

LINEヤフーは、Yahoo!ショッピングの品ぞろえや売り場を継続的に進化させ、新たなユーザーとの接点創出と買い物体験の向上につなげる考えだ。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

楽天、運用型広告「RMP - Unified Ads」で「楽天ポイントカード」導入企業を対象にオフラインの購買転換率計測機能を追加

4 日 8 時間 ago
楽天、運用型広告「RMP - Unified Ads」で「楽天ポイントカード」導入企業を対象にオフラインの購買転換率計測機能を追加
楽天グループは、運用型広告「RMP - Unified Ads」において、「楽天ポイントカード」導入企業向けにオフライン購買転換率の計測機能を追加した。オンライン広告接触者の来店購買実績を日次で可視化し、配信期間中の広告運用改善につなげる。
furukawa2026年10月1日

楽天グループは9月30日、運用型広告「RMP - Unified Ads」に、「楽天ポイントカード」導入企業を対象としたオフライン購買の計測機能を追加した。オンライン広告に接触したユーザーが実店舗で購入した実績を日次で確認できるようにし、広告配信中の予算配分やクリエイティブ改善などに活用できるようにする。

楽天、運用型広告「RMP - Unified Ads」で「楽天ポイントカード」導入企業を対象にオフラインの購買転換率計測機能を追加
オンライン広告に接触したユーザーが実店舗で購入した実績を日次で確認できるように

「RMP - Unified Ads」は、楽天グループが持つサービスやメディアに一括してターゲティング配信できる運用型ディスプレイ広告。楽天会員IDに基づくデータや、楽天グループのサービス上での行動データなどを活用し、ターゲティング配信を行う。

従来、オンライン広告が実店舗での購買にどの程度つながったかを把握するには、広告配信終了後のレポートを待つ必要があった。今回の機能追加で、広告配信期間中でもオンライン広告に接触したユーザーが実店舗で購入した実績を日次で確認できるようになる。これにより、反応の良いターゲット層への配信を強化したり、効果の低いクリエイティブを差し替えたりするなど、配信状況に応じた広告運用が可能になる。

楽天は、実店舗への来店促進キャンペーンなどで、日次の購買実績を確認しながら広告施策を調整できるとしている。また、広告フォーマットやキャンペーンに「楽天ポイント」を活用することで、クリック率や購買転換率の向上も見込めるという。

計測対象となるのは、実店舗で「楽天ポイントカード」を提示して決済した購買実績に限る。また企業側のデータ反映状況によっては、購買実績の計測にタイムラグが生じる場合があるとしている。

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鳥栖 剛

カゴ落ち・検索の前に勝負が決まる――購買ファネルの早期化に対応せよ。大手ブランドがシフトする「節約ツール×AI」投資の今

4 日 9 時間 ago

ノースウェスタン大学のRetail Analytics Councilと、AIショッピングアシスタントを手掛けるMintyが共同で実施した最新調査(2026年9月公表)によると、キャッシュバックアプリやセール情報プラットフォーム、AIを活用したショッピングツールが、従来型広告よりも消費者の購入判断に大きな影響を与えるようになっています。これに伴い、多くの小売企業がマーケティング予算の投資先を根本から見直し始めています。

AI経由の購入拡大で激変するマーケティング予算

AIプラットフォームは、消費者がオンライン上のどこで、どのように買い物をするかに、ますます大きな影響を及ぼしています。それに伴い、小売企業もマーケティングや広告への予算の使い方を変えつつあります。

こうした傾向は、ノースウェスタン大学のRetail Analytics Councilと、AIを活用したショッピングアシスタントを提供するMintyが発表した新たな調査で明らかになりました。キャッシュバックアプリ、セール情報を提供するプラットフォーム、価格比較ツールが、従来型広告やロイヤルティプログラム、リテールメディア、クリエイターマーケティングと比べ、消費者にとって「最も役立つ」チャネルになっていると分析しています。

この調査は、小売企業・ブランドメーカー・オンラインマーケットプレイスのEC意思決定者150人を対象に実施。年間売上高1億ドルを超える企業が98%を占めています。

2027年、主要な集客チャネルは「従来型検索」から「AI」へ

調査結果によると、回答者の79%が「2027年には自社の主要な顧客層が日常的にAIツールを利用するようになる」と予測。また、消費者の購入判断に最も役立つマーケティング手段として、81%がキャッシュバックや節約につながるツールをあげました。ノースウェスタン大学のアソシエイトディレクターであるフランク・ダドリー氏はこう指摘します。

これは単にマーケティング担当者が予算の細かな項目を微調整しているレベルの話ではありません。商品が発見され、顧客に選ばれるプロセスそのものが根本から変化しており、企業はその地殻変動に対応しているのです。

実際、米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』と調査会社Bizrate Insightsが実施した2026年の消費者調査でも、消費者がAIツールを利用する最大の理由は「よりお得な条件やセール情報(お得な商品)を探すこと」であることが判明しています。

ダドリー氏はさらにこう付け加えます。

消費者が価格比較、選択肢の評価、費用対効果の最大化のためにAIを活用するようになり、ブランド側もそれらの意思決定に直接影響を与えるチャネルや機能へ予算を再配分しています。

購買ファネルの早期化に対応する「プロアクティブコマース」の登場

今回の調査では、マーケターの3分の2(約67%)が「2027年にはAIが顧客へリーチするための最も主要な手段になる」と回答しました。その結果、半数以上の企業がキャッシュバックなどの節約施策とAIを組み合わせた運用を始めています。

特筆すべきは、回答企業の50%が「AIエージェントを直接対象としたマーケティング活動」を行っている点です。一方で、「2027年も従来型の検索エンジンが顧客リーチの主要手段であり続ける」と答えた割合は18%にとどまり、ソーシャルメディア(SNS)に期待する割合も13%に低迷しています。

Mintyでは、消費者がAIエージェントを活用して商品を探し始める購買プロセスのごく初期段階からアプローチする手法を「プロアクティブコマース(proactive commerce)」と定義しています。

Mintyの最高マーケティング責任者(CMO)であるロドニー・メイソン氏は、次のように説明します。

「購買における意思決定のタイミングは、ECの購入ファネルにおけるより早い段階へと移動しています。顧客が検索窓で検索したり、クリックしたり、あるいはカゴ落ち(離脱)を起こしたりする前に、消費者本人とその購買を代行するAIエージェントの両方に対して商品の総合的な価値を伝える「プロアクティブコマース」は、すでに市場のトップ企業によって実践されています。今回の回答者の過半数も、2027年までに導入する意向を示しています。

すでにAIプラットフォーム上で初期調査を行う消費者をターゲットにしているマーケターのうち、61%が全体のマーケティング予算を増額する、または既存予算をキャッシュバックや節約アプリへ振り向けていると回答しました。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん、白川久美さん、中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

この記事の筆者

[ 転載元 ] Digital Commerce 360

世界最大級のネット通販業界の専門誌『Digital Commerce 360』(旧『Internet Retailer』)は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

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クラウドECプラットフォーム「メルカート」、かっこの不正検知サービス「O-PLUX Payment Protection」と標準連携

4 日 9 時間 ago
クラウドECプラットフォーム「メルカート」、かっこの不正検知サービス「O-PLUX Payment Protection」と標準連携
メルカートは、かっこが提供する不正検知サービス「O-PLUX Payment Protection」と標準連携を開始。個別開発なしでカード不正利用対策を導入しやすくし、注文時のリアルタイム自動チェックによる業務負荷の軽減にもつなげる。
furukawa2026年10月1日

クラウドECプラットフォーム「メルカート」を提供するメルカートは9月30日、かっこが提供する不正検知サービス「O-PLUX Payment Protection」と「メルカート」がAPI連携による標準連携を開始したと発表した。

「メルカート」を利用するEC事業者は、個別開発なしでカード不正利用対策を導入しやすくなり、注文時のリアルタイム自動チェックによる業務負荷の軽減にもつなげられる。

クラウドECプラットフォーム「メルカート」、かっこの不正検知サービス「O-PLUX Payment Protection」と標準連携
クラウドECプラットフォーム「メルカート」と不正検知サービス「O-PLUX Payment Protection」が標準連携

近年、クレジットカードの不正利用被害額は500億円を超える水準で推移しており、EC事業者にとってセキュリティ対策の重要性が高まっている。ECサイト構築プラットフォームにも、加盟店におけるカード不正利用や悪質転売、なりすましなどへの対応強化が求められているという。

今回の連携により、「メルカート」導入事業者は「O-PLUX Payment Protection」を短期間かつ低コストで導入できるようになる。注文時にAPI経由で不正対策を実施し、リアルタイムで自動チェックする。これにより、従来は担当者が目視で行っていた確認業務の負荷軽減や、運用コストの削減につなげる。

「O-PLUX」は、ECで発生する不正ログインや不正注文をリアルタイムで検知するクラウド型の不正検知サービス。個人情報漏えいやクレジットカードの不正利用、悪質転売などの防止に加え、審査業務の自動化にも対応する。

「O-PLUX」は、多数のECサイトへの導入実績があり、共有ネガティブデータや特許取得の名寄せ技術、ローカライズした審査ロジックなどを活用して高精度な不正検知に対応する。専任コンサルタントとAIを組み合わせることで、新たな不正手口にも柔軟に対応。さまざまなECシステムとの標準連携に加え、CSVアップロードによる簡易導入も可能としている。月額3万円から利用でき、事前にトライアルを実施して効果検証や運用方法の確認も行える。

クラウドECプラットフォーム「メルカート」、かっこの不正検知サービス「O-PLUX Payment Protection」と標準連携
「O-PLUX」のサービスの特徴

連携開始に合わせ、10月1日から12月31日まで、「メルカート」導入事業者を対象としたキャンペーンを実施する。期間中は、「O-PLUX Payment Protection」の導入初期費用を特別価格で提供する。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

不二家洋菓子店、WEB会員サービス「PEKO SMILE CLUB(ペコちゃん スマイル クラブ)」を開始

4 日 10 時間 ago
不二家洋菓子店、WEB会員サービス「PEKO SMILE CLUB(ペコちゃん スマイル クラブ)」を開始
不二家は不二家洋菓子店のWEB会員サービス「PEKO SMILE CLUB」を開始した。会員向けクーポンの配布に加え、対象5店舗でモバイルオーダーを導入し、今後はLINE連携やポイント制度、独自アプリの展開も進める。
furukawa2026年10月1日

不二家は9月29日、不二家洋菓子店の新たなWEB会員サービス「PEKO SMILE CLUB(ペコちゃん スマイル クラブ)」の運用を始めた。会員向けクーポンの提供に加え、10月1日から対象5店舗でモバイルオーダーを開始する。

今後はLINEミニアプリとの連動や対象店舗の拡大、ポイント制度の導入など、会員向けサービスを段階的に拡充する。

不二家洋菓子店、WEB会員サービス「PEKO SMILE CLUB(ペコちゃん スマイル クラブ)」を開始
不二家洋菓子店のWEB会員サービスではモバイルオーダー機能やクーポン配布を提供

「PEKO SMILE CLUB」は、不二家洋菓子店での買い物をより便利に、楽しくすることを目的とした会員サービス。モバイルサイトをプラットフォームとし、会員登録すると全国の不二家洋菓子店で利用できる限定クーポンなどを受け取れる。

新規登録者向けには、購入金額に応じたクーポンや「不二家のバウムクーヘン」1個のプレゼントを用意する。

不二家洋菓子店、WEB会員サービス「PEKO SMILE CLUB(ペコちゃん スマイル クラブ)」を開始
「PEKO SMILE CLUB」のサイト画面

モバイルオーダーは10月1日に開始する。対象店舗は、都内の「不二家 数寄屋橋店」「Peko chan House サンシャインシティアルタ店」「FUJIYA CONFECTIONERY/milky70 since1951 ららぽーと立川立飛店」「FUJIYA Heart Collection 吉祥寺」と兵庫の「FUJIYA CONFECTIONERY 日生中央サピエ店」の計5店舗。

会員登録後にスマートフォンから事前注文することで、店頭で待たずに商品を受け取れるようにする。

また、対象5店舗ではモバイルオーダーを通じてクリスマスケーキのWEB予約にも対応する。対象商品の予約者にはクーポンを付与する。

今後は会員サービスの機能を順次拡充する。10月下旬ごろからLINEミニアプリとの連動を開始する予定。2027年1月上旬から中旬以降にはモバイルオーダーの対象店舗を順次拡大する。

さらに2027年7月上旬以降には、ポイント制度など会員向けサービスを拡充するとともに、オリジナルアプリの提供開始も計画している。

不二家洋菓子店での購買を起点に、デジタルでの接点やモバイルオーダーなどを組み合わせながら、会員との継続的な接点を構築する。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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(function(){ try{ var googletag = window.googletag || {cmd: []}; googletag.cmd.push(function() { const adUnitPath = '/49282802/ipc-netshop/pc-all/hyb101', adSizes = [[["fluid"], [728, 90]]], slotElementId = 'div-gpt-ad-1549503899339-0'; const iOr=/^https:\/\/([^.]+\.)+safeframe\.googlesyndication\.com/; googletag .pubads() .addEventListener('slotResponseReceived', function(evt) { if (evt?.slot?.getAdUnitPath() != adUnitPath) { return; } if (!evt?.slot?.getResponseInformation()) { const targetElem = document.querySelector('#'+slotElementId); if (targetElem) { targetElem.style.display = 'none'; } } }) .addEventListener('slotRenderEnded', function(evt) { if (evt?.slot?.getAdUnitPath() != adUnitPath) { return; } const postMessageWithDebounce = Drupal.debounce(function() { const viewportWidth = window.innerWidth; const wIfr = document .querySelector('#'+slotElementId) ?.querySelector('iframe') ?.contentWindow; if (!wIfr || !wIfr.postMessage) return; wIfr.postMessage( { slot: adUnitPath, type: 'banchoSetViewportInfo', data:{ viewportWidth: viewportWidth } }, '*' ); }, 250, false); postMessageWithDebounce(); window.addEventListener('resize', postMessageWithDebounce); window.addEventListener('orientationchange', postMessageWithDebounce); }); }); } catch (e) { if (drupalSettings?.bancho?.userInfo?.insider) { console.warn(e); } } })();
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鳥栖 剛

アスクルは何を変えるのか? ランサムウェア被害を経て成松新社長が進める「意思決定」「AI」「物流」改革​​

4 日 10 時間 ago

アスクルが次の成長ステージに向けて経営体制を刷新、2026年8月6日付で成松岳志氏を代表取締役社長CEOに選任した。成松社長は2007年にアスクルへ入社。BtoBマーケティング、LOHACO、データ活用、デジタルマーケティング、ロジスティクス、事業戦略といった責任者を務め、EC事業のバリューチェーンを幅広く経験してきた人物だ。2025年に発生したランサムウェア攻撃からの復旧を進める一方、中長期ビジョン「Beyond Retail―小売を超えて、働くを革新する―」の実現に向け、新規事業、AI、物流などへの投資を進めているアスクル。成松新社長に、経営体制刷新の狙い、ランサムウェア被害から得た教訓、AI活用、物流戦略、そしてアスクルがめざす次の成長について聞いた。

経営体制を刷新、意思決定の大胆さと速度を高める

2026年5月期の連結業績は、売上高が前期比16.8%減の4001億9900万円、当期純損失は221億5000万円(前期は90億6800万円の黒字)。ランサムウェア攻撃の影響に加え、物流効率の低下、物流拠点の再編、基幹システム関連費用などが響いた。

一方、2027年5月期は売上高4900億円、当期純利益40億円を計画。売上高は前期比22.4%増を見込んでおり、事業の正常化と成長再加速をめざす。

連結業績の推移と見込み(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
連結業績の推移と見込み(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

こうしたタイミングで実施したのが経営体制の刷新だ。

成松社長は、新社長就任や取締役会の再編について、単なる世代交代ではなく、中期経営計画を実行するための意思決定力を高める狙いがあると説明する。

これから先、今の中期経営計画を実現していくうえで重要なのは、既存ビジネスの延長線上での成長だけではありません。新しい事業への進出も含めて、変革の多いプロジェクトをどう実現するかが問われています。そのためには、意思決定の大胆さと速度を上げることが必要です。今回の経営体制の見直しも、その実行力を高めるためのものです。

取締役会をスリム化したのも、単に人数を減らすことが目的ではなく、変革と成長に向けて、より速く、より本質的な判断ができる状態を作るためです。

アスクルはこれまでガバナンスを強く意識して体制を整えてきました。今後はその土台の上で、成長に向けた意思決定の機動力をより高めていく段階に入ったと考えています。(成松社長)

アスクルの代表取締役社長CEOに就任した成松岳志氏
アスクルの代表取締役社長CEOに就任した成松岳志氏

取締役会は13人から10人にスリム化

今回の経営体制刷新では、取締役会を13人から10人にスリム化した。独立役員が過半を占めるガバナンス体制を維持しながら、変化への対応力と意思決定の速度を高める。

背景にあるのが、2050ビジョンの実現に向けた2035年までのマイルストーン「Beyond Retail~小売を超えて、働くを革新する~」の実行である。

「Beyond Retail」が示すのは、多角化ではなく顧客課題の再定義

アスクルが掲げる「Beyond Retail」は、既存のECや物販事業の周辺領域へ単純に事業を広げる構想ではない。成松社長は「どの顧客の、どのような課題を解決する企業になるのか」を改めて定義する考え方だと説明する。

「Beyond Retail」は、単に物販を超えて何か別のことをやる、という意味ではありません。私たちがこれから、どのようなお客さまに対して、どんな課題を解決していくのか。その大きな方向性を示すメッセージです。

いまアスクルができていることは、必要な商品を購入いただいて、明日届けるという領域です。もちろんこれはアスクルの大きな強みですが、お客さまが将来直面する課題はそこにとどまりません。特に企業のお客さまにとっては、労働力不足がこれからの重要な課題になる。だからこそ、小売を超えて、働くことそのものをどう支えられるかを考えなければならない。

それは人材派遣を行う、転職サービスを始めるといった単純な話ではありません。足りない労働力をどう補うか、今いる人の生産性をどう上げるか、辞めずに働き続けられる環境をどう支えるか。そうした課題に対して、新しい市場を創造することが私たちの挑戦です。(成松社長)

新事業は既存事業であるリテールの「圧倒的な顧客基盤」「売り場から配達までのビッグデータ」「商品力・物流力・営業力」といったアセットを活用し推進していくという(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
新事業は既存事業であるリテールの「圧倒的な顧客基盤」「売り場から配達までのビッグデータ」「商品力・物流力・営業力」といったアセットを活用し推進していくという(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

中長期ビジョンでは2035年にEBITDAの半分を新規事業領域が占める構想

アスクルが2025年7月に公表した中長期ビジョンでは、2035年にEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)の半分を新規事業領域が占める構想を掲げている。2029年5月期までに最大1000億円を投資し、新規事業で売上高200億円、営業利益20億円をめざす。

中期ビジョンについて(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
中期ビジョンについて(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

既存の物販事業で築いてきた顧客基盤や物流網、データなどを活用しながら、顧客企業が抱える業務や働き方の課題を解決するソリューション領域へ事業を広げる構想だ。

ランサムウェア被害で見えた「技術」と「組織」の課題

アスクルにとって大きな転機となったのが、2025年10月に発生したランサムウェア攻撃だった。事業や物流に大きな影響が及び、復旧には時間を要した。一方で、この危機対応を通じて、サイバーセキュリティだけでなく、組織横断の意思決定や情報共有にも課題が見えたという。

成松社長は復旧の責任者として、商品、ECサイト、調達、物流、受注、コールセンターなどの責任者を毎日集め、復旧状況を確認しながら意思決定を進めた。

今回の件では、お客さまをはじめ多くの方にご迷惑をおかけしました。その反省は大前提としてあります。そのうえで、何が足りなかったのかを直視すると、技術面と組織面の両方に課題がありました。

技術面では、監視のレベル感、そして復旧のためのバックアップ体制がサイバーセキュリティに十分適したものだったかという点です。EDRの刷新や監視体制の強化、バックアップの見直しなど、短期的な技術対応はほぼ完了しています。ただ、攻撃は常に進化するので、守る側のアップデート速度をどう担保するかが次のテーマです。

一方で、もっと本質的だったのは、誰が意思決定のボールを持つのかが曖昧になる領域があったことです。システムの問題でありながら物流でもあり、サービスでもある。そういうテーマに対して、部門横断でどう決めるか。この課題は、危機時だけでなく平時の経営にも通じています。(成松社長)

アスクルが取り組む再発防止策(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
アスクルが取り組む再発防止策(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

アスクルは2026年3月、全社の情報セキュリティを統括するCISO(チーフ・インフォメーション・セキュリティ・オフィサー)をCEO直下に設置した。セキュリティを個別の執行部門の機能としてではなく、全社のルールやポリシーを横断的に管理する体制へ見直した。

新体制について(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
新体制について(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

危機対応の中で構築した組織横断の意思決定プロセスを、平時の経営にも定着

ただ、成松社長が重視するのはセキュリティ体制だけではない。危機対応のなかで構築した組織横断の意思決定プロセスを、平時の経営にも定着させようとしている。

復旧の現場では、毎日40人前後のキーマンが集まりました。1週間後にどのセンターでどこまで状況が戻るのか、出荷能力が何%まで回復するのか、その限られた余力をどのお客さまにどう振り分けるのか。全員が同じ情報を持ち、その場で決めなければ間に合わなかったのです。その時に痛感したのは、この意思決定の速度こそが本来必要な速度だったということ。

ランサムウェア攻撃対応のための臨時運営ではなく、平時の経営にもこのサイクルを実装しなければいけない。今も週3回、全ファンクションが集まり、その場で決める運営を続けています。アスクルはバリューチェーンが長い会社です。だからこそ、縦割りの間に落ちるテーマをなくし、全体最適で動ける状態を日常化することが重要だと考えています。(成松社長)

危機対応で構築した情報共有と意思決定の仕組みを、通常の事業運営にも取り入れる。ランサムウェア被害を経て、アスクルは組織運営そのものの見直しを進めている。

AIは「部分的な活用」から事業の中核へ

成松社長は、アスクルで長くデータ活用やデジタルマーケティングを担当してきた。2014年にはEC店舗運営&ビッグデータ統括部長に就任。その後もデジタルマーケティングやアナリティクス領域を率いてきた。

現在、アスクルが進めるAI活用については、個別業務の効率化から、事業の重要なプロセスを変える段階へ進んでいると見る。

部分的にAIツールを試す段階は、もう越えたと思っています。事業の本丸に入ってきたのは、基幹のコアデータとつながり、重要な業務プロセスをAIベースに置き換えられると社員が実感し始めた瞬間からです。

分析、計画、検証といった工程は、これまでアナリストが時間をかけて行っていたことを、もっと大きな分量で、もっと速く回せるようになります。さらに大きいのは、人間が担ってきた実行プロセスの設計にもAIが入ってきたことです。いま特に急いでいるのは、セールスとマーケティングのAI駆動化です。

お客さまごとに、なぜこの提案をするのか、何を提案するのか、その計画自体をAIが瞬時に作る。提案書の生成まで含めて、お客さま接点の一部をAI駆動ベースに置き換えていく。これは単なる効率化ではなく、顧客価値の作り方そのものを変えるテーマです。(成松社長)

2027年5月期の業績計画では、AI関連投資も織り込む。

営業利益改善では、売上高の回復、粗利率改善、物流費削減などを見込む一方、セキュリティ対策やAI関連投資によるコスト増も計画している。

AI活用について、成松社長が重視するのはECサイト上の自動化だけではない。営業担当者による提案、電話や紙媒体を通じた顧客接点など、デジタル以外も含めたセールス・マーケティングプロセス全体をAIで再設計する考えだ。

BtoB事業では、顧客ごとに異なる購買履歴や事業特性、ニーズを踏まえた提案が求められる。アスクルが保有する購買データや顧客データとAIを組み合わせることで、提案内容の設計から営業活動までのプロセスを変えていく構想がある。

画像はIR資料から編集部がキャプチャ
画像はIR資料から編集部がキャプチャ

物流で重視するのは「最速」ではなく「確実性」

成松社長は2023年にロジスティクス本部長に就任し、ASKUL LOGISTの取締役も務めた。

EC物流では配送スピードが競争力として注目されやすいが、成松社長は特にBtoBにおいては「確実に届くこと」が重要だと考えている。ランサムウェア攻撃後の事業復旧や顧客の利用状況を分析するなかで、その価値を改めて認識したという。

復旧の過程で一番学んだのは、お客さまにとって物流の価値は、単に一番速いことではなかったということです。とくにBtoBでは、最短で今日届くことよりも、「明日必ず届く」と約束できることの方が重要でした。仕事の現場では、「早ければ今日、でも遅ければ明後日」では困るのです。明日絶対に来る。だから明後日の業務に確実に使える。このコミットメントこそが価値だった。

さらにBtoBでは、どこに、どう届けるかという納品品質も非常に重要です。館内ルールや設置場所の制約もある。だから、物流の進化は単にマテハンを入れて効率化するとか、ドライバーを標準化するといったテクノロジーの話だけではありません。その先に、何をお客さまとの約束として設計するのかがまず大事です。

アスクルは「明日来る」を社名に持つ会社として、そのコミットメントに徹底的にこだわり続けたいと思っています。(成松社長)

物流の効率化や自動化を進めながらも、その目的はコスト削減だけではない。

BtoBでは、顧客企業の業務を止めないことが物流サービスの重要な役割になる。指定された日に必要な商品が届くことや、オフィス・施設ごとの納品条件に対応することなど、配送品質そのものが顧客価値につながる。

アスクルは物流を、単なるECのバックエンド機能ではなく、「働く現場」を支えるインフラとして位置付けている。

データ、AI、物流を基盤に「働く」を支える企業へ

アスクルは2027年5月期を、売上回復と構造改革を進め、成長再加速につなげる重要な1年と位置付けている。ランサムウェア攻撃による影響は大きかった。一方で、その復旧過程では、セキュリティだけでなく、組織横断の意思決定、情報共有、物流品質など、今後の経営に必要な課題も明らかになった。

新体制では、既存のEC・物販事業の回復に加え、DX、ウェルビーイング、BPOなどの新規事業領域へ投資する。

AIについては、業務効率化にとどまらず、営業やマーケティング、顧客提案のプロセスそのものを変える可能性を見込む。物流では、配送スピードだけでなく、BtoBの業務を支える納品品質や確実性を競争力として高めていく。

「Beyond Retail」は、こうした取り組みを個別に進める構想ではない。EC、データ、AI、物流という既存事業で培ってきた基盤を活用しながら、顧客企業やそこで働く人が抱える課題へ事業領域を広げる。

アスクルが「Beyond Retail~小売を超えて、働くを革新する~」というマイルストーンをどこまで具体的な事業として形にできるのか。新社長のもとで始まった経営体制の刷新と新規事業への投資が、今後の成長を左右することになりそうだ。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
matsumura

米Amazonが始めた出品・コンプライアンス・物流の一元管理で「初日からの世界進出」を支援する取り組みとは?

4 日 11 時間 ago
米Amazonが始めた出品・コンプライアンス・物流の一元管理で「初日からの世界進出」を支援する取り組みとは?
米Amazonは、出品、コンプライアンス対応、物流を一元管理し、販売事業者の海外展開を支援する新たな取り組みを発表した。各国ごとに必要だった商品登録や法令対応、在庫管理の負担を減らし、「初日から世界で売る」体制づくりを後押しする。
furukawa2026年10月1日

米Amazonは9月24日、出品、コンプライアンス対応、物流を一元的に管理し、販売事業者の海外展開を後押しする新たな取り組みを発表した。国ごとに商品登録や法令対応、在庫配分を個別に進める必要があった従来の越境販売の負担を減らし、「初日から世界で売る」体制づくりを支援する。

同日から一部機能の提供を開始し、今後数週間から数か月かけて各機能を順次導入する。2027年には、さらに多くの機能をリリースする計画だ。

米Amazonが始めた出品・コンプライアンス・物流の一元管理で「初日からの世界進出」を支援する取り組みとは?
Amazonは「初日から世界で売る」体制づくりを支援

Amazonによると、複数国で販売している出品者の売上高は、1か国のみで販売する出品者と比べて平均70%高い。一方、現在複数国で出品している販売事業者は全体の30%にとどまる。Amazonはその背景として、各国で在庫、法規制対応、商品登録、物流などを個別に管理しなければならず、海外展開に伴う業務が煩雑になっていることをあげている。

各国の販売機会や採算性を1つの画面で確認

こうした課題に対応するため、Amazonは各国の販売機会を一覧で確認できる統合ダッシュボードの提供を拡充する。

対象はまず米国、欧州、日本。年内にさらに対象国を広げる予定で、販売事業者は、どの国で自社商品の需要が見込めるのか、採算性はどうか、販売開始までに何が必要なのかを1か所で確認できるようになる。

商品情報の登録についても、国ごとに繰り返すのではなく、1回の登録をベースに各国へ展開しやすくする構想を打ち出している。

Amazonのシステムが出品時点で販売先候補の国に照らして商品を評価し、商品説明の翻訳、通貨や単位の現地化、国ごとに必要な法令対応の洗い出しなどを自動で進める。要件を満たした商品は、各国向けにローカライズされた状態で展開できるようにする。

米Amazonが始めた出品・コンプライアンス・物流の一元管理で「初日からの世界進出」を支援する取り組みとは?
各国の販売機会を一覧で確認できる統合ダッシュボードのイメージ

AIアシスタント「Seller Assistant」も機能強化

さらに、AIアシスタント「Seller Assistant」の機能も強化する。まずは長期在庫や納品計画に関する支援機能を追加。今後はパーソナライズされたアドバイザーへと発展させる考えで、必要な対応を提案するだけでなく、その理由や各推奨事項の根拠となるデータも示すという。

コンプライアンス対応を「1回の申請」に集約

海外展開における大きな障壁の1つが、国ごとに異なるコンプライアンスへの対応だ。包装や表示、安全試験、成分規制などの要件は国によって異なり、これまでは製造後に販売国ごとに個別対応する必要があった。

Amazonは今回、コンプライアンス対応について、玩具カテゴリーから新たな仕組みを導入した。各国で別々に試験や認証を取得するのではなく、複数国の要件をまとめた単一の仕様書に沿って、1回の申請で複数国の認証要件を満たせるようにする。既存の認証も活用し、すでに証明済みの内容について再試験や再提出を不要にすることで、手続きの重複を減らす。

Amazonによると、試験の一括申請を先行導入した事業者では、コンプライアンスコストが最大60%削減されたという。

この単一申請型の対応は、まず安全性試験が複雑な玩具から開始し、年内に家電やベビー用品にも広げる予定。2027年にはさらに対象カテゴリーを拡大するほか、商品を製造する前の段階で、国ごとの規制要件や対応コストを把握できるようにする方針も示している。

カナダの収納用品メーカーの事例では、各国のコンプライアンス要件の確認と物流をAmazonの仕組みで一元的に進められたことで、複数国への展開に伴う業務の複雑さが減り、中小規模の事業者でも海外展開を進めやすくなったという。

コンプライアンス試験の一括申請のイメージ

物流は「1か所に納品」して複数国へ展開

物流面では、グローバル倉庫・配送の「Global Warehousing and Distribution(GWD)」を軸に、1回の製造ロットを1か所のAmazon運営倉庫に送ることで、複数国への販売に対応しやすくする体制を整える。

これまでは販売国ごとに在庫を分けて送り込む必要があったが、今後は製造地に近いAmazon拠点にまとめて納品し、需要が発生した国へ在庫を振り分けられるようにする。

在庫は各国別ではなく1つの在庫プールとして管理し、実際の需要が生じた時点で必要な国へ移動させる。到着後は各国のFBA拠点に流し込み、現地顧客への配送につなげる。

GWDは現在、米国向けに接続しており、年内には英国、日本、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、カナダを加えた計8か国体制に広げる予定だ。

Amazonによると、GWDを活用した場合、米国内の倉庫・配送サービス「Amazon Warehousing and Distribution(AWD)」と比べて保管コストを最大45%抑えられ、「Fulfillment by Amazon(FBA)」への補充も最大5日短縮できるという。

なおAWDについても、米国以外に欧州、英国、オーストラリアへ展開を広げており、低コストでの一括保管と自動補充の選択肢を拡大している。

Amazonは、販売機会の発見から商品登録、コンプライアンス、在庫・物流まで、これまで国ごとに分かれていた海外販売に伴う業務を一元化することで、事業者がより早く複数国で販売を始められる環境を整える。

「初日から世界で売る」という海外展開のハードルを下げることで、特に複数国への進出に人員やノウハウを割きにくい中小規模の販売事業者にも、グローバル販売の選択肢を広げる狙いだ。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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鳥栖 剛

突然の退店リスクを回避! 楽天の「違反点数制度」改善と警告メールへの正しい対処法+検索順位・広告アルゴリズム公開の限界と「主要要因」の捉え方

4 日 11 時間 ago

ECを実施している事業者にとって最も身近なECモールであり、売り上げの主軸としているネットショップも多いと考えられる「楽天市場」。運営面において、累積点数によって違約金や契約解除が課される「違反点数制度(ペナルティ制度)」は、一歩間違えればショップの存続に関わる死活問題へと発展するリスクをはらんでいます。ブラックボックス化されがちな「検索アルゴリズム」や「広告運用」に対して、国はどこまでの情報開示を求めているのでしょうか? また、競合店による商品画像やキャッチコピーの「無断転用」が発生した場合、泣き寝入りせずに楽天を動かすための「4ステップの防衛策」とは何か? 国の評価報告書から読み解く「楽天市場」のルール変更の本質と、出店者が備えるべき法務的思考を分かりやすく解説します。

聞き手・執筆:竹内謙礼(経営コンサルタント)

有限会社いろは 代表取締役。大学卒業後、出版社に勤めた後に観光牧場に転職。企画広報担当を経て2004年に経営コンサルタントとして独立。「楽天市場」「ビッダーズ」などで多くのネットビジネスの受賞履歴あり。また、「千葉文学賞」などの小説、エッセイでも数々の受賞暦を持つ。

話し手・椋木エラン氏(メリットパートナーズ法律事務所 弁護士/元経済産業省官僚)

メリットパートナーズ法律事務所で、EC事業者・EC支援事業者の支援に注力。特許や商標、意匠などの出願から紛争まで取り扱っている知的財産関係を専門としている。2022年に内閣官房へ出向、「スマホソフトウェア競争促進法(いわゆるスマホ新法)」の企画・立案に関与。その後、経済産業省に移り、「透明化法」の主にECモール分野における執行・運用に携わった。現在はメリットパートナーズ法律事務所に戻り、EC分野の法務支援に力を入れている。

突然の退店リスクを回避! 楽天の「違反点数制度」改善と警告メールへの正しい対処法

竹内氏竹内

「楽天市場」の出店者にとって、違反点数が積み重なっていく「ペナルティ制度」のリスクは、一番の関心事だと言えます。

椋木椋木

「楽天市場」は違反点数の基準を公開しているので、出店者がリスクを可視化できる点は大いに評価すべきポイントです。注目すべきは、点数に応じて違約金が発生する点。契約解除事由に該当する場合や、累積100点といったラインに達してしまうと退店措置が講じられる可能性があるため、出店者にとっては死活問題になります。

竹内氏竹内

過去には、ある日突然、何の前触れもなく利用停止になってしまうことが問題視されている時期もありました。

椋木椋木

国がまとめている最新の評価報告書でも、楽天側が「点数がたまったらいきなり退店させる」というこれまでの仕組みを見直し、手続きを改善していることが明記されています。たとえば、いきなり違反と認定するのではなく、出店者の主張やガイドラインの適用についての言い分を確認することになっています。さらに、アカウント停止といった重い措置を行う際も、イチ担当者の独断で決めるのではなく、関係各部署による合議体において、公正かつ慎重に検討する審査体制が敷かれています。

竹内氏竹内

一方的にバッサリ切られるリスクは減っているんですね。では、実際に楽天から「警告メール」が届いた場合、出店者はどのように対応すればいいのでしょうか。

椋木椋木

まずはパニックにならないことです。店舗には違反認定の前に、事実を説明する機会が実質的に保障されています。ここで一番やってはいけないのは、「申し訳ありませんでした」と感情的な謝罪文だけで物事を済ませてしまうことです。そうではなく、違反の事実があるのであれば速やかに改善対応の検討をすることや、違反に対して反論を行う場合には、メーカーの正規の証明書や取引先とのメール履歴、あるいは商品の成分表など、手元にある客観的な証拠をすべて添付し、理路整然とした「論理的な回答書」を提出することが重要です。客観的な事実に沿って、論理的な弁明を行えば、不当なペナルティは十分に回避することができます。警告メールや警告の通知書に異議申立て先や、送付元が記載されているので、これらの窓口から異議申立てが可能なはずです。

経済産業省が行ったEC事業者向けのアンケート調査によると、「楽天市場」において出品の停止・削除を受けた経験者は6割以上も存在している(2025年度 オンラインモール分野 デジタルプラットフォーム利用事業者 アンケート調査結果より)
経済産業省が行ったEC事業者向けのアンケート調査によると、「楽天市場」において出品の停止・削除を受けた経験者は6割以上も存在している(2025年度 オンラインモール分野 デジタルプラットフォーム利用事業者 アンケート調査結果より)

なぜ全開示されない? 検索順位・広告アルゴリズム公開の限界と「主要要因」の捉え方

竹内氏竹内

“透明化”という観点で言えば、プラットフォームの検索順位や広告枠の優先ロジックが不透明なところがあります。商品の検索順位をどのように決めて、広告の露出頻度をどのような条件で変えているのか、出店者はプラットフォームに対して、その仕組みやアルゴリズムの公開を求めることができるのでしょうか。

椋木椋木

透明化法の義務として公開が定められています。実際、プラットフォームは検索や広告のアルゴリズムの概要については、既に出店者に対して公開しています。ただ、透明化法では、ソースコードや「売上が〇%、レビューが〇%」といった詳細な配分(ウエイト)まで具体的に開示するところまでは、現在のところ明示的に求めていません。

竹内氏竹内

出店者が一番知りたいところですよね。なぜ、詳細なアルゴリズムの開示までは求めないのでしょうか?

椋木椋木

仕組みやアルゴリズムをすべて公開してしまうと、悪意のある業者が検索スパムを行う危険性があるからです。システムをハックするような行為が横行すると、最終的に一般消費者や出店者自身が不利益を被ることになります。そのため、透明化法がプラットフォームに対して強く求めているのは、あくまで販売実績、レビュー点数、配送の早さ、商品ページの充実度といった「主要な決定要因」を明記することに留めています。

竹内氏竹内

これは難しい問題ですね。プラットフォームに「何でも公開しろ」と強く要求してしまうと、巡り巡って自分たちの首を絞めることになりますからね。

椋木椋木

だからこそ、プラットフォームと出店者でコミュニケーションを取りながら、お互いにとって良い落としどころを見つけていくことが大事なのです。

経済産業省が行ったEC事業者向けのアンケート調査によると、商品の順位付けに問題を感じた経験がある割合は「楽天市場」と「Yahoo!ショッピング」で45%を超える。特に「基準が不透明」「他の出品者の商品が合理的な理由なく優位な順位や位置に表示されている」という回答をした人が多いのが目立つ(2025年度 オンラインモール分野 デジタルプラットフォーム利用事業者 アンケート調査結果より)
経済産業省が行ったEC事業者向けのアンケート調査によると、商品の順位付けに問題を感じた経験がある割合は「楽天市場」と「Yahoo!ショッピング」で45%を超える。特に「基準が不透明」「他の出品者の商品が合理的な理由なく優位な順位や位置に表示されている」という回答をした人が多いのが目立つ(2025年度 オンラインモール分野 デジタルプラットフォーム利用事業者 アンケート調査結果より)

泣き寝入りは不要! 画像・ページの無断転用を撃退する「4ステップの防衛策」

竹内氏竹内

ショップ形式をとっている「楽天市場」ならではの問題と言えば、競合店に商品ページの写真やキャッチコピーを模倣されるケースです。このようなトラブルにも透明化法で対処できるものなのでしょうか。

椋木椋木

透明化法のモニタリング会合などの資料では、楽天は競合店による商品画像等の無断転用に関して、通報などの情報を参考にしながら、モニタリングを行い、対処していることが明記されています。

竹内氏竹内

プラットフォームが出店者を保護する観点で言えば、透明化法に則った対処法といえますね。ちなみに、自社の商品ページの画像が競合店に真似された場合、どのようなステップで対応すればいいのでしょうか。

椋木椋木

まず第1ステップとして、「楽天市場」の「店舗運営Navi」などに案内されている「権利者侵害通知窓口」から通報します。第2ステップで、その申告の裏付けとなる客観的な証拠を準備します。単に「真似された」と口頭で主張するだけではなく、同窓口のフォーマットに沿って、オリジナル画像の元データを提出することなどで権利関係の証明を行います。また、追加で対応が必要になった場合に備えて、そのデータの作成日時がわかるPSDファイルや自社が先に公開していた日付の証拠などを保管しておくことも有効です。

「楽天市場」の権利者侵害通知窓口
「楽天市場」の権利者侵害通知窓口

竹内氏竹内

ここでも感情論ではなく、客観的なデータが必要なんですね。証拠が揃ったら、楽天はどのように動いてくれるのでしょうか。

椋木椋木

次の第3ステップとして、楽天の担当部署が模倣したとされる相手方の店舗に対して「出店者から権利侵害の申告があったので、使用権原などの正当な権利を提出してください」と「警告」を行います。そして最後の第4ステップとして、相手方が正当な権利を証明できなかった場合、楽天の判断で該当商品ページを非表示にする措置をとったり、違反点数制度に基づいて厳正にペナルティ点数を加算したりして対処します。

竹内氏竹内

当事者同士で直接対決をしなくても、証拠さえそろっていれば楽天が間に入って強制措置をとってくれるんですね。

椋木椋木

「楽天市場」は証拠に基づいた申告さえ行えば、介入して厳正な措置を講じるフローが確立されています。競合店にページを真似されても泣き寝入りせず、しっかりと証拠を整えて、プラットフォームの公式窓口に通報することをおすすめします。

「自社優遇」のモヤモヤにどう挑む? 公正な競争環境を取り戻すためのデータ収集法

竹内氏竹内

出品者がモヤモヤした気持ちになるのは、プラットフォームが直接販売している商品の検索順位や広告などの優遇措置です。楽天も「楽天ファッション」のような直営店が、一般の出店者が販売する店舗よりも露出が優遇されているように感じる時が多々あります。これらに関しては、たとえば直営店がどのくらいの広告費を使って、検索順位がどのように動いているかなど、プラットフォームの直売や直営店のデータの開示を出店者が求めることができるのでしょうか。

椋木椋木

直営店の優遇に関しては各社スタンスが違います。たとえば楽天とAmazonは明確に「自社優遇はしていません」と明言していますが、LINEヤフーは「当社が認定した優良店および当社のグループ企業ストアに対しては、より多くのお客様にご利用いただけるよう、他の出店者様と異なる提供条件を適用する場合があります」とレポート等で公表しています」

竹内氏竹内

LINEヤフーは潔いですね(笑)

椋木椋木

自社優遇をしていないと明言しているプラットフォームにおいては、本当に自社優遇がないのかということに注視する必要があります。ただ、自社優遇に関しては、具体的にどのように事実を証明すればいいのかが難しいところがあります。たとえば、あるプラットフォームの自社商品が広告枠の上位6枠のうち5枠を占めていることが、直ちに不公正な競争による結果であるのかどうか、また、出店者においても、どのくらいの広告費を使って、どの程度の露出があったのか、さまざまなデータを集める必要があります。

竹内氏竹内

ハードルの高い証明になってきますね。

椋木椋木

構造的な問題を抽象的に訴えても、空想話や被害妄想のような話で終わってしまいます。しかし、きちんと証拠を揃えて訴えることができれば、透明化法に基づいてプラットフォームの透明性の向上を図ることは不可能ではないと思います。たとえば、具体的に自社の広告費を明示し、直営店と自社の広告枠への露出を定期的にチェックして、明確に出店者が公正な競争ができていないとの証拠を集めることができれば、経産省も問題として取り上げる可能性は十分にあるでしょう。証明するハードルは高いと思いますが、そこを正すのが透明化法の使命なので、そういう疑念を持たれる出品者の方は、行動に移す価値はあるでしょう。

経済産業省が行ったEC事業者向けのアンケート調査によると、6~8割の出店者は自社優遇を感じている。3大モールのなかでは、特にAmazonの「データの使用に関する条件などへのアクセス・分析結果の利用」に不満を感じている割合が多い(2025年度 オンラインモール分野 デジタルプラットフォーム利用事業者 アンケート調査結果より)
経済産業省が行ったEC事業者向けのアンケート調査によると、6~8割の出店者は自社優遇を感じている。3大モールのなかでは、特にAmazonの「データの使用に関する条件などへのアクセス・分析結果の利用」に不満を感じている割合が多い(2025年度 オンラインモール分野 デジタルプラットフォーム利用事業者 アンケート調査結果より)

この記事の筆者

[ 執筆 ] 竹内 謙礼

有限会社いろは 代表取締役

竹内 謙礼(たけうち・けんれい)

1970年生まれ。大学卒業後、出版社に勤めた後に観光牧場に転職。企画広報担当を経て2004年に経営コンサルタントとして独立。楽天市場、ビッダーズ等で多くのネットビジネスの受賞履歴あり。また、千葉文学賞等の小説、エッセイでも数々の受賞暦を持つ。

大企業、中小企業のコンサルティングはもちろん、サイドビジネスや起業に対しての販促、営業、人材教育のアドバイスを行い、特に実店舗のキャッチコピー制作とネットビジネスへのコンサルティングには定評がある。また、低価格の会員制コンサルティング「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、180社近いコンサルティング指導を日々行っている。

販促、企画、会計、投資の書籍執筆の他、新聞や雑誌等でも連載を持っており、ラジオのパーソナリティとしても活躍。商工会議所や企業での講演、企業での人材教育等、経営コンサルタントとして精力的に活動している。NPO法人ドロップシッピング・コモンズ理事長。著書多数(詳しくはこちら)

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