ネットショップ担当者フォーラム

LINEヤフーのブラックフライデー、「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!フリマ」などコマース5サービスで実施

1 週間 2 日 ago

LINEヤフーは11月13日、「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!フリマ」「Yahoo!オークション」「Yahoo!トラベル」「LINEギフト」の5つのコマースサービスで「ブラックフライデー」を実施すると発表した。年末商戦に合わせて、各サービスでポイント付与や限定クーポン、Dysonやタイガーといった注目ブランドの特別セールなどさまざまなキャンペーンを実施する。

Yahoo!ショッピング

11月25日(火)0:00〜11月30日(日)23:59まで「ブラックフライデーセール」を実施。大型還元キャンペーンや割引セール、クーポン配布を手がける。

「誰でも最大25%」のポイントキャンペーン

期間中は買い物金額に応じて還元率が上昇する仕組みで、最大25%のポイントを進呈。内訳は、LINEアカウント連携で毎日+5%、ボーナスストアPlusで最大+10%、同Plus特典でさらに+2%、「ブラックフライデー」限定特典として合計購入額5000円以上で+5%、2万円以上で+8%となる。

50%OFF以上を含む特別セール商品

Dysonのドライヤー、タイガー炊飯器、シャークハンディクリーナーなどの家電、食品や日用品などで50%OFF以上の商品も登場予定。商品ラインアップは順次公開する。

LINEヤフーは11月13日、「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!フリマ」「Yahoo!オークション」「Yahoo!トラベル」「LINEギフト」の5つのコマースサービスで「ブラックフライデー」を開催すると発表した
食品や日用品などで50%OFF以上の商品も登場予定

クーポン特集

3万円(税込)以上の購入で利用できる「1500円OFFクーポン」などを配布する。

Yahoo!フリマ

エンタメ関連商品が最大50%OFFとなる「BLACK FRIDAYクーポン」を6枚配布。クーポン獲得期間は11月21日(金)12:00〜12月1日(月)11:59、利用期間は11月25日(火)12:00〜12月1日(月)11:59。

対象カテゴリと内容は次の通り。

  • おもちゃ:500円以上50%OFF(上限1000円)
  • コレクション・趣味:500円以上50%OFF(上限500円)
  • 食玩・プライズ・カプセル:500円以上50%OFF(上限500円)
  • トレーディングカード:500円以上50%OFF(上限500円)
  • フィギュア:500円以上50%OFF(上限500円)
  • コミック・アニメ:300円以上50%OFF(上限300円)
LINEヤフーは11月13日、「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!フリマ」「Yahoo!オークション」「Yahoo!トラベル」「LINEギフト」の5つのコマースサービスで「ブラックフライデー」を開催すると発表した
Yahoo!フリマではエンタメ・ホビーがお得に

さらに、「Yahoo!フリマ」公式Xアカウントをフォローし、対象ポストをリポストすると、抽選で10名に最大10万円相当の「PayPayポイント(期間限定)」が当たるキャンペーンも実施する。

Yahoo!オークション

落札金額からその場で値引きされる2種類の「BLACK FRIDAYクーポン」を配布。カテゴリ制限はない。実施期間は11月26日(水)0:00〜11月28日(金)23:59で、特典内容は次の通り。

  • 10万円以上の落札で使える1万円OFFクーポン
  • 5万円以上の落札で使える5000円OFFクーポン

Yahoo!トラベル

パック商品のセールやクーポン配布を展開。キャンペーン期間は11月20日(木)12:00〜12月4日(木)11:59。

LINEヤフーは11月13日、「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!フリマ」「Yahoo!オークション」「Yahoo!トラベル」「LINEギフト」の5つのコマースサービスで「ブラックフライデー」を開催すると発表した
トラベルでは最大3万8000円クーポンを配布する

ヤフーパック ブラックフライデーセール

宿泊施設と航空券を自由に組み合わせられる「ヤフーパック」で、国内宿泊施設を期間限定価格で提供。人気宿泊施設の限定プランを多数用意する。

JAL/ANA限定クーポン

最大3万8000円割引となる「限定クーポン」を配布。配布期間は11月20日(木)12:00〜12月4日(木)23:59。

PayPayポイント+5%お得キャンペーン

ヤフーパックの旅行プランで旅行代金の5%分の「PayPayポイント」を追加付与。対象予約期間は11月20日(木)12:00〜12月4日(木)23:59。LYPプレミアム会員は最大10%分のポイントが付与される。予約多数の場合は、予定数に達し次第終了となる場合がある。

LINEギフト

11月1日(土)0:00〜12月1日(月)23:59にクーポン配布を実施している。

LINEヤフーは11月13日、「Yahoo!ショッピング」「Yahoo!フリマ」「Yahoo!オークション」「Yahoo!トラベル」「LINEギフト」の5つのコマースサービスで「ブラックフライデー」を開催すると発表した
LINEギフトではグルメ最大50%OFFクーポンも配布する。

全商品に使える10%OFFクーポン

「ブラックフライデー特集」アクセス者全員に「BLACK FRIDAYクーポン10%OFF」を配布。また、「LINEギフト」未利用者には「BLACK FRIDAYウェルカムクーポン20%OFF」も提供している。配布・利用期間は11月1日(土)0:00〜12月1日(月)10:59。対象は、「BLACK FRIDAYクーポン」が3000円以上10万円以下の商品、「ウェルカムクーポン」が1万円以下の商品。

最大50%OFFのグルメクーポン

和牛モモステーキ、うなぎ蒲焼、馬刺しセットなどの贅沢グルメが最大50%OFFとなるクーポンを配布。配布期間と利用期間は11月10日(月)11:00〜11月13日(木)23:59。

鳥栖 剛

カゴ落ちメールを実施している企業は4割、配信回数は「1回のみ」が60%

1 週間 2 日 ago

ユミルリンクが公開した「カゴ落ちメール調査レポート」によると、カゴ落ちメールを実施している企業は全体の4割に達した。

調査対象は、日本流通産業新聞社が発行する「日本ネット経済新聞」の「ネット通販売上高ランキング(2025年版)」に掲載されたECサイト売上トップ50社。調査期間は2025年8月6日~9月5日。

カゴ落ちメール「実施済み」は2019年の3倍以上

カゴ落ちメールを送っているかを聞いたところ、「実施済み」は40%、「未実施」は54%、「調査不可」は6%だった。コロナ禍以前の2019年は「実施済み」の回答割合は12.6%。EC市場の伸長に合わせてカゴ落ちメール対策が進んでいることがわかる。

カゴ落ちメールを送っているサイトの割合
カゴ落ちメールを送っているサイトの割合

メール回数は「1回送信」が6割、「2回以上送信」が4割

カゴ落ちメールを何回送っているかを聞いたところ、最も多かったのは「1回のみ」で60%、続いて「3回以上」が30%、「2回のみ」が10%だった。

アパレル業界に絞ってみると、対象企業の7割(10社中7社)がカゴ落ちメールを実施しており、メール回数は「2回以上」が多かったという。

ユミルリンクは「アパレル以外の業界は、カゴ落ちメールの配信は1回が多かったものの、今後は配信回数が増える可能性がある」と推測している。

1回のカゴ落ちに対するメール配信回数
1回のカゴ落ちに対するメール配信回数

調査概要

  • 調査対象:日本ネット経済新聞(2025年6月12日発行)「ネット通販売上高ランキング(2025年版)」に掲載されたECサイト売上トップ50社
  • 調査期間:2025年8月6日~9月5日(31日間)
大嶋 喜子

「通販生活」のカタログハウス、神奈川大学の特許技術を活用し新商品を開発

1 週間 3 日 ago

「通販生活」のカタログハウスはこのほど、学校法人神奈川大学が保有する特許技術「三相乳化技術」を採用したインバスボディミルクを開発した。10月28日発行の「通販生活」コスメカタログ「Slowage(スロワージュ)」冬号に掲載、販売している。

「三相乳化技術」は、従来の乳化方法に欠かせない界面活性剤の代わりに、親水性ナノ粒子の物理的作用力(ファンデルワールス力)を利用して乳化を実現する新しい技術。物質固有の性質に依存せず粒子の大きさや形だけに依存する、従来の乳化方法とは全く違うアプローチに基づく画期的な方法という。この技術を広範囲の産業分野に生かして、多様な環境適応型エマルションの創出が期待されている。

商品開発は、カタログハウスが「自社商品の特徴である高品質かつ天然原料を使用した肌にやさしい商品を開発するため、三相乳化技術を活用したい」と神奈川大学に提案したことからスタート。特許ライセンス事業および化粧品事業を展開する神奈川大学100%出資のグループ会社・未来環境テクノロジーを中心に、同技術の実用化を多数手がけるミロット、そして神奈川大学の研究チームが連携。1年以上をかけて商品化を実現した。

「三相乳化技術」を採用した新商品「湯あがりセラミドミルク 肌つつみ」は、10月28日に発売。価格は税込3080円で、定期コースでは一部割引もある。主な利用シーンは、湯上がり後の濡れた肌に浴室内で塗布して保湿する。三相乳化技術により、従来では難しかったレベルの植物由来オイルリッチ処方(60%)となっている。

鳥栖 剛

楽天グループの「楽天ポイント」、累計発行数が5兆ポイントを突破

1 週間 3 日 ago

楽天グループは11月12日、ポイントプログラム「楽天ポイント」の累計発行数が5兆ポイントを突破したと発表した。

楽天グループは、EC、旅行、金融、通信、スポーツなど70以上のサービスを展開。これらのサービスを横断して利用できる「楽天ポイント」は2002年に提供を開始し、多くの支持を集めながら成長を続けてきた。

楽天グループは11月12日、ポイントプログラム「楽天ポイント」の累計発行数が5兆ポイントを突破したと発表した
楽天ポイントは「もらう」「増やす」「使う」それぞれの体験が進化している

今回の累計5兆ポイント突破の背景には、ポイントを「もらう」「増やす」「使う」それぞれの体験が進化していること、「楽天モバイル」の契約数増加が寄与しているという。

ポイントを「もらう」体験では、「楽天市場」での買い物時に、対象サービスの利用状況に応じてポイント進呈率が上がる「SPU(スーパーポイントアッププログラム)」を中心に、楽しみながらポイントを獲得できるさまざまなプログラムやキャンペーンを展開。「楽天モバイル」契約者はSPUのポイント進呈が毎日5倍となるなど、ポイント獲得機会が拡大しており、契約数の増加によりポイント発行数も伸長している。

ポイントを「増やす」体験では、「貯めトク」モード、「楽天ポイント運用」「楽天ポイントビットコイン」「ポイント楽天株」など、ポイントを増やすことができるサービスを拡充。楽天グループの金融サービスとの連携で、ポイントを資産のように育てる文化が広がりつつあるという。

さらにポイントを「使う」体験では、ポイント利用のメリット向上にも注力。現在、「楽天モバイル」の月額料金を「楽天ポイント」で支払うと、利用分のポイント還元率が最大10倍となるキャンペーンを実施している。

鳥栖 剛

AI時代に起きる購買行動の“地殻変動”。エージェントコマースから選ばれるブランド、ECサイトになるには? | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

1 週間 3 日 ago
AIエージェントの利用が拡大しつつある今、アルゴリズムがどの商品を最初に表示するかどうかが小売事業者にとって市場で勝ち残れるかどうかの明暗をわけつつあります。AIがもたらす市況の変革と、事業者の活路を探ります

米国に本社を持つ世界有数のグローバル経営コンサルティング会社Kearney(カーニー)のレポートによると、「エージェント型コマース」モデルは、商品がどの順番で表示されるかを決定するのは消費者ではなく、アルゴリズムになっているそうです。Kearneyのレポートから、AI時代に小売事業者が勝ち残るためのポイントを解説します。

AIがもたらす購買行動の変化

AIは、消費者の買い物の仕方、そして市場における小売事業者の競争環境を変えています。Kearneyの調査によると、AIによって動作する「ショッピングエージェント」が、これまで人間が行っていた購買判断を引き継ぎ始めていることがわかりました。

AIエージェントが複数の小売事業者の商品を表示し、消費者の購買判断を後押ししているイメージ
AIエージェントが複数の小売事業者の商品を表示し、消費者の購買判断を後押ししているイメージ

「この大きな変化が、EC小売事業者と消費者の関係において、大きな転換をもたらすだろう」とKearneyは警告しています。

Kearneyのレポートによると、AIシステムがユーザーのニーズを先読みし、価格を比較、自動で購入する仕組みの「エージェント型コマース」は、すでに概念から現実の仕組みへと急速に移行していると言います。

Kearneyが2025年7月と9月にそれぞれ750人の消費者を対象に実施した2回の調査によると、米国の消費者の10人中6人が、「今後1年以内にAIショッピングエージェントを使うようになる」と答え、約4分の3の消費者がすでにAIツールに親しんでいることがわかりました。

自社ブランドが「購買の意思決定プロセスに登場するか」が争われる時代

Kearneyの消費者・小売部門のパートナーであり、レポートの主執筆者であるキャサリン・ブラック氏は次のように話しています。

エージェント型コマースは、ECの黎明期以来、かつてない形で「購買の仲介構造」を変えてしまうでしょう。もはや、チャットボットやアプリを運用しているかどうかではありません。問題は「自社のブランドがAIエージェントの意思決定プロセスにそもそも登場するかどうか」なのです。(ブラック氏)

鍵はアルゴリズムからの信頼獲得

ブラック氏は、この変化を「購買判断における影響力を誰が握るか、という意味で購買決定の“地殻変動”が起きている」と指摘しています。

エージェント型コマースの世界では、商品がどの順番で、どの価格で表示されるのかを決定するのは、もはや消費者ではなくアルゴリズムです。何十年もかけてブランドロイヤルティを育ててきた小売事業者は、これからはアルゴリズムからの信頼を築かなければならないのです。(ブラック氏)

4つの消費者タイプによるAIとの関わり方

Kearneyの調査によると、消費者によるAIとの関わり方には、異なる4つのタイプがあります。

  • タイプ1:テクノロジーの活用に積極的で、AIを早期に取り入れるタイプ。消費者のうち約15%。AIを使って日常の作業を自動化し、時間を節約している。
  • タイプ2:実用的かつ価格に敏感なタイプ。同35%。割引や節約につながることがAIを使う動機になっている。
  • タイプ3:プライバシーを重視する、AIにすべての意思決定をゆだねることは懐疑的なタイプ。同30%。自分が意思決定の主導権とデータの透明性を保てる場合にのみAIを使う。
  • タイプ4:従前のルーチンを重視し、AIよりも、慣れ親しんだブランドや人間とのやり取りを好むタイプ。同20%。

消費者のタイプごとにこうした違いがある一方で、Kearneyは全ての消費者に共通する欲求として、「賢い買い物客」でありたいという傾向も確認しました。つまり、AIに買い物を代行させたとしても、お得な買い物ができたことの証明、支払いの限度額の設定、目に見える予算管理を求めるということです。

AI時代の市場で起きている変化

消費者の購買行動だけでなく、小売事業者による市場競争の構図も、同様に急速に変化しています。Kearneyによると、AIが浸透し始めた市場で優位性を持ちつつあるのは、「ChatGPT」「Google Gemini」「Klarna(クラーナ)」「Instacart」といった「スーパーエージェント」たちです。これらは複数の小売事業者のデータを集約し、横断的に取引を行うプラットフォームです。

本当の“買い物カゴ争奪戦”は、「Walmart 対 Target」のような小売企業同士ではありません。AIエージェントを手がける「OpenAI 対 Google 対 Klarna」 なのです。消費者が最も求めているスピード、価格、信頼を提供できるのは、これらのテクノロジー企業が提供するプラットフォームだからです。(ブラック氏)

AIエージェントが消費者を商品の決済まで導くイメージ
AIエージェントが消費者を商品の決済まで導くイメージ

消費者がAIを選ぶ理由

信頼性の高さが、消費者が購買の過程でAIを取り入れる大きな理由です。特に医療や美容分野でその傾向が顕著です。調査では、70%以上の回答者が「AIエージェントに、より安価な処方薬や健康関連商品を見つけてもらえると思っている」と答えました。

美容分野は、いわば炭鉱のカナリアです。もしAIが消費者のスキンケア選びを便利で簡単にできるなら、栄養、金融サービス、医療にも容易に拡大できるでしょう。消費者が小さな買い物をエージェントに任せることに慣れれば、やがて大きな買い物も任せるようになります。(ブラック氏)

小売事業者に予想される変化

AIエージェントが起点となるコストの増加

その影響は小売事業者の財務面でも大きいといいます。Kearneyの試算によると、価格の透明化、注文数の減少、そしてエージェントプラットフォームの手数料によって、小売事業者はEBIT(利払前・税引前利益)が最大で500ベーシスポイント(=5%)減少する可能性があります。

また、平均販売価格は約8%下落し、フルフィルメントコストは注文数の減少・小口化により10〜15%上昇。さらに、代理店プラットフォームが取引ごとに約4%を手数料として徴収する可能性があると推定しています。

同時に、小売事業者ではマーケティング予算もエージェント側へ移行すると予想されています。

消費者に代わり、ほしい商品の発見をAIエージェントが支配するようになると、広告予算は小売事業者のリテールメディアネットワークから、より上流のプラットフォームへと移っていくでしょう。新しい“店舗の入り口”は、小売事業者の自社ECサイトでもアプリでもありません。顧客が最初に目にするものを決めるアルゴリズムなのです。

次世代の小売戦争は、クリック数や商品棚の取り合いではありません。AIエージェントに選ばれる“アルゴリズム上の優位性”をどのブランドが確立できるかの戦いになるでしょう。(ブラック氏)

市場競争で勝つためのアルゴリズム対策

小売事業者が市場競争で生き残るために、Kearneyは「agent-preferred(AIエージェントに好まれる)」なブランドになるよう提言しています。つまり、AIアルゴリズムが購買の提案を行う際に選ばれやすいブランドになるということです。そのためには、次のアクションが求められます。

  • アルゴリズムが読み取りやすいように商品データを構造化すること
  • 在庫の可視性を高めるためのオープンAPIを整備すること
  • 価格の透明性を確保すること
  • 信頼性の高いフルフィルメントを維持すること

Kearneyの分析によると、エージェント型コマースは企業にとって大きなチャンスであると同時に、試練でもあります。消費者はAIエージェントを通じて、ショッピングの際の利便性と購買の意思決定の決定権を得る一方で、小売事業者は利益率の縮小と、AIが主導する市場において、自社ブランドが表示されなければ存在感を失うリスクに直面します。

ブラック氏は最後にこう警告しています。

AIエージェントが市場に浸透する世界は、多くの人が予想するよりずっと早く到来しています。顧客の半分がAI経由で買い物をするようになったとき、自社ブランドがどのように認識されているかを理解していない小売事業者は、すでに取り残されているのです。(ブラック氏)

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

ランサムウェア被害のアスクル、「LOHACO」などで新たな顧客情報の流出を確認。「セキュリティ対策を強化し、安全性を確認したうえで再開」する方針

1 週間 3 日 ago

アスクルは11月11日、事業所向けECサイト「ASKUL」「ソロエルアリーナ」、個人向けECサイト「LOHACO」で、顧客からの問い合わせ情報の一部の新たな流出を確認したと発表した。

新たに判明した流出情報

ランサムウェア攻撃によるシステム障害に関する第7報を発表。10月31日に公表した個人情報流出について、流出件数の拡大を確認した。流出情報は以下の通り。

  • 事業所向けECサイト「ASKUL」「ソロエルアリーナ」の顧客からの問い合わせ情報の一部
  • 個人向けECサイト「LOHACO」の顧客からの問い合わせ情報の一部
  • 商品仕入れ先(サプライヤー)がアスクルの商品関連システムに登録していた情報の一部

アスクルは、「LOHACO」ではクレジットカード情報を保持しない仕組みを採用しており、顧客のクレジットカード情報の流出はないと説明している。

11月11日時点で、流出した情報を悪用した被害は確認されていない。ただ、「なりすましメール」や「フィッシングメール」などによる二次被害の可能性があるとして、顧客に注意を呼びかけている。

アスクルは、外部の専門機関と連携しながら詳細な調査を継続しており、新たな情報流出防止に向けた監視体制を強化している。また、顧客や取引先への連絡には社内ネットワークとは独立した外部クラウドサービスを使用しており、現時点で同サービスにおける不正アクセスやランサムウェア感染は確認されていないという。

サービス再開はセキュリティ対策を強化し、安全性を確認した上で順次再開する方針を示している。

システム障害の対応と経緯

アスクルは10月19日にランサムウェア攻撃によるシステム障害を確認し、第1報を発表。以降、「ASKUL」「ソロエルアリーナ」「LOHACO」での受注を停止していた。

10月22日の第2報では障害の主な範囲が物流システムにあることを公表し、10月29日には37アイテムのFAX受注による手運用トライアルを開始。10月31日には、ハッカー集団による犯行声明に関する一部報道を把握しているとし、事実関係の確認を進めていることを明らかにした。

10月31日に、「ASKUL」「ソロエルアリーナ」「LOHACO」で一部の個人情報が流出した可能性があることを公表。その後11月6日にはサービス再開に向けたスケジュールを発表した。

11月12日から手運用によるFAX受注の対象を拡大、11月中旬からは対象顧客をさらに拡大し、Web注文と手運用による出荷トライアルを開始する予定。FAXに加え、「ソロエルアリーナ」サイトでの注文を再開する。

12月上旬以降には本格復旧フェーズに移行し、「ASKUL」Webサイトでの注文および一部物流センターからの通常出荷を再開予定としている。

鳥栖 剛

楽天のブラックフライデー、「楽天市場」「楽天ブックス」は11/20から、「楽天リーベイツ(Rebates)」は11/21にスタート

1 週間 3 日 ago

楽天グループは11月20日から、ブラックフライデーセールを順次始める。「楽天市場」「楽天ブックス」は11月20〜27日、オンライン・ポイントバックサイト「楽天リーベイツ(Rebates)」は11月21〜30日の期間に実施する。

楽天市場

「楽天市場」では、「楽天市場のブラックフライデー ポイント最大47倍!」を実施。期間中、買い物をした店舗数に応じて、最大で通常の47倍となる「楽天ポイント」を進呈する。

また、最大7500円割引クーポンが獲得できるほか、ヘアアイロンやロボット掃除機、炊飯器など有名ブランド家電が30以上の対象店舗で特別価格となる「家電まつり」も実施する。

さらに、日用消耗品の大容量パックや人気の美容アイテムを日替わりで紹介し、購入金額の最大50%分の「楽天ポイント」を進呈する「ブラックフライデー × DEAL 注目のアイテム」、最大1000円割引クーポンを配布し、ブランド公式店のコスメをお得に購入できる「BEAUTY SPECIAL」などさまざまな企画を展開する。

そのほか、対象店舗での買い物が2時間限定で最大50%オフになるクーポンや、最大9600円割引となるクーポンを枚数限定で配布。ブラックフライデーと同時開催で、韓国コスメや国内人気ブランドなど4000品目以上が最大30%オフとなる「神トク コスメ最大30%オフ」も初めて実施する。

楽天ブックス

「楽天ブックス」では、「楽天ブックス ブラックフライデー!エントリー&5000円以上購入でポイント2倍、楽天モバイルご契約者様はさらに+1倍キャンペーン」を実施する。1回の注文で税込5000円以上購入すると、通常の2倍の「楽天ポイント」を進呈。「楽天モバイル」契約者はさらに+1倍となる。なお、「楽天ブックス」での購入も、「楽天市場」の買いまわりキャンペーンの対象となる。

楽天リーベイツ

「楽天リーベイツ」では、11月21〜30日の期間中、「楽天リーベイツのブラックフライデー」キャンペーンを実施。エントリーの上、「楽天リーベイツ」を経由して買い物をすると、購入金額に応じて追加で最大+3%の「楽天ポイント」を還元。税別1万円以上で+1%、2万円以上で+2%、3万円以上で+3%が進呈する。

キャンペーンページでは、「資生堂オンラインストア」「ナイキオンラインストア」「adidas Online Shop」「iHerb」「マイプロテイン」など、人気コスメブランドやスポーツブランド、総合通販サイトをはじめとする提携ECサイトのセール情報も多数掲載する。

鳥栖 剛

エクセディ、DIY用木材のオーダーカットサービス「DIY Designer」で配送サービス開始

1 週間 3 日 ago

自動車駆動系部品メーカーのエクセディは11月11日、DIY用木材のオーダーカットサービス「DIY Designer」で、一部地域を除く全国への配送サービスを開始した。木材の通販サイト「IPC DIYLab.」を運営するアイピーシーとの協業で実現した。

木材の配送は、「DIY Designer」を運営するエクセディと「IPC DIYLab.」を運営するアイピーシーの協業による(画像は編集部が「DIY Designer」のサイトから追加)
木材の配送は、「DIY Designer」を運営するエクセディと「IPC DIYLab.」を運営するアイピーシーの協業による(画像は編集部が「DIY Designer」のサイトから追加)

「DIY Designer」は、ユーザーがWebアプリの3D画面でオリジナル家具を設計し、組み立てに必要な木材の注文、カットの依頼までオンラインで注文できるオーダーカットサービス。気軽にDIYができる素材を提供するのが特長で、エクセディが2024年4月に開始した。

「DIY Designer」で注文した木材の受け渡しは、グッデイとの連携により、北部九州・山口で展開するホームセンター「グッデイ」店舗(64店舗)で行ってきた。顧客からの全国配送を求める声が多数寄せられていたことから、対応エリアを全国に拡大した。「グッデイ」が近くにない顧客からのニーズにも応える。

木材輸入商社であり、配送ネットワークを持つ強みがあるアイピーシーとの連携により、全国配送が実現したという。

「DIY Designer」の利用フロー。木材の注文・カットをオンラインで受注し、配送または「グッデイ」店舗で受け渡しする
「DIY Designer」の利用フロー。木材の注文・カットをオンラインで受注し、配送または「グッデイ」店舗で受け渡しする

配送の概要

  • 配送開始時期:2025年11月11日
  • 配送エリア:全国 ※北海道・沖縄・離島除く
  • 提携サプライヤー:アイピーシー
  • 配送料金:一律税込980円
大嶋 喜子

イングリウッド、冷凍宅配食総菜の「三ツ星ファーム」をリニューアル。商品ラインアップ、購入方法を拡充

1 週間 3 日 ago

EC事業、リテールビジネスのDX支援などを手がけるイングリウッドは、冷凍宅配食ブランド「三ツ星ファーム」を11月19日に全面リニューアルする。総菜プレート中心のサブスクリプションサービスから、ミールキット、主食、ホットスナックなど新たなカテゴリを大幅に拡充。管理栄養士監修によるバランスの取れた冷凍総菜プレートなど、日常のあらゆる食シーンに応えるプラットフォームへと進化させるという。

従来から展開している100種類以上の総菜プレートに加え、手軽に調理できるミールキット、パスタなどの主食、ホットスナックなどの商品を追加する。ラインアップは2026年3月までに200種類以上に拡大する予定。

商品の大幅な拡充を予定している(画像はイメージ)
商品の大幅な拡充を予定している(画像はイメージ)

ホットスナックシリーズは11月19日に発売を予定している。発売予定商品は、ポテトのコンソメ揚げ(1袋200g入り・税込929円)、コロッケ(同350g・税込929円)、冷凍たこ焼き(同1kg・税込1698円)、大学芋(同120g・税込929円)、チキンナゲット(同1kg・税込1199円)。

ホットスナックシリーズを新たに販売する
ホットスナックシリーズを新たに販売する

一般社団法人日本冷凍食品協会が全国の25歳以上の男女1250人を対象として2025年2月に実施した調査によると、冷凍食品を利用する頻度が「増えた」と回答した人の理由は、男女ともに「調理が簡単で便利だから」が70%と最も高く、次いで「おいしいと思う商品が増えたから」が40%だったという。イングリウッドは商品の拡充により、こうしたニーズに応える。

購入方法は、7食コース、14食コース、21食コースで構成する従来の定期プランをベースとする。リニューアルにあたり、既定の食数以上に商品の追加購入ができる仕様とした。「もう少し食べたい」というニーズに応える。

定期プランを利用している顧客には、定期の商品と合わせて購入できる「プラス商品」を展開する。

定期便に追加して注文できる
定期便に追加して注文できる

リニューアルの背景

イングリウッドは「三ツ星ファーム」の運営を2021年6月から開始。サービス開始から4年以上が経過する中で、顧客からこれまで提供してきた商品だけでは解決できない新たな要望を聞くことが多くなったという。従前の冷凍プレート(弁当)の形にこだわらず、顧客1人ひとりの食生活の悩みに寄り添うため、サービスの刷新を決めた。

これまでの累計出荷数は2025年9月末に3500万食を超えている。

大嶋 喜子

大王製紙が「TikTok Shop」に公式店舗を開設、ファンとのコミュニケーションを強化

1 週間 4 日 ago

大王製紙は11月7日、「TikTok Shop」に公式店舗を開設した。2025年秋発売の新商品「キレキラ!ワイパー ドライ×ウエットシート」と「エリエール ポケットウエットティシュー」を販売。取扱商品を順次拡大し、「TikTok Shop」限定セットや季節限定商品なども展開していく予定だ。

大王製紙の「TikTok Shop」に公式店舗の画面

大王製紙は2023年11月から「エリエール」公式TikTokアカウントを運用。エリエールブランドの新商品や各商品の便利な使い方など、暮らしに役立つ情報を発信している。パッケージでは伝えきれない商品特長を動画でわかりやすく紹介することで、ブランドのファン作りに取り組んできた。

「TikTok Shop」の開設で、生活者やエリエールファンとの新たな接点を創出する。「TikTok」のフィード上で商品紹介動画を視聴しながら、その場で気になった商品をすぐに購入できるようにすることで、「エリエール」商品をより身近に感じられる体験を提供。従来のSNSやECサイトでは得にくかった「楽しみながら買う」という購買体験を実現する。今後は、インフルエンサーとのコラボレーションやライブコマースの展開も予定している。

「エリエール」は公式SNSや会員プログラム「クラブエリエール」などのオウンドメディアを活用し、ファンとのコミュニケーション強化に注力している。こうした取り組みで「クラブエリエール」会員とSNSフォロワーを合わせたエリエールファンは150万人を突破。今後もオウンドメディアを通じてファンとのつながりを深め、ブランド接点のさらなる拡大をめざす。

鳥栖 剛

シニア世代の健康食品購買、通販・ECで狙うは「健康賢者型 健康長寿予防層」「健康投資型 情報収集アクティブ層」

1 週間 4 日 ago

電通ダイレクトは消費者の「行動スイッチ」を発見し、ダイレクト広告の成果最大化をめざす分析ラボを立ち上げ、健康食品市場における購買動向を分析したレポートを公表した。

調査は、全国の50歳以上の男女600人を対象に実施した「シニア世代における商品・サービスの購買動向調査―第1回『健康食品篇』―」。物価高騰や老後資金への不安など、厳しさを増す経済環境のなかで、健康食品市場の主要顧客であるシニア層の購買マインドや行動がどのように変化しているかを明らかにし、今後の市場動向を予測するために調査を実施した。

健康食品を利用するシニア層の6タイプ

健康意識や消費行動の違いに基づき、健康食品を利用するシニア層を独自のクラスター分析で6つのタイプに分類。健康食品を利用するシニア層の6タイプは次の通り。

  • コスパ重視型 実感重視ヘルスケア層(9.5%)
  • 健康投資型 情報収集アクティブ層(4.7%)
  • コスト抑制型 運動重視シニア層(8.2%)
  • マイペース型 ライトケア層(6.1%)
  • 健康賢者型 健康長寿予防層(11.8%)
  • トレンドフォロー型 メディア頼り層(8.9%)
コスパ重視型 実感重視ヘルスケア層 健康投資型 情報収集アクティブ層 コスト抑制型 運動重視シニア層 マイペース型 ライトケア層 健康賢者型 健康長寿予防層 トレンドフォロー型 メディア頼り層
健康食品を利用するシニア層の6タイプ

通販・EC事業者が特に注目すべきは、ターゲットボリュームが大きい「健康賢者型 健康長寿予防層」と、支出額が高い「健康投資型 情報収集アクティブ層」。

特に「健康投資型 情報収集アクティブ層」は推計約268万8000人にのぼり、サプリメントへの月平均支出額は1万2124円と、全体平均の約6472円の約1.8倍。「健康のためには時間と費用を惜しまない」と考え、医師や専門家の推奨、クチコミ・レビューを重視し、自ら納得するまで情報を集めるアクティブな層という。この層へのアプローチには、公式サイトのコンテンツ充実や、信頼性の高い第三者情報の発信が効果的だとしている。

健康食品・サプリメントの支出動向

健康食品・サプリメントを利用している人のうち、全20カテゴリー中19カテゴリーで「支出に変化がない」と回答。物価高による買い控えは限定的で、多くの人が「健康食品を生活必需品」と捉えている可能性があることがわかった。

電通ダイレクトは消費者の「行動スイッチ」を発見し、ダイレクト広告の成果最大化をめざす分析ラボを立ち上げ、健康食品市場における購買動向を分析したレポートを公表した
全20カテゴリー中19カテゴリーで「支出に変化がない」と回答

さらに、多くのカテゴリーで「3年以上継続利用している」と回答しており、健康食品が生活に深く定着している。

電通ダイレクトは消費者の「行動スイッチ」を発見し、ダイレクト広告の成果最大化をめざす分析ラボを立ち上げ、健康食品市場における購買動向を分析したレポートを公表した
多くのカテゴリーで「3年以上継続利用している」と回答

健康食品・サプリメントの利用中止理由

一方で、利用を中止した理由のトップは「効果を実感できなかったから」。物価高を理由とする回答を大きく上回り、シニア層が価格以上に「効果実感」を重視していることが明らかになった。

電通ダイレクトは消費者の「行動スイッチ」を発見し、ダイレクト広告の成果最大化をめざす分析ラボを立ち上げ、健康食品市場における購買動向を分析したレポートを公表した
利用を中止した理由のトップは「効果を実感できなかったから」

健康食品・サプリメントの購買行動

購買行動では「テレビで知り、ネットで吟味」が定着。認知経路はテレビCMが中心だが、比較・検討段階では公式サイトやECモール、クチコミサイトを重視しており、衝動買いではなく、慎重に情報を見極めた上で購入に至る傾向が見られた。

◇◇◇

電通ダイレクトでは、「シニアの健康食品市場は、単なる価格競争から『信頼と実感の価値競争』へと移行している」と分析。顧客像をより詳細に把握し、「健康投資型」などの優良層に最適化されたコミュニケーション設計を行うことが今後の成長の鍵になると指摘した。

また、オフラインでの認知からオンラインでの情報理解、信頼できるクチコミ醸成まで、一貫した顧客体験のデザインが求められているとまとめた。

調査概要

  • 調査手法:インターネット調査
  • 調査機関:ネオマーケティング
  • 調査時期:2025年6月2日(月)〜6月3日(火)
  • 調査対象:全国の50代以上の男女で、健康食品を自ら購入・使用している人
  • サンプル数:600サンプル(スクリーニング調査は2142サンプル)
鳥栖 剛

LINEヤフーの「Yahoo!ショッピング」、Tmallジャパンと連携。中国越境ECモール「天猫国際」への出品から配送までをサポートする「天猫国際コマース」を展開

1 週間 4 日 ago

LINEヤフーは11月11日、「Yahoo!ショッピング」がTmallジャパンと連携し、中国最大級の越境ECモール「天猫国際(Tmall GLOBAL)」への出品から配送までを一貫して支援する新サービス「天猫国際コマース」の提供を開始した。

LINEヤフーが「Yahoo!ショッピング」出店ストアを対象に実施したアンケート(2023年12月8日〜15日に実施、回答店舗195店)によると、越境ECの拡大を背景に、出店者の約6割が「越境ECに挑戦したい」と回答。その一方で、出店・出品手続きの複雑さ、配送や言語対応などの運用負担、利用料の高さといったハードルが参入障壁となり、実際には「やり方が分からず出店できていない」ストアが多いのが現状という。

こうした課題を踏まえ、LINEヤフーはTmallジャパンと提携。「Yahoo!ショッピング」の出店ストアが簡単・便利・低コストで中国市場に進出できるよう、新たな販路拡大と売上最大化を支援する「天猫国際コマース」を開始した。

出店ストアは「Yahoo!ショッピング」で使用している出品ツールをそのまま活用し、一部条件ありで商品を「天猫国際」上で販売できるようになる。商品ページの新規作成や翻訳作業は不要。越境EC特有の煩雑な運用もTmallジャパンが代行する。さらに、利用料も抑えた形で提供するという。

「天猫国際コマース」の参加対象は「Yahoo!ショッピング」に出店している法人ストアで、一部対象外になる場合がある。「天猫国際コマース」への出品には出店手続きが必要で、対象ストアには順次案内する予定としている。

「天猫国際」は、中国でECトップシェアを誇るアリババグループが運営する最大級の国際越境ECプラットフォーム。多数の中国ユーザーに向けた効果的なアプローチが可能になる。

鳥栖 剛

データ活用を習慣化する+「再現できるヒント」をつかめるようにするために必要なこととは? | 強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

1 週間 4 日 ago
EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関連するテーマを設定し、判断をするための考え方を解説します【連載20回目】

「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。

EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝えていきます。20回目の連載は「データ活用の“習慣化”の壁を越える」をテーマに解説します。

ここをクリックで連載の目次を表示
強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座

ECのマーケティングは「ヒト・モノ・カネ・情報といった自社のリソース」と「外部のマーケティングソリューション」を組み合わせて、「結果としての売り上げと利益を最大限に伸ばす」ことが求められます。

つまり「EC事業の内製化」とは「業務の内製化」ではなく、「判断の内製化」なのです。ECの戦略・方針、日々のアクション・行動、そしてソリューションの選択が成果につながっているか、これだけは社内のネットショップ担当者でなければ判断ができません。

「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」では、ECマーケティング人財育成(ECMJ)が、こうした判断を行えるEC担当者育成に向けたポイントを解説します。

「数値管理表」を毎日記入できるようになるコツとは?

ネッタヌネッタヌ

石田さん、こんにちは。先月教えてもらった数値管理表、早速試してみましたよ!

石田

ネッタヌ君、こんにちは。ちゃんとやってみたんだね、ありがとう。

う~ん……。でも、表を見せてもらった感じだと、ちょっと不十分な気がするなぁ。

ネッタヌネッタヌ

うっ……バレてしまいましたか。

実はデータのところは数日分をまとめて記入しちゃっていました。「改善・施策」も少しは書いたんですが、「理由・特筆事項」はまったく埋められませんでした(汗)

石田

そうでしょう。実際、たった5つのデータ項目と2つのテキスト項目――それだけの表なんだけれど、「毎日つける」となると、急にハードルが上がるよね。

今回、ネッタヌ君が直面したのがまさに「最初の壁」なんだ。 つまり、「シンプルでも毎日やり続けるのは難しい」。

ネッタヌネッタヌ

たしかに、やってみて改めて思いました。単に毎日つけるだけでも意外とハードルが高いです。特に「改善・施策」と「理由・特筆事項」を書くのは、どうしても後回しになっちゃって。

石田

これってネッタヌ君だけじゃなくて、どの会社でも最初にぶつかる「壁」なんだ。どんなにシンプルな仕組みでも、それを「毎日やる」ってなると別問題だよね。だからこそ、「数値管理表=データ活用」を「習慣」にしていくための工夫が必要なんだ。

運用する時間を「先に確保しておく」ことが大切

ネッタヌネッタヌ

毎日無理なく続けるコツってあるんでしょうか?

石田

大事なのは「数値管理表に向き合う時間を、あらかじめ確保しておく」ことなんだ。営業日の毎朝15分、チームで「数値管理表を運用する時間」を固定で取っておく。

ネッタヌネッタヌ

なるほど!「先に時間を取る」って、言われてみると当たり前だけれど、そこが抜けていました。

石田

たとえば毎朝朝礼をしている会社なら、その流れで行ってもいいと思う。とにかく、「いつやるか」を先に決めておくことが最大のポイントなんだ。

ネッタヌネッタヌ

次にその15分で何をするか、ですね。

石田

まず数値管理表に5つのデータ項目を入力する。これは共通のデータだから、1人が担当すればOK。複数のショップを運営している場合は、必要に応じて分担していこう。

ネッタヌネッタヌ

データ部分は代表者が入力すればいいんですね。じゃあ、「改善・施策」と「理由・特筆事項」はそれぞれの担当ですか?

石田

そのとおり。「改善・施策」は、自分が担当している業務で「昨日やったこと」を記録する。たとえば「メルマガを送った」「商品ページを直した」「新しい広告を出稿した」。そういった「アクション」を書く。

ネッタヌネッタヌ

あとは「理由・特筆事項」。

石田

「理由・特筆事項」は、「自分たちがやったことではないけれど、起こったこと」を書く。たとえば、「モールのキャンペーンがあった」「お客さまから珍しい問い合わせがあった」「高額のまとめ買いがあった」とか。

「想定外からのインパクト」を記録する欄ってことだね。自分の業務エリアで気づいたことがあれば、それをぜひ入れておいてほしい。

ネッタヌネッタヌ

改善・施策=自分の行動」、「理由・特筆事項=外からの影響」ってことですね!

「なぜその数値になったのか」を話し合い、習慣化&再現する方法を探せるようにする

石田

そしてデータとテキスト部分の入力後、残りの時間で、チームで集まって「なぜこの数字になったのか?」を話し合ってほしいんだ。

ネッタヌネッタヌ

「売り上げがなぜこの金額だったのか」「コンバージョン率がなぜ高かったのか」とか?

石田

そうそう。たとえば、前日の売り上げが100万円で2日前が50万円だったとする。「なんで?」って疑問がわくよね? セッションが増えた? 単価が上がった? 大口注文があった? それを仮説として会話しながら探していく。

ネッタヌネッタヌ

でもそれって、理由がわからないことも多そうですね。

石田

もちろん、全部が全部、理由がわかるわけじゃない。でもね、これを毎日繰り返していると、「数字が変化したときにモヤモヤする」感覚が育ってくるんだ。

ネッタヌネッタヌ

モヤモヤ、ですか?

石田

たとえば、前日の売り上げが急に跳ねたのに、理由がわからない。すると、「なんで?」って考えずにいられなくなる。この「モヤモヤ」が出てきたら、習慣化としては大成功。理由が気になって仕方なくなると、人は自然と理由を探すようになるんだ。

ネッタヌネッタヌ

気持ち悪いから、探さずにいられない!

石田

そして、少しずつ理由を見つけられるようになってくると、今度は「じゃあそれを再現できないか?」と考えるようになる

ネッタヌネッタヌ

再現!!!

石田

データの要因を特定して、それを再現可能な形にできれば、強力な武器になる。もちろん全部が再現できるわけじゃないけれど、再現できるものもある。それができれば「他社にはない強み」が育っていく

EC内製化 モヤモヤがチャンスにつながる
モヤモヤがチャンスにつながる

毎日行う理由は「習慣になる」「データの変化がわかるようになる」から

ネッタヌネッタヌ

毎日やることって、やっぱり大事なんですね。でも、なんで「毎日」にこだわるんですか?

石田

うん、理由は大きく2つある。

1つは単純に毎日やることで「習慣」になるから。そしてもう1つは、毎日やるからこそ「データの変化がわかるようになる」からなんだ。特に、重要なのが「理由・特筆事項」の欄。ここは毎日調査しないと、「なんでこの出来事が起きたか?」っていう要因が、日にちが経つほどわからなくなるんだよ。

ネッタヌネッタヌ

たしかに。自分たちでやったことなら日報に残っていたりしますが、「起きたこと」を探して記録しなかったら忘れちゃいますね。

石田

でも、翌日だったら「あれ、昨日なんか変だったな」って気づけるじゃない。たとえば――競合商品の在庫切れだった、前日にテレビで特集されていた、台風が近づいて防災の意識が高まった。こういうのって1か月後には思い出せない。

ネッタヌネッタヌ

「理由・特筆事項」はフレッシュなうちに拾っておかないと、もう拾えなくなる!

石田

そういうこと。だから翌日にデータを見て、「なんでだろう?」と考える時間を取ること。さらにレベルを上げるなら、リアルタイムで変化のキャッチアップができるようになると最高だね。

ネッタヌネッタヌ

リアルタイムって?

石田

たとえば、注文が入るとメール通知が届くネットショップ、結構あるよね? そのメールが急に連続して届きだすと、「何か起きたな」ってすぐわかる。

ネッタヌネッタヌ

あ、それ、あります! 短時間でピコンピコンってなると、「あれ? 何だ何だ?」って思います!

石田

それそれ(笑) あとは、「GA4」のリアルタイム画面をブラウザで常時表示しておく。急にセッション数が跳ねたら、何か外的な要因が起こったと思ってすぐ調査する。動いたタイミングこそ、最も調べやすいタイミングなんだ!

ネッタヌネッタヌ

リアルタイムで気づけたら、理由の対策もすぐにできそう!

石田

これを積み重ねていくと、「なんでこのデータなんだ?」と思考を止めない体質になる。そして、数値と現象を結びつけて、「再現できるヒント」を少しずつつかんでいく、これこそがデータ活用の本質なんだよ。

EC内製化 リアルタイムで市場環境の変化を感じる
リアルタイムで市場環境の変化を感じる

「気付きのヒント」はお客さまが教えてくれるかも

ネッタヌネッタヌ

なるほど~。ネッタヌ、とっても甘かったです……。

石田

じゃあネッタヌ君、今日の話を聞いた上で、また次の1か月、数値管理表の入力を頑張って、「データ活用の習慣」をチームに根付かせていってね。

……と言いたいところなんだけれど、最後に「気づきのヒント」をもう1つだけ、伝えておこうか。

ネッタヌネッタヌ

えっ、なんですか!?

石田

「理由・特筆事項」。つまり起こったこと・あったことの要因をどう見つけるかが、やっぱりデータ活用のキモだったでしょ?

ネッタヌネッタヌ

はい! それがわかれば強いですよね。

石田

でもね、実際には「なんで起きたのかわからない」ってことばかりなんだよ。注文が増えたとか、セッション数が跳ねたとか。チームの誰も心当たりがないことも多い。

ネッタヌネッタヌ

そういう時、どうやって気づけばいいんですか?

石田

それは「お客さまが教えてくれるかもしれない」ってこと。前にも話したけど、お客さまからのお問い合わせって、めちゃくちゃヒントになることがある。

ネッタヌネッタヌ

うんうん。

石田

たとえば、「この商品、もう少しで売り切れると聞いたんですが、在庫ありますか?」とか、「〇〇って雑誌で見たんですけれど、公式サイトで買えますか?」とかね。

こういう問い合わせが来ると、「自分たちが知らないところで何か起きている」可能性があるって気づけるよね。

ネッタヌネッタヌ

うわ……。それ、きちんと問い合わせを見ていないと気づかないやつですね。

石田

そしてSNS。注文やアクセスが急に増えたときは、X(旧Twitter)で検索してみると、ヒントが落ちていることもある。自社のブランド名や商品名、ジャンル名などをエゴサーチして、「何か語られていないか?」をチェックする。

ネッタヌネッタヌ

これはもう探偵ですね、もはや(笑)

石田

そして、もうワンステップ上の方法として「お客さまに直接聞いてみる」ってやつ。

ネッタヌネッタヌ

電話するってことですか!?

石田

「今回ご注文いただいた商品って、どこで知っていただいたんですか?」って。そうすると、「有名なインスタグラマーのライブで紹介されていましたよ」とか教えてくれたりする。

ネッタヌネッタヌ

自分たちじゃ絶対見つけられないやつですね!

石田

そうなんだよね。リアルなお客さまの声って、データの何倍も濃い情報を含んでいることがある。「お客さまに連絡するなんて……」と思う人も多いけれど、だからこそ逆にライバルと差がつくんだ。じゃあ、今回はここまでにして、次の1か月「気づきの種」を拾ってきてください!

ネッタヌネッタヌ

ネッタヌ、頑張ります!

ECマーケティング人財育成は「マーケティングチームの内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

石田 麻琴

生成AI経由の購買トラフィックが急増。カート追加率38.5%増、平均セッション時間増など越境ECサイトのトラフィック調査

1 週間 4 日 ago

越境ECサイト「WAFUU.COM」を運営するクレスティアが発表した、越境ECサイトの「生成AI経由の越境EC購買動向」調査結果によると、生成AI経由で来訪した顧客のカート追加率は全体平均より38.5%高く、チェックアウト到達率も22.6%上回った。「明確な購買意図を持つ訪問者」が多い傾向のほか、平均セッション時間は114秒で全体平均の91秒を25.8%上回っていた。

「WAFUU.COM」は日本の流通商品を世界100か国以上・21言語で展開する越境ECサイト。独自仕入れによるセレクトショップ形式で運営している。

越境ECサイト「WAFUU.COM」を運営するクレスティアが発表した、越境ECサイトの「生成AI経由の越境EC購買動向」調査結果 越境EC「WAFUU.COM」のトップ画面
越境EC「WAFUU.COM」のトップ画面

生成AIからの流入

「ChatGPT」「Gemini」「Claude」「Perplexity」などの対話型AIプラットフォームからの流入が、2025年11月は同年1月比で約25倍に増加。2024年にはほぼ存在しなかった流入チャネルが、新たな重要顧客接点として確立されたとしている。

AI経由のトラフィックは情報検索だけではなく、実質的な販売経路として機能。特に2025年後半には、月次ベースで安定的な購買が継続しており、消費者の購買行動におけるAIの役割が急速に拡大したという。

生成AI経由による顧客層

生成AI経由の顧客層のカート追加率は全体平均より38.5%高く、チェックアウト到達率も22.6%上回るなど、「明確な購買意図を持つ訪問者」が多い傾向があった。

越境ECサイト「WAFUU.COM」を運営するクレスティアが発表した、越境ECサイトの「生成AI経由の越境EC購買動向」調査結果
AI経由の購買ファネル構造

また、平均セッション時間は114秒で、全体平均の91秒を25.8%上回った。サイト内で商品を比較検討する行動が顕著で、AIとの対話を通じて事前に情報を収集した上で訪問、詳細確認後に購入するという購買パターンが出現していると分析している。

生成AI経由のアクセス環境

アクセス環境の分析ではモバイル端末からのセッションが全体の95%を占めた。AI経由の購買が主にスマートフォンを通じて行われていることが明らかになった。「ChatGPT」など対話型AIの多くがモバイル利用を前提としたUIで普及していることに起因しており、「スマートフォン中心の新しい購買行動」として定着しつつあるという。

越境ECサイト「WAFUU.COM」を運営するクレスティアが発表した、越境ECサイトの「生成AI経由の越境EC購買動向」調査結果
デバイスタイプ別セッション比率

生成AI経由とGoogle経由の特長

AI経由とGoogle経由の購買カテゴリを比較したところ、明確な違いがあるという。Google経由では特定ブランドや型番を指定する「ゲーム」「腕時計」などが上位に並んだ一方、AI経由では「どの製品を選ぶべきか」といったオープンな相談から購買が始まるケースが多かった。

構成比を見てみると、理美容家電・キッチン用品が17.5%、健康食品・サプリメントが9.7%、美容・パーソナルケアが9.7%など、詳細情報を必要とするカテゴリが上位を占めた。AIが商品選択のアドバイザーとして機能することで、新たな購買プロセスを生み出しているという。

生成AI経由による地域性

AI経由による購買は世界947都市・地域からアクセスが確認され、特定地域に限定されないグローバルなトレンドとして拡大しているようだ。アクセスが多かったのは、トルコ(イスタンブール)、イギリス(ロンドン圏)、韓国(ソウル)、ベトナム(ホーチミン)、日本(東京)などアジア太平洋地域が中心だった

「Instant Checkout」機能の影響

OpenAIが「ChatGPT」内で直接商品を購入できる「Instant Checkout」機能を2025年9月に米国で開始し、現在は「Etsy」のセラーが対応。「WAFUU.COM」が利用する「Shopify」も、今後100万以上の加盟店への展開が予定されている。さらに10月には、PayPalとの提携で2026年から数千万の加盟店が「ChatGPT」上で販売できるようになると発表されている。

AIプラットフォームは現在、消費者を外部ECサイトに誘導する「紹介者」としての役割を担っているが、「Instant Checkout」の普及でAI自体が完結した購買チャネルへと進化する可能性があると指摘している。

「ChatGPT」の週間アクティブユーザーは7億人を超え、Google検索に匹敵する巨大な顧客接点になっている。特に越境EC事業者にとって、次のような大きな変化が予測されるという。

購買プロセスの短縮化

AI内での商品発見から購入完了までがシームレスになり、従来の「検索→サイト訪問→カート→決済」という段階的なプロセスが大幅に簡略化される

商品情報の最適化

従来のSEOに加え、AIが理解しやすい構造化された商品情報の整備が競争優位の源泉となる

新規市場へのアクセス

言語や決済の障壁が低減されることで、これまでリーチできなかった地域の顧客獲得が加速する可能性がある

越境ECサイト「WAFUU.COM」を運営するクレスティアが発表した、越境ECサイトの「生成AI経由の越境EC購買動向」調査結果
ChatGPT内購買インターフェースの例

2024年末まではごくわずかだったAI経由の購買が、わずか11か月で主要なチャネルへと成長したことに驚いている。今回の調査結果は、生成AIが越境EC市場における新たな購買インフラとして定着しつつあることを示唆している。当社は今後も、AI時代における最適な顧客体験の提供を目指し、サービスの改善と市場分析を継続していく。(クレスティア 深田秀正社長)

調査概要

  • 調査名:WAFUU.COM「生成AI経由の越境EC購買動向」調査
  • 期間:2024年1月〜2025年11月(11か月)
  • 対象:「WAFUU.COM」の越境ECサイト利用データ(セッション/カート追加/購入完了)
  • 定義:「AI経由」は、ChatGPT/Gemini/Claude/PerplexityなどのAIプラットフォームのトラフィック・購入を指す。
  • 指標:購入完了件数(Orders)、Add to Cart率、平均注文額など
  • 備考:ボット・スパムなどの異常値は除外。
鳥栖 剛

「サムソナイト」「グレゴリー」のEC改善事例。CVR改善+購入完了率が最大45%増の成果をあげたアプローチとは

1 週間 4 日 ago
DtoC推進のため、自社ECを強化しているサムソナイト・ジャパン。決済手段の1つに「Amazon Pay」を導入し、買い物体験の向上、さらにはCVR改善などに成功している。「Amazon Pay」を活用した施策とその実績を担当マネージャーに聞く
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スーツケースブランド「サムソナイト」の日本法人であるサムソナイト・ジャパンは、DtoC推進の一環として、自社ECの強化を進めている。良い買い物体験の提供がブランド戦略に直結するとの考えの下、決済面を改善。CVRの改善、購入完了率の向上といったさまざまな実績につなげている。具体的な取り組みや実績を、サムソナイト事業部 営業本部 デジタルセールス部 ECマネージャーの友田由紀子氏に聞いた。

サムソナイト事業部 営業本部 デジタルセールス部 ECマネージャー 友田 由紀子氏

自社EC「サムソナイト」「グレゴリー」のCRMを強化

1910年に創業した米国発祥の老舗スーツケースブランド「サムソナイト」。本社は米国のサムソナイト インターナショナルS.A.で、日本法人のサムソナイト・ジャパンは2004年に設立した。サムソナイト・ジャパンは顧客との直接的なつながりを強めていく方針の下、DtoCを推進。その一環として自社ECにも力を入れている。

自社ECは、旅行カバンやバッグなどを取り扱う「サムソナイト」のほか、バックパックを中心に展開するグループブランド「グレゴリー」を運営。2023年秋には、CRMの強化やオペレーションの内製化を進める目的で、Salesforce(セールスフォース)が提供するECプラットフォーム「Salesforce」でリプレイスした。

「サムソナイト」が取り扱う商品のイメージ(画像は銀座旗艦店)
「サムソナイト」が取り扱う商品のイメージ(画像は銀座旗艦店)
ECサイト「グレゴリー」トップページ
ECサイト「グレゴリー」トップページ

「サムソナイト」「グレゴリー」の自社ECでは2018年から決済方法の1つに「Amazon Pay」を導入しており、他の決済手段よりも利用者が多くコンバージョンも良かった。そのため、ECプラットフォームのリプレイス後も引き続き「Amazon Pay」をラインアップすることは自然な流れだった。

DtoCを強化していく上で、CRMは欠かせない。CRMはそれぞれのお客さまにパーソナライズした体験を提供することが重要であり、そのなかには決済も含まれていると考えている。カスタマージャーニーを大切にしていくという観点から、決済もお客さまからニーズのある手段をそろえておきたいという意向は強く持っていた。決済もブランド戦略の一環だと捉えている。(友田氏)

サムソナイト事業部 営業本部 デジタルセールス部 ECマネージャー 友田 由紀子氏
サムソナイト事業部 営業本部 デジタルセールス部 ECマネージャー 友田 由紀子氏

たまたまサイトを訪れた顧客にも決済時の安心感を提供

ECプラッフォームリプレイスと同時期の2023年秋に、ファッションブランドとのコラボレーションコレクションなどを発表し、新商品を積極的に投入した。

他ブランドとのコラボ商品は、そのブランドを好きな人がコラボ商品目当てにたまたま「サムソナイト」のECサイトを訪れているケースも少なくないと考えられる。そうした顧客は次にいつ「サムソナイト」のECで買い物をするかが見えにくいものだ。友田氏は「これまで『サムソナイト』と接点がなかったお客さまにとっても、ECサイトに『Amazon Pay』があることで、安心して買い物をしていただけていると思う」と話す。

「3Dセキュア2.0」導入後、「Amazon Pay」がカード決済に失敗した顧客の救いに

決済体験の改善は顧客体験を向上するための取り組みの一環。サムソナイト・ジャパンが自社ECに、なりすましによる不正リスクを判断するクレジットカードの本人認証サービス「EMV 3-Dセキュア(3Dセキュア2.0)」を導入した。

ただ、当初は決済の全件を「3Dセキュア」の対象としたため、「カード決済がしづらい」「カード決済ができない」という顧客からの問い合わせが増加。最終的には不正の可能性が高い場合のみに「3Dセキュア」を適用する運用に切り替えた。

それにより顧客からあがった問題は解決したが、新しい決済プラットフォーム導入までの期間、もし決済手段の1つに「Amazon Pay」を用意していなければ、カード決済に失敗した顧客は代金引換しか選べない状況となっていたという。その場合、コンバージョンはかなり落ちていたであろうことは想像に難くない。

「Amazon Pay」を決済方法にラインアップしていたことが救いになり、当時の課題解決に役立った。クレジットカードで決済できなかったお客さまとも「Amazon Pay」で再度つながることができた。(友田氏)

他ブランドとのコラボモデルと「Amazon Pay」実装のイメージ
他ブランドとのコラボモデルと「Amazon Pay」実装のイメージ

自身の利用経験から、自社ECへの「Amazon Pay」導入を推進

サムソナイト・ジャパンが最初に自社ECの「サムソナイト」「グレゴリー」に「Amazon Pay」を導入したのは2018年で、きっかけは友田氏自身の「Amazon Pay」利用体験からだった。

ファッション通販サイトで商品の購入に悩んでいた時、サイトにあった「Amazon Pay」のボタンが目にとまり、「それなら『Amazon Pay』で買おう」と購入を決意できたという友田氏。「Amazon Pay」の安心感に、購入の背中を押された消費者としての経験を鮮明に覚えており、「サムソナイト」や「グレゴリー」のECでも有効に働くだろうと考えた。

実際に、ECサイトを運営していると、商品をカートに入れた後の決済段階で、クレジットカード情報を入力することにわずらわしさや不安を感じる顧客は一定数存在すると感じていた。特に新規顧客にとっては、ECサイトに個人情報を入力するには少なからず心理的な抵抗があるもので、購入体験の満足度を下げる要因になりかねないと友田氏は懸念していた。

自社ECの「サムソナイト」「グレゴリー」は旅行カバンやバックパックなどを中心に扱うため、日用品などと違い、ひんぱんに訪れて購入する商品ジャンルではない。そういうECサイトでクレジットカード情報を積極的に登録することにはためらいを感じる消費者が多いと思われる。そんなとき、私のように「『Amazon Pay』があるから買ってもいいな」と思う人は多くいるだろうと想像し、両ECサイトへの導入を決めた。(友田氏)

魅力はAmazonブランドの安心感、利便性、複数の決済手段を包括していること

Amazonで買い物をした経験のあるユーザーの数は相当な規模であり、「Amazon Pay」はAmazonアカウントを持っているユーザーであればすぐに使える。Amazonのユーザー基盤の大きさが導入サイトの新規顧客獲得の可能性を高めることに加え、友田氏自身も感じたAmazonブランドの安心感と、簡単な購入ステップの利便性が、サムソナイトのECサイトに「Amazon Pay」を導入する決め手となった。

決済を簡素化するとCVRが35%以上アップする」という海外の調査結果を見たことがあるが、決済体験がコンバージョンに与える影響は大きいと私も考えている。短い時間で便利に決済が完結できれば買い物体験自体が向上し、ブランド力アップにもつながる。優位性も高まっていると思う。(友田氏)

サムソナイト事業部 営業本部 デジタルセールス部 ECマネージャー 友田 由紀子氏
友田氏は決済の利便性がブランドの差別化や優位性につながると考えている

ECサイトでは通常、決済手段を1つひとつ導入していくたびに、開発の手間やコストがかかってしまうものだ。その点、「Amazon Pay」を導入すれば、そのなかの利用可能な支払い方法にクレジットカードや「あと払い(ペイディ)」「メルペイ」なども含まれるため、「Amazon Pay」から派生して顧客がさまざまな決済手段を使えるようになる

「Amazon Pay」導入で利用可能な支払方法
「Amazon Pay」導入で利用可能な支払方法

特にサムソナイト・ジャパンの場合、サイトの開発を海外の企業が手がけているため英語でやり取りしなければならず、「Amazon Pay」を導入するだけで複数の決済手段が取りそろえられたことは大きな魅力だったという。

商品詳細ページに「Amazon Pay」ボタンを設置

2018年の導入以降しばらくは、カートまで進んでから「Amazon Pay」のボタンが表示される仕組みだったが、2025年7月の決済機能リプレイス後は、「サムソナイト」「グレゴリー」の両サイトで、カートだけでなく商品詳細ページの時点でも「Amazon Pay」のボタンを表示するようにした。

商品詳細ページの「Amazon Pay」ボタン設置イメージ(PC画面)
商品詳細ページの「Amazon Pay」ボタン設置イメージ(PC画面)

合わせて、PC画面右上の「カートを見る」のアイコンをクリックすると表示される「ミニカート」にも、「Amazon Pay」ボタンを設置した。

PC画面ではミニカートにも「Amazon Pay」ボタンを設置
PC画面ではミニカートにも「Amazon Pay」ボタンを設置

また、「サムソナイト」においては、購入画面などでユーザーの離脱防止が期待できる機能の「Web接客型Amazon Pay」「支払い救済型Amazon Pay」も導入した。

「Web接客型Amazon Pay」は、会員登録ページや注文者情報の入力ページなどで、「Amazon Pay」で便利に購入できる旨をポップアップで提案する。これにより、情報の入力をわずらわしく感じて離脱するユーザーを未然に防ぐことができる。

「サムソナイト」での「Web接客型Amazon Pay」ポップアップのイメージ
「サムソナイト」での「Web接客型Amazon Pay」ポップアップのイメージ

「支払い救済型Amazon Pay」は、「Amazon Pay」以外の決済方法で決済に失敗したユーザーに、「Amazon Pay」も選べることをポップアップで案内し、購入完了まで導くことができる。

決済で「Amazon Pay」も選べることを案内し、ECサイトからのユーザーの離脱を防ぐ
決済で「Amazon Pay」も選べることを案内し、ECサイトからのユーザーの離脱を防ぐ

7~8月にかけてスーツケースの売れ行きが最も好調になるため、この時期に合わせて商品詳細ページでの「Amazon Pay」ボタンの設置や、「Web接客型Amazon Pay」「支払い救済型Amazon Pay」の導入ができてよかった。「Amazon Pay」でもっとスピーディに決済できる仕様になり、また、情報入力を面倒に感じられたお客さまの離脱防止にもつなげられたことで、「Amazon Pay」での決済完了率はさらに向上した。商品を買いたくても支払いの段階で離脱してしまい購入に至れないお客さまへの配慮が、より行き届くようになったと感じている。(友田氏)

サイト開発会社が海外でもスムーズに導入。高い費用対効果を実感

リプレイス後の「Amazon Pay」導入に要した開発期間は2~3か月で、2025年7月に実装した商品詳細ページでの「Amazon Pay」ボタンの設置などに要した期間はわずか1か月程度だったという。サイトの開発会社があるベトナムにはAmazonがないため、サムソナイト・ジャパンは当初、現地のエンジニアとのやり取りに不安があったというが、実際には、Amazon Payの手厚いサポート体制によってスムーズに実装できたという。

「Amazon Pay」の技術仕様書が日本語と英語で細かく丁寧に作られているほか、何かあったときにもベトナムのエンジニアとAmazon担当者が直接やり取りしたため、サムソナイト・ジャパンにかかる負担はほとんどなかった

ベトナムの開発会社は日本語まで理解しているわけではないため、日頃から現地と英語で連絡を取り合っているというサムソナイト・ジャパン。友田氏は「『Amazon Pay』も英語での開発対応が可能だったことがとてもありがたかった。同じようなニーズを持つ事業者はほかにもいると思う」と話す。

「Amazon Pay」導入後のランニングコストについては、一般的なクレジットカードの手数料率よりやや高めではあるものの、ユーザーの利便性やコンバージョン向上などに高い効果が表れていることから、高額だとは思わないという。

CVRなどさまざまな数字が改善している上、「Amazon Pay」を導入するだけで「あと払い(ペイディ)」や「メルペイ」まで使えるようになることを考えると、費用対効果は格段に高いと思う。通常なら1つひとつの決済手段を導入するたびに、開発コストやランニングコストがかかってしまうものだが、そうなると経理にかかる処理業務の負担がどんどん増してしまうことも課題となる。『Amazon Pay』一つで多様な決済手段が実現できるので、バックヤード部門からもとても高く評価されている。(友田氏)

サムソナイト事業部 営業本部 デジタルセールス部 ECマネージャー 友田 由紀子氏
友田氏は「Amazon Pay」がバックヤードの負担軽減にも間接的に役立っていると話している

決済シェアの約半数を占める「Amazon Pay」。簡単かつ安心して決済したいニーズを実感

商品詳細ページでの「Amazon Pay」ボタンの設置は、すぐに高い効果が現れた。「サムソナイト」では設置した2025年7月に、決済で「Amazon Pay」を選ぶ顧客数が前月比で42%増加。「グレゴリー」に至っては、同66%の増加となった。「Gregory」の一部商品は「Amazon.co.jp」でも販売しており、そちらでも常に人気を集めているという。Amazonで販売していない商品を「グレゴリー」のサイトで見つけ、「Amazon Pay」で決済したユーザーも多いだろうと、サムソナイト・ジャパンは推測している。

「サムソナイト」「グレゴリー」で出た結果はサムソナイト・ジャパンとしても想定以上の数字だったという。「それだけ簡単かつ安心して決済をしたいというニーズが高いことがわかった。『Amazon Pay』が初めて訪れるECサイトで買い物をするときの負の部分を回収し、購入ハードルを下げてくれている」(友田氏)

また、「サムソナイト」での「Amazon Pay」による購入完了率も、同期間比で45%増加した。7~8月のスーツケースの需要が高まる時期に、顧客の購入意欲が高い状態のまま素早く決済が完了できるメリットが十分に生かされた形だ。

「グレゴリー」は比較的買いやすい価格帯の商品を取りそろえていることもあり、「Amazon Pay」ですぐ購入を済ませるお客さまは多いと捉えている。また、2025年8月には、「グレゴリー」でECサイト専売商品を複数購入すると割引になるキャンペーンを実施していたため、「お得に買いたいが決済に悩む」というお客さまの背中を確実に押せたと思う。

正直なところ、商品ページにボタンの設置を進めていた当初は「サムソナイト」も「グレゴリー」も、「Amazon Pay」の利用率が10~20%程度改善されれば十分喜ばしいと思っていたので、想定をはるかに上回る利用率と購入完了率が実現したことにとても驚いている。(友田氏)

サムソナイト事業部 営業本部 デジタルセールス部 ECマネージャー 友田 由紀子氏
友田氏は商品ページへの「Amazon Pay」ボタン設置の、想定を上回る効果を実感している

今後は「Amazon Pay」主催キャンペーンへの参加や、「Buy Now」の導入を検討

サムソナイト・ジャパンは、自社ECサイトに「Amazon Pay」を導入して感じたメリットについて、改めて以下のポイントをあげた。

利便性の改善

ECサイトでクレジットカード情報を入力・登録することに抵抗やわずらわしさを感じるユーザーに対して、「Amazon Pay」が有効な解決策になり得る。

安心感の提供

ユーザーが日常的に使い慣れているAmazonアカウントで決済できる安心感が、買い物体験やブランド体験の向上につながる。

多様な決済手段を包括

「あと払い(ペイディ)」「メルペイ」など、クレジットカード以外の決済の選択肢を追加で開発せずに導入できる。オプションが豊富でありながら導入がしやすいため、コストメリットが高く、バックヤード業務の負担も軽減できる。

このほか、EC事業者が「Amazon Pay」を導入する際には、ぜひ商品詳細ページでの「Amazon Pay」ボタンの設置を推奨したいという。

どのEC事業者も、コンバージョンを改善したいと考えているはず。サムソナイト・ジャパンにおいては「決済完了までの時間が短縮するほどCVRが向上する」との仮説にのっとり、商品詳細ページでの「Amazon Pay」ボタンを設置したところ明確に効果を発揮しているので、コンバージョンを改善したいEC事業者にはぜひお勧めしたい。

「Amazon Pay」はカスタマーベネフィットと、事業者側のベネフィットの両方がある点に、ほかの決済手段とは違う独自性を感じる。(友田氏)

サムソナイト・ジャパンは商品詳細ページに「Amazon Pay」ボタンを設置した後の結果から、「Amazon Pay」の持つコンバージョンの改善効果をより生かしていくべく、今後は「Buy Now(今すぐ買う)」の導入を前向きに検討している。加えて、Amazonが提供するマーティング施策を積極的に活用したいとも考えており、Amazonが主催するキャンペーンへの参加にも意欲を見せている。

今後も「Amazon Pay」を通じてシンプルでスピーディな購入体験を提供し、ショッピングジャーニーの中にある決済フリクションを取り除いて、さらなる買い物体験の向上に努めていきたい。(友田氏)

Amazon、Amazon.co.jp、Amazon PayおよびそれらのロゴはAmazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。

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朝比美帆
吉田 浩章

クラダシ、「ロスおたすけセット」をファミマオンラインで再販。過去の販売では完売+4.7トンのフードロス削減に貢献

1 週間 4 日 ago

フードロス削減のECサイト「Kuradashi」を運営するクラダシは11月11日、ファミリーマートのECサイト「ファミマオンライン」で、食品メーカーの参考小売価格の半額以下の商品を20点以上詰め合わせた「ロスおたすけセット」の販売を200セット限定で開始した。

「ロスおたすけセット」について

「ロスおたすけセット」は、賞味期限の切迫、パッケージの印字ミスや少しの傷など、品質には問題がないものの廃棄の可能性のある商品を20点以上詰め合わせた商品セット。常温の加工食品やスイーツ、飲料などが含まれる。販売価格は食品メーカーの参考小売価格の半額以下。

売り上げの一部は、クラダシが社会貢献活動を行うために創設した基金「クラダシ基金」として、地方創生や食育の支援などに活用するという。

「ロスおたすけセット」に含まれる商品の一例
「ロスおたすけセット」に含む商品の一例

クラダシは2025年4月から、ファミリーマートが運営するECサイト「ファミマオンライン」に商品を出品。同月に200セット限定で販売した「ロスおたすけセット」は、販売当日に完売したという。

「ファミマオンライン」における「ロスおたすけセット」の販売は今回で6回目。これまでにクラダシが「ファミマオンライン」で販売した商品を通じ、合計約4.7トンのフードロス削減につなげたという。

「Kuradashi ロスおたすけセット」の商品概要

  • 販売価格:税込3980円
  • 販売期間:2025年11月11日10:00~30日23:00まで      
  • 商品内容:フードロスになる可能性のある商品20点以上の詰め合わせ
  • 商品の届け時期:12月20日以降順次配送予定

2025年6月期はEC売上9.9%増

クラダシの2025年6月期業績は、売上高が前期比7.5%増の30億7500万円、営業損失は6300万円(前期は2100万円の営業利益)、経常損失は7000万円(前期は2300万円の経常利益)、当期純損失は3100万円(前期は1200万円の純利益)だった。

「Kuradashi」の累計会員数は2025年6月末時点で59万8000人。売上高のうち、主力のEC事業は前年同期比9.9%増だった。

クラダシは2025年6月、月額制オンライン料理教室を中心とした事業を展開するL’ATELIER de SHIORIの全株式を取得し、完全子会社化。既存事業のEC事業の拡大と、サプライチェーンにおける機能拡張を進めている。

2025年6月期の実績(画像はクラダシのIR資料から追加)
2025年6月期の実績(画像はクラダシのIR資料から追加)

クラダシは2025年8月に日本郵便を引受先とした第三者割当増資の実施と業務提携を締結。日本郵便は第三者割当増資を約5億円で引き受け、出資比率10%の主要株主になっている。クラダシは日本郵便とのシナジーにより、EC事業の強化を進めている。

日本郵便との資本業務提携によるシナジー
日本郵便との資本業務提携によるシナジー
大嶋 喜子

アツギ、自社EC「アツギオンラインショップ」を刷新。今後は「定期購入機能」「予約購入機能」を実装予定

1 週間 4 日 ago

アツギは11月10日、ユーザーがより快適に買い物ができるよう自社ECサイトをリニューアルオープンした。利便性・操作性のアップ、決済方法の拡大、注文後30分以内のキャンセル操作、領収書のダウンロード機能などを追加した。今後のアップデートでは定期購入機能、予約購入機能の追加を予定している。

リニューアルの主なポイント

検索性の向上

検索性を向上させた。「カテゴリから探す」はカテゴリを見直して整理し、「ブランドから探す」はシンプルでわかりやすい表示に刷新。PCでは画像付きで表示する。

スマホの検索画面(左)、PC版の検索画面
スマホの検索画面(左)、PC版の検索画面

操作性の向上

各商品の詳細ページでは、カラー・サイズのバリエーションと在庫状況を画像付きの一覧で表示。商品の比較検討をしやすい仕様にした。

また、サイト上のどの画面でも、画面右上のカートのアイコンから、現在カートに入っている商品と合計金額を表示。カートに入れた商品の削除も容易に行える仕様にした。

比較検討がしやすい商品詳細ページ(左)、カートアイコンのタップで表示するカート内の商品と合計金額
比較検討がしやすい商品詳細ページ(左)、カートアイコンのタップで表示するカート内の商品と合計金額

決済方法の拡大

従来のクレジットカード、代金引換、「Amazon Pay」「GMO後払い」に加え、「PayPay」を追加した。今後は「楽天ペイ」「d払い」も加える予定。

キャンセル操作、領収書ダウンロード機能を追加

注文後、30分以内であればユーザーがマイページからユーザー自身でキャンセル操作ができる機能を追加した。

このほか、領収書のダウンロード機能も追加。ユーザーがマイページから発行できる仕様にした。

「定期購入機能」「予約購入機能」を追加予定

さらなる利便性向上のため、今後は「定期購入機能」「予約購入機能」を順次追加する予定。

リニューアル記念でクーポン配布+新規会員へポイント付与

ECのリニューアルオープンを記念して、全商品を対象とした10%割引クーポンを配布する。

また、新規会員登録をしたユーザーに自社ECサイトで利用できる500ポイントを進呈する。1ポイント1円として支払い画面の「ポイントを使う」にてポイント数を入力する。なお、ポイントはクーポンと併用が可能となっている。

繊維事業は2028年3月期までに258億円の売上計画

アツギが発表した2025年4-9月期(中間期)の連結業績によると、「レッグウェア分野」「インナーウェア分野」で構成する繊維事業の売上高は前年同期比2.3%減の95億800万円、営業損失は6億円(前年同期は6億8500万円の損失)だった。

2028年3月期を最終年度とした中期経営計画では、2028年3月期の繊維事業の売上高は258億円を計画している。

2028年3月期を最終年度とした中期経営計画(レナウンインクスはアツギの100%子会社である肌着・靴下メーカー。画像はアツギのIRから追加)
2028年3月期を最終年度とした中期経営計画(レナウンインクスはアツギの100%子会社である肌着・靴下メーカー。画像はアツギのIRから追加)
大嶋 喜子

イルグルム子会社のルビー・グループ、「EC業務改革(BPR)」へ戦略的転換

1 週間 5 日 ago

イルグルムの子会社で、ECサイト構築・運用・フルフィルメントといったEC支援サービスを提供するルビー・グループは11月10日、新たな成長戦略として、「EC運営代行(BPO)」から「EC業務改革(BPR=Business Process Reengineering)」への戦略的転換を行うと発表した。

EC業界は現在、「EC経験人材」の深刻な不足が常態化。多くの事業者が「日々の業務と人手不足に追われ、業務効率化やCX(顧客体験)改善といった『仕組み化』に時間もリソースも割けない」という課題に直面している。こうした状況を根本から解決するため、ルビー・グループは従来の「EC運営代行(BPO)」だけではなく、企業の業務プロセスを再設計し、仕組み化を推進する「業務改革パートナー(BPR)」へと提供価値をシフトする。

ルビー・グループはこれまで、特に海外ラグジュアリーブランド支援において、ECサイト構築から運用、ささげ、物流までを担うBPOパートナーとして成長。少数の顧客に深く寄り添い、伴走することで売上成長に貢献してきたという。こうした経験や知見を、「業務改革パートナー(BPR)」への転換に生かす。

イルグルムの子会社で、ECサイト構築・運用・フルフィルメントといったEC支援サービスを提供するルビー・グループは11月10日、新たな成長戦略として、「EC運営代行(BPO)」から「EC業務改革(BPR=Business Process Reengineering)」への戦略的転換を行うと発表した
ECサイト構築から運用、ささげ、物流までを担うBPOパートナーとして成長してきた

今回の戦略転換では、BPOとBPRの提供価値を定義した。BPOは「短期課題の解決」が目的で、従来の強みである運営代行を通じて顧客のオペレーションを担い、人手不足という即時的な課題に対応する。BPRは「中長期課題の解決」を目的とし、業務の実行を通じて本質的な課題を発見、業務フローの根本的な再設計やシステム導入を提案・実装することで、仕組み化による構造的な改善を進める。

イルグルムの子会社で、ECサイト構築・運用・フルフィルメントといったEC支援サービスを提供するルビー・グループは11月10日、新たな成長戦略として、「EC運営代行(BPO)」から「EC業務改革(BPR=Business Process Reengineering)」への戦略的転換を行うと発表した
BPRは「中長期課題の解決」を目的とし、業務の実行を通じて本質的な課題を発見する

ルビー・グループを含むイルグルムグループのコマースセグメントでは、EC構築システム「EC-CUBE」を基盤に、「EC運用」「集客」「物流」などの機能を垂直統合。売り上げは2021年の3億円から2025年には20億円へと成長した。こうした安定基盤のもとで、さらなる投資と変革を推進する。

鳥栖 剛

LINEヤフー、「Yahoo!ショッピング」のみ扱う「ヤフショ限定グルメ」をスタート

1 週間 5 日 ago

LINEヤフーは11月10日、「Yahoo!ショッピング」でのみ購入できるグルメを販売する「ヤフショ限定グルメ」の展開を始めたと発表した。

「ヤフショ限定グルメ」は、「Yahoo!ショッピング」限定で購入できる商品を60点以上集めた。オリジナル商品、限定フレーバー・パッケージ、産地限定、ノベルティ付き、先行販売、限定セットなど、多彩な商品をそろえている。

「Yahoo!ショッピング」オリジナル商品の一例として、「キャラメルリンゴロール アプロディーテ」を展開。過去に人気を博した「塩生キャラメルロール」をベースに、青森県産りんごのシロップ漬けを組み合わせた一品で、リキュールを控えめにし、大人から子どもまで安心して楽しめる味わいに仕上げたという。

LINEヤフーは11月10日、「Yahoo!ショッピング」でのみ購入できるグルメを販売する「ヤフショ限定グルメ」の展開を始めたと発表した。
オリジナル商品の一例の「キャラメルリンゴロール アプロディーテ」

グルメジャンルの強化を進めているLINEヤフーによると、全国各地の名産品や人気食品など“お取り寄せグルメ”の取扱高は年々拡大しているという。9月には「Yahoo!ショッピング」で厳選したグルメ商品に「至高グルメ」「特選グルメ」「評判グルメ」の3種類の認定アイコンを付与する新制度「認定グルメ」をスタートしている。

「認定グルメ」「ヤフショ限定グルメ」は、ユーザーの購買体験向上だけでなく、「Yahoo!ショッピング」の食品カテゴリ強化を目的とした取り組み。今後は、これらを含む食品を集約した「ヤフショグルメ館」のリリースも予定している。

LINEヤフーは、「グルメといえば『Yahoo!ショッピング』」と想起されるサービスをめざすという。探しやすさの向上や出店者との連携を通じて、魅力ある商品の開発・発信を強化していくとしている。

なお、キャンペーン施策として、「認定グルメ」および「ヤフショ限定グルメ」対象商品に使える最大20%オフの割引クーポンを配布する。

鳥栖 剛

エフ・ディ・シィ・プロダクツが公式サイト「4℃ JEWELRY ONLINE SHOP」にレビュー・口コミ・Q&Aエンジン 「ZETA VOICE」を導入

1 週間 5 日 ago

エフ・ディ・シィ・プロダクツは、公式サイト「4℃ JEWELRY ONLINE SHOP」に、レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」を導入した。

着用感のグラフ表示、レビューの絞り込みを実装

エフ・ディ・シィ・プロダクツは、「4℃(ヨンドシー)」「Canal 4℃(カナルヨンドシー)」「EAUDOUCE 4℃(オデュースヨンドシー)」など計7ブランドを手がけている。1972年の「4℃」ブランド誕生以来、ジュエリーの企画・製造を行っており、現在では全国に100店舗以上を展開している。

「4℃ JEWELRY ONLINE SHOP」ではネックレス、ピアス、リング、ブレスレットなどさまざまなカテゴリのジュエリーを取り扱っているほか、贈る相手やシーンに合わせてアイテムを選べる「プレゼントガイド」などのサービスを提供している。

エフ・ディ・シィ・プロダクツ 4℃ JEWELRY ONLINE SHOP
公式サイト「4℃ JEWELRY ONLINE SHOP」(画像はサイトからキャプチャ)

商品ページの「カスタマーレビュー」「スタッフレビュー」に、レビューの並び替え・絞り込み機能を実装した。「骨格別」「ファッションテイスト」など、ユーザー自身が知りたい条件に基づいてレビューを検索できるようにすることで、スムーズで快適な購買体験の実現をめざす。

エフ・ディ・シィ・プロダクツ 4℃ JEWELRY ONLINE SHOP レビューの並び替え・絞り込み機能を実装し、購買体験の最適化をめざす
レビューの並び替え・絞り込み機能を実装し、購買体験の最適化をめざす

ジュエリー選びで重要な要素となる「着用感」を、「良い」から「悪い」の5段階でグラフ表示し、視覚的にもわかりやすくレビュー情報を確認できるようにした。また、スタッフレビューでは「着用感」のグラフに加えて画像の添付を可能にした。実際の着用イメージを写真で確認できるようにすることで、購入前により具体的な印象を持つことができ、満足度の向上につなげる。

エフ・ディ・シィ・プロダクツ 4℃ JEWELRY ONLINE SHOP 着用感をグラフで表示し商品の評価を可視化
着用感をグラフで表示し商品の評価を可視化

「カスタマーレビュー」と「スタッフレビュー」を実装し、購入者とスタッフの双方からレビューを投稿できるようにした。これらのレビューは同じ画面内で切り替え表示が可能なため、ユーザーは少ないアクションで双方の投稿を確認することができる。ユーザーが異なる視点からのレビューをストレスなく閲覧できるようにすることで、商品理解を深めることや、商品検討のサポートや購入意欲向上につなげるという。

エフ・ディ・シィ・プロダクツ 4℃ JEWELRY ONLINE SHOP ユーザーとスタッフの双方から投稿可能なレビュー機能を実装
ユーザーとスタッフの双方から投稿可能なレビュー機能を実装

「ZETA VOICE」とは

サイト内にレビューコンテンツを実装できるサービス。ユーザーのレビューを複数の評価軸で収集し、さまざまなUIで表示する仕組みを簡単に導入することができる。

ZETA VOICE 基本機能
「ZETA VOICE」の基本機能(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥
確認済み
54 分 46 秒 ago
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