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Amazonのパスワードレス認証「パスキー」利用者が5億人を突破。パスワード入力比で6倍高速なサインインと高度なセキュリティを実現

1 週間 ago
Amazonのパスワードレス認証「パスキー」利用者が5億人を突破。パスワード入力比で6倍高速なサインインと高度なセキュリティを実現
米Amazonは、パスワード不要でサインインできる認証方式「パスキー」の利用者が5億人を突破したと発表。従来のパスワード入力に比べて6倍高速なサインインを実現し、利便性とセキュリティを両立する認証手段として普及が進んでいる。
furukawa2026年10月29日

米Amazonは10月20日、パスワードを使わずにサインインできる認証方式「パスキー」の利用者が5億人を突破したと明らかにした。米Amazonによると、パスキーを使ったサインインは従来のパスワード入力に比べて6倍高速という。

利便性とセキュリティを両立する認証手段として普及が進んでおり、EC事業者にとっても、ログイン時の離脱防止や不正アクセス対策の観点から重要性が高まりそうだ。

Amazonのパスワードレス認証「パスキー」利用者が5億人を突破。パスワード入力比で6倍高速なサインインと高度なセキュリティを実現
Amazonでは「パスキー」の利用者が5億人を突破

Amazonでは2023年に、ブラウザーとモバイルショッピングアプリでパスキー対応を開始した。今回明らかにしたのは、導入から約3年で、5億人超の顧客がAmazonアカウントでパスキーを有効化したという実績だ。

生体認証やPINでログイン、パスワード入力は不要に

パスキーは、端末の指紋認証や顔認証、ロック画面のPIN(パスコード)などを使って本人確認を行う認証方式。サイトやアプリにログインする際、パスワードを入力する代わりに、普段から端末のロック解除に使っている方法で認証できる。

Amazonのパスワードレス認証「パスキー」利用者が5億人を突破。パスワード入力比で6倍高速なサインインと高度なセキュリティを実現
顔認証によるサインインの画面イメージ

Amazonはパスキーの利点として、パスワードのように推測されたり、フィッシングによってだまし取られたりするリスクを抑えられる点をあげている。利用者が複雑なパスワードを記憶したり、名前や誕生日など推測されやすい文字列を設定したりする必要もない。また、SMSで送信するワンタイムコードと比べても、フィッシングへの耐性が高い認証手段としている。

サインインはパスワード入力の6倍高速、ECの購入体験改善にも

Amazonによると、パスキーを使ったサインインは従来のパスワード入力に比べて6倍高速だという。ログインのたびにパスワードを入力する必要がなく、端末側の生体認証やPIN入力で本人確認を進められるため、サインイン時の手間を減らせる。

ECサイトでは、ログインや本人確認の操作が煩雑だと、購入手続きの途中で離脱する要因になりうる。パスキーによって認証をスムーズにできれば、利用者の負担軽減に加え、購入機会の損失を抑えることにもつながる可能性がある。

Amazonは過去1年間、パスキーの利用拡大に向けた取り組みも進めてきた。登録しやすい導線を整えたほか、サインインが必要なページでパスキーを利用できるようにし、主要なAmazonアプリで対応を進めた。

Amazonショッピングアプリや「Audible」でも利用可能

パスキーはブラウザーに加え、iOSとAndroid向けのAmazonショッピングアプリ、「Audible」アプリでも利用できる。

設定するには、Amazonのアカウント画面から「ログインとセキュリティ」に進み、「パスキー」の項目で手続きを行う。

パスワードに依存しない認証体験をめざす

Amazonは今後、顧客が接するあらゆる接点でパスキーを利用できるようにし、サインインを意識させないほどシームレスな体験をめざすとしている。最終的には、パスワードに依存せず、パスキーを主要な認証手段として利用する環境の実現を見据える。

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AIエージェントが勝手に購入するリスクをどう防ぐ? EC事業者が知っておくべき「購入意図の事前記録」というアメリカン・エキスプレスの新たなアプローチ

1 週間 ago
AIエージェントが勝手に購入するリスクをどう防ぐ? EC事業者が知っておくべき「購入意図の事前記録」というアメリカン・エキスプレスの新たなアプローチmatsumura2026年10月29日世界を先読み!日本独占配信 米国でもっとも有名なEC専門メディア『Digital Commerce 360』からの最新記事海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

American Express(アメリカン・エキスプレス)は、人工知能(AI)を活用したショッピングエージェントによる購入を、カード発行会社が検証できるよう支援する新たなフレームワークを公開しました。

American Express、AIショッピングエージェントによる購入を検証する仕組みを公開

American Expressは10月13日、「Intent Intelligence(インテント・インテリジェンス)」と呼ばれるフレームワークを公開。これは、AIエージェントが消費者に代わって商品やサービスを購入する前に、消費者の購入指示をあらかじめ記録する仕組みを定めたものです。

カード発行会社は、この記録を不正利用の検知や決済の承認、問題が発生した際の異議申し立ての解決に役立てることができます。EC事業者にとっても、注文ミスがAIエージェントによるものかどうかを判断する重要な手がかりになる可能性があります。

American Expressは米国の大手EC専門誌『Digital Commerce 360』に対し、Intent Intelligenceは現時点で実際のサービスとの連携が行われていないと説明。今回のフレームワーク公開は、新機能の単なる提供開始ではなく、ほかの決済事業者やテクノロジー企業が同社の仕組みを採用できるようにすることが主な目的です。

American Expressのグローバルイノベーション責任者であるルーク・ゲブ(Luke Gebb)氏は、発表で次のように説明しています。

エージェントが取引を実行する前に、消費者が承認した購入意図を提示することで、カード発行会社はエージェントが消費者の意図どおりに行動しているという確信を強めることができます。同時に、カード発行会社がリスクを先回りして管理し、決済エコシステム全体で多額の費用を伴う異議申し立てが発生する可能性を減らすことにもつながります。

58%が懸念する「AIの購入ミス」と消費者意識

今回の動きの背景には、決済事業者によるエージェント型コマース(Agentic Commerce)向けツールの開発が急速に進んでいる状況があります。こうしたツールを利用すれば、AIエージェントが消費者に代わって商品を検索し、価格を比較し、購入まで完了できるようになります。

一方、消費者はAIに購入を任せることに依然として慎重です。決済事業者NMIが8月に発表した米国の成人1000人を対象とする調査では、次の懸念事項が浮き彫りになりました。

  • 回答者の58%が、AIショッピングエージェントによって間違った商品やサイズ、色、ブランドが購入されることを懸念
  • 回答者の60%が、エージェントが意図した以上の金額を使ってしまうことを懸念

American Expressは4月にIntent Intelligenceを発表していましたが、今回の技術仕様の公開により、ほかの企業もその仕組みを利用して開発を進められるようになります。

American Expressは「エージェント型コマースにおける購入意図について、業界共通のアプローチの確立を後押しすること」を目的として掲げています。

新たなフレームワークがEC事業者にもたらすメリット

EC事業者にとって、AIによる購入ミスは新たな課題となりつつあります。注文内容どおりに商品を梱包・発送したにもかかわらず、AIエージェントが消費者の求めていない商品を購入していたために、後から支払いの異議申し立て(チャージバック)に発展する可能性があるためです。

そこで役立つのが、消費者による最初の指示、すなわち「購入意図(purchase intent)」の正確な記録です。このフレームワークでは、消費者が承認した内容を事前に記録することで、エージェントが実際にその指示に従ったかどうかを客観的に判断するための証拠を残せます。

Intent Intelligenceは、American Expressが4月に開発者向けツールキット「Agentic Commerce Experiences(ACE)」を通じて発表した5つのサービスの1つです。

American Expressによると、このフレームワークは、消費者が承認した購入意図を「取引プロセスのより早い段階、つまりエージェントが購入を実行する前」にカード発行会社と共有する点で、現在の実装方式とは異なると説明しています。

柔軟に設定できる購入条件

American Expressが『Digital Commerce 360』に語ったところによると、Intent Intelligenceでは多様な購入条件を設定することが可能です。

  • 基本条件: 支出額の上限、有効期限、購入先の希望店舗の指定
  • タイミング指定: 「商品が再入荷したとき」や「サイバーマンデー」など、エージェントが購入を実行する特定イベントの設定
  • 複合・連動条件: 「航空券の購入が成功した場合に限り、航空保険を購入する」といった条件付き取引や、「異なるEC事業者から靴と靴下を購入する」といった複数サイトにまたがる取引への対応

Intent Intelligenceの仕組み、4つの処理ステップ

American Expressは、本フレームワークにおける処理の流れを以下の4つのステップに整理しています。

  1. 購入意図の作成と確認
    「Create Intent API」が消費者の購入希望商品、エージェントが利用できる購入先、支出可能な金額などを記録。その後、消費者が本人確認を行い、エージェントが記録した指示内容を承認する。

  2. 購入意図の証明発行
    システムが、承認された指示を識別するための「Intent ID」と、購入に関する主要な制限条件を示す「Proof of Intent Token」を生成する。
  3. 決済認証情報の利用範囲設定
    エージェントはトークンを利用して、承認された指示に紐づく安全なデジタル決済認証情報を取得。購入時には、消費者の実際のカード番号の代わりにこの認証情報を使用する。
  4. 取引全体への購入意図の適用
    Intent IDとトークンを使い、購入リクエストが消費者の承認内容と一致しているかを確認。これらの記録は不正防止、決済承認の判断、異議申し立ての解決にも活用される。

なお、Intent Intelligenceは消費者の購入指示を誰が取得するかにかかわらず、さまざまなエージェント型コマースのモデルで利用できるよう柔軟に設計されています。購入指示をカード発行会社へ直接送信する構成はもちろん、デジタルウォレット事業者などの仲介業者を通じて伝達する方法にも対応しています。

AIによる購入ミスが生む決済リスクと補償制度

このフレームワークは、カード発行会社による購入の検証を支援するだけでなく、AIエージェントがミスをした場合に消費者やEC事業者を保護する補償制度にも関係しています。

American Expressは4月にACEを発表した際、「Agent Purchase Protection(エージェント購入保護制度)」と呼ばれる保護制度の計画を明らかにしました。この制度は、開発者向けツールキットを利用する登録済みAIエージェントが、認証された購入指示を共有して行う取引を対象とする予定です。EC事業者にとっては、不当なチャージバックや異議申し立てによる対応コストを削減することが主な目的です。

ただし、American Expressは『Digital Commerce 360』に対し、この保護制度は現時点ではまだ利用できないことを明らかにしています。保護対象となる取引に必要なIntent Intelligenceを利用したACEの連携事例が、現時点では存在しないためです。それまでの間も、カード会員は既存のAmerican Expressカードに付帯する保護制度や特典を利用できます。

こうした仕組みの複雑化は、トラブルが発生した際に消費者が「誰に責任を求めるか」という認識にも影響を与えています。NMIの8月調査によると、AIツールが消費者の意図しないタイミングで商品を購入した場合、責任の所在について消費者は以下のように回答しています。

  • AIの提供事業者:62%
  • EC事業者(販売元):34%
  • 決済事業者:24%

エージェント型コマースにおける主要企業の動向比較

AIを活用したショッピングの安全性を高めるツールを開発しているのは、American Expressだけではありません。

VisaとMastercardの取り組み

2025年4月、VisaとMastercardはそれぞれ、開発者がAIエージェントを自社の決済ネットワークに接続できるサービスを開始しました。

  • Visa「Intelligent Commerce」:AIエージェントに決済機能を組み込むためのAPIやツールを開発者に提供。OpenAI、Microsoft、Anthropic、Stripe、Samsungなどの大手テクノロジー企業と提携してグローバル展開を進めています。
  • Mastercard「Agent Pay」:AIエージェントが利用者に代わって購入を完了できるプログラム。会話型AIプラットフォームと連携し、一般消費者向け(C2C/B2C)およびBtoB取引の両方に対応しています。

テクノロジー企業・ECプラットフォームの独自規格

大手IT企業やEC事業者も、エージェント型コマースに向けた独自の共通規格を急速に策定しています。

  • OpenAI × Stripe「Agentic Commerce Protocol (ACP)」:AIエージェントがEC事業者と安全に接続し、チャット内で直接購入手続きを開始できる共通プロトコル。
  • Google「Agent Payments Protocol (AP2)」:デジタル署名された記録を使って消費者の承認内容を記録する仕組み。Salesforce、Shopify、Cloudflare、Etsyなどが初期パートナーとして参画しています。
  • Google × Shopify「Universal Commerce Protocol (UCP)」:AIを活用したショッピング体験の中でスムーズにチェックアウトを行えるオープン規格。家電EC大手のNeweggをはじめ、Wayfair、Walmart、Macy'sなどの主要事業者が導入し、Googleの「AI Mode」や「Gemini」経由での直接購入に対応しています。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん、白川久美さん、中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

この記事の筆者

Digital Commerce 360

世界最大級のネット通販業界の専門誌『Digital Commerce 360』(旧『Internet Retailer』)は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

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花のECサイト「花キューピット」などに不正アクセス、423万件の顧客情報漏えいの可能性。カード情報は流出なし

1 週間 ago
花のECサイト「花キューピット」などに不正アクセス、423万件の顧客情報漏えいの可能性。カード情報は流出なし
花キューピットは、ECサイトへの不正アクセスにより、会員情報423万8242件が漏えいした可能性があると発表。漏えいの対象はログインIDや暗号化されたパスワード、メールアドレスで、クレジットカード情報などの決済情報は含まれていないとしている。
furukawa2026年10月29日

花キューピットは10月28日、「インターネット花キューピット」などのECサイトが不正アクセス攻撃を受け、会員情報423万8242件が漏えいした可能性があると発表した。対象情報は、ログインID、復元できない形式で暗号化されたパスワード、PC用メールアドレス、携帯用メールアドレス。クレジットカード情報などの決済情報は保有しておらず、漏えいは確認されていないとしている。

花のECサイト「花キューピット」などに不正アクセス、423万件の顧客情報漏えいの可能性。カード情報は流出なし
花キューピットのECサイトのトップ画面(画像は編集部がキャプチャ)

不正アクセスは10月14~15日に発生、会員情報の漏えいを確認

10月14日から15日にかけて第三者による管理システムへの不正アクセスが発生。調査を進めるなかで、10月19日に会員情報の漏えいを確認した。

対象サービスはBtoC向けEC「インターネット花キューピット」と法人向けECの「ビジネス花キューピット」。10月28日から、漏えいの対象となった可能性がある会員に対し、登録メールアドレス宛てに順次連絡を開始している。メールアドレスの変更などにより個別に連絡できない会員には、公開したお知らせをもって案内に代えるとしている。

フィッシングメールなどに注意喚起、パスワード変更を推奨

漏えいしたパスワードについて、元の情報を復元できない形式で暗号化して保存していると説明。また、現時点で今回の事案に起因する情報の二次利用や不正利用などの被害は確認されていないという。

一方、メールアドレスなどが悪用され、フィッシングメールが送られる可能性があるとして、心当たりのない不審な連絡に注意を呼びかけている。メール本文に記載されたURLへのアクセスや添付ファイルの開封、個人情報の入力を避けるよう呼びかけている。あわせて同社が顧客に対し、メールや電話で個人情報やパスワードなどを尋ねることは一切ないとしている。

FAQでは、漏えい対象となった会員への個別通知を行うことに加え、退会済みの会員も対象に含まれる場合があり、連絡をしていると説明。また、万全を期すため、会員にパスワードの変更を推奨。他社サービスでも同じログインIDやパスワードを使い回している場合は、それらの変更も勧めている。なお、今回の事案に伴う金銭的な補償や返金は予定していない。

攻撃経路を遮断し、監視体制を強化

花キューピットは、不正アクセスに利用された攻撃経路をすべて遮断し、ネットワークのアクセス制御や監視体制を強化したと説明。個人情報保護委員会と警察のサイバー犯罪相談窓口にも報告済みで、今後は外部の専門機関と連携しながら原因究明と恒久的な再発防止策を進めるとしている。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

Amazonの配達員が「眼鏡」をかける理由。配達証明もハンズフリーで撮影、配送効率と安全性を高める「スマート配送グラス」とは

1 週間 ago
Amazonの配達員が「眼鏡」をかける理由。配達証明もハンズフリーで撮影、配送効率と安全性を高める「スマート配送グラス」とは
米Amazonは、配達員が配送情報を視界内で確認できる「スマート配送グラス」の展開を進めている。配達証明写真もハンズフリーで撮影でき、配送効率の向上と安全性の確保につなげる狙いだ。
furukawa2026年10月29日

米Amazonは、配達員が配送情報を視界内で確認できる「スマート配送グラス」の展開を進めている。「スマート配送グラス」は、配達先までの案内や荷物情報、顧客の受け取り指示などを表示し、配達証明写真もハンズフリーで撮影できる眼鏡型デバイス。手元の端末を取り出して操作する手間を減らし、配送業務の効率化と安全性の向上を図る。2026年中に5000台のスマート配送グラスを展開し、2027年末までに2万台超への拡大をめざす。

Amazonの配達員が「眼鏡」をかける理由。配達証明もハンズフリーで撮影、配送効率と安全性を高める「スマート配送グラス」とは
眼鏡型デバイス「スマート配送グラス」の展開を進めている

Amazonによると従来、配達員は携帯型の配送端末で住所や配達指示を確認し、配達証明写真を撮影していた。スマート配送グラスは、こうした作業を視界内で支援するために開発したもの。荷物を持ちながら端末を操作する機会を減らし、前方や周囲に注意を向けやすくする狙いがある。

Amazonの配達員が「眼鏡」をかける理由。配達証明もハンズフリーで撮影、配送効率と安全性を高める「スマート配送グラス」とは
Amazonのスマート配送グラス

荷台から玄関先まで、配送作業を視界内で支援

スマート配送グラスは、配送車両を停車した直後から配達完了まで、一連の作業を支援する。眼鏡の内側にある小型ディスプレーが自動で起動し、配達先にひもづく荷物の数を表示する。荷札のバーコードを読み取ることで、正しい荷物を取り出せているかどうかも確認できる。

Amazonの配達員が「眼鏡」をかける理由。配達証明もハンズフリーで撮影、配送効率と安全性を高める「スマート配送グラス」とは
荷札のバーコードを読み取り正しい荷物を取り出せているかどうか確認できる

配達先へ向かう途中には、ナビゲーション情報や顧客の配達指示を視界内に表示する。ゲートの暗証番号や建物への立ち入り方法、希望する置き配場所などを、その場で確認できる。従来のように端末の画面を確認するために手を止めたり、視線を下げたりする機会を減らせる。

Amazonの配達員が「眼鏡」をかける理由。配達証明もハンズフリーで撮影、配送効率と安全性を高める「スマート配送グラス」とは
配達先へ向かう途中はナビゲーション情報や配達指示を視界内に表示する

配送データに基づく注意喚起機能も備える。敷地内にペットがいる可能性がある場合は、肉球のアイコンと音声アラートで知らせる。また、荷物を置こうとしている場所が配達先住所と一致しない場合には、警告を表示する。

レンズは度付きに対応するほか、周囲の明るさに応じて色が変わる調光レンズも利用できる。屋外での使用や、配達員それぞれの視力に配慮した設計となっている。

配達証明写真もハンズフリーで撮影

EC・通販の配送では、荷物を届けたことを確認できる配達証明も重要だ。スマート配送グラスでは、配達員が端末を取り出して構えることなく、ハンズフリーで配達証明写真を撮影できる。

Amazonの配達員が「眼鏡」をかける理由。配達証明もハンズフリーで撮影、配送効率と安全性を高める「スマート配送グラス」とは
スマート配送グラスではハンズフリーで配達証明写真を撮影できる

Amazonは、写真の撮影方法を変えながらも、荷物が届いたことを示す確認情報としての役割は維持する。端末操作の負担を減らすことで、配達完了までの作業をよりスムーズに進められるようにする。

「眼鏡」である理由は、手と視線を奪わないため

Amazonが眼鏡型デバイスを採用した理由は、配達に必要な情報を配達員の視界内に直接表示できる点にある。手は荷物の運搬に使い、目線は前方や周囲の安全確認に向けたまま、必要な情報を確認できる。

テストに参加した配達員は、スマート配送グラスについて「スマートフォンを見るために下を向く必要がなく、前方に意識を向け続けられるので、より安全に感じた」とコメントしているという。

配送現場では、歩行中の転倒や敷地内の段差、車両・歩行者との接触など、さまざまなリスクがある。情報を確認する際に視線や手を奪われにくいことは、作業効率だけでなく、安全面でも利点となる可能性がある。ただし、こうした効果はAmazonが掲げる狙いであり、事故の減少などを示す独立した検証結果とは区別する必要がある。

プライバシーに配慮、着用は任意でカメラ停止スイッチも搭載

カメラを搭載する眼鏡型デバイスでは、顧客や周囲の人のプライバシーへの配慮も課題となる。Amazonはスマート配送グラスについて、顧客と配達員双方のプライバシーを考慮して設計したとしている。

顧客に関する画像については、自動的に匿名化処理を施し、顔やナンバープレートなど、個人の識別につながる可能性がある情報を検知してぼかす。撮影するのは静止画のみで、動画や音声は記録しないという。

画像は暗号化し、配送品質の改善や誤配送の削減に必要な限られた担当者だけがアクセスできるようにする。一定期間が経過すると自動的に削除し、第三者が画像を処理・閲覧することもないとしている。

配達員に対しては、着用を任意としているほか、休憩中や昼食時などにカメラを停止できる専用のプライバシースイッチを搭載する。また、配送先間を車で移動している間は画像を撮影しない設計としている。

バッテリーや演算装置は配送ベスト側に分離

Amazonは2025年以降、300を超えるDSP(Delivery Service Partner、Amazon商品の配送を担う事業者)と数百人の配達員にスマート配送グラスを試用してもらい、改良を進めてきた。試作品以来、ソフトウェアとハードウェアの両方に数百回のアップデートを加えているという。

配達員からのフィードバックを受け、演算装置やバッテリーを眼鏡本体から分離し、配送ベストに装着する小型コントローラー側に移した。長時間着用する際の負担を軽減するためだという。

Amazonの配達員が「眼鏡」をかける理由。配達証明もハンズフリーで撮影、配送効率と安全性を高める「スマート配送グラス」とは
バッテリーや演算装置は配送ベスト側に分離

コントローラーには交換式バッテリーのほか、緊急ボタンも搭載する。たとえば、配達先の敷地内で放し飼いの犬に遭遇した場合など、予期しない事態への対応も想定している。

2026年に5000台、2027年末までに2万台超を目標

米Amazonは2026年中に5000台のスマート配送グラスを展開し、2027年末までに2万台超へ拡大する目標を掲げている。配送現場の安全性と効率性を高める技術の1つとして、今後も開発と導入を進める方針だ。

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接客AIエージェントの提供でEC体験を「One-to-One」の世界へ。W2が第2弾のAIプラグインを公開

1 週間 1 日 ago
接客AIエージェントの提供でEC体験を「One-to-One」の世界へ。W2が第2弾のAIプラグインを公開
W2が接客AIエージェントの提供を開始。ECを「商品を売る場所」から、顧客一人ひとりの商品選びを支援する「One-to-One対応」の場へ進化させる構想を打ち出した。
furukawa2026年10月28日

ECプラットフォームを展開するW2は10月22日、AIエージェント基盤「W2 SmartHub」に追加して利用できる「AIプラグイン」の第2弾として、接客AIエージェントの提供を開始したと発表した。ECサイトを単なる商品販売の場ではなく、顧客の商品選びを支援しながら売上につなげる「メディア」へと進化させる構想の一環。顧客一人ひとりに合わせた提案を行う「One-to-One」の実現をめざす。

接客AIエージェントの提供でEC体験を「One-to-One」の世界へ。W2がAIプラグインを公開
「W2 SmartHub」に追加して利用できる「AIプラグイン」として、接客AIエージェントの提供を開始した

従来のECでは、利用者が検索窓やカテゴリから商品を探し、複数の商品ページを比較して購入を判断するのが一般的。提供を始めた接客AIエージェントは、利用者がAIに相談しながら商品を選び、そのまま購入につなげられる。AIは商品情報や顧客データをもとに商品を提案するほか、関連する記事や動画も案内する。

「初めて使うのでおすすめを教えてほしい」「○○に悩んでいるが、どの商品が合うか知りたい」「AとBの違いを知りたい」といった相談を想定。W2は、従来の「商品を探してもらうEC」から「AIが一緒に商品を選ぶEC」への転換をめざす。

商品提案・比較から関連コンテンツの案内まで対応する「Findee」

接客AIエージェントの名称は「Findee」。顧客の相談内容に応じて商品を提案・比較し、必要な情報を提供する。カテゴリや検索キーワードだけでは見つけにくかった商品との接点を生み出し、購入率の向上につなげる狙いだ。

接客AIエージェントの提供でEC体験を「One-to-One」の世界へ。W2がAIプラグインを公開
「Findee」による提案内容のイメージ

「Findee」は商品をレコメンドするだけでなく、事業者が指定した商品を優先的に提案したり、商品ギャラリーや比較表など、内容に応じたユーザーインターフェース(UI)で情報を提示したりできる。

また、顧客との対話履歴を蓄積・分析する機能も備える。利用者がどのような言葉で商品を探しているのか、購入前にどのような点で迷っているのかを把握しやすくなるという。

こうした分析結果は、記事コンテンツやFAQ、商品ページの改善にも活用できるとしている。EC事業者にとっては、AIを接客チャネルとして活用するだけでなく、サイト改善やコンテンツ施策にも生かせる可能性がある。

W2によると、先行して提供しているAIレコメンドエンジン「Reco-Media」では、一部の導入企業で、レコメンド経由の売上がEC売上全体の約30%を占める成果が出ているという。W2は「Findee」についても、売上への貢献を期待している。

問い合わせ対応AI「AI Staff」も提供し、運営負荷の軽減を支援

W2は、問い合わせ対応AI「AI Staff」も提供する。FAQや応対マニュアル、社内ナレッジに加え、顧客ごとの過去の購買履歴や問い合わせ履歴をもとに、AIエージェントが問い合わせに対応する仕組みだ。

FAQを提示するだけでなく、顧客の状況を踏まえた回答を行うことで、応答品質を維持しながら問い合わせ対応の工数削減をめざす。定型的な問い合わせ対応をAIに任せ、担当者がより高度な業務に集中できる運営体制の構築を支援する。

ECを「選択を助けるメディア」へ。W2が掲げるメディアコマース構想

W2は、ECを単なる販売チャネルではなく、顧客の商品理解や商品選びを支援する「メディア」として活用し、そこで生まれる情報接点を購買や売上につなげる「メディアコマース」を提唱している。

接客AIエージェントの提供でEC体験を「One-to-One」の世界へ。W2がAIプラグインを公開
W2が掲げるメディアコマース構想の概念図

単にコンテンツを増やすのではなく、「知る」「理解する」「選ぶ」「購入する」という顧客の行動をデータで捉え、継続的に売上へ結びつけることを重視する。

同社によると、ECサイトの販売・運営を支える基盤が「W2 Commerce」であるのに対し、「W2 SmartHub」は、その上でデータとAIをつなぎ、メディア施策を売上につなげるAIエージェント基盤と位置付ける。

「W2 SmartHub」では、ECの商品、在庫、会員、購買データに加え、店舗POS、基幹システム、Webコンテンツ、SNSなどのデータも統合対象とする。AIはデータ分析にとどまらず、コンテンツの制作や公開といった実務も支援する設計だ。

接客AIエージェントの提供でEC体験を「One-to-One」の世界へ。W2がAIプラグインを公開
「W2 Commerce」と「W2 SmartHub」の機能群のイメージ

第3弾は11月予定、顧客ごとのペルソナを動的に生成

W2は今後、AIプラグインの機能を段階的に拡張する方針だ。第3弾は2026年11月をめどに提供を予定しており、顧客の行動・購買・閲覧データなどをもとに、顧客ごとのペルソナをAIが動的に生成する機能へと拡張するという。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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鳥栖 剛

ネット通販で酒を購入する“壁”は? 1位は「送料がかかる」で31%、2位は「実物を見て選べない」、3位は「味が好みに合うか不安」

1 週間 1 日 ago
ネット通販で酒を購入する“壁”は? 1位は「送料がかかる」で31%、2位は「実物を見て選べない」、3位は「味が好みに合うか不安」
シナブルが「酒類の購買行動と実店舗・オンラインの比較」に関する調査を実施。オンラインで酒を選ぶ際に参考になる情報は「味わい・香りの詳細な特徴」が39.6%で最多だった。購入をやめた理由では「送料が高かった」が23.9%で最多。
ohshima2026年10月28日

シナブルが実施した「酒類の購買行動と実店舗・オンラインの比較」に関する調査によると、オンラインショップで酒を購入する際の主なハードルは、「送料がかかる」「実物を見て選べない」「味が好みに合うか不安」だった。

調査対象は、調査回答時に酒を週に1回以上購入し、飲酒習慣がある20~60代の男女1024人。調査期間は8月26~27日。

オンライン購入の壁、最多は「送料がかかる」

オンラインショップで酒を購入する際のハードルは、最多が「送料がかかる」で31.1%、続いて「実物を見て選べない」が29.7%、「味が好みに合うか不安」が25.3%だった。

オンラインショップで酒を探している途中で購入をやめた理由は、「送料が高かった」が最多で23.9%、続いて「好みに合うかわからず不安になった」が14.8%、「商品数が多く、探すのに疲れた」が12.9%だった。

ネット通販で酒を購入する“壁”は? 1位は「送料がかかる」で31%、2位は「実物を見て選べない」、3位は「味が好みに合うか不安」
オンラインショップで酒を購入する際のハードルと途中で購入をやめた理由

オンラインショップで酒を選ぶ際、どのような情報があると参考になるかを聞いたところ、最も多かったのは「味わい・香りの詳細な特徴(甘口・辛口、フルーティーなど)」で39.6%、続いて「人気・売れ筋商品のランキング情報」が28.6%、「お得なキャンペーン・セール情報」が28.1%だった。

よく購入する酒、すべての年代で「ビール類」が最多

よく購入する酒の種類は、すべての年代で「ビール類(ビール、発泡酒、新ジャンルなど)」と「チューハイ・サワー」が上位2項目だった。「ビール類(ビール、発泡酒、新ジャンルなど)」は、30代で85.4%、40代は94.8%、50代は94.2%、60代は91.9%だった。

3位の項目に目を向けると、20代と60代では「焼酎(芋、麦など)」、30代と40代では「ハイボール」、50代では「ワイン(赤、白、スパークリングなど)」だった。

ネット通販で酒を購入する“壁”は? 1位は「送料がかかる」で31%、2位は「実物を見て選べない」、3位は「味が好みに合うか不安」
よく購入する酒の種類

ビール類、82.2%が決まった銘柄を選ぶ傾向

自宅で飲む酒類を購入する際の銘柄の決め方を見ると、ビール類では「大体決まっているがたまに変える」が52.1%で最多。「いつも同じ銘柄を買う」も30.1%となり、銘柄が固定されている割合が多かった。

チューハイ・サワーでも「大体決まっているがたまに変える」が41.0%で最も多く、「いつも同じ銘柄を買う」が16.7%だった。

一方、日本酒は「あまり決めておらず、その場の気分で新しい銘柄も選ぶ」が30.0%、「この酒類は購入しない」が39.9%。ワインでも「あまり決めておらず、その場の気分で新しい銘柄も選ぶ」が35.1%となった。

ウイスキー・ハイボールは「大体決まっているがたまに変える」が30.8%、「この酒類は購入しない」が35.8%だった。

ネット通販で酒を購入する“壁”は? 1位は「送料がかかる」で31%、2位は「実物を見て選べない」、3位は「味が好みに合うか不安」
購入する際の銘柄(ブランド)の決め方

酒を選ぶ決め手、20代は「店員のおすすめ・アドバイス」が最多

店舗で自分用の酒を選ぶ際、30代以上では「飲み慣れているブランド・定番感」と「価格・コストパフォーマンス」が上位を占めた。シナブルは「飲酒の習慣が長くなるにつれ、自分好みの定番ブランドが定着した結果と考えられる」と考察している。

一方、20代では「店員のおすすめ・アドバイス」が最多だった。シナブルは「20代は、専門的な知識を持つ店員の意見を参考にしながら、自分に合う新しい酒を選んでいることがうかがえる」と推測している。

また、3位の項目では、30代・40代が「パッケージ・缶・ラベルのデザイン」、50代・60代が「アルコール度数」と回答しており、年代によって商品を選ぶ際に重視する要素が異なった。

調査概要

  • 調査期間:2026年8月26~27日
  • 調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
  • 調査対象:調査回答時に酒を週に1回以上購入し、飲酒習慣があると回答した20~60代の男女1024人
  • 調査元:シナブル
  • モニター提供元:サクリサ

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

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大嶋 喜子

採用時の最低時給は平均1255円で前年比50円上昇。賃金引上が進むも賃上げ余力の低下が続く

1 週間 1 日 ago
採用時の最低時給は平均1255円で前年比50円上昇。賃金引上が進むも賃上げ余力の低下が続く
帝国データバンクの調査によると、都道府県別の最低時給は東京都が1410円で最も高く、鳥取県が1107円で最も低かった。事業を継続しながら支払える最低時給の上限は平均1275円で、採用時の最低時給を20円上回った。
ohshima2026年10月28日

帝国データバンクが全国2万2095社を対象に実施した「最低賃金に関する企業の実態調査」によると、企業が従業員を採用する際の最低時給は平均1255円だった。2026年度の最低賃金の全国加重平均1177円との差は78円となり、2024年の112円、2025年の84円から2年連続で縮小した。

採用時の最低時給は平均1255円、最低賃金との差は78円

正社員、非正社員を問わず、企業が従業員を採用する際の最低時給は平均1255円で、前年から50円上昇した。2026年度の最低賃金の全国加重平均1177円を78円上回る。

採用時の最低時給と最低賃金の差額は、2024年の112円から2025年は84円、2026年は78円となり2年連続で縮小。最低時給そのものは上昇する一方、最低賃金との差は縮まっている。

業界別では、「不動産」が1318円で最も高く、「サービス」が1296円、「建設」が1293円で続いた。一方、「農・林・水産」は1155円、「小売」は1172円、「製造」は1203円で、全体平均を下回った。

業種別では、「情報サービス」が1443円で最も高かった。企業からは、最低賃金の引き上げにともなう賃上げ原資や、値上げによる売れ行きへの影響についての声があがったという。

採用時の最低時給は平均1255円で前年比50円上昇。賃金引上が進むも賃上げ余力の低下が続く
最低賃金(円)と最低時給(円)

都道府県別の最低時給、東京都が1410円で最高

都道府県別の最低時給は、東京都が1410円で最も高く、神奈川県が1381円、埼玉県が1322円、大阪府が1318円と続いた。一方、最も低かったのは鳥取県の1107円で、秋田県が1119円、鹿児島県が1123円だった。東京都と鳥取県では303円の差があり、採用時の最低時給には地域によって大きな開きがある。

最低時給と最低賃金の差額は、東京都が130円で最も大きく、埼玉県が126円、福井県が121円と続いた。一方、鳥取県は17円、秋田県は29円、徳島県と鹿児島県はそれぞれ33円だった。帝国データバンクは「東京の近隣県では、最低時給を東京の水準に合わせないと人が集まらないため、差額が大きくなる傾向となっている可能性がある」と分析している。

企業が支払い可能と考える最低時給の上限は平均1275円

企業が事業を継続しながら支払うことが可能な最低時給の上限は平均1275円で、採用時の最低時給1255円を20円上回った。帝国データバンクは「両者の平均額は近く、企業の採用時給が、企業自身が想定する最低時給の上限に近い水準となっている可能性が示された」と考察している。

上限額を「1200円台以下」とした企業は52.8%と半数を超えた一方、「1500円以上」は14.4%だった。帝国データバンクは、政府が掲げる全国平均1500円と、企業が事業を継続しながら支払えると考える水準との間に隔たりがあるとしている。

最低賃金の引き上げペース、「速すぎる」が42.3%

近年の最低賃金の引き上げペースについて聞いたところ、「速すぎる」が42.3%で最も多く、「妥当である」が34.4%、「分からない」が17.1%、「遅すぎる」が6.2%だった。2024年以降、最低賃金は毎年50円を超える引き上げが続いており、4割超の企業が現在のペースを速いと受け止めている。

業界別では、「速すぎる」が「小売」で58.9%と最も高く、続いて「農・林・水産」が56.9%、「運輸・倉庫」が51.5%、「製造」が50.4%と続き、4業界で半数を超えた。

一方、「建設」では「妥当である」が43.0%となり、「速すぎる」の29.3%を13.7ポイント上回った。

採用時の最低時給は平均1255円で前年比50円上昇。賃金引上が進むも賃上げ余力の低下が続く
近年の最低賃金の引き上げペースについて

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[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

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大嶋 喜子

AIエージェント、買い物体験の改善、海外販売、アプリ運用まで! ストライプジャパン、メグリが明かす「成果につながるゴール設計」【11/5・6 リアルセミナー開催】

1 週間 1 日 ago
AIエージェント、買い物体験の改善、海外販売、アプリ運用まで! ストライプジャパン、メグリが明かす「成果につながるゴール設計」【11/5・6 リアルセミナー開催】matsumura2026年10月28日イベント・セミナー

11月5日(木)・6日(金)の2日間、東京・赤坂インターシティコンファレンスで、大型リアルイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2026 秋」を開催します。アスクル、アルビオン、ファンケル、ユナイテッドアローズ、マドラス、LINEヤフー、楽天グループ、ヨドバシグループのトレンドキャスケット、イズミセなどが登壇。AIエージェントを活用したEC運用事例、ECモールで勝ち残る方法、顧客体験向上施策、AI時代の検索&集客セオリー、BtoBにおけるAI×データ活用などさまざまなセッションをご用意! 全公演無料で聴講できます(事前登録制)。まだお申し込みをしていない人のために、編集部おすすめコンテンツの見どころを紹介します。

見どころ⑭ 人とAIの「買いたい」を売上につなぐStripe Payments デジタルクロスボーダーで世界の顧客へ

11月6日(金)12:30~13:10 C2-3 ランチセッション

EC事業には今、異なる2つの変化が訪れています。1つは、AIエージェントが商品やサービスを探し、比較し、購入を支援することで、購買接点そのものが変わること。もう1つは、デジタルクロスボーダーによって、国内にいながら世界の顧客へ販売できる機会が広がることです。

セッションではStripe Paymentsを軸に、前半で、人とAIエージェント双方の購入を支える決済基盤について解説します。後半ではテーマを切り替え、海外販売で求められる通貨、決済手段、認証、購入体験、販売運用を取り上げます。AIとクロスボーダーを混同せず、それぞれの成長機会に対して何を準備すべきかを持ち帰れる40分です。

ストライプジャパン株式会社 ソリューションアーキテクト 北爪 ゆう氏

カスタマーサイドエンジニアとしてのキャリアを持ち、現在ストライプジャパンではソリューションズアーキテクトとして従事。前職のSysdigではテクニカルアカウントマネージャー、Engine Yardではサポートエンジニアを経験。Yahoo! JAPANやPankaku Inc.ではウェブ開発とインフラ運用を担当。バックエンド、フロントエンド開発、インフラ運用の幅広い技術知識を活用し、最適なソリューション設計の提供に努めている。

見どころ⑮ そのアプリ、何のために続けていますか? KPIツリーで考える、量販店アプリのゴール設計

11月6日(金)12:30~13:10 D2-3 ランチセッション

アプリを導入したものの、費用に見合う成果が出ない、利用が伸び悩む、運用が現場の負担になっている――。多くの場合、その原因は導入時に「何のためのアプリか」が十分に設計されていなかったことにあります。セッションでは、アプリベンダーの立場から、アプリのゴール設計について解説します。

メグリ株式会社 マーケティング・セールス部 シニアアカウントマネージャー 磯崎 幸一氏

スーパー、ホームセンター、ドラッグストア等、チェーンストア業界のセールスを担当。2013年中小企業診断士登録。

matsumura

購買でのAI利用は全世代へ、20代男性では45%が利用。活用は多くの商品カテゴリーで拡大、特に電化製品・インテリアで高まる

1 週間 1 日 ago
購買でのAI利用は全世代へ、20代男性では45%が利用。活用は多くの商品カテゴリーで拡大、特に電化製品・インテリアで高まる
電通デジタルの調査によると、購買行動におけるAI活用は全世代で拡大し、20代男性では利用経験率が45.3%に達した。商品カテゴリー別でもAI活用は広がっており、特に電化製品やインテリアで伸びが目立っている。
furukawa2026年10月28日

電通デジタルは10月27日、生活者の購買行動に関する「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査2026」の結果を公表した。購買行動でのAI活用は男女の全世代で前年から拡大し、20代男性では45.3%が利用を経験。商品カテゴリー別では、電化製品やインテリアでAIによる商品提案や商品説明・レビューなどの活用が広がった。一方、生活者の節約志向も強まっており、価格だけでなく、情報収集のしやすさや利便性、安全性などを踏まえて買い方を選ぶ傾向が見られた。

調査は2022年から実施しているもので、今回が5回目。主要13カテゴリー29商品を対象に、認知、比較検討、購買、購買後の各フェーズで、生活者がどのようなチャネルに接触し、行動しているかを調べた。

購買でのAI利用は全世代で拡大、20代男性の45.3%が経験

購買行動におけるAI活用サービスの利用経験は、男女の全世代で前年から上昇した。

購買でのAI利用は全世代へ、20代男性では45%が利用。活用は多くの商品カテゴリーで拡大、特に電化製品・インテリアで高まる
購買行動におけるAI活用サービスの利用経験は男女全世代で前年から上昇

男性では、20代が前年比5.9ポイント増の45.3%、30代が同5.7ポイント増の37.1%、40代が同6.2ポイント増の30.1%。女性では20代が同9.3ポイント増の32.9%と、若年層を中心に利用が広がっている。60代でも男性は同2.4ポイント増の14.9%、女性は同2.3ポイント増の13.7%となり、利用経験者は男女ともに1割を超えた。

今後の利用意向を示した割合も、すべての年代で3割を超えた。

購買でのAI利用は全世代へ、20代男性では45%が利用。活用は多くの商品カテゴリーで拡大、特に電化製品・インテリアで高まる
今後のAI利用意向を示した人はすべての年代で3割超に

商品カテゴリー別のAI活用状況は家電製品が高水準、インテリアは伸びが顕著

商品カテゴリー別の調査内容では、AI活用の領域として「商品提案・レコメンド」「FAQへの自動応答や問い合わせ対応」「商品説明・レビュー」のそれぞれで拡大した。

特に電化製品では、「商品提案・レコメンド」が14.3%、「FAQへの自動応答や問い合わせ対応」が12.1%、「商品説明・レビュー」が15.4%となり3項目すべてで他カテゴリーを上回る高い水準を示した。インテリアでは前年から顕著な伸びを示し、「商品提案・レコメンド」が前年比5.1ポイント増の8.7%、「商品説明・レビュー」が同4.7ポイント増の10.3%と、前年から大きく伸びた。

購買でのAI利用は全世代へ、20代男性では45%が利用。活用は多くの商品カテゴリーで拡大、特に電化製品・インテリアで高まる
商品カテゴリー別のAI活用状況は家電製品が高水準、インテリアは伸びが顕著

節約志向が強まる一方、利便性や安全性も重視

2026年に増加傾向が見られた購買行動では、「クーポンやポイントなど『お得さ』を重視する」が31.4%、「家計の支出を意識して抑える」が25.6%となり、節約志向の高まりが目立った。

購買でのAI利用は全世代へ、20代男性では45%が利用。活用は多くの商品カテゴリーで拡大、特に電化製品・インテリアで高まる
購買行動は節約志向が強まる一方で利便性や安全性も重視

一方、「生成AIツールを使う」は12.2%、「ECサイトで購入時に受取日時を指定する」は11.9%、「商品自体の安全性を確かめる」は11.5%、「フリマアプリ・中古市場を利用する」は9.9%だった。

電通デジタルは、生活者が単に安さを求めるのではなく、利便性や情報活用、安全性なども踏まえ、自分にとって最適な買い方を選ぶ「買い方の最適化」が進んでいると分析している。

比較検討でオンラインの存在感が高まる

認知、比較検討、購入の各フェーズにおけるオンライン比率は、2022年と比べていずれも上昇した。一方、直近1年ではおおむね横ばいとなっている。

購買でのAI利用は全世代へ、20代男性では45%が利用。活用は多くの商品カテゴリーで拡大、特に電化製品・インテリアで高まる
比較検討でオンラインの存在感が高まる

「比較検討」は55.6%で、2022年比でみると5.6ポイント増と最も大きく伸びた。「認知」は同3.8ポイント増の39.2%、「購入」は同2.6ポイント増の32.4%だった。商品を知る段階や購入する段階に比べ、比較検討でオンラインの存在感が特に高まっている。

購入後サポートには引き続き課題

購入後サポートでは、生活者の期待と実際の対応とのギャップは全体として縮小傾向にあるものの、「問い合わせ窓口の対応」や「24時間サポート」では依然として差が残った。返品・交換など、トラブル発生時の対応にも課題がある。

購買でのAI利用は全世代へ、20代男性では45%が利用。活用は多くの商品カテゴリーで拡大、特に電化製品・インテリアで高まる

電通デジタルは、「困ったときにスムーズに解決できるサポート体験」の充実が引き続き必要だとしている。

EC・通販事業者にとっては、販売時の利便性だけでなく、購入後の問い合わせ対応や問題解決のしやすさも、継続利用や信頼形成を左右する要素となる。比較しやすい商品情報や柔軟な受け取り体験に加え、購入後も安心できるサポート体制を整えることが重要になりそうだ。

調査概要

  • 調査タイトル:「EC・店頭をまたぐ購買行動実態調査2026」 
  • 調査手法:インターネット調査
  • 調査時期:2026年5月22~24日
  • 調査エリア:全国
  • 調査対象:20〜69歳、1万人(スクリーニング調査)、8700人(本調査) 
  • 調査主体:電通デジタル

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

なぜマーケットプレイスはAIに選ばれるのか。AIに「見つからない」ECサイトからの脱却

1 週間 1 日 ago
なぜマーケットプレイスはAIに選ばれるのか。AIに「見つからない」ECサイトからの脱却uchiya-m2026年10月28日ネットショップ担当者フォーラム 2026 セミナーレポート
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AIエージェントが消費者に代わって購買行動を行う「エージェンティックコマース」の到来が目前に迫るなか、EC事業者にはこれまでのECサイト運営にとどまらず、事業戦略そのものを変革する抜本的な対応が求められている。欧米の小売企業では自社の役割やポジションを再定義し、サイトの内外の両面でAI対応を推し進めることで成果をあげる企業も登場しつつあるという。Miraklの内藤 誓力良氏が、エージェンティックコマース時代に向けた事業戦略について、グローバルの最新動向を解説した。

Mirakl マーケティング シニアマーケティングマネージャー 内藤誓力良氏

「エージェンティックコマース」とは?

「エージェンティックコマース」とは、AIエージェントが消費者に代わって行動するデジタルコマースの形態を指す。消費者の目的、好み、条件に基づき、商品の発見、比較、購入、さらには購入後の管理までを自律的に処理するプロセス全般の総称である。

AIエージェントは商品の発見、比較、購入までを担う購買行動の新たなインターフェースになりつつある
AIエージェントは商品の発見、比較、購入までを担う購買行動の新たなインターフェースになりつつある(出典:バージニア大学ダーデン・スクール・オブ・ビジネスによる米国消費者を対象とした調査をもとにMirakl作成/2025年6月)

AI時代における購買行動の「Discover」「Evaluate」「Purchase」という3段階のプロセスは、いずれもAIエージェントを前提とした動きへ移行しつつある。これらのプロセス全体を総称したものがエージェンティックコマースとされる。(内藤氏)

Mirakl マーケティング シニアマーケティングマネージャー 内藤誓力良氏
Mirakl マーケティング シニアマーケティングマネージャー 
内藤誓力良氏

従来、消費者の購入を後押しするものといえば、家族や友人からのおすすめというのが一般的だったが、2025年冬の調査では「AIのアドバイスをより重視する」消費者が多いというデータが示された。

消費者が購入する際に信頼する情報ソース
消費者が購入する際に信頼する情報ソース(n=330/グローバル調査、出典:Conveo「2025 AI-Powered Shopper Study」)

この変化は海外のみならず、国内の大手ECプラットフォームでも生じている。「Yahoo!ショッピング」では、2026年2月からサイト内でAIエージェントを提供したところ、利用率が急伸。AI経由の売り上げ比は20%を超えているという。

さらに米国の調査では、LLM(大規模言語モデル)経由のトラフィックが、2028年頃に従来のキーワード検索経由のトラフィックを上回ると予測されている。

LLMと従来の検索トラフィックの推移予測
LLMと従来の検索トラフィックの推移予測(出典:Semrush「Impact of AI Search on SEO Traffic 2025」)

2028年から逆算すると、EC事業者に残された準備期間は残り約1年半ということになる。欧米のみならず日本の多くの小売企業もすでにこの変化を見据えている。Adyenが日本の小売事業者を対象に行った調査(「Adyen Index 2026」)によると、「今後2年間でエージェンティックコマースへの投資を検討している」と回答した企業はほぼ100%に達した。

エージェンティックコマースの実現を阻む3つの障壁

一方で、エージェンティックコマースの実現に向けては、現在いくつかの障壁がある。内藤氏は、解決すべき足元の障壁は大きく3つに集約されると指摘する。

① AI時代に対応しきれていないデータ設計
② 技術的な難易度が高い各LLMとの連携
③ 分断される顧客の購買体験

障壁① AI時代に対応しきれていないデータ設計

LLMが検索の主流となりエージェンティックコマースが普及する環境下において、消費者の購買プロセスにおける検索行動には構造的な変化が生じるだろう。

たとえば、在宅勤務中に暑くて集中できず、暑さ対策ができる商品を探している場合、従来のECでは「暑さ 在宅 おすすめ」といったキーワード検索から始まる。結果に表示された商品を、消費者自らが価格やデザイン、配送日などでフィルタリングを行ない、絞り込んでいくという流れが主流だった。

それがエージェンティックコマースへ移行すると、ユーザーはキーワードではなく、解決したい課題そのものを文脈とともにLLM上で検索する。結果として、対話文形式の入力に対しAIが単一の商品カテゴリにとどまらない幅広い提案を行う。先ほどの例で言うと、室内の冷房機器だけでなくネッククーラーやジェルクッションなど、異なるカテゴリの商品が同時に提示され、対話を通じて絞り込みが進められる。

オンラインでの買い物は、キーワード検索からインテント(意図)での対話へ
オンラインでの買い物は、キーワード検索からインテント(意図)での対話へ

これまではユーザー自身がキーワード検索し、表示された商品をフィルタリングするアルゴリズムの世界だった。これからはAIとの対話を通じて、ユーザーの文脈や真の意図(intent)が掘り下げられた上で、ECサイトへ送客される仕組みへと変化している。(内藤氏)

しかし実際には、多くのECサイトはAIに認識される状態になっていない。米国のECサイトを対象に調査したAdobeのデータによると、現在のECサイトのうち34%の商品はAIに認識されていないという(出典:Adobe『アドビレポート:米国の小売企業でAIトラフィックが急増、しかし機械の可読性に対応できていないWebサイトが多数』)。

対応が進む米国でも2026年時点でこの状態であり、ECサイトがAIに見つけられるデータ構造になっていない点が、エージェンティックコマースにおける1つ目の大きな障壁となっている。

障壁② 技術的な難易度が高い各LLMとの連携

2つ目の壁は、LLMとの連携の難易度が高いことである。OpenAIは2025年9月、「ChatGPT」内で買い物を完結させる「インスタントチェックアウト」を発表したが、2026年3月にはそれを撤回し、小売企業と連携する方向へと方針を変更した。

撤回の背景にあるのが、購入に伴う処理の複雑さだ。価格の正確性、セール価格の反映、送料無料ラインの適用をはじめ、在庫状況や指定日時の配送確認、店舗受取、ポイントや会員ランクの付与、さらには返品・返金対応、保証ポリシー、領収書の発行など、購入にはさまざまな対応が求められる。

AIに選ばれ、取引が成立するには「正確なオファー」の提示が必要
AIに選ばれ、取引が成立するには「正確なオファー」の提示が必要

こうした要件の複雑さから、OpenAIはチャット内での完結を断念し、小売企業との連携へと舵を切ったと言われている。

障壁③ 分断される顧客の購買体験

3つ目の壁は、消費者の購買体験の分断である。先に、日本の小売企業のほぼ100%がエージェンティックコマースに対して投資を検討しているという調査結果について触れたが、同じ調査の消費者向けアンケートでは「AIアシスタントに購入を委ねることに抵抗がある」と回答した消費者も6割を超えている。

これは検索での利用は許容しても、購入まではまだ任せられない、と考える消費者が相当数いるということだ。背景にあるのは、商品情報、在庫、価格等の正確性に対する懸念だろう。今のECサイトでは当たり前になっている情報の正確性が、LLMでも同じレベルで担保されなければ、消費者の購買体験はLLMとECサイトで大きく分断されてしまう。(内藤氏)

エージェンティックコマースへの対応はサイトの「内」と「外」から

エージェンティックコマース時代を迎えるにあたり、小売企業はこうした障壁に対してどう備えればいいのか。内藤氏は大きく2つのアプローチがあると語る。

1つ目はサイト外のAI施策。「AIにどう選ばれるか」を中心に考えるアプローチで、「GEO(Generative Engine Optimization)」や「AIO(AI Optimization)」と呼ばれる。2つ目はサイト内のAI対応であり、訪れた顧客に対してAIが接客を行い、購買体験を高める取り組みだ。

サイトの外とサイトの中。2つの取り組みは、エージェンティックコマースへの備えとして同時並行で進めていく必要がある。(内藤氏)

すでに成果をあげている企業の1つが、オーストラリア最大手百貨店のマイヤー(Myer)だ。マイヤーは早期からMiraklの支援でマーケットプレイス事業を展開し、GEOへの投資も積極的に行っていた。

マイヤーにおけるLLM経由のトラフィック(図左)とAIアシスタントの月別売上(右)
マイヤーにおけるLLM経由のトラフィック(図左)とAIアシスタントの月別売上(右)

その結果、図の左側にあるように、サイト外の対策によってLLM経由のトラフィックが急増し、コンバージョンレートは他流入元の約2倍を記録している。また、右図の通り、サイト内のAIアシスタントも売上増に寄与しており、その売上には「ChatGPT」経由の流入が多く含まれる。サイト内外双方の取り組みが成果につながった好例と言える。

LLMに選ばれるために重要な3つの要素

では、実際にAIに選ばれるために何をすればいいのか。内藤氏は次の3つをあげる。

①商品情報の整備

GEOなど、AIに選ばれるためのサイト外対策では、充実かつ整った商品情報が重要だ。すなわち情報の量と質の両面が求められ、個々の商品の情報量、正確性、網羅性に加え、当然ながらサイト内の掲載商品数自体も評価の対象となる。

これまでのデータ整備の積み重ねが結果に影響することを意味し、基本に立ち返ることの重要性を示している。商品データの早期整備は最優先事項である。(内藤氏)

②GEO施策

次にGEO施策があげられる。これはメタデータに代表される、人間の目に見えないバックエンド側のデータを最適化し、AIがより読みやすい構造に整える取り組みである。レビューやコメントデータも最適化の対象に含まれる。

ただし、前提となる商品情報の整備が不十分な状態でメタデータの最適化を行っても成果には結びつきにくい。必ず商品情報の整理・充実を完了させた上でメタデータの最適化へと進む必要がある。

③エージェントカタログフィード

最終段階となるのが「エージェントカタログフィード」である。エージェントカタログフィードとは、商品情報に加えて価格、在庫、返品などのポリシー情報までを構造化し、AIプラットフォームが直接取り込める形式で提供する仕組みだ。データ構造を保持したままAPI連携を最適化させることで、AIによる商品の検索や比較、さらには取引の自動化を可能にする。米国では先進的な事業者による対応が始まっているものの、普及には一定の時間を要すると見られている。

必ず①、②、③の順番でやるべきだというのがグローバルで成果を上げている企業に共通する考え方。①ができていない状態で②をやっても砂上の楼閣。お客さまは来るけれど買ってもらえないという状況になるので、この順番が非常に重要である。(内藤氏)

マーケットプレイスはGEOに「効く」

Miraklのグローバル研究チームは、特定のカテゴリを対象に、「ChatGPT」上で約2000キーワードを用いて、商品の検索順位や表示頻度を調査した。比較したのは米国で専門特化のマーケットプレイスを運営する大手小売企業と、Walmart、Amazon、Targetといった大手プラットフォーマーだ。この調査の結果、専門特化型のマーケットプレイスを運営する大手小売企業は、「ChatGPT」の検索結果に商品が表示される割合と、最上位に推奨される割合の両方で、大手プラットフォーマーを上回った。

専門特化型の小売企業は、「ChatGPT」上での表示割合と表示順の両方で、大手プラットフォーマーを上回る(Miraklによる調査)
専門特化型の小売企業は、「ChatGPT」上での表示割合と表示順の両方で、大手プラットフォーマーを上回る(Miraklによる調査)

自社商品のみを取り扱う場合の表示割合が69.35%であったのに対し、マーケットプレイスを導入して他セラーの商品を追加し、カテゴリ内の商品数と在庫を拡充したことで表示割合が約24ポイント上昇した。

マーケットプレイスの導入は単に表示割合を高めるだけでなく、1位として推奨される確率も4.7ポイント引き上げる。このデータは、マーケットプレイスの展開自体が自然とLLM対策につながることを示している。(内藤氏)

「ChatGPT」におけるマーケットプレイスの補完効果(Miraklによる調査)
「ChatGPT」におけるマーケットプレイスの補完効果(Miraklによる調査)

マーケットプレイスは複数事業者が出品し、1つのECサイト上で多種多様な商品を展開する構造を持つ。品ぞろえや在庫の多さが強みになるのは当然だが、他社セラーが出品を行うため、商品データの網羅性に加え、事業者ごとに異なる表記を整理・統一する標準化が不可欠となる。たとえば同じカテゴリの商品が、「パンツ」「ショートパンツ」「ズボン」など事業者ごとに異なる表記で登録されるケースだ。

商品数やバリエーションの多さ、蓄積されたデータは、AIに好まれるデータ構造の構築に役立つだけでなく、購買体験の向上に直結する。また、LLMは小売ブランドの信頼性を評価対象としており、すべてのカテゴリを扱う大手プラットフォーマーと比較して、特定分野に特化した専門事業者が運営するマーケットプレイスは、信頼性の面で優位と言える。(内藤氏)

コマースの進化を支援するMiraklのソリューション

Miraklはフランス・パリに本社を置く創立約14年のユニコーン企業で、マーケットプレイスを実現するSaaSプラットフォームを提供し、2022年5月に日本へ進出した。顧客数は450社を超え、国内ではニトリや阪急阪神百貨店などに導入されている。

Miraklは創業以来のコアソリューションとして「Mirakl Marketplace & Dropship」を展開している。導入した小売企業は、多様な出店者を招き入れ、在庫リスクなく自社サイトで品揃えを拡大することが可能となる。

Miraklが提供するソリューションの概要
Miraklが提供するソリューションの概要

周辺ソリューションとして、出品者による広告出稿でリテールメディア化を推進する「Mirakl Ads(ミラクルアズ)」、プラットフォームと出店者をマッチングする「Mirakl Connect(ミラクルコネクト)」、AIで商品カタログデータを拡充する「Mirakl Catalog(ミラクルカタログ)」などをそろえる。

さらにOpenAIやStripeなどのグローバルパートナーとの連携も進めている。海外ではすでに展開しているLLM向けのGEOソリューションも、日本での提供に向けて準備が進んでいる。今後の日本市場での展開にも注目したい。

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大村 マリ

フリーランス(広報・ライター・ECコンサルetc)

デザインコンセプトストア「SO ARE WE」共同創業者。

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経済産業省、中小企業・小規模事業者向け「サイバーセキュリティ特別相談窓口」を設置

1 週間 1 日 ago
経済産業省、中小企業・小規模事業者向け「サイバーセキュリティ特別相談窓口」を設置
経済産業省は、中小企業・小規模事業者向けの「サイバーセキュリティ特別相談窓口」を全国の「よろず支援拠点」と中小機構の「IT経営サポートセンター」に設置した。プッシュ型の情報提供も始め、相談体制の強化と既存支援策の活用を後押しする。
furukawa2026年10月28日

経済産業省は10月27日、中小企業・小規模事業者向けの「サイバーセキュリティ特別相談窓口」を設置したと発表した。相次ぐサイバー攻撃による大規模な情報漏えい被害を受けた対応で、全国の「よろず支援拠点」と、中小企業基盤整備機構(中小機構)の「IT経営サポートセンター」で無料相談を受け付ける。

あわせて、商工団体や金融機関、税理士などの支援機関を通じ、中小企業・小規模事業者へのプッシュ型の情報提供も開始する。サイバー攻撃への備えや、被害発生時の初動対応について相談しやすい体制を整える。

経済産業省、中小企業・小規模事業者向け「サイバーセキュリティ特別相談窓口」を設置
経産省が案内する中小企業・小規模事業者のサイバーセキュリティ対策のまとめ(画像は公表資料から編集部がキャプチャ)

今回の措置は、高市早苗総理が10月26日の「サイバーセキュリティに関する関係閣僚会議」で、IPA(情報処理推進機構)や警察の相談対応の充実、民間機関や地方自治体との連携強化を通じて「どこに相談しても必要なサポートを得られる体制」を整えるよう指示したことを踏まえたものと見られる。あわせて、赤沢亮正経済産業大臣に対し、中小企業や小規模事業者が「サイバーセキュリティお助け隊」を十分に活用できるよう体制や支援策の拡充を速やかに検討すること、相談窓口の抜本的な拡充、プッシュ型での情報提供を進めるよう求めていた。

全国の「よろず支援拠点」と「IT経営サポートセンター」に窓口を設置

特別相談窓口は10月27日付で、全国47都道府県の「よろず支援拠点」と、中小機構が運営する「IT経営サポートセンター」に設置した。いずれも無料で利用できる。

「よろず支援拠点」は、国が全国47都道府県に設置している経営相談窓口。売上拡大や資金繰り、IT活用など幅広い経営課題に対応している。今回の特別相談窓口では、IT活用や情報セキュリティを含む経営課題について相談を受け付ける。サイバーセキュリティ対策の進め方や、被害発生時の相談先などを案内し、必要に応じて専門家や関係機関につなぐ。相談は何度でも無料で利用できる。

「IT経営サポートセンター」は、中小機構が運営するオンライン相談窓口。ITやデジタル活用の専門家が、情報セキュリティ対策を含むIT関連の悩みに助言する。具体的には、情報セキュリティ対策やリスクの整理、情報資産の管理、管理体制の構築などを支援する。オンライン相談は1回60分で、何度でも無料で利用できる。なお、10月27日時点の公式案内では、情報セキュリティに関する緊急相談向けの専用電話窓口も案内している(電話番号:03-5860-1869、受付時間:平日9時00分~17時00分)。

ガイドラインや導入費用の補助も案内

経産省は、特別相談窓口の設置にあわせ、中小企業向けの既存支援策の活用も呼びかけている。

IPAが公開する「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」では、情報セキュリティ基本方針のひな形や規程類のサンプルのほか、自社の対策状況を確認できる「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」などを提供している。

実務面の支援策として、「サイバーセキュリティお助け隊」の活用も選択肢となる。中小企業向けに、相談窓口、システム異常の監視、緊急時の対応支援、簡易サイバー保険などをワンパッケージで提供するサービスだ。

また、経産省は「デジタル化・AI導入補助金 セキュリティ対策推進枠」を通じた「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の導入費用補助も案内している。補助対象は最大2年分の利用料で、補助上限額は5〜150万円。補助率は中小企業が2分の1、小規模事業者が3分の2となっている。

サイバー被害時の初動対応から平時の対策まで支援

今回の特別相談窓口は、被害を受けた企業の初動対応を支援するだけでなく、平時からの予防的な対策相談にも対応するものだ。中小企業・小規模事業者では、専任の情報システム担当者を置いていないケースも多く、「何から対策すればよいか分からない」「被害に遭ったときにどこへ相談すべきか分からない」といった課題を抱えやすい。

EC・通販事業者も、会員情報や住所、決済情報、受注情報など、多くの顧客データを扱う一方、セキュリティの専任人材を十分に確保できていない企業は少なくない。今回の窓口整備により、被害発生時の相談に加え、日常的なリスクの洗い出しや対策の優先順位付け、支援サービスの活用検討なども進めやすくなりそうだ。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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GMV26倍+売上高10億円超のスキンケアブランド「Advanced Clinicals(アドバンスドクリニカルズ)」。約6.3人でブランド運営を成功させるAI活用法​​

1 週間 1 日 ago

EC支援やブランド事業を展開するAnyMind Group(エニーマインドグループ)が日本の総代理店を務める米国発スキンケアブランド「Advanced Clinicals(アドバンスドクリニカルズ)」が、ECと店舗を横断して急成長している。2025年9月にはGMV(流通取引総額)が前年同月比26倍に伸長。2025年から2026年にかけても前年比2倍以上の成長を続け、足元の売上規模は10億円を超えたという。こうした成長を支えているのが、わずか約6.3人という少人数体制と、ブランド運営全体に組み込まれたAI活用だ。内田直希氏(ブランドコマース事業部長 兼 社長室長)と、伊東朋希氏(Brand Commerce Associate Brand Manager)に、運営の実態を聞いた。

なぜ6.3人で運営できるのか? 役割統合と組織構造のイノベーション

AnyMind Groupは、ECマネジメントプラットフォーム「AnyX」、インフルエンサーマーケティングプラットフォーム「AnyTag」、グローバル物流プラットフォーム「AnyLogi」、会話型コマースプラットフォーム「AnyChat」などを展開し、ブランド企業の成長をソーシャル、EC、物流、顧客対応まで横断的に支援している。ツール提供にとどまらず、ブランド運営も手がけ、戦略設計から実行、改善まで一気通貫で担う点が特長だ。こうした支援事業で生かしたノウハウなどを生かし、ブランド運営事業にも注力している。

「Advanced Clinicals(アドバンスドクリニカルズ)」は、米シカゴ発のスキンケアブランド。25年以上の研究開発経験をベースに、「誰でも購入しやすい価格で、高品質なスキンケアを届ける」という考え方の下、ボディクリーム、美容液、ヘアケアなどを展開している。

「アドバンスドクリニカルズ」の商品ラインアップ。日本では20~40代の女性がメインユーザー層だ(画像提供:AnyMind)
「アドバンスドクリニカルズ」の商品ラインアップ。日本では20~40代の女性がメインユーザー層だ
(画像提供:AnyMind)

AnyMindが2024年から日本における公式総代理店となり、日本市場での展開を本格化した。販売チャネルは「Qoo10」「Amazon.co.jp」「楽天市場」「TikTok Shop」、自社ECへと広がり、「PLAZA」などオフラインでも販路を拡大している。

主要3大バラエティショップ(LOFT、PLAZA、@cosme STORE)ではベストコスメを獲得。「ロフト ベストコスメ2025」「@cosmeベストコスメアワード2025」「PLAZA THE BEST HIT COSMETICS 2025」を受賞した。さらに「Qoo10 MEGA BEAUTY AWARDS 2026 上半期」では「レチノールアドバンスドファーミングクリーム」がボディケア部門1位を獲得している。

2024年から2025年にかけて大きく売り上げを伸ばし、2025年から2026年にかけても前年比2倍の成長を続けているという。

共通化と個別対応の領域を分け、少人数で運営可能な体制を構築

そのブランド運営を担うのが約6.3人のチームだ。専任は伊東氏のみで、そこに全体を統括する内田氏、法人営業、サプライチェーン、EC運営、PR・SNS・インフルエンサー施策、クリエイティブ、バックオフィスなどが関わる。企業やブランドの規模によって異なるが、ブランド運営を役割統合とオペレーションの再設計によって圧縮しているのだ。

少人数でも右肩上がりの成長を実現するポイントは、すべての業務をブランド専用で抱え込まないことだという。

サプライチェーン、物流、申請業務などは他ブランドと共通化し、共通機能として運用する。一方、ブランド固有の戦略や意思決定、各部門とのハブ機能は専任性を高める。「共通化すべき領域」と「ブランドごとに個別対応すべき領域」を切り分けることで、少人数でも運営できる体制を構築している。

海外ブランドの日本展開では、商習慣や規制の違いへの対応も必要になる。パッケージやラベルの変更、成分規制、小売りごとに異なる基準など、オフライン流通には細かな調整が伴う。

こうしたなかで、影響範囲が大きく取り返しのつかない判断は慎重に行う。それ以外の業務はスピードを重視しているが、「スピードを意識しつつも、コミュニケーションをおろそかにしない・お互いが納得して動き出すという文化づくりをしている」(内田氏)

AnyMindには「Move faster」というカルチャーがあるが、単に速く進めればいいわけではない。影響範囲が大きく、取り返しがつかない意思決定は慎重に行う。スピードと精度、安全性のバランスが重要だと考えている。(ブランドコマース事業部長 兼 社長室長 内田直希氏)

ブランドコマース事業部長 兼 社長室長 内田直希氏
ブランドコマース事業部長 兼 社長室長 内田直希氏

ブランドの業務を専任の伊東氏に集約する体制ではあるが、「ブランドの年間戦略や方針はチームメンバーにすりあわせを行っている。大きなズレが生じないよう、全員の認識がそろった上で各業務を遂行する」(伊東氏)ことを意識している。

売上急成長の背景には「TikTok Shop」起点のOMO戦略

少人数体制で運営効率を高めながら、売上成長につなげるうえで重視したのが、SNSとEC、店舗を分断しない販売設計だ。

日本上陸当初の課題は、ブランド認知と販路の不足だった。SNS施策は行っていたものの、SNS上の反応がEC売上や実店舗での購買にどこまでつながっているかを正確に測ることが難しかった。

そこでAnyMindは、海外で先行していた「TikTok Shop」の事例や、SNS発の話題がモールや店頭へ波及する「スピルオーバー」に着目。日本では「TikTok Shop」を起点にした施策への投資を強めた。

「アドバンスドクリニカルズ」の「TikTok Shop」(画像はTikTokよりキャプチャ)
「アドバンスドクリニカルズ」の「TikTok Shop」(画像はTikTokよりキャプチャ)

「TikTok Shop」を重視した理由は3つある。1つ目は若年層への接触力、2つ目は再生数やエンゲージメントだけでなく購買指標まで比較的ダイレクトに見られること、そして3つ目がTikTok上で生まれた話題が「Qoo10」「Amazon.co.jp」「楽天市場」、オフライン店舗にも波及しやすいことだ。「SNSを伸ばすこと自体が目的ではなく、ECモールや店頭まで含めてどう売り上げにつなげるかを見ていた」(内田氏)

SNSで生まれた話題を各売り場につなげるため、ECモールでは顧客属性やイベント特性に合わせて訴求を変えている。たとえば「Qoo10」の「メガ割」、「Amazon.co.jp」の「Amazonプライムデー」といった大型セール、「楽天市場」の販促タイミングなど、それぞれに合わせて施策を設計する。

オフライン展開はブランドの魅力を伝えられる店舗に絞り込み

オフラインでは、単純に出店店舗数を増やすのではなく、ブランドの魅力が伝わる陳列や棚位置、POP展開ができる小売先に絞り込む。SNSでの実績を営業現場からバイヤーへ伝え、店頭販促につなげる取り組みも進めた。

以前はさまざまな店舗に出店していたが、それではブランドの認知拡大にうまくつなげられなかった。こうした経験もあり、闇雲に広く商品を置くのではなく、什器や棚位置も含めてブランドの良さが伝わる売り場を選ぶことが重要だと実感した。SNSで話題になっていることを小売り側にしっかり伝えると、店頭施策にもつながりやすくなる。(内田氏)

POSデータやECのカート追加数、お気に入り数などの先行指標を確認しながら、どの施策がどのチャネルで成果につながるのかを検証し、効果の高い施策を拡大する。SNS、EC、店舗を一連の流れとして設計し、施策ごとの反応を見ながら改善するPDCAも、成長を支える要素となっている。

単なる自動化ではない! 全プロセスを支える「AI基盤」の全ぼう

少人数運営を支える大きな柱がAIだ。AnyMindではAIを個別業務の効率化ツールとして使うだけではなく、ブランド運営全体の基盤として組み込んでいる。

AI活用対象は、市場分析、SNSトレンドの把握、CEP分析(消費者が商品を思い出したり、購入を検討したりするきっかけ・状況を分析する手法)、インフルエンサー選定、広告運用、クリエイティブ制作、CSの自動化、売上・在庫データの分析まで幅広い。

特に「アドバンスドクリニカルズ」のブランド運営におけるAI活用は、大きく3つに整理できる。

1つ目は自動化。従来は手作業で行っていたトレンド収集やリサーチ、相性の良いインフルエンサーの抽出などを高速化する。

SNSのトレンドは流れが速すぎて、人の目だけで追うのは限界がある。AIでトラッキングし、外部要因や季節要因も含めてデータとして蓄積することで、雰囲気ではなく根拠を持ってブランドとして再現性のある施策に変えられる。(内田氏)

2つ目は分析。蓄積されたデータを対話形式で引き出しながら、誰に・どのチャネルで・どの訴求が響くのかを可視化する。3つ目はクリエイティブ。伸びている動画や他社事例を分析・言語化し、再現性のある動画構成やコピー案に落とし込む。デザイナーがゼロからすべてを作るのではなく、AIでたたき台を量産し最終調整を人が担うことで、制作スピードと品質の両立を図る。

「なんとなく伸びそう」という感覚で判断するのではなく、「どのような要素がある動画が伸びるのか」を言語化し、インフルエンサーにも共有できる形にしている。そこまで落とし込むことで、再現性のあるクリエイティブを量産しやすくなる。(Brand Commerce Associate Brand Manager 伊東朋希氏​​)

AIが見つけた「夏のボディクリーム」という勝ち筋

AI活用の象徴的な事例が、ボディクリームの「UVリカバリー市場」を作った取り組みだ。

一般にボディクリームは冬場の保湿商材とみなされ、夏は需要が落ちる。一方、AnyMindはAIを活用した市場トレンドや消費者インサイトの分析を通じて、多角的な視点から新たな訴求機会を抽出。得られた示唆をもとに、従来の発想にとらわれないマーケティング施策を立案・実行した。競合が手薄な時期に、集中的に投稿や販促を行った結果、夏場でも強く売れる市場ポジションを確立した。

AIがいくつもの切り口を提案してくれるなかで、どこに勝ち筋があるかを見極めて投資するのは人の役割だ。UVリカバリーはその象徴的な例で、夏場に他社があまり投資しない領域を押さえることができた。(伊東氏)

Brand Commerce Associate Brand Manager 伊東朋希氏
Brand Commerce Associate Brand Manager 伊東朋希氏

ここで重要なのは、AIが勝ち筋を自動的に決めたわけではないことだ。AIが提示したインサイトや仮説が妥当なのかを消費者目線で検証し、どこに投資するかを判断するのは人が担う。

つまり、AIによって分析や仮説づくりの速度を高め、その先の意思決定を人が担う。これが少人数でもブランド運営を回すためのカギであり、人とAIの役割を明確に分担することにつながっている。

AIと人による役割分担。人間しかできない「高付加価値業務」へ集中する体制づくり

AI活用では、出力を鵜呑みにしないことも重視している。AIが出したインサイトや仮説が本当に妥当なのかを消費者目線で問い直し、最終的な意思決定は人が行う。また、個人情報を含むデータを扱うため、セキュリティにも細心の注意を払っている。

AnyMindが重視しているのは、個人がそれぞれAIを使いこなすことではない。AIを活用することを前提に、ブランド運営そのものを再設計することだ。

AI活用は、各自がチャットで壁打ちする段階で終わってはいけない。フローや仕組みそのものをAI前提で再構築し、経営陣が責任を持って推進することが重要だ。(内田氏)

少人数でブランドを運営するには、人を増やして業務量を吸収するだけではなく、「そもそも人が行う必要のある仕事なのか」を見極める必要がある。共通業務は仕組み化・共通化し、AIで分析や制作などのスピードを高める。そのうえで、ブランド固有の戦略や重要な意思決定には人が集中するということだ。

「アドバンスドクリニカルズ」の成長は、単純な「少人数で効率よく運営する」という話ではない。人が担う仕事を絞り込み、共通化できる業務とAIで支援できる業務を切り分けることで、少人数でもブランドの成長に必要な機能を維持する運営モデルといえそうだ。

AnyMindは今後、「アドバンスドクリニカルズ」のさらなる成長に加え、同ブランドで得た成果や知見を他ブランドにも展開し、ブランド事業の成長につなげていく方針だという。成功要因を再現可能な形で分析・標準化し、自社のインフラを活用しながら他社ブランドへの支援にも生かしていく考えだ。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
matsumura

高市総理が相次ぐサイバー攻撃で関係閣僚に指示、「IPAや警察の相談対応を充実し、どこに相談しても必要なサポートを得られる体制を」

1 週間 1 日 ago
高市総理が相次ぐサイバー攻撃で関係閣僚に指示、「IPAや警察の相談対応を充実し、どこに相談しても必要なサポートを得られる体制を」
高市早苗総理は相次ぐ情報漏えい被害を受け、IPAや警察の相談対応の充実や中小企業支援の拡充、脆弱性検証の前倒しなどを関係閣僚に指示した。攻撃に使われるサーバーなどへの「アクセス無害化措置」による処置も含め、政府は来週中をめどに緊急対策パッケージを取りまとめる。
furukawa2026年10月28日

高市早苗総理は10月26日、首相官邸で「第1回サイバーセキュリティに関する関係閣僚会議」を開いた。相次ぐサイバー攻撃による大規模な情報漏えい被害などを受け、被害企業への支援強化、情報収集・分析体制の拡充、システムの脆弱(ぜいじゃく)性検証の前倒しなどを関係閣僚に指示した。また、来週中をめどに政府として「緊急対策パッケージ」を取りまとめる方針を示した。

高市総理が相次ぐサイバー攻撃で関係閣僚に指示、「IPAや警察の相談対応を充実し、どこに相談しても必要なサポートを得られる体制を」
「第1回サイバーセキュリティに関する関係閣僚会議」の取りまとめを行う高市早苗総理

今回の会議は、企業などを狙ったサイバー攻撃による大規模な情報漏えいが相次ぎ、漏えいした情報を悪用した二次被害への懸念も高まっていることを受けて実施したもの。木原稔官房長官は同日午前の記者会見で、国民の安全・安心な暮らしを脅かす深刻な事態となっているとして、今後の対策を検討するため関係閣僚会議を開くと説明していた。

高市総理は会議で、相次ぐサイバー攻撃について「漏えいした情報を悪用した二次被害への不安が高まるなど深刻な事態となっており、早急な対策を強化していく必要がある」と述べた。

IPAや警察の相談対応を充実、民間・自治体との連携も強化

被害企業への支援については、IPA(情報処理推進機構)や警察の相談対応を充実させるほか、民間機関や地方自治体との連携も強化し、「どこに相談しても必要なサポートを得られる体制」を整えるよう指示した。

EC事業者にとっても、情報漏えいや不正アクセスが発生した際に、どこへ相談し、どのような支援を受けられるのかを把握しておくことは重要。政府は相談先の連携を強化し、被害企業が必要な支援につながりやすい体制を整える考えだ。

あわせて、国家サイバー統括室には、経済産業省の協力を得ながら、初動対応から復旧まで、民間の高度な専門能力を活用する仕組みの構築を進めるよう求めた。専門事業者の知見を活用し、被害企業の対応を支援する体制づくりを進める。

中小企業向け支援を拡充、「サイバーセキュリティお助け隊」の活用も促進

赤沢亮正経済産業大臣には、中小企業がセキュリティ対策支援サービス「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を十分に活用できるよう、体制や支援策の拡充を速やかに検討するよう指示した。

「サイバーセキュリティお助け隊サービス」は、中小企業に必要なセキュリティ対策をワンパッケージで提供する民間サービス。IPAは制度の整備や普及促進を通じて、中小企業のセキュリティ対策を支援している。

高市総理はさらに、中小企業・小規模事業者に対して、相談窓口を抜本的に拡充するとともに、事業者からの問い合わせを待つだけでなく、必要な情報を積極的に届ける「プッシュ型」の情報提供も行うよう求めた。

被害企業からの情報収集を徹底、経営層や国民向けの情報発信を強化

高市総理は、情報収集体制や捜査・分析体制の強化、的確な情報発信も重要だと指摘した。

古川俊治サイバー安全保障担当大臣には、国や通信・エネルギー・金融などの基幹インフラ事業者、民間企業、専門機関などが連携し、サイバーセキュリティに関する脅威情報や対策を共有・分析する官民連携の枠組み「サイバー協議会」について、セキュリティベンダーなどの参加拡大を促し、情報収集力を高めるよう求めた。

また、各大臣には、基幹インフラ・重要インフラに限らず、所管業界の被害企業から迅速に情報を収集し、国家サイバー統括室に集約することを徹底するよう指示した。

国家サイバー統括室には、集約した情報を分析し、想定される脅威やリスクに応じて、経営層、専門家、国民など対象を明確にした情報発信を強化するよう求めた。

EC・通販事業者にとっては、自社の被害状況だけでなく、同業他社や委託先、サプライチェーン上の被害動向を把握することも重要になる。政府は業界横断で情報を収集・分析し、注意喚起や対策につなげる取り組みを強化する方針だ。

「アクセス・無害化措置」も含め、あらゆる対処オプションを検討

高市総理は、実態を解明したサイバー攻撃に対しては、「アクセス・無害化措置」も含め、あらゆる対処オプションを戦略的に選択し、実行すると述べた。

「アクセス無害化措置」は、2026年10月1日に施行された「サイバー対処能力強化法」と関連整備法に基づく仕組み。サイバー攻撃により重大な危害が発生するおそれがあるなど一定の要件を満たす場合、警察や自衛隊が攻撃に使用されているサーバーなどにアクセスしたうえで、不正プログラムの停止・削除などの措置を講じるもの。

警察については、警察官職務執行法に基づき、処置を行う。自衛隊についても、自衛隊法の関連規定に基づき、同様の措置を実施し得る。

木原官房長官は会見で一般論として、「アクセス無害化措置」について「被害組織からの要請といった手続きは法律上定められていない」としたうえで、要請の有無にかかわらず、警察または防衛省・自衛隊が法令上の要件に照らして適切に判断するとの考えを示した。

また高市総理は、古川大臣の調整の下、同盟国・同志国や海外の関係機関とも緊密に連携し、攻撃主体の特定など、国際社会と一体となった取り組みを進めるよう指示した。攻撃インフラや攻撃主体が海外にまたがるケースもあるサイバー攻撃に対し、国際連携を強化する考えだ。

IPAの知見やAIを活用、脆弱性検証を前倒し

被害の未然防止策として、高市総理はシステムの脆弱性検証の重要性も強調した。

赤沢経済産業大臣には、IPAの知見や人材を活用し、高性能AIも使いながら、システムの脆弱性を発見する専門人材が模擬的な攻撃テストを実施し、脆弱性の発見と対策につなげる取り組みを前倒しで進めるよう指示した。

あわせて、サプライチェーン全体でサイバー攻撃の観測網を整備し、中小企業を含めた迅速な対策につなげる取り組みも前倒しで進める。古川大臣には、こうした取り組みを広く展開するための方策の検討も求めた。

EC・通販業界では、自社ECサイトだけでなく、決済、物流、受注、会員基盤、外部連携ツールなど、多くのシステムがつながっている。サプライチェーン全体での攻撃の観測や脆弱性の把握を重視する今回の方針は、委託先や取引先を含めたセキュリティ対策の重要性を改めて示している。

政府システムも対象、来週中をめどに緊急対策パッケージ

高市総理は、政府自身のシステムについてもサイバーセキュリティの確保が不可欠だと指摘。各大臣に対し、古川大臣を中心にAISI(AIセーフティ・インスティテュート)の知見も活用しながら、高性能AIを用いた脆弱性チェックを前倒しで実施し、各府省庁のシステムの安全確保を徹底するよう指示した。

そのうえで、来週中をめどに政府として「緊急対策パッケージ」を取りまとめる方針を示し、必要な対策について財政措置を含めて早急に検討・調整を進めるよう求めた。

今回の政府対応は、被害発生後の相談・復旧支援から、情報収集・分析、情報発信、脆弱性検証、攻撃への対処までを一体的に強化する内容となった。個人情報を扱う機会の多いEC事業者にとっても、相談先や初動対応体制の確認に加え、委託先を含めた脆弱性対策の再点検が重要になりそうだ。

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鳥栖 剛

フリーライター
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鳥栖 剛

EC業界で活躍中の注目人物を表彰する「ネットショップ担当者アワード2026」の受賞者が決定

1 週間 1 日 ago

EC業界で活躍する“人”にフォーカスし、企業や団体などで活躍する個人の功績や取り組みを表彰するアワード「ネットショップ担当者アワード」(主催はインプレスの「ネットショップ担当者フォーラム」)の第4回受賞者が決定した。

「ネットショップ担当者アワード」とは

インプレスが主催する、EC業界で活躍する「人」にフォーカスした表彰制度。企業や団体などの組織において、EC事業の成長や改善に貢献した個人の功績、具体的な取り組みを称えることを目的としている。

小売事業者で、EC・通販の運営に携わる人物、たとえば売上高、EC化率、顧客満足度、ビジネスモデルの転換など、KPI達成のキーパーソンとなった人物が表彰対象。自薦・他薦で候補者を募り、「ネッ担」編集部とEC業界有識者が選出した。

過去の受賞者は、グレイ・パーカー・サービスの小林 辰也氏、カンロの武井 優氏、マッシュスタイルラボの今井 貴大氏など。

EC事業の成長・改善に貢献、EC担当者のロールモデルとなる人物を選定

2026年の「ネットショップ担当者アワード」の受賞者は次の6人。MVPを含めどのような賞を受賞するか、受賞理由の詳細は、11月6日(金)に東京「赤坂インターシティコンファレンス」で開催する授賞式で発表する(掲載は氏名の五十音順)。

株式会社伊藤久右衛門 あべ松 大氏

株式会社伊藤久右衛門 WEB 営業部 マーケティング課 マネージャー あべ松 大氏
2007年京都の洋菓子店に新卒入社。店舗営業にて店長・SV を経て、2016年よりECの責任者として従事。その後、リフォーム業界にて、リードマーケティングの経験を積み、店舗開発、広報活動も担当。同時に個人でECコンサルタントを立ち上げ、アパレル、プロスポーツチームグッズ販売を支援。2025年5月に株式会社伊藤久右衛門入社。公式オンラインショップを担当しながら、越境ECサイト立上げに注力中。

株式会社HEAVEN Japan 今川 浩志氏

株式会社HEAVEN Japan取締役 / 最高執行責任者 今川 浩志氏
株式会社HEAVEN Japan取締役 / 最高執行責任者 今川 浩志氏
入社12年目。本店・楽天・Yahoo!のマーケティングを担当。 2019年にDX部門を立ち上げ、CRM・OMSなどのシステム開発やOMO施策を推進し、2024年に取締役就任。現在は顧客エンゲージメントの向上を重視した経営に取り組む。Shopify Plus Hub ゴールドメンター。趣味・病:Shopify。モーニングルーティン:Shopify Change Log を見ながら歯磨き。

コーセー化粧品販売株式会社 塩谷 悠氏

コーセー化粧品販売株式会社 EC事業推進部 ダイレクトビジネス室 室長 塩谷 悠氏
コーセー化粧品販売株式会社 EC事業推進部 ダイレクトビジネス室 室長 塩谷 悠氏
広告会社にてマーケティングプランナーとして、自動車、化粧品、食品、流通など幅広い業界で、オンライン・オフラインの垣根をこえたプロモーションの企画運営に従事。その後、通販系化粧品会社にて、直営店・自社ECの戦略策定・組織運営に携わる。現在は、コーセーにて「DECORTÉ」「JILL STUART Beauty」など、全ブランドのEC、外部モールおよびデジタル戦略実行を統括。

株式会社Domuz 小松 泰彦氏

株式会社Domuz アンドプランツ/アンドフラワー 事業責任者 小松 泰彦氏
東京工業大学 建築学科卒業。在学中にDomuzの第1号インターンを経験。新卒でADKマーケティング・ソリューションズに入社し、データ分析・メディアプランニングに従事したのち、Domuzに再入社。Web ディレクション、花事業の責任者などを担い、現在は観葉植物・お花の通販「AND PLANTS」「AND FLOWER」の事業責任者を務める。

BONAVENTURA株式会社 田畑 正大氏

BONAVENTURA Global Tech Lead / グローバル技術責任者 ラストマイル株式会社 代表取締役 田畑 正大氏
Shopifyパートナー企業を創業し、退任後はShopifyアプリ開発を経て BONAVENTURAグループに参画。現在はGlobal Tech Leadとしてグローバルの技術領域を統括する傍ら、ラストマイル株式会社の代表取締役を務める。EC・店舗・在庫をつなぐシステムの設計・開発やエンジニアチームの技術指導を通じ、事業の成長と顧客体験の向上を支える仕組みづくりを推進している。

株式会社デアゴスティーニ・ジャパン 堤 由季氏

株式会社デアゴスティーニ・ジャパン D2C&CX プラニング CRM 堤 由季氏
2001年デアゴスティーニ・ジャパン入社。マーケティング部門で商品開発と販売促進を担当し、2013年よりCRM部長として直販事業の拡大、CRM施策の推進、外部コールセンター運営に携わる。2026年2月の定年後は再雇用契約で勤務する傍ら、個人事業主として出版関連業務やマーケティング支援事業にも取り組んでいる。

授賞式の観覧は事前申込制。EC業界で活躍した人、その人物が活躍する企業などをチェックすることで、自社の取り組みのヒント、自身の成長のヒントを見つけることができるはず。

選考委員は下記の5人。

  • 中島 郁氏(ネクトラス株式会社 代表取締役)【選考委員長】
  • 大西 理氏(スマイルエックス合同会社 代表)
  • 逸見 光次郎氏(株式会社CaTラボ 代表/オムニチャネルコンサルタント/日本オムニチャネル協会 理事)
  • 石川 森生氏(ルームクリップ株式会社 KANADEMONOカンパニー管掌/オルビス株式会社CDO(Chief Digital Officer)/トレンダーズ株式会社 社外取締役/株式会社RESORT 代表取締役CEO 他)
  • 田丸 知加氏(SRSホールディングス株式会社 執行役員SRSグループDX推進本部長/サトフードサービス株式会社 取締役/株式会社フーズネット 取締役)

後援は、一般社団法人イーコマース事業協会、一般社団法人ウェブ解析士協会、一般財団法人オープンラーニング・スキル認定機構、一般社団法人日本オムニチャネル協会。

授賞式概要

  • アワード名称:「ネットショップ担当者アワード 2026」
  • 開催日時:2026年11月6日(金)15時20分~16時00分
  • 会場:赤坂インターシティコンファレンス 4F the Amphitheater(東京都港区赤坂1-8-1)
    ※大型リアルイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2026 秋」内にて実施
  • 主催:株式会社インプレス「ネットショップ担当者フォーラム」
  • 後援:一般社団法人イーコマース事業協会、一般社団法人ウェブ解析士協会、一般財団法人オープンラーニング・スキル認定機構、一般社団法人日本オムニチャネル協会
  • 授賞式の観覧申し込み:https://netshop.impress.co.jp/event/ec

この記事の筆者

[ 執筆 ] ネットショップ担当者フォーラム編集部

「ネットショップ担当者フォーラム」(ネッ担)は、通販・ECにたずさわる方に役立つさまざまな情報をお届けするWebメディアです。

→ネットショップ担当者フォーラムについて

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楽天、マンションやビルなどの修繕工事における見積もり支援サービス「楽天ドローン 修繕あんしん窓口」を開始

1 週間 2 日 ago
楽天、マンションやビルなどの修繕工事における見積もり支援サービス「楽天ドローン 修繕あんしん窓口」を開始
「楽天ドローン 修繕あんしん窓口」は楽天ドローンが窓口となり、工事内容や実施時期をヒアリングしたうえで、複数の修繕工事会社と連携して見積もりを手配する。
ohshima2026年10月27日

楽天ドローンは10月20日、マンションやビルなどの修繕工事における見積もり支援サービス「楽天ドローン 修繕あんしん窓口」の提供を開始した。

「楽天ドローン 修繕あんしん窓口」は、修繕を検討するマンションの管理会社やビルのオーナーに対し、楽天ドローンが窓口となり、工事内容や実施時期のヒアリングを実施、要望に応じて複数の修繕工事会社と連携し、修繕工事の見積もりを手配するサービス。見積もり手配や業者選定に掛かる負担を軽減する。実際に修繕工事を行う場合は、利用者と工事会社が直接契約する。

ドローンによる外壁調査を組み合わせることも可能で、建物の劣化状況を把握し、修繕時期の最適化や不要な修繕工事の回避など、修繕コストの適正化に役立てる。施工後にドローンによる撮影を実施することで、施工箇所の修繕状況を可視化することもできる。

見積もりを希望する利用者は、ニーズに合わせて2種類のプランから選択できる。「修繕のみプラン」は、ドローンによる調査や撮影を行わず、修繕工事の見積もり手配のみを支援。「外壁調査報告書プラン」は、見積もり手配に加えて修繕前にドローンによる外壁調査を実施し、劣化状況を可視化した報告書を作成する。希望に応じて修繕後にもドローンによる撮影を行い、修繕前後の比較が可能。なお、修繕後の撮影には別途費用がかかる。

「楽天ドローン 修繕あんしん窓口」
ニーズに合わせて2種類のプランから選択できる

楽天ドローンは、AI画像解析を活用したドローン外壁調査サービス「楽天ドローン AI外壁調査」などを提供し、マンション管理会社、ホテルやビルのオーナー、不動産デベロッパーなどを対象に、2017年4月~2026年9月末までに850棟以上の外壁調査実績を有する。

近年、修繕工事における透明性の確保が業界の課題となる中、修繕時期や工事会社の選定に関する相談や要望も多いことから、調査から修繕まで一貫して対応する本サービスの提供を開始した。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

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大嶋 喜子

セブン‐イレブン・ジャパン、買物アプリ「7NOW」の全機能を「LINEミニアプリ」に搭載。「モバイルオーダー」「デリバリー」「予約注文」を展開

1 週間 2 日 ago
セブン‐イレブン・ジャパン、買物アプリ「7NOW」の全機能を「LINEミニアプリ」に搭載。「モバイルオーダー」「デリバリー」「予約注文」を展開
セブン‐イレブン・ジャパンは「7NOW」の全機能を「LINEミニアプリ」に搭載。「LINE」上から商品を注文でき、「デリバリー」では指定の場所に最短20分で届ける。9月24日から先行搭載している。
ohshima2026年10月27日

セブン‐イレブン・ジャパンは10月22日、LINEヤフーとの戦略的パートナーシップの取り組みとして、買い物アプリサービス「7NOW」の全機能を「LINEミニアプリ」に搭載した。

「7NOW」は、「デリバリー」「モバイルオーダー」「予約注文」の3つの機能を持つ買い物サービス。「デリバリー」は、注文した商品を自宅や職場など指定の場所に最短20分で届ける。「モバイルオーダー」は、揚げ物などのできたて商品を店舗で受け取ることが可能。「予約注文」は、クリスマスケーキやおせちなどを計画的に購入できる。

セブン‐イレブン・ジャパン、買物アプリ「7NOW」の全機能を「LINEミニアプリ」に搭載。「モバイルオーダー」「デリバリー」「予約注文」を展開
利用画面イメージ

「LINEミニアプリ」は、国内で月間1億ユーザー以上(2026年6月時点)が利用するコミュニケーションアプリ「LINE」上に、店舗や企業などが自社サービスを提供できるアプリプラットフォーム。

購買行動やライフスタイルの多様化に伴い、商品やサービスに対するアクセスのしやすさが求められているという。「7NOW」の全機能を「LINEミニアプリ」に搭載することで、新たなダウンロードや会員登録をすることなく、「LINE」上からセブン‐イレブンの商品を注文できるようになる。なお、「デリバリー」機能は9月24日から先行して搭載している。

セブン‐イレブン・ジャパンは7月31日、LINEヤフーなどとの間で戦略的パートナーシップに合意。「全国2万店のお店のチカラと、最先端のテクノロジーを掛け合わせ、日本の暮らしにもっと元気を届ける」という思いを持った「Team“暮らしを元気に”」として、企業の枠を超えたワンチームによる取り組みを進めている。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

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2.8兆円の2025年デジタル系EC市場。オンラインゲームは約1.3兆円、電子出版は6869億円など全ジャンルの市場規模&動向まとめ

1 週間 2 日 ago
2.8兆円の2025年デジタル系EC市場。オンラインゲームは約1.3兆円、電子出版は6869億円など全ジャンルの市場規模&動向まとめ
経済産業省の調査によると、2025年のデジタル系BtoC-EC市場規模は前年比4.52%増の2兆7985億円だった。オンラインゲームが1兆2759億円で最大となり、電子出版、有料動画配信、有料音楽配信も伸長。継続課金とコンテンツ競争が市場拡大を支えた。
furukawa2026年10月27日

経済産業省が10月21日に公表した「令和7年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2025年のデジタル系BtoC-EC市場規模は前年比4.52%増の2兆7985億円だった。前年の2兆6776億円から増加し、拡大基調を維持した。

内訳を見ると、最大は「オンラインゲーム」の1兆2759億円。これに「電子出版(電子書籍・電子雑誌)」の6869億円、「有料動画配信」の5538億円、「その他」の1479億円、「有料音楽配信」の1340億円が続いた。

2.8兆円の2025年デジタル系EC市場。オンラインゲームは約1.3兆円、電子出版は6869億円など全ジャンルの市場規模&動向まとめ
デジタル系のカテゴリー別内訳

2025年のデジタル系EC市場では、コンテンツ消費が定着するなか、継続利用や単価の向上が重要なテーマとなっている。電子出版は成長を維持し、有料動画配信は2桁増、有料音楽配信も堅調に伸びた。一方、最大市場のオンラインゲームは前年から増加に転じたものの、伸び率は小幅にとどまった。

経産省の分析から、主要ジャンルの市場規模と成長の背景を整理する。

電子出版(電子書籍・電子雑誌)

電子出版(電子書籍・電子雑誌)の2025年のBtoC-EC市場規模は、前年比2.18%増の6869億円だった。紙の書籍を電子化したものに加え、当初からデジタルコンテンツとして提供される出版物も含む。スマートフォンやタブレットの普及を背景に市場は拡大を続け、2025年も過去最高を更新した。

ただ、2020~2021年の大幅な成長と比べると、足元では伸び率が鈍化している。コロナ禍で拡大した巣ごもり需要が一巡し、2022年以降は緩やかな成長局面に入っているためだ。

市場をけん引しているのは、引き続き電子コミック。経産省によると、電子出版市場のうち電子コミックが約9割を占める。新規利用者の定着や継続購入に加え、縦スクロール形式で読む「ウェブトゥーン」の普及も市場拡大に寄与しているという。大手出版社やプラットフォーマーの参入も相次ぎ、市場の厚みが増している。

一方、サービスやアプリの増加に伴い、競争も激化。全話無料施策やポイント還元による利用者獲得競争に加え、出版社との協業による独占・先行配信、オリジナル作品の強化、海外展開、NFTデジタルコンテンツの付与など、差別化策も多様化している。

電子雑誌では、定額制サービスの会員数減少が課題となり、市場規模が縮小しているという。ウェブ版雑誌で広告収入を得るモデルなど、収益モデルの多様化も進んでいる。

海賊版問題も依然として大きな課題だ。出版者や電子書籍事業者、著作権者団体などが参加する民間団体・一般社団法人ABJの調査では、2025年に海賊版サイトで「ただ読み」された出版物の被害額は、紙の本に換算して約6888億円。2024年からは減少したものの、新たな海賊版サイトの出現が続いており、市場の健全な成長を妨げる要因として対策が求められる。

有料動画配信

有料動画配信の2025年のBtoC-EC市場規模は、前年比13.66%増の5538億円だった。デジタル系ECの主要カテゴリーの中で、最も高い伸びを示した。

有料動画配信には、定額制で見放題となるSVOD、都度課金でレンタルするTVOD、ダウンロード購入型のESTという3つの視聴形態がある。このうち、定額制のSVODが引き続き主流となっている。

2020~2021年はコロナ禍の巣ごもり需要で市場が大きく拡大したが、2022年にはその反動で伸びが鈍化した。2023年以降は再び堅調に推移し、2025年も2桁成長となった。

2025年は、特定の大ヒット作品だけでなく、各事業者によるオリジナルコンテンツの拡充が市場を支えたと見られる。スポーツの独占配信、大型のオリジナルドラマ、アニメ、映画など、利用者を引きつけるコンテンツの幅も広がっている。

料金改定の動きも続いている。Amazonの「Prime Video」では広告の導入後、広告なしで視聴するには追加料金が必要となった。ディズニー系の「Disney+」でも料金の引き上げが実施された。背景には、インフレに加え、制作費や人件費、販促費などの上昇があるとみられる。動画配信市場では、利用者の獲得・定着と、価格改定による単価向上が並行して進んでいる。

有料音楽配信

有料音楽配信の2025年のBtoC-EC市場規模は、前年比8.65%増の1340億円。サブスクリプション型配信サービスの普及を背景に成長が続き、4年連続で過去最高を更新した。

日本レコード協会によると、2025年の年間音楽配信売上実績では、サブスクリプションと広告収入を合わせたストリーミング売上が前年比10%増の1250億円となり、音楽配信市場全体の93.3%を占めた。

一方、ダウンロード売上は減少傾向が続いている。音楽配信市場の成長は、楽曲を個別に購入するモデルから、継続課金型のサービスを利用するモデルへの移行に支えられている。

ユーザーの聴取行動にも変化が見られる。日本レコード協会の調べによると、音楽を聴く手段としてYouTubeが引き続き存在感を示す一方、定額制音楽配信サービス全体の利用率も前年を上回り、サブスクリプションの利用が広がっている。

ただし、この分野でも海賊版問題は残る。違法音楽アプリなどによる無料視聴は、市場の健全な成長を妨げる要因として指摘されており、引き続き対策が求められる。

オンラインゲーム

オンラインゲームの2025年のBtoC-EC市場規模は、前年比1.65%増の1兆2759億円だった。デジタル系ECで最大の市場であり、デジタル系全体の約半分を占める。

ただし、伸び率は小幅にとどまった。オンラインゲーム市場はコロナ禍の巣ごもり需要を追い風に拡大した後、2022年に縮小へ転じ、2023年、2024年も微減が続いていた。2025年は増加に転じたものの、本格的な成長回復に至ったとは言い切れない。

経産省はその背景として、外出機会の増加や余暇の選択肢の多様化により、長時間プレーする課金ユーザーが減少したことや、インフレによる可処分所得の減少を挙げている。一方、ゲーム機器やアイテム課金などの価格上昇もあり、2025年は市場規模がプラスに転じたと見られる。

今後の成長余地として経産省はeスポーツに注目している。日本のeスポーツ市場はオンラインゲーム市場全体と比べるとまだ小さいものの、ゲームへの認知向上や利用者層の拡大につながる可能性がある。日本オリンピック委員会による準加盟団体の承認や、スポーツ庁の支援策など、周辺環境の整備も進みつつある。

その他

デジタル系ECの「その他」の2025年の市場規模は、前年比6.00%増の1479億円だった。

このカテゴリーは規模こそ大きくないものの、前年から増加した。主要カテゴリー以外のデジタルコンテンツに対する需要も積み上がっていることがうかがえる

デジタル系ECは「利用者の拡大」から「継続利用と付加価値競争」へ

2025年のデジタル系EC市場では、オンラインゲームが最大市場を維持する一方、電子出版、有料動画配信、有料音楽配信もそろって成長した。特に有料動画配信の2桁成長は、コンテンツの拡充と料金改定が並行して進む市場の変化を映している。

電子出版は電子コミックを中心とする構造が続き、動画と音楽ではサブスクリプション型サービスが市場を支えている。オンラインゲームは市場全体の柱であり続ける一方、コロナ禍のような急拡大局面を過ぎ、成長の質が問われる段階に入ったといえそうだ。

デジタル系ECを読み解くうえでは、利用者数の増加だけでなく、継続利用をどう促すか、単価をどう高めるか、競争力のあるコンテンツをどう確保するかが重要になる。2025年は、デジタル系ECの利用者の普及拡大に加え、継続課金や付加価値をめぐる競争を強める市場へと移行していることがうかがえる。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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鳥栖 剛

ニトリの顧客体験向上施策とは? めざすは“暮らしを支えるプラットフォーム”【11/5・6 リアルセミナー開催】

1 週間 2 日 ago
ニトリの顧客体験向上施策とは? めざすは“暮らしを支えるプラットフォーム”【11/5・6 リアルセミナー開催】matsumura2026年10月27日イベント・セミナー

11月5日(木)・6日(金)の2日間、東京・赤坂インターシティコンファレンスで、大型リアルイベント「ネットショップ担当者フォーラム 2026 秋」を開催します。アスクル、アルビオン、ファンケル、ユナイテッドアローズ、マドラス、LINEヤフー、楽天グループ、ヨドバシグループのトレンドキャスケット、イズミセなどが登壇。AIエージェントを活用したEC運用事例、ECモールで勝ち残る方法、顧客体験向上施策、AI時代の検索&集客セオリー、BtoBにおけるAI×データ活用などさまざまなセッションをご用意! 全公演無料で聴講できます(事前登録制)。まだお申し込みをしていない人のために、編集部おすすめコンテンツの見どころを紹介します。

見どころ⑬ イベント初登壇! ニトリがパートナー企業とともに創る、新たな協業のかたち「ニトリネットマーケットプレイス」の魅力とは

11月5日(木)11:30~12:10 D1-2 講演

2026年1月にスタートした「ニトリネットマーケットプレイス」は、単なる品ぞろえ拡大ではなく、ニトリがめざす“暮らしを支えるプラットフォーム”を実現するための重要な成長戦略です。ベビー・ペット・花など新たなカテゴリーへの拡大を通じて、顧客の暮らしをより豊かにするとともに、パートナー企業との新たな価値創造に挑戦しています。

セッションでは、マーケットプレイス構想の背景やめざす顧客体験、パートナー企業とのあり方、および出店によるビジネス成長の可能性について、ニトリとプラットフォーム提供者であるMiraklが対談形式で解説します。マーケットプレイスへの参入を検討している人はもちろん、ニトリへの出店に興味がある人も、ぜひご視聴ください。

株式会社ニトリ デジタル販売事業推進室 室長 岡本 孝正氏

1999年に株式会社ニトリ入社。店舗勤務を経て、経営企画、営業企画を歴任し、都市部店舗やOMO関連のプロジェクトに参画。2021年よりEC業務に従事、サイト内UGC連携や実店舗とのサービス連携、ライブコマースの立上げなど、新たなECサイトの形を主導。2022年よりデジタル販売事業の責任者として、EC事業のさらなる進化を牽引している。

株式会社ニトリ デジタル販売事業推進室 マーケットプレイスマネジャー 兼 新規事業推進グループ シニアリーダー 古箕 章貢氏

2000年に株式会社ニトリへ入社。店舗勤務を経て、子会社である株式会社ホームロジにて物流業務に従事。その後、物流センター統括マネジャーを経て、株式会社ニトリへ戻り、店舗運営部エリアマネジャーを歴任。現所属のデジタル販売事業推進室では、新規事業推進グループとして、Miraklを活用した「ニトリネットマーケットプレイス」の立ち上げを主導。現在は、マネジャーとして、出店パートナーの拡大や新カテゴリー開発を推進し、品ぞろえ拡大と新たな顧客価値の創出に取り組んでいる。

Mirakl株式会社 代表取締役社長 佐藤 恭平氏

1998年SAPジャパン入社後、Eコマース事業の立ち上げに従事。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)戦略コンサルタント、日本マイクロソフト業務執行役員を歴任後、SAP再入社。VP・インダストリー・バリューエンジニアリング統括本部長等を経て、VP・インテリジェントスぺンド・ビジネスネットワーク事業本部長。2022年Mirakl株式会社に入社。 代表取締役社長に就任。慶應義塾大学総合政策学部卒、同大学経営学修士(MBA)。ダートマス大学経営大学院交換留学。

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8.9兆円の2025年サービス系EC市場。旅行は約3.8兆円、飲食は約1.1兆円など全ジャンルの市場規模&動向まとめ

1 週間 2 日 ago
8.9兆円の2025年サービス系EC市場。旅行は約3.8兆円、飲食は約1.1兆円など全ジャンルの市場規模&動向まとめ
経済産業省の調査によると、2025年のサービス系BtoC-EC市場規模は前年比8.64%増の8兆9362億円だった。旅行サービスが3兆7603億円で最大となり、飲食、金融、チケット、理美容など各ジャンルでオンライン予約・申込の広がりが市場を押し上げた。
furukawa2026年10月27日

経済産業省が10月21日に公表した「令和7年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2025年のサービス系BtoC-EC市場規模は前年比8.64%増の8兆9362億円となった。前年の8兆2256億円から拡大し、引き続き成長基調を維持している。

8.9兆円の2025年サービス系EC市場。旅行は約3.8兆円、飲食は約1.1兆円など全ジャンルの市場規模&動向まとめ
サービス系、デジタル系分野のBtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)

ジャンル別では、「旅行サービス」が3兆7603億円で最大。これに「飲食サービス」の1兆984億円、「金融サービス」の1兆944億円、「チケット販売」の8129億円、「その他(医療、保険、住居関連、教育等)」の8078億円、「理美容サービス」の7995億円、「フードデリバリーサービス」の5628億円が続いた。

8.9兆円の2025年サービス系EC市場。旅行は約3.8兆円、飲食は約1.1兆円など全ジャンルの市場規模&動向まとめ
サービス系EC分野のカテゴリー別内訳

2025年は市場全体の伸び率が前年を下回った一方、チケット販売、理美容サービス、フードデリバリーサービスでは前年比の伸び率が改善した。旅行、飲食、金融といった市場規模の大きいジャンルが全体を支える一方、予約・申し込みのオンライン化が進む分野でも成長が続いている。

経産省の分析をもとに、主要ジャンルの市場規模と成長の背景を整理する。

旅行サービス

2025年の旅行サービスのBtoC-EC市場規模は、前年比6.68%増の3兆7603億円だった。サービス系ECの中で最大の市場となっている。

このカテゴリーには、旅行代理店への申し込み、航空機・鉄道・バスの利用、ホテル・旅館の宿泊費などが含まれる。

総務省の家計調査によると、2025年の1世帯当たりの「宿泊費・パック旅行費」の年間平均支出は5万9057円だった。コロナ禍前の水準には回復していないものの、前年比では10%を超える伸びとなった。

国内旅行は、コロナ禍の2021年までは自粛傾向が強かった。その後、2022年に実施された「全国旅行支援」や、2023年の新型コロナウイルス感染症の5類移行などを背景に需要が回復。国内旅行市場はコロナ禍前の約9割の水準まで戻り、2025年も堅調に推移したと経済産業省は分析している。

海外旅行については、2023 年 5 月には水際対策が撤廃されたが、近年の急速な円
安の影響で、国内旅行より回復が遅れている。このため、海外旅行需要自体は2025年も着実な回復傾向にあるものの、コロナ禍前の2019年の水準には至っていないという。

他方、訪日外国人旅行者による消費は拡大しており、旅行市場を取り巻く環境は改善している。スマートフォンの普及を背景に、旅行の予約・販売におけるオンライン利用も広がっている。旅行事業者にとって、オンラインは特別な販路ではなく、主要な予約経路になりつつある。

飲食サービス

飲食サービスの2025年のBtoC-EC市場規模は、前年比13.34%増の1兆984億円だった。旅行サービスに次ぐ規模で、1兆円を超える市場となっている。

ここでいう飲食サービスは、インターネットを利用した飲食店予約を指す。座席のみの予約か、料理内容を含む予約かは問わず、事前のネット予約全般が対象となる。

市場はコロナ禍の2020年、2021年に落ち込んだが、2022年以降は回復基調に転じ、2025年も拡大が続いた。外食産業全体では、原材料費や人件費の高騰を背景に価格改定が進み、2025年の売上高は前年比7.3%増となった。ファストフード、ファミリーレストラン、ディナーレストラン、喫茶など、幅広い業態で前年を上回っている。

一方、物価高を背景に消費者の選別志向も強まっており、ファミリーレストランやディナーレストランに比べ、ファストフードが相対的に堅調に推移している。経産省は、人手不足による機会損失を抑えながら、節約志向への対応とインバウンド需要の取り込みを両立することが、今後の市場拡大の鍵になるとみている。

8.9兆円の2025年サービス系EC市場。旅行は約3.8兆円、飲食は約1.1兆円など全ジャンルの市場規模&動向まとめ
外食産業の 2025 年売上状況(一般社団法人日本フードサービス協会「外食市場動向調査」令和 7 年(2025 年)年間結果報告より)

金融サービス

金融サービスの2025年のBtoC-EC市場規模は、前年比10.66%増の1兆944億円だった。2024年の前年比16.59%増と比べると伸び率は鈍化したものの、引き続き2桁成長を維持している。

経産省は、背景として2024年に始まった新NISAの影響を挙げている。金融サービスの中でも、特に証券分野の伸びが市場拡大に寄与した。また、外国為替証拠金取引(FX)についても、2022年に急速な円安が進んだ局面で取引高が大きく増加し、その後も高水準で推移しているという。

チケット販売

チケット販売の2025年のBtoC-EC市場規模は、前年比15.13%増の8129億円だった。サービス系ECの中でも、特に高い伸びを示したカテゴリーとなっている。

対象となるのは、コンサートやフェスなどの音楽系、演劇・ミュージカル・お笑いライブなどのステージ系、野球やサッカーなどのスポーツ系、映画のチケット。クレジットカード決済かコンビニ決済かといった決済方法を問わず、インターネットでの申し込み全般を含む。

家計調査によると、2025年の1世帯当たりの「映画・演劇・スポーツ観戦」の年間平均支出は9331円で、前年の8530円から増加した。リアルイベントへの需要回復に加え、チケット購入におけるネット予約の浸透も、市場規模を押し上げているとみられる。

理美容サービス

理美容サービスの2025年のBtoC-EC市場規模は、前年比9.49%増の7995億円だった。市場規模は過去最高を更新した。

対象となるのは、ヘアサロン、ネイルサロン、エステサロン、リラクゼーション、アイビューティーなどのインターネット予約だ。2015年の2420億円から長期的な拡大が続いており、コロナ禍で一時落ち込んだ2021年を除けば、成長基調を維持している。

経産省は、2025年はまつげサロンなどの予約件数の増加も市場の伸びに寄与したとみている。

フードデリバリーサービス

フードデリバリーサービスの2025年のBtoC-EC市場規模は、前年比3.43%増の5628億円だった。

この分野は、コロナ禍を追い風に急拡大したカテゴリーだ。市場規模は2020年の3487億円から、2021年には前年比37.48%増の4794億円に拡大。その後も2023年までは成長が続いた。2024年は5442億円で、前年比7.26%減と縮小したが、2025年は再び増加に転じた。

コロナ禍の特需が一巡した後も、フードデリバリーは一定の需要を維持している。急成長局面は落ち着いたものの、利用習慣が定着し、市場は再び成長に転じたとみられる。

その他(医療、保険、住居関連、教育等)

「その他(医療、保険、住居関連、教育等)」の2025年のBtoC-EC市場規模は、前年比6.00%増の8078億円だった。

このカテゴリーは対象範囲が広く、医療、保険、住居関連、教育など、異なる市場が含まれるため、動向は一様ではない。ただ、生活に密着したサービスでも、申し込みや予約、契約のオンライン化が進んでいることがうかがえる。

サービス系ECはジャンルごとに異なる成長要因が鮮明に

2025年のサービス系EC市場では、旅行が引き続き最大市場となった一方、飲食、金融、チケット販売、理美容、フードデリバリーなど、日常的な予約・申し込みのオンライン化も市場拡大を支えた。

旅行は回復基調を維持し、飲食はネット予約需要の拡大を背景に成長。チケット販売はリアルイベント需要の回復やネット購入の浸透を追い風に高い伸びを示した。金融は新NISAなどが市場を支え、理美容は予約のオンライン化を背景に過去最高を更新。フードデリバリーはコロナ禍の特需後にいったん縮小したものの、2025年は再び増加に転じた。

サービス系ECを読み解くうえでは、市場規模だけでなく、各サービスの予約・申し込みがどのようにオンラインへ移行しているかを捉えることが重要だ。2025年も、商品を購入するECに加え、体験やサービスを予約・申し込むECが幅広い分野で定着しつつある。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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鳥栖 剛

IPA、不正アクセス特別相談窓口を開設。不正アクセスによる情報漏えいインシデント発生の初動対応を支援

1 週間 2 日 ago
IPA、不正アクセス特別相談窓口を開設。不正アクセスによる情報漏えいインシデント発生の初動対応を支援
情報処理推進機構(IPA)は、不正アクセスによる情報漏えい事案の発生を受け、企業・組織向けの「不正アクセス特別相談窓口」を開設。被害発生時や被害の可能性がある場合の初動対応を支援し、応急処置の助言や専門業者の案内などを手がける。
furukawa2026年10月27日

情報処理推進機構(IPA)は10月16日、不正アクセスによる情報漏えい事案が相次いでいることを受け、企業・組織向けの「不正アクセス特別相談窓口」を開設した。実際に被害を受けている、または被害の可能性がある企業・組織を対象に、インシデント発生時の初動対応を支援する。

IPAの不正アクセス対策特設サイトのトップ画面(画像は編集部がキャプチャ)
IPAの不正アクセス対策特設サイトのトップ画面(画像は編集部がキャプチャ)

窓口の開設日時は2026年10月16日13時。全国の企業・組織を対象に、電話とメールで相談を受け付ける。電話の受付時間は平日9時30分~17時30分(12時~13時を除く)。

IPAは、相談者から発生している事象をヒアリングし、不正アクセスや被害発生の可能性について助言。被害が発生している場合は、有効な応急処置を案内するほか、インシデント対応を行う専門業者の一覧や、必要な相談先・報告先も紹介する。

背景には、国内の金融機関や通信事業者などで、不正アクセスによる情報漏えい事案の公表が相次いでいることがある。特に、大量の個人情報を扱うオンラインサービスやアカウントサービスなどのシステムに侵入し、個人情報を含むデータが窃取される事案が複数確認されているという。

IPAは、こうした状況では、発生している事象から不正アクセスや情報漏えいの可能性を確認し、応急処置などの初動対応を速やかに進めることが重要としている。今回の窓口開設により、被害を受けた企業・組織などが初動対応について相談できる体制を整えた。

IPAは10月9日に「速やかに実施すべき対策等」を公表

IPAは10月9日にも、不正アクセスによる情報漏えいなどの事案が増加していることを受け、事業者向けに「速やかに実施すべき対策等」を公表している。

この注意喚起では、主に次の3点について緊急点検を求めた。

  • 外部公開アプリケーション・サービスの洗い出しとログの確認
  • クラウドやVPNなど、外部サービスの利用状況の把握
  • 保有データの見直しと必要最小限化

また、異常なログや不審なアカウントが見つかった場合は、セキュリティインシデントとして速やかに対応することや、必要に応じて専門ベンダーに詳細調査を依頼することも推奨していた。

10月9日の注意喚起が平時の点検や対策を促すものだったのに対し、今回の特別相談窓口は、実際に被害や被害の疑いが生じている企業・組織に対し、初動対応を具体的に支援する取り組みと位置付けられる。

EC事業者も初動対応体制の再確認を

EC事業者にとっても、今回の窓口開設は無関係ではない。自社ECサイトや会員基盤、アプリ、CRM、マーケティングツール、決済連携、物流・カスタマーサポート基盤など、外部公開システムや外部サービスとの接続が多岐にわたるためだ。

特に、会員情報や購買履歴、配送先、問い合わせ履歴などを幅広く保有する事業者では、情報漏えいが発生した際の影響が大きい。日頃の点検や対策に加え、不審な兆候を把握した際に、どこへ相談し、どのように初動対応を進めるかまで含めて、体制を確認しておく必要がある。

IPAは、特別相談窓口の詳細を不正アクセス対策の特設サイトで案内している。相次ぐ情報漏えいインシデントを受け、事業者には、被害を未然に防ぐ対策と、発生時の初動対応の両面から備えを進めることが求められる。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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鳥栖 剛
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1 時間 2 分 ago
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