ネットショップ担当者フォーラム

楽天が日本テレビと連携、テレビCMのプランニングをデジタル広告のように最適化

1 週間 1 日 ago
楽天が日本テレビと連携、テレビCMのプランニングをデジタル広告のように最適化
楽天グループが日本テレビ放送網と連携して提供を開始した消費行動分析データを活用した地上波テレビCM向け広告ソリューション「RMP - TV Ads」は、ビデオリサーチの技術を活用し、楽天の消費行動分析データとテレビ視聴データを連携させる広告ソリューション。
furukawa2026年7月14日

楽天グループは7月13日、日本テレビ放送網と連携し、楽天が保有する消費行動分析データを活用した地上波テレビCM向け広告ソリューション「RMP - TV Ads」の提供を開始した。「楽天市場」などで蓄積した購買データとテレビ視聴データを組み合わせることで、ライフステージやライフスタイル、購買属性に基づいたテレビCMのプランニングや広告枠の購入を可能にする。

楽天グループが日本テレビ放送網と連携して提供を開始した消費行動分析データを活用した地上波テレビCM向け広告ソリューション「RMP - TV Ads」は、「楽天市場」などの購買データとテレビ視聴データを組み合わせ、ライフステージや購買属性に基づくCMプランニングや広告枠購入、効果測定を可能にする
地上波テレビCM向け広告ソリューション「RMP - TV Ads」の概要

「RMP - TV Ads」は、ビデオリサーチの技術を活用し、楽天の消費行動分析データとテレビ視聴データを連携させる広告ソリューション。たとえば、「楽天市場」で化粧品や子ども用品を購入した層といった購買属性から、広告主は特定ターゲットに向けた地上波テレビCMの精緻なプランニングを行える。

広告枠の購入は、日本テレビのアドプラットフォーム「Ad Reach MAXプラットフォーム」が提供する「AdRM-EXchange」と連携。広告主は、プランニング結果に基づいて入札条件を設定し、広告枠をリアルタイムで購入できる。テレビCM取引に、デジタル広告に近い運用性を取り入れる仕組みだ。

効果測定では、広告主が希望する場合、楽天IDと連携し、テレビCMの接触ユーザーと非接触ユーザーを対象にブランドリフトと購買リフトを計測できる。テレビCM配信後の認知度向上や購買への影響を検証しやすくする。

今回の連携について楽天と日本テレビ放送網は、生活者の消費行動データとテレビの持つリーチ力・信頼性を組み合わせることで、広告主のマーケティング課題の解決につなげるとしている。楽天のデータ分析力と日本テレビの放送枠運用体制を掛け合わせ、テレビCMのプランニングや運用をデジタル広告のように最適化していく考えだ。

日本テレビは、独自開発した「Ad Reach MAXプラットフォーム」の運用を2025年3月に開始し、テレビ広告のプログラマティック取引市場の拡大を進めている。今秋以降は他局の参画も予定しており、今回の連携は同プラットフォームの価値向上やテレビ広告取引の利便性向上にもつながりそうだ。

楽天によると、「RMP - TV Ads」の取扱企業は楽天、リンクシェア・ジャパン、および楽天のパートナー広告代理店。提供開始日は7月13日。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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furukawa

カウシェ経由で一部法人向け特別料金を利用できる運賃取次サービス「カウシェ・マルチチャネル運賃」とは? 関東発関東着60サイズで470円

1 週間 1 日 ago
カウシェ経由で一部法人向け特別料金を利用できる運賃取次サービス「カウシェ・マルチチャネル運賃」とは? 関東発関東着60サイズで470円
カウシェが始めた「カウシェ・マルチチャネル運賃」は、自社ECや各種ECモールなど販売チャネルを問わず、一部法人向けの特別料金で発送できる配送料の運賃取次サービス。
furukawa2026年7月14日

ソーシャルコマースアプリ「カウシェ」を運営するカウシェは7月6日、EC事業者向けの新サービス「カウシェ・マルチチャネル運賃」の提供を開始した。カウシェへの出店有無を問わず利用できる配送料の運賃取次サービスで、自社ECや各種ECモールなど販売チャネルを問わず、カウシェ経由で一部法人向けの特別料金を利用して商品を発送できるようにする。

カウシェが始めた「カウシェ・マルチチャネル運賃」は、自社ECや各種ECモールなど販売チャネルを問わず、一部法人向けの特別料金で発送できる配送料の運賃取次サービス。
関東発・関東着の60サイズで税抜470円から利用できる

「カウシェ・マルチチャネル運賃」を始めた背景には、自社ECと複数のECモールを併用する事業者の増加や、物流業務の効率化ニーズの高まりがある。販売チャネルを横断して利用できる配送インフラを提供することで、物流コストの削減や運用負荷の軽減を支援する。

特長の1つは、「カウシェ」に出店していない事業者でも利用できる点だ。自社ECやECモールなど、販売チャネルを問わず利用できるため、複数チャネルを運営する事業者やこれからEC事業を始める事業者でも導入しやすい設計としている。

料金面では、カウシェが配送パートナーと一括交渉することで、個別交渉では実現しにくい水準の特別料金を提供する。一例として、関東発・関東着の60サイズで税抜470円から利用できるとしている。

また、配送会社ごとの個別契約や与信審査・交渉が不要となるため、導入時の手間や日々の運用負荷を抑えられる点も特長としている。対応サイズは60~160サイズで、温度帯は常温のみ。自社倉庫、委託先倉庫のいずれからの出荷にも対応する。

今後は、複数店舗の注文を「カウシェ」の物流拠点で同梱して出荷する仕組みの提供も予定している。物流領域の機能拡充を進めることで、EC事業者の物流業務全体を支援するプラットフォームとしての役割を強化していく考えだ。

なお、カウシェは2026年3月、DeNAが出資および業務提携を発表している。DeNAのプロダクト開発力やAI活用の知見を取り込み、発見型コマース体験の高度化や組織体制の強化を進める方針を示していた。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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furukawa

企業は「何を変えたか」を考え、お客さんは「どう感じたか」で評価する。AI時代に見落とされているかもしれないこと【ネッ担まとめ】

1 週間 1 日 ago
企業は「何を変えたか」を考え、お客さんは「どう感じたか」で評価する。AI時代に見落とされているかもしれないこと【ネッ担まとめ】fujita-h2026年7月14日新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

「従来のSEO」と「AI施策」のような構図を依然として感じるなか、「AIに引用されるために」「AIが好むコンテンツ」といった文脈で、AI検索施策を推進する広告がSNSのフィードによく流れてきます。内容を読むと「センセーショナルに表現したい」という意図がわからなくもないのですが、「AIが好む」の先には「人=お客さん」がいて、その行動意図が反映されていることを忘れてはいけません。これはWebやAI検索に限った話ではありません。企業が「良かれと思って変えたこと」と、お客さんが「どう感じたか」の間には、しばしばズレが生まれます。今回は、そんな企業とお客さんとの間で生じる「ズレ」の事例から、「健やかなWebでの最適化」を考えていきましょう。

話題と購買欲、安定供給をめざしたことがもたらした学び

カルビー白黒包装で購入意向が激減 3000人調査で判明、湖池屋を下回る | 日経クロストレンド
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01394/00003/

原材料不足のなかでも安定供給のために変更した白黒パッケージは、大きなニュースとなりました。

購買意欲をかき立てる暖色系を消すことは、メーカー側も不本意だったと思います。上記調査では、「おいしそう」が33.1ポイント減、「安心・信頼」が24.9ポイント減となるなど、その影響は大きかったようです。有料会員限定記事ですが、読める人はぜひチェックしてみてください。

モノクロの新奇性によって短期的な注目を集める一方、それを上回る食欲や楽しさの減退を招いたことは、今後、企業が「変えること」と「お客さんがどう感じるか」を考えるうえで、1つの象徴的な事例になりそうです。その意味でも、この取り組みが残した学びは大きいと感じました。

「貧ぼっちゃま仕様(笑)」 カルビー『ポテトチップス』片面カラー袋が話題『おぼっちゃまくん』連想 | オリコンニュース
https://www.oricon.co.jp/news/2466679/

表面はフルカラーで明るいが裏面は白黒のままで、ネット上ではアニメ『おぼっちゃまくん』登場キャラの「貧保耐三(貧ぼっちゃま)」と話題になっている。

一部商品の表面カラー印刷再開を報じる記事のなかで、おもしろいタイトルのこちらの記事をピックアップ。白黒→一部再開のいずれもが大きな話題となることは、副産物となったかもしれません。

一方、X(旧Twitter)では白黒のパッケージをキャンバスに見立てて絵を描く人たちの発表の場となり、こちらも盛り上がりました。

苦肉の策から、わずか2か月で二転三転したパッケージが巻き起こしたあれこれ。話題と購買欲について、学びが多いと感じました。

要チェック記事

SEO関連

SEOは「キーワード検索」から「意思決定エンジン」へ、AI検索がもたらす10の変化(前編) | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2026/07/06/52884

クリックの前、つまりAIが生成する回答の中でもSEOの効果が発揮されるようになっている

「タイパ・コスパ重視」と言われたZ世代の次α世代は、AIすらネイティブ。2010年度生まれの人たちは2026年高校生になり、バイト代を使ってECで買い物する人たちも増えてくるでしょう。

高校生や社会人数年目の人と話す機会も増えましたが、彼らは惜しむべきもの・惜しまないものを明確に持っていると感じます。

クリック、タップの前段に多くのフローがあり、意思決定を行うまでに、自社のサイトやSNSアカウントがどれだけ露出し、接点を持てるかがカギとなりそうです。

AI検索最適化は「SEOの代替」や「裏技で成り立つ孤立した分野」だと考えるべきではない。むしろ「検索最適化の進化形」

本当にこれは何度も何度でも伝えたいことです。

サードパーティの SEO ツール、サービス、アドバイスの使用に関する Google 検索のガイダンス | Google Search Central
https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/third-party-seo?hl=ja

有益なアドバイスもありますが、「Google が言っていること」や Google のランキング システムの仕組みについて誤解していたり、異議を唱えたりする人もいます。

前回は「生成AI検索でもSEOは有効」と明言したGoogleの記事を紹介しましたが、こうした声明が増えてきたのも、AIの普及とそこに付随するサービスが増えているからでしょうか。

Google はサードパーティ サービスを評価していない

と言い切ってもらえることはありがたいですね。昔は「消防署から来ました」という消火器の訪問販売をよく聞きましたが、「Googleから来ました」にも気をつけたいところ。

ググると出る「AIによる概要」でゼロクリック検索急増、『SEO瀕死』は真実か? | Forbes JAPAN
https://forbesjapan.com/articles/detail/98888

Googleによる「生成AI検索でもSEOは有効」を解説した記事。上記記事と併せてどうぞ。

コンシェルジュがいてもレストランの仕事は変わらない

この表現、とてもしっくりきました。これから激変するかもしれませんが、今のところ

検索の本質は、30年変わっていない

See how content from social and video platforms performs on Google Search(ソーシャルメディアや動画プラットフォームのコンテンツがGoogle検索でどのように表示されるかを確認してください) | Google Search Central
https://developers.google.com/search/blog/2026/07/search-console-social-video-platforms

「Google Search Console」の新機能。現時点で、Instagram、TikTok、X、YouTubeのアカウントを連携することで、Google検索、Discover、Googleニュースでのパフォーマンスがチェックできるように。

縦型動画が隆盛を迎える今、動画集客に勤しむEC事業者も多いと思います。自社の動画がどのように検索されているかを見られるようになるのは、神アプデ。

マーケティング関連

客単価1900円増 ムラサキスポーツが挑んだ「誰でもデータ活用」の仕組み | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2606/24/news016.html

おそらく多くの企業に立ちはだかる

データ活用の壁は「時間不足」「属人化」「文化」

をどう解決したのかは参考になるかも。

「成長したい」と言うくせに「なんでもAIで答えを出す人」が見落としている“大事なこと”|DIAMONDonline
https://diamond.jp/articles/-/391273

こちらもあるある。

AI時代は「結果を出せる人」ではなく「過程を知っている人」が評価される

「なぜそうなったのか?」に至るまでを知っているかどうかは、本当に大切だと思います。

シニアの推し活は「若者化」なのか-コンテンツ経験から読み解くシニア像|ニッセイ基礎研究所
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=86189?pno=2&site=nli

Z世代、α世代が注目されがちですが、更新されているシニア像を生かしたシニアマーケティングも要注目。

「うちのお客さんはシニアなのでスマホを見ない」なんて言う事業者さん、もはやいませんよね?

今週の名言

New Look, Same Whole-Grain Mission for Bob’s Red Mill | PACKAGING DIGEST
https://www.packagingdigest.com/food-packaging/new-look-same-whole-grain-mission-for-bob-s-red-mill

冒頭で紹介した白黒パッケージは、ニュースやSNSでも大きく話題になる一方、「購買欲が下がった」という厳しいデータも。それでもお絵かきキャンバスとして話題になる副産物もありました。

ここで紹介するのは、アメリカで約50年の歴史をもつ、穀物食品のブランド「ボブズ・レッドミル」の事例です。

長年親しまれてきた創業者ボブの顔をプリントしたパッケージの変更が発表されると、SNSで「ボブが消えた」「昔の温かみがなくなった」「現代的すぎる」など反発の声も相次ぎました。

この変更には約3年をかけて消費者調査・小売業者へのヒアリングや社内テストを実施。「新パッケージにすることで、商品が見つかる時間を削減できる」という結論から、変更したのです。

創業者ボブの顔は品質保証のマークとして位置づけ、ボブは消えたのではなく、ブランドの象徴とする選択をしました。そして、一気に切り替えるのではなく2026年9月から商品ごとに順次新パッケージに切り替え、徐々に馴染んでもらうことをめざすようです。

2010年にGapがロゴを変更したところ不評の嵐で、わずか6日で元のロゴに戻し、当時のレートで約100億円の損失を出したことが報じられました。

2009年、Tropicana(トロピカーナ)はお馴染みだった果物にストローが刺さったパッケージを変更するも、38億円の広報費用が水の泡となり、30日で元のデザインに戻したこともありました。

大切なのは、企業が「何を変えたか」ではなく、その変化をお客さんが「どう感じるか」。わかりやすさ。見つけやすさ。そして「あ、これ知ってる」と思ってもらえる「おなじみの」を持つ企業やブランドは、やはり強いですね。

これはSEOやAI検索でも同じなのかもしれません。「AIに引用されるために何を変えるか」を考える前に、お客さんが自社をどのような言葉で探し、何を知りたがり、どんな情報があれば安心して選べるのかを考える。その積み重ねの先に、検索エンジンにもAIにも認識される「おなじみの存在」ができていくのではないでしょうか。AI時代だからこそ、「誰にどう感じてもらいたいのか」を忘れないようにしたいですね。

それではまた次回! 酒匂(さこっち)の「ネッ担ニュースまとめ」をよろしくお願いいたします。

「新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」は以下の専門家が連載しています。

ECMJ 石田氏石田氏

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノイン 酒匂氏酒匂氏

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequation 中林氏中林氏

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 酒匂 雄二

株式会社ユウキノイン 代表取締役

ゲームクリエイター専攻後、ネット通販会社、ゲーム会社を経て紳士アパレルSPA入社。ECの店長・生産管理・実店舗・卸売を統括。

SNSを活用し、広告費をゼロにしながら自社店舗の売上を2年で400%に成長、 自社通販サイトは2017年、イーコマース事業協会(EBS)主催の「第9回全国ネットショップグランプリ」で準グランプリを受賞。

自社の成功事例を共有するべく異業種交流会を有志と設立し、 セミナー講師、他社ECサイトの構築・企画・SEOを手掛けるように。2020年1月、ユウキノイン設立。

fujita-h

経済産業省、決済代行「全東信」破たんの影響を受ける中小企業・小規模事業者を支援。特別相談窓口設置、資金繰り支援

1 週間 1 日 ago
経済産業省、決済代行「全東信」破たんの影響を受ける中小企業・小規模事業者を支援。特別相談窓口設置、資金繰り支援
経済産業省は、決済代行会社「全東信」の破たんで影響を受けた中小企業・小規模事業者向けに、特別相談窓口の設置や資金繰り支援を始めた。セーフティネット貸付の要件緩和や、信用保証協会によるセーフティネット保証1号の適用手続きを進め、未入金売上や決済停止に直面する事業者を下支えする。
furukawa2026年7月14日

経済産業省は7月10日、クレジットカード決済代行を手がける全東信の破産手続開始に伴い、影響を受ける中小企業・小規模事業者に対する支援策を発表した。未入金売上の発生や決済サービスの停止により影響を受けた事業者を対象に、特別相談窓口の設置や資金繰り支援などを実施する。政府系金融機関や信用保証協会などが連携し、事業継続を後押しする。

今回の支援では、全国の経済産業局、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会、商工会議所などに特別相談窓口を設置。あわせて、日本政策金融公庫と商工組合中央金庫による「セーフティネット貸付」の要件緩和や、信用保証協会による「セーフティネット保証1号」の適用手続きを進める。

セーフティネット貸付は要件を緩和

「セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)」は、社会的・経済的環境の変化など外的要因により、一時的に売上減少など業況が悪化しているものの、中長期的には回復が見込まれる中小企業・小規模事業者を対象とする制度。

通常は「最近3か月の売上高が前年同期または前々年同期と比べて5%以上減少していること」などの要件があるが、特別相談窓口が設置された災害・事象による影響を受けた場合は、数値要件を満たさなくても、資金繰りに著しい支障を来している、または来すおそれがあると認められれば対象となる。

今回の措置では、この要件を緩和し、全東信の破産手続開始による影響を受けた、または今後影響が見込まれる中小企業・小規模事業者まで支援対象を広げる。

対象資金は設備資金と運転資金。貸付限度額は中小企業事業が7億2000万円、国民生活事業が7200万円。貸付期間は設備資金が20年以内、運転資金が10年以内で、据置期間はいずれも3年以内としている。

経済産業省、決済代行「全東信」破たんの影響を受ける中小企業・小規模事業者を支援。特別相談窓口設置、資金繰り支援
セーフティネット貸付の概要(画像は経産省の公表資料から編集部がキャプチャ)

セーフティネット保証1号は別枠で100%保証

信用保証協会の「セーフティネット保証1号」は、民事再生手続開始の申し立ててなどを行った大型倒産事業者(指定事業者)に対して売掛金債権などを有する中小企業者の資金繰りを支援する制度。通常の保証限度額とは別枠で100%保証を受けられるのが特徴だ。

経済産業省は、全東信を同制度の対象となる指定事業者とする方向で手続きを進めている。認定基準は次のいずれかに該当すること。

  • 指定事業者に対して50万円以上の売掛金債権または前渡金返還請求権を有していること
  • 指定事業者に対する売掛金債権などが50万円未満であっても、当該事業者との取引依存度が20%以上であること

保証対象資金は経営安定資金で、保証割合は100%。保証人は原則として第三者の保証人は不要。保証限度額は無担保8000万円、普通保証2億円の別枠となる。

経済産業省は現在、セーフティネット保証1号の適用手続きを進めており、今後、官報で告示する予定。それに先立ち、全国の信用保証協会で事前相談の受け付けを開始した。

経済産業省、決済代行「全東信」破たんの影響を受ける中小企業・小規模事業者を支援。特別相談窓口設置、資金繰り支援
セーフティネット保証1号の概要(画像は経産省の公表資料から編集部がキャプチャ)

既往債務の返済条件緩和なども要請

経済産業省は、日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、商工組合中央金庫、全国の信用保証協会に対し、返済猶予など既往債務の条件変更や貸出手続きの迅速化、担保徴求の弾力化について、今回の事案の影響を受けた中小企業・小規模事業者の実情に応じて柔軟に対応するよう要請している。

背景に全東信の破産。未入金売上と決済停止が加盟店を直撃

今回の支援の背景には、全東信が7月6日付で大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受け、同日付で事業を停止したことがある。

全東信は加盟店向けのクレジットカード決済代行および付帯サービスを中止し、同社の決済端末も利用できなくなった。加盟店に対しては、破産手続開始までに支払われていないクレジットカード売上金について、従来の支払期限通りには弁済できず、破産債権として扱うと説明している。

東京商工リサーチによると、全東信の負債は2025年3月期決算時点で約1259億円。特に飲食店を中心に影響が広がっており、入金サイクルの早さを理由に同社のサービスを利用していた事業者では、未入金売上の発生が資金繰りを直撃する懸念が高まっていた。さらに、代替の決済サービスを導入できていない店舗では、クレジットカード決済が利用できなくなり、販売機会の損失につながる可能性も指摘されている。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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furukawa

ジャパネットHD、ツインバードの公開買付に向けて秘密保持確認書を締結

1 週間 1 日 ago
ジャパネットHD、ツインバードの公開買付に向けて秘密保持確認書を締結
ジャパネットホールディングスは、ツインバードとの間で秘密保持確認書を締結した。6月に公表したTOB開始予定を受けた動きで、今後は非公開情報も含めた具体的な協議を進める。ツインバードの完全子会社化を通じて、ジャパネットは「製販垂直統合モデル」の実現をめざしている。
furukawa2026年7月14日

ジャパネットホールディングスは7月13日、ツインバードとの間で、公開買い付け(TOB)を含む一連の取引に関する具体的な協議を進めることを目的に、7月9日付で秘密保持確認書を締結したと発表した。これにより、非公開情報の取り扱いに関する枠組みが整い、今後は具体的かつ実質的な情報交換や協議を進められるようになる。

ジャパネットHD、ツインバードの公開買付に向けて秘密保持の確認書を取り交わし
ツインバードTOBによるシナジーのイメージ(画像はジャパネットHDの公表資料から編集部がキャプチャ)

ジャパネットは6月19日に、ツインバードの完全子会社化を目的とするTOBの意向を公表。ツインバード取締役会の賛同を得ることを前提に、1株800円で公開買い付けを実施する意向を示している。一方で、ツインバードが賛同しない場合や、2026年10月30日までに意見表明を行わない場合には提案を取り下げ、同条件でのTOBは実施しない方針だ。

今回、秘密保持確認書を締結したことで、両社はQ&Aなどのプロセスを通じた協議を本格化させる。企業文化や経営方針への相互理解を深めながら、公開買い付けの円滑な実施と、両社の持続的な企業価値向上に向けた議論を進めるとしている。

ジャパネットは、本取引の狙いについて、自社の強みである「顧客の声を反映して製品を磨き、チャネルミックスを活用して多くの人に届ける力」と、ツインバードが培ってきた設計・開発・製造技術を融合し、シナジーを創出することだと説明している。今回の秘密保持確認書の締結は、その実現に向けた具体的な検討を進めるための環境整備と位置付けられる。

また、ジャパネットは今回の提案について、一方的に進めるものではなく、透明性の高いプロセスを重視する姿勢も改めて示した。株主、取引先、従業員などのステークホルダーの意見も踏まえながら、双方が納得したうえで取引を進めたいとしており、今後も開示すべき事項が発生した場合には速やかに公表するとしている。

6月にTOB開始予定を公表、「製販垂直統合モデル」の構築を掲げる

ジャパネットは6月19日、東証スタンダード上場の家電メーカーであるツインバードを完全子会社化することを目的に、TOBを開始する予定だと発表した。買付価格は1株800円で、成立後はツインバードを非公開化する方針を示している。

同社が本取引で掲げるのは、「製販垂直統合モデル」の構築だ。ジャパネットの販売網や顧客基盤、顧客接点から得られる声と、ツインバードの設計・開発・製造技術を組み合わせることで、企画・開発・製造・販売・アフターサービスまでを一気通貫でつなぐ体制の構築をめざすとしている。

さらに、テレビ、ラジオ、紙媒体、ECサイトなどを組み合わせたチャネルミックスによる販路拡大、既存事業の一部製造移管による工場稼働率の向上、顧客データと製造ノウハウを生かした商品開発の高度化、物流やコールセンター機能の相互活用など、多面的なシナジーも見込んでいる。地域共創の観点では、燕三条地域のものづくり基盤の維持・発展や雇用への貢献も掲げている。

今回の秘密保持確認書の締結により、6月時点では構想段階だった提案は、具体的な情報交換と協議を進めるフェーズへ移行した。今後は、ツインバード側がTOBに対してどのような判断を示すかが焦点となる。

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[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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鳥栖 剛

決済承認率15%改善、不正率ほぼゼロを実現。「and ST」が導入したRiskifiedの網羅的な不正対策アプローチ

1 週間 1 日 ago
決済承認率15%改善、不正率ほぼゼロを実現。「and ST」が導入したRiskifiedの網羅的な不正対策アプローチuchiya-m2026年7月14日ネットショップ担当者フォーラム 2026 セミナーレポート
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2025年以降、クレジットカード決済におけるセキュリティ強化のためにEC加盟店での「3Dセキュア」対応が必須になった。不正利用の減少に効果を発揮する一方で、決済承認率の低下や決済段階での離脱による売り上げの減少、運用負荷の増大といった課題も生まれている。ファッションEC「.st(ドットエスティ)」を運営するアンドエスティの本多由美子氏もかつて、急増する不正利用と激務化する目視チェックの現場で限界を感じていた1人だ。

セキュリティの強化とスムーズな購買体験、ひいては売り上げの最大化という相反する課題を、アンドエスティはいかにして両立したのか。Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスがもたらした業務効率化と決済承認率向上のプロセスから、「3Dセキュア」必須化時代を生き抜くための実践的なヒントを解説する。

Riskified Japan Account Executive ナボン恵子氏、アンドエスティ プラットフォーム開発部 シニアマネージャー 本多由美子氏

決済承認率が改善! アンドエスティの成功事例

アンドエスティは2025年の商号変更時に自社ECサイトを「.st(ドットエスティ)」から「and ST(アンドエスティ)」へ改称。従来のSPA(製造小売)型のビジネスモデルから、他社ブランドや多様なサービスともつながるプラットフォーマーへリブランドした。

アンドエスティが運営するECプラットフォーム「and ST」
アンドエスティが運営するECプラットフォーム「and ST」(https://www.dot-st.com/

アンドエスティでは、「.st」時代から、クレジットカード決済における不正を防止するための本人認証サービス「EMV 3-Dセキュア2.0(以下、3Dセキュア)」を全注文に対して実施していた。

不正利用が一気に増えた2023年頃から、目視チェックを導入した。ただ、これが想像以上に人のリソースを奪う。私自身も1か月ほど張り付いて確認し続けたが、やはり人間のチェックにはどうしても限界があり、防ぎきれないケースも出てくる。不正はそのまま増え続け、状況はなかなか改善しなかった。(本多氏)

アンドエスティ プラットフォーム開発部 シニアマネージャー 本多由美子氏
アンドエスティ プラットフォーム開発部 シニアマネージャー 
本多由美子氏

「3Dセキュア」を適用すると、消費者にはSMS認証などの手間が発生するため、離脱も発生する。アンドエスティでも一般的な加盟店と同様に、「3Dセキュア」による離脱が5〜10%程度発生し続けた

「3Dセキュア」を注文に対して100%適用していたため、アンドエスティにチャージバックの連絡はほとんど来なかった。ただ、その裏では不正が発生していた。「3Dセキュア」は不正対策ではなく本人認証に過ぎないため、不正を防止する効果は限定的だ。アンドエスティではリアルタイムで不正を把握する手段がなく、後になって想定以上の不正が判明。結果として、アクワイアラから指導を受ける状況に陥った

オーソリを通すタイミングでカード会社からの拒否や離脱も増加した。この頃、不正の増加が顕著になっており、オーソリ承認率は次第に低下していった

アンドエスティが実施していた従前のセキュリティ対策
アンドエスティが実施していた従前のセキュリティ対策

承認率改善をめざしてRiskifiedのチェックアウト・インテリジェンスを導入

カード決済では承認率が低いほど不正は発生しにくい。しかし、売り上げを最大化するためには「承認率が高く、かつ不正が発生しない状態」を実現する必要がある。アンドエスティでは承認率の落ち込みが深刻化し、「不正を減らさない限り承認率は改善しない」という共通認識の下、Riskifiedが提供する不正検知プラットフォームを導入した。

Riskifiedは2013年にイスラエルで創業した、AIベースの不正検知領域のパイオニアだ。Riskifiedの決済時不正検知チェックアウト・インテリジェンスの導入により、チェックアウト時の不正検知が行われ、そのうえで、3Dセキュアに進むか、そのままオーソリに進むかが判断されるフローとなった。

「Riskified」導入後のフロー
Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンス導入後のフロー

Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスは従来型のスコアリングツールによる不正検知とは異なるAIベースの不正検知プラットフォーム。数百名のアナリストが24時間365日体制でAIモデルの改善に取り組んでいることも特長で、不正が発生した場合AIと専門家によるハイブリッドな体制で迅速な検知・抑止が可能だ。(ナボン氏)

Riskified Japan Account Executive ナボン恵子氏
Riskified Japan Account Executive ナボン恵子氏

Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスがもたらした効果とは

  • 決済承認率の向上……導入後は決済承認率がおよそ15%改善し、95%以上へと向上。売り上げの機会損失を大幅に削減した
  • 不正発生率の低下……安全な決済環境が実現し、導入後9か月で不正の発生率は0.0006%、12か月後には0.0002%と、ほぼゼロに近い水準を維持している
  • 運用負荷の削減……目視チェックにかかっていたリソースは、導入前と比べて週に約10時間削減され、大幅な業務効率化を実現できた。

自分でも3Dセキュアをスキップして注文してみた。これまでにない速さで注文が完了し、決済体験の改善を実感できた。(本多氏)

チャージバックの抑止における「反証対応」の効果も高い。反証とは、利用者自身が購入したにもかかわらず「買っていない」「このカードは使っていない」などと不当な申し立て(虚偽のチャージバック)をしてきた際に、正しく購入された証拠を示すことだ。

Riskifiedから購入証明になる適切な反証資料が提供されることで、不当な申し立てを取り下げさせる可能性が高まり、アクワイアラから見たチャージバック件数を減少させることができた。一から反証資料を作成することなく、Riskifiedが示す資料をそのまま利用するだけで済む。現在のアンドエスティにおける反証勝率は約70%にものぼる

Riskifiedが作成するチャージバック反証資料
Riskifiedが作成するチャージバック反証資料

Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスが備える豊富なソリューション

Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスは決済前、決済時、決済後の各フェーズの不正検知を網羅している。ソリューションは加盟店のウェブサイトに設置するフロントエンドのJavaScriptスニペットと、バックエンドの取引データで構成されている。フロントエンドとバックエンドで取得、送信されるデータポイントを相互に分析することで、データの不整合を検知していく。タイムゾーンや言語設定の不一致、ユーザーエージェントの偽装など、複数のシグナルを組み合わせることで、なりすましの兆候を高精度に見抜くことが可能となっている。

Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスは網羅的にリスクを管理する
Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスは網羅的にリスクを管理する

アカウント保護

決済前の不正検知ソリューションである「アカウント保護」は、新規アカウントの作成、ログイン、属性情報の変更といったタイミングにおいて、その操作が本当に会員本人によるものなのか、あるいは第三者によるなりすましなのかを、多角的なシグナルから分析し、そのリスク評価に応じて最適なアクションをリアルタイムで提供する。

たとえば、新規アカウントの作成時には、不正傾向が見られるユーザーのアカウント作成や、複数アカウントを作成しようとする悪質なユーザーをブロックすることができる。また、ログイン時の検知では「許可」「通知」「チャレンジ」といった段階的な制御を行う。「許可」と「通知」は、ユーザー体験を損なわないフリクションレスな設計となっており、「通知」は通常と異なるログインが検知された場合のみ行われ、ユーザーが「これは自分ではない」と申告できる仕組みだ。

加えて、登録情報の変更時においても同様に不正検知を行うことで、アカウントのライフサイクル全体をカバーする。さらに、アカウント乗っ取り後に発生しやすいポイントの不正利用や二次被害に対しても、検知防止の対象範囲となっている。

決済前のフェーズにおける不正検知
決済前のフェーズにおける不正検知

チェックアウト・インテリジェンス

決済時の不正検知ソリューションであるチェックアウト・インテリジェンスは、ユーザーが購入ボタンをクリックしたタイミングでリアルタイムに不正検知を行う。導入形態としては、「3Dセキュア」やオーソリの前に不正検知を行うパターンや、オーソリの後に不正検知を行うパターンなど、加盟店のニーズに応じて柔軟に設計することが可能である。いずれのケースにおいても、顧客からは一切意識されることのない、完全にシームレスな不正判断を実現している。

Riskifiedでは不正ではない一般の顧客をいかに正しく承認できるかを重要な指標としている。そして、承認したトランザクション、「3Dセキュア」に連携する場合にも不正判断の役割を担う。なお「3Dセキュア」に連携しない場合にはRiskified側がチャージバックを保証するため、加盟店は不正リスクを負うことなく、フリクションレスでスムーズな購入体験を提供することが可能になる。

決済時のフェーズにおける不正検知
決済時のフェーズにおける不正検知

なりすまし検知

なりすまし検知の具体例を紹介する。このケースではユーザーエージェントがiPhoneだったが、OSの情報としてLinux系の値が確認されていたり、タッチスクリーンの存在が確認できなかったり、マウス操作が行われていたりといった、本来iPhoneであれば発生しないはずのシグナルが複数検出された。こうしたデータの不整合から、なりすましの可能性が高いと判断できた。

デバイスなりすまし検知の具体例
デバイスなりすまし検知の具体例

「3Dセキュア」必須化における運用の壁をどう突破するか

経済産業省の指針により、「3Dセキュア」は2025年より必須化されたが、運用パターンには次の3つがある。

① 加盟店のリスク判断により認証を実施する方式
② カード番号登録時のみ認証を実施する方式
③ 決済の都度認証を実施する方式

決済承認率の観点から、売り上げに最も有利とされるのは①だが、①は網羅的な不正対策として、属性・行動分析を含む包括的な不正検知の実施が基本要件として求められる。網羅的な不正対策とは、決済前、決済時、決済後を一体として捉え、連続的に対策を講じることだ。それには24時間365日体制での継続的なセキュリティ対策が必要となり、さらにインシデント発生時の連絡体制など、組織としての対応プロセスが整備されていることや、アクワイアラからの承認を得ることも条件となるため、自社で体制を整えるのは現実的ではない

アンドエスティでは「3Dセキュア」が必須化される以前から、③のパターンで運用してきたが、Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスを導入し、またRiskifiedの支援を得てパターン①取得に必要な資料や体制を整えたことで、①のパターンでの運用が可能になった

Riskifiedは上述の不正対策に加え、クレジットマスター攻撃(クレマスアタック)への対策、注文内容や配送先情報のチェック、さらにユーザーの属性や行動分析まで総合的に実施する。継続的な不正検知を24時間365日体制で行っており、ポルトガル、イスラエル、インド、オーストラリア、ブラジル、ニューヨークなど、世界各地の拠点にアナリストを配置し、グローバルな運用体制を構築している。RiskifiedはAIモデルそのものを最適化して構築し判定精度を大きく向上させており、現在は日本国内の加盟店に特化したAIモデルの構築を進めている。

◇◇◇

「3Dセキュア」必須化という大きな環境変化のなかで、セキュリティの強化と決済の最適化、そして顧客体験をいかに両立するか。アンドエスティがRiskifiedとともに導き出したこの成果は、EC事業者にとって極めて実践的で参考になる事例と言えるだろう。

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AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」

1 週間 2 日 ago
ラクスルの調査によると、中小企業で業務にAIを使った経験がある人は7割を超える一方、積極活用層は31.0%にとどまった。代表・役員がAIを使っていない企業では、85.7%がAI活用の方針や推進体制を整えておらず、経営層の理解と実践が組織全体の活用度を左右している実態が浮かび上がった。

ラクスルは7月9日、「中小企業のAI活用に関する実態調査」の結果を公表した。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
ラクスルは「中小企業のAI活用に関する実態調査」の結果を公表

調査によると、業務でAIを利用した経験がある人は73.3%にのぼる一方、「積極的に活用している」と回答した企業は31.0%にとどまった。特に、代表・役員がAIをまったく利用していない企業では、85.7%が「AI活用の方針も推進体制もない」と回答。経営層の理解や実践が、組織全体のAI活用を大きく左右している実態が浮き彫りとなった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
業務でAIを利用した経験がある人は73.3%

また、AI活用の浸透度には業種や企業規模による差も見られた。IT企業では53.0%が「積極的に活用している」と回答したのに対し、IT企業以外では20.0%にとどまり、33ポイントの開きがあった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
AI活用の浸透度には業種によって差

年商別では、年商3000万円未満の企業で積極活用層が21.5%だったのに対し、年商1億円以上では35.1%となり、企業規模による格差も明らかになった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
年商規模別のAI活用状況

AIを使わない理由は「必要性を感じない」が最多

AIを「以前は使っていたが現在は利用していない」「ほとんど使っていない」「まったく使っていない」と回答した人に理由を尋ねたところ、最も多かったのは「必要性を感じない」(55.8%)だった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
AIを使わない理由は「必要性を感じない」が最多

これに「使いこなせる自信がない」(20.0%)、「使い方がわからない」(13.7%)が続き、スキル不足よりも、AIを導入する意義を感じられていないことが大きな障壁となっていることがわかった。

「必要性を感じない」と回答した人の職種では、「経営・経営企画」が45.3%で最多。次いで「総務・庶務・事務」(22.6%)、「IT・システム管理」(18.9%)、「人事・労務」(17.0%)、「経理・財務」(15.1%)となり、意思決定を担う層ほどAIの必要性を感じていない傾向が見られた。

また、「自分の業務にAIをどこまで組み込めるか想像・把握できているか」との質問では、「あまり把握できていない」が38.3%、「まったく把握できていない」が19.0%で、合計57.3%が具体的な活用イメージを持てていなかった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
自分の業務にAIをどこまで組み込めるか想像・把握できているか

経営層のAI活用が組織全体の取り組みを左右

役職別に「業務でAIを積極的に活用している」割合を見ると、「代表・役員」は27.2%で全役職中最も低かった。一方、「まったく使っていない」と回答した割合は22.8%で最も高く、経営層のAI活用の遅れが目立つ結果となった。

会社としてのAI活用方針や推進体制については、「特に方針はないが各自で活用している」が33.0%、「方針も推進体制もない」が29.7%、「方針はあるが推進体制は整っていない」が29.0%で、「明確な方針と推進体制がある」は8.3%にとどまった。多くの中小企業で、組織的なAI活用の基盤が十分に整っていないことがうかがえる。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
会社としてのAI活用方針や推進体制

さらに、代表・役員のAI活用状況と組織体制には強い相関が見られた。代表・役員がAIを「積極的に活用している」企業では、「方針も推進体制もない」と回答した割合は4.0%だったのに対し、「まったく使っていない」企業では85.7%に達した。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
代表・役員のAI活用状況と組織体制には強い相関が見られた

また、「方針も推進体制もない」と回答した企業に、自社のAI活用状況が世間や同業他社と比べて進んでいるかを尋ねたところ、「かなり遅れている」が36.0%、「やや遅れている」が14.6%で、合計50.6%が遅れを認識していた。一方、「わからない」と回答した企業も30.3%あり、他社の状況を把握できていない企業も少なくなかった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
自社のAI活用状況が世間や同業他社と比べて進んでいるか

小規模企業ほどAI人材と推進体制が不足

AIを業務フローの改善や自動化レベルまで活用できる人材が社内にいるかを聞くと、年商3000万円未満の企業では「いない」が55.4%、「わからない」が12.3%だった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
AIを業務フローの改善や自動化レベルまで活用できる人材が社内にいるか

一方、年商1億円以上の企業では「いない」が33.3%、「わからない」が10.9%となり、企業規模が小さいほどAI人材が不足している傾向が見られた。

また、「方針も推進体制もない」と回答した割合は、年商3000万円未満の企業で49.2%、年商1億円以上では21.8%となり、財務基盤が小さい企業ほど、AI活用を支える人材や体制の整備が遅れている実態もうかがえた。

調査概要

  • 調査期間:2026年5月29日〜6月1日
  • 調査対象:従業員数2〜100人の中小企業の経営者・従業員300人
  • 調査方法:第三者機関によるインターネット調査

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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銀行振込の「入金照合」を完全自動化する機能をメルカートが実装、「バーチャル口座連携機能」を提供開始

1 週間 2 日 ago
銀行振込の「入金照合」を完全自動化する機能をメルカートが実装、「バーチャル口座連携機能」を提供開始
「メルカート」の「バーチャル口座連携機能」は、注文ごとの専用口座の自動発行や入金検知、金額照合、過不足発生時の通知に対応する。銀行振込決済における消込業務の効率化を図る。
ohshima2026年7月13日

メルカートはこのほど、クラウドEC構築プラットフォーム「メルカート」に、GMOペイメントゲートウェイのオンライン総合決済サービス「PGマルチペイメントサービス」の「銀行振込(バーチャル口座)」機能と連携した新機能「バーチャル口座連携機能」の提供を開始した。

「バーチャル口座連携機能」は注文ごとに専用口座を発行し、これまで事業者側で手作業となっていた銀行振込決済の消込業務について、注文ごとの口座自動発行、入金検知、注文との照合、出荷ステータス更新、過不足発生時の通知までを自動化する。自動化のポイントは次の通り。

  • 注文ごとの専用口座を自動発行:ユーザーが銀行振込を選択すると、注文専用の口座情報を自動で発行し、ユーザーに自動で案内する。
  • 入金検知:ユーザーの入金をGMOペイメントゲートウェイ側で検知し、「メルカート」へ通知する。
  • 注文との金額照合・出荷ステータス更新:「メルカート」で入金額と注文金額を自動照合し、金額が一致した場合は「出荷OK」のステータスへ自動更新する。
  • 過不足発生時の通知:入金額に過不足が発生した場合は、事業者向けに通知を配信する。事業者は通知を受けた場合のみ確認・対応を行う。
「メルカート」の「銀行振込(バーチャル口座)」機能は、注文ごとの専用口座の自動発行や入金検知、金額照合、過不足発生時の通知に対応する。銀行振込決済における消込業務の効率化を図る。
機能の構造イメージ

EC事業者にとって、注文が増加すると、それに比例してバックオフィスの運用負荷が増大するという構造的課題がある。特に、銀行振込決済における消込業務は、「自動化したいが手が回らない領域」とされていたという。振込先口座の案内、入金明細の日次確認、注文との目視照合、注文ステータスの手動更新、過不足発生時の個別対応など、一連の手作業が発生。注文件数が増えるほど工数は膨らみ、確認漏れによる出荷遅延や照合ミスなどの課題があったことから、「銀行振込(バーチャル口座)」機能と連携した新機能の提供を開始した。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

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ニトリが毎月セールの新企画「毎月テーマ型セール」をスタート。季節や生活シーンに合わせて設定、第1弾は「猛暑対策」

1 週間 2 日 ago
ニトリが7月10日から開始する新企画では、毎月テーマを設定して対象商品を期間限定価格で販売する。第1弾は寝具や空調家電などを10%OFFで提供

ニトリホールディングス傘下のニトリは7月10日から、季節や生活シーンに合わせて毎月テーマを設定し、対象商品を期間限定価格で提供する新企画「毎日の暮らし応援。今月のお買い得品」をスタート。第1弾は「盛夏対策」をテーマに、全国の「ニトリ」店舗、「デコホーム」および「ニトリネット」で実施している。

ニトリが毎月セールの新企画「毎月テーマ型セール」をスタート。季節や生活シーンに合わせて設定、第1弾は「猛暑対策」
ニトリは7月10日から新企画「毎日の暮らし応援。今月のお買い得品」をスタートした

本セールでは、ニトリが企画・開発・改良を重ねてきた商品の中から、暮らしを快適にするアイテムを毎月厳選して展開する。

第1弾となる7月は、年々厳しさを増す猛暑を受け、「盛夏対策」をテーマに設定。「夜中の寝苦しさ」「部屋の温度ムラ」「外出先での水分補給」「水まわりの不快感」といった、夏特有の困りごとに対応するアイテムを中心に選定した。寝具・空調家電・お出かけグッズ・水回り用品などを、期間限定で10%OFFで販売する。

7月に期間限定価格で展開するのは、接触冷感タイプの敷きパッドやサーキュレーター、ステンレスボトル、バスマットなど。

ニトリが毎月セールの新企画「毎月テーマ型セール」をスタート。季節や生活シーンに合わせて設定、第1弾は「猛暑対策」
商品例:(左から)「敷きパッド Nクール 極冷(シングル)S2603」、「15cm 3D-DCサーキュレーター(リモコン付き)SK02NR」、「ステンレスボトル スクリュー AW-530」、「快適サラサラ バスマット2 29×39」

新企画の概要

  • 企画名:毎日の暮らし応援。今月のお買い得品
  • 期間:2026年7月10日(金)~30日(木)(※今後も毎月テーマを変えて継続展開)
  • 第1弾テーマ:盛夏対策/猛暑下での暮らしの快適化を提案
  • 備考:寝具・空調家電・お出かけグッズ、水回り用品などのインテリア雑貨から厳選/対象商品が期間限定10%OFF

この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

ohshima

ユーザーの購買体験向上+店舗運営効率化などにつながる「楽天市場」のAI機能と戦略

1 週間 2 日 ago

楽天グループ(楽天)は7月7日、「楽天市場」におけるAI活用に関する説明会を実施、ユーザー向けのAI活用機能や出店店舗向け機能について説明した。

対話型AIで購買決定時間を40%短縮。ユーザーの購買体験向上をめざす

楽天はグループ全体で「AIナイゼーション」を掲げ、1億を超える会員ID「楽天ID」や年間3兆件以上のトランザクションデータなど経済圏の強みを生かし、AI化を促進している。

蓄積した膨大なデータを活用し、店舗の商品データ、トレンド、気候などを踏まえつつ、ユーザー1人ひとりの行動データを分析し、出会いや発見、パーソナライズを提案。AI活用で出店店舗の魅力を最大化することをめざしている。

「楽天市場」ならではの「おもてなし」を拡大している
「楽天市場」ならではの「おもてなし」を拡大している
AI活用によるユーザーの顧客体験向上に向けて、4つのビジョン・目標を掲げている
AI活用によるユーザーの顧客体験向上に向けて、4つのビジョン・目標を掲げている

ユーザー向け機能の1つが、2025年12月に実装した対話型ショッピング体験を提供する「AIコンシェルジュ」。オフラインの店舗で店員から接客を受けているかのような会話体験をオンライン上で実現することをめざしているという。機能について、高間真理氏(※高ははしご高、執行役員 市場編成部 ジェネラルマネージャー)は「商品を選びやすい切り口の提案、季節やセールイベントに合わせた提案、スタータープロンプト(ユーザーがAIに迷わず指示を出せるように用意された、質問や指示のテンプレート)などを提供している。利用状況が増えてきており、特に『楽天スーパーセル』『お買い物マラソン』などの大型イベント時の利用が増えてきている」と話す。

「楽天市場」に実装している「AIコンシェルジュ」
「楽天市場」に実装している「AIコンシェルジュ」

機能の導入で、従来型の検索機能と比較して、ユーザーが検索を始めてから購入を決定するまでの時間が約40%短縮したほか、平均注文金額が11%増加するなどの成果が出ている。また、ユーザーの利便性向上に向け、次の2つの新機能を実装した。

「商品比較」機能

ユーザーの要望に合わせてAIが提示した複数の商品のうち、最大4つまでを表形式で表示し、同時に比較できる機能。内容量、レビューのスコア、配送目安などを一覧化し、おすすめのポイントを要約して表示することで、その場での迅速な意思決定を促すという。

「AIコンシェルジュ」の新機能「商品比較」
「AIコンシェルジュ」の新機能「商品比較」

「詳細を聞く」機能

提案された商品を単一選択すると、商品ページ内の情報をベースに、商品の特長、サイズ感、素材、レビューの抜粋など必要なポイントを要約してわかりやすく説明する。

「AIコンシェルジュ」のチューニング、アップデートを引き続き実施している。今後は5万を超える出店店舗の専門知識や接客のパターンデータを取り入れ、たとえば家電量販店の販売員に相談するかのような、より高度な接客AIへと進化させていきたい。(高間氏)

楽天グループ 執行役員 市場編成部 ジェネラルマネージャーの高間真理氏
楽天グループ 執行役員 市場編成部 ジェネラルマネージャーの高間真理氏

ユーザー向け機能として、2025年11月からSNS感覚でパーソナライズされた商品との偶発的な出会いを提供する「ディスカバリーレコメンデーション」も展開、2026年7月1日時点で20万以上のオリジナルコンテンツを表示している。今後はライブコマースの導入などにより、エンタメ性をさらに高めていく方針だ 。

「ディスカバリーレコメンデーション」の画面
「ディスカバリーレコメンデーション」の画面

汎用AIからの流入はチャンスととらえている

「ChatGPT」などの汎用AIからの流入について、高間氏は「ボリュームは非公開」としながらも、「Googleの検索サーチ経由など従来型の検索や広告経由の流入のほうが多いが、汎用AIからの流入は増えてきている」という。「現時点で汎用AIに対する明確な施策は伝えられないが、こうした状況は非常にチャンスだととらえており、入り口として活用したい」(高間氏)

「AIコンシェルジュ」内への広告機能実装については、「まずはユーザー体験向上に注力している。広告機会を提供するならば、店舗にとってメリットのある形でないといけないと思っている」(高間氏)。ユーザーが「AIコンシェルジュ」を活用するなかでどのような行動を取っているのか、結果的に店舗にとってどのようなメリットが得られるのかなどを分析中だが、「自信を持って店舗に提供できる機会があれば考えたい」と話す。

店舗向けAIの利用率は50%に拡大。データ分析も自動化

出店店舗の運営支援においては、店舗向けシステム「RMS(Rakuten Merchant Server)」のAI機能群である「Rakuten AI for RMS」を実装。機能の利用率は2024年12月時点の約25%から、2026年5月には50%へと倍増しており、出店店舗におけるAI活用が拡大している状況という。

主な機能として、商品管理システム「R-Storefront」における商品説明文の入力サポートや商品画像の背景加工 、問い合わせ管理システム「R-Messe」における返答文の作成・校正支援などを提供している。また、店舗からのシステム操作やマニュアルに関する問い合わせにAIが自動返答する機能も備える。

「Rakuten AI for RMS」の機能一覧と、利用店舗数の推移
「Rakuten AI for RMS」の機能一覧と、利用店舗数の推移

2026年4月30日に新機能「データ分析エージェント」を実装。これは店舗がテキストで質問を入力すると、AIエージェントが実際の数値やそれを基にした考察、次に確認すべき深掘り質問を提示する機能だ。従来のデータツールに比べて分析のハードルが下がったことで、利用店舗の72.9%が何らかのデータの深掘り分析に活用しているという。

新機能「データ分析エージェント」。利用店舗の72.9%が何らかのデータ深掘り分析を実施
新機能「データ分析エージェント」。利用店舗の72.9%が何らかのデータ深掘り分析を実施

効率化によって生み出された時間を、店舗独自のコンテンツ作成や付加価値の高い業務に充ててもらえるよう、今後も機能を進化させていく。(コマース&マーケティングテクノロジー統括部 ジェネラルマネージャー 山川祐介氏)

楽天グループ コマース&マーケティングテクノロジー統括部 ジェネラルマネージャーの山川祐介氏
楽天グループ コマース&マーケティングテクノロジー統括部 ジェネラルマネージャーの山川祐介氏

問い合わせ対応時間を3分の1に削減。少人数運営店舗の活用事例

説明会では、「楽天市場」に出店する「プチギフトmomo-fuku(運営:ももふく)」の専務 木澤典子氏が登壇。少人数での店舗運営におけるAIの具体的な導入効果を明かした。

「プチギフトmomo-fuku」(画像は「楽天市場」のサイトからキャプチャ)
「プチギフトmomo-fuku」(画像は「楽天市場」のサイトからキャプチャ)

「プチギフトmomo-fuku」はギフト商品を専門に扱う店舗であるため 、地域ごとに異なる熨斗の作法や配送に関する細かい問い合わせが多く、1件あたり約10分の対応時間を要していた。しかし、AIによる返答文の作成支援を活用し、対応時間は1件あたり1~3分に短縮月間で約60時間以上かかっていた問い合わせ対応時間を約20時間へと劇的に削減した。

木澤氏は「敬語やマナーに悩むスタッフの心理的負担がなくなった。迅速なレスポンスによって顧客からの信頼が高まり、新規購入や好意的なレビューという好循環が生まれている」と評価する。さらに、商品説明文の作成をAIに任せることで、登録商品数は従来の1000点から1万点超へとスピーディに拡大した 。

楽天が提供する画像加工AIについても 、「他社のAIツールでは商品のラベルやタオルの水玉の数といったディテールが変わってしまうことがある。しかし楽天のツールは現物の特長を正確に保ったまま背景を加工できるため、安心して利用できる」と話し、ECに特化したAIの精度の高さを強調した。

この記事の筆者

藤田遥

ネッ担編集部

保険系SE→ECサイト運営を経て、編集未経験でインプレスに入社し、ネットショップ担当者フォーラム編集者に。趣味は音楽を聴く、ゲーム、ショッピング。ライブと買い物に行くとき以外は基本的にインドア派。カレーとコーラが好き。

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Amazonで3年連続カテゴリー1位の「タオル研究所」が圧倒的なブランド力を築いたワケ。成功のカギは“伊澤プラットフォーム”の構築とAmazonとの“密な協業”

1 週間 2 日 ago
Amazonで3年連続カテゴリー1位の「タオル研究所」が圧倒的なブランド力を築いたワケ。成功のカギは“伊澤プラットフォーム”の構築とAmazonとの“密な協業”fujita-h2026年7月13日単発記事

1970年創業、50年以上にわたって「タオル製品」などの企画・製造を手がけている伊澤タオル(東京都渋谷区)。コスパの良さを追求したタオルが人気を集め、自社ブランド「タオル研究所」のタオルは、Amazonのホーム&キッチンカテゴリーにおいて3年連続で売上1位を獲得した。成功の裏にはAmazonとの密な協業関係もあるようで、累計販売数は2026年2月に4000万枚を突破。2025年8月には米国の「Amazon.com」でも販売を開始した。その成長の源泉は、企画から販売までを一気通貫で管理する「伊澤プラットフォーム」。業界の“革命児”として研究開発にも熱心に取り組み、圧倒的なブランド力を築いた数々の施策と成果を聞いた。

業界の常識を打破し、「伊澤プラットフォーム」を確立

大阪市で、伊澤正美氏によって創業された伊澤タオル(当時は伊沢タオル)。ODM(Original Design Manufacturing、委託者のブランドで製品を設計・製造)が主力事業で、自社ブランド「タオル研究所」の展開、「キャラクターIP製品」の製造も手がける。「タオルのグローバル・スタンダードを創出し、世界市場で存在感を示す」をビジョンに掲げ、米国向けにも製品を販売する。

販売チャネルは「ODM生産」「キャラクターIP製品」「EC販売」の3つ(画像は伊澤タオルの2026年2月期 決算説明資料より)
販売チャネルは「ODM生産」「キャラクターIP製品」「EC販売」の3つ(画像は伊澤タオルの2026年2月期 決算説明資料より)

伊澤タオルは、“革命児”として、これまでの常識を打ち破ってきた。広報の島村悠理氏は、最大の強みとして、企画・開発・製造委託・販売までを一気通貫で管理する「伊澤プラットフォーム」をあげた。

従来、タオルを含むテキスタイル業界では、製造・流通・販売が分断された「縦割り構造」が常識とされていました。製造を担う「工場」、世界中で製造されたタオルを届けるための情報を持っている「卸売業者」、タオルを消費者に届ける「小売業者」が、それぞれ縦割りの役割を担っていました。この場合、製造ノウハウの蓄積がされにくく、消費者ニーズが反映されにくい。つまり進化を妨げてしまう問題がありました。

そこで、伊澤タオルは流通全体を管理できるプラットフォームを構築し、自社ノウハウを活用して製造業者に技術を提供したり、消費者ニーズを踏まえた新製品の開発を手がけたりしています。(島村氏)

企画・開発・製造委託・販売までを一気通貫で管理する「伊澤プラットフォーム」を構築(画像は伊澤タオルの2026年2月期 決算説明資料より)
企画・開発・製造委託・販売までを一気通貫で管理する「伊澤プラットフォーム」を構築(画像は伊澤タオルの2026年2月期 決算説明資料より)

もう1つの戦略として、自社工場を持たない「ファブレス経営」を選択。その理由は、「設備投資コストを抑制し、イノベーションに注力できる環境を維持するため」だという。

私たちは、遠い先の未来まで見越して経営判断を下しています。特定の設備を持った場合、それらを最大限活用することを念頭に置いた戦略を優先せざるを得なくなりますが、それではイノベーションが起こりにくくなってしまいます。そこで、紡績(動植物などの繊維を処理・加工して糸にすること)から加工まで1つの工場で一気通貫できるフローを持った工場と協業することで、高品質・適正価格を維持しながらイノベーションを加速させています。(島村氏)

将来的には、タオルは現状の四角い形ではなくなるかもしれない。そういった可能性も念頭に置き、特定の設備に縛られない柔軟なアプローチを取っているそうだ。

研究開発と豊富な実績により「高品質」と「適正価格」を両立

この「伊澤プラットフォーム」を原点として、伊澤タオルでは「研究開発」に投資して武器に育ててきた。2005年には、社内に技術開発部を設置。2016年には、信州大学の大学構内に共同研究ラボを開設し、同大学との共同研究を進めてきた。さらに、京都工芸繊維大学や福井大学とも共同研究を続けている。社員の多くがタオルの専門アドバイザーである「タオルソムリエ」資格も取得しているという。

創業当初から「研究開発」に熱心に取り組んでいるという(画像提供:伊澤タオル)
創業当初から「研究開発」に熱心に取り組んでいるという(画像提供:伊澤タオル)

たとえば、信州大学との共同研究では柔らかさの客観評価、福井大学とはサステナブルな製造技術の専門的な研究を行うなど、研究開発に注力しています。さらに、大手繊維メーカーなどとも連携を深めて、品質を高めています。現在、糸の製法やタオルの製造工程に関する21件の特許を保有しています。(島村氏)

また、年間数千件を請け負うODMを通じて、日々ノウハウを蓄積している。協業先は、コンビニ、ホームセンター、総合スーパー、ドラッグストアなど多岐にわたる。代表的な事例には、「セブン-イレブン」で販売しているヒット製品「極ふわタオル」シリーズや、デイリー使いしやすいコストコの「タオル」、2026年2月にビックカメラが発表した新オリジナルブランド「ビックアイデア」で利用シーン別に開発した「ためのタオル」などがある。

ビックカメラのPB製品として共同開発した「ためのタオル」シリーズ(画像提供:伊澤タオル)
ビックカメラのPB製品として共同開発した「ためのタオル」シリーズ(画像提供:伊澤タオル)

各小売店によって、耐久性、吸水性、デザイン性など重要視する点が大きく異なります。それを数十年にわたって積み重ねているため、各社のレシピを厳密に把握しており、正確かつ迅速なスケジュールやコスト管理が可能です。海外工場との交渉力も高く、市場における高品質と適正価格の両立を実現できます。これは、経験値が浅い企業には非常に難易度が高いのです。(島村氏)

Amazonに一極集中、どのようにファンを拡大したのか

ODMで実績を上げてきた伊澤タオルは、2019年から自社ブランド「タオル研究所」の販売をAmazonで開始した。速乾性、やわらかさ、軽さ、手触り、耐久性など、機能性やニーズに合わせて選べる10カテゴリーに加え、ウォルト・ディズニー・ジャパン、およびサンリオとのコラボ製品も展開する。

最も売れ行きが良いのは、贅沢なボリュームと優れた吸水性がウリの「ボリュームリッチ」だ。たとえば、バスタオルの1枚あたりの価格は945円~で、まとめ買いやセールを利用すると、より低価格となる。累計販売数は4000万枚を越え、ホーム&キッチンカテゴリーでは2022年から3年以上も1位を獲得している。

「タオル研究所」では10カテゴリーの多様なタオルを販売(画像は伊澤タオルの公式ホームページからキャプチャ)
「タオル研究所」では10カテゴリーの多様なタオルを販売
(画像は伊澤タオルの公式ホームページからキャプチャ)
一番人気は、吸水性とボリュームを兼ね備えた「ボリュームリッチ」(画像提供:伊澤タオル)
一番人気は、吸水性とボリュームを兼ね備えた「ボリュームリッチ」(画像提供:伊澤タオル)

自社ECサイトを立ち上げるのではなくAmazonを選んだのは、今まで黒子に徹してきたため、ECに関するノウハウやリソースが不足していたためです。Amazonが持つチャネル力や物流網、データ管理システム、顧客対応力などを活用することで、当社が強みとする「研究開発やものづくり」にリソースを集中させながら、老若男女問わず広くリーチできる点をメリットだと感じました。他にも大手ECモールはありますが、まずはAmazonに一極集中してECの基盤を作ろうと考えました。(島村氏)

Amazonで製品を販売する場合、Amazonと直接取引を行う「ベンダー」とAmazon上に出品者として登録し、自ら出品や販売を行う「セラー」の2モデルが存在する。豊富な実績を持つ伊澤タオルは、「ベンダー」でECに参入。この場合、発送業務や在庫管理、決済や返品対応などの手間が最小限に抑えられる。また、Amazonの顧客基盤を活用できる利点もある。

Amazonでは、セラーより利益率が高いベンダーに注力しており、伊澤タオルの参入当時、タオルブランドでベンダーを採用している企業はいなかった。Amazonから「タッグを組んで取り組みたい」との依頼があり、Amazonの専属スペシャリストによる伴走支援を受けたという。

成果につながったのは、「商品力」の基盤があってこそだと思います。それに加えて、専属スペシャリストの方のアドバイスをもとに「広告運用(スポンサープロダクト広告やDSP広告)」を行い、初期段階で「ベストセラーバッチ」を獲得したことでアクセス数が倍増しました。Amazonはとにかく品数が豊富なので、検索時にまず上位に表示させることが欠かせません。(島村氏)

Amazonの「タオル研究所」には、多くの製品に「ベストセラー」のバッチが付いている(画像はAmazonの「タオル研究所」ページからキャプチャ)
Amazonの「タオル研究所」には、多くの製品に「ベストセラー」のバッチが付いている(画像はAmazonの「タオル研究所」ページからキャプチャ)

広告では、「タオル研究所」という名前と各シリーズの特長を押し出したキャッチコピー、価格を全面に出し、「ブランド名」と「タオルの多様な種類」の認知向上に注力。反応を見ながら即座にワードを調整したことも功を奏したそうだ。

さらに、「適正価格の維持」も売り上げに直結する要素となっている。「タオル研究所」はコスパの良さを強みとしているが、単純に安売りをしているわけではない。常に市場調査を行い、あらゆる製品を分析し、重量や機能性に対しての平均値を割り出したうえで、適正コストを見極めているという。

このような施策により、Amazonでの総レビュー数は15万件を超えました。当社の売上高は過去15年で約12倍に増えており、Amazonでの「タオル研究所」の販売が成長を牽引しました。(島村氏)

膨大なデータを管理する独自システム「IOPMS」

さらに、ODMの実績とAmazonで得た膨大なノウハウやカスタマーレビューのデータ活用も、伊澤タオルの成長を支える重要な施策だ。

当社では、「Izawa Original Production Management System」、通称「IOPMS」というデータ分析システムを独自で構築しています。膨大な開発レシピを取り込んでいて、糸の素材や工程などの諸条件を入力すると見積もりが表示されます。これまでは、代表伊澤の頭の中にしかなかった知識をシステムに落とし込むことで、担当者レベルでも同等のアウトプットができるようになりました。データ自体は創業時から溜めていたのですが、約5年前から組織での本格活用がスタートしました。(島村氏)

ノウハウを蓄積した独自システムやカスタマーレビューは、伊澤タオルのものづくりを支えている(画像提供:伊澤タオル)
ノウハウを蓄積した独自システムやカスタマーレビューは、伊澤タオルのものづくりを支えている
(画像提供:伊澤タオル)

伊澤タオルでは、Appleやユニクロのように自社で膨大なデータを扱いながら、製造業者と連携する企業をベンチマークとしており、このようなアプローチを取っているのだという。今後は本格的にAIを導入するなどして、より利便性を高めてしていく方針だ。

また、膨大なカスタマーレビューも地道に吸い上げながら、新製品の開発や既製品の改善に生かしているそうだ。

たとえば、「洗濯したときに生乾き臭がした」「乾燥機で乾かしたらゴワつきが気になった」などの声を1つひとつ確認し、そのご指摘だけでなく、まだお客さまが気づいていないような課題も抽出しながら製品に反映しています。(島村氏)

実際に、そうした声から生まれた製品は多くある。耐久性がウリの「タフネスPRO」や驚きの速乾性をもたせた「スピードドライ3D」、乾燥機対応の「ドライキープ」などだ。直近では、髪への摩擦を約30%低減するヘアタオル「ヘアケアタオル研究 回答は綿でした」も誕生した。

2026年1月に誕生したばかりの「ヘアケアタオル研究 回答は綿でした」(画像提供:伊澤タオル)
2026年1月に誕生したばかりの「ヘアケアタオル研究 回答は綿でした」(画像提供:伊澤タオル)

実店舗での販売と米国展開もスタート

しばらくはAmazonのみで販売していたタオル研究所だが、2026年1月に国内小売店での取り扱いを開始した。「実際に見てみたい」「店頭で購入したい」という声が多く聞かれていたことに加え、ECでは取り込めない層にリーチすることが狙いだという。結果として、約4か月で導入数が1000店舗を突破した。

実店舗での導入は、約4か月で1000店舗を突破(画像提供:伊澤タオル)
実店舗での導入は、約4か月で1000店舗を突破(画像提供:伊澤タオル)

以前から、多くの小売店から「『タオル研究所』を取り扱いたい」というニーズがあがっていました。結果として、想定通りに導入が進んでいます。当社の取引先でいうと5~6万店舗にのぼるため、まだまだ拡大することが見込まれます。(島村氏)

Amazonとは異なる客層をターゲットにしていることもあり、今のところAmazonへのネガティブな影響はないとのこと。むしろ、実店舗で購入した人がAmazonでリピート購入するという相乗効果が見られているそうだ。

また、2025年8月には米国展開も開始した。日本でベンダーモデルを通じてタオルカテゴリーで成功した事例が大きく評価され、Amazonの米国チームから「米国展開」の打診があったという。

世界的にもタオルカテゴリーにおいてベンダーモデルで成功している事例は、レアなのだそうです。米国のバスタオル市場は、日本の約5倍にあたる1.7兆円規模にもなります。現地では、高温での洗濯・乾燥機がスタンダードなことから、重くてゴワつきがあるタオルが多く販売されています。ただ、現地の人がそうしたタオルを好んでいるわけではありません。軽量でふわふわしたタオルを見てもらったところ、非常に好反応が得られました。(島村氏)

すべてを満たしつつ極限まで軽量化した米国基準のタオルを開発(画像提供:伊澤タオル)
すべてを満たしつつ極限まで軽量化した米国基準のタオルを開発(画像提供:伊澤タオル)

そこで、吸水性・弾力性・ボリューム感・耐久性・肌なじみ、すべてを満たしながら、極限まで軽量化した米国基準のタオルを開発して、販売を開始した。すでに4つのラインアップを展開しており、今後もラインアップを増やしていく予定だ。販売開始当初は、バスタオルランキングで1031位だったところ、2026年3月には388位まで順位を上げるなど、順計に成果を上げているという。

伊澤タオルでは、「タオルのグローバル・スタンダード」の創出に向けて、引き続き取り組んでいくという。「ユニクロの『ヒートテック』や花王の『アタック』のように、消費者が『これを選んでおけば安心』と思えるような製品をめざします」と島村氏は締めくくった。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 小林 香織

フリーライター/北欧イノベーション研究家

「自由なライフスタイル」に憧れて、2016年にOLからフリーライターへ。【イノベーション、キャリア、海外文化】などの記事を執筆。2020年に拠点を北欧に移し、デンマークに6か月、フィンランド・ヘルシンキに約1年長期滞在。現地スタートアップやカンファレンスを多数取材する。2022年3月より東京拠点に戻し、北欧イノベーションの研究を継続する。

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ファミマが挑む“わざわざ行きたくなるコンビニ”作り。クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創

1 週間 2 日 ago
ファミマが挑む“わざわざ行きたくなるコンビニ”作り。クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創
ファミリーマートは、クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創し、“次のコンビニ”を追求する新たな取り組み「FAMIMA」を始動した。初の旗艦店「FAMIMA PARK AZABUDAI」を東京・麻布台にオープンし、空間デザインや限定商品、IP展開を通じて“わざわざ行きたくなるコンビニ”の実現をめざす。
furukawa2026年7月13日

ファミリーマートは、クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創し、“次のコンビニ”を追求する新たな取り組み「FAMIMA」を始動した。その象徴となる初の旗艦店「FAMIMA PARK AZABUDAI」を7月10日に東京・麻布台でオープン。空間デザインや限定商品、IP展開を通じて、“わざわざ行きたくなるコンビニ”の実現をめざす。

ファミマが挑む“わざわざ行きたくなるコンビニ”作り。クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創
「FAMIMA PARK AZABUDAI」の外観とNIGO氏

ファミリーマートは7月9日、“次のコンビニ”の可能性を追求する「Next FamilyMart Project」を始動し、新たなコンセプト「FAMIMA」を立ち上げたと発表した。2026年の創立45周年を機に、利便性や効率性だけでなく、日常の中で新たな発見や楽しさに出会える「わくわくするお買い物」体験の創出をめざす。

「FAMIMA」は、従来のコンビニエンスストアの枠組みにとらわれず、“わざわざ行きたくなるコンビニ”をめざすプロジェクト。立地や客層に合わせた店舗・空間デザイン、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)を活用した店舗体験、“次のコンビニ”らしいIPビジネス、ライフスタイル提案型の商品開発などを通じ、新たなコンビニ体験の創出に挑戦する。

プロジェクトでは、NIGO氏との共創の下、その世界観や発想力を具現化するクリエイターチームの企画力を取り入れる。「FAMIMA」で生まれた取り組みの一部は、今後全国のファミリーマート店舗にも展開し、新たなコンビニ体験を広げていく方針だ。

私たちは、新たな取り組み「FAMIMA」を通じて、コンビニエンスストアの可能性を最大限に引き出し、形にしていきたい。コンビニは日本が世界に誇る業態であり、独自の文化でもある。未来を見据えた変革と進化が不可欠だ。(ファミリーマート 小谷建夫社長)

「コンビニに、こんなモノがあったらいいのになぁ」という発想から始まり、ファミリーマートのチームとミーティングを重ねてきた。「FAMIMA PARK AZABUDAI」を通じて、日本のカルチャーとライフスタイルを国内外に体現できればうれしい。(NIGO氏)

「FAMIMA PARK AZABUDAI」は街のランドマークをめざす旗艦店

「FAMIMA PARK AZABUDAI」の所在地は東京都港区虎ノ門五丁目2番10号。売場面積は217.05平方メートルで、7月10日10時にオープンした。

店舗は麻布台の街並みに調和する建築デザインを採用し、従来のコンビニとは一線を画す空間づくりをめざす。店舗外には、店内に入らず利用できるテイクアウトカウンター「FAMIMA STAND」やベンチを設置(=写真左下)。さらに、建物のコーナーや屋上には公式キャラクターを配置し、“屋上の森”も整備(=写真右上)するなど、街のランドマークとなる店舗づくりを打ち出す。

ファミリーマートは、クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創し、“次のコンビニ”を追求する新たな取り組み「FAMIMA」を始動した
「FAMIMA PARK AZABUDAI」の屋上には森を整備

店内では、ファサードガラス面に沿ったカウンター席、ポップアップストアのような高揚感を演出する什器配置(=写真右下)、キオスク型レジカウンター(=写真左下)などを採用。コンビニエンスウェア売り場は独立した空間として展開(=写真右上)し、試着室やタッチパネルに加え、商品案内を行う専門スタッフも配置する。建築・売り場デザインには、片山正通氏率いるWonderwallが参画した。

ファミリーマートは、クリエイティブ・ディレクターのNIGO氏と共創し、“次のコンビニ”を追求する新たな取り組み「FAMIMA」を始動した
 

限定商品や中食、コーヒー、ティーで新たな来店価値を提案

商品面では、旗艦店限定のアイテムに加え、中食、コーヒー、ティーを展開する。
中食では、都市部で働く・暮らす20〜40代をターゲットに、素材本来のおいしさと健康への配慮を両立したメニューを用意。こだわりの野菜やナチュラルチーズを使用し、食物繊維やたんぱく質を摂取できる商品をそろえる。

コーヒーは、WORLD BREWERS CUP 2016優勝者の粕谷哲氏と共同開発。「ベースブレンド」「スペシャルブレンド」「エチオピアモカ」などを展開し、その日の気分に合わせて選べる高品質なコーヒーを提案する。一部メニューは他店舗でも展開する予定だ。

ティーは、エスプレッソマシンで抽出するスタイルを採用。ストレートティー、ミルクティー、フルーツティーを展開し、茶葉はアールグレイとジャスミンを用意する。タピオカのトッピングにも対応し、「FAMIMA STAND」で提供する。

IPビジネスも強化。限定雑貨やオンライン販売も展開

ファミリーマートは、IPビジネス強化の一環として「FAMIMA」の公式キャラクターも新たに開発した。コンビニらしい親しみやすさと「FAMIMA」の世界観を象徴する存在として位置付け、旗艦店ではキャラクターをデザインした限定雑貨やコンビニエンスウェアを先行販売する。今後は全国のファミリーマート店舗への展開も予定している。


「FAMIMA」公式キャラクターのグッズ

また、旗艦店限定商品の一部は「ファミマオンライン」でも数量限定で販売する。販売受付は7月14日10時に開始する予定。

オープン記念施策として、購入者先着2026人への限定シール配布に加え、7月10日~12日の期間中に税込5000円以上購入した先着2000人へオリジナルエコバッグをプレゼントする。さらに、NIGO氏を特集したムック本「Casa BRUTUS By NIGO SPECIAL ENGLISH VERSION(特装版)」も、旗艦店とファミマオンラインで数量限定販売する。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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鳥栖 剛

トライアルがEC事業拡大に着手、福岡県内でネットスーパーを展開へ

1 週間 2 日 ago
トライアルホールディングスは、子会社TRYUを通じて展開する「TRIALネットスーパー」を福岡県内で本格展開する。西友のネットスーパー運営ノウハウを活用し、札幌で始めた体制を福岡へ広げ、8月には福岡市内の配送エリアを大幅に拡大する予定だ。

トライアルホールディングスは7月7日、グループのEC事業を担う子会社TRYU(トライユー)を通じて展開する「TRIALネットスーパー」について、福岡県内でサービスを本格展開すると発表した。2026年2月に札幌市内で立ち上げた運営体制を福岡へ横展開し、8月には福岡市内の配送エリアを大幅に拡大する予定。2025年にグループ入りした西友のネットスーパー運営ノウハウを活用し、全国展開を加速させる。

トライアルがEC事業拡大に着手、福岡県内でネットスーパーを展開へ
「TRIALネットスーパー」を福岡県内で本格展開する

福岡県内では2026年5月末から順次、「TRIAL smart今宿店」と「メガセンタートライアル福岡空港店」のネットスーパーサイトを刷新。あわせて、「メガセンタートライアル新宮店」「TRIAL smart筑紫野店」でもサービスを開始した。さらに、7月7日から「メガセンタートライアル中間店」、7月14日から「スーパーセンタートライアル東篠崎店」で受注を開始し、8月には福岡市内への配送エリアを大幅に拡大する計画だ。

これにより、これまで郊外型店舗が中心だったため利用しづらかった福岡市内の生活者にも、トライアルの低価格商品や豊富な品ぞろえを届けられる体制を整える。

札幌で構築した運営モデルを福岡へ横展開

今回の福岡展開は、グループのEC事業再編を具体化する取り組みの一環。トライアルHDは、グループ横断でEC事業の企画・運営を担う新会社TRYUを設立し、西友が25年以上にわたり培ってきたネットスーパーの運営・収益化ノウハウと、トライアルの店舗網や商品力を組み合わせ、「TRIALネットスーパー」や「西友ネットスーパー」を一体的に推進する体制を整えてきた。

TRYUが最初に手がけたのは、2026年2月末に開始した札幌市内での「TRIALネットスーパー」。4月時点で札幌市内の複数店舗から順次出荷体制を整え、配送エリアを拡大してきた。現在は札幌市内5店舗から出荷し、市内のほぼ全域をカバーする配送体制を構築。注文数も順調に推移しているという。

トライアルにとって福岡は本拠地であり、全国で最も店舗数が多いエリアでもある。札幌で構築したネットスーパーの運営モデルを地盤である福岡へ展開することで、今後の九州、関西、関東へのサービス拡大に向けた基盤を固める狙いがあるとみられる。

約1万3000品目を取り扱い、PBや西友PBも販売

「TRIALネットスーパー」では、生鮮食品、加工食品、日配食品、惣菜、飲料、日用品など約1万3000品目を取り扱う。トライアルのプライベートブランド(PB)商品に加え、西友のPB「みなさまのお墨付き」も購入できる。

注文はスマートフォンやパソコンから24時間受け付ける。配送時間帯は10時〜22時までの2時間ごとに1日6枠を設定し、当日配送にも対応する。最低注文金額は税抜2000円以上で、配送料は330円(税込)。商品購入金額が税抜5000円以上の場合は送料無料となる。入会費・年会費は無料で、決済方法はクレジットカードに対応する。

クイックコマースやギフト通販の展開も視野

トライアルグループは、猛暑などの気候変動やライフイベントの変化に伴い、日常の買い物負担を軽減するネットスーパーやオンライン販売への需要が高まっているとみている。今後は九州の他県に加え、関西、関東などへ「TRIALネットスーパー」の展開を進める方針だ。

また、TRYUはネットスーパー事業に加え、クイックコマースやギフト通販事業の強化にも取り組む考えを示している。西友の運営ノウハウとトライアルの店舗網を掛け合わせたEC基盤を活用し、食品宅配にとどまらないECサービスへと事業領域を広げていく構想だ。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
furukawa

アスクルの資源循環プラットフォーム発「Matakul」シリーズに新展開。使用済みストレッチフィルムから生まれた「再生材配合ゴミ袋 低密度タイプ 70L・90L」を販売開始

1 週間 5 日 ago
物流センターで使用したストレッチフィルムに着目し、3年にわたる試行錯誤を経て製品化を実現した。その第一弾は、使用済みストレッチフィルムを活用したゴミ袋

アスクルは7月10日から、事業所向け(BtoB)通販サービス「ASKUL」で、「アスクル資源循環プラットフォーム」の取り組みから誕生したオリジナルシリーズ「Matakul」の新商品「使用済みストレッチフィルムからつくった再生材40%以上配合ゴミ袋 低密度タイプ 70L・90L」の販売を始めた。

使用済みストレッチフィルムという再生資源を40%以上使用。100%新たな石油資源を使用する従来型ゴミ袋と比較してCO2排出量を8.7%削減し、従来型ゴミ袋と同水準の価格を実現した。

アスクルの資源循環プラットフォーム発「Matakul」シリーズに新展開。使用済みストレッチフィルムから生まれた「再生材配合ゴミ袋 低密度タイプ 70L・90L」を販売開始
「使用済みストレッチフィルムからつくった再生材40%以上配合ゴミ袋 低密度タイプ 70L・90L」

近年、資源循環に関するさまざまな法律が制定され、企業の取り組みを後押しする機運が高まっている。アスクルは2022年から「アスクル資源循環プラットフォーム」を始動し、限りある資源の有効活用とCO2削減、販売者としての責任を果たすため、使用済みクリアホルダーの再資源化・再製品化による資源循環を推進。再資源化したクリアホルダー由来の商品を多数展開してきた。

物流センターで荷崩れ防止などに使用したストレッチフィルムに着目し、3年にわたる試行錯誤を経てスキームを構築し製品化を実現。その第1弾として、使用済みストレッチフィルムを活用した70Lと90Lサイズのゴミ袋を商品化した。

用途に応じた品質を実現するための分別・管理基準を設計し、自社で回収から再製品化までを一元管理する体制を構築。物流センターでの回収・分別工程で、生産性に影響する紙やラベル、強度に影響するストレッチフィルム以外の樹脂などを中心に分別している。製品の基準では、ちりや埃などは品質に支障がない範囲で一定程度許容し、実用性と見た目のバランスを重視。複数回にわたる試作と評価に加え、試作品を物流現場で使用して製品の強度や運用適合性を検証し、3年にわたる試行錯誤を経て商品化を実現した。

アスクルの資源循環プラットフォーム発「Matakul」シリーズに新展開。使用済みストレッチフィルムから生まれた「再生材配合ゴミ袋 低密度タイプ 70L・90L」を販売開始
製品イメージ

商品情報

  • 使用済みストレッチフィルムからつくった再生材40%以上配合ゴミ袋 低密度タイプ 70L 厚さ0.03mm:1パック(20枚入)/税込550円
  • 使用済みストレッチフィルムからつくった再生材40%以上配合ゴミ袋 低密度タイプ 90L 厚さ0.03mm:1パック(20枚入)/税込704円

この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

ohshima

アパレルのTSI、台湾ECサイトを刷新。複数ブランドを単一プラットフォームで統合運営

1 週間 5 日 ago
TSIは、台湾で展開する公式ECサイト「tw.mix.tokyo」を刷新し、複数ブランドを単一プラットフォーム上で統合運営する体制を整えた。台湾市場向けのローカライズやCRM強化を進め、若年層を中心とした新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤルティ向上をめざす。

TSIはこのほど、台湾法人の台湾蒂斯愛股份有限公司(TSI台湾)が台湾で展開する公式ECサイト「tw.mix.tokyo」を刷新し、複数ブランドを単一プラットフォームで統合運営する体制を構築した。台湾市場向けに最適化したEC基盤を整備することで、若年層を中心とした新規顧客の獲得と既存顧客のロイヤルティ向上を図り、EC売上の拡大につなげる。

アパレルのTSI、台湾ECサイトを刷新。複数ブランドを単一プラットフォームで統合運営
「tw.mix.tokyo」を刷新、複数ブランドを単一プラットフォームで統合運営する体制を構築

TSIは、台湾でもオンラインでの購買が拡大するなか、日本の「mix.tokyo」の世界観を維持しながら、台湾市場に合わせたデザインやコンテンツを提供。加えて、複数ブランドの集約や、オンライン・オフラインを横断した顧客データの統合・活用を重要課題としてきた。今回の刷新は、こうした課題への対応を目的としている。

サイト刷新にあたり、TSIは現地ドメインの取得や台湾向け決済への対応、物流システムとの連携など、台湾市場に適したEC基盤を整備した。

あわせて、商品説明の翻訳や画像素材の管理など、複数ブランドを横断して発生する運用負荷の高い業務についても見直しを実施。台湾市場に合わせた商品登録やコンテンツ制作の運営フローを構築し、業務効率の向上をめざす。

また、これまで十分に活用できていなかったLINE公式アカウントの管理権限を台湾法人へ移管。SNSやKOL施策と連携しながら、台湾市場に特化した集客やCRM施策を展開する。新規顧客の獲得からリピーター育成までを一貫して進めることで、現地でのブランド接点の強化を図る。

TSI台湾は、まず4ブランドを集約した「tw.mix.tokyo」の運営を開始し、今後は参加ブランドの拡大に加え、各ブランドの世界観の表現や台湾の顧客ニーズに合わせたコミュニケーション施策を強化していく方針としている。

今回のリニューアルでは、W2が提供する海外・越境EC向けソリューション「W2 Commerce Asia」を採用した。

TSI台湾は、多言語・多通貨対応や現地決済への対応、税制への配慮に加え、日本で培ったEC運営ノウハウを海外でも短期間で再現しやすい点を評価したという。

採用理由としては、台湾市場を含む現地商習慣に対応したサポート体制、中長期運用を見据えたコストパフォーマンス、導入企業からの推薦などを挙げている。特に、日本語・中国語の双方に対応できる支援体制や、立ち上げ初期のリスクを抑えやすい料金体系を評価したとしている。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
furukawa

インターファクトリーが始めたAIサービス「EBISU AGENT」とは? AI活用で生産性を高める「AI活用EC運用代行サービス」を提供

1 週間 5 日 ago
インターファクトリーは、AIサービス「EBISU AGENT」を立ち上げ、第1弾として「AI活用EC運用代行サービス」の提供を開始した。商品登録や画像加工、LP制作など幅広いEC業務を支援し、AIとプロによる品質管理を組み合わせることで、生産性向上とコスト最適化を図る。

クラウドコマースプラットフォーム「EBISUMART(エビスマート)」を展開するインターファクトリーは7月9日、新たなAIサービスブランド「EBISU AGENT」を立ち上げ、第1弾サービスとして「AI活用EC運用代行サービス」の提供を開始した。EC事業者の人手不足や運用負荷の増大に対応し、商品登録や画像加工、LP制作など幅広い業務の効率化を支援する。

インターファクトリーが始めたAIサービス「EBISU AGENT」とは? AI活用で生産性を高める「AI活用EC運用代行サービス」を提供
商品登録や画像加工、LP制作など幅広い業務の効率化を支援

「AI活用EC運用代行サービス」は、EC事業者向けの伴走型EC/DX支援サービス「EBISU GROWTH」の新たなラインアップとして提供する。最新のAI技術とEC運用のプロフェッショナルによる品質管理を組み合わせることで、従来比で最大60%のコスト削減を実現するという。

インターファクトリーによると、事業規模の拡大やマルチチャネル展開を進めるEC事業者の多くは、人手不足や採用・育成コストの上昇、固定費負担の増加、投資対効果の改善といった課題を抱えている。特に、販促企画やデータ分析などのコア業務に注力したくても、商品登録や画像加工などの定型業務に多くのリソースを割かれているケースが少なくないという。

こうした課題に対し、新サービスではAIを活用した独自のオペレーションを採用。単純な作業の自動化にとどまらず、経験豊富なプロジェクトマネージャーが全工程の品質を管理することで、ブランドイメージを維持しながら業務効率化とコスト最適化を両立す。

サービスの特長の1つは、利用企業側にAIに関する専門知識や複雑な操作を求めない点だ。一般的なAIツールのように、プロンプト作成やAIの操作方法を習得する必要はなく、インターファクトリーの担当者がAIの活用を担う。そのため、利用企業は従来と同じように業務を依頼するだけで、AIを活用した業務効率化のメリットを享受できるとしている。

対応業務は、商品登録やデータ管理をはじめ、バナー・クリエイティブ制作、商品説明文の作成、LPや特集ページの制作など多岐にわたる。大規模案件からスポットでの大量処理まで対応し、EC運営業務全般を支援する。

インターファクトリーが始めたAIサービス「EBISU AGENT」とは? AI活用で生産性を高める「AI活用EC運用代行サービス」を提供
「AI活用EC運用代行サービス」の提供サービス一覧

「AI活用EC運用代行サービス」で作成されたバナーのサンプル
インターファクトリーが始めたAIサービス「EBISU AGENT」とは? AI活用で生産性を高める「AI活用EC運用代行サービス」を提供
「AI活用EC運用代行サービス」で作成されたバナーのサンプル

また、「EBISUMART」だけでなく、他社製ECカートシステムや、「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」など主要ECモールにも対応。既存のシステム環境や業務フローを大きく変更することなく導入できる点も特徴としている。

インターファクトリーは今後、「EBISU AGENT」のもとで、EC運用代行にとどまらないさまざまなAIサービスを順次展開する予定だ。将来的には、EC事業者が直感的かつシームレスに高度なAIソリューションを選択・活用できる包括的なプラットフォームへ発展させる構想を掲げている。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
furukawa

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多

1 週間 5 日 ago
エムフロが実施した調査によると、ECサイト運営者に関する情報の確認方法は「ネットで検索する」が最多だった。確認後に購入をやめた経験がある人は76.4%。

エムフロが実施した「ネット販売の運営者情報に関する意識調査」によると、約8割がネット購入・申込時に運営者情報を調べた経験があることがわかった。サイトの運営者情報で信頼できると判断するポイントは、情報の多さやポジティブな口コミなどがあがった。

調査対象はインターネットでの購入経験がある500人(女性342人/男性158人)。調査期間は2026年1月14~15日。

約8割がネット購入前に運営者情報を確認

ネット購入・申込時に運営者情報を調べるかどうかについて、「ほぼ毎回調べる」が20.4%、「調べたことがある」が60.0%で、合計80.4%が調べた経験があることがわかった。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
ネット購入・申込時に運営者情報を調べるか

男女別に見ると、男性は「ほぼ毎回調べる」が29.1%、「調べたことがある」が53.8%。女性は「ほぼ毎回調べる」が16.4%、「調べたことがある」が62.8%だった一方、「調べたことがない」が20%を超えた。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
男女別:ネット購入・申込時に運営者情報を調べるか

運営者情報の確認方法は「ネット検索」が最多

サイトの運営者情報の確認方法は、「ネットで検索する」が63.0%、続いて「公式サイトを見る」が33.2%、「SNSで探す」が15.0%だった。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
サイトの運営者情報の確認方法(複数回答可)

男女別に見ると、「AIに聞く」について男性は10.8%、女性は6.4%。「SNSで探す」は男性は10.8%、女性は17.0%だった。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
男女別サイトの運営者情報の確認方法(複数回答可)

男性が信頼できると判断するポイント

男性がサイトの運営者情報で信頼できると判断するポイントは、最多が「情報が多い」で28.5%、続いて「ポジティブな口コミがある」が15.8%、「メディアで紹介されている」が11.4%、「情報が更新されている」が10.8%、「実績がある」が9.5%だった。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
男性:運営者情報で信頼できると判断するポイント(複数回答可)

「情報が多い」と答えた回答者からは、「運営している人や会社の名前のほか、『住所』『連絡先』がきちんと書かれているサイトは、信頼できると思う」「Xで検索をしたときにたくさんヒットする」といったコメントがあがった。

「ポジティブな口コミがある」と答えた回答者からは、「個人ブログなどに良いレビューなどがある」「口コミサイトの星の数を参考にする」といった声があった。

「メディアで紹介されている」と答えた回答者からは、「テレビや雑誌に取り上げられていると信頼できる」「メディア掲載歴が確認できる場合は信頼度が高いと感じる」というコメントがあがった。エムフロは「どんな企業やどんな商品でも取り上げられるわけではないという前提があるため、評価の客観性を補強するという意味で、メディア掲載は大きな意味を持つ」と解説している。

「情報が更新されている」と回答した人からは、「SNSでの更新回数が多い」「公式サイトが長期間更新されている。SNSを公式運用していて、活動が見える」といった意見が寄せられた。「実績がある」と答えた回答者からは、「今までの販売実績の良さ」「長期的に運営している実績がある」といった声があがった。

女性が信頼できると判断するポイント

女性がサイトの運営者情報で信頼できると判断するポイントは、「情報が多い」が最多で30.1%、続いて「ポジティブな口コミがある」が20.2%、「情報が更新されている」が15.2%、「メディアで紹介されている」が13.5%、「知名度が高い」が6.7%だった。

エムフロは「女性ランキングの特長として、口コミや情報の更新状況など、リアルあるいはリアルタイムの情報を重視する傾向が、男性よりもやや強い」と考察している。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
女性:サイトの運営者情報で信頼できると判断するポイント(複数回答可)

「情報が多い」と回答した人からは、「会社情報や運営者情報が明確で、顔や実績が公開されていること」「調べて会社名までちゃんと出てくる。口コミがある」「製品に対する細かな情報や企業の詳細がわかると、信頼感がもてる」といったコメントが見られた。

「ポジティブな口コミがある」と答えた回答者からは、「口コミで『対応が良かった』などいいことが多く書かれていれば、信頼できると強く感じる」「他の利用者の口コミ評価が高いと信頼できると判断する」「SNSなどで良い口コミをたくさん見かけたとき」といった声があがった。エムフロは「女性は情報収集の際に、男性よりもSNSを活用する傾向がある。ECサイト上の単なる『星の数』『評価件数」だけでなく、自分と似たユーザーがどう感じたかという、より具体的な体験談を求めている」と推測している。

「情報が更新されている」と回答した人からは、「公式サイトの更新がしっかりされている、常に新しい情報も書いている。『Instagram』が定期的に更新されている」「公式サイトやSNSの更新度が高い」「定期的に、運営者自らが自分の言葉で情報を発信している場合」といった意見が寄せられた。

「メディアで紹介されている」と答えた回答者からは、「メディアでの紹介があると、説得力がある」「テレビや雑誌などで紹介されていた。YouTubeで複数の人気YouTuberが紹介していた」といった声があがった。

「知名度が高い」と回答した人からは、「身の回りで耳にするサイトは信じている。基本それ以外は信じない」「名の通っているところでしか買わない」といったコメントがあった。

男性が信頼できないと判断するポイント

男性がサイトの運営者情報で信頼できないと判断するポイントは、最多が「情報が少ない」で22.5%、続いて「ネガティブな口コミが多い」が10.2%、「情報が曖昧」が5.6%だった。

ネット販売の運営者情報はどれくらい調べられている? 信頼の判断は「情報が多い」が最多
男性:サイトの運営者情報で信頼できないと判断するポイント(複数回答可)

女性が信頼できないと判断するポイント

女性がサイトの運営者情報で信頼できないと判断するポイントは、男性と同じく「情報が少ない」が最多で53.5%、続いて「ネガティブな口コミが多い」が21.1%、「情報が曖昧」が9.9%。「情報が少ない」は男女ともに1位だったが、男性の22.5%に比べて女性の割合は53.5%と高かった。


女性:サイトの運営者情報で信頼できないと判断するポイント(複数回答可)

運営者情報の確認後、76.4%が購入を見送った経験あり

運営者情報を確認した後に購入をやめた経験があるかを聞いたところ、「よく」が14.6%、「たまに」が61.8%で、合計76.4%が「運営者情報を確認した後に購入をやめた経験がある」と回答したことがわかった。


運営者情報を確認した後に購入をやめた経験

男女別で見ると、「よくある」は男性が13.9%、女性が14.9%。「たまにある」は男性が64.6%、女性が60.5%。「ない」は男性が21.5%、女性が24.6%だった。


男女別:運営者情報を確認した後に購入をやめた経験

調査概要

  • 調査期間:2026年1月14日~15日
  • 調査機関:自社調査
  • 調査方法:インターネットによる任意回答
  • 調査対象:インターネットでの購入経験がある500人(女性342人/男性158人)
  • 回答者の年代:10代 1.2%/20代 20.0%/30代 31.4%/40代 27.2%/50代 17.2%/60代以上 3.0%

この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

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日本郵便が「ゆうパック」を平均10%値上げ/クレカ決済代行会社「全東信」が破たん【ネッ担アクセスランキング】

1 週間 5 日 ago
  1. 日本郵便、「ゆうパック」を平均10%値上げ、「ゆうパケット」は全サイズ360円の新運賃、「クリックポスト」は185円→240円に改定へ

    日本郵便は10月1日、「ゆうパック」「ゆうパケット」の運賃などを改定する。ゆうパケットは全サイズ一律360円に、クリックポストは185円から240円に引き上げ、引受条件も見直す。

    鳥栖 剛[執筆]

    7月7日 7:00

    日本郵便、「ゆうパック」を平均10%値上げ、「ゆうパケット」は全サイズ360円の新運賃、「クリックポスト」は185円→240円に改定へ
  2. クレカ決済代行会社「全東信」が破たん、飲食店中心に大きな影響

    クレジットカード決済代行の全東信が破産し、加盟店向けサービスを停止した。未入金売上の焦げ付き懸念に加え、決済端末が使えなくなることで、飲食店を中心に資金繰りや販売機会への影響が広がっている。食団連は資金繰り支援や保証制度の活用を案内し、被害状況の把握を進めている。

    鳥栖 剛[執筆]

    7:00

    クレカ決済代行会社「全東信」が破たん、飲食店中心に大きな影響
  3. 「LINE」と「PayPay」が2026年夏にアカウント連携。送金や割り勘、ポイント統合、友だち連携などを実現

    LINEヤフーとPayPayは2026年夏、「LINE」と「PayPay」のアカウント連携を開始する。LINEのトーク上で送金や割り勘が可能になるほか、LINEポイントとPayPayポイントの統合も順次進める。

    鳥栖 剛[執筆]

    7月3日 8:30

    「LINE」と「PayPay」が2026年夏にアカウント連携。送金や割り勘、ポイント統合、友だち連携などを実現
  4. 日本郵便、越境EC向けに「EMS」と同等以上の速さで配送する「UGX プライム」をスタート+「UGX 越境 EC配送サービス」の取扱国・地域を拡大

    全国の郵便局で差し出し・集荷に対応する「UGX プライム」を提供する。越境EC配送サービスは英国やドイツなど欧州5カ国へ対象を拡大する

    大嶋 喜子[執筆]

    7月7日 9:00

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  5. イオンが夏の大型セール「イオン 超!ナツ夏祭り」を7/17から実施、ECサイトの「ネット限定先行セール」は7/10から先行スタート

    イオンは7月の大型セールで、「チーズ4倍 てりやきチキンL&ポテトベーコンL」などの大容量企画や、値段据え置きの増量企画、半額商品などを展開する。

    大嶋 喜子[執筆]

    7月3日 10:00

    イオンが夏の大型セール「イオン 超!ナツ夏祭り」を7/17から実施、ECサイトの「ネット限定先行セール」は7/10から先行スタート
  6. Squareが「ChatGPT」「Claude」と連携、AI経由での店舗発見と直接注文を実現

    Squareは「ChatGPT」向けアプリと「Claude」向けプラグインを公開し、AIとの会話を通じた店舗発見と直接注文に対応した。まずは米国の飲食事業者を対象に、追加開発なしでAI経由の新たな受注チャネルを提供する。

    鳥栖 剛[執筆]

    7月6日 9:30

    Squareが「ChatGPT」「Claude」と連携、AI経由での店舗発見と直接注文を実現
  7. 中小EC実施企業が使うAIツールは「ChatGPT」が47%、「Gemini」が33%、「Copilot」が22%。導入・活用の課題は「業務が属人化している」「導入前の業務整理が必要」が約2割

    ECを実施する中小企業の約7割がAIを導入しており、利用ツールは「ChatGPT」が47.6%で最多だった。一方、導入企業の87.1%が課題を感じており、「業務の属人化」や「導入前の業務整理」が活用定着の壁となっている。

    鳥栖 剛[執筆]

    7月6日 9:30

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  8. しまむらが公式ECサイトの返品体験の改善に着手。返品対応のオンライン化など返品フローを再設計

    しまむらは、公式オンラインストア「しまむらパーク」の返品体験の改善に着手した。返品対応のオンライン化や返品フローの再設計を進め、購入後体験の向上と運用負荷の軽減を図る。

    鳥栖 剛[執筆]

    7月6日 9:00

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  9. 視覚から「触覚」へ進化するAmazonの物理的AI。アマゾンの次世代フルフィルメント最前線

    Amazonは、触覚センサーを備えた物流ロボット「Vulcan」を発表した。視覚に加えて“触れる”ことで力加減を調整しながら商品を扱えるのが特徴で、高所・低所作業の負担軽減や物流効率の向上につなげる。

    鳥栖 剛[執筆]

    7月6日 7:00

    視覚から「触覚」へ進化するAmazonの物理的AI。アマゾンの次世代フルフィルメント最前線
  10. 楽天の「Rakuten AI Optimism」では何が楽しめる? 展示エリア「エキシビション」の最新AIやテクノロジーを体験できるコンテンツも用意

    「楽天モバイル」「フィンテック」「スポーツ」などのブースを展開するほか、AIや低軌道衛星通信、「Future Tree」などの体験コンテンツを用意している

    大嶋 喜子[執筆]

    7月6日 7:30

    楽天の「Rakuten AI Optimism」では何が楽しめる? 展示エリア「エキシビション」の最新AIやテクノロジーを体験できるコンテンツも用意

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 藤田遥

ネッ担編集部

保険系SE→ECサイト運営を経て、編集未経験でインプレスに入社し、ネットショップ担当者フォーラム編集者に。趣味は音楽を聴く、ゲーム、ショッピング。ライブと買い物に行くとき以外は基本的にインドア派。カレーとコーラが好き。

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15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ

1 週間 5 日 ago
LINEヤフーは、15周年を迎えた「LINE」の次の進化構想を発表。2026年9月に「ショッピングタブ」を正式リリースするほか、「PayPay」とのアカウント連携やAIエージェントの活用を通じて、買い物や決済、情報接点を「LINE」上でシームレスにつなげていく。

LINEヤフーは7月2日、コミュニケーションアプリ「LINE」のサービス開始15周年を記念した発表会「LINE 15th Anniversary Event -Connect the Next-」を実施し、次の15年に向けたサービス構想を発表した。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
LINEヤフーは「LINE」のサービス開始15周年を記念した発表会を開催

今後のキーワードに掲げたのは、AIエージェントを日常生活に取り入れ、生活のさまざまな接点をつなぐ「Life on LINE with AI Agent」。ショッピング、決済、情報提供、店舗体験、コミュニケーションなどをAIで横断的につなぎ、「LINE」をライフプラットフォームとしてさらに進化させる考えを示した。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
LINEの進化イメージ

「LINE」はこの15年間で、人と人とのコミュニケーションだけでなく、企業・自治体・店舗、コンテンツ、購買、決済など生活のさまざまな接点を結ぶサービスへと発展。その上で、今後は「拡張」「深化」「最適化」の3つを軸に、AIエージェントを活用した新たなユーザー体験を提供していく方針を示した。

「ショッピングタブ」を2026年9月に正式リリース

EC・コマース領域で最も注目される発表が「ショッピングタブ」の正式リリースだ。LINEヤフーは、「LINEギフト」を起点に拡大してきたコマースサービスをさらに発展させるため、「LINE」の「ショッピングタブ」を2026年9月に正式リリースすると発表した。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
「ショッピングタブ」の画面イメージ

正式リリース後は、「LINE」上でLINEヤフーグループのショッピングサービスが取り扱う3億点以上の商品から、自分に合った商品を探し、比較・検討から購入、ギフト、配送までをシームレスに利用できるようにする。

また、特定商品の先行・限定販売や「PayPayポイント」の付与、AIエージェントによる接客なども展開し、「LINE」ならではのショッピング体験の実現をめざす。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
ショッピング領域の進化イメージ

「LINE」と「PayPay」の連携を2026年夏に開始

決済・送金機能も強化する。

LINEヤフーは、「LINE」と「PayPay」のアカウント連携を2026年夏に開始すると発表した。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
「LINE」のトークルーム上で「PayPay残高」の送金・受け取りや割り勘などが可能に

連携後は、「LINE」のトークルーム上で「PayPay残高」の送金・受け取りや割り勘が可能になるほか、「LINE」からPayPayの登録や残高・ポイントの確認も行えるようになる。一方、「PayPay」アプリでは、設定に応じて「LINE」の友だちが表示されるようになり、よりスムーズな送金を実現する。

さらに今後は、「LINEポイント」を「PayPayポイント」に統合し、「LINE」上でもPayPayポイントをためる・使う体験を順次拡大する予定。コミュニケーション、購買、決済を「LINE」上でシームレスにつなぐ構想を打ち出した。

AIエージェントで情報収集や店舗利用も支援

AI関連では、「Information」「Life」「Talk」の3領域で新機能や今後の構想を発表した。

Information領域

「ホームタブ」を、ユーザー1人ひとりに最適な情報と出会える場へ進化させる。リニューアル版は2026年夏ごろに正式リリースする予定。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
「ホームタブ」はユーザー1人ひとりに最適な情報と出会える場へ進化

AIエージェントとの連携により、ニュースや天気、友だちに関する情報、好きなアーティストやコンテンツの最新情報などを、ユーザーの興味・関心や行動に合わせて提案する「My Home Agent」や「Proposer Agent」の提供も予定している。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
新機能「My Home Agent」「Proposer Agent」のイメージ

Life領域

「LINE公式アカウント」と「LINEミニアプリ」を軸に、企業や店舗との接点を強化する。今後は「ミニアプリタブ」とAIエージェントを連携し、店舗検索や予約、順番待ちなどをAIが支援する「Agentic UX/CX」の実現をめざす。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
「LINE公式アカウント」と「LINEミニアプリ」を軸に企業や店舗との接点を強化へ

Talk領域

トークルームを単なる会話の場ではなく、会話を起点に行動を支援する場へ発展させる。その中核となるのが、トークルーム内でAIエージェント「Agent i」を呼び出せる「Agent i in chat」で、2026年内の提供を予定している。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
トークルーム内でAIエージェントを呼び出せる機能を拡充

会話内容に応じた回答だけでなく、ToDoリスト作成、カレンダー登録、アルバム作成、メッセージ要約などにも対応し、コミュニケーションやタスク管理を「LINE」上で完結しやすくする。

「LYPプレミアム」に新機能を追加

このほかLINEヤフーは、メンバーシッププログラム「LYPプレミアム」の新たな特典として、

  • メッセージ編集
  • プレミアムブロック
  • メッセージ予約
  • 通話レコーディング(仮称)

の4機能を2026年秋以降に提供すると発表した。これらの機能は、2026年8月から順次「LINEラボ」で先行提供する予定としている。

15周年を迎えた「LINE」。「ショッピングタブ」によるコマース体験、「PayPay」アカウント連携、AIなど今後の進化まとめ
「LYPプレミアム」に新機能を追加

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
furukawa

楽天、ヤフー、メルカリが警察庁と情報連携で協定を締結、ネット販売の安心・安全な環境づくりを実現

1 週間 5 日 ago
楽天グループ、LINEヤフー、メルカリは7月9日、警察庁との情報連携に関する協定を締結した。ECやフリマサービスで不正取引の可能性が高いと判断した情報を迅速に共有し、捜査への協力と被害の未然防止を通じて、安心・安全な取引環境の整備を進める。

楽天グループ、LINEヤフー、メルカリは7月9日、ECサービスやフリマサービスにおける不正取引対策の強化に向け、警察庁との情報連携に関する協定を締結したと発表した。各社は、不正な取引が行われている可能性が高いと判断した情報を警察庁へ迅速に共有する体制を構築し、犯罪捜査への協力や被害の未然防止につなげる。

楽天、ヤフー、メルカリが警察庁と情報連携で協定を締結、ネット販売の安心・安全な環境づくりを実現
楽天、ヤフー、メルカリが警察庁と情報連携で協定を締結

今回の取り組みは、政府の「国民を詐欺から守るための総合対策2.0」に掲げられた、ECサイトなどにおけるID・パスワードやクレジットカード情報の不正利用対策の一環。各社は、従来の不正検知やモニタリング体制に加え、警察庁との連携を強化することで、安心・安全な取引環境の実現をめざす。

楽天、「楽天市場」「楽天ラクマ」で運用開始

楽天は警察庁との協定に基づき、7月9日から運用を開始した。対象サービスは「楽天市場」と「楽天ラクマ」。不正な取引が行われている可能性が高いと判断した情報を、従来より迅速に警察庁へ共有する体制を整えた。

楽天はこれまでも、「楽天市場」「楽天ラクマ」で24時間365日体制のモニタリングや、不審なログイン・不正注文への対策、ユーザーへの注意喚起を実施してきた。今回の協定締結により、EC領域における不正対策をさらに強化するとしている。

また、楽天グループは各事業で公的機関との連携を進めており、警視庁とは2017年からサイバー犯罪対策で協力。楽天銀行でも2026年から、特殊詐欺被害金への対応に関する警察庁との枠組みを運用している。

LINEヤフー、透明性レポートも公開

LINEヤフーも、ECサービスにおける不正取引対策の強化を目的に、警察庁との情報連携協定を締結した。

「Yahoo!ショッピング」をはじめとするECサービスでは、クレジットカードの不正利用などを防ぐため、24時間365日体制でモニタリングを実施している。不正な取引が行われている可能性が高いと判断した取引に関する情報を、必要な範囲で警察庁へ迅速に共有し、利用者の財産保護や被害の未然防止につなげる。

協定の運用開始にあたっては、警察庁や個人情報保護委員会と意見交換を行い、有識者の意見も踏まえて制度を検討したという。また、捜査機関への情報提供に関する方針や実績については、透明性レポートとして公開している。

メルカリ、AIによる不正検知も高度化

メルカリも同日、警察庁と「不正取引等に関する情報共有に関する協定」を締結したと発表した。

同社は、インターネット上での詐欺や不正取引が年々深刻化し、フリマサービスを悪用した犯罪も社会問題となっていることを踏まえ、正しくサービスを利用するユーザーが安心して取引できる環境づくりの一環として協定を締結したと説明している。

これまでも警察などの捜査機関からの照会には法令に基づいて対応してきたが、今後は警察庁との情報連携を強化し、不正行為の未然防止や悪質利用の抑止を図る。

協定に基づき、不正な取引が行われている可能性が高いと判断した取引に関する情報を、法令に基づき警察庁へ提供する場合があるとしている。あわせて、AIを活用した不正検知の高度化や本人確認の強化、外部機関との連携などを進め、より実効性の高い不正対策を推進する方針だ。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
furukawa
確認済み
1 時間 11 分 ago
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