ネットショップ担当者フォーラム

AI対応のEC基盤はどう作る? 流行を追わず「インフラ近代化」を徹底してエージェントAIを実装した事例

2 週間 4 日 ago
AI対応のEC基盤はどう作る? 流行を追わず「インフラ近代化」を徹底してエージェントAIを実装した事例takikawa2026年7月16日世界を先読み!日本独占配信 米国でもっとも有名なEC専門メディア『Digital Commerce 360』からの最新記事海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

米国の専門小売店「Batteries Plus」は、将来の市場変化に耐え得るシステム基盤への刷新を進めました。当初、これがエージェントなど最新のAIツール群を稼働させることになるとは想定していませんでしたが、インフラの能力向上をひたむきに追求した結果、図らずもそれが実現したのです。

システム刷新が、AIエージェント対応の足がかりに

米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』が発行する「北米オンライン小売トップ2000社」データベースにおいて956位にランクインするBatteries Plusは、数年にわたり計画的にシステムの近代化を進めてきました。

電池の販売にとどまらず、照明ソリューション、デバイス修理、キーフォブ(スマートキー)の交換サービスなども提供する「専門店(Specialty)」として、全社規模でAIを展開できる強固な基盤を構築したと言います。

エンタープライズアーキテクチャ担当シニアディレクターであるカーシック・ジャンブリンガム氏は、『Digital Commerce 360』の取材に対し、基幹システムを拡張性の高いクラウドベースのデータ基盤へと移行した経緯を説明しました。

この「戦略的な進化」によって、AIを活用したソリューションをより効果的に展開できるようになり、結果として顧客体験(CX)の向上、業務効率の改善、そして事業成長の加速につながっているそうです。

AI対応のEC基盤はどう作る? 流行を追わず「インフラ近代化」を徹底してエージェントAIを実装した事例
Batteries PlusのECサイト

「AI対応企業」へと進化した背景

ジャンブリンガム氏は、「将来を見据えた基盤」と「AI活用を前提とした基盤」の構築に重点を置いてきたと強調します。

多くの企業は、AIを活用するための『準備』が不足しているという課題を見落としています」と指摘。この近代化の取り組み全体を「AI対応のエンタープライズ・アーキテクチャ」と呼んでいます。

将来を見据えて技術基盤の刷新を進めていた当時は、それがAIエージェントを含む最新のエンタープライズAIツールの導入につながるとは予測していなかったと言います。しかし、インフラ基盤の強化を継続した結果、自然とAIを活用できる環境が整いました

世界は変化しており、小売業界はさらに速いスピードで変化しています」とジャンブリンガム氏は説明。そしてこう付け加えます。

以前はシステムやプラットフォームの更新は年に1回程度でしたが、その後四半期ごとになり、現在では毎週、あるいは毎日のように新しい技術が登場しています。私たちはすべてを追いかけることはできないため、できる限り最適な状態を維持することを重視しているのです。(ジャンブリンガム氏)

クラウド移行と「知識中心のアーキテクチャ」がもたらした成果

この変革の一環として、Batteries Plusは次の領域でシステム機能を大幅に強化しました。

  • ECサイト
  • POS(販売時点情報管理)システム
  • 決済システム
  • PIM(商品情報管理)
  • エンタープライズ検索
  • パートナー企業とのシステム連携(インテグレーション)
  • クラウドへの移行
  • エンジニアリング体制・開発手法

これらの改善に加えてクラウドネイティブなインフラへ移行、システムの信頼性が向上し、基盤となるデータレイヤーを構築しました。このデータ基盤によって、自社のエンタープライズAIが構造化された文脈情報を利用できるようになり、より正確で信頼性の高い結果を導き出せるようになったと言います。

システムのアップグレード後、AIを活用した取り組みの成果として、Batteries Plusは検索の失敗(ゼロ件ヒットなど)に関する件数を25%削減。また、35〜40%という高い「問い合わせの自己解決率」を実現しています。

これは、AIチャットボットや音声AIなどの自動化されたセルフサービス機能だけで顧客対応が完了し、人間のスタッフへエスカレーション(引き継ぎ)する必要がなかった割合を示しています。「今回の近代化は、単にシステムを更新することが目的ではありませんでした」。ジャンブリンガム氏はこう振り返ります。

私たちがめざしたのは、私が「知識中心のアーキテクチャ」と呼ぶものの構築です。単なる生データの管理ではなく、構造化され、文脈を持ち、意味的に豊かな情報へ投資しましたそれによってAIシステムが正確に推論できるようになりました。PIMの刷新、データ基盤への投資、各種システム連携によってこの知識基盤が構築され、現在では当社のエンタープライズAI戦略の中核となっています。(ジャンブリンガム氏)

Batteries Plusが実践する全社規模での6つのAI活用法

ジャンブリンガム氏によると、Batteries Plusは800以上の実店舗とECサイト全体で、主に以下の6つの分野でAIを活用しています。

1. AI音声エージェント

店舗の電話システムにAI音声エージェントを統合し、多言語対応で商品検索の支援、サービス予約、高度な通話ルーティング(適切な担当への振り分け)を行っています。複雑な状況では店舗スタッフへ引き継ぐ仕組みを採用しており、人とAIが連携した(ヒューマン・イン・ザ・ループの)顧客対応を実現しています。

2. AIによる商品発見(検索)の高度化

AI駆動の検索プラットフォームにより、店舗スタッフは複雑な「商品の互換性」に関するシナリオを容易にナビゲートできるようになり、コンバージョン率(CVR)の向上につながっています。

3. 店舗への着信通話分析

AIが顧客と店舗との通話内容を分析し、パターン、意図、感情、対応結果などを把握します。これらを活用することで、店舗運営や接客品質の大幅な改善につなげています。

4. 店舗運営向けAIアシスタント

対話型AIアシスタントが、店舗スタッフに対して業務知識、商品ガイド、トラブルシューティング、多言語サポートを提供しています。これにより日常業務の生産性が向上し、従来の手作業によるサポートチャネルへの依存が減少しました。同社のオンライン注文の大部分がBOPIS(Buy Online, Pick Up In Store:オンライン購入・店舗受け取り)であることを踏まえると、このオペレーション効率化は非常に大きな意味を持ちます。

5. 営業向けAIエージェント

エージェント型AIの機能は、法人(商用)販売の現場でも活躍しています。顧客へのアウトリーチや、顧客離れ(チャーン)へのプロアクティブな対応を支援しています。有望な見込み顧客を自律的に特定し、営業担当者との商談日程も設定します。その結果、営業チームは顧客との質の高い対話、関係構築、複雑な商談に、より多くの時間を充てられるようになっています。

6. エージェント型コマース

Batteries Plusは、ECサイトにおける購買体験にエージェント型AI機能を導入することに注力しています。AIと大規模言語モデル(LLM)を活用することで、よりインテリジェントでパーソナライズされた顧客対応を実現しています。

◇◇◇

そして、ジャンブリンガム氏は『Digital Commerce 360』の取材に対し、次のように話しました。

私たちがめざしているのは、店舗で専門家から受けられるような体験をデジタルチャネルにもたらすことです。消費者がAIの支援を受けた購買決定に対してますますオープンになっている今、彼らが利用したいと思う場所とタイミングで、最適なサービスを提供し続けることが不可欠なのです。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

この記事の筆者

[ 転載元 ] Digital Commerce 360

世界最大級のネット通販業界の専門誌『Digital Commerce 360』(旧『Internet Retailer』)は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

takikawa

ヤマダHD、ノジマ、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、エディオン、ケーズHD、Joshin。サポートサイトのAI対応状況は?

2 週間 4 日 ago
大手家電量販店7社のうち5社がチャットやLINE、自動応答などの対話型サポート導線を整備。一方、購入履歴や保証、修理受付と連携し、問い合わせや手続きを進める「エージェント型」は公開導線上では確認できなかった。

エージェンティックコマース基盤を開発するStellagentは7月14日、国内大手家電量販店7社の公開サポートサイトや公開導線を対象に、AIチャット、自動応答、FAQ検索、修理・問い合わせ導線の対応状況を調査した結果を公表した。

調査対象は、ヤマダホールディングス、ノジマ、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、エディオン、ケーズホールディングス、Joshinの7社。7月10日時点で、公式サポートサイト、公式FAQ、問い合わせページ、LINE公式アカウントなどの公開導線を調査し、各社の到達状況を6段階で評価した。なお、ログイン後の機能や個人情報入力後の画面、問い合わせ送信後の挙動などは調査対象に含めていない。

チャットやLINE、自動応答を含む対話型導線を確認できたのは7社中5社。一方で、購入履歴や保証情報、修理受付などとAI/チャットが連携し、問い合わせや手続きを半自動で完了・引き継ぎできる「エージェント型」の導線を公開していた企業はなかった。

ヤマダHD、ノジマ、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、エディオン、ケーズHD、Joshin。サポートサイトのAI対応状況は?
Stellagentは大手家電量販7社のサポートAI調査を実施

最多は「チャット導線型」。エージェント型は0社

調査では、FAQやカテゴリ一覧、電話・問い合わせフォームを中心とする「Phase 0/静的サポート」から、購入履歴や保証情報、修理受付などと連携し、問い合わせや各種手続きを半自動で完了・引き継ぎできる「Phase 5/エージェント型」までの6段階で評価した。

このうち最も多かったのは、チャットボットやLINE問い合わせ、選択肢形式のチャットなどを備える「Phase 2/チャット導線型」で、3社が該当した。

企業別では、ビックカメラとヨドバシカメラが「Phase 1/検索補助型」、エディオン、ケーズHD、Joshinが「Phase 2/チャット導線型」、ノジマが自然文で質問できる「Phase 3/AI回答型」、ヤマダHDが修理受付や修理後の問い合わせ導線まで備える「Phase 4/手続き支援型」と判定された。「Phase 5/エージェント型」に該当する企業はなかった。

ヤマダHD、ノジマ、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、エディオン、ケーズHD、Joshin。サポートサイトのAI対応状況は?
大手家電量販7社のサポートAI対応フェーズ分布

AIによる問い合わせ支援は進む一方、業務連携は未整備

項目別では、チャットやLINE、自動応答による対話型導線を確認できたのはヤマダHD、ノジマ、エディオン、ケーズHD、Joshinの5社。自然文で質問できる導線を備えていたのはノジマの1社だった。また、修理受付や問い合わせなど次のアクションにつながる導線を備えていたのはヤマダHD、エディオン、ケーズHD、Joshinの4社だった。

ヤマダHD、ノジマ、ビックカメラ、ヨドバシカメラ、エディオン、ケーズHD、Joshin。サポートサイトのAI対応状況は?
対話型導線からエージェント型までの到達社数

一方で、AIやチャットと購入履歴、保証情報、修理受付状況などを連携させ、個別の状況に応じた対応を行う仕組みを公開していた企業は確認されなかった。

Stellagentは、家電量販店のサポート体験はFAQ検索中心から対話型サポートへ移行しつつあるものの、現状では問い合わせ前の情報整理やFAQへの誘導、有人対応への接続が中心だと分析する。

今後の差別化要素としては、購入履歴や保証期間、配送・設置履歴、修理受付状況などを安全に参照しながら、AIが問い合わせ内容の分類や必要情報の整理を行う「Phase 5/エージェント型」への進化が重要になると指摘している。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
furukawa

猛暑で子ども用日傘が売れ行き好調、「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」ランキング1位獲得の秘話

2 週間 4 日 ago
骨の先端が飛び出ていない設計や透明窓、大きめの共袋を採用している。2018年から子どもの熱中症対策を目的に開発を続けてきた

傘・レイングッズメーカーの小川が販売している、子どもの熱中症対策として製品化した「晴雨兼用子ども日傘」が好調だ。2025年度は10万本超を販売。2026年度も猛暑が続いており、販売本数は右肩上がりが予想される。

小川によると、長傘・折りたたみ傘を緊急追加し、7月上旬から順次販売を開始したという。

猛暑で子ども用日傘が売れ行き好調、「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」ランキング1位獲得の秘話
「子ども日傘」使用イメージ

小川の「晴雨兼用子ども日傘」は、骨の先端が飛び出ていない設計(意匠登録済)で、傘本体には視認性を確保する透明窓付き。折傘は、畳むことが苦手な子どもに大きめの共袋を用意し、安全に、便利に使えるように設計している。

猛暑で子ども用日傘が売れ行き好調、「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」ランキング1位獲得の秘話
透明窓・骨の先端が飛び出していない露先など安全仕様

発売開始から「子ども日傘」全体の出荷数は33万本。2025年度は単年度で10万2000本を販売し、発売当初の2019年度から50倍にまで成長した。2026年には「Amazon」「楽天」「Yahooショッピング」のキッズ傘部門でランキング1位を取り続けているという。

猛暑で子ども用日傘が売れ行き好調、「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」ランキング1位獲得の秘話
「子ども日傘」販売数量の推移

「子ども用日傘」の企画は2018年、「熱中症から子どもたちを守る」というコンセプトから始まった。2020年はコロナ禍により小学校の登校禁止や自宅学習、小売店の一時休業が続き、販売環境は一層厳しさを増した。

転機は、豊田市の小学校で「傘さし登下校」が推奨されていたことだという。小川の代表取締役社長の小川氏は校長へ直接連絡し、3年近く開発してきた日傘の効果を説明。小学1年生に日傘の使い方を伝え、1年生全員の日傘使用につながった。以後、「子ども日傘」というアイテムが少しずつ認知され始めた。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

ohshima

酷暑が続く夏に「五季」戦略で夏物5か月展開する三陽商会の商品戦略。ウィメンズ「半袖ジャケット」9倍、「メンズ日傘」220%に増産

2 週間 4 日 ago
酷暑が続く夏に「五季」戦略で夏物5か月展開する三陽商会の商品戦略。ウィメンズ「半袖ジャケット」9倍、「メンズ日傘」220%に増産
三陽商会は、独自の「五季」商品展開カレンダーに基づき、2026年夏商戦で夏物需要を従来の5〜7月から5〜9月へ拡大している。今夏はウィメンズの「半袖ジャケット」を前年比約9倍、メンズ日傘を同220%に増産するほか、夏物の前倒し投入や8〜9月の戦略見直しも進める。
furukawa2026年7月16日

三陽商会は、気候変動による夏の長期化・高温化に対応するため、2024年に導入した独自の「五季」商品展開カレンダーに基づき、2026年夏商戦を展開している。

気象庁が最高気温40度以上の日の名称を「酷暑日」と決定するなど、記録的な暑さが見込まれるなか、夏物商品の展開期間を従来の3か月間(5〜7月)から5か月間(5〜9月)へと拡大。暑い環境でも快適性とファッション性を両立する商品ラインアップを強化している。

酷暑が続く夏に「五季」戦略で夏物5か月展開する三陽商会の商品戦略。ウィメンズ「半袖ジャケット」9倍、「メンズ日傘」220%に増産
三陽商会独自の「五季」商品展開カレンダー

2026年夏の重点施策として掲げるのが、ビジネススタイルの見直しと夏向け商材の拡充だ。通勤スタイルの多様化を背景に、ウィメンズでは「袖なしのジレ」に続く定番アイテムとして「半袖ジャケット」を強化し、生産数を前年比約9倍に拡大する。あわせて、薄手で透け感がありながら、きちんとした印象も演出できる「シアージャケット」も同じく110%へ増産する。

メンズでは、従来のテーラードジャケットに代わる軽快な通勤スタイルとして、シャツとパンツのセットアップやVカラーのカーディガンジャケットを提案する。さらに、6〜8月の商品構成の約5割を占めるトップスカテゴリーも強化。ジャケットのインナーとして開発した「ドレスTシャツ」や、1枚でも着映えする「ドレスニット」の生産数を前年比145%に、ハーフパンツも同140%へ拡大する。

ウィメンズのトップスでは、レースやシアー、メッシュ素材などを採用したデザイン性の高い商品を充実させる。暑さ対策としての機能性に加え、「夏でもおしゃれを楽しみたい」という需要への対応も狙う。

酷暑が続く夏に「五季」戦略で夏物5か月展開する三陽商会の商品戦略。ウィメンズ「半袖ジャケット」9倍、「メンズ日傘」220%に増産
3月上旬に三陽商会本社別館で実施した「盛夏・猛暑展示会」の様子

雑貨も強化、「メンズ日傘」は前年比220%に増産

雑貨カテゴリーの強化も今夏戦略の柱の1つ。三陽商会は、気温の変化の影響を受けやすい衣料品に比べ、雑貨の販売は左右されにくいと見ており、売り上げの安定化に向けて雑貨全体の生産数を前年比130%に拡大。総生産数に占める雑貨の構成比も前年の14%から18%へ引き上げる。

なかでも男性の日傘需要の拡大を見込み、「メンズ日傘」は前年比220%に増産。このほか、夏向けバッグや扇子、ミニトートバッグ、チャーム、ミニスカーフなどのラインアップも拡充する。

酷暑が続く夏に「五季」戦略で夏物5か月展開する三陽商会の商品戦略。ウィメンズ「半袖ジャケット」9倍、「メンズ日傘」220%に増産
メンズ日傘やミニスカーフなどをラインアップ

夏物投入を最大1か月半前倒し

「五季」戦略の実効性を高めるため、夏物商品の投入時期も柔軟に見直している。東京都では4月第2週に夏日を記録するなど、気温上昇が例年より早まったことを受け、一部商品の販売開始を前倒しした。

メンズでは、半袖ニットやニットポロシャツの投入時期を5月上旬から4月上旬へ、ハーフパンツも5月下旬から一部商品を4月上旬へと、最大で約1か月半前倒しした。ウィメンズでも、ノースリーブワンピースを例年の5月から4月へ、フレンチスリーブやノースリーブトップスを5月から4月下旬へと早めて展開している。

8〜9月は「夏物」と「秋物」の2軸で需要を取り込む

一方、8〜9月の猛暑期に向けた商品戦略も見直す。2025年夏商戦では、盛夏・猛暑対応商材の積極投入により7月以降は販売が回復し、8月は前年比110%、6〜8月累計では前年並み(100%)となった。一方、9月は同92%と苦戦した。

この結果を踏まえ、2026年は「気温対応夏物」と「早期秋物需要」の2軸で売上確保を図る。具体的には、「秋色×夏素材」「秋素材×夏デザイン」といった高温対応の商品と、レザーやファー素材のアウターなど早期秋物を並行展開し、気温に合った実用性と季節感を両立させる考えだ。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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鳥栖 剛

佐川急便が取り組む従業員の熱中症対策および紫外線対策とは? 「安定したサービスを継続してご提供するための取り組み」

2 週間 5 日 ago
佐川急便が取り組む従業員の熱中症対策および紫外線対策とは? 「安定したサービスを継続してご提供するための取り組み」
佐川急便は、屋外で勤務する従業員の健康を守るため、サングラスやアンダーシャツの着用を認めるほか、応急キットの全拠点・全車両常備、WBGT値の計測、体調確認の徹底などを進めている。
furukawa2026年7月15日

佐川急便は、屋外で勤務する従業員の健康を守り、安定した配送関連サービスを継続して提供するため、熱中症対策や紫外線対策への理解を呼びかけている。紫外線対策として、サングラスやアンダーシャツ、レギンスの着用を認める運用を開始した。

佐川急便が取り組む従業員の熱中症対策および紫外線対策とは? 「安定したサービスを継続してご提供するための取り組み」
佐川急便では熱中症対策や紫外線対策への理解を呼びかけている。

熱中症対策では、クールファンベストやネッククーラー、ネックファン、ハーフパンツなどの着用を必要に応じて認めている。加えて、アイスラリーや冷感スプレーの使用、冷感機能付きアンダーウェアの着用も可能としている。

佐川急便が取り組む従業員の熱中症対策および紫外線対策とは? 「安定したサービスを継続してご提供するための取り組み」
紫外線対策・熱中症対策アイテムの着用例

また、経口補水液と冷却剤をセットにした応急キットを全拠点・全車両に常備。塩飴や塩タブレットも配布している。

佐川急便が取り組む従業員の熱中症対策および紫外線対策とは? 「安定したサービスを継続してご提供するための取り組み」
経口補水液と冷却剤をセットにした応急キット

暑さ指数(WBGT)は午前・午後の1日2回計測し、従業員に対してこまめな水分補給や適切な休憩を促している。

佐川急便が取り組む従業員の熱中症対策および紫外線対策とは? 「安定したサービスを継続してご提供するための取り組み」
暑さ指数(WBGT)の計測

従業員の体調管理も強化している。出発前には運行管理者がドライバーの体調を確認し、夏季は朝食の摂取状況もチェック。熱中症が疑われる場合の対応フローも全従業員に共有しており、体調に異変があれば作業を中断し、安全推進課へ連絡したうえで、必要に応じて119番通報する体制を整えている。

佐川急便が取り組む従業員の熱中症対策および紫外線対策とは? 「安定したサービスを継続してご提供するための取り組み」
点呼時の運行管理者による従業員の体調確認

さらに、暑さに負けない身体づくりに向けて、ウォーキングやサイクリング、入浴などによる暑熱順化の重要性についても周知。気温が本格的に上昇する前から、無理のない範囲で身体を暑さに慣らすよう呼びかけている。

佐川急便は、「紫外線対策ウェアや熱中症対策グッズを着用した従業員がお客さまのもとへお伺いする場合がございます。何卒ご理解を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます」とコメントしている。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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鳥栖 剛

物価高で約5人に1人がリユース品の購入を「検討する頻度が増えた」。約5割は、直近1~2年間でリユース品を購入していない【メルカリ調査】

2 週間 5 日 ago
物価高で約5人に1人がリユース品の購入を「検討する頻度が増えた」。約5割は、直近1~2年間でリユース品を購入していない【メルカリ調査】
高額リユース品では8割以上が「品質保証」を重視していると回答した。プロによる品質保証がある場合、リユース利用層の約5割が高額品でも購入しても良いと回答した
ohshima2026年7月15日

メルカリが実施した「物価高とリユース活用に関する意識・実態調査」によると、物価高の影響で、約5人に1人がリユース品の購入を「検討する頻度が増えた」と回答した。一方、約5割は直近1~2年間でリユース品を購入していない実態も明らかとなった。

調査対象は事前調査では20~60代の男女1万人、本調査では20~60代の男女1040人。本調査の内訳は、直近1~2年間でリユース品を「習慣的に購入している」「時々購入している」と回答した520人(リユース利用層)と、直近1~2年間でリユース品を「ほとんど購入しない」「全く購入しない」と回答した520人の合計1040人。調査期間は2026年5月20~21日。

物価高で約5人に1人がリユース品購入の検討頻度が増加

物価高の影響によるリユース品購入の検討頻度について、「検討することが増えた」が6.4%、「検討することがやや増えた」が14.4%で合計20.8%、約5人に1人が「リユース品購入の検討頻度が増加した」と回答した。

物価高で約5人に1人がリユース品の購入を「検討する頻度が増えた」。約5割は、直近1~2年間でリユース品を購入していない【メルカリ調査】
物価高の影響によるリユース品購入の検討頻度

直近1~2年間、リユース品を「全く購入しない」が51.0%

直近1~2年間でリユース品を購入した頻度は、最多が「全く購入しない」で51.0%だった。メルカリは「物価高を背景にリユース品への関心が高まっているものの、実際の購入には至っていない人が多い実態が浮き彫りとなった」と解説している。

物価高で約5人に1人がリユース品の購入を「検討する頻度が増えた」。約5割は、直近1~2年間でリユース品を購入していない【メルカリ調査】
直近1~2年間でリユース品を購入した頻度

リユース品を購入しない理由、最多は「商品の汚れや衛生面」

直近1~2年間でリユース品を「ほとんど購入しない」「全く購入しない」と回答した人にその理由を聞いたところ、「商品の汚れや衛生面が気になる」が最多で48.0%、続いて「故障や劣化などの品質に不安がある」が40.9%、「適正な価格かどうかわからない」が31.3%、「欲しい商品が見つかりにくい/見つからない」が24.1%、「偽物やコピー品ではないか不安」が22.4%だった。

物価高で約5人に1人がリユース品の購入を「検討する頻度が増えた」。約5割は、直近1~2年間でリユース品を購入していない【メルカリ調査】
リユース品を購入しない理由(複数回答可)

高額リユース品ほど購入時に不安を感じる傾向

リユース品購入時に「不安を感じる」割合は、「高額ブランドのバッグ」が最も高く70.7%、続いて「高額ブランドの時計・ジュエリー」が70.1%、「スマートフォン・PC・タブレット」が69.9%だった。

物価高で約5人に1人がリユース品の購入を「検討する頻度が増えた」。約5割は、直近1~2年間でリユース品を購入していない【メルカリ調査】
リユース品購入時に「不安を感じる」割合

高額リユース品の購入を阻む「品質への不安」

高額リユース品の購入に不安を感じると回答した人に、高額リユース品の購入を阻む具体的な要因を聞いたところ、「高額ブランドのファッションアイテム」については最多が「偽物・コピー品の懸念」で73.3%、続いて「衛生面(汚れ・臭いなど)」が59.7%、「写真や説明と実物の相違」が53.5%。

「スマートフォン・PC・タブレット」については、「動作不良・故障のリスク(バッテリー劣化など)」が73.3%、「保証やアフターケアの欠如」が46.3%、「データの初期化が適切に行われているか」が42.9%だった。

メルカリは「真贋や内部の劣化といった自分では判断しきれない「品質への不安」が高額リユース品の購入をためらわせる大きな障壁となっていることがうかがえる」としている。

物価高で約5人に1人がリユース品の購入を「検討する頻度が増えた」。約5割は、直近1~2年間でリユース品を購入していない【メルカリ調査】
高額リユース品の購入を阻む具体的な要因(複数回答可)

8割以上がリユース品購入時の「品質保証」を重視

リユース品を購入する際に「品質の保証があること」はどの程度重要だと思うかを聞いたところ、「高額ブランドのファッションアイテム」について、「とても重要」が55.8%、「やや重要」が27.4%で合計83.2%が「重要」と回答した。

「スマートフォン・PC・タブレット」について、「とても重要」が58.6%、「やや重要」が27.3%で合計85.9%が「重要」と回答した。

メルカリは「いずれのカテゴリーでも8割以上が『品質保証』を重視しており、高額リユース品の購入において、品質への安心感が重要な判断材料となっている」と考察している。

物価高で約5人に1人がリユース品の購入を「検討する頻度が増えた」。約5割は、直近1~2年間でリユース品を購入していない【メルカリ調査】
リユース品購入時に「品質保証」があることについて

プロによる品質保証で約5割が高額リユース品の購入に前向き

リユース利用層に対し、プロによる品質保証(整備・クリーニング・真贋鑑定など)があれば、高額品でもリユース品を購入しても良いと思うかを聞いたところ、「スマートフォン・PC・タブレット」については51.7%、「高額ブランドのバッグ」については51.2%、「高額ブランドの時計・ジュエリー」については49.0%、「高額ブランドの衣類・靴」については47.7%が、「とてもそう思う」または「ややそう思う」と回答した。

メルカリは「リユース未利用層においても約2割が購入意欲を示しており、プロの品質保証が新たな需要を喚起し、市場拡大の大きな鍵となることが示唆される」としている。

物価高で約5人に1人がリユース品の購入を「検討する頻度が増えた」。約5割は、直近1~2年間でリユース品を購入していない【メルカリ調査】
プロによる品質保証があればリユース品を購入しても良いと回答した割合

調査概要

  • 調査期間:2026年5月20~21日
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:事前調査 20代~60代の男女1万人/本調査 20代~60代の男女1040人(直近1~2年間で、リユース品を「習慣的に購入している」「時々購入している」と回答した520人(リユース利用層)と、直近1~2年間でリユース品を「ほとんど購入しない」「全く購入しない」と回答した520人の合計1040人)

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

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ohshima

物価高の影響8割が実感。節約術上位は「特売の活用」「代替品の選択」「ポイ活」

2 週間 5 日 ago
物価高の影響8割が実感。節約術上位は「特売の活用」「代替品の選択」「ポイ活」
節約しても支出を減らしにくいものは「食品」が最多だった。物価高の影響がなければお金を使いたいことでは、旅行関連の回答が多く見られた
ohshima2026年7月15日

共通ポイントサービス「Ponta(ポンタ)」を運営するロイヤリティマーケティングが実施した「物価高における節約行動に関する調査」によると、回答者の8割以上が物価高の影響を感じると答え、主な節約方法は「特売の活用」「代替品の選択」「ポイ活」などがあがった。

調査対象は国内在住の20~60代の1000人(Ponta会員で「Pontaリサーチ」の会員登録をしているユーザー)。調査期間は2026年6月8~15日。

8割超が物価高の影響を実感、50代では「非常に感じる」が63.0%

現在の生活において、物価高騰の影響をどの程度感じているかについて、「非常に感じる」が51.3%、「やや感じる」が32.1%で合計83.4%が物価高の影響を感じていることがわかった。

物価高の影響8割が実感。節約術上位は「特売の活用」「代替品の選択」「ポイ活」
物価高騰の影響について

年代別に見ると、「非常に感じる」は50代が63.0%で最も高く、次いで60代が57.0%、40代が56.0%。40代以上では「非常に感じる」と回答した割合が半数を超えた。

物価高の影響8割が実感。節約術上位は「特売の活用」「代替品の選択」「ポイ活」
物価高騰の影響について(年代別)

特に値上がりを実感するものは、最多が「食品」で87.6%、続いて「日用品」が54.1%、「外食」が51.8%、「電気・ガス代」が43.1%だった。

物価高の影響8割が実感。節約術上位は「特売の活用」「代替品の選択」「ポイ活」
特に値上がりを実感するもの(複数回答)

65.0%が節約を実施、特売や代替品、ポイ活を活用

物価高騰を受けて節約をしているかを聞いたところ、「積極的に節約している」が23.2%、「やや節約している」が41.8%で合計65.0%が「節約をしている」と回答した。

物価高の影響8割が実感。節約術上位は「特売の活用」「代替品の選択」「ポイ活」
物価高騰を受けて節約をしているか

現在実施している具体的な節約術は、「スーパーの特売を活用する」が48.5%で最も高く、続いて「安い商品・代替品を選ぶ」が47.6%、「ポイ活を積極的に行う」が45.7%、「ポイント・キャッシュレス決済を活用する」が44.8%、「クーポンを活用する」が44.4%だった。

物価高の影響8割が実感。節約術上位は「特売の活用」「代替品の選択」「ポイ活」
現在実施している具体的な節約術(複数回答可)

節約しても減らしにくい支出、最多は「食品」

現在節約に取り組んでいる人に、節約をしていても支出を減らしにくいと思うものを聞いたところ、最も多かったのは「食品」で56.2%、続いて「電気・ガス代」が50.1%、「水道代」が35.4%、「ガソリン代」が33.1%だった。ロイヤリティマーケティングは「生活に欠かせない支出においては、節約だけでは対応しきれない」と考察している。

一方、「趣味・娯楽費」は11.3%、「旅行費(交通)」は9.1%、「旅行費(宿泊)」は8.8%、「サブスクサービス」は3.3%にとどまった。

物価高の影響8割が実感。節約術上位は「特売の活用」「代替品の選択」「ポイ活」
節約をしていても支出を減らしにくいと思うもの(複数回答可)

節約情報の入手先は「テレビ」が最多、若年層はSNS・動画も活用

節約に関する情報を主にどこから得ているかは、「テレビ」が最多で51.2%、続いて「ニュースサイト」が35.9%、「YouTube」が24.0%、「家族・友人」が22.9%だった。

物価高の影響8割が実感。節約術上位は「特売の活用」「代替品の選択」「ポイ活」
節約に関する情報を主にどこから得ているか(複数回答可)

情報源におけるデジタルメディアや生成AIの利用状況を年代別に見ると、20代・30代では「YouTube」がそれぞれ36.5%・35.2%、「Instagram」がそれぞれ28.2%・24.7%、「X(旧Twitter)」がそれぞれ26.9%・24.1%で、SNSや動画サービスの利用割合が高かった。

物価高の影響8割が実感。節約術上位は「特売の活用」「代替品の選択」「ポイ活」
年代別:節約に関する情報を主にどこから得ているか(デジタルメディア・生成AI抜粋)(複数回答)

物価高がなければお金を使いたいこと、旅行関連が最多

物価高騰の影響がなければ、本当はやりたいこと・お金を使いたいことを自由回答で聞いたところ、「海外旅行」「国内旅行」「家族旅行」「温泉旅行」など、旅行関連のキーワードが最も多く見られた。また、「外食」「趣味」「投資」「貯蓄」などの回答も見られた。

ロイヤリティマーケティングは「物価高を背景に節約や生活防衛の意識が高まる一方で、生活者の中には、旅行や外食、趣味などにお金を使いたいという本音がある」と推測している。

物価高の影響8割が実感。節約術上位は「特売の活用」「代替品の選択」「ポイ活」
物価高騰の影響がなければ、本当はやりたいこと・お金を使いたいこと(自由回答)

調査概要

  • 調査方法:インターネット調査(「Pontaリサーチ」調べ)
  • 調査期間:2026年6月8日~15日
  • パネル:「Pontaリサーチ」会員(Ponta会員で「Pontaリサーチ」の会員登録をしているユーザー)
  • 調査対象:国内在住の20~60代1000人

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

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ohshima

AIエージェントコマース時代、ECはどう変わる? AI主導の購買行動で認知され、求められ、選ばれるブランドであり続けるためには

2 週間 5 日 ago
AIエージェントコマース時代、ECはどう変わる? AI主導の購買行動で認知され、求められ、選ばれるブランドであり続けるためには
Appier Groupは、AIエージェント・コマース時代に向けた「デュアル・マーケティング戦略」を提唱した。消費者向けのブランド訴求に加え、AIが商品やブランドを正確に理解・推奨できるよう、構造化データの整備やファーストパーティデータの活用が重要になると訴えている。
furukawa2026年7月15日

AIテクノロジー企業のAppier Groupは、AIエージェントコマース時代を見据えた小売事業者向けの新たなマーケティング手法として、「デュアル・マーケティング戦略」を提唱した。AIが商品発見から比較検討、購入までの購買プロセス全体に関与するようになるなか、消費者へのブランド訴求だけでなく、AIエージェントが商品やブランドを正しく理解し、推奨できるよう情報を整備することが重要になるとしている。


Appierは「デュアル・マーケティング戦略」を提唱

Appierは、従来の購買行動は消費者が検索エンジンや広告、ブランドサイトなどを経由して商品を探していた一方、今後はAIに「何を買うべきか」ではなく、「どうすれば目的を達成できるか」を相談する行動へシフトすると予測。AIが個人の状況や予算、好みに応じて商品を推薦し、その後、ブランドのECサイトや実店舗へ送客する「ハイブリッド・カスタマージャーニー」が広がると見ている。


「ハイブリッド・カスタマージャーニー」が広がると予想

こうした環境変化を踏まえ、Appierは人間とAIエージェントの双方に向けた情報設計を行う「デュアル・マーケティング戦略」を提唱。消費者向けにはブランドストーリーやクリエイティブ、ブランド体験への投資を継続する一方で、AI向けには商品メタデータやFAQ、仕様情報、在庫情報、レビュー、コンバージョンシグナルなどの構造化データを最適化し、AIが商品を正確に理解・評価・推奨できる環境を整えることが重要だとしている。


人間とAIエージェントの双方に向けた情報設計が重要に

購買サイクルは短縮傾向にある

Appierはマーケティングの軸が「アテンション・エコノミー」から「インテント・エコノミー」へ移行していると説明。購買サイクルは従来の7〜14日間から、最短で1時間〜3日間に短縮する可能性があるという。

そのため、ブランドにはファーストパーティデータをリアルタイムで活用し、顧客インサイトを迅速に意思決定へ反映できる体制の構築が求められるとしている。

データが分断されることがAI活用の壁に

一方、小売事業者の課題として、「パーソナライズされた顧客体験の提供」「LTV(顧客生涯価値)の向上」「オンライン・オフラインを横断した顧客データの統合」の3点をあげた。

CRMやCDPを導入していても、顧客データがWebサイト、アプリ、SNS、POS、ECプラットフォーム、実店舗などに分散し、リアルタイムな活用を妨げているケースが少なくないと指摘している。

こうした課題に対しAppierは、統合データ基盤上でAIエージェントを活用することで、オーディエンス分析、カスタマージャーニー設計、予算配分、クリエイティブ生成、A/Bテストの最適化までを一連のワークフローとして実行できると説明する。

また、データ品質を高める仕組みによって、データの不整合やAIのハルシネーション(誤情報を生成する現象)のリスク低減にもつながるとしている。

AI時代にブランドが優先すべき3つの取り組み

Appierは、AIエージェントコマース時代に向けて企業が優先すべき取り組みとして、次の3点をあげた。

  • オンライン・オフラインを横断した顧客データの統合
  • リアルタイムで意思決定できるデータ基盤の構築
  • 人間ならではのブランド体験価値の維持・強化

Appierは、反復的で購買意欲の高い顧客とのやり取りをAIエージェントに任せることで、マーケターはブランドストーリーの設計や顧客エンゲージメントの向上、複雑な意思決定など、より付加価値の高い業務へ注力できるようになるとしている。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
(function(){ try{ var googletag = window.googletag || {cmd: []}; googletag.cmd.push(function() { const adUnitPath = '/49282802/ipc-netshop/pc-all/hyb101', adSizes = [[["fluid"], [728, 90]]], slotElementId = 'div-gpt-ad-1549503899339-0'; const iOr=/^https:\/\/([^.]+\.)+safeframe\.googlesyndication\.com/; googletag .pubads() .addEventListener('slotResponseReceived', function(evt) { if (evt?.slot?.getAdUnitPath() != adUnitPath) { return; } if (!evt?.slot?.getResponseInformation()) { const targetElem = document.querySelector('#'+slotElementId); if (targetElem) { targetElem.style.display = 'none'; } } }) .addEventListener('slotRenderEnded', function(evt) { if (evt?.slot?.getAdUnitPath() != adUnitPath) { return; } const postMessageWithDebounce = Drupal.debounce(function() { const viewportWidth = window.innerWidth; const wIfr = document .querySelector('#'+slotElementId) ?.querySelector('iframe') ?.contentWindow; if (!wIfr || !wIfr.postMessage) return; wIfr.postMessage( { slot: adUnitPath, type: 'banchoSetViewportInfo', data:{ viewportWidth: viewportWidth } }, '*' ); }, 250, false); postMessageWithDebounce(); window.addEventListener('resize', postMessageWithDebounce); window.addEventListener('orientationchange', postMessageWithDebounce); }); }); } catch (e) { if (drupalSettings?.bancho?.userInfo?.insider) { console.warn(e); } } })();
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鳥栖 剛

AI時代の外部を生かせる会社・生かせない会社の違い。「内製化」=「すべて自分でやること」ではない?

2 週間 5 日 ago
AI時代の外部を生かせる会社・生かせない会社の違い。「内製化」=「すべて自分でやること」ではない? fujita-h2026年7月15日内製×外注の最適解を見つけるEC実践講座

「EC事業を内製化する」。この言葉を聞くと、「広告運用もサイト制作もシステム開発も、すべて自社でできるようになること」と考える人も少なくありません。一方で、「プロに任せれば大丈夫」と考え、制作会社や開発会社、ツール会社に成果を委ねてしまうケースもあります。しかしECを取り巻く環境は、AIの登場も含めて大きく変化しており、「内製か外注か」という単純な話ではなくなっています。

ECサイト作りで「何のために行うのか」が曖昧なまま進むケースが多い

林

今回から新しい連載がスタートします。ボクラブロックの林昌孝です。

石田

ECマーケティング人財育成(ECMJ)の石田麻琴です。よろしくお願いします。

林

この連載を始めるにあたって、最初に「なぜこのテーマを取り上げたのか」を、自己紹介と合わせてお伝えします。

石田さんは、これまで「ネッ担」で、EC事業の人材育成やマーケティングの内製化について長く発信してきました。一方で、私はどちらかというとECのシステム開発や保守といった、作る側の仕事を長く従事。20年近くデジタル業界に携わり、2007年にはEC事業者向けのシステム開発会社を創業し、約15年間、ECサイトの構築・保守・追加開発を中心に支援してきました。

ECサイトって、作って終わりではないんですよね。「ここを改善したい」「こういう機能がほしい」「こういうことをしたい」という話が次々出てきます。そういうものを長く作り続けてきたのですが、そのなかでずっと感じていたことがあります。それは、「何を作るか」という以前に、「何のために行うのか」が曖昧なまま進んでいるケースがとても多いということです。

石田

開発自体の問題というより、その前段階に課題があるという感じですね。

林

そうです。たとえば「こういう機能を作りたいです」という相談は来るんです。

でも、「それを作ることで何を実現したいのか」が整理されていないケースが結構ある。その状態で進めると、当然ですが後で問題が起きます。「作ったけれど使われない」「改善が続かない」「思ったほど成果につながらない」――こういうことが頻繁に起きるんですよね。

石田

それって開発を受ける側からすると難しいですよね。

林

難しいですね。受ける側からすると、「何をゴールにしたら良いか」がわからないから。もちろんプロなので、形にはします。けれども、「何を目的にしているか」が曖昧だと、結局作るものも曖昧になるんです。

だからこの連載では、単純に「このツールがいい」「こういう開発がいい」といった話ではなく、「外部をどう生かすか」ということをお伝えしていきます。

「何をするべきかを考えられる状態」が内製化

石田

「内製」というワードは誤解されやすい言葉ですよね。

林

かなり誤解されています。内製化というと、「制作、広告、システム、運用、すべて自分たちで行えるようになること」というイメージを持っている人が多いです。

でも僕は、それは違うと考えています。今は、AIの進化もそうですし、広告もツールもシステムも、とにかく変化が速い。すべてを社内でキャッチアップして実施するのは、かなり現実的ではないです。

石田

そうすると、本当に内製化するべきものは何でしょうか?

林

僕は「判断」だと考えています。課題を見つけること、優先順位をつけること、外部に頼んだ結果が良かったのか悪かったのかを評価すること――そういった部分ですよね。業務で手を動かすことではなく、「何をするべきかを考えられる状態」が内製化だと考えています。

プロに頼むことは悪いことではない。「何を得たいのか」を整理せずに頼むと失敗しがちになる

石田

外注についても聞きたいんですが、「よくある誤解」ってありますか。

林

昔から変わらないのですが、「プロに任せればうまくいく」ですね。特に経営層ほど、この傾向が強い気がします。「専門家に頼んだのに」「プロに頼んだのに」という話ですね。

ただ、繰り返しになるのですが、受ける側からすると、そもそも頼む側が何を実現したいのかが曖昧なケースってすごく多いんです。だからプロが悪いとかではなく、「何を得たいのか」を整理して依頼しているかが重要なんです。

石田

その「プロに任せればうまくいく」という発想は、そもそもなぜ生まれるんですかね。

林

僕は、経営層がデジタル領域を判断しにくかった時代背景も大きいと思っています。

今でこそAIが出てきたりDXという言葉が広まったりして、デジタルに対する拒絶反応ってかなり減ってきているのですが、少し前までは「IT」や「デジタル」ってかなり特殊なものだったと感じています。

「なんとなく難しい、よくわからない。でもやらないといけないらしい」、そんな位置づけだったと思うんです。だから、「よくわからないからプロに頼もう」という流れ自体は、ある意味自然だったのかなと。

石田

今は「デジタルを活用しましょう」と言われてもそんなに抵抗感はないですが、昔は結構違いましたよね。

林

別に「プロに頼むこと」が悪いわけではないんです。むしろ頼んだ方がいいケースはたくさんあります。ただ、「何を実現したいか」を考えないまま、「とりあえずお願いしよう」になると、後で問題が起こる。そこが大きいです。

AI活用も同じ。「自分たちの考え方を載せる」ことが大事

石田

今って、少し別の意味で似たようなことが起き始めている感じもしますよね。昔は「プロに任せればうまくいく」だったけれど、今は「AIに任せればうまくいく」みたいな(笑)

林

ありますね。でも結局、構造はまったく同じだと思うんです。たとえばAIに「提案書を作って」と言えば、それっぽいものは出てきます。「市場分析して」と言えば分析もしてくれる。

でも、その分析結果を見て「じゃあ自分たちは何をするのか」を考える人がいないと、多分同じことになるんですよね。

石田

最近、提案書とか見ていても結構ありますよね。「あ、これAIで作ったな」って。

林

ありますね(笑)。資料はすごく綺麗なんです。でも、話している人が自分の言葉で説明できていない。資料の方が優秀すぎる状態になっている。

石田

資料がしゃべっている感じね(笑)

林

そうそう(笑)。でも結局、お客さまは資料を買うわけではない。一緒にやる人を見ていると思います。だからAIが出してきたものをそのまま使うのではなく、自分たちの考え方を乗せることが大事なんじゃないかなと感じています。

AIで作成した資料をそのまま使うのではなく、きちんと自分の考えを乗せることが大切
AIで作成した資料をそのまま使うのではなく、きちんと自分の考えを載せることが大切(画像はイメージ)

外注先への依頼、EC運用で「もったいない」と感じた事例は?

石田

少し具体例の話も聞きたいです。外注先である開発側にいた時、「これはもったいないな」と思ったケースはありますか。

林

多々あります。たとえば、開発予算があるにもかかわらず、お客さま向けの価値提供ではなく、社内運用を楽にすること(効率化に目を向けた機能)だけに予算を使ってしまうケースですね。もちろん効率化も必要ですが、本来なら「購入しやすくなる」「選びやすくなる」など、お客さま側に価値を生むことが重要なはず。でも現場だけで決めると、どうしても現状の運用に課題を感じている担当者の主観で優先されてしまう

経営側としては、売上向上や顧客体験の改善に使われると思っていた予算が、結果的に社内運用の効率化に偏っていた、というケースもあります。

石田さんが経験した「運営側の課題」はありますか。

石田

林さんの話を聞いていて、思い出したことがあります。

昔コンサルに入った会社で、担当者に「普段のEC運営は何をしているか」をホワイトボードに書き出してもらったんです。そうしたら、「受注・発送・問い合わせ対応」だけで1日が終わっていたんですね。それを見てかなり衝撃でした。

本来、EC運営は「市場では何が伸びているのか」「競合は何をしているのか」「トレンドはどう変わっているのか」といった市場を見る仕事なんです。

林

でも、日々の業務に追われると、視点がどんどん狭くなっていく……。

石田

そうなんですよ。だからまず、「考える時間を持てるか」が重要なのではないかと感じています。

「担当者さんが悪い」わけではないんです、きちんと仕事をしていますから。受注も発送も問い合わせもあって、むしろ忙しい。

でも問題なのは、その会社のなかに「ECを考える時間を取る文化」がなかったことなんですよね。ECって目の前の仕事だけをしていると、一日が終わってしまう。でも本当は、「なんで売れたんだろう」「なんで売れなかったんだろう」「だったら次に何をしようか」っていう時間が必要なんですよ。

林

商品登録して、画像を修正して、問い合わせに返して、発送して、それで一日終わる。客観的に自社や市場を見る文化や習慣がない。

石田

だから何かわからないことが起こると、「詳しい人にお願いしよう」になってしまう。そこって、業界全体の課題でもあるのかもしれません。上司でECに詳しい人なんてほぼいない会社ばかりですからね。

林

今回の話を最後にまとめます。

まず内製化は「ECの業務をすべて自社でやることではない」と思っています。自社で判断を持つこと、外部をうまく使うこと、自分たちが考えるべきことに集中できる状態を作ること。それが結果として、EC全体の成長につながっていくと考えています。

石田

次回も具体的な事例を交えながら役立つネタをお話していきましょう。

◇◇◇

本連載では、システム開発・事業支援に長年携わってきたボクラブロック代表の林氏と、マーケティングチームの内製化連載を執筆しているECMJ代表の石田氏が、「何を自社で持ち、何を外部に任せるべきか」をテーマに、ECの現場で起きているリアルな課題を掘り下げていきます。

ECマーケティング人財育成は「マーケティングチームの内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

ボクラブロックは、EC事業者ごとに異なる課題や目指す方向に合わせて施策を設計し、実行・改善まで伴走するEC支援会社です。外部パートナーも活用しながら、売上向上や業務改善につながる取り組みを支援します。詳しくはボクラブロックのホームページをご覧ください。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 石田 麻琴

株式会社ECマーケティング人財育成

石田 麻琴(いしだ・まこと)

株式会社ECマーケティング人財育成 代表取締役

早稲田大学卒業後、ネット通販企業に6年間従事。ECの責任者として、ヤフーショッピング月間ベストストア8回受賞。全国第1位を獲得。ネット通販を中心としたWebビジネス支援の株式会社ECマーケティング人財育成を設立。EC・Web企業を支援。
BPIA/Webビジネス研究会ナビゲータ、協同組合ワイズ総研理事。

ECマーケティング人財育成では、日々、インターネット通販を手掛けている事業者、およびその関連事業者に向けた情報を発信しています。ECサイト運営などに役立つ情報については、こちらをご参照ください。

月1回、EC企業における優秀なスタッフやチームを育成するための事例やノウハウを提供する、人財育成に関するセミナーを無料で実施しています。

[ 執筆 ] 林 昌孝

株式会社ボクラブロック

林 昌孝(はやし まさたか)

株式会社ボクラブロック 代表取締役

2003年、デジタルマーケティング支援会社に新卒入社。その後、インターネット専業広告代理店を経て、2007年にボクブロック株式会社を創業。

15年にわたり、EC事業者向けのシステム開発・保守、ECサイト構築、運用改善支援を展開。2022年に同社事業を上場企業グループへ譲渡し、グループ子会社代表を務めた後、統合後は営業執行役員を務める。

2024年10月、株式会社ボクラブロックを設立。現在は、EC開発会社を長年経営してきた経験を活かし、EC事業者の社内チームとともに課題を整理し、自社で判断・推進できる内製化体制づくりを支援している。

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メルカリが開拓する新品・中古に続く“第3の市場”とは? プロが品質を保証するリユースサービス「m department」をスタート

2 週間 5 日 ago
メルカリが開拓する新品・中古に続く“第3の市場”とは? プロが品質を保証するリユースサービス「m department」をスタート
メルカリはプロが品質を保証するリユースサービス「m department」には品質保証付きリユース品を「第3の市場」と位置付ける。サービス開始時点で88社の専門事業者が参画している。
furukawa2026年7月15日

メルカリは7月14日、プロが品質を保証するリユースサービス「m department(エムデパートメント)」の提供を開始した。フリマプリ「メルカリ」とは独立したECサイトとして展開し、整備済み製品(リファービッシュ品)や真贋鑑定済みブランド品を取り扱う。新品でも個人間取引の中古品でもない、品質保証付きリユース品を「第3の市場」と位置付け、サービス開始時点で88社の専門事業者が参画する。

メルカリが開拓する新品・中古に続く“第3の市場”とは? プロが品質を保証するリユースサービス「m department」をスタート
品質保証付きリユース品を「第3の市場」と位置付け、サービス開始時点で88社の専門事業者が参画

「m department」は、厳正な審査を通過した専門事業者のみが出店できるマーケットプレイス。取り扱う商品はすべて、検査、修理、クリーニング、真贋鑑定などを経た品質保証付きの商品に限定する。

メルカリが開拓する新品・中古に続く“第3の市場”とは? プロが品質を保証するリユースサービス「m department」をスタート
「m department」の画面イメージ

対象カテゴリーは、整備済み製品ではスマートフォン、タブレット、ノートPC、カメラ・レンズ、真贋鑑定済みブランド品ではバッグ、アクセサリー、財布・小物、腕時計、衣類、シューズを取り扱う。

特長の1つは、購入後の保証や返品体制を整えている点だ。整備済み製品には商品発送後180日間の動作保証を付帯し、正常に動作しなくなった場合は修理または交換で対応する。返品は、スマートフォン、タブレット、ノートPCが商品発送後30日以内、カメラ・レンズが同7日以内、ブランド品が同10日以内としている。

価格面では、プロによる品質保証が付いた商品を新品より手ごろな価格で購入できる点を訴求。加えて、「メルカリ」で不要品を販売して得た売上金を、「m department」での買い物に利用できるようにした。

メルカリが開拓する新品・中古に続く“第3の市場”とは? プロが品質を保証するリユースサービス「m department」をスタート
「m department」の特長

サービス開始の背景についてメルカリは、物価高を背景に高額リユース品の需要が拡大する一方、購入時の品質に対する不安が大きな障壁になっていると説明。メルカリの調査では、高額ブランドのファッションアイテムやスマートフォン、PC、タブレットのリユース品購入について約7割が不安を感じると回答した。


リユース品購入時に「不安を感じる」割合

高額ブランド品では「偽物・コピー品への懸念」、デジタル機器では「動作不良・故障のリスク」が主な不安要因となっていた。


高額リユース品の購入を阻む不安要因

こうした課題を踏まえ、メルカリは「プロが品質を保証するリユース品」を、新品、中古品に続く“第3の市場”と位置付ける。リユース経済新聞の調べによると、国内リユース市場は2024年に3兆2628億円に達し、なかでも携帯電話・スマートフォンやブランド品が市場拡大をけん引しているという。メルカリの調査によると高額リユース品購入時に8割以上が「品質保証」を重視すると回答しており、プロによる品質保証が新たな需要を喚起し、市場拡大の大きな鍵となることが示唆されている。


リユース品購入時に8割以上が「品質保証」を重視すると回答

サービス開始を記念し、9月30日までウェルカムクーポン配布キャンペーンも実施する。対象商品の購入代金が30%オフとなり、割引上限額は1万円。税込1万円以上の商品購入時に利用でき、1人1回限り。クーポンは付与日から7日間有効とする。


ウェルカムクーポンでは対象商品の購入代金が30%オフに

今後は取り扱いカテゴリーを順次拡大するほか、2027年初頭には買取サービスの提供開始も予定する。メルカリは、掘り出し物との出会いを楽しめる「メルカリ」と、品質保証のもとで安心して商品を選べる「m department」を併存させることで、利用目的に応じた購買体験を提供していく考えだ。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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鳥栖 剛

ファッション情報の収集はSNSが5割、ECサイトのレビュー・口コミは33%。“SNS疲れ”でAI利用が増加している傾向も

2 週間 5 日 ago
オンワードホールディングスの調査で、ファッション情報の収集先としてSNSや動画、AIの利用が広がる一方、雑誌離れや“SNS疲れ”が進んでいる実態が明らかになった。生活者の関心は「流行や憧れ」から「自分に合う最適解」へと移りつつある。

オンワードホールディングスが実施した「ファッション情報源と価値観の変化に関する意識調査」によると、ファッション情報の収集先としてSNSや動画、AIの利用が広がる一方、雑誌離れや“SNS疲れ”が進んでいる実態が明らかになった。生活者の関心も、「流行や憧れ」から「自分に合う最適解」へと移りつつあるという。

ファッション情報の収集はSNSが5割、ECサイトのレビュー・口コミは33%。“SNS疲れ”でAI利用が増加している傾向も
一定数が“SNS疲れ”でAIを使うことが増えている

ファッション情報の収集はSNSが約5割、動画も4割超

「現在よく使うファッション情報収集メディア」は、SNSが49.3%、動画コンテンツが42.2%と高い水準だった。5年前と比べると、SNSは16.2ポイント増、動画コンテンツは12.1ポイント増と大きく伸長。一方、ファッション雑誌は41.5%から34.2%へ7.3ポイント減少した。

ファッション情報の収集はSNSが5割、ECサイトのレビュー・口コミは33%。“SNS疲れ”でAI利用が増加している傾向も
ファッション情報を収集するメディア

AIも新たな情報源として存在感を高めている。5年前には設問項目になかったAI(ChatGPTやGeminiなど)は、現在17.1%がファッション情報の収集に活用している。ECサイトのレビュー・口コミも28.8%から33.6%へ伸びており、実際の購入者の声を重視する傾向もうかがえる。

雑誌離れが進む一方、移行先は動画・SNS・ECレビューに

「ファッション雑誌を参考にする頻度はどう変わったか」という設問では、「大きく減った」が22.6%、「やや減った」が27.5%で、合計50.1%が雑誌を参考にする頻度が減ったと回答した。「変わらない」は33.6%、「増えた」は7.1%だった。

ファッション情報の収集はSNSが5割、ECサイトのレビュー・口コミは33%。“SNS疲れ”でAI利用が増加している傾向も
ファッション情報の収集において雑誌離れが進んでいる

雑誌を参考にしなくなった回答者に移行先を聞くと、「動画コンテンツ」が50.0%で最多、「SNS」が46.4%、「ECサイトのレビュー」が42.2%で続いた。視覚的でリアルタイム性の高いデジタル情報源へのシフトが進んでいる。

ファッション情報の収集はSNSが5割、ECサイトのレビュー・口コミは33%。“SNS疲れ”でAI利用が増加している傾向も
ファッション情報収集の雑誌からの移行先

“SNS疲れ”は47.2%、理由は「情報過多」と「信頼性の低下」

一方で、SNSを情報源とする生活者の間では疲弊感も広がっている。「SNSでのファッション情報収集に疲れ・うんざり感・限界を感じることがあるか」との問いに対し、「よくある」が12.5%、「たまにある」が34.7%で、合計47.2%が“SNS疲れ”を経験していた。

ファッション情報の収集はSNSが5割、ECサイトのレビュー・口コミは33%。“SNS疲れ”でAI利用が増加している傾向も
"SNS疲れ"の実感

SNS疲れの理由として最も多かったのは、「情報が多すぎて自分に合うものが見つけにくい」の61.7%。次いで「広告・PRが多すぎて信頼できない」が47.2%、「インフルエンサーへの信頼度が下がった」が44.1%だった。情報量の多さと信頼性の低下が、SNS疲れの主な要因となっている。

ファッション情報の収集はSNSが5割、ECサイトのレビュー・口コミは33%。“SNS疲れ”でAI利用が増加している傾向も
"SNS疲れ"の理由

SNS疲れを背景にAI利用が拡大

調査では、SNS疲れを背景にAIの活用が広がっていることも示された。SNS疲れを感じた人に「情報収集はどう変化したか」を聞くと、「AIを使うことが増えた」が37.6%で最多だった。

ファッション情報の収集はSNSが5割、ECサイトのレビュー・口コミは33%。“SNS疲れ”でAI利用が増加している傾向も
"SNS疲れ"による情報収集の変化

また、「ファッション情報の収集にAIを使う頻度は1年前と比べてどうなったか」という設問では、「やや増えた」が22.5%、「大きく増えた」が9.9%で、合計32.4%がAI利用を拡大していた。

ファッション情報の収集はSNSが5割、ECサイトのレビュー・口コミは33%。“SNS疲れ”でAI利用が増加している傾向も
ファッション情報の収集にAIを使う頻度の変化

SNS疲れの有無で比較すると、AI利用が増えた割合は、SNS疲れを感じている層が49.3%だったのに対し、感じていない層は20.6%で、約2.4倍の差があった。

ファッション情報の収集はSNSが5割、ECサイトのレビュー・口コミは33%。“SNS疲れ”でAI利用が増加している傾向も
SNS疲れの有無で比較したAI利用が増えた割合

情報収集の目的は「憧れ」より「自分に合う最適解」

ファッション情報を集める目的では、「自分に合う最適な服やコーディネートを見つけるため」が46.4%で最多となった。次いで「購入の判断材料として」が35.7%、「失敗しないための情報収集」が28.5%と続き、実用性を重視する回答が上位を占めた。

ファッション情報の収集はSNSが5割、ECサイトのレビュー・口コミは33%。“SNS疲れ”でAI利用が増加している傾向も
ファッション情報を集める目的

一方、「憧れの人やスタイルを参考にするため」は12.2%にとどまった。オンワードホールディングスは、ファッション情報収集の重心が「見て楽しむ」から「選んで使う」へ移行していると分析している。

また、「憧れや流行よりも自分に合う最適解を重視するようになった」と回答した人は全体の23.1%で、70代では40.0%に達した。

情報収集の手段については、「SNSで憧れや流行を参考にするようになった」が13.5%だった一方、「SNSよりも信頼できる情報源を探すようになった」が9.1%、「AIなどを活用して最適解を求めるようになった」が8.5%となり、合計17.6%が“脱SNS型”の情報収集へ移行している。

調査概要

  • 調査主体:オンワードホールディングス コーポレートコミュニケーション室
  • 調査方法:インターネットアンケート
  • 調査システム:knowns
  • 調査対象:全国の20〜70代の男女614人
  • 調査期間:2026年6月22日

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
furukawa

SHIPSがTBS系日曜劇場「VIVANT」と特別コラボアイテムを発売、ECサイトと限定店舗で展開

2 週間 6 日 ago
コラボレーションアイテムはTシャツやビジネスバッグ、ネクタイなど全11種をラインアップしている。新宿フラッグス店では期間限定のポップアップストアも開催する。

シップスはこのほど、TBS系日曜劇場「VIVANT」(ドラマ)との特別コラボレーションアイテムの販売を始める。7月15日から自社ECサイト「SHIPS 公式オンラインショップ」にて先行販売し、7月24日からは「SHIPS」の限定店舗で展開する。

SHIPSがTBS系日曜劇場「VIVANT」と特別コラボアイテムを発売、ECサイトと限定店舗で展開
大ヒットドラマとコラボレーションしたアイテムを展開する

2023年に大ヒットしたドラマ「VIVANT」は、7月26日から続編の放送を開始する。それを記念して今回のコラボレーションが実現した。今回の企画では、ドラマの象徴である「VIVANT」ロゴをモチーフにしたグラフィックを採用。さらに、登場人物や劇中の重要モチーフにインスパイアされたアイテムを展開する。

コラボレーションアイテムはTシャツ、ビジネスバッグ、ネクタイ、シルクスカーフ、シグネットリング、ペーパーナイフ、ポケットツール、カードマルチツール、ショップバッグ、ポーチ、サコッシュ。

SHIPSがTBS系日曜劇場「VIVANT」と特別コラボアイテムを発売、ECサイトと限定店舗で展開
「VIVANT」×「SHIPS」コラボレーションアイテム

7月15日から「SHIPS 公式オンラインショップ」で先行販売を開始。「ZOZOTOWN」では同日以降、順次販売を開始する予定。7月24日からは、「SHIPS 新宿フラッグス店」「SHIPS 池袋パルコ店」「SHIPS グランフロント大阪店」「SHIPS エスパル仙台店」「SHIPS 広島店」の一部店舗で限定販売する。

また、7月24日~8月2日の期間中、「SHIPS 新宿フラッグス店」で「VIVANT POP-UP STORE」を実施。7月28日には、劇中で公安・野崎の捜査を支える協力者、ドラムの来店イベントを行う。

SHIPSがTBS系日曜劇場「VIVANT」と特別コラボアイテムを発売、ECサイトと限定店舗で展開
劇中で公安・野崎の捜査を支える協力者、ドラムの来店イベントを行う

この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

ohshima

顧客・社員の声を商品開発に生かすしまむらの取り組み「しまボイス」とは

2 週間 6 日 ago
「しまボイス」は利用者や社員の声を参考に商品改良・新規開発をする取り組み。改良した商品を「改良品」、新規開発した商品を「アイデア品」として紹介する。

しまむらはこのほど、利用者や社員の声を参考に改良した商品や新規開発した商品を、「しまボイス」として紹介していくと発表した。

顧客・社員の声を商品開発に生かすしまむらの取り組み「しまボイス」とは
「しまボイス」ロゴ

「しまボイス」は“しまむらボイス”の略で、利用者や社員の「あったらいいな」「こうして欲しい」といった声に耳を傾け、商品改良・新規開発をする取り組み。声を参考に改良した商品を「改良品」、新規開発した商品を「アイデア品」として紹介する。

全国の「ファッションセンターしまむら」店舗で販売中の「しまボイス」商品のラインアップは次の通り。

  • FIBER DRY(ファイバードライ)洗えるふかふかスリッパ:税込649円/(プレミアム)税込869円
  • FIBER DRY カップ付タンクトップ:税込1089円
  • ラクっと!快適 スムーズIN(イン)スニーカー:税込1969円
  • COOL(クール)ルームウェア:税込1639円
  • 活き活きラボ 姿勢サポートノンワイヤーブラジャー:税込1089円/(プレミアム)税込1419円

この記事の筆者

[ 執筆 ] 大嶋 喜子

フリーライター

岐阜、富山、石川、福井、神奈川、LosAngels、山形を経て東京にたどり着き、現在は日本とアメリカの二拠点生活を営む生粋の“根無し草”。またの名を“ちいさなMADE IN JAPAN”。

新卒入社のEC運営会社にてレディースアパレル・宝飾バイヤーとして月商1億を突破。その後、同社内でクリエイティブ部門コピーライターに転身し、プランナー・ディレクターを経て独立。

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楽天が日本テレビと連携、テレビCMのプランニングをデジタル広告のように最適化

2 週間 6 日 ago
楽天が日本テレビと連携、テレビCMのプランニングをデジタル広告のように最適化
楽天グループが日本テレビ放送網と連携して提供を開始した消費行動分析データを活用した地上波テレビCM向け広告ソリューション「RMP - TV Ads」は、ビデオリサーチの技術を活用し、楽天の消費行動分析データとテレビ視聴データを連携させる広告ソリューション。
furukawa2026年7月14日

楽天グループは7月13日、日本テレビ放送網と連携し、楽天が保有する消費行動分析データを活用した地上波テレビCM向け広告ソリューション「RMP - TV Ads」の提供を開始した。「楽天市場」などで蓄積した購買データとテレビ視聴データを組み合わせることで、ライフステージやライフスタイル、購買属性に基づいたテレビCMのプランニングや広告枠の購入を可能にする。

楽天グループが日本テレビ放送網と連携して提供を開始した消費行動分析データを活用した地上波テレビCM向け広告ソリューション「RMP - TV Ads」は、「楽天市場」などの購買データとテレビ視聴データを組み合わせ、ライフステージや購買属性に基づくCMプランニングや広告枠購入、効果測定を可能にする
地上波テレビCM向け広告ソリューション「RMP - TV Ads」の概要

「RMP - TV Ads」は、ビデオリサーチの技術を活用し、楽天の消費行動分析データとテレビ視聴データを連携させる広告ソリューション。たとえば、「楽天市場」で化粧品や子ども用品を購入した層といった購買属性から、広告主は特定ターゲットに向けた地上波テレビCMの精緻なプランニングを行える。

広告枠の購入は、日本テレビのアドプラットフォーム「Ad Reach MAXプラットフォーム」が提供する「AdRM-EXchange」と連携。広告主は、プランニング結果に基づいて入札条件を設定し、広告枠をリアルタイムで購入できる。テレビCM取引に、デジタル広告に近い運用性を取り入れる仕組みだ。

効果測定では、広告主が希望する場合、楽天IDと連携し、テレビCMの接触ユーザーと非接触ユーザーを対象にブランドリフトと購買リフトを計測できる。テレビCM配信後の認知度向上や購買への影響を検証しやすくする。

今回の連携について楽天と日本テレビ放送網は、生活者の消費行動データとテレビの持つリーチ力・信頼性を組み合わせることで、広告主のマーケティング課題の解決につなげるとしている。楽天のデータ分析力と日本テレビの放送枠運用体制を掛け合わせ、テレビCMのプランニングや運用をデジタル広告のように最適化していく考えだ。

日本テレビは、独自開発した「Ad Reach MAXプラットフォーム」の運用を2025年3月に開始し、テレビ広告のプログラマティック取引市場の拡大を進めている。今秋以降は他局の参画も予定しており、今回の連携は同プラットフォームの価値向上やテレビ広告取引の利便性向上にもつながりそうだ。

楽天によると、「RMP - TV Ads」の取扱企業は楽天、リンクシェア・ジャパン、および楽天のパートナー広告代理店。提供開始日は7月13日。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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カウシェ経由で一部法人向け特別料金を利用できる運賃取次サービス「カウシェ・マルチチャネル運賃」とは? 関東発関東着60サイズで470円

2 週間 6 日 ago
カウシェ経由で一部法人向け特別料金を利用できる運賃取次サービス「カウシェ・マルチチャネル運賃」とは? 関東発関東着60サイズで470円
カウシェが始めた「カウシェ・マルチチャネル運賃」は、自社ECや各種ECモールなど販売チャネルを問わず、一部法人向けの特別料金で発送できる配送料の運賃取次サービス。
furukawa2026年7月14日

ソーシャルコマースアプリ「カウシェ」を運営するカウシェは7月6日、EC事業者向けの新サービス「カウシェ・マルチチャネル運賃」の提供を開始した。カウシェへの出店有無を問わず利用できる配送料の運賃取次サービスで、自社ECや各種ECモールなど販売チャネルを問わず、カウシェ経由で一部法人向けの特別料金を利用して商品を発送できるようにする。

カウシェが始めた「カウシェ・マルチチャネル運賃」は、自社ECや各種ECモールなど販売チャネルを問わず、一部法人向けの特別料金で発送できる配送料の運賃取次サービス。
関東発・関東着の60サイズで税抜470円から利用できる

「カウシェ・マルチチャネル運賃」を始めた背景には、自社ECと複数のECモールを併用する事業者の増加や、物流業務の効率化ニーズの高まりがある。販売チャネルを横断して利用できる配送インフラを提供することで、物流コストの削減や運用負荷の軽減を支援する。

特長の1つは、「カウシェ」に出店していない事業者でも利用できる点だ。自社ECやECモールなど、販売チャネルを問わず利用できるため、複数チャネルを運営する事業者やこれからEC事業を始める事業者でも導入しやすい設計としている。

料金面では、カウシェが配送パートナーと一括交渉することで、個別交渉では実現しにくい水準の特別料金を提供する。一例として、関東発・関東着の60サイズで税抜470円から利用できるとしている。

また、配送会社ごとの個別契約や与信審査・交渉が不要となるため、導入時の手間や日々の運用負荷を抑えられる点も特長としている。対応サイズは60~160サイズで、温度帯は常温のみ。自社倉庫、委託先倉庫のいずれからの出荷にも対応する。

今後は、複数店舗の注文を「カウシェ」の物流拠点で同梱して出荷する仕組みの提供も予定している。物流領域の機能拡充を進めることで、EC事業者の物流業務全体を支援するプラットフォームとしての役割を強化していく考えだ。

なお、カウシェは2026年3月、DeNAが出資および業務提携を発表している。DeNAのプロダクト開発力やAI活用の知見を取り込み、発見型コマース体験の高度化や組織体制の強化を進める方針を示していた。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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企業は「何を変えたか」を考え、お客さんは「どう感じたか」で評価する。AI時代に見落とされているかもしれないこと【ネッ担まとめ】

2 週間 6 日 ago
企業は「何を変えたか」を考え、お客さんは「どう感じたか」で評価する。AI時代に見落とされているかもしれないこと【ネッ担まとめ】fujita-h2026年7月14日新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

「従来のSEO」と「AI施策」のような構図を依然として感じるなか、「AIに引用されるために」「AIが好むコンテンツ」といった文脈で、AI検索施策を推進する広告がSNSのフィードによく流れてきます。内容を読むと「センセーショナルに表現したい」という意図がわからなくもないのですが、「AIが好む」の先には「人=お客さん」がいて、その行動意図が反映されていることを忘れてはいけません。これはWebやAI検索に限った話ではありません。企業が「良かれと思って変えたこと」と、お客さんが「どう感じたか」の間には、しばしばズレが生まれます。今回は、そんな企業とお客さんとの間で生じる「ズレ」の事例から、「健やかなWebでの最適化」を考えていきましょう。

話題と購買欲、安定供給をめざしたことがもたらした学び

カルビー白黒包装で購入意向が激減 3000人調査で判明、湖池屋を下回る | 日経クロストレンド
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01394/00003/

原材料不足のなかでも安定供給のために変更した白黒パッケージは、大きなニュースとなりました。

購買意欲をかき立てる暖色系を消すことは、メーカー側も不本意だったと思います。上記調査では、「おいしそう」が33.1ポイント減、「安心・信頼」が24.9ポイント減となるなど、その影響は大きかったようです。有料会員限定記事ですが、読める人はぜひチェックしてみてください。

モノクロの新奇性によって短期的な注目を集める一方、それを上回る食欲や楽しさの減退を招いたことは、今後、企業が「変えること」と「お客さんがどう感じるか」を考えるうえで、1つの象徴的な事例になりそうです。その意味でも、この取り組みが残した学びは大きいと感じました。

「貧ぼっちゃま仕様(笑)」 カルビー『ポテトチップス』片面カラー袋が話題『おぼっちゃまくん』連想 | オリコンニュース
https://www.oricon.co.jp/news/2466679/

表面はフルカラーで明るいが裏面は白黒のままで、ネット上ではアニメ『おぼっちゃまくん』登場キャラの「貧保耐三(貧ぼっちゃま)」と話題になっている。

一部商品の表面カラー印刷再開を報じる記事のなかで、おもしろいタイトルのこちらの記事をピックアップ。白黒→一部再開のいずれもが大きな話題となることは、副産物となったかもしれません。

一方、X(旧Twitter)では白黒のパッケージをキャンバスに見立てて絵を描く人たちの発表の場となり、こちらも盛り上がりました。

苦肉の策から、わずか2か月で二転三転したパッケージが巻き起こしたあれこれ。話題と購買欲について、学びが多いと感じました。

要チェック記事

SEO関連

SEOは「キーワード検索」から「意思決定エンジン」へ、AI検索がもたらす10の変化(前編) | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2026/07/06/52884

クリックの前、つまりAIが生成する回答の中でもSEOの効果が発揮されるようになっている

「タイパ・コスパ重視」と言われたZ世代の次α世代は、AIすらネイティブ。2010年度生まれの人たちは2026年高校生になり、バイト代を使ってECで買い物する人たちも増えてくるでしょう。

高校生や社会人数年目の人と話す機会も増えましたが、彼らは惜しむべきもの・惜しまないものを明確に持っていると感じます。

クリック、タップの前段に多くのフローがあり、意思決定を行うまでに、自社のサイトやSNSアカウントがどれだけ露出し、接点を持てるかがカギとなりそうです。

AI検索最適化は「SEOの代替」や「裏技で成り立つ孤立した分野」だと考えるべきではない。むしろ「検索最適化の進化形」

本当にこれは何度も何度でも伝えたいことです。

サードパーティの SEO ツール、サービス、アドバイスの使用に関する Google 検索のガイダンス | Google Search Central
https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/third-party-seo?hl=ja

有益なアドバイスもありますが、「Google が言っていること」や Google のランキング システムの仕組みについて誤解していたり、異議を唱えたりする人もいます。

前回は「生成AI検索でもSEOは有効」と明言したGoogleの記事を紹介しましたが、こうした声明が増えてきたのも、AIの普及とそこに付随するサービスが増えているからでしょうか。

Google はサードパーティ サービスを評価していない

と言い切ってもらえることはありがたいですね。昔は「消防署から来ました」という消火器の訪問販売をよく聞きましたが、「Googleから来ました」にも気をつけたいところ。

ググると出る「AIによる概要」でゼロクリック検索急増、『SEO瀕死』は真実か? | Forbes JAPAN
https://forbesjapan.com/articles/detail/98888

Googleによる「生成AI検索でもSEOは有効」を解説した記事。上記記事と併せてどうぞ。

コンシェルジュがいてもレストランの仕事は変わらない

この表現、とてもしっくりきました。これから激変するかもしれませんが、今のところ

検索の本質は、30年変わっていない

See how content from social and video platforms performs on Google Search(ソーシャルメディアや動画プラットフォームのコンテンツがGoogle検索でどのように表示されるかを確認してください) | Google Search Central
https://developers.google.com/search/blog/2026/07/search-console-social-video-platforms

「Google Search Console」の新機能。現時点で、Instagram、TikTok、X、YouTubeのアカウントを連携することで、Google検索、Discover、Googleニュースでのパフォーマンスがチェックできるように。

縦型動画が隆盛を迎える今、動画集客に勤しむEC事業者も多いと思います。自社の動画がどのように検索されているかを見られるようになるのは、神アプデ。

マーケティング関連

客単価1900円増 ムラサキスポーツが挑んだ「誰でもデータ活用」の仕組み | ITmedia ビジネスオンライン
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2606/24/news016.html

おそらく多くの企業に立ちはだかる

データ活用の壁は「時間不足」「属人化」「文化」

をどう解決したのかは参考になるかも。

「成長したい」と言うくせに「なんでもAIで答えを出す人」が見落としている“大事なこと”|DIAMONDonline
https://diamond.jp/articles/-/391273

こちらもあるある。

AI時代は「結果を出せる人」ではなく「過程を知っている人」が評価される

「なぜそうなったのか?」に至るまでを知っているかどうかは、本当に大切だと思います。

シニアの推し活は「若者化」なのか-コンテンツ経験から読み解くシニア像|ニッセイ基礎研究所
https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=86189?pno=2&site=nli

Z世代、α世代が注目されがちですが、更新されているシニア像を生かしたシニアマーケティングも要注目。

「うちのお客さんはシニアなのでスマホを見ない」なんて言う事業者さん、もはやいませんよね?

今週の名言

New Look, Same Whole-Grain Mission for Bob’s Red Mill | PACKAGING DIGEST
https://www.packagingdigest.com/food-packaging/new-look-same-whole-grain-mission-for-bob-s-red-mill

冒頭で紹介した白黒パッケージは、ニュースやSNSでも大きく話題になる一方、「購買欲が下がった」という厳しいデータも。それでもお絵かきキャンバスとして話題になる副産物もありました。

ここで紹介するのは、アメリカで約50年の歴史をもつ、穀物食品のブランド「ボブズ・レッドミル」の事例です。

長年親しまれてきた創業者ボブの顔をプリントしたパッケージの変更が発表されると、SNSで「ボブが消えた」「昔の温かみがなくなった」「現代的すぎる」など反発の声も相次ぎました。

この変更には約3年をかけて消費者調査・小売業者へのヒアリングや社内テストを実施。「新パッケージにすることで、商品が見つかる時間を削減できる」という結論から、変更したのです。

創業者ボブの顔は品質保証のマークとして位置づけ、ボブは消えたのではなく、ブランドの象徴とする選択をしました。そして、一気に切り替えるのではなく2026年9月から商品ごとに順次新パッケージに切り替え、徐々に馴染んでもらうことをめざすようです。

2010年にGapがロゴを変更したところ不評の嵐で、わずか6日で元のロゴに戻し、当時のレートで約100億円の損失を出したことが報じられました。

2009年、Tropicana(トロピカーナ)はお馴染みだった果物にストローが刺さったパッケージを変更するも、38億円の広報費用が水の泡となり、30日で元のデザインに戻したこともありました。

大切なのは、企業が「何を変えたか」ではなく、その変化をお客さんが「どう感じるか」。わかりやすさ。見つけやすさ。そして「あ、これ知ってる」と思ってもらえる「おなじみの」を持つ企業やブランドは、やはり強いですね。

これはSEOやAI検索でも同じなのかもしれません。「AIに引用されるために何を変えるか」を考える前に、お客さんが自社をどのような言葉で探し、何を知りたがり、どんな情報があれば安心して選べるのかを考える。その積み重ねの先に、検索エンジンにもAIにも認識される「おなじみの存在」ができていくのではないでしょうか。AI時代だからこそ、「誰にどう感じてもらいたいのか」を忘れないようにしたいですね。

それではまた次回! 酒匂(さこっち)の「ネッ担ニュースまとめ」をよろしくお願いいたします。

「新・ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ」は以下の専門家が連載しています。

ECMJ 石田氏石田氏

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノイン 酒匂氏酒匂氏

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequation 中林氏中林氏

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

この記事の筆者

[ 執筆 ] 酒匂 雄二

株式会社ユウキノイン 代表取締役

ゲームクリエイター専攻後、ネット通販会社、ゲーム会社を経て紳士アパレルSPA入社。ECの店長・生産管理・実店舗・卸売を統括。

SNSを活用し、広告費をゼロにしながら自社店舗の売上を2年で400%に成長、 自社通販サイトは2017年、イーコマース事業協会(EBS)主催の「第9回全国ネットショップグランプリ」で準グランプリを受賞。

自社の成功事例を共有するべく異業種交流会を有志と設立し、 セミナー講師、他社ECサイトの構築・企画・SEOを手掛けるように。2020年1月、ユウキノイン設立。

fujita-h

経済産業省、決済代行「全東信」破たんの影響を受ける中小企業・小規模事業者を支援。特別相談窓口設置、資金繰り支援

2 週間 6 日 ago
経済産業省、決済代行「全東信」破たんの影響を受ける中小企業・小規模事業者を支援。特別相談窓口設置、資金繰り支援
経済産業省は、決済代行会社「全東信」の破たんで影響を受けた中小企業・小規模事業者向けに、特別相談窓口の設置や資金繰り支援を始めた。セーフティネット貸付の要件緩和や、信用保証協会によるセーフティネット保証1号の適用手続きを進め、未入金売上や決済停止に直面する事業者を下支えする。
furukawa2026年7月14日

経済産業省は7月10日、クレジットカード決済代行を手がける全東信の破産手続開始に伴い、影響を受ける中小企業・小規模事業者に対する支援策を発表した。未入金売上の発生や決済サービスの停止により影響を受けた事業者を対象に、特別相談窓口の設置や資金繰り支援などを実施する。政府系金融機関や信用保証協会などが連携し、事業継続を後押しする。

今回の支援では、全国の経済産業局、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会、商工会議所などに特別相談窓口を設置。あわせて、日本政策金融公庫と商工組合中央金庫による「セーフティネット貸付」の要件緩和や、信用保証協会による「セーフティネット保証1号」の適用手続きを進める。

セーフティネット貸付は要件を緩和

「セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)」は、社会的・経済的環境の変化など外的要因により、一時的に売上減少など業況が悪化しているものの、中長期的には回復が見込まれる中小企業・小規模事業者を対象とする制度。

通常は「最近3か月の売上高が前年同期または前々年同期と比べて5%以上減少していること」などの要件があるが、特別相談窓口が設置された災害・事象による影響を受けた場合は、数値要件を満たさなくても、資金繰りに著しい支障を来している、または来すおそれがあると認められれば対象となる。

今回の措置では、この要件を緩和し、全東信の破産手続開始による影響を受けた、または今後影響が見込まれる中小企業・小規模事業者まで支援対象を広げる。

対象資金は設備資金と運転資金。貸付限度額は中小企業事業が7億2000万円、国民生活事業が7200万円。貸付期間は設備資金が20年以内、運転資金が10年以内で、据置期間はいずれも3年以内としている。

経済産業省、決済代行「全東信」破たんの影響を受ける中小企業・小規模事業者を支援。特別相談窓口設置、資金繰り支援
セーフティネット貸付の概要(画像は経産省の公表資料から編集部がキャプチャ)

セーフティネット保証1号は別枠で100%保証

信用保証協会の「セーフティネット保証1号」は、民事再生手続開始の申し立ててなどを行った大型倒産事業者(指定事業者)に対して売掛金債権などを有する中小企業者の資金繰りを支援する制度。通常の保証限度額とは別枠で100%保証を受けられるのが特徴だ。

経済産業省は、全東信を同制度の対象となる指定事業者とする方向で手続きを進めている。認定基準は次のいずれかに該当すること。

  • 指定事業者に対して50万円以上の売掛金債権または前渡金返還請求権を有していること
  • 指定事業者に対する売掛金債権などが50万円未満であっても、当該事業者との取引依存度が20%以上であること

保証対象資金は経営安定資金で、保証割合は100%。保証人は原則として第三者の保証人は不要。保証限度額は無担保8000万円、普通保証2億円の別枠となる。

経済産業省は現在、セーフティネット保証1号の適用手続きを進めており、今後、官報で告示する予定。それに先立ち、全国の信用保証協会で事前相談の受け付けを開始した。

経済産業省、決済代行「全東信」破たんの影響を受ける中小企業・小規模事業者を支援。特別相談窓口設置、資金繰り支援
セーフティネット保証1号の概要(画像は経産省の公表資料から編集部がキャプチャ)

既往債務の返済条件緩和なども要請

経済産業省は、日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、商工組合中央金庫、全国の信用保証協会に対し、返済猶予など既往債務の条件変更や貸出手続きの迅速化、担保徴求の弾力化について、今回の事案の影響を受けた中小企業・小規模事業者の実情に応じて柔軟に対応するよう要請している。

背景に全東信の破産。未入金売上と決済停止が加盟店を直撃

今回の支援の背景には、全東信が7月6日付で大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受け、同日付で事業を停止したことがある。

全東信は加盟店向けのクレジットカード決済代行および付帯サービスを中止し、同社の決済端末も利用できなくなった。加盟店に対しては、破産手続開始までに支払われていないクレジットカード売上金について、従来の支払期限通りには弁済できず、破産債権として扱うと説明している。

東京商工リサーチによると、全東信の負債は2025年3月期決算時点で約1259億円。特に飲食店を中心に影響が広がっており、入金サイクルの早さを理由に同社のサービスを利用していた事業者では、未入金売上の発生が資金繰りを直撃する懸念が高まっていた。さらに、代替の決済サービスを導入できていない店舗では、クレジットカード決済が利用できなくなり、販売機会の損失につながる可能性も指摘されている。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

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(function(){ var googletag = window.googletag || {cmd: []}; googletag.cmd.push(function() { googletag .pubads() .addEventListener('slotResponseReceived', function(evt) { // いろんな枠のイベントが飛んでくるので自分のだけフィルタ if (evt.slot.getAdUnitPath() != '/49282802/ipc-netshop/pc-all/hyb101') { return; } document.getElementById('div-gpt-ad-1549503899339-0')?.classList?.add('dfp-ad-loaded'); }); googletag.display('div-gpt-ad-1549503899339-0'); }); })();

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furukawa

ジャパネットHD、ツインバードの公開買付に向けて秘密保持確認書を締結

2 週間 6 日 ago
ジャパネットHD、ツインバードの公開買付に向けて秘密保持確認書を締結
ジャパネットホールディングスは、ツインバードとの間で秘密保持確認書を締結した。6月に公表したTOB開始予定を受けた動きで、今後は非公開情報も含めた具体的な協議を進める。ツインバードの完全子会社化を通じて、ジャパネットは「製販垂直統合モデル」の実現をめざしている。
furukawa2026年7月14日

ジャパネットホールディングスは7月13日、ツインバードとの間で、公開買い付け(TOB)を含む一連の取引に関する具体的な協議を進めることを目的に、7月9日付で秘密保持確認書を締結したと発表した。これにより、非公開情報の取り扱いに関する枠組みが整い、今後は具体的かつ実質的な情報交換や協議を進められるようになる。

ジャパネットHD、ツインバードの公開買付に向けて秘密保持の確認書を取り交わし
ツインバードTOBによるシナジーのイメージ(画像はジャパネットHDの公表資料から編集部がキャプチャ)

ジャパネットは6月19日に、ツインバードの完全子会社化を目的とするTOBの意向を公表。ツインバード取締役会の賛同を得ることを前提に、1株800円で公開買い付けを実施する意向を示している。一方で、ツインバードが賛同しない場合や、2026年10月30日までに意見表明を行わない場合には提案を取り下げ、同条件でのTOBは実施しない方針だ。

今回、秘密保持確認書を締結したことで、両社はQ&Aなどのプロセスを通じた協議を本格化させる。企業文化や経営方針への相互理解を深めながら、公開買い付けの円滑な実施と、両社の持続的な企業価値向上に向けた議論を進めるとしている。

ジャパネットは、本取引の狙いについて、自社の強みである「顧客の声を反映して製品を磨き、チャネルミックスを活用して多くの人に届ける力」と、ツインバードが培ってきた設計・開発・製造技術を融合し、シナジーを創出することだと説明している。今回の秘密保持確認書の締結は、その実現に向けた具体的な検討を進めるための環境整備と位置付けられる。

また、ジャパネットは今回の提案について、一方的に進めるものではなく、透明性の高いプロセスを重視する姿勢も改めて示した。株主、取引先、従業員などのステークホルダーの意見も踏まえながら、双方が納得したうえで取引を進めたいとしており、今後も開示すべき事項が発生した場合には速やかに公表するとしている。

6月にTOB開始予定を公表、「製販垂直統合モデル」の構築を掲げる

ジャパネットは6月19日、東証スタンダード上場の家電メーカーであるツインバードを完全子会社化することを目的に、TOBを開始する予定だと発表した。買付価格は1株800円で、成立後はツインバードを非公開化する方針を示している。

同社が本取引で掲げるのは、「製販垂直統合モデル」の構築だ。ジャパネットの販売網や顧客基盤、顧客接点から得られる声と、ツインバードの設計・開発・製造技術を組み合わせることで、企画・開発・製造・販売・アフターサービスまでを一気通貫でつなぐ体制の構築をめざすとしている。

さらに、テレビ、ラジオ、紙媒体、ECサイトなどを組み合わせたチャネルミックスによる販路拡大、既存事業の一部製造移管による工場稼働率の向上、顧客データと製造ノウハウを生かした商品開発の高度化、物流やコールセンター機能の相互活用など、多面的なシナジーも見込んでいる。地域共創の観点では、燕三条地域のものづくり基盤の維持・発展や雇用への貢献も掲げている。

今回の秘密保持確認書の締結により、6月時点では構想段階だった提案は、具体的な情報交換と協議を進めるフェーズへ移行した。今後は、ツインバード側がTOBに対してどのような判断を示すかが焦点となる。

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この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
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鳥栖 剛

決済承認率15%改善、不正率ほぼゼロを実現。「and ST」が導入したRiskifiedの網羅的な不正対策アプローチ

2 週間 6 日 ago
決済承認率15%改善、不正率ほぼゼロを実現。「and ST」が導入したRiskifiedの網羅的な不正対策アプローチuchiya-m2026年7月14日ネットショップ担当者フォーラム 2026 セミナーレポート
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2025年以降、クレジットカード決済におけるセキュリティ強化のためにEC加盟店での「3Dセキュア」対応が必須になった。不正利用の減少に効果を発揮する一方で、決済承認率の低下や決済段階での離脱による売り上げの減少、運用負荷の増大といった課題も生まれている。ファッションEC「.st(ドットエスティ)」を運営するアンドエスティの本多由美子氏もかつて、急増する不正利用と激務化する目視チェックの現場で限界を感じていた1人だ。

セキュリティの強化とスムーズな購買体験、ひいては売り上げの最大化という相反する課題を、アンドエスティはいかにして両立したのか。Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスがもたらした業務効率化と決済承認率向上のプロセスから、「3Dセキュア」必須化時代を生き抜くための実践的なヒントを解説する。

Riskified Japan Account Executive ナボン恵子氏、アンドエスティ プラットフォーム開発部 シニアマネージャー 本多由美子氏

決済承認率が改善! アンドエスティの成功事例

アンドエスティは2025年の商号変更時に自社ECサイトを「.st(ドットエスティ)」から「and ST(アンドエスティ)」へ改称。従来のSPA(製造小売)型のビジネスモデルから、他社ブランドや多様なサービスともつながるプラットフォーマーへリブランドした。

アンドエスティが運営するECプラットフォーム「and ST」
アンドエスティが運営するECプラットフォーム「and ST」(https://www.dot-st.com/

アンドエスティでは、「.st」時代から、クレジットカード決済における不正を防止するための本人認証サービス「EMV 3-Dセキュア2.0(以下、3Dセキュア)」を全注文に対して実施していた。

不正利用が一気に増えた2023年頃から、目視チェックを導入した。ただ、これが想像以上に人のリソースを奪う。私自身も1か月ほど張り付いて確認し続けたが、やはり人間のチェックにはどうしても限界があり、防ぎきれないケースも出てくる。不正はそのまま増え続け、状況はなかなか改善しなかった。(本多氏)

アンドエスティ プラットフォーム開発部 シニアマネージャー 本多由美子氏
アンドエスティ プラットフォーム開発部 シニアマネージャー 
本多由美子氏

「3Dセキュア」を適用すると、消費者にはSMS認証などの手間が発生するため、離脱も発生する。アンドエスティでも一般的な加盟店と同様に、「3Dセキュア」による離脱が5〜10%程度発生し続けた

「3Dセキュア」を注文に対して100%適用していたため、アンドエスティにチャージバックの連絡はほとんど来なかった。ただ、その裏では不正が発生していた。「3Dセキュア」は不正対策ではなく本人認証に過ぎないため、不正を防止する効果は限定的だ。アンドエスティではリアルタイムで不正を把握する手段がなく、後になって想定以上の不正が判明。結果として、アクワイアラから指導を受ける状況に陥った

オーソリを通すタイミングでカード会社からの拒否や離脱も増加した。この頃、不正の増加が顕著になっており、オーソリ承認率は次第に低下していった

アンドエスティが実施していた従前のセキュリティ対策
アンドエスティが実施していた従前のセキュリティ対策

承認率改善をめざしてRiskifiedのチェックアウト・インテリジェンスを導入

カード決済では承認率が低いほど不正は発生しにくい。しかし、売り上げを最大化するためには「承認率が高く、かつ不正が発生しない状態」を実現する必要がある。アンドエスティでは承認率の落ち込みが深刻化し、「不正を減らさない限り承認率は改善しない」という共通認識の下、Riskifiedが提供する不正検知プラットフォームを導入した。

Riskifiedは2013年にイスラエルで創業した、AIベースの不正検知領域のパイオニアだ。Riskifiedの決済時不正検知チェックアウト・インテリジェンスの導入により、チェックアウト時の不正検知が行われ、そのうえで、3Dセキュアに進むか、そのままオーソリに進むかが判断されるフローとなった。

「Riskified」導入後のフロー
Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンス導入後のフロー

Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスは従来型のスコアリングツールによる不正検知とは異なるAIベースの不正検知プラットフォーム。数百名のアナリストが24時間365日体制でAIモデルの改善に取り組んでいることも特長で、不正が発生した場合AIと専門家によるハイブリッドな体制で迅速な検知・抑止が可能だ。(ナボン氏)

Riskified Japan Account Executive ナボン恵子氏
Riskified Japan Account Executive ナボン恵子氏

Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスがもたらした効果とは

  • 決済承認率の向上……導入後は決済承認率がおよそ15%改善し、95%以上へと向上。売り上げの機会損失を大幅に削減した
  • 不正発生率の低下……安全な決済環境が実現し、導入後9か月で不正の発生率は0.0006%、12か月後には0.0002%と、ほぼゼロに近い水準を維持している
  • 運用負荷の削減……目視チェックにかかっていたリソースは、導入前と比べて週に約10時間削減され、大幅な業務効率化を実現できた。

自分でも3Dセキュアをスキップして注文してみた。これまでにない速さで注文が完了し、決済体験の改善を実感できた。(本多氏)

チャージバックの抑止における「反証対応」の効果も高い。反証とは、利用者自身が購入したにもかかわらず「買っていない」「このカードは使っていない」などと不当な申し立て(虚偽のチャージバック)をしてきた際に、正しく購入された証拠を示すことだ。

Riskifiedから購入証明になる適切な反証資料が提供されることで、不当な申し立てを取り下げさせる可能性が高まり、アクワイアラから見たチャージバック件数を減少させることができた。一から反証資料を作成することなく、Riskifiedが示す資料をそのまま利用するだけで済む。現在のアンドエスティにおける反証勝率は約70%にものぼる

Riskifiedが作成するチャージバック反証資料
Riskifiedが作成するチャージバック反証資料

Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスが備える豊富なソリューション

Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスは決済前、決済時、決済後の各フェーズの不正検知を網羅している。ソリューションは加盟店のウェブサイトに設置するフロントエンドのJavaScriptスニペットと、バックエンドの取引データで構成されている。フロントエンドとバックエンドで取得、送信されるデータポイントを相互に分析することで、データの不整合を検知していく。タイムゾーンや言語設定の不一致、ユーザーエージェントの偽装など、複数のシグナルを組み合わせることで、なりすましの兆候を高精度に見抜くことが可能となっている。

Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスは網羅的にリスクを管理する
Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスは網羅的にリスクを管理する

アカウント保護

決済前の不正検知ソリューションである「アカウント保護」は、新規アカウントの作成、ログイン、属性情報の変更といったタイミングにおいて、その操作が本当に会員本人によるものなのか、あるいは第三者によるなりすましなのかを、多角的なシグナルから分析し、そのリスク評価に応じて最適なアクションをリアルタイムで提供する。

たとえば、新規アカウントの作成時には、不正傾向が見られるユーザーのアカウント作成や、複数アカウントを作成しようとする悪質なユーザーをブロックすることができる。また、ログイン時の検知では「許可」「通知」「チャレンジ」といった段階的な制御を行う。「許可」と「通知」は、ユーザー体験を損なわないフリクションレスな設計となっており、「通知」は通常と異なるログインが検知された場合のみ行われ、ユーザーが「これは自分ではない」と申告できる仕組みだ。

加えて、登録情報の変更時においても同様に不正検知を行うことで、アカウントのライフサイクル全体をカバーする。さらに、アカウント乗っ取り後に発生しやすいポイントの不正利用や二次被害に対しても、検知防止の対象範囲となっている。

決済前のフェーズにおける不正検知
決済前のフェーズにおける不正検知

チェックアウト・インテリジェンス

決済時の不正検知ソリューションであるチェックアウト・インテリジェンスは、ユーザーが購入ボタンをクリックしたタイミングでリアルタイムに不正検知を行う。導入形態としては、「3Dセキュア」やオーソリの前に不正検知を行うパターンや、オーソリの後に不正検知を行うパターンなど、加盟店のニーズに応じて柔軟に設計することが可能である。いずれのケースにおいても、顧客からは一切意識されることのない、完全にシームレスな不正判断を実現している。

Riskifiedでは不正ではない一般の顧客をいかに正しく承認できるかを重要な指標としている。そして、承認したトランザクション、「3Dセキュア」に連携する場合にも不正判断の役割を担う。なお「3Dセキュア」に連携しない場合にはRiskified側がチャージバックを保証するため、加盟店は不正リスクを負うことなく、フリクションレスでスムーズな購入体験を提供することが可能になる。

決済時のフェーズにおける不正検知
決済時のフェーズにおける不正検知

なりすまし検知

なりすまし検知の具体例を紹介する。このケースではユーザーエージェントがiPhoneだったが、OSの情報としてLinux系の値が確認されていたり、タッチスクリーンの存在が確認できなかったり、マウス操作が行われていたりといった、本来iPhoneであれば発生しないはずのシグナルが複数検出された。こうしたデータの不整合から、なりすましの可能性が高いと判断できた。

デバイスなりすまし検知の具体例
デバイスなりすまし検知の具体例

「3Dセキュア」必須化における運用の壁をどう突破するか

経済産業省の指針により、「3Dセキュア」は2025年より必須化されたが、運用パターンには次の3つがある。

① 加盟店のリスク判断により認証を実施する方式
② カード番号登録時のみ認証を実施する方式
③ 決済の都度認証を実施する方式

決済承認率の観点から、売り上げに最も有利とされるのは①だが、①は網羅的な不正対策として、属性・行動分析を含む包括的な不正検知の実施が基本要件として求められる。網羅的な不正対策とは、決済前、決済時、決済後を一体として捉え、連続的に対策を講じることだ。それには24時間365日体制での継続的なセキュリティ対策が必要となり、さらにインシデント発生時の連絡体制など、組織としての対応プロセスが整備されていることや、アクワイアラからの承認を得ることも条件となるため、自社で体制を整えるのは現実的ではない

アンドエスティでは「3Dセキュア」が必須化される以前から、③のパターンで運用してきたが、Riskifiedのチェックアウト・インテリジェンスを導入し、またRiskifiedの支援を得てパターン①取得に必要な資料や体制を整えたことで、①のパターンでの運用が可能になった

Riskifiedは上述の不正対策に加え、クレジットマスター攻撃(クレマスアタック)への対策、注文内容や配送先情報のチェック、さらにユーザーの属性や行動分析まで総合的に実施する。継続的な不正検知を24時間365日体制で行っており、ポルトガル、イスラエル、インド、オーストラリア、ブラジル、ニューヨークなど、世界各地の拠点にアナリストを配置し、グローバルな運用体制を構築している。RiskifiedはAIモデルそのものを最適化して構築し判定精度を大きく向上させており、現在は日本国内の加盟店に特化したAIモデルの構築を進めている。

◇◇◇

「3Dセキュア」必須化という大きな環境変化のなかで、セキュリティの強化と決済の最適化、そして顧客体験をいかに両立するか。アンドエスティがRiskifiedとともに導き出したこの成果は、EC事業者にとって極めて実践的で参考になる事例と言えるだろう。

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AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」

3 週間 ago
ラクスルの調査によると、中小企業で業務にAIを使った経験がある人は7割を超える一方、積極活用層は31.0%にとどまった。代表・役員がAIを使っていない企業では、85.7%がAI活用の方針や推進体制を整えておらず、経営層の理解と実践が組織全体の活用度を左右している実態が浮かび上がった。

ラクスルは7月9日、「中小企業のAI活用に関する実態調査」の結果を公表した。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
ラクスルは「中小企業のAI活用に関する実態調査」の結果を公表

調査によると、業務でAIを利用した経験がある人は73.3%にのぼる一方、「積極的に活用している」と回答した企業は31.0%にとどまった。特に、代表・役員がAIをまったく利用していない企業では、85.7%が「AI活用の方針も推進体制もない」と回答。経営層の理解や実践が、組織全体のAI活用を大きく左右している実態が浮き彫りとなった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
業務でAIを利用した経験がある人は73.3%

また、AI活用の浸透度には業種や企業規模による差も見られた。IT企業では53.0%が「積極的に活用している」と回答したのに対し、IT企業以外では20.0%にとどまり、33ポイントの開きがあった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
AI活用の浸透度には業種によって差

年商別では、年商3000万円未満の企業で積極活用層が21.5%だったのに対し、年商1億円以上では35.1%となり、企業規模による格差も明らかになった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
年商規模別のAI活用状況

AIを使わない理由は「必要性を感じない」が最多

AIを「以前は使っていたが現在は利用していない」「ほとんど使っていない」「まったく使っていない」と回答した人に理由を尋ねたところ、最も多かったのは「必要性を感じない」(55.8%)だった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
AIを使わない理由は「必要性を感じない」が最多

これに「使いこなせる自信がない」(20.0%)、「使い方がわからない」(13.7%)が続き、スキル不足よりも、AIを導入する意義を感じられていないことが大きな障壁となっていることがわかった。

「必要性を感じない」と回答した人の職種では、「経営・経営企画」が45.3%で最多。次いで「総務・庶務・事務」(22.6%)、「IT・システム管理」(18.9%)、「人事・労務」(17.0%)、「経理・財務」(15.1%)となり、意思決定を担う層ほどAIの必要性を感じていない傾向が見られた。

また、「自分の業務にAIをどこまで組み込めるか想像・把握できているか」との質問では、「あまり把握できていない」が38.3%、「まったく把握できていない」が19.0%で、合計57.3%が具体的な活用イメージを持てていなかった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
自分の業務にAIをどこまで組み込めるか想像・把握できているか

経営層のAI活用が組織全体の取り組みを左右

役職別に「業務でAIを積極的に活用している」割合を見ると、「代表・役員」は27.2%で全役職中最も低かった。一方、「まったく使っていない」と回答した割合は22.8%で最も高く、経営層のAI活用の遅れが目立つ結果となった。

会社としてのAI活用方針や推進体制については、「特に方針はないが各自で活用している」が33.0%、「方針も推進体制もない」が29.7%、「方針はあるが推進体制は整っていない」が29.0%で、「明確な方針と推進体制がある」は8.3%にとどまった。多くの中小企業で、組織的なAI活用の基盤が十分に整っていないことがうかがえる。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
会社としてのAI活用方針や推進体制

さらに、代表・役員のAI活用状況と組織体制には強い相関が見られた。代表・役員がAIを「積極的に活用している」企業では、「方針も推進体制もない」と回答した割合は4.0%だったのに対し、「まったく使っていない」企業では85.7%に達した。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
代表・役員のAI活用状況と組織体制には強い相関が見られた

また、「方針も推進体制もない」と回答した企業に、自社のAI活用状況が世間や同業他社と比べて進んでいるかを尋ねたところ、「かなり遅れている」が36.0%、「やや遅れている」が14.6%で、合計50.6%が遅れを認識していた。一方、「わからない」と回答した企業も30.3%あり、他社の状況を把握できていない企業も少なくなかった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
自社のAI活用状況が世間や同業他社と比べて進んでいるか

小規模企業ほどAI人材と推進体制が不足

AIを業務フローの改善や自動化レベルまで活用できる人材が社内にいるかを聞くと、年商3000万円未満の企業では「いない」が55.4%、「わからない」が12.3%だった。

AIを積極活用している中小企業は31%。代表・役員がAIを使っていない企業の85%が「活用の方針も推進体制もない」
AIを業務フローの改善や自動化レベルまで活用できる人材が社内にいるか

一方、年商1億円以上の企業では「いない」が33.3%、「わからない」が10.9%となり、企業規模が小さいほどAI人材が不足している傾向が見られた。

また、「方針も推進体制もない」と回答した割合は、年商3000万円未満の企業で49.2%、年商1億円以上では21.8%となり、財務基盤が小さい企業ほど、AI活用を支える人材や体制の整備が遅れている実態もうかがえた。

調査概要

  • 調査期間:2026年5月29日〜6月1日
  • 調査対象:従業員数2〜100人の中小企業の経営者・従業員300人
  • 調査方法:第三者機関によるインターネット調査

この記事の筆者

[ 執筆 ] 鳥栖 剛

フリーライター
furukawa
確認済み
4 分 22 秒 ago
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