僕はSEOの専門家として、市場にあふれるSEO向け人工知能(AI)ツールの多さに圧倒されている。どのツールならSEOの問題を解決できるのか見極めるのはほぼ不可能になった。
そこで時間をかけてテストし、SEOプロセスを改善できたAIツールをリストにまとめた。ノーコードツールやSEO自動化、あるいは効率化に役立つAIを探しているなら、このリストから君のワークフローに追加できる方法が見つかるだろう。
24のAI活用例を、次の5カテゴリに分けて紹介している:
- SEOとコンテンツ調査のためのAIツール
- カスタムJavaScriptとAPIのためのAI活用例
- コンテンツ作業用AIツール
- ChatGPTにおけるSEOプロンプトの活用例(後編、3/9公開予定)
- SEO作業用カスタムGPT(後編、3/9公開予定)
- リンクビルディングのためのAIツール(後編、3/9公開予定)
さっそく見ていこう。
SEOとコンテンツ調査のためのAIツール
SEOとコンテンツ調査を効率化する以下5つのAIツールを取り上げる。
- Moz AI: 検索意図のインサイトで、キーワード調査を改善
- SparkToro: ペルソナを作成し、オーディエンスインサイトを改善
- Competely: 高度な競合分析
- userevaluation: 定性的なユーザー分析プラットフォーム
- UXsniff: AIによるユーザー行動分析
それぞれのツールをどう活用するか、説明していこう。
1. Moz AI: 検索意図のインサイトで、キーワード調査を改善
チマ・メジェ氏はオンラインセミナーで、キーワード調査と検索意図分析に使える素晴らしいリソースとしてMoz AIに言及した。メジェ氏によると、このツールはウェブサイトが検索結果に表示されるためのキーワードや検索クエリごとの意図を理解するのに役立つため、検索ユーザーが探している情報に沿ったコンテンツ戦略が立てやすくなるという。
Moz AIが特に優れている理由は、検索意図を特定する独自の2層モデルにある。第1層は検索意図データで学習させた機械学習分類モデル、第2層はGoogleのSERPシグナルに関する長年の研究と専門知識に基づくルールベースのモデルだ。この二重のアプローチにより、意図分類の精度と実用性を確保している。
メジェ氏はSEOワークフローでMoz AIを次のように利用している:
AIによる検索意図分析: Keyword ExplorerでMoz AIの検索意図機能を使うと、キーワードが自動的に4つの主要カテゴリに分類される(インフォメーション[情報収集]型、ナビゲーション[案内]型、コマーシャル[商業]型、トランザクション[取引]型)。そのため、検索ジャーニーにおけるユーザーの立ち位置や、検索ユーザーのニーズを満たすコンテンツの種類が把握しやすくなるという。
ドメイン検索テーマとキーワードトピック: Moz AIのDomain Overview(ドメイン概要)ツールでは、ドメイン全体の検索テーマが俯瞰(ふかん)的に表示され、グーグルがウェブサイトをどう認識しているかについての知見が得られる。また、メジェ氏によると、サイトのキーワードが最大5種類のドメインキーワードトピックに分類され、サイトの主な重点領域を理解するのに役立つという。これにより注力すべき領域が分かるため、競合分析やコンテンツ戦略の策定に特に便利だ。
2. SparkToroでペルソナを作成し、オーディエンスインサイトを改善
詳細なペルソナを作成する際、僕はChatGPTの能力とSparkToroのデータを組み合わせている。SparkToroは属性情報、オンライン行動、ソーシャルメディア活動などのオーディエンスインサイトが豊富に得られるツールで、これらの情報をChatGPTに入力すると、極めて詳細かつ実用的なペルソナが生成される。
僕はSparkToroとChatGPTを次のように併用している:
オーディエンスデータの入力: オーディエンスの関心、頻繁に利用するプラットフォーム、エンゲージメント行動といったSparkToroのインサイトをChatGPTに入力する。
ペルソナ作成: ChatGPTで、動機、課題、望ましいコミュニケーションスタイルなどの重要な特性を備えた詳細なペルソナが生成される。
戦略的整合性: これらのペルソナは、コンテンツやSEO戦略を微調整するのに役立ち、ターゲット市場の特定のニーズや行動に合わせられる。
3. Competely: 高度な競合分析
常に優位を保つには、競合他社の製品戦略やオーディエンスエンゲージメントを理解することが不可欠だ。Competelyは、製品機能、マーケティング上の位置付け、オーディエンスのセンチメントに焦点を当てた高度な競合分析によって解決策を提示する
僕は競合分析でCompetelyを次のように利用している:
競合製品分析: 「競合他社が自社製品をどう位置付けているか」をCompetelyを使って分析することで、自分のサービスの強みや弱みを明らかにするのに役立つ。
オーディエンスセンチメント分析: 競合製品に対するオーディエンスの行動やセンチメント(感情)をCompetelyを使って追跡し、顧客の好みや課題についての知見を得る。
マーケティング戦略のインサイト: Competelyでは競合他社のマーケティング戦略の概要が示され、オーディエンスとどうエンゲージしているかを把握できるため、それに合わせて自分のアプローチを調整できる。
4. userevaluation: 定性的なユーザー分析プラットフォーム
UXとSEOの両方を改善するには、ユーザー行動を理解することが不可欠だ。僕は、ユーザーが僕のサイトをどう利用しているかについての定性分析とインサイトのためにuserevaluationを使っている。摩擦ポイントを特定し、ユーザージャーニーを最適化して全体のパフォーマンスを改善できる。
僕は自分のウェブサイトで、userevaluationを次のように利用している:
ユーザー行動分析: ヒートマップやセッションの録画でユーザーインタラクションを追跡し、ユーザーがクリックやスクロールをする場所、問題が生じる箇所を明らかにする。
摩擦ポイントの特定: セッションの確認時に、訪問者がページから離れる場所やナビゲーション上の問題が生じる箇所をすばやく特定できるため、的を絞ってUXを改善できる。
コンバージョン経路の最適化: ユーザーフローを理解すると、コンバージョンファネルの改善、行動喚起(CTA)の調整、ページの再設計によるエンゲージメントの強化に役立つ。
コンテンツエンゲージメントの向上: ユーザーに最も響くコンテンツを分析することで、コンテンツを調整または再利用してSEOやオーディエンス維持率を向上できる。
5. UXsniff: AIによるユーザー行動分析
UXsniffはHotJarの代替として使えるAIツールで、ユーザーがサイトをどう使っているかを包括的に分析する。「ヒートマップ」「セッションの録画」「AI分析」を組み合わせてユーザー体験を最適化し、SEOを強化できる。
僕はUXsniffを、次のように利用している:
ヒートマップとセッション録画: UXsniffは、ユーザーがクリックする位置やスクロールする場所、最も時間を費やすポイントを追跡するため、セッションの録画を参照してナビゲーションのパターンを把握できる。
AIインサイト: 主な摩擦ポイントやエンゲージメントが多い領域がAIで強調表示されるため、データを手作業で選別することなくUXの改善に優先順位を付けるのに役立つ。
ユーザビリティ問題の特定: AI生成のレポートで、ユーザーの離脱を招くユーザビリティ問題をすばやく特定し、問題に対処して維持率を向上できる。
コンバージョンのための最適化: UXsniffは、コンバージョンが最も高くなるページやセクションを特定するのに役立つ。これらのページでのユーザー行動を分析することで、サイトの他の場所でも成功パターンを再現し、全体のパフォーマンスを向上させられる。
カスタムJavaScriptとAPIのためのAI活用例
次に、カスタムJavaScriptやAPIのためのAI活用例を紹介する。
それぞれ説明していこう。
6. カスタムJavaScriptを備えたScreaming Frog SEO SpiderによるLLM統合
SEOを次のレベルに引き上げるという話をするとき、僕はScreaming Frog SEO SpiderにカスタムJavaScriptとベクトル埋め込みを統合することでそれを実現している。この組み合わせは、機械学習を活用しながら、「コンテンツマッピング」「サイト内リンクビルディング」「キーワード関連性分析」をするのに役立つ。
僕はこのアプローチを、次のように活用している:
ベクトル埋め込みの生成: カスタムJavaScriptを使って各ページからテキストを抽出し、ベクトル埋め込みを生成する。コンテンツにおけるこれらの数値表現により、ページ間の意味的類似性を比較できる。
サイト内リンクのマッピング: ベクトル埋め込みを分析し、リンクされていない関連ページを特定する。これによりサイト内リンク構造が改善され、リンクエクイティが渡されて、検索順位が上がる。
キーワードマッピングの自動化: キーワードを意味的に最も関連性の高いページにマッピングすることで、キーワードとページの割り当てを自動化する。これによりターゲティングが強化され、各ページを適切なクエリに対して表示させられる。
コンテンツギャップ分析の実施: ベクトル埋め込みはコンテンツの不備を見つけるのに役立つ。この手法により、対応を深める必要がある領域が明らかになり、コンテンツの作成や最適化に関する意思決定の指針になる。
7. WordLift: ファクトチェック用API
AI生成コンテンツの大きな課題は、不正確さやハルシネーション(幻覚)のリスクだ。WordLiftのファクトチェック用APIを使えば、この問題に対処し、AI生成コンテンツが信頼できて事実に基づくことを確認する。
僕はWordLiftを次のように利用している:
AI生成コンテンツのファクトチェック: AIが生成した出力をWordLiftのAPIに通して正確性を確保し、矛盾点を検出する。
コンテンツ作業用AIツール
コンテンツ設計と戦略立案を支援するAIツールを紹介する。
それぞれ説明していこう。
8. BERTopicによるトピッククラスタリング
一貫性のあるSEO戦略を構築するには、キーワードとコンテンツを関連するクラスターに整理することが不可欠だ。BERTopicは高度なAIを活用し、キーワードとコンテンツを意味のあるトピッククラスターにグループ化するため、検索パフォーマンスが向上し、より構造化されたコンテンツ計画が可能になる。
僕はBERTopicを次のように利用している:
キーワードのクラスタリング: BERTopicにキーワードリストを入力すると、関連性のあるクラスターに整理され、SEO計画を改善できる。
意図に合わせたコンテンツの最適化: これらのトピッククラスターを理解すると、コンテンツをキーワードの意図やSEOのベストプラクティスに合わせるのに役立つ。
大規模なコンテンツのインベントリ管理: BERTopicの自動化機能により、コンテンツを手作業でグループ化せずに済み、大規模なウェブサイトのプロセスを効率化できる。
9. Content Codex: AIでコンテンツマーケティング戦略の原案を作成
コンテンツマーケティング戦略の策定には時間がかかるが、Content CodexはAIを使って原案を生成することでプロセスを簡素化する。データ分析、キーワード調査、コンテンツの推奨事項を抽出してくれるため、戦略をビジネス目標に合わせるのに役立つ。
僕はコンテンツマーケティングでContent Codexを次のように利用している:
コンテンツ戦略の原案作成: このツールは、ターゲットオーディエンスのインサイト、キーワードデータ、業界動向を用いてコンテンツマーケティング計画の原案を生成するため、これを強固な基盤として計画を立てられる。
キーワード調査: Content Codexは関連キーワードを特定し、それを中心にコンテンツを構築する方法を提示してくれるため、SEOのパフォーマンスを向上させられる。
コンテンツクラスタリング: 適切なサイト内リンクを確実に設定し、サイト全体でトピックのオーソリティを確立するコンテンツクラスターを生成する。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、今回に引き続き、著者がおすすめするAIツールの使い方を紹介する。
(後編は3/9公開予定)


