2026年には、SEOの何を優先すべきだろうか? エージェント型人工知能(AI)向けに最適化し、エンティティクラスターを構築し、大規模言語モデル(LLM)指標を追跡して一歩先を行く方法など、2026年もSEOで先頭を走り続けるための6つの戦略を、チマ・メジェが紹介する。
こんにちは、私の名前はチマ。もう覚えてもらっていると思うので、自己紹介はこれくらいにしておこう。
みんなは、AI検索やUCP(ユニバーサルコマースプロトコル)、ビジネスエージェント等々について、さまざまなことを耳にしてきたはずだ。しかし、「何を信頼すべきか」は非常に複雑でわかりにくい。今回はみんなに真実を伝えたい。
この記事では、2026年に重点を置く必要があるトピックについて、混乱がないようわかりやすく解説する。早速見ていこう。
SEOで先頭を走り続けるための6つの戦略
- クエリファンアウト全体を網羅する「エンティティクラスター」を構築する
- レポーティングをトラフィック以外にも進化させる
- コミュニティを成長エンジンとして活用する(後編、6/8公開予定)
- (エージェントAIと自律検索向けに最適化する後編、6/8公開予定)
- 裏付けのあるE-E-A-Tを強化する(後編、6/8公開予定)
- 影響力の最適化に投資する(後編、6/8公開予定)
1. クエリファンアウト全体を網羅する「エンティティクラスター」を構築する
第1に、クエリファンアウトの全体を網羅するエンティティクラスターを構築しよう。リンクは依然として重要だが、現在は言語ベースのモデルに進化しつつある。
これは、何を意味するのだろうか? それは、「リンクベースの関係」よりも、「エンティティや意味的(セマンティック)な関係」の側面が強まっているということだ。
そのため、何よりもまず「エンティティ」に合わせた最適化を進める必要がある。だからこそ、「キーワードクラスター」よりも「トピッククラスター」について検討を始める必要があるのだ。
はっきり言って、これはSEOの基本だ。ただし、私が言いたいのは「AIへの最適化でも、依然としてSEOが非常に重要」だということであり、結局のところ基本に立ち返ることになる。
トピッククラスタリングで検索意図を整理する
「トピッククラスタリング」とは、エンティティを選び、各エンティティのクラスターに意図をマッピングする方法論だ。ここで意識するべき基本的な切り口は、次のようなものだ:
- 認知
- 比較
- 評価
- 決定
認知はファネルの最上部にあたる。今でもこの種のコンテンツを作る必要があるかどうかについては多くの議論がある。しかし私は絶対に必要だと考えており、これについてはこのコーナーで詳しく述べている(リンク先は日本語記事)。
それから、他の選択肢や厳選品を紹介するなどの比較コンテンツがある。そしてユーザーは評価フェーズがあり、決定フェーズに進む。
Mozには他にも、SaaS企業を対象とした6つの収益化コンテンツ形式について私が書いたブログ記事がある。かなり深く掘り下げているので、ぜひ読んでみてほしい。また、トピッククラスタリングについて私が書いたガイドもあり、このテーマについて詳しく取り上げているので、ぜひチェックしてみてほしい(残念ながらどちらも英語)。
LLMが理解しやすい構造を作る
さて、クラスターを構築したら、次はサイト内リンクの構造だ。ピラーページ※とスポークページ※を車輪状につなぐリンク構造を作る。
※Web担編注 「ピラーページ」(「ハブページ」とも呼ぶ)は、あるトピックに関するコンテンツがサイト内に複数ある場合に、トピックの総合的な情報をまとめた情報の中心とするページのこと。ピラーページからサイト内の同じトピックの各ページにリンクし(これを「スポークページ」と呼ぶ)、その各ページからもピラーページにリンクを戻すようなリンク構造を作る。そうすることで、ピラーページがトピックのコンテンツ群(トピッククラスター)の「柱」「軸」「中心」となるようにする。
ただし、さらに重要なこととして、コンテンツを作る際に、パッセージ※対応の構造にするために意図をきめ細かく網羅する必要もある。
※Web担編注 「パッセージ」は、文書内の意味的にまとまった一部分の塊を指す言葉(チャンクとも近い)。AIは、「文書全体では処理すべき分量が多すぎるが、文単位や単語単位では前後関係をふまえた情報が足りない」ため、文書を意味的な塊で分割して、それぞれを「パッセージ」として扱う。パッセージは1段落とは限らず、意味のかたまりで複数の段落をまとめて1つのパッセージとして扱うこともある。
つまり、LLMが簡単にコンテンツをクロールし、パッセージやテキストを取得し、それをシステム内で活用できるようにするということだ。
構造化データで意味を明確にする
そして最後に、意味がより明確になる場合には構造化データを追加しよう。構造化データは常に追加すべきだと思う。繰り返しになるが、ここでテクニカルSEOの基本、SEOの基盤に立ち返ることになる。基本とはいえ非常に重要だ。それだけは言っておきたい。
2. レポーティングをトラフィック以外にも進化させる
第2に、SERPからのクリック数が減少しているなかで、「何をレポートすべきか」について多くの議論がなされている。
それに対する私の答えは、レポーティングをトラフィック以外にも進化させる必要があるということだ。SEO業界では長年、話題はトラフィックに終始していた。
では、具体的にどうすればいいのだろうか。個別の戦術を解説していく。
LLMからの参照を追跡する
まず、LLMからの参照は引き続き追跡しよう。
「LLMから来るトラフィックは多くない」という声があるのは理解している。マーク・ウィリアムズ=クック氏は先ごろMozでのオンラインセミナーで「LLMはトラフィックチャネルというより影響力のチャネルだ」と述べていた。その点について私は同氏に全面的に同意する。だからこそ、参照を追跡しよう。そうすることで、LLMでのパフォーマンスについて方向性を示す指針が得られるからだ。
また、自己申告型アトリビューションレポート※も追加しよう。リリー・レイ氏はこれについて「ユーザーが君のコンテンツをどのように見つけているかを把握するための優れた方法だ」と述べている。
※Web担編注 「自己申告型アトリビューション」は、フォームなどで「このサイト・商品・サービスをどうやって知りましたか?」といった質問項目を入れ、人間に直接回答してもらう手法。
ブランド検索や指名流入を確認する
さらに、影響力の指標としてブランド検索の需要も追跡すべきだ。次のような指標の傾向を追跡しよう:
- ブランドインプレッション
- ブランド検索からのリード獲得
- ダイレクトトラフィック
なぜなら、「サイトへのトラフィックが増加している」場合、その原因が「LLMやグーグルのAI検索結果に表示されている」ことである可能性があるからだ。これらは好材料であり、レポーティングに追加すべきだ。
AI検索での表示状況を追跡する
1位~10位以外のSERP機能に表示されているだろうか? 「AIによる概要」や「AIモード」、動画など、通常の検索結果のリストとは別のSERP機能に表示されているかもしれない。
次に、LLMで言及された際の深度追跡も行いたい。これより適切な呼び方は思いつかないが、要はLLMの出力内で言及された際にどれほど上位に表示されているかということだ。
言うまでもなく、できるだけ上位に表示される必要がある。下位に表示されている場合、自分より上位に競合他社が表示されていれば、誰も見てくれないからだ。これは、通常の検索結果で自分より上位に他のサイトがたくさん表示されているようなものだ。もちろん、私なら下の方にあるサイトより1位~3位のサイトを選ぶだろう。これは「君のコンテンツがLLMでどれほど関連性が高く、影響力があるか」を測定するものだ。
セッション品質も重要な指標になる
そして最後に、セッション品質のシグナルを確認する必要がある。これはつまり、ユーザーが最終的に君のウェブサイトにたどり着いたあと、「君のコンテンツにどれほど満足するか」ということだ。
- ユーザーはSERPに戻って検索をやり直しているか?
- どのくらいの速さで直帰しているか?
- ページ内で他のアクションを取っているか?
- 次に何をしているか?
これは私にとって、他のすべてのLLM機能に加えて追跡できる特に重要な点と言えるかもしれない。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。今回は、6つのヒントのうち最初の2つを紹介した。後編となる次回は、残る4つのヒントについて説明する。
(後編は6/8公開予定)


