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AI検索がもたらす10の変化に備える「ブランド特性診断」と「実践チェックリスト」(後編)

自社サイトはAI検索に選ばれるか? 対応チェックリストで自社の課題を特定し、優先順位を付ける方法を紹介する。

Moz, Aleyda Solis[執筆]

7:05

この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。→前編を読む

前編では、まずAI検索と最適化に関する、正しておきたい誤解を説明した。その後、AI検索の最適化に影響を与えた10の変化を紐解き、SEOが「キーワード検索」から「意思決定エンジン」へと進化する新たな潮流を紹介した。

後編となる今回は、自分のブランドがAI検索に対する備えができているかを評価する方法を理解してもらう。具体的には、次の3つについて見ていく:

  • AI検索のパフォーマンスと相関性がある10のブランド特性
  • AI検索対応チェックリスト
  • スコアを解釈して優先順位を付ける方法

自分のブランドがAI検索に対する備えができているかを評価する方法

AI検索のパフォーマンスと相関性がある10のブランド特性

AI検索によってビジビリティのルールが変わるのであれば、何を監査すべきだろうか?

私は、ブランドが構造的にAI検索に対する備えができているかどうかを評価するために、10のブランド特性からなるフレームワークを用いている。

これらは「魔法のような検索順位決定要因」でも、「ビジビリティが保証されている公式」でもない。むしろ、AIシステムが君のブランドにアクセスし、理解し、推奨できるかどうかを評価するための実用的な診断フレームワークだと捉えてほしい。

  1. アクセス可能:
    検索システムやAIシステムに、重要なページのクロールやアクセスができるか?

  2. 有用:
    コンテンツは、競合するソースよりもユーザーのニーズをうまく解決しているか?

  3. 抽出可能:
    「重要な回答」「差別化要因」「製品の詳細」を、ページから簡単に抽出し、要約し、再利用できるか?

  4. 認識可能:
    ブランドとエンティティの関係は明確で一貫性があり、マシンリーダブル(機械が読んで理解できる形式)か?

  5. 一貫している:
    中核となるブランドの事実、位置付け、主張は、サイト全体やより広範なウェブ全体で整合しているか?

  6. 裏付けがある:
    ブランドに関する説明は、信頼できる独立したソースで裏付けられているか?

  7. 信頼できる:
    ブランドを裏付けているソースに、そのトピックやカテゴリーに関する十分な「オーソリティ」「信頼性」「専門性」「関連性」があるか?

  8. 差別化されている:
    AIシステムが他のブランドではなく君のブランドを記載または推奨する明確かつ具体的な理由があるか?

  9. 新しい:
    重要なコンテンツは、信頼性を維持できるほど最新のものか?

  10. 取引可能:
    eコマースサイトや取引サイトの場合、AIによる発見、比較、購入フローをサポートするように重要な情報が構造化されているか?

目標は、これらの特性を個別に最適化することではない。これらの特性を、次のようなことが起こる可能性があるかを説明する準備段階の要素と考えることを推奨する:

  • なぜ君のブランドが表示されなかったり、
  • 誤って伝えられたり、
  • リンクなしで引用されたりするのか

AI検索対応チェックリスト

これを実践可能なものにするため、私はこれら10の特性をAI検索対応チェックリストにまとめた

※Web担編注 Mozとの契約範囲を超えるため日本語訳版は提供できないが、チェックリストはGoogleスプレッドシートで共有されている。スプレッドシートを開いた状態で[ファイル]>[コピーを作成]して自分のアカウントに保存したうえで、Geminiなどの生成AIに「このスプレッドシートに含まれる3つのシートの内容とシート名をすべて日本語訳して」のように指示して使うといいだろう。

それぞれの特性は一連の検証項目に対応している。項目ごとに、チェックリストで次の3つの疑問に答える必要がある:

  • なぜこれがAIでのビジビリティにとって重要なのか。
  • どのように検証すればいいか。
  • スコアが低い場合、何を修正すべきか。

その後、弱みを特定し、対応の優先順位を付ける体系的な方法として、0から10のスコアで各項目を評価できる。

ツール、それが重要な理由、各項目を検証する方法を含むAI検索対応チェックリスト。

スコアが集計され、既存の強み、パフォーマンスを低下させている領域、より大きな問題を修正するまで優先順位を下げるべき項目を示した概要ビューが表示される。

チェックリストの使い方:「6. 裏付けがある」を例に

具体的なチェックリストの使い方を見てみよう。ここでは、「6. 裏付けがある」(翻訳前の表現は「6. Corroborated」)を例に見てみる。シートは次のようなものだ:

例:AI検索が利用する第三者のサイトにおけるブランドナラティブの裏付け評価。

これを評価するには、次の点を確認すればいい。シートを見ながら、それぞれの項目にスコア(Score)を0~10で記入していく。適切にできているかの確認は、シートの[検証方法(How to Verify)]列で確認できる。

  • 信頼できるサードパーティのサイトが、あなたのブランド、製品、専門家、または調査に言及しているか

  • 自分に無関係のソースによって主要な主張が裏付けられているか

  • 関連する発行物、ディレクトリ、レビュープラットフォーム、業界団体などに、自分のブランドのことが記載されているか

  • 独立したソースにおいて、対象トピックのコンテキストで一貫して自分のブランドが言及されているか

  • より権威性の高いソースで、自分が掲げている専門性に関連するコンテキストで自分のブランドが参照されているか

  • 独自の調査、デジタルPR、専門家としての貢献、パートナーシップなどを通じて、外部からのメンションや被リンクを獲得しているか

なぜその項目が必要なのか納得いかない場合は、「なぜ重要か(Why This Matters)」列を見て再検討する。

合計スコアは、[サマリーダッシュボード(Summary Dashboard)]シートを見れば一目でわかる。

裏付けスコアが低いということは、AIシステムが君のことを検証または推奨する際に利用する君のブランドの外部シグナルが少ないことを意味する。対応を検討すべきだろう。

どういった点を改善すべきかは、シートに戻ってスコアの低い行を探せばいい。

他の9つの特性にもこれと同様に進められる。

こうしたチェックリストを使えば、「AIでのビジビリティを高める」といった曖昧な目的ではなく、どんな側面で何を改善すべきかの具体的なアクションにつなげられる。アクションは、たとえば、次のようなものだ:

チェックリストから導き出した具体的なアクションの例
  • AIクローラーのアクセス可能性に現状では問題があるため、主要なページをクローラーがアクセスできるように修正する

  • エンティティシグナルの明確性に課題があるため、ブランド名が「ウェブサイト」「プロフィール」「引用」全体で一貫して使われるように修正(を依頼する)とともに、ビジネスの「詳細」「説明」「ポジショニング」を、主要なウェブプロパティ間で一致させる

  • 第三者によるメンションが弱いため、関連する「出版物」「ディレクトリ」「レビュープラットフォーム」「業界団体」などで自社に関して記載される場所を増やすように動く

スコアを解釈して優先順位を付ける方法

対応チェックリストで最も役立つのは、スコアそのものではなく、次に何をすべきかを教えてくれることだ。

AIでのビジビリティの問題に関連して最適化すべきAIの特性が優先順位付けされて表示される
重要なAI特性 | 優先的に取り組むべきタイミング | 学ぶべきこと・改善アクション
アクセス可能(Accessible) | コンテンツの取得(フェッチ)が困難だったり、AIの引用結果にページが表示されなかったりする場合 | スコアが低い場合、クローリング・フェッチ・レンダリング・アクセス性に問題があり、AIでの可視性が低下している可能性があります。
抽出可能(Extractable) | ブランド名には言及されるものの、リンクされたり、適切に要約されたりすることが少ない場合 | スコアが低い場合、AIがコンテンツを解析・要約・引用しにくい構造になっていることを示します。
有用・新しい・差別化されている(Useful / Fresh / Differentiated) | カテゴリー内での可視性が低い、またはAIからの推奨を受けにくい場合 | スコアが低い場合、コンテンツがユーザーの疑問に十分答えていない、情報が古い、または明確な差別化ができていないことを示します。
認識可能・一貫している(Recognizable / Consistent) | ブランドが誤って説明されたり、一貫性のない形で認識されたりする場合 | スコアが低い場合、ブランドエンティティの明確さや、各チャネルにおけるメッセージの一貫性に問題があることを示します。
裏付けがある・信頼できる・取引可能(Corroborated / Credible / Transactable) | 信頼性が重要な場面、比較・ショートリストへの掲載、商業的な検索・プロンプトで成果を出したい場合 | スコアが低い場合、AIからの推奨や比較評価、商業的な可視性が弱い原因になっていることが多いです。
  • アクセス可能、抽出可能:
    コンテンツの取得が困難な場合や、引用された検索結果に自分のページが表示されない場合に優先する。スコアが低い場合は、「クロール」「取得」「レンダリング」または「アクセス上の障害」があるために、他の要因が影響する前にビジビリティが低下していることを示す。

  • 有用・新しい・差別化されている:
    カテゴリーでの「ビジビリティ」や「レコメンデーション率」が低い場合に優先する。スコアが低い場合は、「コンテンツが古い」か、「クエリへの回答として効果的でない」か、あるいはAIが競合他社よりも優先するような「明確なブランドの位置付けを欠いている」ことを示す。

  • 認識可能・一貫している:
    AIプラットフォームが自分のブランドを誤って伝えている場合に優先する。スコアが低い場合は、「エンティティの明確さ」や「メッセージの一貫性」に問題があることを示す。

  • 裏付けがある・信頼できる・取引可能:
    「信頼性」「絞り込み」「商業的プロンプト」に重要だ。スコアが低い場合は、商業的な意図のあるトピックに対する「レコメンデーション」や「サイテーション」が少ないことを示す。

まずは「アクセス可能性」「抽出可能性」から進める

私がよく目にする良くない最適化の進め方がある。それは、「AIシステムが主要なページを理解できるかどうか」を確認する前に、「コンテンツ制作」「プロンプト追跡」「デジタルPR」などを進めようとすることだ。

まずは次の2つを修正しよう:

  • アクセス可能性
  • 抽出可能性

AIシステムが既存の情報を取得できなければ、メンションを獲得したり、コンテンツを増やしたりしてもほとんど意味がないからだ。

上記の2つを進めて土台が整ったら、ビジビリティの問題に基づいて優先順位を付けよう。

状況優先して進めるべき施策
表示されない「アクセス可能性」「抽出可能性」「エンティティの認知度」から始める。
表示はされるが推奨されない「有用性」「差別化」「信頼性」「裏付け」に注力する。
推奨はされるが誤って伝えられている「一貫性」「認識可能なエンティティシグナル」「第三者のソースによる修正」に注力する。
表示はされるが測定可能な価値を生み出していないプレゼンスのデータをビジネスへの影響指標と結びつけ、AIシステムが正しいページやオファーを引用しているかどうかを確認する。

次のステップ:AI検索とエージェント機能のための最適化

ブランドを評価したら、ユーザージャーニー全体を通じてAIシステムに推奨してもらえるよう、実装の優先順位を付けよう。

本シリーズのパート2では、AIでのビジビリティを高め、新たなエージェント体験に備えるために私が活用している3つの戦略的原則を紹介する。

この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

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