AI検索に効く「デジタルPR」とは。リンクではなくブランドメンションを増やす5つの方法
ブランドメンションが重要性を増すなか、AI検索時代でも選ばれるためのデジタルPR戦略を5つのポイントから解説。
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AI検索に備えて、企業はいかに存在感を高めるべきか。「デジタルPR」「ヒューマンファーストのナラティブ」「個別対応のアウトリーチ」などを活用してビジビリティを高める方法を、クロエ・オスンサミ氏が解説する。例として扱う業界は旅行ブランドだ。
こんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。私はクロエ・オスンサミ。AiraでデジタルPR責任者を務めている。今回は、2026年にAI検索の環境でも競争力を高め、同時に将来に備える方法について話そう。旅行マーケティングを例に進める。
旅行をめぐる環境の変化
AIを活用した検索の普及に伴い、旅行業界を取り巻く環境は急速に進化している。「今後の旅行計画にAIを利用するつもりだ」と答えている人は、世界で84%にも上る。具体的には、次のことが挙げられる:
- 旅行先や宿泊施設の選定
- アクティビティの検討
- 完全にパーソナライズされた旅程の作成
このようにあらゆる計画が対象となる。そのため、旅行ブランドが今後本気で競争力を高めたいのであれば、AIが使われるシーンでもブランドの存在感を示す必要がある ―― それこそが、デジタルPRに再び注目が集まっている理由だ。
「デジタルPR」と言っても、単にSEO目的でリンクを張ってもらう話ではない。従来の検索パフォーマンスとAIでのビジビリティが相関関係にあることを示す調査結果もあるが、重要なのはブランドメンションだ。ブランドメンションがAIでのビジビリティと最大の相関関係にある要因の1つであることを示す調査結果もあり、まさにそこでデジタルPRが役立つのだ。
こうした変化を踏まえ、AiraではデジタルPRの現状や現在有効な取り組み、環境の変化に備えて自分のブランドを確実に取り上げてもらう方法について、まったく新しい調査を実施した。
実務経験豊富なシニアデジタルPR担当者を対象としたほか、旅行業界のインハウスマーケターやジャーナリスト、編集者にインタビューした。主な調査結果の1つとして、回答者の81%は今後2年~3年でデジタルPRの重要性がさらに高まると予想していた。
デジタルPRにも課題はある
しかし、こうした変化には課題が伴う。
2025年の「今年の言葉」は「AIスロップ」だった。これは、「AIによって大量生産された低品質なコンテンツ」を指す言葉だ。
とはいえ、AI生成コンテンツもなくなりそうにはない。一部のビジネスは依然として予算に制約があり、AI生成コンテンツはすぐに作れるため、こういった問題をいくらか軽減するのに役立つからだ。
それに加え、私たちがインタビューしたデジタルPR担当者の57%は、過去1年間に旅行ブランドの間でデジタルPRへの需要が増加したと回答した。この分野はすでに競争が激しくなっているということだ。
差別化を図り、カバレッジを獲得するには
では、2026年に差別化を図り、カバレッジを獲得するには、どうすればいいだろうか。次の5つの重要な領域を順番に紹介する。
デジタルPRノウハウ1 パーソナライズされた記事
まずは、パーソナライズされた記事だ。対象とするペルソナやオーディエンス、その「要望」「ニーズ」「願望」を理解することは、いつだってとても重要だ。
しかし、今年はさらにその重要性が増す。さっき述べたことだけでなく、「相手が何を重視しているか」「その旅行計画に影響を与える実際の世界や経済的な要因」なども重要だ。
加えて、ターゲットオーディエンスは、「はるかにパーソナライズされた旅程」や「自身の趣味や情熱に沿ったもの」を求めている。ジャーナリストたちはすでにこのトレンドを追い始めており、私たちもそれに続かなければカバレッジを逃してしまうだろう。ジャーナリストは常に読者を第一に考えているように、私たちもそうする必要がある。
デジタルPRノウハウ2 ヒューマンファーストのナラティブ
次に、ヒューマンファーストのナラティブだ。人間第一のナラティブであれば、PRコンテンツをAI生成コンテンツと差別化するのに役立つだろう。AIには真似できないからだ。
その方法として、たとえば次のような手法を取り入れることで他との差別化が図れる:
- 舞台裏のインサイトを追加する
- 新しい視点を取り入れる
- ケーススタディを使う
ジャーナリストたちはすでに、記事でこうしたことを模索している。
デジタルPRノウハウ3 「常時稼働」のアプローチを取る
第3に、「常時稼働」のアプローチを取ることだ。私たちが調査したデジタルPR担当者の95%は、データに基づくクリエイティブなキャンペーンを使って効果的にカバレッジを獲得している。
しかし、それだけでなく、71%は「ニュースジャッキング」や「反応型の手法」を使い、この「常時稼働」アプローチを確実に実行して、カバレッジの機会を最大化している。実際、こうした手法は過去3年~5年の間にさらに重要性が増したという。
確実にブランドメンションを増やし、AIでのビジビリティを高めたいなら、これは極めて重要になる。
デジタルPRノウハウ4 確固としたデータに基づく記事
データに基づく記事の話に戻ると、独自の確固としたデータを確保し、他の記事と差別化することを重視する傾向が、はるかに強まっている。
そうすることで、いったん関心が集まれば、その有効性について疑問を持たれることも、AIだと見なされることもなくなる。
デジタルPRノウハウ5 個別対応のアウトリーチ
最後に、個別対応のアウトリーチと人間関係だ。
これはPRにおいていつでも重要だ。特に従来のPR担当者はよくこれを話題にする。私たちがインタビューしたジャーナリストたちは皆、「PR担当者が売り込みをかける書き手について、またその関心分野や専門分野、編集スタイルについて、しっかりと理解することがいかに重要か」を強調していた。
それだけでなく、ジャーナリストたちは、専門家のコメントを自身の人脈から得ているとも言っていた。「広く情報提供を求める」のではなく、人脈を軸にコメントを求めているのだ。そのため、すでにそうした関係を築いていないブランドは、こうしたケースでは取り上げてもらえない。こうしたチャンスを確実につかまえるためにも、アウトリーチに個別に対応していくことが極めて重要になっていく。
結果について期待できること
上記のすべてを揃えたら、結果について何が期待できるだろうか。残念ながら、AIでのビジビリティ向上は、一夜にして実現するものではない。デジタルPRは長期的な取り組みなのだ。
調査したデジタルPR担当者たちは、量よりも関連性と品質が重要だと言っていた。だが、これを定量化するのは極めて難しい。実際、関連性を数値で評価しているのは38%に過ぎない。
ただし、個々のキャンペーンに関しては、成功と見なされるには概ね0件~9件ほどのカバレッジが必要であり、この点は調査したデジタルPR担当者の約半数が強調していた。この質問に対しては、この回答が最も多かった。しかし、ここ1年の間にほとんどのキャンペーンが実際に獲得しているカバレッジは10~19件で、十分すぎるほどの成果を上げている。
最後に、個別対応の「常時稼働」戦略を採れば、「時間が経つにつれてビジビリティが高まる可能性」は高くなる。しかし、間違っても短期間でビジビリティが高まると期待してはいけない。昔のSEOのように、辛抱強く待つ必要があるのだ。
重要なポイント
以上の点を踏まえると、今回の重要なポイントは、「状況が急速に変化している」ということだ。今後競争力を高めたいのであれば、次の点に注意してほしい:
- ブランドは自らに投資する必要があること
- ターゲットオーディエンスのためにパーソナライズされた記事を作成する必要があること
- 「ヒューマンファーストのナラティブ」に特に力を入れてAI生成コンテンツとの差別化を図り、「個別対応のアプローチ」でメディアへのアウトリーチや関係構築を図る必要があること
最後にもう1つ重要なポイントがある。「とにかく辛抱強く見守る必要がある」ことだ。時間が経つにつれ、これらの結果は従来の検索だけでなくAI検索でもビジビリティを高める助けになるだろう。
より詳細なことについて興味があれば、私の書いたレポートを参照してほしい。以上、参考になれば幸いだ。


