Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

AI検索でブランドを発見されやすくする方法(前編)

AI検索ではブランド自身の発信だけでなく第三者からの評価も重要。ビジビリティを左右する4つの要素を紹介。

Moz, Beth Nunnington[執筆]

7:05

「AIでのビジビリティや従来の検索順位において、ブランドが重要な指標である」ことを示す調査結果は膨大にある。

しかし、従来の戦略が通用しなくなった今、AI検索でブランドのビジビリティを高めるにはどうすればいいだろうか? 私はここ数年、Adobe、Marks & Spencer、Clarksといったブランドのビジビリティを高める戦略の実験を重ねてきた。この記事では、AI検索で獲得するサイテーションや表示面積を増やすために利用できる、再現性のある計画を紹介する。

だがまずは、これまでの経緯を振り返ってみよう。

AIによってカスタマージャーニーのショートカットが起こっている

従来ならば、検索ジャーニーには次のような複数の段階があった:

  • 探索
  • 評価
  • 検証
  • コンバージョン

ユーザーは複数のタブを開き、選択肢を比較し、掲示板を確認してから、意思決定する。このジャーニーは長く断片的であり、コンバージョンに至るにはプラットフォームをまたぐ複数のタッチポイントが必要だった。

AI検索なら、この手間を省ける。

ユーザーは段階ごとに手作業で進めるのではなく、プロンプトを入力するだけで、大規模言語モデル(LLM)がさまざまな情報源から集約した情報を1つの回答にまとめてくれる。

検討から購入に至るまでのプロセスが長い「メッシーミドル(The Messy Middle:混沌とした中間層)」は残るものの、AIがバックグラウンドで処理して結論を出すため、ユーザー自身が操作する必要はなくなった。

会話形式のクエリが無限のロングテールを生み出している

検索はこれまで、「短くてボリュームの多いキーワード」に依存していた。たとえば、「CRM」のようなクエリは需要曲線の頂点にあり、検索の大きな割合を占めていた。

検索の世界では、検索キーワードは短く、検索ボリュームは大きかった

私たちはマーケターとして、それらのキーワードを対象にコンテンツクラスターを構築し、オーソリティを構造化した方法で向上させられた。

しかし現在、検索は孤立したキーワードから、会話形式の検索プロンプトに移行しつつある。

AI検索では、キーワードではなく長い文章で訪ねるようになり、それぞれ明確な意図やニュアンスをもつようになった

クエリはもはや「CRM」のような単語ではなく、ユーザーにとってはるかに詳細で具体的なものになっている。たとえば次のような調べ方だ:

  • 「米国を拠点に、HubSpotを利用しており、収益認識を改善させる必要があるSaaS企業」
  • 「オフラインでのモバイルアクセスと位置情報に基づく、リードマッピングを必要としているフィールドセールスチーム」
  • 「地域や業界をまたいで複雑なテリトリーマッピングを管理しているビジネス」

AI検索の世界では、こうした詳細なクエリが無限のロングテールを生み出している

私たちJourney Furtherでは、この変化を把握するために、100を超えるクライアントのウェブサイト、430億回のインプレッション、15億回のクリックを分析した。

その結果、次のようなことがわかった:

  • 1語や2語のクエリは前年比で減少している
  • 4語以上のクエリは大幅に増加している
  • 5語~7語のクエリと8語以上のクエリが最も急速に伸びており、これらは比較目的のものや会話形式のものが多い

クエリが「より長く、より具体的」になるにつれて、可能な組み合わせの数も増えるため、特定のキーワード群をターゲットにしてAIでのビジビリティを高めることはできなくなる

では、AIでのビジビリティは何で決まるのか

AI検索全般を見てきた経験から言うと、ビジビリティを左右するのは次の4つの中核的シグナルだ。

それぞれ理解していこう。

エンティティの明確さ

AIに推奨してもらうには、まず君が誰で、何を提供しているかをAIに理解してもらう必要がある。君のブランドが曖昧だったり、ウェブ全体で記述に一貫性がなかったりすると、モデルは君を適切なコンテキストに位置付けるのに苦労することになる。

エンティティをより明確にするには

  • 論理的なサイト構造を構築する
  • スキーママークアップを使用して、ブランド、製品、サービスを定義する
  • チャネルを問わずメッセージングの一貫性を保つ

テクニカルSEOは、ブランドをアクセスしやすく、解釈しやすくするものであり、依然として重要な役割を果たしている。

オーソリティと信頼性

オーソリティと信頼性は、ブランドがサイト外部でどのように表現されているかによって決まる。AIモデルは、「君について他の人がどう言っている」かを精査し、その情報を使って引用する価値があるかどうかを判断する。

たとえば、ChatGPTでは、サイテーションの93%は「ブランド自身によるもの」ではなく「第三者によるもの」だ。

参照される主なシグナル:

  • オーディエンスが信頼するメディアでの第三者によるメンション
  • モデルがよく参照するプラットフォーム上でのレビュー
  • ブランドを特定のトピックやカテゴリーと関連付けるメディア掲載記事

こうしたシグナルが肯定的で一貫していれば、LLMでブランドに言及してもらえる可能性が高まる。

コンテンツの網羅性

AIが抽出するのはウェブページ全体ではなく、文章の一節だ。正確な回答を簡単に抽出してもらえるようにコンテンツを構成しよう。情報の取得が難しければ、LLMに表示されにくくなる。

つまり、次のようなコンテンツが必要になるということだ:

  • オーディエンスの質問に直接答えるFAQ
  • 特定のトピックについて深く掘り下げたガイド
  • 関連する見出しの下に、明確に整理された回答

共鳴と存在感

AIが利用する情報源は1つだけではない。LLMのモデルは、広範なウェブ全体を参照し、会話の中でブランドがどのように言及されているかを把握する。

情報源には次の3つが含まれる:

  • Redditのスレッドやフォーラムでのディスカッション
  • ソーシャルメディアでの会話
  • アーンドメディアでのカバレッジ

つまり、ブランドが一貫して適切な場所で言及されていればいるほど、全体としてブランドの存在感が高まるのだ。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、今回に引き続いて「LLMのためのテクニカル最適化」に関する疑問を取り上げる。

(後編は8/24公開予定)

この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る