AI検索時代にブランドの存在感を高めるための4つのステップと測定方法(後編)
AI検索でブランドを発見されるための方法と、成果を可視化する測定方法について解説。
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この記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。前編では、AI検索の登場によって生じた変化と、AIでのビジビリティを決定する要因について説明した。後編はそれに引き続いて、「AI検索でブランドを発見されやすくするための4つのステップ」と「AI検索でのパフォーマンスを測定する方法」を見ていこう。
AI検索でブランドを発見されやすくするには
ステップ1オーディエンスの検索エコシステムをマッピングする
ビジビリティを高めようとする前に、オーディエンスがどこで時間を費やしているかを把握する必要がある。
次の3つを明らかにしよう:
- オーディエンスが利用しているプラットフォーム
- オーディエンスが信頼しているパブリッシャー
- オーディエンスが参加しているコミュニティ
そのために特に便利なツールがSparkToroだ(※日本語非対応)。オーディエンスがオンラインのどこにいて、何を読み、どこでエンゲージしているかを教えてくれる。
たとえば、CRM分野では、ChatGPTやClaudeなどのAIプラットフォームを積極的に利用しているオーディエンスをよく目にする。これにより、自分のブランドをどこに表示させるべきかが分かり、それ以降のあらゆる意思決定が決まる。
ステップ2オーディエンスのインサイトを抽出する
オーディエンスがどこにいるかがわかったら、次のステップはオーディエンスが何に関心を持っているかを理解することだ。
入手可能なオーディエンスのインサイトの中でも特に情報が豊富なのが、Redditとそのサブレディットだ。
そこでの会話から、次のようなことがわかる。
- オーディエンスが解決しようとしている具体的な課題
- オーディエンスが問題を説明するのに使う言葉
- 意思決定をする前に抱く疑問
これが重要なのは、「RedditはChatGPTで引用されることが特に多い情報源の1つ」であるためだ。オーディエンスが交わしているまさにその会話を、AIが学習していることになる。
ステップ3第三者による評価を中核的な手段として構築する
第三者による評価は、AIでのビジビリティを高めるための最も重要な手段だ。以下では、Journey Furtherで成果のあったデジタルPRの手法をいくつか紹介する。
リスト記事や製品レビュー
「厳選リスト」や「おすすめコンテンツ」に取り上げられることは、AIでのビジビリティに関係する最も強力なシグナルの1つだ。これらの形式は、ユーザーの質問の仕方と合致するため、LLMの回答によく表示される。
私たちのクライアントで効果的だった事例として、Delish(※米国のレシピサイト)の「料理のプロが教える、本当に節約になるキッチン用品12選」のようなおすすめ記事での製品紹介や、CNNの「50歳の誕生日に贈りたい、本当に節目にふさわしい最高のプレゼント36選」「200ドル以下で買える50歳の誕生日プレゼント」といった厳選ガイドへの掲載が挙げられる。
2つ目の事例は、これがどのように機能するのかを示す格好の例だ。誰かがChatGPTに「200ドル以下で買える50歳の誕生日プレゼント、何がいい?」と入力すると、CNNの記事が表示され、Virgin Experience Giftsが引用される。
こうしたコンテンツは、必ずしも君のブランドだけが掲載されているものでなくてもいい。モデルが信頼するメディアに、適切なコンテキストで君のブランドが含まれていればそれでいい。
データの裏付けがある調査と消費者調査
調査に基づくコンテンツは、具体的な証拠としてモデルが参照できるため、標準的なブランドメッセージングより影響力がある。
これは、調査やデータ主導のキャンペーンで一貫している。たとえば、私たちのクライアントの1社でフォーチュン誌の「フォーチュン500」に名を連ねるドッグフードブランドは、米国で最も犬に優しい都市に関する調査を実施した。この調査はタイムアウト誌に取り上げられ、現在では関連する検索で「AIによる概要」に表示されるようになっている。
ジャーナリストも、データに基づく情報源を優先することでLLMでのビジビリティを高めている。優れたデータと信頼できる情報源を用いた調査を提案すれば、回答エンジンに引用されやすいコンテンツにするために必要な情報を提供することになる。
ソートリーダーシップと専門家の解説
ソートリーダーシップは、AI検索でのビジビリティを高めるうえで影響力が極めて大きい手法の1つだが、十分に活用されていないことが多い。
ドメインオーソリティが40を超えるカバレッジ4000件をJourney FurtherのSalientツールで分析したところ、その半数近くに、製品コンテンツではなく「専門家の解説」や「データ調査」が含まれていることがわかった。
しかし、専門知識に対する需要の増加に伴い、「専門知識を捏造する」という問題も生じている。
たとえば英国では、王室の清掃員に関する話題を複数のメディアが記事にしたが、その後ジャーナリストたちは、そのような人物が存在しないことを突き止めた。
これを受けて、ジャーナリストたちは以前より厳格に情報源を検証するようになった。AIで生成された偽の専門家を利用することで評判が損なわれることもあり、ブランドに広範な影響を及ぼす。
こうした背景を考えると、専門性を示すためには次のような要素をセットで備えておくのがいいだろう:
- 信頼できる経験を備えた専門家
- サイト上に掲載されている執筆者の略歴
- 更新されているLinkedInプロフィール
- ジャーナリストが検証可能な資格情報
デジタルPRを配信エンジンとして利用
ほとんどのチームはまだ、デジタルPRを「リンク」の観点でしか考えていないが、それでは視野が狭すぎる。
デジタルPRは、他のすべてを機能させる仕組みであり、次の3つの領域にまたがって「信頼」のシグナルを高めてくれる:
- 従来の検索(依然としてE-E-A-Tが重要)
- AIによる概要(情報源が選択されて要約される)
- LLMの応答(複数の参照元から回答が構築される)
AIでのビジビリティを高めるには、「LLMに引用される情報源になる」か、「LLMが回答の根拠とする情報源に自分のブランドが確実に含まれるようにする」かの、どちらかが必要だ。そして、デジタルPRはそのどちらも底上げしてくれる。
ステップ4測定可能な成果につながるデジタルPRのワークフローに従う
デジタルPRは測定が難しいと言われるが、必ずしもそうである必要はない。
Journey Furtherでは、すべてのデジタルPRキャンペーンは「インサイトに始まり、エビデンスで終わる」。
その枠組みは次の通りだ。
インサイトとオーガニックな機会
クリエイティブな作業を始める前に、どこに機会があるのかを理解する時間を取ろう。具体的には次のことについて把握しよう:
- 自分のサイトが高い検索順位を獲得しているキーワードや、もう少しで獲得する可能性のあるキーワード
- LLMで頻繁に表示される業界誌
- 自分のオーディエンスがどこで時間を費やし、何にエンゲージしているか
- 自分のブランドと競合他社とのギャップ
これにより、「自分がどこに表示されるか」「何が欠けているか」「どこに注力すべきか」が明確になる。
アイデア出しと独創的なコンセプト
このインサイトを利用し、「ブランド主導でありながらオーディエンス重視」のコンセプトを策定しよう。コンテンツでは、ブランドが何を体現し、何を提供しているかについて、一貫したストーリーを伝える必要がある。
これが重要なのは、AIは君について書かれたあらゆる情報を横断してパターンマッチングするからだ。そのため、君のブランドが特定のトピックと関連付けられる頻度が高いほど、モデルに君のことを理解してもらいやすく、また推奨してもらいやすくなる。
アウトリーチ
インサイトの段階で特定したメディアをターゲットにしよう。これには、LLMで頻繁に引用されるメディアや、オーディエンスが利用しているウェブサイトなどがある。
すべてがパフォーマンスに直結するため、AIの出力やオーディエンスの意思決定に影響を与えるプラットフォームに注力しよう。
関連記事: すでにあるものを使って、AI検索でのビジビリティを高める方法(Journey Further、英語のみ)
AI検索でのパフォーマンスを測定するには
AI検索プラットフォームは、ウォールド・ガーデン(壁に囲まれた庭)だ。ChatGPT用のGoogle Search Consoleも、アトリビューションモデルもない。しかし、だからといって手探りでやらなければならないわけではない。
「ビジビリティ」「プロンプト」「サイテーション」を中心に構築したアプローチさえあればいい。具体的には次の4つだ:
- オーディエンスの要望やニーズに基づいて、プロンプトバンクを構築する
- 複数のモデルをまたぐブランドのビジビリティ追跡
- ファンアウトクエリを用いて、LLMが何を優先しているかを理解する
- AIボットリクエストを追跡し、パフォーマンス指標と相互に関連付ける
1つずつ理解していこう。
オーディエンスの要望やニーズに基づいて、プロンプトバンクを構築する
「プロンプト単位の検索ボリューム」はデータとして調べられない。そのため、目標は、オーディエンスがどのように検索しているかを反映した代表的なクエリセットを作成することになる。
それには、次の3つの中核的な情報源を活用する。
グーグルの「People Also Ask(PAA:他の人はこちらも質問)」 ―― キーワードと会話形式のクエリを自然につなげる。完璧ではないが、需要に代わる検索ボリュームデータを含む質問が得られる。
Redditのディスカッション ―― オーディエンスが自分の問題を説明したり、おすすめを聞いたりするために使っている言葉がわかる。これらの会話はLLMの学習にも使われているため、価値が高い。
AI検索プロンプト ―― オーディエンスが実際に尋ねているクエリのことで、PAA、フォーラム、独自の調査から得られたパターンに基づく。
Journey Furtherでは、クライアントの追跡に使用するプロンプトバンクに2000件の質問やクエリが格納されている。ファネル全体に及ぶ主要な意図を網羅しており、元となる情報はPAA、FAQ、レビューソース、フォーラムの会話から取得している。
このバンクは、次を含む他のあらゆるものの基盤となる:
- ブランドのビジビリティ追跡
- サイテーションのギャップ特定
- PRやコンテンツ活動が目に見える成果を出しているかどうかの測定
複数のモデルをまたぐブランドのビジビリティ追跡
AI検索には順位がないため、ビジビリティを異なる方法で測定する必要がある。
重要な指標はブランドの露出回数であり、その測定方法は以下の通りだ。
- オーディエンスが利用するモデル全体での表示を追跡する
- オーディエンスのデータに基づいてプラットフォームの優先順位を付ける
- プロンプトバンク全体でのブランドメンションを測定する
これにより、どこで表示され、どこで表示されないかを明確に把握できる。
次に、引用されたURLをさらに深く掘り下げる。モデルが君のブランドや競合他社を引用するときに使っている情報源を特定しよう。君の代わりに競合他社が表示される回答を明らかにし、その引用元を使って、PR活動に注力すべき場所を判断する。
ファンアウトクエリを用いて、LLMが何を優先しているかを理解する
ファンアウトクエリは、LLMが1件のプロンプトに対して回答を作るために作る、「複数の基本的な検索」のことだ。言い換えると、LLMが「プロンプトをどう分解しているか」「必要な情報を得るために追加でどんな調査をしているか」を示すものだ。
たとえば、「エンタープライズビジネスに最適なCRM」のようなクエリは、単純な答えを返すものではない。モデルはこれをさまざまな視点に拡大し、クエリの複数のバリエーションに対応する回答に統合する。
上記のような回答を作るためにLLMが裏側で実行するクエリファンアウトは、たとえば次のようなものになる:
これを大規模に分析することでパターンが浮かび上がってくる。Journey Furtherでは、次のことがわかった。
- ファンアウトクエリの41%は9語以上※
- 71%には、「最高」「最速」「最安」といった最上級表現が含まれている
- 情報の鮮度、価格、レビューは、クエリ全体で一貫して登場する
これは、LLMが回答を生成する際に何を優先しているかを示しており、戦略を立てるときの指針になる。
AIボットリクエストを追跡し、パフォーマンス指標と相互に関連付ける
手元にあるデータで最も信頼できるのは、自分自身のデータだ。
まずは、ボットがサーバーにどんなリクエストを送っているかをデータとして取得し、参照できるようにしよう(Webサーバーログから調べられる)。
そして、そのデータを「Google Search Consoleのクリック数」「Googleアナリティクスのセッション数」「コンバージョン」など、すでに追跡しているパフォーマンス指標と相互に関連付けて確認できるようにしよう。
Journey Furtherでは、Google Search Consoleのクリック数とChatGPTのリクエスト数との間にページ単位で高い相関関係が見られた。従来の検索でパフォーマンスが高いコンテンツは、AIでも広く参照されている。優れたSEOが優れたGEO(検索エンジン最適化)であることを裏付けるデータだ。
ただし、真の価値はギャップから生まれる。たとえば、「Google Search Consoleのクリック数は多いがChatGPTのリクエスト数が少ない」ページがあったら、どうだろうか。もしかしたら、「AIボットが何らかの原因でコンテンツを正しく読めない」状況が発生しているのかもしれない。そうしたギャップを見つけ出し、オンサイト最適化を改善しよう。
このデータは、ほとんどのチームが上司に報告するときに直面する問題を解決するものでもある。AIプラットフォームはクローズドな環境であるため、アトリビューションには限界がある。ボットデータを既存の指標と結びつけることでギャップを埋め、ステークホルダーに提示する具体的な成果が得られる。
結論AIでのビジビリティを高めたいなら、引用される価値のあるブランドになろう
ビジビリティは今や、ウェブ全体で信頼が得られるかどうかにかかっている。専門家の解説やデータ調査、また信頼性を中心としたPR戦略を通じて、信頼される情報源になることに注力しよう。
AIでのビジビリティを高める近道はない。ブランドメンションやサイテーションは強力な基盤から得られる副産物であり、時間をかけて積み重ねられていくものだ。
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