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Google「AIによる概要」のための最適化と注意点

Google検索の「AIによる概要(AI Overview)」には3種類あり、最適化はそれぞれ異なる。SEO戦略における落とし穴も含めて、「AIによる概要」最適化を解説する
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

Google検索の「AIによる概要(AI Overview)」には3種類あり、最適化はそれぞれ異なる。SEO戦略における落とし穴も含めて、「AIによる概要」最適化を解説する。

今回のホワイトボード・フライデーでは、グーグルの「AIによる概要(AI Overview)」や、この新しい超強力なAIによる検索結果のスニペットのためにSEO戦略を最適化する方法について、ギャレット・サスマン氏が解説する。

「AIによる概要」のための最適化 ※ただし自己責任を前提とする
情報
←箇条書き
←サイテーション
←文章
←強調表示されたテキスト
←動画(または画像)
←追加の質問
ショッピング
←商品1
←商品2
ローカル
グーグルの検索アルゴリズム
現実
・関連性のある文章
・サイテーションリンク
AI Overviews Visualizer
生成エンジン最適化(Generative Engine Optimization[GEO])
・統計
・引用
・権威を感じさせる文体
ショッピング
・グーグルのショッピンググラフ
ローカル
・ディレクトリ
・地理的なサブレディット
注意点
・機能の縮小
・限定的な表示
・機能の変更
・変動
・検索順位に対する意図せぬ影響

みなさん、こんにちは。iPullRankのギャレット・サスマンだ。今回は、Google検索の「AIによる概要(AI Overview)」について詳しく説明しよう。

SEOの世界では、グーグルの内部文書流出を別にして最も物議を醸しているテーマだ。AIによる概要とは、検索結果の1番上に表示される、AIを活用した超強力なスニペットのことで、これまで紆余曲折が続いている。

AIによる概要の種類

よく知らない人のために説明すると、検索結果に表示される「AIによる概要(AI Overview)」は、基本的に3種類ある。次のものだ:

  • 情報
  • ショッピング
  • ローカル

「情報」に関する「AIによる概要」は、さまざまな形式のコンテンツで構成される。文章、強調表示されたテキスト、箇条書き、サイテーション、動画など、必ずしもすべての種類のAIによる概要が表示されるわけではないが、基本的には、検索ユーザーが探しているものが何であれ、グーグルは情報を選りすぐって最適な概要を提示する。

次に、「ショッピング」に関する「AIによる概要」は興味深い。というのも、グーグルは商業目的のクエリに対して商品を提示しようとしているからだ。そのため、さまざまな商品や、商品レビューサイトによるおすすめ、クエリに特化したさまざまなタグが表示される。

そして、「ローカル」は、サイテーションやリスティング、マップパックなどが表示される既存のローカルパックと非常によく似ているが、AI検索が使われている。

AIによる概要の仕組み

では、どのような仕組みになっているのだろうか。実は、グーグルは「基本的な検索アルゴリズムを使っているだけだ」と言っている。つまり、検索アルゴリズムがあって、それがクエリを参照し、インデックス全体を調べ、情報を見つけ、AIによる出力を生成し、それをコンテンツから取得した特定の文章で補完するということだ。これらのリンクを加えて、新しいバージョンを生成し、AIによる概要ができあがる。これらすべてが一瞬で行われる。

当初はこの処理に1分かかっていたため、ユーザーが果たしてこれに注意を払うかどうか、下までスクロールするかどうかが懸念されていたが、現在は本当に速くなっている。

そのため、実際のところ、通常のオーガニック検索アルゴリズムは使っていないのが現実のように見える。ここ1年にわたるテストを経て開始されたが、関連性のみを考慮しているようだ。AIやあらゆる種類のSERP結果について僕たちが慣れ親しんでいるのは、オーソリティ、リンクや被リンクといったものだが、ここでは実際、関連性だけだ。

では、どのような仕組みなのだろうか。グーグルは言葉を数学で理解している。すべての単語には数学的な「値」があるため、グーグルが実際に何をしているかと言えば、ユーザーからクエリを受け取り、同じように関連性の高いコンテンツの数学的「値」を持つ文章と比較する。

具体的にどうするのかについては、安心してほしい。「AI Overviews Visualizer」というツールを使えば、ターゲットクエリに対する自分のコンテンツの関連性を確認できる。このツールの開発元はMarket Brewで、無料で利用できるオンラインサービスだ。

何ができるかと言えば、クエリがあり、コンテンツがあるとして、それを入力すると、パーセンテージが表示される。ここで非常に高い比率が得られれば、コンテンツのターゲットとの関連性も非常に高いということだ。

※Web担編注 最初にURLを入れるが、その処理に時間がかかる。「This URL is processing now」と表示される場合は、しばらくしてから画面をリロードしてみるといい。

違う画面になったら、「Query」に検索クエリを入れれば、評価結果が表示される。日本語も処理できるようだが、画面はすべて英語だ。

AIによる概要のために最適化する方法

次に、AIによる概要のための最適化に関して、プリンストン大学とデリー大学の研究者らが実施した興味深い研究によると、特定のテクニックを使うことで、これらの超強力なAIによる概要に表示されやすくなるという。

まず、自分のコンテンツをリバースエンジニアリングし、数学的に関連性の高いコンテンツであることを確認する。AI Overviews Visualizerを使ってそれをチェックする。それが出発点だ(AI Overviews Visualizerはアップデートが多い点に注意)。

その上で、次のようにコンテンツを修正する:

  • 権威を感じさせる文体にする
  • 引用する
  • 統計値を使う

そうすれば大規模言語モデルの出力に表示されやすいことを研究者らは統計的に発見した。なお、注意点については後で取り上げる。

ショッピングクエリの場合は少し異なる。ショッピングクエリは、グーグルのショッピンググラフのみ重視する傾向がある。たとえば、次のものだ:

  • マーチャントフィードに流している情報
  • 商品レビュー
  • 君の商品について話題にしているRedditなどのサブレディットやフォーラム
  • 「お、ランニングにぴったりのシューズだ」などと話しているような以前からのアフィリエイト一覧記事
※Web担編注 「Reddit」は英語圏で人気の大規模掲示板のこと。「サブレディット」はReddit内の特定トピックのコーナーを指す用語。

これらに焦点を当てた標準的なショッピングの結果なら、商業的な検索結果に表示されやすくなる。

そして最後に、ローカルだ。

ローカルは典型的だ。ディレクトリや地理的な近さ、実際にその地域にいることを確認したうえで、実は意外なことに、ローカル系のサブレディットのような場所に表示される。

僕はバージニア州北部に住んでおり、バージニア州北部のサブレディットがある。ローカルクエリでは、そのサブレディットでおすすめされたレストランが表示される可能性が高い。

AIによる概要のために最適化する際の注意点

さて、先ほど触れたように、最適化には注意点がある。

確かに魅力的だ。自分も表示されたいと思う強調スニペットのようなものだが、その下のオーガニックに表示されるとは限らない。関連性について対応を誤ると、検索順位に影響するかもしれないリスクがある。

他の注意点として、グーグルはこの機能を縮小させている。グーグルがこれをどう展開していくかという点で、確実なことはわからない。当初は至る所で展開していた。AIで生成されたあらゆる種類の結果が表示されて、大きな論争の的となり、否定的な報道が相次いでいたところ、グーグルはこれをクエリのわずか1%まで大幅に縮小させた。個人的には、時間が経てばもっと広範に展開されると期待しているが、現時点ではそこまでに至っていない。

2つ目は、表示が限定的なことだ。先ほど言ったように、現時点ではクエリの1%にしか表示されない。では、それに時間を費やす価値があるのだろうか。答えは君のSEO戦略と、それらのキーワードが君にとってどれほど価値があるかによる。現時点でオーガニック検索の上位5件に表示されていなくて、このままだと上位に割って入れる見込みのない状況で大手ブランドに対抗しようというのであれば、「Aiによる概要」向けに最適化してみる価値はあるかもしれない。

それに、機能も変化している。これまでに、追加の質問のようなものが表示されたことがある。以前にあった機能だが、削除された。以来、目にしていない。これは大きなアピールポイントだったので、個人的には復活してほしいと思っている。というのも、重要なのは、「AIによる概要」から次へとつながるジャーニーの過程なのだが、削除されてしまった。復活するかもしれないが、僕たちにはわからない。

変動もしている。ある日表示されたからといって、明日も表示されるとは限らない。AIが生成するものなので、結果は毎回異なる。理論上は、君のコンテンツが表示される可能性もあるが、その点では少しリスクがある。

それに、先ほど言ったように、これに関して対応を誤ると、意図せずして君のウェブサイトの他の部分に悪影響が及ぶおそれがある。

AIによる概要は、SEO担当者にとって厄介だ。僕たちは常に1位になって1番上に表示されたいと思っている。ブランドのビジビリティについて言えば非常に大きな価値があるが、最終的に検索順位が下がったり、機能自体が表示されなかったり、削除されたり、また復活したりするのであれば、その価値はあるのだろうか。それは、君自身が試してみて判断するべきことだ。

僕の名前はギャレット・サスマン。Twitter(現X)でもLinkedInでも、好きな方のSNSで僕を見つけてほしい。Instagramはやっていないので、LinkedInにしておこう。では、また。

用語集
Instagram / SEO / SERP / SNS / アフィリエイト / インデックス / オーガニック検索 / クエリ / クロール / サイテーション / スニペット / タグ / ディレクトリ / フィード / リンク / 被リンク
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