前中後編の3回に分けてお届けしている。→まず前編を読んでおく
この記事では、2026年のSEOトレンドについてさまざまな専門家の予測を紹介している。中編となる今回は、「コンテンツ戦略」「SERP機能」について、専門家の予測を見ていく。
- AIビジビリティ戦略
- コンテンツ戦略
- SERP機能
- 検索戦略(2/16公開予定)
- SEOのレポーティングと測定(2/16公開予定)
- ブランドマーケティングとデジタルPR(2/16公開予定)
- eコマースとオンラインショッピング(2/16公開予定)
- 主なポイント:2026年にオンラインでのビジビリティを高めるには、影響力のために最適化する(2/16公開予定)
コンテンツ戦略 に関する専門家の2026予測
6. SEOは「RAG」と「非RAG」のコンテンツ戦略に分かれる
予測:
2026年、ブランド各社はLLMの検索RAG※をトリガーするクエリやトピックを中心に、コンテンツ戦略を構築するようになる。
なぜそれが重要なのか?
LLMプラットフォームでビジビリティ高めるには、ウェブ検索によるグラウンディング※をトリガーするプロンプトを知ることが重要だ。
検索がトリガーされなければ、回答はモデル本体から生成されるため、再学習されるまで君は影響を及ぼせない。しかし、グラウンディングが行われれば、回答にすぐに影響を及ぼす機会が得られる。
ブランド各社は、コンテンツへの取り組みの効果を高めるために、グラウンディングが行われるプロンプトの特定とターゲティングに注力するだろう。
こんな対策を実行すべき:
「プロンプトが検索によるグラウンディングをトリガーするかどうか」を、グーグルのGemini APIを使って確認する。
ChatGPTが使用しているウェブ検索キーワードを調べるには、デベロッパーツールを利用※できる(公開APIはない)。
※次のようにする:
- ChromeでDevToolsを開いた状態でChatGPTと会話する。
- [ネットワーク]タブでNameが「conversation」のリクエストを選ぶ。
- 右側に表示される詳細の[レスポンス]タブの内容で、search_probとsearch_model_queriesを見つける(search_model_queriesはJSON内でUnicodeエスケープされているので、UTF-8にデコードして確認)。
7. トップオブファネルのコンテンツは、「検索」から「LLMでの発見」に変化する
予測:
まずAIアシスタントで回答を得ようとするユーザーが増えるにつれ、トップオブファネル(TOFU)コンテンツは「検索ビジビリティ」から「モデルの影響力」にシフトする。
なぜそれが重要なのか?
LLMは新たな認知エンジンとなった。回答に専門性が反映されていないブランドは、検索される前からビジビリティを失う。
AIによる回答に表示されるブランドは、情報提供や信頼できる情報源からの引用獲得をつうじて、ファネルの上部を支配する。この変化を無視すれば、興味関心が生まれた瞬間からすでにオーディエンスを失っていることになる。
こんな対策を実行すべき:
データが取得されることを想定して書く: LLMが簡単に取得して再利用しやすい「質問」「定義」「簡潔な例」を使う。
サイト外部に配信する: モデルの影響範囲を拡大するために、オーソリティの高いドメイン名で「ソートリーダーシップ」「ゲストコンテンツ」「公開データ」をパブリッシュする。
トピックの重要性を高める: グーグルやLLMにオーソリティを示すために、作成するコンテンツは常に相互リンクして、ニッチ分野での専門性を強化する。
AIでのプレゼンスを調査する: 自分のカテゴリで表示されるコンテンツをAIツールにたずねる。自分のブランドが表示されない場合は、最適化する価値があると見なす。
8. パフォーマンスの高いコンテンツは、明確さやわかりやすさを優先する
予測:
2026年、コンテンツのパフォーマンスの高さは、わかりにくさを最小限に押さえつつ、高い情報利得(Information Gain)率を確保できるかどうかで判断される。つまり、価値を重視した簡潔な要約を冒頭に置き、すぐにインサイトをもたらす必要があるということだ。
なぜそれが重要なのか?
SurferのSEOレポートによると、「AIによる概要」で引用される割合は導入部分が43%高いという。明確さとコンテキストを確保しておけば、注目が集まり、うまくいけば引用してもらえる。
こんな対策を実行すべき:
情報利得率をもちいてコンテンツを構成する。インサイトから始め、曖昧な前置きを省き、すぐに内容に入る。
「簡潔なセクション」「明確な見出し」「1つのアイデアに焦点を当てた段落」でコンテンツを構成する。すべての文章に意味を持たせる。
9. 需要主導型コンテンツが成功の鍵を握る
予測:
2026年には、注目を集めて親近感を与える「需要主導型コンテンツ」がSEOを牽引する。対話型AIが検索を変革しており、従来のSERPに依存することなくオーディエンスと直接関係を築くブランドが勝者となる。
なぜそれが重要なのか?
未来はクリックレスになりつつある。AIプラットフォームにチャットの履歴が保存され、フォローアップの質問にも1つのスレッド内で回答が得られる未来だ。
グーグルやLLMはユーザーをウェブサイトに送り込むことなく、エンドツーエンドの検索体験を提供しようとしているため、オーガニックトラフィックは減少し続けるだろう。
ビジビリティを維持するために、SEO担当者は外部プラットフォームでの需要をとらえ、ユーザーに直接コンテンツを提供できるほど親近感を深める必要がある。
こんな対策を実行すべき:
AIで表示できないコンテンツ形式を優先する(テンプレート、オンラインセミナー、ソートリーダーシップコンテンツなど)。
新しいトピックを予測し、いち早く公開する。ユーザーは信頼できる情報源へのリンクを求めており、それこそがメンションやブランドエクイティの獲得につながる。
ソーシャルメディアでニッチに特化した話題のトピックを使い、習慣化を促すコンテンツを作成し、繰り返し来てもらえるようにする。
チマ・メジェによるその他の情報:
10. コンテンツの成功には、「ストーリーテリング」が不可欠になる
予測:
2026年、ストーリーテリングは「あると良いもの」だった過去から脱却し、「成功をもたらす基盤のコンテンツ戦略」になる。
AIは要約を生成できるが、人間の経験や独自の視点を再現することはできない。ストーリーテリングは、記憶に残り、共有可能で、引用する価値のあるコンテンツにするための差別化要因になる。
なぜそれが重要なのか?
マーケターの42%がAIを使ってコンテンツを制作している業界で、ストーリーテリングは雑音をはねのけ、人間やアルゴリズムに価値を伝える役割を果たす。
ストーリーテリングは「心のつながりを築いてブランドを想起してもらう手段」であり、コンテンツを直接提供するには欠かせない要素だ。
こんな対策を実行すべき:
ストーリーで導いてから、データを示す: 問題を提起する身近な逸話をコンテンツの冒頭に置き、続いて解決策を紹介する。このアプローチにするとエンゲージメントが高まり、AIO(AI検索最適化)やジャーナリストから見て引用しやすいコンテンツになる。
変革を示すケーススタディを作成する: 結果だけでなく、その結果に至るまでの過程を示す(良い結果であれ悪い結果であれ)。典型的なケーススタディより、パーソナライズされたストーリーテリングの方がオーディエンスの共感を得やすい。
コミュニティプラットフォームで実例を共有する: ユーザー生成コンテンツがLLMの回答に影響を及ぼす場所で直接エンゲージする(たとえばRedditのようなフォーラムなど)。ストーリーを重視した交流により、ブランドのビジビリティを高め、オーガニックで大量に引用してもらえる。
SERP機能 に関する専門家の2026予測
11. SERP全体で、AI機能が重層化および多用される
予測:
2026年、検索結果はより複合的になる。「AIによる概要」「ショッピングモジュール」「ウェブページのガイド」「さまざまな場所に表示されるネスト型のオーガニック検索結果」といった形式が組み合わされ、ときには3位以下の場所や他の要素の中に表示されるようになる。
なぜそれが重要なのか?
「AIによる概要」導入にともなうオーガニッククリックの急減を特徴とする2025年の「大いなる分離」は、ユーザーのSERPとの関わり方を変えた。
AIで生成される機能の定位置がページのもっと下のほうになるか、あるいはさらに複雑になったとしても、獲得するビジビリティとトラフィックは依然として大きい。
こうした長文形式または多段階の機能が増えるほど、SEOの成功にとってAIでのブランドビジビリティが重要になる。
こんな対策を実行すべき:
コアレポートの一環として、SERP機能やAIビジビリティを追跡する。
「AIによる概要」と「トップオブファネルのSEO」を1つの統合戦略と見なす。
デジタルPRに投資し、AIビジビリティを支える第三者のメンションを獲得する。
すぐにクリックが得られなくても効果が大きいコンテンツを作成する。
特にJavaScriptフレームワークを使用する場合は、テクニカルSEOを強化してサイトを必ずクロール可能にする。
トム・カッパーによるその他の情報:
12. 検索エンジンは、低価値なページのクロールとインデックス化の優先度を下げる
予測:
ウェブは低価値なAI生成コンテンツで飽和状態に達し、高価値で独自のコンテンツを優先する戦略への急激な変化を迫られる。
なぜそれが重要なのか?
検索エンジンは低品質なコンテンツに圧倒されてしまい、明確な価値を示さないページのクロールとインデックス化の優先順位はますます低下する。
LLMは、確立されている事実やブランドを使って回答を組み立てるナレッジベースのシステムであり、よく知られている名前に偏りやすい(増幅ループ)。
状況に応じたランキング(ICR)や「ディープリード」などの新たに提案されている検索順位決定方法は、キーワードを精査するだけでなく、ドキュメント全体の概念的関連性を処理する傾向に移行しつつあることを示している。
こんな対策を実行すべき:
専門性を示す: 特定分野の専門家(SME)を起用して信頼を高め、AI生成コンテンツとの差別化を図る。テキスト、画像、動画を使ってトピックのオーソリティを示す。
パフォーマンスを優先する: 重要なコンテンツがすばやく読み込まれるように、主要ページを優先する。低速なクライアントサイドのJavaScriptでは、ChatGPT-Userのようなリアルタイムのクローラーに対応できない。
セマンティックHTMLと構造化されたデータを利用する: 構造化されたデータ(スキーマ)をナレッジグラフとして利用し、「ブランド」「製品」「コンセプト」をAI向けに明確に定義する。ページごとに強力な概念全体の表示に重点を置く。
13. Web Guideが、情報収集型クエリのデフォルトのSERPになる
予測:
2026年には、グーグルのWeb Guideがインフォメーション(情報収集)型クエリの標準SERP形式になる可能性が高く、従来の検索とAIによる回答の要素が融合することになる。
なぜそれが重要なのか?
Web Guideは、オーガニック検索のルック&フィールとGeminiなどのAIモデルの論理を組み合わせたものだ。オーガニックに見えるが、Web Guideの結果は元のクエリからの「ファンアウト」で生成され、1件のSERPで複数の関連する検索をしたり、数百件の結果を表示したりできる。
これらの結果ではコンテキストに基づいて表示スニペットが書き換えられることが多く、meta descriptionはほぼ無視される。
幸い、SEOに関する僕たちの中核スキルの多くは「AIモード」より「Web Guide」との関連性が高い。ただし、キーワード調査については、より広い視野で考える必要がある。
こんな対策を実行すべき:
検索ジャーニー全体をマッピングする: 関連するフォローアップ質問を特定して、ユーザーがトピックをどうナビゲートするかを予測する。1つのキーワードだけでなく、より広範なジャーニーに対応できるようコンテンツクラスターを最適化する。
トランザクション(取引)型のファンアウトをターゲットにする: メインキーワードがインフォメーション(情報収集)型でも、より強い意図を示唆するファンアウトを探し、そうした意思決定段階のクエリに合致するコンテンツを作成する。
パッセージランキング向けにコンテンツを構造化する: 明確に定義された独立型のセクションでコンテンツを構成し、単独で表示されるようにすることで、より多様なクエリでのビジビリティを高める。
グーグルの「AIモード」に関する詳細情報:
これまで2回にわたって専門家の予測を紹介してきたこの記事も、次回が最終回となる。後編では、「検索戦略」「SEOのレポーティングと測定」「ブランドマーケティングとデジタルPR」「eコマースとオンラインショッピング」について専門家らの予測を紹介する。
(後編は2/16公開予定)
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