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SEOは死んで「SXO」へ? 検索意図を行動データで分析する方法

クリックを追うだけのSEOは終わり、これからは「SXO(検索体験最適化)」の時代へ。検索ジャーニー最適化の手法を解説する。

Moz, Giulia Panozzo[執筆]

7:05

この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

行動データを分析して検索のパフォーマンスを向上させる方法を学ぼう。基本のGoogle Search Consoleデータから高度なニューロマーケティング指標まで、3つのレベルの診断ツールと、それらを使って検索ジャーニー全体を最適化する方法を紹介する。

検索のための行動データについてまとめたデジタル版ホワイトボード。

こんにちは、私の名前はジュリア・パノッツォ。神経科学者から転身したマーケターだ。今回は、検索にとって重要な行動データについて話したい。なぜ行動データなのかと言えば、それは検索が劇的に変化したからだ。

「AIによる概要」やオーガニック商品カルーセルなど、ここ1年で次の2つの検索に影響を与える機能が導入された:

  • インフォメーション(情報収集)型
  • トランザクション(取引)型

これにより、既存の形の検索が変化しただけでなく、検索行動も変化した。

「AIによる概要」やオーガニック商品カルーセルなど、検索に影響を与える機能が導入された。

ユーザーはすでに以前よりも対話型の検索をしており、その検索ジャーニーは今や次のようなさまざまなチャネルにまたがっている:

  • ソーシャルメディア
  • LLM(大規模言語モデル)など

Gartner.comによると、従来の検索エンジンボリュームは2026年までに25%減少し、検索マーケティングは「AIチャットボット」やその他の仮想エージェントに市場シェアを奪われる見込みだという。

検索はもはや直線的なジャーニーではない

検索ジャーニーはもはや直線的ではなく、SEO、SXO、CRO、UXが含まれる。

SEOは今や、ユーザー主導のジャーニー(それはもう直線的ではない)で評価されるようになっている。SEO担当者はこれまでユーザー行動についてまったく話そうとせず、正式なランキングシグナルではないとしてUXチームに任せてきた。しかし、グーグルの内部文書流出マーク・ウィリアムズ=クック氏の研究による最近のデータから浮き彫りになったのは、次の2点だ:

  • 検索順位におけるユーザーシグナルの役割
  • 「ユーザーの意図に深く応えることがウェブサイト全体の評価につながる」点の重要性

検索のための最適化は、もはや単にウェブサイトへのクリックを獲得しさえすれば済む話ではなく、ジャーニー全体を包含するものであることを認識する必要が出てきた。これは現在、SXO(Search Experience Optimization:検索体験最適化)と呼ばれているもので、SEO、UX、CRO(コンバージョン率最適化)が交わる領域にある(サラ・フェルナンデス氏がよく記事にしている概念だ)。

これらすべての分野に共通するのは、最終的に最適化の恩恵を受けるのがユーザーであるという点だ。したがって、私たちが知っているSEOは死んだかもしれないが、検索の未来は「ユーザー行動を分析して予測し、それに応じて最適化する」ことにある

アテンションとコネクションの側面を理解して使いこなすことが重要だ。

ユーザーについて話すとき、私たちは「常に意思決定を行い、バイアスを持っていることが非常に多い人間のユーザー」を想定している。これらのバイアスがどういったものかを理解することはマーケティングに携わるすべての人にとって重要だ。しかし、ユーザーの行動を理解して影響を与えるには、結局のところ主に次の2つの側面を理解して使いこなすことに尽きる:

  • アテンション(注目)を得る → 膨大にある選択肢の中で目立つようにする
  • コネクション(つながり)を育む → ユーザーがくり返し戻ってくるようにする

ただし、言うまでもなく、提供できるものがユーザーの検索対象に関連していることが前提だ。

だからこそ、従来のSEO指標以外の分析も取り入れる必要がある。考慮すべき新たなデータは、検索体験全体と複数の接点にまたがっており、行動データも含まれる。

行動データの分析は、医師の診察に似ている

医師に例えた場合の概要。

「行動データを見て検索戦略を立てる」ことは、「医師が患者を診察する」のと似ているだろう。その全体は、次の3つのステップに分けられる:

  1. 訴えや症状を聞く
  2. データを分析して根本原因を診断する
  3. 治療法を指示する

それぞれ解説していこう。

ステップ1症状を分析する

症状から始めるのが簡単だ。SEO担当者にとっては比較的見つけやすく、でもビジネスサイドの人たちにとって扱いにくい問題であることが多いからだ。これは、ステークホルダーが最も気にかけ、君に注意を促す問題だとも言える。具体的には、次のようなものだ:

  • サイトへのトラフィック減少
  • クリック率の低下
  • インプレッション数の減少
  • 平均受注額やコンバージョンの減少 など

これらは通常、内部で何か問題がある場合に表面化する現象に過ぎないため、もう少し深く掘り下げる必要がある。

ステップ2根本原因を診断する

根本原因の分析では、いくつかの診断ツールを使用できる。これらのツールは、入手可能なデータの3つの異なるレベルに対応する。次の3つのデータだ:

  • 基本的な行動データ
  • 次のレベルのデータ
  • 予測データ

1つずつ見ていこう。

分析1. 基本データ

基本データは、購入や設定が不要なツールで取得できる。その1つがGoogle Search Consoleだ。ブランド検索と非ブランド検索の両方の視点からCTRを見ることで、「検索意図に合っていないページ訪問」を見つけられる。

Search Console以外のデータはほとんどが定性的なものを扱うことになる。たとえばアンケート、CXログ、ソーシャルメンション、レビューなどだ。これらのデータからは、「購買ジャーニーの前後で共通して不満が生じるポイント」を特定できる。部門の垣根を超えて協力し、ユーザーが求めているものを把握しよう。

それから、ライブテストもある(ABテストや一部のユーザーに限定したロールアウトを実際のサイトで行うテスト)。これは最も時間のかかる選択肢だが、推測する余地が少ないため、最も有益な方法の1つともなり得る。

基本データは依存関係が低い~皆無。

分析2. 次のレベルのデータ

次のレベルのデータは主に定量的なものであり、「ウェブ解析」や「ヒートマップ」などのトラッキング設定が必要なツールで取得できる。これらのツールはユーザーの不満を積極的に伝えるものではないため、記録されるユーザー行動はそれほど明白でないこともある。したがって、正しく分析するにはそれなりに推論が必要になる。

ウェブ解析からは、次の4つに関連する例を確認できる:

  • エンゲージメント時間
  • エンゲージメントセッション
  • 直帰率
  • 離脱ポイント

ヒートマップツールでは、インタラクションの情報とウェブ解析から得られたすべてのデータを統合できるため、「十分な注目を得られていない領域」だけでなく、「実際には機能していない要素」(デッドクリック、レイジクリック、エラークリックなど)も見つけられる。

通常、これらの追跡ツールを通じて、一部のジャーニーが途切れる理由や期待どおりに終わらない理由を推測できるが、何が起きているかを本当に理解するには、定性データと組み合わせることを私は推奨している。

次のレベルのデータには通常、トラッキング設定が必要。

分析3. 予測データ

最後に、予測データがある。これは入手が最も難しい。特別なシステムが必要なうえ、それを適切に解釈するための訓練も必要だからだ。しかし、このデータがあれば、ユーザー自身も常に自覚しているとは限らない嗜好や行動が明らかになる。

たとえば、アイトラッキングはヒートマップデータよりも1つ先のレベルに位置付けられ、アテンションのパターンや見落とされる領域を示してくれる。ページの設計に役立つ情報であり、24時間365日にわたって常に刺激が絶えないいまの世界でアテンションは貴重な資源であることを考えると、これは重要だ。

一方、マーケティングの刺激に対する神経の活性化を測定するものもある。次の3つだ:

  • 皮膚電気活動(EDA)
  • 脳波(EEG)
  • 機能的磁気共鳴画像法(fMRI)

これらは、ユーザー自身が自覚する前にコンテンツへの嗜好を把握して予測するのに役立つ。

予測データには、機器と専門的な訓練が必要。

ステップ3優先順位を付けて対処する

利用可能なあらゆる診断ツールと予測ツールを把握したところで、次に治療計画を立てよう。ビジネスの規模に応じて、協力や優先順位付けが必要になる場合があるため、円滑に進めるには、次のようなことを自問してほしい:

  • この修正にかかる時間や労力はどの程度か?
  • この修正はビジネスの成功にとってどれほど重要か?
    • 緊急のものか(ナビゲーションやコンバージョンの障害を解消するなど)?
    • 緊急ではないものか(あれば便利な機能の追加など)?
  • この問題の修正がより広範なビジネスに与える影響やROIは?

これにより、優先順位付けマトリックスに記入するための情報が得られる。このマトリックスに従って、影響が大きいものはすべて今すぐに片づけるか、または近い将来に対処し、影響が小さいものはすべて延期するか破棄しよう。

マトリックスに影響を与える取り組みの例。

追加のヒント修正内容と解決される問題を記録する

修正する場合は、「その修正によってより深いレベルでどのような問題が解決されるか」を必ず記録しよう。そうすることで、複数の領域にまたがる改善の機会を把握できる。

たとえば返品について、「検索は多いがクリック率が低い」場合、修正策として返品ポリシーを「オンページ」と「マーチャントセンター」の両方でより見やすくすることもできる。ユーザーのニーズと、この修正で解決できる潜在的なバイアスを考えると、これは損失を回避するためのニーズだ。

つまり販売前のメッセージング(「無料トライアル」や「クレジットカード不要」など、時間とお金の両方を節約できることをユーザーに伝える表現)といった他の領域でも、このニーズに先回りして対応できる。

複数の領域にまたがる機会の特定。

まとめ

今や、行動データを考慮に入れるのは、検索のプロとしての私たちの責務になった。

UXの専門家でなくても調査はできるし、肩書きを理由に優れたコンテンツや商品をオーディエンスに提供しない言い訳をしてはならない。SEO担当者として、私たちの仕事はユーザーをサイトに誘導した時点で終わるわけではなく、ジャーニー全体を通して続くのであり、ユーザーインタラクションを肯定的なものにして、途中で離脱されないようにしなければならない。

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