AI検索が勢いを増し、オーガニックトラフィックは減少し、SERPは目まぐるしく変化し続けた ―― SEO担当者にとって2025年は激動の年だった。こうした変化の激しさに「ついていけない」と感じているのは、君だけではない。
この記事では、
- AI検索でのビジビリティを高め
- 成功指標を再定義し
- 2026年に成果をもたらす
ためのSEO戦術について、13の質問に答える形式で解説する。
質問内容は、下記のとおりだ:
- 質問1. ほとんどのクエリで「AIによる概要」や「AIモード」が出るようになった今、メディアはコンテンツをどう捉え直せばいいのか?
- 質問2. サイトのコンテンツをAIで生成しても安全なのはどんな場合? やっぱり人間が主導しないとダメ?
- 質問3. 掲示板などのUGMがより上位に表示されるのに、企業はどう対応すべきか?
- 質問4. グーグルが次々と方針を変えるなかで、意味のあるパフォーマンス基準を設定するにはどうすればいいか?
- 質問5. GEO/AIを成功させるために、現在どのような指標を追跡しているか?
- 質問6. GEOに投資すべきか? それとも、それは流行を追うだけになるか?
- 質問7. レシピ、食、旅行ブロガーはAIクローラーをブロックすべきか?
- 質問8. 「SEOを理解していないのにGEOに固執する」ステークホルダーに、どう対応すればいい?
- 質問9. 「SEOは死んだ」という論調を真剣に受け止める人がいるのはなぜか? 実際のSEO担当者はどう対応すべきか?
- 質問10. 米国の独占禁止法判決は、検索に真の競争をもたらすと思うか? それともAIエンジンが別の大手に変わるだけか?
- 質問11. 2025年の検索トレンドで最も過大評価されていたものを1つ挙げるとしたら? また、代わりに注目すべきものは?
- 質問12. 2026年に予想されるアルゴリズム更新は?
- 質問13. 2026年における検索の変化で最も影響を受けると思うニッチ分野や業界は?
前編となるこの記事では、質問1〜8を詳しく見ていく。
コンテンツ制作
質問1 ほとんどのクエリで「AIによる概要」や「AIモード」が出るようになった今、メディアはコンテンツをどう捉え直せばいいのか?
それはビジネスモデルによって異なる。君のビジネスがトラフィックに依存しており、ページビューやアフィリエイトリンクを通じて売上を得ているなら、厳しい状況になるだろう。なぜなら、「AIモード」や「AIによる概要」は、ユーザーにクリックさせて他のサイトに移動してもらうのではなく、その場にとどまってエンゲージしてもらうように設計されているからだ。
この分野のパブリッシャーは、チャネルを多様化し、次のようなものにも注力する必要がある:
- ソーシャルメディア
- メールマガジン
- 有料マーケティングなど
視野を広げれば、私たちはもう何年もファネル上部のトラフィックを追いかけて、大量のトップオブファネル(TOFU)コンテンツを公開してきた。今後は「エンゲージメント」と「コンバージョン」の両方を実現するコンテンツの制作にシフトする必要がある。たとえそれで制作するコンテンツが減少するとしても、この新たな環境では“少ないほど良い”とされる。
質問2サイトのコンテンツをAIで生成しても安全なのはどんな場合? やっぱり人間が主導しないとダメ?
技術的にはイエスだ。グーグルは次のように述べている:
コンテンツがAIで作成されたかどうかは問題ではない
しかし実際のところ、アルゴリズム更新の影響を受けている多くのサイトは自動生成コンテンツに大きく依存していることが多い。したがって、リスクがまったくないわけではない(「安全」なケースも一部にあるかもしれないが)。
AIをコンテンツ制作に役立てる場合は、次のようにすることで品質を向上させられる:
- 人間の専門知識や独自のインサイトを加える
- 人間が編集を監督する
しかし、品質やユーザーを考慮せずにAI生成コンテンツだけを増やしていくと、問題が生じやすくなる。
私個人としては、慎重な姿勢を取っている。私たちの場合は人間が書いたコンテンツを優先し、AIは「代替手段」ではなく「補助ツール」としてのみ使っている。
質問3掲示板などのUGMがより上位に表示されるのに、企業はどう対応すべきか?
グーグル検索結果で特に「Reddit」や「Quora」のような掲示板などのユーザー生成のフォーラム系メディアがビジビリティを高めている。企業やメディアにとって、これは大きな課題だ。場合によっては、君のブランドに関するRedditのスレッドが君のサイトより上位に表示されることがあり、しかも否定的なコメントが書かれていることも多い。
しかし、企業側が取れる対策はある:
まず理解すべきは、好むと好まざるとにかかわらず、グーグルや大規模言語モデル(LLM)ではフォーラムを重視することだ。
自分のオーディエンスがいる場所で、オーディエンスに接しよう。ブランドのサブレディットや、社内の人間による誠意を持った参加を通じて、こうした空間で誠実にエンゲージすることだ。
フォーラムでは、君が何者かをはっきりと示して、自社の宣伝にならないようにし、プラットフォームのガイドラインに従うようにすることで、出禁にされないようにしよう。
評判管理だけでなく、Redditを調査に利用しよう。フォーラムでは、君のブランドについて人々が何を話しているかがわかる。その知見を活用し、プラットフォームの枠を越えてメッセージングやコンテンツを改善しよう。
成功指標のレポーティング
質問4グーグルが次々と方針を変えるなかで、意味のあるパフォーマンス基準を設定するにはどうすればいいか?
まず覚えておくべきは、「これが誰にでも等しく影響している事象」だということだ。グーグルが変更するのはレポーティング方法の変更であって、必ずしも検索におけるサイトの表示方法が変わるわけではない。グーグルがさまざまなアップデートを進める背景にあるのは、LLMやAIクローラーによる過剰なクロールを制限しようとする意図だ。
だがこれまでも、20位より下位はほとんど価値がなかった。行動につながるというよりも、方向性がわかる程度のものだった。
今後は、上位での表示や、次のような幅広いビジネス指標に注力する必要がある:
- AIでのビジビリティ
- ブランドリフト調査
- ブランドインプレッション
質問5 GEO/AIを成功させるために、現在どのような指標を追跡しているか?
今は厄介な時期ではある。というのも、「ChatGPT用のGoogle Search Console」がなく、Googleアナリティクス4では「AIによる概要」や「AIモード」のトラフィックの内訳が表示されないからだ。このようにツールは限られているが、私たちは適応しようとしている。
AIでのビジビリティを高めるレポーティング調整方法は、次のとおりだ:
LLMリファラーの分析設定: まず、生成AI(LLM)からの参照トラフィックを分析できるようにGoogleアナリティクス4などの分析プラットフォームで設定していることを確認する。可能な限りLLMからのトラフィック、エンゲージメント、コンバージョンを獲得するにはその情報が必要だ。
自己申告型アトリビューションの追加: 次に、問い合わせフォームやCRMに「自己申告型アトリビューション」を組み込む。君のことをどのようにして知ったのかを、ユーザーに直接尋ねるのだ。これは、オフラインでの「意図」と「AI露出」を結びつける数少ない方法の1つだ。
LLM追跡ツールへの投資: AIビジビリティツールに投資する場合は、「シェアオブボイス」「サイテーション」「競合他社のビジビリティ」といった指標を追跡できるものにすることを勧める。これらのツールには、プロンプトバイアスやパーソナライゼーションの欠如といった制約はあるが、それでも方向性を示すインサイトが得られる。
AI検索とビジビリティ
質問6 GEOに投資すべきか? それとも、それは流行を追うだけになるか?
どちらも正しい。生成エンジン最適化(GEO)と呼ばれているものの多くは、SEOチームが長年行ってきたことと重なる。
たとえば、次のようなものだ:
- 独自の視点で、データに基づくオリジナルコンテンツを作成する
- 評価の高い執筆者や信頼できるブランドを取り上げる
GEOはAIでのビジビリティを高めるものだが、新しい概念ではない。基本的には、SEOやブランド構築、コンテンツマーケティングに投資してきた人なら、すでにGEOを実践していることになる。まだ投資していない人は、今こそ投資すべきだ。AI検索において重要なのは間違いないからだ。
質問7 レシピ、食、旅行ブロガーはAIクローラーをブロックすべきか?
これは本当に難しい問題だ。私の知る限り、旅行分野ではすでに一部の人がAIクローラーをブロックしている。自身のコンテンツをオリジナルだと考え、無償で転用されることに同意していないからであり、その考え方は完全に理解できる。
しかし、トレードオフがある。AIクローラーをブロックすれば、AI検索でのビジビリティが制限される。ブロガーは一種の「囚人のジレンマ」に陥ることになる。コンテンツを壁で囲めば保護できるかもしれないが、人々が検索しているプラットフォームで表示されなくなるリスクもある。
それに、すべてのクローラーがこうしたブロックを尊重するわけではないため、保証はない。だが、もし本当にコンテンツを自分のオーディエンス向けにとどめて、トラフィックは他のチャネルを利用したいなら、それはビジネスとして有効な選択肢だ。
とは言え、ほとんどの企業やクリエイターはその道を選ばないと思う。消費者の大半がLLMから回答を得ているのであれば、そのエコシステムから完全に身を引くことを正当化するのは難しい。
質問8「SEOを理解していないのにGEOに固執する」ステークホルダーに、どう対応すればいい?
最初のステップは知識を身に付けてもらうことだが、君が広い心を持つ必要がある。検索が変化していることを受け入れ、AI検索で表示されるようになるには何が必要かについて率直に対話しよう。
私たちAmsiveでは、ベン図を用いてSEOとGEOの重なりを示しているが、90%ほどが重複している。
君が最新のトレンドについて必要以上に騒ぎ立てていないからといって、検索の未来に備えていないとクライアントに思われるのは悔しい。しかし、だからこそ、常に先を見越して動くことが重要だ。
インサイトを共有し、リソースを提供し、こうしたモデルの仕組みについて深い知識を持っていることを示そう。
実は最近、MozConでこれについて話したので、私が録画したこの動画を見れば、GEOについてクライアントに説明するのに役立つかもしれない。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、「検索のトレンド」「SERPとアルゴリズム更新」についての考えを聞く。
(後編は4/13公開予定)


