国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
海外&国内SEO情報ウォッチ

AI Overviewsは検索結果を「比較検討の場」に変える。84万セッションのデータで見えてきたユーザー行動の変化【SEOまとめ】

Google検索のAI機能は、「ユーザー行動」にどんな影響を与え、それが「SEO」にどう関係するのか。特にAI Overviews(AIによる概要)が表示されたSERPにおけるユーザーの行動から、「検索結果ページが、すでに比較検討の場になっている」様子が見えてきた

鈴木 謙一[執筆]

7:05

Google検索のAI機能は、「ユーザー行動」にどんな影響を与え、それが「SEO」にどう関係するのか。特にAI Overviews(AIによる概要)が表示されたSERPにおけるユーザーの行動から、「検索結果ページが、すでに比較検討の場になっている」様子が見えてきた。

今回のピックアップは2段階。2記事目は、「検索結果や生成AIサービスで、ユーザーはどう行動しているのか」のクリックデータ分析。Semrushの子会社Datosとランド・フィッシュキン氏による、「今のユーザー行動」を把握しておこう。

今回はAIネタが多い。ピックアップで紹介した2記事以外にも、サイラス・シェパード氏やランド・フィッシュキン氏といった大御所によるAIとSEOの情報、WordPressのプラグイン「All in One SEO」の納得いかない更新や、グーグル公式発表などなど、あなたのSEOとAI最適化に役立つ情報を、まとめてチェックしておこう。

  • AI Overviewsは検索結果を「比較検討の場」に変える。84万セッションのデータで見えてきたユーザー行動の変化
  • 検索は死なない、AIと共存する。2026年Q1クリックストリームデータが示す検索の実態
  • 【AMA まとめ】サイラス・シェパード氏が回答するAI時代のSEOとブランド戦略
  • ランド・フィッシュキン氏「AI時代に勝ち残るのはコンテンツじゃなく独自のプロダクトやサービス」
  • WordPressのAll in One SEOが、導入サイトにllms.txtとMarkdownページ作成をサイレント実行
  • 「2026年5月のコアアップデート」をグーグルがリリース、ランキング変動発生中
  • Google検索25年目の大転換: AIとエージェントが変える「探す」の未来
  • グーグル検索のAI新機能×8(Google I/O 2026より)
  • AIモードとAIによる概要で「優先するニュース提供元」を利用可能に
  • Search Consoleのライブテストで画面が真っ白……でも大丈夫! スクリーンショットよりHTMLを信じるべき理由
  • Google、GEOのための自作自演のブランド言及獲得に警告。有料リンクと同じ
  • Googleが語ったAI検索時代のSEO from Search Central Live Canada 2026

今週のピックアップ

AI Overviewsは検索結果を「比較検討の場」に変える。84万セッションのデータで見えてきたユーザー行動の変化
「探してクリック」から「比較・検証」へ (Growth Memo) 海外情報

AI OverviewsとAI Modeは、ユーザーの検索行動をどう変えているのか。

米国のグーグル検索セッション84万6,000件を対象とする新しいクリックストリーム分析を、Clickstream Solutions(クリックストリーム ソリューションズ)とSurfer SEO(サーファーSEO)が実施した(2026年2月~3月のデータ)。

分析結果から見えた、注目すべき発見をケルビン・インディグ氏がまとめている。簡潔に説明すると次のような発見だ:

  • AI Modeは閉じたループとして機能する ―― ユーザーは概してAIの回答を受け入れ、提示された候補リストから選び、外部サイトへクリックせずに次へ進む。

  • AI Overviewsは検索結果を「比較検討の場」に変える ―― ユーザーは検索結果ページ上により長く留まり、停止し、上方向へスクロールし直し、クリックする前に複数の選択肢を評価する。

注目したいのは、AI Overviews(AIO)側のユーザー行動だ。掘り下げて説明する。

同じユーザーでもAI ModeとAI Overviewsで行動が違う

AI ModeとAI Overviewsは次の数字が示すように正反対の行動を生み出した:

  • AI Mode:
    • 高い受容率 ―― 重要度の高い購入タスクでは、88%のユーザーがAIの候補リストをそのまま受け入れる
    • 上位偏重のインタラクション ―― 74%のユーザーが1位に表示された項目を選ぶ
    • ゼロクリック行動 ―― 64%のセッションでは外部クリックがまったく発生しない
  • AI Overviews:
    • 能動的な評価 ―― ユーザーが動かすマウスカーソルの移動範囲はビューポートの83%に広がる(AIOなしの場合は66%)
    • 意図的な停止 ―― カーソルは44%の時間静止している(AIOなしの場合は29%)。これは、ユーザーが選択肢を比較検討していることを表している

つまり、「AI Mode」と「AI Overviews」それぞれでユーザーの行動は異なる。そのため、それぞれに対する最適化を同じ作業として扱うことはできない。最適化ではそれぞれ次の観点がポイントとなるとインディグ氏は指摘している:

  • AI Mode最適化では、モデル上での露出が必要
  • AI Overviews最適化では、多面的な比較に勝つことが必要

AI Overviewsでは上方向へのスクロールが増える

AI Overviewsでは、スクロール行動の半分が上方向へのスクロールになっていた。具体的には、AI Overviewsが検索結果に表示されていた場合は次のような行動が見られたのだ:

  • ユーザーの総スクロール量の中央値では、47.5%がページを上に戻る動きだった(従来型の検索結果ではわずか27%)
  • ユーザーはもはや単に下方向へスキャンしているだけではない。検索結果ページで直接、情報を能動的に読み返し、検証している

AI Overviews上の掲載結果は、もはや1回だけ見られているわけではない。2回、あるいは3回見られており、その改めての確認時にユーザーは比較判断をしている。

AI Overviewsがない場合(オレンジ色)とある場合(青色)での上方向スクロール行動が大きく異なる。特にナビゲーション目的の検索でその差が大きかった

AI Overviewsがあると検索意図が違っても行動が似てくる

「検索意図」と「検索結果での滞在時間」の関係性が薄くなったことも明らかになった。

従来、検索結果ページでの滞在時間は検索意図に基づいて異なっていた。たとえば、ナビゲーショナル検索のユーザーはすぐに離脱し、ローカル検索のユーザーは地図を見るために長く留まっていた。セッション開始から21秒時点での離脱率をみると、「長く留まる検索意図」と「すぐ離脱する検索意図」の差は20ポイント程度あった。

しかしAI Overviewsが表示されている場合、その差はわずか6ポイント程度に圧縮された。AIOがある場合、どの検索意図でも滞在時間がほぼ同じで、21秒時点でも41.9%から48.5%のユーザーが検索結果でアクティブなままだった。

AI Overviewsがない場合(左)は検索意図によって滞在時間が異なるが、ある場合(右)は検索意図にかかわらず同様な滞在時間を示した(検索意図は「情報収集」「ローカル」「ナビゲーショナル」「トランザクショナル」「動画」の5種類)

ブランドクエリでもSERPで精査される時代

ブランドクエリは、これまではトラフィックへの自動的なショートカットのようなものだった。検索したユーザーは、スムーズに上位の検索結果をクリックする傾向があると考えられていた。

しかし、AI Overviewsでその行動も変わって来ている。

特定のブランドを検索しているユーザーでさえ、AI Overviewsが表示されていれば、AIOコンテンツと周辺の検索結果について確認する行動が増えている。検索結果をクリックする前に権威性チェックを行うために立ち止まっているのだと思われる。

ブランド検索に限定して、AI Overviewsがない場合(オレンジ色)とある場合(青色)での行動を比較。左が「マウスカーソル位置がどれぐらい広い範囲で動いたか」、中央が「21秒経過後もSERPに留まっていた比率」、右が「上方向へスクロールしたユーザーの比率」。
◇◇◇

このように、AI Overviewsが表示されたグーグル検索のSERPは、直線的な「見つけてクリックする」仕組みから、「ブラウズし」「比較し」「検証する」エコシステムへと変わっている

SEOチームにとっての核心的な課題は、「露出を獲得すること」を大前提としたうえで、さらに「検索結果で完全に展開される動的な比較プロセスに勝つこと」へと移っていくのかもしれない。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

検索は死なない、AIと共存する。2026年Q1クリックストリームデータが示す検索の実態
ゼロクリック率の低下とオーガニック検索CTRの回復 (Datos) 海外情報

「実際のPC検索行動」を数千万人のクリックデータに基づき分析したデータを、Datos(デイトス)とSparkToro(スパークトロ)が公開した。2025年1月から2026年3月までの米国とEU、英国における、PCユーザーを対象とした行動データだ。

※DatosはSemrushの子会社。SparkToroは元Mozのランド・フィッシュキン氏の会社。レポートでは、Datosのデータにフィッシュキン氏がコメントする形をとっている。

全体としては、次のような知見を得られる:

  • AIをめぐる文化的な盛り上がりが非常に大きいにもかかわらず、従来型の検索エンジンはオンラインでの発見において依然として支配的な存在だった。従来型の検索エンジンの利用傾向は横ばいで安定している。

  • 一方で、AIツールは着実に成長し、2026年初頭にかけて加速した。しかし、デジタルイベント全体に占める割合はまだ2%未満であり、AIツールは従来型検索を置き換えるのではなく補完していることを意味する。

  • グーグルのAI Modeも急速に利用が広がっており、2026年3月時点でEU・英国での普及率は米国を上回った。一方で、ユーザーはより長く詳細な検索クエリを使用するようになっており、クリックなしで終わる検索は減少し、オープンウェブへのオーガニックトラフィックには小幅な回復が見られた。

調査結果の重要ポイントを整理してお届けする(数値は原則として2026年第1四半期または2026年3月時点のもの)。

従来型検索とAIの成長

  • 検索の支配力 ―― 従来型の検索エンジンは、PC活動の主要な牽引役であり続けており、両地域でウェブ訪問セッション全体の約10%以上を占めた(米国で10.35%、EU/英国で11.23%)。

    (米国)「EC(緑)」「AIツール(赤)」「従来型の検索エンジン(青)」のセッション比率(計測全体セッションに対する各セグメントサイトへのセッションの比率)
    State of Search Q1 2026 (Datos / SparkToro) より
    (EUと英国)「EC(緑)」「AIツール(赤)」「従来型の検索エンジン(青)」のセッション比率(計測全体セッションに対する各セグメントサイトへのセッションの比率)
    State of Search Q1 2026 (Datos / SparkToro) より
  • AIツールの普及 ―― AIプラットフォームは一貫して成長している。米国では、四半期ベースのイベントシェアが1.31%から1.65%に増加した(前年同時期比)。月次では0.41%から0.93%に上昇した(2025年1月対2026年3月)。EU/英国では、AIツールのシェアが1.72%と過去最高に達した。

  • 期待と実態のギャップ ―― メディアで広く注目されているにもかかわらず、AIツールがウェブ訪問全体に占める割合は依然として2%未満であり、広範な行動変化はまだ初期段階にあることを示している。

  • グーグル AI Mode ―― AI Modeは低い基盤から急速に成長している。米国では、そのシェアが0.06%から0.16%に成長し約2.5倍になった(2025年12月対2026年3月)。EU/英国では展開が遅かったが成長は速く、0.06%から0.21%と米国水準を上回った。

検索エンジンの市場シェア

  • グーグルの安定性 ―― グーグルはPC検索で絶対的な優位を維持しており、米国では検索シェア約94.3%、EU/英国では95.5%を占めている。PC検索ユーザーに占めるシェアは、米国で約89%、EU/英国で91.8%〜92.7%前後を維持した。

  • Bingの変動 ―― Bingは2025年12月に一時的な急上昇を見せ、米国で5.33%、EU/英国で4.12%に達した。しかし、その後2026年初頭には米国で3.2%〜3.8%、EU/英国で2.5%〜3.0%に戻った。これは持続的な成長というより、短期的な第4四半期要因を示唆している。

  • 代替検索エンジン ―― DuckDuckGoとYahoo! Search(英語圏向け)は引き続き限定的な存在にとどまっている。DuckDuckGoは2026年1月にピークを迎えた後に低下し、Yahoo! Searchは両地域で下降傾向を続けた。

トラフィックとユーザー行動の変化

  • ゼロクリック検索の減少 ―― クリックなしで終わる検索の割合は、対象期間中で最低水準まで低下し、米国では22.4%、EU/英国では19.6%となった。オーガニッククリック率は米国で44.9%、EU/英国で46.0%に上昇した。

    (米国)検索とクリックの推移(PCのみ)。青色がゼロクリックだった検索で、緑色がオーガニック結果をクリックした検索。
    State of Search Q1 2026 (Datos / SparkToro) より
    (EUと英国)検索とクリックの推移(PCのみ)。青色がゼロクリックだった検索で、緑色がオーガニック結果をクリックした検索。
    State of Search Q1 2026 (Datos / SparkToro) より
  • クエリの長文化 ―― ユーザーはより詳細な検索行動へと移行しており、6語〜9語の中程度の長さのクエリが両地域で着実に増加している。一方で短いクエリは安定しており、これは短い検索の置き換えではなく、追加的な成長であることを示している。

    (米国)検索クエリの長さの推移(単位は単語数)
    State of Search Q1 2026 (Datos / SparkToro) より
    (EUと英国)検索クエリの長さの推移(単位は単語数)
    State of Search Q1 2026 (Datos / SparkToro) より
  • 検索意図の変化 ―― 検索意図に関しては、「情報収集目的」がほとんどの検索エンジンで増加し、米国のグーグルでは64.6%、EU/英国では60.7%に達した。「購買関連の情報収集目的」は緩やかに増加した。「ナビゲーション目的」は全体的に低下し、「購入目的」の検索意図は最小限にとどまった。

検索後の主要遷移先サイト種別

  • 情報・コンテンツプラットフォーム ―― YouTubeは両地域で1位を維持した。Redditは米国とEU/英国の双方で2位に上昇し、Wikipediaは米国で5位、EU/英国で3位に上昇した。これは、情報収集を目的とした検索行動へのより広範なシフトを反映している。

  • Eコマースの伸長 ―― Amazonは米国でトップ3入りし(12位から上昇)、EU/英国ではトップ5入りした。eBayとWalmartは米国のトップ15に入り、eBayはEU/英国のトップ15にも入った。これは、コマースプラットフォームに対する検索起点のエンゲージメントが強まっていることを示している。

  • ソーシャルプラットフォームの分岐 ―― RedditとTikTokは両地域で順位を上げた。対照的に、Xは米国で7位から13位に下落し、EU/英国ではトップ15から完全に外れた。Facebookは米国で低下し、InstagramもEU/英国で順位を下げた。

  • AI遷移先の変化 ―― ChatGPTは従来型検索の遷移先ランキングにおいて、米国で5位から9位に、EU/英国で5位から7位に下落した。

  • 新規参入と圏外化 ―― FandomとMicrosoftは両地域でトップ15入りした。米国では、WhatsApp、グーグル、StackOverflow、Canvaが圏外となった。EU/英国では、Netflix、WhatsApp、グーグル、Copilot、StackOverflowが圏外となり、Steam(steampowered.com)、Pinterestなどに置き換わった。

    ※Fandomはゲーム系のコミュニティ・情報サイト、StackOverflowはIT技術者向けのQ&Aサイト、Steamはゲームプラットフォーム

AI検索エコシステム

  • ChatGPTが首位、Geminiが台頭 ―― ChatGPTは引き続き市場リーダーであり、ユーザーベースシェアは米国で34.8%、EU/英国で44.8%を占めている。Geminiは第2位のツールとして確固たる地位を築き、米国で16.1%、EU/英国で18.9%まで上昇した。

  • Claudeの加速 ―― Claudeは2026年第1四半期に最も急速な成長加速を示し、ユーザーベースシェアは米国で3.58%から8.54%、EU/英国で3.77%から9.61%に上昇した(対前四半期比)。他のAIツールは、シェアが限定的なニッチプレイヤーにとどまっている(Perplexity、Copilot、DeepSeekなど)。

  • AIトラフィックの集中 ―― AIツールから流出するトラフィックは、新たな独立したデジタルエコシステムを形成するのではなく、グーグル、YouTube、Microsoft、Amazonなどの大手既存サービスに集中している。特にAmazonは、米国のAI遷移先ランキングで11位から6位に上昇した。

Eコマース

  • 米国 ―― AmazonはEコマースのPCユーザーの47%〜50%を占め、引き続き支配的である。ただし、ウェブページ訪問に占めるシェアは2026年3月までに44.6%へとやや低下した。eBayとWalmartは安定した第2階層を形成している。TemuとAli Expressは低い水準で推移しており、明確な上昇傾向は見られない。

  • EU/英国 ―― Amazonは41%〜44%のユーザーシェアで首位に立っている。Ali ExpressとeBayは強力な第2階層を形成している。Allegroは、ユーザーあたり検索数で最も高いエンゲージメントを示すプラットフォームとして注目され、ユーザーあたり平均10〜12回の検索を記録している。

  • 季節性パターン ―― 訪問サイト全体におけるEコマース系サイト訪問のシェアは2025年第4四半期にピークを迎え、米国で3.60%、EU/英国で2.55%となった後、2026年第1四半期に低下した。これは構造的な変化というより、季節需要だと考えるほうが自然である。

ソーシャルコンテンツ プラットフォーム

  • YouTubeの支配力 ―― YouTubeは両地域でトップのコンテンツプラットフォームであり続け、ユーザーリーチは米国で約75%〜76%、EU/英国で76%〜78%となった。

  • 明暗が分かれるプラットフォーム ―― 検索後の遷移先ランキングでは、RedditとTikTokが両地域で順位を上げた。対照的に、Xは米国で13位に下落し、EU/英国ではトップ15から完全に外れた。一方、FacebookとInstagramはまちまちな動きを示した。

  • ソーシャル上の検索 ―― 米国ではソーシャルプラットフォーム全体で検索活動が増加しており、従来型検索エンジン以外でのブランドプレゼンスの必要性が強まっている。

ゼロクリック率の低下とオーガニック検索CTRの回復

調査に協力したSparkToro(スパークトロ)のランド・フィッシュキン氏は結果を踏まえて次のようにコメントしている。

今後2年以内に検索の約10%がAI Modeになると見込んでいる。グーグルがAIで回答を出す状況に対してゼロクリックマーケティングを行っていないならば、面倒なことになりそうだ。

「ゼロクリック率の低下」と「オーガニック検索CTRの回復」は、SEOにとって久しぶりの朗報だ。とはいえ、AI Modeの急成長と、日本でも目にする機会が増えてきた日本語訳Redditスレッドの台頭は、従来のSEO戦略の見直しを促す兆候でもある。クエリの長文化も進んでおり、より具体的なニーズに応えるコンテンツ作りが一層重要になっている。

調査概要

調査方法の概要は次のとおりだ:

  • データソース ―― 本インサイトは、数千万人のアクティブなPCユーザーからなるグローバルパネルより収集された、大規模で匿名化されたクリックストリームデータに基づいている
  • データ処理 ―― このプラットフォームは、さまざまな地域、プラットフォーム、デバイスにまたがる数十億件の匿名化されたPCデジタルイベントを毎日処理している
  • 地理的・時間的範囲 ―― 本分析は、米国および欧州(EUと英国)におけるPCユーザー行動に焦点を当てている。主な調査期間は2026年第1四半期(2026年1月〜3月)であり、2025年1月以降の履歴比較データも示されている。モバイルデバイスは除外されている(モバイルは全検索のおよそ3分の2を占める)
  • 指標と算出方法
    • 四半期指標 ―― 月次値の平均ではなく、四半期全体にわたるすべてのデジタルイベントを集計して算出している。この手法により、四半期の数値と月次平均の間に小さな差異が生じる場合がある
    • シェア指標 ―― 基礎となる検索行動を可能な限り客観的に把握するため、複数のデータセットにわたる中央値として算出している
    • 遷移先ドメイン名 ―― ユーザーが検索エンジンまたはAIウェブサイトでの操作直後に訪問する次のドメイン名として定義され、下流の閲覧行動を示す
★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

グーグル検索SEO情報①

【AMA まとめ】サイラス・シェパード氏が回答するAI時代のSEOとブランド戦略
実績豊富なSEOコンサルタントがどんな質問にも回答した (Reddit) 海外情報

サイラス・シェパード氏がどんな質問にも回答するAMA(Ask Me Anything)が、世界最大のディスカッションフォーラムのReddit(レディット)で開催された。シェパード氏は、SEO業界での長年の実績と経験がある優秀なSEOコンサルタントだ。このコラムでも、シェパード氏が共有した有益な情報を何度も取り上げている。

参加したユーザーからの質問と、それに対するシェパード氏の回答をまとめる。

質問 グーグルからのトラフィックを得ておらず、エンゲージメントが別の場所で発生している中小企業でも、ウェブサイトを持つ必要があるのか?

回答

ある。ウェブサイトは、権威あるビジネス情報を探しているAIシステムにとって、究極の「信頼できる情報源」として機能する。

第三者プラットフォーム(たとえば、グーグルビジネスプロフィール、Yelp、Facebook、インスタグラムなど)だけに依存すると、AIがアクセスできる情報が制限され、コントロールも弱まる。ウェブサイトを所有することで、企業はプラットフォームからの独立性を得られ、AIエンジンが引用できる、より深く権威ある情報を提供できる。

質問 AIの回答におけるブランド露出にとって最も重要なシグナルは何で、どのように測定すべきか?

回答

ブランド露出は、「信頼できる情報源における権威ある言及や目立ちやすさ」と相関しているように見える。AIの引用は、「主要クエリ」と「関連するファンアウトクエリ」の両方で良好にランキングすることと強く相関しているように見える。

測定では、「個別のプロンプトに対する結果」ではなく、「専用の露出ツールと大規模なクエリデータセットを用いたAIでの言及シェア(SOV: AI Share of Voice)」に焦点を当てるべき。個々のAI回答は非常にばらつきが大きいため、多数のプロンプトにわたる平均値のほうが、より信頼できる洞察を得られる。

質問 AIチャットからのトラフィックが少ない現在、SEO担当者はどのような成功指標を使うべきか?

回答

「コンバージョン」は引き続き主要な指標である。

それに加えて、SEO担当者はSOV(AIでの言及シェア)を追跡し、従来のオーガニッククリックのレポートでは捉えられない指標をより適切に測定し、その貢献を示せるようになるべきである。指標としては、たとえば次のようなものが考えられる:

  • SEO活動の影響を受けたダークトラフィック
  • ソーシャル経由の紹介
  • 参照トラフィック
  • その他の下流のビジネス成果

質問 ウェブサイトが受ける引用の量は、LLMにおけるブランド言及の確率上昇と相関するのか?

回答

相関はあるように見えるが、量よりも質が重要である。AIシステムがグラウンディングと検索取得にますます依存するようになるなかで、「権威があり信頼されている情報源からの言及」は、「大量にある低品質な引用」よりも影響力が高いようである。

AIのために「言及を作為的に大量生成」する施策は、SEOで大規模な低価値コンテンツが受けたのと同様の精査をいずれ受ける可能性がある。

質問 グーグルのAI、ChatGPT、Perplexityがコンテンツを参照する方法には、有意な違いがあるのか?

回答

かなり似ている。一貫して見られるパターンの1つは、ユーザーのクエリと引用されるコンテンツの強い一致である(「Query-Answer Match」)。ほとんどのAIシステムが検索エンジンを使って回答をグラウンディングする傾向を強めているため、基盤となる検索エンジンは異なる場合があるものの、多くの引用要因はプラットフォーム間で一貫しているように見える。

質問 ニッチブログが、別ドメイン名から関連性の低い記事を統合した後、グーグルからの検索トラフィックが急落した。問題のあるページをどうすれば特定できるのか、回復はどう進めればいいのか?

回答

サイト全体での「品質」と「トピックとの関連性」が重要だ。サイト全体の品質問題からの回復は、すぐに反映されるわけではなく、徐々に進むことが多い。「コンテンツを削除」するだけでなく、「トピックに関連した質の高いコンテンツを継続的に公開」すること。それが、信頼と露出を再構築するためのより持続可能な道筋であるのが一般的だ。

質問 オーガニック検索トラフィックが減少しているとき、社内SEOチームやコンサルタントはどのように予算を正当化できるのか?

回答

SEOチームは、オーガニック検索クリックを超えた「価値」を示す必要がある。これには、たとえば次のようなものが考えられる:

  • コンバージョン
  • ブランド露出
  • AI露出
  • ダークトラフィック
  • 参照トラフィック
  • カスタマージャーニー全体を通じてSEOが貢献するその他のビジネス成果への影響

「トラフィックだけに依存する企業」は、「より広範なビジネスインパクトに焦点を当てる企業」よりも、大きな課題に直面する可能性がある。

質問 AIの引用パターンは、現在のSEOベストプラクティスと矛盾するのか?

回答

基本的には矛盾しない。AIの引用パターンは、従来のSEO原則を補強しているように見える。主要クエリや関連するファンアウトクエリで高いランキングを獲得すると、引用される可能性が高まる。コンテンツが検索で可視化されるのに役立つ要因は、AI生成回答内での露出も同様に高めることが多い。

質問 ニュース、統計、予測を統合して、「スポーツ選手のパフォーマンス予測」を独自に何百もAIで生成するのはリスクがあるのか?

回答

AI支援コンテンツが非常に良い成果を上げることがある。それは、「独自データ」「独自の手法」「オリジナルの洞察」を取り入れている場合だ。

重要な違いは、そのコンテンツが「他のAIシステムでは簡単に再現できない価値」を加えているかどうかだ。だれでもAIで作れるようなコモディティ化したコンテンツは脆弱だが、独自の入力情報に基づいて構築した独自のコンテンツは、大きな成功を収める可能性がある。

質問 AI生成コンテンツはSEOにどのような影響を与えるのか。また、グーグルは大規模なAIパブリッシングを取り締まるようになるのか?

回答

中心的な問題は、「コンテンツがAI生成かどうか」ではなく、「意味のある価値を加えているコンテンツかどうか」だ。

独自の視点がほとんどないコモディティ化したコンテンツは苦戦する可能性が高い。一方で、「独自データ」「独自の視点」「本物のユーザー価値」を中心に構築したコンテンツならば、AI支援で作っても成功できる。プログラマティックSEOの未来は、単に「コンテンツ制作の規模を拡大すること」ではなく、「実際のユーザー課題を解決できるかどうか」に左右される可能性が高い。

質問 AIの回答は、ユーザーによって異なるし、セッションによっても変わる。その前提で、AIでのブランド露出はどのように測定するのがいいか?

回答

単一のプロンプトでの測定は信頼できない。意味のある測定には、次のどちらかが必要で、専門的な追跡ツールを使うことになる:

  • 多数のプロンプトをサンプリングする
  • 複数のクエリとセッションにわたる大規模データセットを分析する

個別の結果よりも、傾向や平均値のほうがはるかに有用である。

質問 競合が広範な検索語を支配している場合、特定の製品属性や機能についてAI露出を獲得するにはどうすればよいのか?

回答

AIの引用はオーガニックランキングと頻繁に相関するため、企業が露出を向上させるには、次のどちらか(または両方)が必要だ:

  • コア用語でより効果的に競争する
  • 競争が少ない関連ロングテールクエリやファンアウトクエリをターゲットにする

関連する属性全体で露出を獲得すると、特定の製品の強みについて引用される可能性を高められる。

質問 「競争の少ないニッチ」では、「競争の激しい市場」よりもAI言及を獲得しやすいのか?

回答

そう考えられる。競争の少ない分野では、AIシステムが選べる権威ある情報源が少ないことが多いため、ウェブサイトが主要な引用元になりやすい。

それに対して競争の激しい市場では、ウェブサイトに記載する情報だけでなく、「一貫した第三者からの言及」と「権威性のシグナル」がますます重要になる。

質問 SEOは5年から10年以内に終わるのか?

回答

SEOは何十年もの間、繰り返し「終わった」と言われてきた(冗談)。SEOは消滅するのではなく進化し続ける。「戦術」「プラットフォーム」「指標」は変わるかもしれない。しかし、「ユーザーやコンピュータシステム(AIだったり検索エンジンだったり)が関連性の高いコンテンツを発見できるようにする必要性」は残り続ける。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

ランド・フィッシュキン氏「AI時代に勝ち残るのはコンテンツじゃなく独自のプロダクトやサービス」
AIが模倣できない (SparkToro) 海外情報

「コンテンツ」だけでは、もはやビジネスを守ることはできない。ゼロクリックのウェブで生き残るには、「AIが複製できない独自のプロダクトやサービス」を構築し、オーディエンスがすでに時間を過ごしているプラットフォーム全体でブランド影響力を高めることにマーケティングを集中させる必要がある。

SparkToro(スパークトロ)の創業者でCEOであるランド・フィッシュキン氏はこう力説する。

次のような理由からだ:

  • グーグルの新モデル ―― グーグルは検索における独占的地位を利用して、ウェブサイトからコンテンツを取得し、自社インターフェイス内で提示することで、ユーザーが外部サイトへクリックして移動しないよう意図的に囲い込んでいる

  • 防御壁としてのコンテンツの終焉 ―― ガイド、ヒント、レシピのような標準的な情報コンテンツは、AIによって簡単に要約されコモディティ化される。そのため、ビジネスの基盤としては弱いものになっている

  • 独自プロダクトへの方向転換 ―― 企業は、テキストやピクセルでは複製できない「物理的な商品」「カスタムサービス」「独自ソフトウェア」の提供に注力しなければならない

  • ゼロクリックマーケティング ―― マーケティングは、ショート動画、画像、口コミを通じてすばやく消費されるよう設計し、外部プラットフォーム上で直接注目を獲得できるようにするべきである

  • 新しい成功指標 ―― 「トラフィック」は時代遅れである。代わりに追跡すべきは、次のようなものだ:

    • 影響力(インプレッションとエンゲージメント)
    • 関心(ブランド名検索数)
    • 行動(売上)
  • パブリッシングの新たな役割 ―― 自社サイトでコンテンツを書くことは次の目的に限って、引き続き有用である:

    • AIモデルに引用用の情報を提供する
    • 恒久的な情報発信の拠点を築く
    • 少数の非常に忠実なファンとつながる
    • 独立したメールリストを育てる

ありきたりなコンテンツ(コモディティコンテンツ)は、AIによって即座に回答されてしまう。AI検索のベストプラクティスとしてグーグルが非コモディティコンテンツを推奨する理由だ。また、独自の商品またはサービスを提供しているサイトが、勝ち組サイトのトップ要因(相関関係)だというデータを以前に取り上げたこともある。

フィッシュキン氏のアドバイスには説得力がある。

★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!

WordPressのAll in One SEOが、導入サイトにllms.txtとMarkdownページ作成をサイレント実行
AI検索には効果なし、誤解のないように (Glenn Gabe on X) 海外情報

SEO向けのWordPressプラグインとして有名なAll in One SEOに、llms.txtとMarkdownページの作成機能が搭載されたことがSEO界隈で話題になっている ―― ネガティブな意味での話題に。

というのも、どちらの機能もグーグル検索の評価には効果のない技術だからだ。さらに、デフォルトで有効になっていることも異例だ。

補足しておくと、グーグルは、llms.txtもMarkdownも不要だとAI検索ベストプラクティスで明確に述べている

米国の実力派SEOコンサルタントのグレン・ゲイブ氏は、スターウォーズをネタにして、驚きをあらわにしている。

今朝、SEOのフォースに乱れを感じた。少し動揺した……。何百万ものサイトがllms.txtファイルやmarkdownファイルの公開を始めたのだと、すぐに分かった。しかも、それは最近起きたことだった。ヨーダに連絡しなければならないと悟った…… ;)

いや、フォースではなかった……。All in One SEOプラグインが原因だと気づいたのだ。300万以上のサイトで使われているこのプラグインが、今ではllms.txtファイルを自動的に作成し、さらに各投稿に別途markdownファイルも作成するようになっている。

つまり大量のサイトが今、それらのファイルを公開しているということだ。そして、そのほとんどのサイト管理者は、自分のサイトでそんなものが公開されていることに気づいていないだろう。この機能はデフォルトでONになっている。無効化するのは簡単だが、繰り返すと、ほとんどの人はそれが起きていることすら知らない。うわぁ。

機能の停止方法をスクリーンショットで紹介しているので、気になった人は元の投稿を確認してほしい。

その後ゲイブ氏は次のように注意喚起している。

All in One SEOプラグイン(300万以上のサイトが使っているもの)を使用している場合は注意が必要だ。この週末に、デフォルトでオンになっているアップデートが配信されたからだ。あなたのサイトではすでに、llms.txtファイルを公開し、すべての投稿に対してmarkdownファイルを公開している。

llms.txtファイルが欲しい場合(SEOのためではなく、エージェントのために)は、それが存在していることを認識しておくべきだ。そして、多数のmarkdownファイルを公開したくない場合も、その点を必ず把握しておく必要がある。無効化する手順は難しくないのだが、ほとんどのサイト所有者はまったく気づいていないと推測される。

そして……サイト所有者の明示的な承認なしに、プラグインがサイトへファイルを公開するべきではない。もし1万本の投稿があるなら、今や1万個のmarkdownファイルも公開されていることになる。繰り返すが、それを望んでいるなら構わない。しかし、プラグインはあなたの承認なしにそれを行うべきではなかった。

AIエージェントの処理に関して言えば、llms.txtおよびMarkdownは役立つようではある。しかし、検索では確実に利用されていない。作成するのは構わないとして、AI検索に効果があるとは誤解しないでほしい。

★★★★☆
  • AIOSEOプラグイン使ってるすべてのWeb担当者 必見!

この記事をシェアしてほしいパン!

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る