5433円、3人できれいに割り切れる?
アユムさん、転職するAさんへのプレゼント、同期の3人で買ったんだって?
はい! ちょっといいTシャツを買ったんです。5433円でした。
えっ? どうして3で割り切れるって言い切れるんですか?
実はね、5433ってひと目で3の倍数ってわかるんだよ。
透視?! 5433÷3=1811 たしかに3で割れましたが……。
すべての桁の数字を足した合計が3で割れたら、3の倍数なんだ。
足すと5+4+3+3=15、たしかに3の倍数。なんでですか!?
あ、割り切れない関係の上司と会議の時間だ! ちょっと考えてみてね!
え~! ところで、割り切れない関係って何か気になる…。
昔から、算数も数学も苦手なアユムは、希望が叶ってマーケティング部門に異動してきました。Web担で見るような「すごいマーケターになりたい!」と胸を躍らせていたが、配属後、理想と現実のギャップに苛まれることに。データ、数字、%、小数。うわぁーん、どうしたら、数字に強くなれるのでしょうか……。
そこに現れたのが、大人向け数学教室「大人塾」を運営し、数学苦手な社会人に対して指導をしているアジアゾウをこよなく愛するモリさん。
この記事を読むべき人:3の倍数の見分け方がわからない方
この記事を読む必要がない人:3の倍数の判定を示せる方
この記事でわかること:「すべての桁の数字を足した合計が3の倍数なら、元の数も3の倍数」が成り立つ理由
3の倍数は「すべての桁を足す」だけで判定できる?
モリさん! 先輩が「5433はすべての桁の数字を足した合計が3の倍数になるから、3で割り切れる」って言うんです。5+4+3+3=15で、たしかに15は3の倍数なんですけど...。どうして5433が3の倍数ってわかるんですか!
おお、それは3の倍数の見分け方ですね。たしかに本当です。小学校5年生で習う方もいるみたいです。はじめから5433で考えると、数字が大きくて大変なので、少し小さい数字で考えてみましょうか。
たとえば、351で考えましょう。351は3で割り切れますか?
3+5+1=9。9は3の倍数なので、351も3の倍数のはずです。
351÷3を計算してみます……117。ぴったり割り切れました! 本当に3の倍数でした!
はい。では、なぜこんな不思議なことが起きるのか、一緒に考えていきましょう。
お金の割り勘で考える「3の倍数」の仕組み
まず、イメージで理解しましょう。351円を、100円3枚分、10円5枚分、1円1枚分だと考えてください。
はい、なんだか割り勘っぽい話で親近感がありますね。
この351円を、3人で平等に分けられるかどうかをやってみましょう。100円を、3人で分けるとどうなりますか?
100÷3=33余り1ですね。1人33円ずつもらえて、1円余ります。
10÷3=3余り1。1人3円ずつもらえて、1円余ります。
つまり、100円も10円も、3人で分けると必ず1円余ります。
このルールで分けていくと、手元に「余った1円分」が集まります。100円が3枚分あったので、余りは1×3=3円分。
10円が5枚分あったので、余りは1×5=5円分。もともとあった1円が1円分。
全員に平等に配りきれるかどうかは、この「余った1円分の合計」を3人で分け合えるか、つまり3の倍数かどうかだけで決まります。
余りの合計は、3+5+1=9円。9円は3人で3円ずつキレイに分けられます!
その通りです。だから、351は3で割り切れるんです。そして、この「余りの合計」って……。
あ! 3、5、1って、もとの数字「351」の各桁の数字そのものじゃないですか!
正解です。すべての桁の数字を足した合計というのは、まさにこの「余った1円分の合計」のことなんです。
「分配法則」でわかる3の倍数の理由
では、今のイメージを、数式でも確認してみましょう。中学1年生で学ぶ問題です。
その頃には、もうすっかり数学苦手で…。できるかなあ。
351という数を、桁ごとに分けて書くとどうなりますか?
3つの数字で「さんびゃくごじゅういち」を表現したいので、百の位には×100、十の位には×10、一の位には×1をします。
面倒くさいことをするんですね。351=100×3+10×5+1×1、です。
はい。ここで、100と10を「3の倍数+1」の形に分解します。
100は、100=99+1ですね。10は、10=9+1です。99=3×33と9=3×3は両方3の倍数です。
その通り。では、その分解を351の式に当てはめてみましょう。
351=(99+1)×3+(9+1)×5+1×1ですね。
では、それぞれのかっこの中を展開してみましょう。(99+1)×3は、かっこの中のそれぞれに×3をかけます。
(99+1)×3=99×3+1×3、(9+1)×5=9×5+1×5ですね。
351=99×3+1×3+9×5+1×5+1×1です。
では、並べ替えます。3の倍数の集まりを先に持っていきます。1×3は3、1×5は5、1×1は1なので、後半をまとめると(3+5+1)になります。
=(99×3+9×5)+(1×3+1×5+1×1)
ここがポイントです。まず赤文字の(99×3+9×5)を見てください。99は3×33、9は3×3なので、どちらも3の倍数です。
ここで、分配法則というルールを使います。a×b+a×c=a×(b+c)と書けるルールで、共通する数を外にくくり出せます。
例として、6+9で確認します。6=3×2、9=3×3と書けますね。ということは、6+9=3×2+3×3です。
そうです。分配法則で共通する3を外にくくり出すと、3×(2+3)になります。
2+3=5なので、3×5=15。たしかに6+9=15ですね!
はい。このように、3の倍数どうしを足した数は「3×(整数)」の形にまとめられるので、必ず3の倍数になります。
わかりました。では、(99×3+9×5)も同じようにできるんですか?
はい。99=3×33、9=3×3なので、99×3+9×5=3×33×3+3×3×5。共通する3を外にくくり出すと、3×(33×3+3×5)になります。
「3×(整数)」の形になりましたね。ということは、(99×3+9×5)は確実に3の倍数ということですね。
その通りです。では、青文字の(3+5+1)は何だかわかりますか?
3、5、1って……あ! もとの数字「351」のすべての桁の数字を足した合計じゃないですか!
正解です。つまり式全体は、こういう形になっています。
ということは、「すべての桁の数字を足した合計」が3の倍数であれば、3の倍数+3の倍数になるので、さっきの分配法則と同じ理屈で、351も必ず3の倍数になるんですね!
正解だゾーウ! これが「すべての桁の数字を足した合計が3の倍数なら、元の数も3の倍数」であることを確認できましたね。
桁が増えてもルールは同じ! 5433で仕組みをおさらい
はい。桁が増えても考え方は変わりません。5433を351のときと同じように式に書くと、5433=1000×5+100×4+10×3+1×3ですね。
1000、100、10を「3の倍数+1」にすると……1000=999+1(999は3×333)、100=99+1、10=9+1ですね。
では、351のときと同じように当てはめてみましょう。
5433=(999+1)×5+(99+1)×4+(9+1)×3+1×3
=(999×5+99×4+9×3)+(5+4+3+3)
前半の(999×5+99×4+9×3)は、999も99も9もすべて3の倍数なので、確実に3の倍数ですね。
ということは、5433のすべての桁の数字を足した合計、5+4+3+3=15が3の倍数だから、5433も3の倍数! 3桁でも4桁でも、同じ理屈が成り立つことが確認できました!
はい、5433÷3=1811で、きれいに割り切れますね。3人で割り勘するなら、1人1811円ずつです。
ポイント
- ある数が3で割り切れるかどうかは、すべての桁の数字を足した合計が3の倍数かどうかで判定できる
- 理由は、位取りに使う10、100、1000などの数が、必ず「3の倍数+1」の形に分解できるため。3の倍数の部分を除いた「余った1円分」の合計が、すべての桁の数字を足した合計そのものになる
- 桁数がいくつでも同じ理屈が成り立つため、何桁の数字でもこの技が使える
今日の問題をおさらい
Q1.351は3で割り切れますか。
3+5+1=9
9は3の倍数(3×3)
答え:351は3で割り切れる(351÷3=117)
Q2.同期3人で買った5433円のプレゼントは、きれいに割り勘できますか。
5+4+3+3=15
15は3の倍数(3×5)
答え:割り勘できる(5433÷3=1811円)