【計算できる?】100gの水に36gの塩を入れると、濃度は何%?|「濃度の計算」忘れてないかチェック!
飽和食塩水って濃度は何%?

ゴホンゴホン。

先輩、お風邪ですか?

いや、この連載がなんと本になるんだって。

ホントですか? すごいですね。売れるといいですね。

ほぼ書き下ろしで、濃い内容の本になるらしいよ。

楽しみです。自分も出るのかなあ……。

濃いといえば、濃度算だよね。そういえば、飽和食塩水って温度20度の水100gに対して、約36gの食塩が溶けるんだって。

ちょっと展開が急すぎないですか。ホーワ食塩水って、どこかの有名なメーカーなんですか。

飽和食塩水ってこれ以上食塩が溶けない食塩水だよ。温度によっても溶ける量がちょっと変わるんだけど、ここでは温度20度で話を進めよう。さて、飽和食塩水の濃度は何%だろう。

水100gに食塩36gが溶けるんだから36%じゃないんですか?

違うなあ。約26.5%だね。

その計算どうやってやったんですか?

おっと、外出の時間だ! じゃ、アユムさん、考えておいてね! 塩分の取りすぎには注意だよ!

えええ~!
昔から、算数も数学も苦手なアユムは、希望が叶ってマーケティング部門に異動してきました。Web担で見るような「すごいマーケターになりたい!」と胸を躍らせていたが、配属後、理想と現実のギャップに苛まれることに。データ、数字、%、小数。うわぁーん、どうしたら、数字に強くなれるのでしょうか……。
そこに現れたのが、大人向け数学教室「大人塾」を運営し、数学が苦手な社会人に対して指導をしているアジアゾウをこよなく愛するモリさん。

この記事を読むべき人: 濃度算の計算をできるようになりたい方
この記事を読む必要がない人:濃度算をすでに解ける方
この記事でわかること:濃度算の解き方
濃度とは、その液体にどれだけ対象物が含まれているか

モリさーん、この連載が本になるって本当ですか?

はい、2025年6月中旬に出るそうです! ぜひひとつ、よろしくお願いします!

ところで、飽和食塩水って濃度は何%ですか?

展開が濃いですね。濃度の質問だけに。

飽和食塩水って温度20度の水100gに対して、約36gの食塩が溶けるそうなんです。

ということは、約26.5%ですね。

えっ! なんで! 答えだけじゃなくて濃度を求める計算の基礎から教えてください!

まず、濃度とは、その液体にどれだけ対象物が含まれているかということです。

どれだけ、ということは、割合ですね。

その通りです! 割合の基礎は、割合=比べられる量/もとにする量 でしたね。

なるほど。ということは、比べられるのが食塩、もとにするのが食塩水ですね。

すばらしいです。では、飽和食塩水の濃度の求め方は…?

食塩が36、水が100ですよね。

もとにする量は、食塩水ですよね。これは、水に食塩を溶かした状態なので、その量は、水と食塩を足した数になります。

あ、そこの考え方を間違えていました! ということは、食塩水は100+36=136 36/136 ≒0.2647…。だから約26.5%なんですね!


その通りです! ついでに、海水の塩分濃度は約3.5%です。ここに1kgの海水があったら、そこから取れる塩はどれだけですか。

割合=比べられる量/もとにする量から、もとにする量×割合=比べられる量なので、1kg=1000g 1000×0.035=35 ですね。35gですか?

はい、海水1kgからは約35gの塩が取れます。
塩を加える:食塩水500gに食塩20gを足して濃度10%にした。足す前の濃度は何%?

濃度を求める計算って、割合だと思えばちょっと気が楽になりますね。

では、次の問題にいきましょう。ある濃度の食塩水A500gに食塩を20g足したら、濃度10%の食塩水Bができました。さて、最初の食塩水の濃度はどれだけだったでしょうか?

ふふふ。もう簡単ですね。まずは、できた食塩水Bの食塩の量を求め、そこからもとの食塩の量、食塩水Aの濃度を導けますね。
食塩の量=食塩水の量×濃度 なので、500×0.1=50。よって、もともと入っていた塩の量は 50-20=30g。問われているのはもとの食塩水Aの濃度なので、30/500 =0.06 答えは6%です!!!

残念! 食塩を足したことを忘れてますよ。濃度10%の食塩水Bの量は、塩を足したあとの量なので、500+20=520gです。

なんと…しくじりました。ということは、できた食塩水Bに含まれる食塩の量は 520×0.1=52g、なのでもともとの食塩水の塩の量は52-20=32g …この32gがもとの食塩水A(500g)に含まれているので、濃度は 32/500 =0.064、答えは6.4% ですね。

OKです。分母になる、もとにする量が何なのかを、しっかりはっきり意識しましょう。塩入りなのか、塩抜きなのか。

なんだか料理の話みたいですね。昔、塩ひとつまみを塩ひとつかみと聞き間違えてお相撲さんか! ってツッコんだら、ツッコミ返されたことを思い出しました。
食塩水を混ぜる:濃度10%の食塩水300gと濃度20%の食塩水100gを混ぜると、濃度何%の食塩水?

2つの食塩水を混ぜましょう。濃度10%の食塩水Aを300gと濃度20%の食塩水Bを100g、混ぜると濃度何%の食塩水ができ上がるでしょうか。

15%くらいですか。

これも、先ほどの解き方で解けますよ。それぞれ食塩の量、食塩水の量を求めましょう。

Aの食塩の量が300×0.1=30g、Bの食塩の量が100×0.2=20gです。

では、AとBを混ぜ、食塩水Cを作ります。食塩の量はいくらですか?

30+20=50gです。食塩水の量もただ足すだけでいいんですか?

はい、食塩も水も増やしていないので、単純に足して構いません。

ということは、食塩水の量は300+100=400、濃度は50/400 =0.125 12.5%ですね!

その通りです。情報をきちんと整理さえすれば、バッチリですね!

これくらいできるようになると、本の中でも主役を張れますね。ところで、あのぉ、自分は、書籍化された本でもちろん、主人公ですよね?

うっ。ごめんなさい、まったく出てこないんです…。

がーん。食塩水、涙の味に思えてきました。

涙の塩分は約0.9%なんですって…。ではまた来月、ごきげんよう。
ポイント
- 濃度とは、液体にどれだけ対象物が含まれているかの割合であること。
- 割合の基礎である「割合=比べられる量/もとにする量 」を濃度算に応用する。
- 食塩水の濃度を求める場合、「もとにする量」は水ではなく、食塩と水を足した食塩水全体の量。
- 食塩水を混ぜる場合、それぞれの食塩水に含まれる塩の量を足し、食塩水全体の量も足して、混ぜ合わせた食塩水全体の濃度を計算する。
今日の問題をおさらい
Q1.水100gに対して、36gの食塩を溶かす場合、その濃度は何%ですか。
食塩水の量 100+36=136
36/136 ≒0.2647
答え:約26.5%
Q2.ある濃度の食塩水500gに食塩を20g足したら、濃度10%の食塩水ができました。さて、最初の食塩水の濃度はどれだけだったでしょうか。
食塩水の量 500+20=520
食塩の量 520×0.1=52
もともとの塩の量 52-20=32
32/500 =0.064=6.4%
答え:6.4%
Q3.濃度10%の食塩水Aを300gと濃度20%の食塩水Bを100g混ぜると濃度何%の食塩水ができ上がるでしょうか。
食塩水の量 300+100=400
食塩の量 300×0.1=30 100×0.2=20 30+20=50
50/400 =0.125=12.5%
答え:12.5%
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