どちらが大きい？ 分数を通分して比較する方法【計算が苦手な方向け】

セミナーAのアンケート回答者数は参加者25名中20名、セミナーBは参加者50名中41名か。さてアユムさん、どちらのアンケートのほうが回答率が高いかな？

そうそう、割合の考えはバッチシだね。で、どちらの割合が高いかな？

電卓を探す時間に通分した方が速いかな。セミナーBのほうが僅差で割合が大きいね。

……。疲れているんだったら、早く帰って寝たほうがいいよ？

客先から帰るときにドリンク剤買ってきてあげるね。では～

いいことありますよー。私にとって分数のいいところは、小数で表すとややこしい数をスッキリと正確に表せることだけでなく、小数よりも割合や確率などの意味がつかみやすいこと、あとは、掛け算、割り算の計算が楽なケースが多々あることですかね。約分しながら解いていくと無敵のガンマンになった感じさえ味わえます。ふふふ。

（ギャグは関係あるかな？）そうですか。大人のための数学教室、大人塾の受講生の方も、分数が苦手な方は多いです。でも、分数をうまく使うと色々と楽になりますから、もう分数なしでは暮らしていけなくなりますよ。今回は便利さのひとつである通分について学習しましょう。

それでは、4/5という分数を考えます。分数は割り算で、小数に直したいときは分子÷分母を計算すればいいですよ。

次は1/7を計算してください。

はい、1/7を小数で表すと、142857 がループしてしまいますね。0.14285714285...…のようにループし続ける小数や、0.8のように途中でとまる小数はすべて分数で表せます。

割り切れても分数のままにしておくことはあります。特に分数や小数がからむ掛け算、割り算では分数のほうが計算しやすいからです。

では、どのようなときに分数を使うと良いと思いますか？

そのほか、分数の楽さを享受するのに、等分と割合は欠かせませんね。    

それではない。等分、等しく分けることです。よく、ピザを3等分と5等分してどちらが大きいでしょう　みたいな例で分数を習いますよね。

なるほど。この場合は、同じサイズのピザ1枚を分けることを考えます。そして、そこにピザの大きさの大小が出てきたら、その大きさをかけることになるんですが、それはまたちょっと別の話。

そうしましょう。分数を見ると、「いくつ」を「なにで」分けたかわかりやすいですね。

はい。60枚のクッキーを10人で分けたというのは。60/10ですね。1枚のピザを6人で分けると1/6ですね。そんな感じです。

とまぁ、分数について色々と見てきましたが、本題の通分に入ってみましょう。60枚のクッキーを10人で分けるとき、40枚のクッキーを8人で分けるとき、1人が多くもらえるのはどちらでしょう？

正解です。

いい指摘です。今のはどちらも割り算がしやすいケースでした。でもそうでない場合は？

そこで通分です。通分とは、分母の数をそろえることです。

はい、大きさを比べるときや、足し算、引き算をするときに通分をします。通分すれば同じ大きさの比較になります。

20/25と41/50を見ると、分母の25の2倍が50ですね。

分数のルールとして、分子と分母に同じ数をかけても、その数は変わらないという性質があります。

すばらしい。その通りです。では、25の2倍が50なので、分母にも、分子にも、2をかけます。

20×2/25×2=40/50

簡単に大小を比べることができましたね。このように分母の数をそろえるのが通分です。

通分は、最小公倍数を求めて分母の数をそろえます。

まずは公約数について説明しますね。

ある数を割り切れる数のことを約数といいます。例えば6の約数は6と3と2と1です。

ということは、共通の約数である公約数とは？

その通りです。

割り算をひっくり返したような計算をします。見覚えはあるんじゃないでしょうか。ここで、12と18の公約数を求めましょう。12と18を並べて、お互いで割れる数を左に書き、割った答えを下に書きます。これ以上、割れなくなったらおしまいです。

左の数字をかけます。2×3=6ですね。これが、最大公約数です。

そして、次は公倍数です。
公倍数とは、共通の倍数を指します。倍数は、ある整数を何倍かしたもの、という意味です。たとえば2は2、4、6などなどが2の倍数です。そして、最小公倍数は、2つの数の共通で最小の倍数です。

この計算結果からは、左の数字と1番下の数字を全部かけると出せます。

1番下の数字をたがいにかけます。例えば、18だったら2、12だったら3です。

最小公倍数の青春ですね！ これで、分母をそろえることができます。

通分するときに、最小公倍数でなくてはいけないというルールはないので、途中で終わってしまったとしても通分はできます。
つまるところ、通分は、公倍数であればいいので、早い話、分母同士を掛けても通分はできます。最小公倍数を求めるのは、なるべく小さな数字のほうが計算しやすく、ミスが減るからですね。

ExcelのLCM関数を使って求めるとよいでしょう。あ、先輩が帰ってきましたね。