なぜ自社サイトはAIに表示されないのか? AIで変わった「ファネル上部」のSEO戦略(前編)
AI検索の引用の85%は第三者サイトから。自社サイト更新だけでは勝てない理由と、AI時代の「認知拡大」の考え方を解説
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AIがトップ・オブ・ファネル(TOFU、ファネル上部)のSEO戦略を変化させている。どのように変わっているのか、その背景を理解しよう。次のような内容をお伝えしていく:
- 一般的なSEO戦略に関する僕の見方
- SEO担当者が取り組むべき具体的な対策
- AIの影響を最も強く受けている、「トップ・オブ・ファネル」の変化
そのうえで、後半では「4つの戦略」を学んでいく。AI検索に適応し、第三者によるサイテーションを構築し、成果を適切に測定できるようになってほしい。
実際にAIで何が変わったか
まず、簡単に状況を整理しておこう。これほど大きな変化をもたらしたと思われる変化とは、実際どういうものだろうか?
この統計データはAirOpsの調査によるものだ。これはむしろ控えめな数字であり、後ほど、これより高い数字を示している別の調査について紹介する。
AirOpsの調査によると、確認されたサイテーションの85%は第三者のサイトに掲載されている情報であることがわかった。つまり、商品やサービスを提供している企業の情報ではない。
これは僕たちのデータで確認できる状況と非常に似ている。業界内でこれが事実としてかなり一般的に受け入れられつつある。
つまり、企業側が分析したい質の「サイテーション」や「プロンプト」のほとんどでは、君自身のサイトによる情報が含まれていない。したがって、君自身のサイトをどれだけ更新しても、そうした回答に影響がないということだ。
それから、トラフィックの問題がある。時間が経てば変わるかもしれないが、これまでに僕が確認したサイトのほとんどでは、AIトラフィックはピーク時でも2%未満で、むしろ現在は減少傾向にある(従来のグーグル検索ではなく、GeminiやChatGPTからのトラフィック)。
そのため、AIをトラフィック源と見ているなら、現時点では、がっかりすることになるだろう。
グラウンディング検索が必要なプロンプトは好機
ここで1つ注意すべきことがある。今回僕が話しているのは、「AIのeコマース」や「エージェント型eコマース」についてではない。
また、改めて説明しておくと、「トップ・オブ・ファネル」とは、マーケティングファネルの最初期ユーザーを指す言葉だ。つまり、君の商品やサービスを知らない人を相手にするフェーズだ。
さて、現在の検索エンジンとAIの状況で、「5年以上前のトップ・オブ・ファネルSEOと同様に、生成AIが直接トラフィックをもたらしてくれる」と思っている人は、さすがにいないだろう。トップ・オブ・ファネルへの取り組みを以前のSEOから変えるとするなら、次のような点がポイントになるだろう:
ユーザーがチャットで生成AIに何かを尋ねた際に回答に表示されることを目指すならば、主に認知度やインプレッションなどを念頭に置くことになる。
しかし、前述のように生成AIの回答に君自身のサイトが含まれることは少ない。では、「生成AIの回答を通じて認知度やインプレッションを高める」にはどうすればいいのだろうか。僕は、グラウンディング検索が必要なプロンプトをいかに活用するかがポイントだと思っている。
グラウンディング検索とはAIのどんな挙動なのかについては、ホワイトボード・フライデーで以前に取り上げたことがある:
詳しくは以前の記事を読んでいただくとして簡単に説明しておくと、基本的な考え方は次のとおりだ:
ChatGPTが学習データだけで回答できず、バックグラウンドでグーグル検索してから回答するようなプロンプトならば、「その回答に自分のブランドや製品がどう記載されるか」に君が影響を与える余地が十分にある。
その具体的な手法を知る前に、「サイテーションではどんな種類のサイトが紹介されやすいのか」のデータを見てみよう。
上記の画像は、サイテーションで確認された主なサイトの種類を分類したものだ(First Page Sageが調査したデータ)。
こちらも僕たちのサイテーションデータで確認できたものとかなり似ているのだが、同社が実施したこの種の分類は非常に興味深い。群を抜いて長い棒グラフに気づくだろう。「メディア」だ。この調査データでいう「メディア」は、同社が「新興メディア」と呼ぶものと「従来のメディア」を1つにまとめたものだ。つまり、AIの回答では、基本的にはジャーナリスティックな発行物である「メディア」が圧倒的に最大の情報源となっていることがわかる。
ちなみに、君や君の競合他社のサイトが含まれる「商用サイト・ブランドサイト」は、このデータではわずか5%に過ぎない。調査によって異なるが、これは僕たちが確認しているデータや、AirOpsの調査結果とも概ね一致している。
つまり、広く認識されている見解として、次のことが言える。
自分自身のサイトに掲載する内容や、いわゆる「ファーストパーティコンテンツ戦略」による取り組みは、その影響という点ではかなり限定的である。つまり、効果が小さい。
考えてみればこれは当然だ。ChatGPTによるグラウンディングが、グーグル検索結果の1ページ目だけでなく、数ページにわたって調べる場合を考えてみよう。
たとえば10件の結果についてそれぞれ10ページの異なるSERPを確認すると仮定すると、検索結果1ページにつき君のサイトが複数表示される可能性はかなり低い(ただし、ブランド色が非常に強いクエリの場合は別だが)。となると、ChatGPTが目にする情報の大半は君のサイトではないものになる。
こうした背景を踏まえたうえで、ユーザーを引き寄せる効果があると考える戦略をいくつか紹介していこう(後編をお楽しみに)。
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、今回の内容を踏まえて、筆者が提案する4つのSEO戦略を紹介する。
(後編は10/5公開予定)


