「要約できる記事」は負け筋。AIで記事を作る正しい7ステップと2つのアドバイス(後編)
生成AIを使ってコンテンツを作成する実践ノウハウを解説。思考を委ねず、AIを相棒として使いこなそう。そして、戦略としての鍵は「オーディエンスオーナーシップ」にある。
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前後編の2回に分けてお届けしている。→前編を読む
前編では、「生成AIを使ったコンテンツ作成をやめる必要はないが、ボット向けの最適化や、AIの自動化に終始する現状の使い方は決定的に間違っている」と伝えた。
後編となるこの記事では、なぜその自動化が失敗するのか、そしてAI時代に真の価値を生み出す「視点(POV)」の重要性について深掘りする。
では、AIを使ってコンテンツを書くのはやめるべきだろうか?
イエスでもあり、ノーでもある。
イエス(やめるべき) ―― 思考や戦略を機械に委ねてしまっているコンテンツを公開するのはやめよう。大規模言語モデル(LLM)はオーソリティが皆無のイエスマンだ。LLMを信頼できる情報源として頼っても、優れたコンテンツは生まれない。
ノー(やめる必要はない) ―― だからといってAIの使用をやめる必要はない。実際に私もこの記事を書くにあたってAIを使っている。AIを使ったのは、全体を通して主張を検証し、まとまりのない考えをアウトラインに落とし込み、根拠を探すといった用途だ。
私からのアドバイスは次のとおりだ:
- 常に専門家を関与させる
- AIが要約できてしまうコンテンツを書くのはやめる
- 習慣づけるコンテンツを作成する
それぞれ具体的なプロセスや形式を見ながら理解していこう。
アドバイス1常に専門家を関与させる
この記事は、コンテンツの作成にAIをどう使うべきかに関する私の考えを最もよく示す例だ。次に、AIを使ってこの記事を書いたプロセスを紹介する。
プロセス1過去の例を共有して、私の考えを学習させる
私はいつも、自分が書いた同じようなコンテンツを最近の例として2本共有することから始める。この記事の場合は、直近のオピニオン記事2本をアップロードし、Claudeに次の3つを分析させた:
- 私の書き方
- 小見出しの構成
- ストーリーテリングの盛り込み方
エージェントのトレーニング後も、毎回この手順を踏んでいる。
プロセス2記事で取り上げる論点と視点を提示する
私の場合は長いプロンプトを使って、「自分がやろうとしていること」を説明したり、「自分の考えに影響を与えているリソース」を共有したりしている。
提供するコンテキストが多いほど、Claudeは私の頭の中にある断片的な考えを有用なアウトラインに変換しやすくなる。
プロセス31つのセクションごとに書く
多くの人が犯す最大の過ちは、記事全体を一度に生成しようとすることだ。私の場合はセクションごとに書いたほうが良い結果が得られる。いつもは大まかな初稿を提供し、AIに文章の流れを整理してもらう。
実際に振り返ってみると、上のスクリーンショット時点の記事冒頭部分と、最終的に仕上げた記事冒頭部分は、かなり別物になっていた。
プロセス4主張を裏付ける調査研究や証拠を探す
AIのユースケースのなかで私が特に好きなのは、外部の証拠や裏付けを探すことだ。テキストの一部をコピーし、その主張を裏付ける検証可能な調査研究を探すようエージェントに指示する。
時には説得力に欠ける情報源や論点とは関係のないデータが提示されることもある。それを押し返し、より確かな証拠を要求するのが専門家としての私の仕事だ。
プロセス5コンテンツを編集し、誤った記述を指摘する
私の初稿はいつも長くなる。そこで、「余計な部分を削除し」「受動態の文を能動態に変え」「検証が必要な主張にフラグを立てる」コンテンツエディタを作成した。
執筆プロセス全体を通してAIより私の判断が優先されるようになっており、生成された内容を自分の主張に合わせて書き直すことが多い。
プロセス6コンテンツデザイナー向けにモックアップ画像を作成する
コンテンツは文章を書けば完成ではない。「どう見せるか」もコンテンツのうちだ。
とはいえデザインは私の得意分野ではないため、AIを使って効果的な見せ方を探り、コンテンツデザイナー向けに大まかなモックアップを作成している。
プロセス7サイト内リンクを追加する
Mozのコンテンツライブラリを利用し、コンテキストに応じてサイト内リンクを提案するClaudeエージェントを構築した。サイト内リンクを通じてコンテンツを長く活用できることになるため、Claudeを使ってこうした機会を見出せるのはすばらしいと思う。
アドバイス2AIが要約できてしまうコンテンツを書くのはやめる
私が経験則として自問している点がある。次のものだ:
このコンテンツは、AIがライブ検索せずに簡単に要約できる内容ではないか?
AIが簡単に要約できるコンテンツは、たとえば次のようなカテゴリのものだ:
- 定義
- 基本的な説明
- 解説記事
その分野で対抗するのではなく、次のように、AIが簡単に要約できない形式を利用してコンテンツを強化すべきだ。
形式1電子メールやニュースレター
電子メールはエンゲージメントとコンバージョンのための主要なチャネルだ。私はこれこそがコンテンツマーケティングのあるべき姿だと考えている。
形式2オンラインセミナー
メール登録を促し、顧客とエンゲージし、製品の実際の動作を見せるための最良の方法の1つだ。
形式3調査レポート
他の誰も持っていないデータを提供しよう。トム・カッパーによるこの記事を含め、Mozで最も読まれているブログ記事のいくつかは調査に基づくコンテンツだ。
形式4オピニオン記事
意見を持ち、証拠に基づく議論でそれを裏付けよう。評価する人もいれば批判する人もいるだろうが、誰もが話題にするようになる。私がMozブログで前回書いたオピニオン記事は、2025年に最も多く読まれた記事の1つになった。
形式5トレンド記事
(今、君が読んでいるこの記事のように)誰もが話題にしている会話に加わろう。トレンド記事は、次の3つで大量にシェアされることが多い:
- 業界のニュースレター
- Slackグループ
- ソーシャルメディア
形式6実践的なハウツー記事
アドバイスを実践してもらうためのリソースを読み手に提供しよう。たとえば、トピッククラスターの構築に関するこのハウツー記事は無料でリソースを提供しているため、Mozブログで最もトラフィックの多い記事の1つだ。
アドバイス3習慣づけるコンテンツを作成する
君のコンテンツが目的地となり、訪れることが習慣になるのであれば、公開する価値はある。
ここで手本となるのがNYT(New York Times)だ。報道だけでなく、次のように事業を多角化している:
- The Athletic
- Cooking
- Games
- Audio
- Wirecutter
人々がNYTを発見するのはニュース記事を通じてかもしれない。しかしNYTを再訪する理由は複数ある。Wordleで遊んでみたり、レシピを検索したり、スポーツの分析を読んだり、ポッドキャストを聴いたり、あるいはWirecutterを通じて製品の購入を検討したりできる。
基本となる指標は「習慣」
- 通勤中にWordleをやっている人たちを見かける
- 料理好きな人はレシピを保存して繰り返し見る
- 信頼できるスポーツニュースや裏話が知りたいとき、私はThe Athleticにアクセスする
- 多くの人はThe Dailyポッドキャストを聴くのを日課にしている
製品ごとに再訪する理由を生み出し、検索を「家全体」ではなく「玄関口」にしている。
重要なのは、NYTがクリック数の減少を克服したことではない。クリックへの依存を減らす習慣を確立したことだ。そしてそれこそが私の必要としているコンテンツ防御手段だ。
クリックの測定方法も変化
クリックの測定方法も、単なるトラフィックから次を含むものへと変化する:
- リピーター
- ニュースレターの購読
- ブランド検索の増加
- ダイレクトトラフィック
- オンラインセミナーへの登録
- 製品の採用
- コミュニティとのエンゲージメント
- ラストクリックアトリビューション以外の売上への影響
繰り返し注意を引く要因を追跡すれば、検索行動に関する考え方が変わる。
AIコンテンツの検出よりも、自分にオーナーシップのない発見チャネルの断片化に危機感を持とう
私たちは透かしやAIコンテンツに気を取られすぎており、発見されにくくなりつつある現状についての認識が足りなすぎると思う。
SparkToroとDatosが41のウェブサイトにおける検索活動を分析したところ、検索の分散化が進んでいることがわかったという。
依然としてグーグルが支配的だが、Amazon、Reddit、YouTubeはそれぞれChatGPTより多くのデスクトップ検索トラフィックを集めている。
Claneoの2025年版State of Search(検索の現状)調査がこれを裏付けている。
検索パターンは「意図」や「年齢層」によって異なる。従来の検索エンジン以外では、次のものも相当数のトラフィックを集めている:
- ソーシャルメディアサイト
- YouTube
- ショッピングサイト
- 比較サイト
これだけの数のプラットフォームに合わせて最適化しなければならないということだ。
検索はもはや直線的ではなく、何層にも広がる多様な「面」だ。そう考えると恐ろしい。分散した乱雑状態で、これらのアルゴリズムがどのように機能するか、何を優先するかを私たちはコントロールできない。
AIコンテンツについて心配しているのでは視野が狭すぎる。「コンテンツの書き方」や「透かしが検索順位に影響するかどうか」について議論するなとは言わないが、コンテンツはあくまで目的を達成するための手段に過ぎないことを忘れてしまっていないだろうか。最終目標は「オーナーシップ」であって「SERPの順位」ではない。検索が断片化するほど、オーディエンスオーナーシップの価値は高まる。
この変化を生き延びる唯一の方法は、オーディエンスが検索している場所で存在感を示しつつ、自らがオーナーシップを持つ目的地を築くことだ。
コンテンツを成功させるための長期戦略は「オーディエンスオーナーシップ」にある
検索があらゆる場所で行われているのであれば、「自分がコントロールできないアルゴリズムのチャネルに依存したコンテンツ戦略」にするわけにはいかない。自分の意思決定ではなくプラットフォームの都合で「誰のビジビリティが高まり」「自分がどれだけのトラフィックを集め」「ルールがいつ変わるか」が決まるのだから。
このLinkedInへの投稿で書いたように、長期戦略は自分にオーナーシップのあるコンテンツ体験を構築することだ。
Morning Brewが好例だ。
Morning Brewの主力であるニュースレターには400万人以上の購読者がおり、これを次のような他のコンテンツが支えている:
- 各種ニュースレター
- ポッドキャスト
- イベント
- ソーシャルメディア
- 動画
The Guardianは私のお気に入りの新聞で、もう1つの好例だ。
同紙は「人々が自発的に支援しようとするジャーナリズム」を中核に据え、「読者に資金提供してもらうモデル」を構築した。米国では購読者が40万人に達し、ペイウォールを導入していないにもかかわらず、世界のデジタル購読者収入が21.7%増加した。
Morning BrewもThe Guardianも、どちらも最初に「発見」してもらう必要はある。しかし、いったん見つけてもらったオーディエンスと直接関係を築くことで、単一チャネルへの依存を減らしている。
エージェント化が進む将来、この重要性は高まるかもしれない。エージェントが私たちのために商品を調査して推奨してくれる傾向が強まれば、ブランドの好みがより強力なシグナルになる可能性がある。
目標は、検索が始まる前にユーザーの心の中での存在感を高めることであり、その唯一の方法は自分のコンテンツエコシステムを確立することだ。
結論: 未来は、オーディエンスを自分のものにしているブランドにある
繰り返す。「オーディエンスオーナーシップ」だ
かつては数百万ドルの売上をもたらした戦略が、今では利益を減らし続けているのを見るのは辛いものだ。だが業界は変化しており、私たちもそれについていかなければならない。
コンテンツのワークフローにAIを使いながらも、単に発見されやすくするだけでなく、どうすればオーディエンスのオーナーシップ獲得に役立つかを考えよう。コンテンツが有用で、ユーザーの検索意図を十分に満たしている限り、AIを使って書かれたかどうかなど誰も気にしない。
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