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GEO施策でAI検索のブランド露出が30%UP! リード獲得につなげるモニタリングと改善手法

「楽楽クラウド」を展開するラクスのミエルカGEO活用事例。AI検索の定点モニタリングでブランド露出率が30%向上し、AI起点のリード含有率も約30%増を達成。

前田絵理(Faber Company)

7:05

写真左から、ラクス 傍島(そばじま)氏、Faber Company(ミエルカ) 西田氏

経費精算の「楽楽精算」や販売管理の「楽楽販売」など、バックオフィスの業務改善クラウドサービスを展開する株式会社ラクス。同社では、AIによる検索体験の変化を踏まえ、GEO(AI検索対応・LLMO・AIO)を進めている。

とくに、フロントオフィス向けのクラウド「楽楽メールマーケティング」と「楽楽自動応対」は、AI検索におけるブランド露出のモニタリングに「ミエルカGEO」を導入。

AI検索結果の集計・モニタリングを効率化し、特定のプロンプトに対するブランド露出率が約30%増、全体のリードにおけるAI起点のリード含有率も約30%増になるなど、確かな成果を生み出している。

両サービスのオンラインプロモーションを担当するラクスの傍島氏に、最新のAI検索対策と活用例をうかがった。

AI検索のモニタリングをミエルカGEOで効率化

ラクスの「楽楽メールマーケティング」と「楽楽自動応対」は、2025年に「配配メール」「メールディーラー」から名称変更を行い、営業・マーケティングなどのフロントオフィス業務領域のクラウドサービスとして展開している。AI機能を積極的に実装し、機能拡充や対応課題を広げている。

ラクスが提供する「楽楽クラウド」の全体像

オンラインプロモーションを担当する傍島(そばじま)氏のミッションは、両サービスの認知向上とリード獲得だ。

AIにより検索体験が変化していくなか、同社では「AI検索で自社サービスが紹介されているか?」を確認するなど、AI検索対策(GEO/LLMO/AIO)への取り組みが本格化している。

株式会社ラクス ラクスクラウド事業本部 マーケティング統括部 
プロモーション部 オンラインプロモーション課 傍島 崚氏

具体的には、AI検索でのモニタリング対象となるキーワードとプロンプトを設定し、各種AI(ChatGPT・Gemini・Google AIO・Claude)の回答における自社サービス・製品の名称の露出(ブランド露出)や、URLの引用状況を計測している。

しかし、AIモデルが頻繁にアップデートされるなか、手作業での検索・集計・分析に大きな工数がかかっていた。このプロセスを効率化できるツールを検討していたところ、ミエルカGEOを知り導入を決めた。

AIは日々変化していきますので、ツールの選定ではモニタリングの対象や指標が柔軟に変えられることが前提でした。ミエルカGEOは計測内容を自社のニーズに合わせてカスタマイズでき、使いやすかったです。また、今後も機能が進化・拡大していくだろうという期待値もありました。

「ツールにすべて任せたい」ではなく、自分たちでGEOに取り組みたいという意思はあるが、工数がかかっているという課題がある企業に、向いていると思います(傍島氏)

海外のツールと比較し、ミエルカGEOが国産のツールであることも導入の重要なポイントだったという。

GEO (AI検索・LLMO・AIO)対策・ 診断ツール

また、ChatGPTなどの生成AIは、利用者の過去の会話履歴や設定をもとに回答をパーソナライズする。そのため、担当者が手動でプロンプトを入力して確認した結果は、その担当者向けの回答であり、一般ユーザーが目にする回答とは異なる場合がある。

GEOでは、定点観測が重要です。継続的に計測・比較していくためには、客観的なデータの取得が求められます。ミエルカGEOはAPI経由でAIの検索結果を取得するため、利用者のパーソナライズに左右されません。この特徴も、ラクス様のモニタリング効率化に貢献できているポイントだと考えます(ミエルカ 西田氏)

Faber Company(ミエルカGEO) 西田 健人氏

20個のキーワードとプロンプトを定期的にモニタリング

前述したように、「楽楽メールマーケティング」と「楽楽自動応対」のGEO対策では、キーワードとプロンプトのモニタリングを行っている。

具体的には、LLMリサーチ、AI検索流入レポート、AIOレポートを用いて、設定したプロンプトに対し、自社サービス名の露出と製品サイトのURLが引用された割合をKPIにしている。

計測対象のプロンプトは商材ごとに異なる。設計の基本思想は、「ユーザーは何かを調べるとき、まずカテゴリーで検索・質問する」という行動原理だ。

たとえば、楽楽メールマーケティングは「メール配信システム」「マーケティングオートメーション」、楽楽自動応対は「メール共有システム」「問い合わせ管理システム」のように、商材が属するカテゴリーを軸にプロンプトを設計している。

また、リスティング広告のデータも参考にしながら、ターゲットの検索意図に近いプロンプトへと精度を高めていく。

ミエルカGEO LLMリサーチレポート例

導入前は、毎回手作業で各AIにプロンプトを入力し、回答をスプレッドシートにまとめて集計するという作業を繰り返していた。工数がかかりすぎてしまい、理想の頻度でモニタリングができていなかったという。

導入後は、ワンクリックでレポートが出るようになりました。業務効率化と、数値を日常的に確認できる環境づくりという2つが、今の活用の中心です(傍島氏)

計測の工数が減ったことで、プロンプトの幅も広げられるようになった。

以前は「メール共有システムのおすすめは?」といった大まかなカテゴリー単位のプロンプトが中心でしたが、現在は「カスタマーサポート担当者におすすめのメール共有システムは?」のように、職種や用途を掛け合わせた具体的なプロンプトへと派生させている。

ユーザーの実際の検索行動に近い粒度で、ブランド露出の把握が可能になった。

「なぜ引用されないか」をAIで深掘り、コンテンツ改善につなげる

GEOでは、まずAI検索でのブランド露出や引用率を計測し、自社情報の露出・引用状況を分析する。そして、意図通りに露出していない状況や、競合企業との比較で見えてきたギャップを特定し、施策を実行、再び計測するというPDCAサイクルが重要となる。

計測、分析、改善のPDCAサイクルが回る

ラクスでも、このサイクルを回すなかで課題を発見し、改善につなげた事例がある。

楽楽メールマーケティングは、メール配信ツール(配配メール)からマーケティングオートメーション(MA)の機能も備えたメールマーケティングツールへとリブランディングした。しかしAI検索では、旧来のメール配信ツールとして認識されたままになっていた。

そこで傍島氏は、AIとの対話を通じて「MAカテゴリーでAIが評価している機能の傾向」を引き出し、自社製品との差分を確認。実際にはMAの機能があるにもかかわらず、AIが適切に参照できていないことがわかった。

製品サイトのプランごとのページ構成や、機能のテキスト訴求が煩雑になっていたことが原因だと考えました。そこで、ページのビジュアルとテキスト構成を整理し、MA機能の補足情報を追加したのです。すると、約3か月後にはAI検索で露出するようになりました(傍島氏)

ラクスのGEO事例

傍島氏はこの経験を踏まえ、AI検索対策の本質をこう語る。

AIは人の思考に近づくよう設計されていると捉えています。そのため、AI検索対策は決まった手法で対策するのではなく、AIがどのように情報を解釈し、回答を生成するかを理解したうえで、そこに合わせた情報設計をしていくものだと考えます(傍島氏)

ブランド露出率は対比30%増、AI起点のリード含有率も約30%増に

PDCAを重ねた結果、「楽楽メールマーケティング」と「楽楽自動応対」のブランド露出率は着実に向上している。

2026年4月に導入してから約2〜3か月の間、特定のプロンプトにおけるブランド露出率の改善に集中して取り組んだ。その結果、同年2〜3月に計測していた水準と比較して、ブランド露出率は30%増となった。

また同社では、リード獲得時のアンケートで「AIきっかけで問い合わせしたかどうか」をヒアリングし、その結果を商材ごとに集計している。AI対策を始めた2025年12月から2026年6月現在までの半年間で、全リードに占めるAI起点のリード含有率は、約30%増になったという。施策の効果がうかがえる。

一方で、GEOの効果はカテゴリーによって異なる点に注意が必要だ。

「経費精算や労務管理など、誰もがイメージしやすいカテゴリーはAI検索でも問われやすく、GEOの効果が出やすい」と傍島氏。

ニッチだったり、想起されにくかったりするカテゴリーの商材では、GEOの効果が出にくい場合もある。GEOに取り組む前に、自社サービスのカテゴリーがGEOに有効かどうかを確認することも重要だ。

GEOは全社施策。スモールスタートで仮説立案を

GEOに取り組むなかで傍島氏が実感したのは、「GEOはマーケティング施策の枠を超える」ということだ。

AIに推奨されないということは、コンテンツやサイト構造に問題がある可能性だけでなく、「サービスや製品に何か課題があるのでは?」という領域まで踏み込む示唆を与えてくれる。GEOが、全社的なサービス改善のきっかけになるケースも出てくるだろう。

「『AI検索対策によって推奨された』ではなく、良いサービスを作った結果としてAIに推奨される——、そういう姿を目指しています」と傍島氏。

傍島氏は、GEOに取り組むマーケターへ次のようなメッセージを送る。

GEOで何を実現したいかを、細かく設定し実践することが大切です。網羅的に「この施策がAI検索対策に効くらしいので、やりました」では、何が良くなったのかわかりにくいですし、そのような取り組みは長続きしません(傍島氏)

傍島氏がすすめるのは、小さく・具体的な課題から始めることだ。「このプロンプトで引用されていない。なぜか」という仮説を立て、施策を打ち、再度測定する。シンプルなPDCAを回すなかで改善の手ごたえが生まれ、次の一手につながるという。

AI検索が日常的な情報収集手段として定着するなか、GEOは一部のマーケターだけの話ではなくなってきている。「何を実現したいかを明確に設定し、小さく始める」、その第一歩を踏み出すことが欠かせない。

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