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ヒートマップ×A/Bテストで改善を繰り返し、問い合わせ数2倍・電話CV3倍に!

ヒートマップ×A/Bテストで改善を繰り返し、問い合わせ数2倍・電話CV3倍を実現した成功事例を紹介する。

前田絵理(Faber Company)

7:05

(左から)Faber Company カスタマーサクセス 板橋 孝平、株式会社ヤマシタ HC事業本部 HCオムニチャネル推進部 三枝 夢子氏、飯田 哲也氏、小林 直樹氏

介護用品のレンタル・販売事業を展開する株式会社ヤマシタ。同社は介護用品レンタル・購入サービス紹介サイト「ヤマシタ すぐきた」のサイト改善に注力し、問い合わせ総数を約2倍、電話経由のコンバージョン(CV)を3倍以上へ成長させるという大きな成果を上げている。

その成果の一助となったのが、A/Bテスト機能を用いた重要ページの改善だ。かつては「データの突き合わせ作業やA/Bテストの実施に手間取り、スピーディなPDCAが難しかった」と語る同チームが、どのようにして成果を出したのか。施策実行の際には、Faber Company(ファベルカンパニー)のミエルカヒートマップを活用し、同社のカスタマーサクセスによる伴走支援があった。

そこで、Faber Company カスタマーサクセスの板橋孝平が、株式会社ヤマシタ オムニチャネル推進部の飯田氏、小林氏、三枝氏に、具体的な施策例をうかがった。飯田氏は、オムニチャネル推進部を統括。小林氏は、Webサイト・チラシなどのデザインのほか、コーディングや技術的な設定も担う。また、三枝氏は、営業所・コールセンターとの連携と、コンテンツSEOなどを担っている。

施策実行前の課題と実行後の効果

まずは、ミエルカヒートマップを導入し、施策を実行する前と導入後の効果をまとめておく。

施策実施前の課題

  • 複数ツール(GA4、ヒートマップ、A/Bテストツールなど)の併用により、分析データの統合に手間がかかっていた
  • 分析から改善までのリードタイムが長く、スピーディなPDCAが困難だった

施策実施後の効果

  • 問い合わせ数2倍、電話CV3倍の成果を創出する基盤の構築
  • カスタマーサクセスの伴走支援による、スピーディなPDCAの実現
  • CVの質の可視化と、現場連携の活性化
「ヤマシタ すぐきた」の取り組み例とその結果

複数ツールの併用により、分析・改善・実行が非効率だった

1963年に創業したヤマシタは、介護用品・福祉用具を中心としたレンタル事業を展開する企業だ。全国に約80か所の営業所をもち、車椅子や介護ベッドなどを必要とする高齢者へ迅速に届ける体制を整えている。

同社のオムニチャネル推進部は、「ヤマシタ すぐきた」を通じて、各営業所への問い合わせを創出し、送客を担当。サイトを訪れるユーザーの多くは「急に車椅子が必要になった」などの緊急性の高いニーズを抱えており、介護保険を利用するレンタル契約までのスムーズな導線設計が求められていた。

「ヤマシタ すぐきた」のWebサイト画面

部署のミッションは、介護保険レンタルにつながる問い合わせ数を最大化すること。しかし、ヒートマップ、GA4(Googleアナリティクス 4)、A/Bテストツールなど、用途別にツールを契約しており、分析から改善まで時間がかかっていたという。

同部を統括する飯田氏は、「さまざまなツールの画面やデータを突き合わせる作業に手間取り、スピーディなPDCAの実現が難しかった」と、当時の課題を語った。

HCオムニチャネル推進部を統括している飯田氏

その課題を解決するため、「ユーザー行動の確認からA/Bテストの実施、効果検証まで、1つのツールで完結する機能をもつミエルカヒートマップを導入した」と飯田氏は話す。さらに小林氏は、「基本的にノーコードで簡単に組めるため、スピーディに施策を進められること、一方で、コードを使った専門的な実装も可能なことが良かった点だ」という。

カスタマーサクセスの担当者には、GA4との連携などもサポートしてもらえて助かっていると語る小林氏

ヒートマップとA/Bテストにより、ユーザー理解が促進

では、具体的にヤマシタの事例を見ていこう。

同社では、おもに「ヤマシタ すぐきた」のトップページを対象としたA/Bテストを継続的に実施している。

事例① 熟読率を参考にしたレイアウト変更

ヤマシタは、次図に示すように、熟読率の高い箇所をアテンションヒートマップで確認し、ページの上部に移動させた。より多くのユーザーの目に留まりやすくするためだ。たとえば飯田氏らは、「介護用品の探し方」セクションの熟読率が高いことを確認し、このセクションを上位に配置した。すると、約70%のユーザーがこのセクションに到達した。

熟読率を示すアテンションヒートマップ、クリック数を示すクリックヒートマップ、そしてユーザーの離脱箇所を示すスクロールヒートマップの3種から、ユーザー行動を可視化した

事例② トップバナーのA/Bテスト

続いて、同ページのファーストビューに掲載するトップバナーのA/Bテストの例だ。トップバナーは、飯田氏らが継続的に改善を続けているエリアの1つになる。

2024年にエリア限定のCM放送を実施した際は、CMクリエイティブと連動したデザインと、従来デザインのバナーを比較検証した。「CMやWeb広告と連動したデザインのほうが、効果が高いのではないか」という仮説に対し、実際には従来バナーのほうがCVR(コンバージョン率)は高かったという。

また、ユーザーニーズを探るため、リンク先を「商品一覧ページ」と「お問い合わせフォーム」の2種類に設定し、A/Bテストを行った。その結果、お問い合わせフォーム型のほうがクリックは多かった。特定の商品を探しているというよりも、「まずは問い合わせたい、相談したい」というニーズがうかがえた。

リンク先を「商品一覧ページ」と「お問い合わせフォーム」の2種類に設定し、ユーザーニーズを探る

第三者視点でユーザー理解を深める

なおヤマシタ オムニチャネル推進部は、少人数体制でリソースが限られていることもあり、Faber Companyから専任のカスタマーサクセスによる伴走支援を受けている。カスタマーサクセスである板橋とは月に1回、定例会を実施。施策の振り返りを行い、次のA/Bテストへとつなげている。そこで議論となるのは、具体的なSEO施策やヒートマップの読み解き方などの手法だけではない。

担当の板橋がより重視しているのは、ヤマシタのユーザー理解だ。サイトを訪れるユーザーは、すでに介護保険を利用している人から、加入を検討する本人や家族、さらには制度の知識をまったくもたない人まで多岐にわたる。

Faber Company カスタマーサクセス 板橋

板橋は、ユーザーが迷わずニーズに合った行動をとれるかを重視し、LP(ランディングページ)やバナーのA/Bテストや改善点を第三者視点からアドバイスしている。

単に「リンク先は商品一覧ページとお問い合わせフォームのどちらが良いか」ではなく、「急いでお問い合わせをしたい人にとって、ベストな訴求は何か」という視点で考えています。
また、商品名やカテゴリ名の言葉が、ユーザーにとってわかりやすいかといった点も、お話しています(板橋)

仕事柄、我々はどうしても福祉業界の専門用語を使ってしまいがちです。「この商品名でもユーザーさんはわかるだろう」と無意識に考えてしまうところを、板橋さんが「その表現は伝わりづらいです」「ユーザー目線ならこちらの言葉が良いです」と指摘してくれる。この客観的なアドバイスには、とても助けられています(飯田氏)

また、ヤマシタに入社して初めてWebマーケティングに携わったという三枝氏は、「実務にそのまま生かせるアドバイスが多いので本当に助かっている」と語った。

問い合わせ数は2倍以上、CV発生チャネルの「質」も明らかに

細かなA/Bテストを積み重ねてきた飯田氏のチーム。

その他にも、三枝氏が担当する営業所ページのコラムをはじめとしたコンテンツマーケティングや、お問い合わせフォームの改善、リスティング広告など多数の施策により、「ヤマシタ すぐきた」のお問い合わせやレンタル契約といったCVは大きく伸びている。

定量的な成果

  • 問い合わせ数:2倍以上
  • フリーダイヤル経由の問い合わせ:3〜4倍

定性的な成果

  • フリーダイヤル経由は、成約(レンタル契約)までの期間が短いことが明らかになった
  • ターゲット外(短期利用者や若年層など)からの問い合わせが減少。コールセンターや営業所が、介護保険を利用する高齢者への対応に集中できるようになった

こうした成果について、伴走する板橋は「飯田氏らがWeb改善の基本を徹底して積み上げた結果」と話す。

Webサイト改善は、1つの施策でCVが2倍、3倍になるような成果が出るものではありません。ヤマシタ様が、継続的にA/Bテストを行ったり、コンテンツSEOに取り組んだりという地道な施策の積み重ねが、今の大きな成果として現れているのだと感じます(板橋)

さらに、定量的な成果だけでなく、CVの質に対する解像度も上がった。全体のCV数が増えたことにより、「どのチャネルからのCVにどのような特性があるか」の傾向が見えてきたという。

たとえば、「お問い合わせフォーム」経由は、家族や本人が将来を見据えて「カタログが見たい」という情報収集が多い。対して、フリーダイヤルや営業所への電話は、緊急性が高い。

そのため、電話経由のお問い合わせは、レンタル契約までの期間(リードタイム)が短い傾向にあることがわかった。これは、コールセンターや営業所の担当者がニーズをヒアリングし、即座に提案できるためだ。

この「期間の短さ」は、単なるビジネス上の成果にとどまらず、昨今の介護事情に鑑みると、ユーザーにとっても非常に重要な意味をもつ。

本来、介護保険の認定は申請から1ヶ月ほどで下りますが、現在は高齢化や自治体の人手不足により、地域によっては3ヶ月から半年近くかかってしまうこともあります。 そのようなお困りごとに対し、地域の包括支援センターとも連携している当社の営業所が力を発揮します。
介護保険申請のフォローや、「認定が出るまでの間、まずはこれを使いませんか」といった提案ができます(飯田氏)

Webでニーズを拾い上げ、地域に根差した営業所へ素早くつなぐ。 それは、ユーザーの生活を一日でも早く支えることを意味する。

こうした「Webと現場の連携」の意識は、営業所やコールセンター全体にも波及している。

営業所から届く意見はチーム内で共有し、施策の参考にしたり、コールセンターのオペレーターと一緒に運用ルールを考えたりしています。私たちだけで完結するのではなく、現場と一緒になってWebサイトを改善していく意識が生まれてきました(三枝氏)

A/Bテストで得られた「どんな訴求が刺さるか」という知見は、Webだけでなく広告文やチラシなど他の媒体にも横展開しています。 私たち「オムニチャネル推進部」として、Webはもちろん、コールセンターや営業所の事務スタッフなど各部署と連携し、リアルとWebをつないで改善活動に取り組めていることには、とてもやりがいを感じます(飯田氏)

ヒートマップがメンバーの育成、業務改善にも貢献

飯田氏が今後の展望として掲げたのは、三枝氏のWebマーケティングスキルの向上だ。ミエルカヒートマップは画像1つあれば、ポップアップ表示やA/Bテストができ、マーケター自身で施策を完結できる。この特徴を活かし、三枝氏もWeb改善をリードしていく存在になってほしいと期待を寄せている。

また、ヤマシタは介護業界がもつイメージを払拭し、非連続な成長を目指している。その基盤として重視するのが、EX(Employee Experience:従業員体験)とCX(Customer Experience:顧客体験)の好循環だ。

同社では、EXを「社員の仕事のやりがい」と捉え、好循環を生み出すための施策の1つとして、業務のデジタル化を推進。ミエルカヒートマップは、この取り組みにおいて業務の効率化にも寄与しているそうだ。

たとえば、A/Bテストを基点とした施策の一元管理により、社内レポートの作成工数が短縮。さらに、「成果が可視化され、根拠に基づいた報告ができるようになり、レポートの質も向上した」という。

定量的なデータをもとに仮説を立て、他部署とも連携しながら改善を繰り返す。ミエルカヒートマップと伴走支援は、そんなヤマシタのWeb改善の基盤として、日々の業務を支えている。板橋は次のように語る。

ヤマシタ様の最大の強みは、施策実行のスピード感です。このスピード感が、毎月のPDCA実施の原動力となり、今回の成果向上につながったのだと実感しています。「本当に困っている高齢者の方に必要なものを」という非常に社会的意義のある理念を、今後もご一緒に推進させていただければと思います(板橋)

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