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SEOの歴史対談! 生成AI時代に入り、ユーザーの検索体験が激変…SEO受難時代【第4回 住氏&江沢氏】

黎明期からSEOに携わってきた住太陽氏が、専門家とともに歴史を振り返る本連載。第4回は、2024年~2026年現在までを、アユダンテの江沢氏とともに語り合う。

深谷 歩[執筆], 渡辺 淳子[編集], 永友ヒロミ[撮影]

7:05

本連載では、SEO黎明期からSEOに携わってきた住太陽氏が、専門家とともにSEOの歴史を振り返っていく。

第1回:1990年代終わり~2011年
第2回:2012年~2015年
第3回:2016年~2023年頃
第4回:2024年~2026年現在
第5回:これからのSEOを展望

第4回は、AIによってユーザーの検索行動が大きく変わった2024年以降のSEOについて、アユダンテ SEOコンサルタント 江沢真紀氏と振り返る。

(左から)ボーディー有限会社 代表取締役 住太陽氏
アユダンテ株式会社 SEOコンサルタント 江沢真紀氏

2024年~2026年現在までの概要

2024年、GoogleはAI Overviews(AIによる概要)の提供を開始した。検索結果に、生成AIが複数の情報をもとに回答を表示するようになることで、「検索してサイトを訪れる」という従来の検索行動に変化が生まれた。

また、生成AIによって大量コンテンツを容易に制作できるようになったなか、Googleは低品質コンテンツへの対策をさらに強化。2024年には「大量生成されたコンテンツの不正使用(Scaled Content Abuse)」や「サイトの評判の不正使用(Site Reputation Abuse)」などを、スパムポリシーとして提示した。

2025年には、AI Modeが登場。ユーザーがキーワードを入力して検索結果から答えを探すだけでなく、AIに質問を重ねながら情報を探索できるようになった。2026年現在、SEOでは従来の検索順位に加え、「AIの回答でどのように参照・紹介されるか」にも関心が集まっている。

ただしGoogleは、AI OverviewsやAI Modeのための特別な最適化は必要なく、独自性があり、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを作るという基本は変わらないとしている。

2024年GoogleがAI Overviews(AIによる概要)を本格展開。生成AIによって、検索結果情報を整理し、回答を直接提示する検索体験が開始される。

Googleが大規模なコアアルゴリズムアップデートを実施。検索順位のアップを主目的としたコンテンツを減らして、ユーザーにとって有用なコンテンツをさらに評価する方向へ。あわせてスパムポリシーを強化し、検索順位操作を目的とした低価値なコンテンツの大量生成などへの対策を進めた。
2025年GoogleがAI Modeを展開。9月からは日本語提供も開始され、日本の検索ユーザーも、従来のキーワード検索から、AIとの対話による検索へと検索体験が変わり始める。
2025~2026年AEO(Answer Engine Optimization)、GEO(Generative Engine Optimization)などへの関心が高まる。AI OverviewsやAI Modeなどの生成AIによる回答で、自社コンテンツがどのように参照・紹介されるかがSEOの新たなテーマとなり始める。
2026年Googleが生成AI検索向けのガイダンスを拡充。AI検索においても、これまでのSEOの基本は有効で、独自性のある価値あるコンテンツが重要だと改めて提示。Search Consoleでも、AI OverviewsやAI Modeなど生成AI機能での可視性を確認できる専用レポートを、一部サイトで提供・テスト開始した。

AI対策⁉ やるべきことは以前と変わらない

Googleの「AIによる概要(AI Overviews)」が始まって、SEOを支援する立場として変わったことはありますか?

江沢

支援内容はこれまでと変わらないですね。アユダンテは、創業当初からユーザーが使いやすく、Googleがサイトを理解しやすくなるような内部施策&テクニカルSEOに注力しています。この方針は一貫していて、リンクスパムが席巻していたときも関わりませんでした。

現在はAIが流行って、他社はLLMO(Large Language Model Optimization)、AIO(AI Optimization / AI Overview Optimization等)、GEO(Generative Engine Optimization)など、新しくサービスを提供していますが、当社は既存のお客様からご要望があれば、AIの分析やサイトの改善などを支援させていただくくらいで、ブームに乗り遅れていますね。

住:お客様からの要望にはどんなことがありますか?

江沢:AIの回答で自社がどう扱われているかを知りたい、何かできることはあるのか、といったことが多いです。お客様側も正しい知識があるわけではないので、要望が漠然として、まずは状況を知りたいという方が多いです。あとは、上司からAI対策を求められた、という方もいますね。

住:僕の方には、ChatGPTやGeminiのおすすめから来店したお客さんがいると気づいて、AIからのおすすめを強化できないか、という相談を受けることがあります。ただ、基本は余計なことをしないのが一番だと思うのですが、どうお考えですか?

江沢:SEOの延長なので、特別なことはしていないですね。LLMOを提供されている会社も多いですが、サイト構造を整え、しっかり情報設計を行い、独自性のあるコンテンツを用意して、信頼性と露出を高めていくことになるので、結局SEOですよね。個別の生成AIの回答は、プロンプトやユーザーとのやり取りによっても変わりますし、他の人の対話を追うことはできないので、対策をすることがそもそもできないと考えています。住さんがブログなどでもおっしゃっているように、地道にその地域や業界で露出を増やしてブランドを作っていくしかないですね。

住:露出を増やすには、自社の発信だけでなく、お客様や取引先に発信をしてもらうように依頼することですね。Googleマップのレビューでも、XやInstagramでも、オフラインでもいいので、口コミをしてもらうことで、自然に話題を作っていくことが必要です。反対に、SNSでは特に話題になっていないのに、Googleマップだけ不自然にレビューが多いとGoogleが評価しない。こういう失敗は、海外事例でもあるようです。プラットフォームを特定すると、不自然になりますね。

江沢:特定の商品のアフィリエイトが突然大量に投稿されて露出が増えても、不自然なシグナルとしてGoogleはとらえるようですね。

住:Googleは時系列でシグナルを見ていますし、AIも今後はそうなっていくでしょう。だから、不自然なシグナルは評価されなくなるでしょう。

AI対策として、基本は余計なことをしない、特別なことはしていないと語り合う住氏(左)と江沢氏(右)

コンテンツからの流入が激減し、費用対効果が悪化している

江沢

お客様から流入が落ちたと相談を受けることが増えています。AIによる概要でCTR(Click-Through Rate)が落ちていることに加えて、2024年、2025年のコアアルゴリズムアップデートで順位が下がっていることもあります。

僕のお客さんでは、大きく下がっているところもあれば、ゆるく下がっているところ、逆にゆるく上がっているところもあります。僕自身のサイトもそうですが、何らかの知識を提供するタイプのコンテンツは、AIに奪われていますね。一方で、体験談、意見、感想などのコンテンツは、大きく下がっていません。流入が下がっているお客様にはどのように対応していますか?

江沢:まず、下落したタイミングなどから、コアアップデートの影響なのか、AIによる概要によるものなのか、原因を分析します。2024年のコアアップデートの後、とあるメディアでは流入が9割下がりました。下がっているのは、SEO目的で作られた記事コンテンツです。

住:率直にいえば、どんなに頑張ってコンテンツを制作しても従来のような成果は出ないと思うんですね。でもコストは高くなるので、費用対効果が悪くなる。僕自身の意見や考えを中心にした記事を出しても、それでは流入が取れないし、手間もかかるので、やめようかなという気持ちもあります。でもそうすると、知識を提供するタイプのコンテンツは終了になってしまいますよね。

江沢:お役立ち記事のような成果が低いものは除外して、コンバージョン寄りのものに厳選するといった対応はありますね。当社のコンテンツ担当者も、力を入れて作ったコンテンツで検索順位が上がっても、流入につながらないことが増えたといっています。お客様も満足しないですし、担当者本人のモチベーションも下がるという課題があります。

当社は、コンテンツ制作にAIを利用していないので、AIを利用している他社に比べると、制作のコストが高いです。手間とコストをかけても成果が出ないと、割に合わないということになってしまいますよね。

住:一方で、AIで安く制作しても、成果を出すのは難しいですしね。検索ボリューム100以下のキーワードを狙って大量生産すれば順位は上がるかもしれませんが、それでも費用対効果は悪化しますし、上位のキーワードを狙っても難しいですし。

流入減対策について、原因から分析して対応していると語る江沢氏

コンテンツ制作にAIを使うのはありか、なしか?

江沢

お客様からは、コンテンツ制作をAIに頼りたいというニーズを感じます。「どこまでAIを使っていいですか?」「画像はAIでもいいですか?」「記事3本くらいまでならいいですか?」と聞かれるのですが、おすすめしません、とお答えしています。

僕は自分で出す記事はAIを使っていますよ。内容は自分で決めて、あらすじを書いて、それでAIに書いてもらいます。自分が考えていないことは一つも書かれていないので、僕が書いたものといってもいいと思いますが、ここ3〜4ヶ月の記事はAIを使っています。

江沢:住さんの最近のブログを読んでも違和感がないので、そのような使い方であればいいと思うのですが、さじ加減がお客様には難しいと思うんです。私はAIで書かれた文章の言葉遣いや表現に不自然さを感じますから、読む人が読めばわかると思うので、否定的な立場です。

住:僕の場合は、過剰な表現などは削ったり言い換えたりして、自分で調整してから公開しています。

江沢:当社でも、社内用のクローズドな分析ツールでは、一部AIを利用して効率化していますが、文章は難しいと感じます。またSEOの内部対策やテクニカルSEOとして、URL設計、テンプレート設計などはAI化が難しくて、人の手が必要です。

住:そのうちAIがうまくできるようになるかもしれません。でも結局AIが出してきたものを人間がチェックして修正するなら、同じくらい手間がかかるかもしれませんよね。

最近では、記事原稿の制作にAIを使っていると語る住氏

SEO受難の時代? ローカル検索は地域密着型のビジネスには追い風

江沢

検索順位は下がっていないのに、流入が減っている場合は、AIによる概要に取られている可能性が高いです。AIによる概要の引用に入ることを目指しても、それが流入につながるとは言い切れません。

Googleも工夫して、ブランド名を表示したり、参照リンクを示したり、調整をしていますが、ユーザーはクリックしないですよね。

江沢:住さんは、AI対策をしてほしいと言われたらどうしていますか?

住:口コミ対策だけですね。特定の業界あるいは地域に特化していれば、口コミの数が多くなくても、個人のブログやXの口コミも情報源として扱われて、結果が出やすいんです。ただ、小規模のお客さんじゃないと、難しいですね。どこでも扱っている商品のECサイトは、お手上げですね。

江沢:ECは難しいですね。広告の量も増えていますし、アイテムキーワードは検索結果でのCTRが下落傾向にあり、クリックが取りにくくなっているという実情もあります。

住:昔のように、これをやれば上がる、流入が増えるという施策がないので、難しいですよね。

江沢:昔は、中小企業の小さいサイトでもビッグキーワードで1位になれたので、夢がありましたし、それがSEOだったんですけれども、今は厳しいですね。

住:一方で、位置情報を取得するようになって、ローカル検索は精度が上がりました。たとえば、以前は全国の内装業者がライバルだったのが、地域の業者限定で表示できるようになりました。ローカル検索には、Googleマップのレビュー、地域のメディア、地域情報発信しているブログや個人のSNSなどの投稿が効きますね。

蓄積された口コミがある老舗が優遇されるわけではなく、先週オープンしたラーメン屋さんでも話題を作れれば上がるんです。規模が小さいから、SEO業界では話題になりませんが、地域に根ざした店舗や業者にはいい時代が来ています。

江沢:当社はローカルビジネスを支援していないのですが、健全な検索結果になっているのですね。

まとめ:2024年~現在までのSEO

2024年のAI Overviews、2025年のAI Modeの展開によって、ユーザーの検索行動が大きく変わった。SEOを目的に大量生産されたコンテンツの価値が低下する一方、口コミや話題性なども含め、企業や製品、サービスそのものへの信頼や評価が、これまで以上に重要になってきている。こうした状況のなかでも、AIのために特別な対策をすることより、ユーザーにとって価値のある情報やコンテンツを提供し続けることが大切になる。

次回は最終回として、これからのSEOを展望する。第5回に乞うご期待!

2026年7月、インプレスの会議室で、2024年~2026年現在を語ってくださった江沢氏(左)、住氏(右)。じっくりと腰を据えてSEOの支援に向き合ってこられた、そんなお二人ならではのお話をお聞きできました。住さん、江沢さん、ありがとうございました

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