SEO予算は「クリック数」目当てじゃダメ。3種の指標と3つの予算配分で上司もナットク【SEOまとめ】
「SEOで流入を●%増やし、売上●円につなげる」そんな予算のとりかたが難しくなってきている。「訪問」より前段階での露出からプランをスタートして、3種類の指標と3つの予算グループで予算や施策を管理するやり方を、専門家が教えてくれた。
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「SEOで流入を●%増やし、売上●円につなげる」そんな予算のとりかたが難しくなってきている。「訪問」より前段階での露出からプランをスタートして、3種類の指標と3つの予算グループで予算や施策を管理するやり方を、専門家が教えてくれた。
要注目のピックアップのほかにも、リリー・レイ氏によるGoogle大型アップデート予測も興味深いし、偽の著者情報を明確にNGとするグーグルの公式情報も、見逃せない。
それ以外にも、「検索のAI機能でユーザー行動がどう変わるか」の学術的な調査や、グーグル公式「AI生成コンテンツ検知ツール」などのAI系のネタのほか、マーケティングやSEOに役立つ情報をまとめている。
秋の夜長に、AI時代のSEOとマーケティングに関する知識を蓄えていこう。
- SEO予算は「クリック数」目当てじゃダメ。3種の指標と3つの予算配分で上司もナットク
- グーグルの大型アップデートが近い? リリー・レイ氏が挙げる兆候と今すぐできる対策
- 著者情報でウソつくのはダメよ、Google検索ガイダンス更新。生成AIコンテンツのファクトチェックも
- グーグルのAI検索は、サイトへの訪問を本当に減らすのか?
- 「AI活用」のはずが、「AIを使うために無駄が100倍」になっているマーケターも多い模様
- 「この画像、AI生成です」を検出するツールをグーグルが公開
- 体験型マーケティングは、ソーシャルとAI検索の入り口になるのか
- Google公式動画で学ぶSEO。初級者向けと技術担当者向け、お好きな方をどうぞ
- Retry-After HTTPヘッダーに関する情報が「グーグルのクロール頻度を抑える」ドキュメントに追加
- YouTube、オリジナルのショート動画を優先する方向へ
- Google AI Overviewsでサイトへのクリックが約4割減、満足度は変わらず
- Google検索への反映にはどのくらいかかる? クロール・インデックス登録・検索結果の更新の目安
今週のピックアップ
SEO予算は「クリック数」目当てじゃダメ。3種の指標と3つの予算配分で上司もナットク
コメント (Growth Memo) 海外情報
SEOの計画では「流入を何%増やし、売上にいくら結びつける」という目標を立てたくなるが、今はそれが通用しにくくなっている。
プランは「訪問」より前段階での露出からスタートする。
指標は性質の違う3種類に分けて管理。
予算は3つのグループで配分を管理。
実務だけでなく社内からのプレッシャーにも苦しむSEO担当者に、AI時代のユーザー行動をふまえたSEOの予算やプランニングのノウハウをお届けする。
良質な情報をだしてくれたのは、SEOコンサルタントのケビン・インディグ氏とアマンダ・ジョンソン氏。「訪問の前」や「訪問がない場面」で起きることを軸に計画を組むよう勧めている両氏がGrowth Memo(グロース・メモ)ブログに著した記事の要点をまとめる。
記事では、SEOをとりまく大きな変化として次の3点を挙げている:
米国グーグル検索のゼロクリック率は、2024年の60.45%から2026年初頭に68.01%へ上がった(スパークトロとシミラーウェブのデータ)。
AIツールの導入にかかる時間が、ブランド活動の時間を削っていることが多い。
AIの影響は10倍も少なく見積もられている可能性がある(グラファイトの推計)。
今の時代、購入者のたどる経路は「検索→サイト訪問」とは限らない。まず「AIの回答」「レディットのディスカッション」「知り合いのリンクトイン投稿」などを見て商品を知り、サイトにはあとから直接来ることがある。その場合、最初のきっかけは解析ツールに残らない。
実は、これがマーケティング活動を進めるうえで問題になる。というのも、追跡できる成果だけで予算を決めると、実際に効いている活動まで削ることになるからだ。
そこで記事では、計画の出発点を「サイトへの訪問」から「顧客が情報を集める場所での露出」に移すよう提案している。ここで注意したいのは、AIごとに引用元がほとんど重ならない点だ。AIの引用の91%は、ChatGPT、Perplexity、AI Overviewsのうち1つにしか出てこない。ソーシャルメディアと同じように、場所ごとに作戦を立てる必要がある。
まず、自社のカテゴリでAIがどのブランドを薦め、どの情報源を引用しているかを調べる。そのうえで、社内の時間や工数をかける場所を決めていくのだ。
どのAIでの露出を高めるべきかが見えたら、次はそのための施策だが、そのなかでPRやコミュニティへの参加といったタスクの比重が以前より高くなっている。もし、そうしたタスクを意識していないのならば、エアオプスの調査のことを知っておくべきだろう。調査によると、第三者からの言及や評価が、AIでのブランドの見られ方の85%を左右するというのだ。
問題は、そうしたタスクは「手が空いたときにやる仕事」と定義するべきではないことだ。これまでSEO業務で重要度がさほど高くなかった「第三者へのPR(広報)」のタスクを、あらかじめ仕事のプランに含めておく必要があるのだ。
記事で提案しているのは、次のような動き方だ:
コミュニティ活動は「週に何時間、誰が担当するか」で予算に組み込む。担当者のいない項目は、予算が厳しくなったときに真っ先に削られてしまうからだ。
他の媒体が引用したくなる独自の調査データを作るための予算も、必要な費用として確保する。
コミュニティ向けの予算は、マーケティング予算の5%(場合によっては10%)が目安。
記事では、SEOの予算を作るにあたっての、指標の考え方についても述べている。
重要なポイントは、「これからは、1つの数字で効果を証明しようとしないほうがいい」という点だ。記事では、「性質の違う3つの指標を並べて見る」ことを勧めている。毎月、次のような切り口で指標を分けて報告するのだ:
| 見る層 | 指標の例 |
|---|---|
| 露出 | AIでの言及・引用、ブランド名の言及、表示回数 |
| 行動 | エンゲージメント、コミュニティでの話題、指名検索 |
| 成果 | 直接訪問、商談の数、コンバージョン |
3つの指標グループの変化を見れば、次にとるべき施策がわかる:
「露出」は増えたが、「指名検索」は横ばい ―― 言及が買い手に届いていない。発信の場所を、顧客がいるコミュニティやチャネルに移す。
「指名検索」は増えたが、「商談」は横ばい ―― 調べた人が転換していない。ランディングページ、提案内容、営業への引き継ぎを見直す。
「露出」も「指名検索」も減った ―― 競合に言及を奪われている。AIが今、誰を薦めているかを調べ直す。
そのうえで、年度の仕事を3つのグループに分け、それぞれ別のルールで予算を決めるよう記事は勧めている。その3つは次のように分ける:
| 予算グループ | どんなタスクを含めるか | 工数や予算の配分方針 |
|---|---|---|
| 実績のある施策 | 「技術的SEO」「コンテンツの更新」「すでに引用を得ているPR」など | 必要な人手を十分に確保する |
| 学習のための施策 | 「AIを使った業務の自動化」や「試したことのない検索サービスへの対応」など | 担当者を1人決め、上限と中止の期限をつける |
| 効果を測りにくい施策 | 「コミュニティ」「イベント」「ブランド活動」など | 数字だけで判断せず、経営の判断で予算をつける |
検索の状況は変化が速いので、年間の総額は固定し、3つの配分は四半期ごとに見直すのがいい。これら3つの指標を見ながら調整する形だ。
SEO予算に関して、記事ではさらに興味深い警告をしている。
AI SEOへの投資について説明できる根拠を持たないまま予算会議に臨むと、予算を有料広告に取られてしまう可能性がある。SEO担当者として、それは避けたいだろう。
年度の計画で問うべきなのは「何クリック取るか」だけではない。顧客が情報を集める場所にどう登場し、それを事業の成果にどうつなげるかである。
元記事で紹介しているようなことをふまえてプランを立てれば、有料広告に予算を奪われることなく、ビジネス成果に貢献できるSEOの仕事を進められるはずだ。
- 社内でSEOの業務をしている人すべて
グーグル検索SEO情報①
グーグルの大型アップデートが近い? リリー・レイ氏が挙げる兆候と今すぐできる対策
歴史は繰り返す (Lily Ray on Substack) 海外情報
グーグルが大型のアップデートを近く実施する ―― 世界的に名を馳せているSEOコンサルタントのリリー・レイ氏がだした予測だ。しかし、グーグルから時期や内容の発表があったわけではない。この予測は、レイ氏の長年の観察に基づくものだ。とはいえ、根拠として挙げられた事実は、SEOやGEOに関わる人なら押さえておけば何かに役立つことがあるかもしれない。
レイ氏によると、「グーグルは大型アップデートの直前か同時期に、ガイドラインなどの文書を書き換える傾向がある」のだという。たとえば2018年7月の品質評価ガイドライン更新の12日後にメディックアップデート※が始まった。2026年5月15日には、スパムポリシーがAI OverviewsとAI Modeにも適用されると明確にされ、その6日後に5月のコアアップデートが行われた。警告から実施までの期間は、数週間から数か月と幅がある。
今回の兆候1: 「AIコンテンツは公開前に人が確認する必要がある」
グーグルは10月1日、生成AIの利用に関するガイダンスを書き換え、「AIで作った内容は、公開前に手作業で正確性と信頼性を確認することが極めて重要」と明記した。確認する対象は「本文」だけではない。「タイトル」「meta description」「構造化データ」「altテキスト」も対象となる。
同じ週に、「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」のガイダンスにも新しい説明が加わった※。品質を見る軸は、次の4つだ:
- 手間
- 独自性
- 技能
- 正確性
人の監督や編集なしにAIで大量の文章を作ることは、「ほとんど手間をかけていない」例として挙げられた。
今回の兆候2: 「架空の著者は『欺瞞』」
専門家が書いたように見せる(実際にはそうではないのに)行為は、欺瞞にあたる。たとえば次のようなものだ:
- AIで作った顔写真
- 架空の名前
- 偽の資格
「こうしたページは利用者に信頼されないだけでなく、自動の品質システムにも信頼されず、低品質のサインになる」とグーグルは書いている。品質評価者向けにはすでにあった考え方だが、サイト運営者向けに自動システムと結びつけて示したのは新しい点だとレイ氏は言う。
今回の兆候3: グーグル担当者の発言とスパム更新の増加
量産されたコンテンツがリンクスパムより大きな問題になりつつある
こう語ったのはゲイリー・イリェーシュ氏。スペイン・バルセロナでグーグル検索チームが先日開催したSearch Central Liveでの発言だ。
同様の理由かは不明だが、スパムアップデートも増えている。2025年は1回だけだったが、2026年は3月、6月、8月、9月の4回だ。間隔は92日、55日、37日と短くなっている。9月のスパムアップデートの完了には、これまでの数日ではなく約2週間かかった。
レイ氏だけではなく、グレン・ゲイブ氏やマリー・ヘインズ氏らも大型アップデートの到来を予想している。
狙われやすいのはどんなサイトか
アップデートではどんなサイトが被害を受けたのだろうか。レイ氏が今年見てきたなかでは、次のような共通点があった:
- 経験のない分野も含め、数百から数千ページを短期間に公開している
- 都市名や電話番号だけを変えたテンプレートページを量産している
- 実在しない著者を使っている
- AI検索に引用されるための自己推薦コンテンツを作っている
特に注意したいのは、「人間の編集者がAIの下書きを確認していたのに評価を落としたサイトがあった」ことだ。問題は文章の出来ではなく、サイト全体の公開パターンと質だった。「人がチェックした記事もある」だけでは安全とは言えない。
GEOの定番手法も効きにくくなっている
「自社を1位にしたランキング記事」は、AIに推薦されるための手法として広まった。しかし、それも過去の話になってきているようだ。
レイ氏が2026年9月に「best B2B software」系の100クエリを調べたところ、自己推薦記事がAI Overviewsで引用されたのは、6月と比べて38%減った。記事を公開した企業自身が推薦から外れる割合は、69%から83%に上がっている。
第三者のランキング記事に料金を払って載せてもらう「有料の言及」も増えている。評価を渡すリンクが付く場合は、リンク購入と同じ問題になり得る。グーグルも、不自然な言及を集めても見かけほど役立たないと説明している。
さらに、グーグル検索で可視性を失ったサイトは、AI OverviewsやAI Mode、多くの場合はChatGPTでの引用も減ったという。検索で落ちると、AI経由の流入にも響く可能性がある。
大型アップデートに備えてやるべきこと
到来の可能性がある大型のランキングシステムアップデートに備えて、次の対処を実行しておくことをレイ氏は提案している:
大量に公開したAIコンテンツやテンプレートページを見直す。成果が出ていないものは、大幅な削除・改善・縮小・統合を検討する
著者ページを点検する。実在する人物と本当の経歴だけにするか、編集部名義で制作体制を正直に説明する
AIの利用状況を開示することを検討する。必須ではないが、読者が知りたいと思う場面では信頼につながる
AIを使う場合は、本文だけでなく、タイトル・meta description、構造化データ、altテキストまで、人間が事実を確認する
「自己推薦ランキング」「有料の言及」「自動のReddit投稿」など、AIの回答を操作する施策を見直す
グーグルの「ヘルプフルコンテンツのガイダンス」「AIコンテンツのガイダンス」「スパムポリシー」「品質評価ガイドライン」を自分で読む
大型のアップデートがいつ来るのかは、誰にもわからない。それでもレイ氏は、これだけ兆候がそろった過去の例では大型更新が続いたとして、「if(もし)ではなくwhen(いつ)」だと予測している。
更新後の回復には長い時間がかかることが多い。更新前に整理するほうが楽だという指摘は、もっともだ。量を増やすより、正確で独自性のある記事に力を入れる少数精鋭の考え方がさらに重要になりそうだ。
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著者情報でウソつくのはダメよ、Google検索ガイダンス更新。生成AIコンテンツのファクトチェックも
メインコンテンツの重要性も追加 (グーグル 検索セントラル) 国内情報
検索セントラルで公開されている次の2つのガイダンスに重要な更新が入った。先に紹介したリリー・レイ氏の大規模アップデート予測で触れられていたものだ:
順に更新内容を見ていこう。
「ウェブサイトで生成AIによるコンテンツを使用するためのGoogle検索のガイダンス」の更新
「正確性、品質、関連性を優先する」セクションに次の注意事項が加わった。
生成モデルは事実を取得するのではなく、トレーニング データに基づいて可能性の高い単語のシーケンスを予測します。このため、生成 AI の出力には不正確な情報(ハルシネーションとも呼ばれます)が含まれる可能性があります。
AI 生成コンテンツを公開する前に、手動でファクト チェックを行い、正確性と信頼性を確認することが重要です。
この審査は、<title> 要素、メタ ディスクリプション要素、構造化データ、画像の代替テキストなど、検索結果に表示される可能性のあるメタデータにも適用されます。
ハルシネーションを防止するためには、人間によるチェックが極めて重要だと注意喚起している※。コンテンツに限らず、各種要素にも同様のことが言える。
「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」の更新
メインコンテンツの品質に関するセクションが追加された。「メインコンテンツの定義」と「メインコンテンツに求められる4つの要素」(労力、独自性、才能やスキル、正確性)が説明されている。
また、「誰が(コンテンツを作成したか)」に関して次の注意書きが加えられた。
ただし、虚偽の著者情報を使用することは避けてください。クリエイターのプロフィールを捏造すること(AI 生成の顔写真、架空の名前、虚偽の資格情報を使用して、コンテンツが人間の専門家によって書かれたように見せるなど)は、欺瞞行為の一種です。いかなる形式の欺瞞も、ユーザーと Google の自動品質システムの両方にとってページを信頼できないものにし、低品質なページのシグナルとなります。
レイ氏が指摘したように、こうしたガイダンス更新の背景にあるのは、「AIによるコンテンツの大量生成(しかもファクトチェックなし)」「でっちあげの専門家」などの信頼性が低いコンテンツが問題になってきている点だと考えるのが自然だろう。
大型アップデートがあるなしにかかわらず、こうした施策は確実に評価を下げる。思い当たる節があるなら改善しよう。
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グーグルのAI検索は、サイトへの訪問を本当に減らすのか?
グーグルが何と言おうが実際は…… (arXiv) 海外情報
AI機能の有無で検索行動がどう変わるかを米国のグーグル検索ユーザー1,100人を対象に調べた無作為実験の結果が公開された(2026年8月にarXivへ投稿された査読前の論文)。
AI Modeはクリックを減らす。劇的に
結論としては、次の結果だった:
AI Modeが有効な検索では、外部サイトへのクリックが大きく減った。
すべての検索をAI Modeに切り替えた群では、外部サイトへのクリック率が通常の検索より18.8ポイント下がった。これは「18.8%減」という相対的な減少率ではなく、クリック率そのもの(絶対値)の差である。なお、AI Modeの会話全体を1回の検索と数えた場合は14.9ポイント減で、どちらの数え方でも有意な差だった。
特にクリック率が下がったのは次の3種類のサイトだった:
- ニュースサイト ―― 12.5ポイント減
- Reddit(レディット) ―― 21.2ポイント減
- Wikipedia(ウィキペディア) ―― 9.9ポイント減
AI Modeではユーザーの満足度も下がる
クリックの減少に加えて、AI Modeでは利用者の満足度も上がらなかったことが判明した。
AI Mode群では、1日あたりの検索回数が0.92回減り、1回あたりの検索時間は0.43分延びた。ただし、総利用時間が増えたかどうかはわかっていない。
検索結果への「信頼」「有用性」「満足度」「自分で情報を選べる感覚」は、いずれも下がった。自由記述で寄せられた定性情報としては、「目的のサイトに行きにくい」「情報源が少ない」「AIを使うタイミングは自分で決めたい」といった不満が目立った。一方で、「時間を節約できる」と評価する声もあった。
また、別の検索エンジン(Bing、DuckDuckGo、Yahoo)で検索した人の割合は11.2ポイント増えた。
ちなみに、「AI Overviewsがユーザーの満足度を向上させていない」ことが別の研究論文でも発表されている。
AI機能を非表示にすればクリックが上がる……とは限らない
AI機能を隠した場合の効果は、はっきりしなかった。
AI OverviewsとAI Modeを非表示にした群では、クリック率が上がる傾向は見られた。ただし、「AI機能を非表示にすればクリックが上がる」と言い切れるデータではなかった。
というのも、実験中にグーグルが画面の構造を変更したため、AI Overviewsを実際に隠せた割合は全体で約51%にとどまったのだ。隠せた割合を考慮した推定ではクリック率が8.8ポイント上昇したことになるが、単純に「非表示の群に割り当てた」場合のクリック率の差は2.7ポイントで、その差は統計的に有意ではなかった。
つまり、「AI Overviewsを消すとクリックが増える可能性」はあるものの、断定できる強さの証拠ではない。
また、AI機能を非表示にした場合でも、信頼や満足度に目立った変化はなかった。ただし、この部分は検出力が限られており、「効果がない」と言い切れるものでもない。
この実験は、AI Modeを強制すると外部サイトへの訪問が大きく減り、利用者の評価も下がったことを示している。
一方で、いま多くの人が使っているAI Overviewsが送客をどれだけ減らしているかは、この論文だけでは確定できない。
なお、この研究では、参加者のグーグル検索の表示や動作をブラウザ拡張機能で変更し、検索行動と利用者の評価を比べる無作為化実験を行った。調査方法の概要は次のとおりだ:
対象者 ―― 米国在住の18歳以上で、ChromeとGoogle検索を主に使う人を2026年3月17日から19日に募集した。登録者1,444人の大半は調査会社Prolific経由で、残りは大学の学生である。実験期間中に1回以上検索した1,100人を行動分析の対象とし、事後アンケートには956人が回答した。
実験の流れ ―― 最初の3日間は通常の検索を使ってもらい、普段の行動を記録した。その後、3群に無作為に分けて7日間使ってもらったうえで、最後に事後アンケートを1回実施した。分けた3群は次のとおり:
- 通常検索群 ―― 変更なし。AI Overviewsが表示され、AI Modeも使える。
- AIなし群 ―― AI Overviewsを非表示にし、AI Modeのタブも隠した。AI Modeへの検索は通常検索に転送した。
- AI Mode群 ―― すべての検索をAI Modeに転送した。画像やニュースなどの専用検索は使えた。
測定項目 ―― 行動データとして、外部サイトへのクリック率、検索セッション数、1回あたりの時間、他社検索エンジンの利用などを記録した。アンケートでは、情報への信頼、有用性、満足度、自分で情報を選べる感覚などを測った。主要アウトカムは「信頼」「クリック率」「1日あたりの検索セッション数」で、ほかは副次アウトカムである。
分析方法 ―― 仮説と分析計画を事前登録し、通常検索群を基準に比較した。複数の検定による誤りを抑えるため、誤発見率(FDR)の補正を行った。AI Mode群は割り当て全体への効果(ITT)を推定した。AIなし群は、実際にAI Overviewsを隠せた割合を考慮した効果(LATE)を推定した。LATEの推定方法は、事前登録に詳細がなく後から選んだものである。
妥当性の確認 ―― 群間で参加者の特徴に偏りはなく、事後アンケートの回答率にも有意な差はなかった(ただし、AI Mode群でアンケート未回答率がやや高い傾向があった)。
主な制約として、AIの非表示が不完全だったことと、短期間の強制利用を調べたことが指摘できる。グーグルの画面仕様変更により、AIなし群で隠せたAI Overviewsは全体の約51%にとどまった。また、参加者は若年、高学歴、民主党支持寄りに偏っており、自発的なAI Mode利用や長期的な慣れの影響は検証していない。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
「AI活用」のはずが、「AIを使うために無駄が100倍」になっているマーケターも多い模様
AI生成→修正→確認→また修正 (Dominic Kent on LinkedIn) 海外情報
英ブライトンで先日開催されたbrightonSEOカンファレンスに参加した人のリンクトイン投稿を紹介する。
brightonSEOでの発表を見て、「これは本当にマーケターが望んでいる状況なのか?」と疑問になった。
マーケターたちは、AIをコンテンツ作成に活用している。しかしその実態は、コンテンツを直接執筆するよりも時間がかかる「ライティング代行プロセス」だ。時間がかかるだけでなく、成果物の質は以前より悪くなっている。
そのうえ、「AIの出力結果は信用できないから」という理由で、AIが作成した文章を人間が修正するように指示される。
「普通に記事を書くほうが早くないか?」と疑問に思わないのだろうか?
「AIを使って記事を執筆する」という大前提に、疑問をもたないのだろうか?
彼らのワークフローは次のようなものだ:
- AIに何かを作らせる
- AIが作ったものを修正するためのプロセスを構築する
- AIをチェックする人間を配置する
- そのプロセス自体を最適化するための別のプロセスを作成する
- 繰り返す
その間、本来ならサクッと記事を書き上げられたはずの人が、ぼーっと座っている。
AIは非常に便利だ。しかし、「みんなが使っているから」という理由でAIを使うのは戦略とは言えない。
あと、スライドを入手するためにみんなが一斉にQRコードをスキャンしている光景は、まるでカルト教団のようだった。
単に私が歳をとっただけなのかもしれないが。
仕事が「業務プロセスにAIをどう活かすか」から「AIを中心にどうプロセスを組むか」にすり替わってしまい、クオリティや人間の専門性が置き去りにされている。こうした落とし穴にはまっているマーケターは、日本でも少なくないように思う。
コンテンツ作成(特に記事執筆)においては、AIはあくまでもサポート役として利用すべきだというのが現状だ。主体をAIに委ねてはいけない。丸投げしてゼロから記事を書かせるのではなく、素材を与えたうえで構成案の提案や、人間が書いた記事の改善、追加の視点の指摘、要約の作成などが向いている。
1年後や3年後にどうなっているかはわからないが、少なくとも現状ではそうだ。
- AIに記事作成させているすべてのWeb担当者 必見!
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