Google検索の68.01%はゼロクリック ―― そんなSimilarwebのデータを、ランド・フィッシュキン氏が解説。「他のデータではそんなに多くない」「なぜそうなった?」「今後の傾向は?」「対策は?」詳しく把握しよう。
また、PubConの創始者でもあるブレット・タブキ氏によるゼロクリック時代「グーグル ゼロ」対策の5つの戦略も、あわせて紹介する。
今週も、AIとSEOの重要なトピックやデータやテクニックやツールをまとめて紹介する。ピックアップしたゼロクリック時代の対策2記事に加え、「意外とイケてるBingウェブマスターツールのAI関連レポートの活用法」「Search ConsoleでもAIレポート!」「GA4で生成AIトラフィックをだれでも設定なしで分析」などのツールの話題や、SEOにおけるAI活用法、5月コアアップデート分析、LLMs.txtなどなど、ちゃんと理解するとかなり得する情報ばかり。今回も見逃せない!
- Google検索の68%が外部クリックなし!? ランド「ゼロクリックマーケティングを推進すべし」
- 検索トラフィックが消滅する「グーグルゼロ」とは? パブリッシャーのための5つの戦略
- Bing WMTのAIパフォーマンスレポートでコンテンツを改善する7ステップの手順
- Bing WMTのAIパフォーマンスデータを1クリックでCSV変換するブックマークレット
- SCに待望のAI検索パフォーマンスが登場!(日本はまだ)
- AIのSEOアドバイスに従ったら、インプレッションが500分の1に急落の悲劇
- GA4でだれでも生成AIからのトラフィックを分析できるようになった!
- グーグル検索「2026年5月のコア アップデート」分析: 大きなランキング変動あり、その特徴は?
- 「グーグルはLLMs.txtを無視する。AIには1ミリの影響もない」←グーグルが明文化
- 巷の「GEO/LLMO煽り」に惑わされないオトナの基礎知識
- SEOツール利用のガイダンスをGoogleが新規公開、AEO・GEO・LLMOブームに警鐘
- Google はなぜLLMs.txtを不要と言いながら推奨するのか? 検索とAIエージェントの決定的な違い
今週のピックアップ
Google検索の68%が外部クリックなし!? ランド「ゼロクリックマーケティングを推進すべし」
ゼロクリックマーケティングへのシフトが急務 (SparkToro) 海外情報
Google検索の68.01%がクリックなしで終了していることがわかった。3分の2超だ。米国の検索1,000件あたり、オープンウェブ(外部サイト)に到達するクリックはわずか213件である(その後の再検索まで考慮しても300件)。
Similarweb(シミラーウェブ)のデスクトップおよびモバイルブラウザのクリックストリームデータに基づき、2026年1月から4月までの米国のグーグル検索データをSparkToro(スパークトロ)のランド・フィッシュキン氏が分析したものだ。
ゼロクリック検索は過去10年間で着実に増加している:
| 2016年 | 45% |
|---|---|
| 2019年 | 49% |
| 2024年 | 60.45% |
| 2026年 | 68.01% |
10年間で23ポイントの増加であり、2024年から2026年の期間は、記録上最も速い2年間の加速を示している。
グーグル検索全体のうち、32%は何らかのクリックにつながり、39%はセッションが完全に終了し、29%は別の検索につながる(フォローアップ検索)。フォローアップ検索を行うユーザーの割合は、2024年から2026年にかけて7.2ポイント上昇している。フォローアップ質問の増加は、グーグルがユーザーを自社プラットフォーム内で検索し続けさせることに成功していることを反映している。
前回の記事で紹介したDatosの2026年第1四半期データとは、データの傾向がかなり違うように見える。しかし、それもそのはず。Datosのデータはデスクトップに限定したデータだったが、今回のSimilarwebのデータはモバイルのデータが含まれてる(対象はどちらも米国)。
画面の小さなモバイルでは、AI系機能がユーザー行動に与える影響が大きいだろうことは、素直に想像できて納得だ(もちろん、それ以外にもデータ収集方法やサンプリング対象の違いなどもあるだろうが)。
| Similarweb (2026年1月~4月) モバイル2/3、PC1/3 米国 | Datos (2026年3月) PCのみ 米国 |
|---|---|
クリックあり32% オーガニック21.32% グーグル系8.76% 広告1.92% クリックなし68% ゼロクリック39% 再検索29% | クリックあり66.4% オーガニック46.0% グーグル系18.0% 広告2.4% クリックなし33.6% ゼロクリック19.6% 再検索14.0% |
ゼロクリック加速の主な要因はAI Overviews(AIによる概要)だ。AI Overviewsは現在、検索の20%超に表示されている。表示された場合、クリック率はほぼ60%低下する。この拡大が、過去10年間でゼロクリックの最も速い増加ペースの原因となっている。
一方で、AIモードはまだゼロクリック増加の原因ではない。調査期間中にAIモードへ移動した検索はわずか0.34%だった。しかしグーグルはI/O 2026で「AIモードの月間ユーザー数が10億人を超え、クエリ数が四半期ごとに2倍超になっている」と発表した。AI Overviewsに加えて、AIモードも、将来的なゼロクリック増加の重要な要因になる可能性が高い。
傾向は続く。対策は「ゼロクリックマーケティング」
残念だが、グーグルには「ゼロクリックの増加に対して方針転換する金銭的インセンティブ」がないと考えられる。ユーザーをプラットフォーム上に留めることで、広告収益は伸び、投資家の信頼は高まり、フォローアップ検索の頻度も増加しているからだ。グーグルに対する米国の反トラスト法訴訟もあったが、同社の事業に大きな影響を与えることなく解決された。結果として、これまでの変更を継続する自由がグーグルには残された。ゼロクリックが増えていく傾向が逆転する可能性は低い。
フィッシュキン氏は次のように言っている:
SEOの改善だけでは、失われたトラフィックを取り戻すことはできない。投資を「ゼロクリックマーケティング」へ移行すること、つまり「ウェブサイトへの訪問を必要とせずにブランド認知と影響力を構築すること」に注力すべきだ。
フィッシュキン氏の言うゼロクリックマーケティングとはたとえば次のような取り組みだ:
トラフィックを主要KPIとするのをやめ、代わりに相関関係ダッシュボード※を構築する。
ターゲットオーディエンスがどのプラットフォームでどこに注意を向けているかを特定し、そこでの存在感に投資する。
AI Overviewsやその他のゼロクリック機能によって正確に引用されるような権威あるウェブサイトコンテンツを公開する。
とはいえ、従来型のSEOがまったく無意味になるわけではない。「ブランド検索」「ローカルビジネス」「購買意欲の高いトランザクション系」「実務的なクエリ」といった特定のカテゴリでは、SEOが依然として成果をもたらす。完全に捨て去るのは得策ではない。
データ範囲と注意点
このデータは米国のブラウザベース検索のみを対象としており、Googleモバイルアプリは含まれていない。ゼロクリック機能はアプリ内でさらに積極的に展開されているため、実際のゼロクリック率は68.01%より高い可能性が高い。
2016年および2019年のデータは、現在は廃止されたJumpshotパネルに基づくものであり、2024年のデータはDatos(現在はSemrush傘下)、2026年のデータはSimilarwebに基づいている。年をまたいだ比較は方向性を示すものであり、方法論的に同一ではない。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
検索トラフィックが消滅する「グーグルゼロ」とは? パブリッシャーのための5つの戦略
じわじわと差し迫る脅威への今から対策を (Search Engine World) 海外情報
検索が検索結果だけで完結してしまい外部サイトへのアクセスが発生しない状況が増えている。ピックアップで紹介したとおりだ。SEO業界で2000年以前から活動しているブレット・タブキ氏はこうした状況を「Google Zero(グーグル ゼロ)」と名付け、危機感を示している。
タブキ氏は、次のように定義している:
「グーグル ゼロ」とは、グーグルが「外部ウェブサイトへの入口」として機能するのをやめ、「グーグル自体が目的地として機能し始める」状態のこと。
「AI Overviews(AI による概要)」「AIモード」「強調スニペット」「ナレッジパネル」のような機能は、今やユーザーをどこかへ送るのではなく、検索結果ページ上で直接クエリに答えている。パブリッシャーは上位表示され、引用されていても、クリックを失う可能性がある。
さらに厳しい現実がある。検索結果上での回答を生成するための情報を集めるソースとして、グーグルはパブリッシャーのコンテンツに依然として依存している。一方で、パブリッシャーは取材・報道のコストを負いながら、その見返りとなるトラフィックを得られない。グーグルのためにタダ働きしているようなものだ。
グーグル ゼロに対抗すべきパブリッシャーのために、タブキ氏が提案している5つの戦略を紹介しよう。次のものだ:
- AIが圧縮できないコンテンツを作る
- すべての訪問でまた来てもらう経路を作る
- 意欲の高いページを強化する
- 正しい指標を追跡する
- ページビュー以外からの収益を多様化する
それぞれ解説していく。
1. AIが圧縮できないコンテンツを作る
ページの内容を1段落で要約できるなら、それはグーグル ゼロのリスクにさらされている。最も脆弱なのは「基本的な定義」「FAQ」「内容の薄いレビュー記事」といったコンテンツだ。より強力な対策は、「AIが簡単には代替できないコンテンツ」である。たとえば次のようなものだ:
- 独自調査
- 実地テスト
- 専門家インタビュー
- インタラクティブツール
- コミュニティフォーラム
「独自データ」「署名入りの編集判断」「再訪する理由」が含まれているなら、そのページには未来がある。
2. すべての訪問でまた来てもらう経路を作る
検索は、「複数ある発見チャネルの1つ」であるべきであり、「検索からのトラフィックがビジネス全体」であってはならない。対策は、「グーグル以外で再訪問してもらう経路を生み出す」方針を運用上のルールに据えることだ。たとえば次のような手段に目を向ける:
- メールマガジン
- メンバーアカウント
- コミュニティ
- RSSフィード
- アプリ
- ポッドキャスト
どんな訪問でも、行き止まりのクリックで終わるのではなく、「グーグルの影響を受けない別チャネル」でのユーザーとのつながりを作るようにする。
3. 意欲の高いページを強化する
グーグルが検索結果で回答していてもクリックしてくる訪問者は、意欲が高くかなり行動(コンバージョン)に近い段階にいる。「地域ページ」「商品ページ」「比較ページ」には、今や「信頼シグナル」「明確なCTA」「社会的証明」「高速なモバイルパフォーマンス」が必要である。
従来はSEOの「ランディングページ」として機能していたページを、「営業ページ(コンバージョンページ)」「信頼構築ページ」として同時に機能するようにしなければならない。
4. 正しい指標を追跡する
従来のダッシュボードは今でも重要だが、それだけではもはや不十分である。次の指標を追加して計測する必要がある:
- 検索インプレッション 対 CTR(グーグルがクリック前にクエリを満たしているかを検知するため)
- AIでの引用状況
- 1,000訪問あたりのメール登録数
- 再訪問者率
- 訪問者あたりの収益
- ブランド検索需要
5. ページビュー以外からの収益を多様化する
ページビュー依存型の広告モデルは、グーグル ゼロの影響を最も受けやすい。インプレッション数が減少した場合、広告単価の改善だけでその差を埋められることはほとんどない。オーディエンスの信頼に結びついた収益源のほうが、より回復力がある。次のようなビジネスモデルへの転換を検討する:
- 有料ニュースレター
- メンバーシップ
- イベント
- リサーチ商品
- リードジェネレーション
- ライセンス提供
- ツール
「公開された情報から、誰が価値を獲得する」のかをめぐる、じわじわと進む構造的変化がグーグル ゼロだ。集客口として検索エンジンに頼りすぎるのはビジネスの観点では非常に危険だ。「時すでに遅し」にならないように今から対応を進めていく必要がある。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報①
Bing WMTのAIパフォーマンスレポートでコンテンツを改善する7ステップの手順
グラウンディングクエリにコンテンツが十分に答えているか? (Will Reynolds) 海外情報
BingウェブマスターツールのAIパフォーマンスレポートの活用方法を、Seer Interactive(シアー・インタラクティブ)のウィル・レイノルズ氏が共有した。
次の7ステップだ:
Bing WMTにログインする。
過去7日間の「新しいページ」を探す。
そのページで、どんなGrounding Queries(グラウンディング クエリ)の対象になっているのかを確認する。
そのページが、それらの質問に対する良い答えになっているかを確認する。
そのページがグラウンディング クエリに対する良い答えになっていない場合は、人間にとってページや情報をより良くするためのリライトを今すぐ始め、質の高い回答を加え、できれば長期的に残れるようにする。
露出があることに浮かれて自分を褒めたくなる気持ちを抑え、これらのグラウンディング クエリを踏まえて、このページは役に立つのかと問い直す(いずれ回答の質は見抜かれ、それが長期的な持続性に影響するため)。
定期的にこれを行う。
BingウェブマスターツールのAIパフォーマンスレポートはCopilot(およびCopilotパートナープロダクト)のデータではあるが、コンテンツ改善という観点で活用すれば、すべてのユーザーの役に立つはずだ。結果としてグーグル検索の評価も上がるかもしれない。試してみよう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
Bing WMTのAIパフォーマンスデータを1クリックでCSV変換するブックマークレット
とっても簡単にデータ抽出可能 (Natzir Turrado) 海外情報
1つ前の記事で、BingウェブマスターツールのAIパフォーマンスレポートの活用方法を紹介した。
ただ、このレポートにはちょっと面倒なところがある。各ページのグラウンディングクエリを取り出すには、ページを1つ1つチェックする必要があるのだ。逆も然りで、グラウンディングクエリで引用されたページを取り出すには、クエリを1つ1つ見ていかなければならない。何千ものグラウンディングクエリやページがあるサイトでは非常に骨が折れる作業となる。
そこで、クリック一発で「クエリ」「ページ」「サイテーション数」の対応データをCSVフォーマットで生成するブックマークレットを紹介する。ナツィール・トゥラード氏が作成したものだ(トゥラード氏は、スペイン・バルセロナを拠点に活動する、国際的なフリーランスのSEOコンサルタント。テクニカル面や開発系にも精通している)。
こちらのページにある「Bing AI Performance Exporter」ボタンをブラウザのブックマークバーにドラッグ&ドロップする。
あとは、AIパフォーマンスレポートを開いてブックマークをクリックするだけだ。自動で処理が実行され、3つのCSVファイルをダウンロードできる。
各CSVファイルに含まれるデータは次のとおりだ:
mapping.csv―― 完全なマッピング。「クエリ + URL」の組み合わせごとに1行で、そのサイテーション数を含む。queries-summary.csv―― クエリごとに1行で、サイテーション数とマッピングされているページ数を含む。pages-summary.csv―― ページごとに1行で、サイテーション数、マップされたサイテーション数、マップされていないサイテーション数、関連するグラウンディングクエリの数を含む。
同様のデータはBing WMTのAPIを使えば取得できるが、このブックマークレットがあれば手軽にできていい。CSV形式なのでさまざまなツールやシステムで処理できる。生成されるデータの種類や利用方法は参照元記事の説明を参照してほしい(スペイン語で書かれた記事なので翻訳ツールを使うといい)。
※Web担編注 念のためにブックマークレットのソースコードを確認したが、Bing WMT以外のデータを取得したり、データを外部に送信したりといった挙動はなかった。気になる人は、次のようなプロンプトで生成AIにチェックさせるといいだろう。
これは、Bing WMTのAI Performanceでグラウンディングクエリのレポートを自動的に取得してCSVでダウンロードするブックマークレットで、経過表示・Quota制限への対応などを社名やロゴとともに表示する機能がある。
ブックマークレットのコードを確認して、上記のため以外の挙動(たとえば、WMT以外のデータの窃取や外部への送信)がないかチェックして。
ブックマークレットのリンクURL(実際にはJavaScriptのコード)をクリップボードに入れておいて、上記プロンプトに貼り付けるといい。
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- 技術がわかる人に伝えましょう
SCに待望のAI検索パフォーマンスが登場!(日本はまだ)
まず英国の少数サイトから (グーグル 検索セントラルブログ) 国内情報
Search Consoleに、AI Overviews(AIによる概要)とAIモードのパフォーマンスレポートが導入された。
「ついに!」と諸手を上げて喜びたいところなのだが、現在は英国のごく一部のサイトだけに試験的に提供されているだけだ。ゆくゆくは日本でも利用できるようになるはずだが、いつになるかは未定だ。
Search ConsoleのAIパフォーマンスで提供されるデータは次のとおりだ:
- インプレッション数 ―― 検索とDiscoverの生成AI機能でサイトのURLがどの程度表示されたか
- ページ ―― AI機能に表示されたURL
- 国 ―― 国ごとの露出
- デバイス ―― ユーザーがウェブサイトを閲覧しているときに使用しているデバイス
- 日付 ―― 時間別、日別、週別、月別の単位
現時点ではクエリとクリック数のデータは提供されない。
なお、Discoverの生成AI機能による表示もレポート対象だ。次のようにレポートされる:
- AI OverviewsとAIモードのデータは、検索パフォーマンスの[検索結果]レポートのサブレポートとして提供
- DiscoverのAI機能のデータは、検索パフォーマンスの[Discover]レポートのサブレポートとして提供
まずはフィードバックを集めている段階だという。日本ではまだ利用できないとはいえ、「AI検索のレポートを提供する予定はない」の状態から一歩前進と言える。「やっぱり提供するのはやめました」はさすがにないであろうから、辛抱強く一般公開を待とう。
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