デジタル広告の「今」

【2026】LINEヤフー最新アプデ:AIや広告の進化で、企業と顧客が友だちのようにつながる世界へ

LINEヤフーが2026年5月にプロダクトのアップデートを発表。AI・広告・LINE公式アカウント・LINEミニアプリなどの進化で企業と顧客が友だちのようにつながる世界を目指す。

四谷志穂(Web担編集長)

7:05

LINEヤフーは、2026年5月12日と13日の2日間、新宿住友ホールと三角広場で「Hello Friends! with LINEヤフー」を開催した。本イベントは今回で3回目となる。オープニングキーノートでは、同社の池端氏をはじめ、各担当領域の責任者が5人登壇し、企業と顧客の新しいつながりや、AI技術を活用した今後の展望について説明した。

三角広場にLINEヤフーのキャラクターが登場(写真・画像提供:LINEヤフー、以下同)

ビジネスとユーザーのつながりで「友だち」のような関係を目指す

キーノートセッションでは、まず池端氏が登壇した。本イベントは、企業や店舗などのビジネスと顧客が「まるで友だちのようにつながる世界」を作りたいという思いから開催されている。

まるで友だちのようにつながる世界観

池端氏は、LINEが誕生したのが2011年で、翌年にLINE公式アカウントがリリースされ、現在のLINE公式アカウントは100万以上の店舗や企業に日常的に利用され、年間約7億人以上の新しい「友だち」が生まれていると説明。

また、2020年にリリースした「LINEミニアプリ」は、現在すでに3万3000以上のサービスが提供され、月間約2900万人ものユーザーに利用される巨大プラットフォームへと成長している。ユーザーは新たにアプリをダウンロードすることなく、LINE上で会員証やモバイルオーダーなどの多様なサービスを利用でき、日常の顧客体験を大きく向上させている。

LINEヤフー株式会社 上級執行役員 コーポレートビジネスドメイン ドメインリード
池端 由基 氏

AI技術の一般化と「AIエージェント」の展開

このようなサービスと会話の境界線が消えゆくなか、同社はAI技術を一般化し、誰でも当たり前に使える世界を目指して「Agent i」を4月20日に発表した。Agent iが日常生活のサポートから企業の接客・集客までを自律的に実行することで、誰もがテクノロジーの恩恵を受けられ、企業と顧客が“まるで友だちのように24時間、いつでもつながり続ける”新しい世界観の実現を目指していると語った。

続いて登壇した二木氏は、この1年のAIにおける凄まじい進化に触れ、LINE公式アカウントのアップデート情報から説明していった。

LINEヤフー株式会社 上級執行役員
コーポレートビジネスドメイン ドメインCPO ビジネスPF SBU SBUリード
二木 祥平 氏

LINE公式アカウントの成長率

LINE公式アカウントは、毎年2桁%でアカウント数が伸長し、2026年3月の月間アクティブアカウントは127万超、2025年度の友だち追加数は6.9億人に到達する規模にまで広がっている。業種・業態も広がりを見せ、美容サロン、飲食、メーカー、ブランド、あるいはクリエイターやアーティストなどの個人などに使われているという。

LINE公式アカウントの成長率

LINEタッチ

新たなつながりを生み出すプロダクトとして2025年11月に導入されたのが「LINEタッチ」だ。スマホを専用のNFCタグにタッチするだけで簡単にLINE公式アカウントに友だち追加ができたり、LINEミニアプリを立ち上げられたりする。日本の店舗習慣との相性も良く、導入ブランドは2000アカウントを超え、累計タッチ数が100万回を突破している。

LINEタッチ:導入アカウント2000超、累計タッチ回数100万回超

LINEプロモーションスタンプ・絵文字の現状とアップデート情報

従来のLINEプロモーションスタンプに加え、昨年から本格的に開始した「絵文字」の勢いが止まらない。1日の送信回数は膨大で、年間で生み出す友だち追加数は3.7億人を超える。

LINEプロモーションスタンプ・絵文字:1日の送信数約2.2億回、年間友だち追加数約3.7億人

さらに、新しいつながり方を提供する新サービスとして「LINEシリアルコードスタンプ・絵文字」が2026年10月に先行リリース予定だ。

これは、特定の条件を満たしたユーザーにシリアルコードを発行し、入力してもらうことでスタンプを配布し、友だち追加へとつなげる機能である。たとえば、「イベントへの参加」「商品の購入」「サービスの予約」「ウェブサイト上での特定のアクション」などをトリガーとしてシリアルコードを渡すといった、多様で自由度の高いキャンペーン設計が可能になる。

LINEシリアルコードスタンプ・絵文字:2026年10月先行リリース予定

LINEビジネスプロフィール

2025年10月にアップデートを実施した「LINEビジネスプロフィール」は、企業の顔としてカスタマイズできるメディアへと生まれ変わっている。実績としてLINE公式アカウント内のクーポン機能への送客数が13.1倍になったり、ショップカードへの送客数が4.3倍になったりと、強力な送客装置として拡大を続けている。

LINE公式アカウントのビジネスプロフィール:クーポンの送客数13.1倍、ショップカードの送客数4.3倍


新サービス・OA Post(仮)

LINE公式アカウント上で「今どんなことが起きているか」といったリアルタイムの情報を発信したいというニーズに応える新サービスとして、「OA Post(仮)」も2026年夏頃に登場する予定だ。LINE公式アカウントから簡単に店舗のリアルタイム情報をポストして発信できる、新しい投稿機能だ。投稿された内容はLINEビジネスプロフィール上に集約されるだけでなく、LINEのミニアプリタブが「今日・今必要な情報が全て集まるフレッシュなタブ」へと生まれ変わることに伴い、そこでも情報が露出するようになるという。

OA Post(仮):LINE公式アカウントから情報発信ができる新しい投稿機能

LINEヤフー広告の誕生

続いて登壇した齊藤氏は、LINEヤフー広告について説明した。2026年4月に「LINEヤフー広告」がスタートした。これにより、1つのプラットフォームでYahoo! JAPANとLINEの両メディアに広告を配信することが可能となった。

LINEヤフー広告:2026年4月にスタート

プラットフォーム統合に伴い、学習データの増大やデータ活用のリアルタイム性の向上、アルゴリズムのモデル改善が行われた。その結果、さまざまな業種で10%以上のコンバージョンレート向上と、4%以上のCPA(顧客獲得単価)改善という明確な数値的メリットが現れているという。

LINEヤフー広告のアルゴリズム改善:各業種における成果

新しい広告サービスも順次開始予定だ。

  • 5月19日にはアップデートされた「友だち追加広告」がリリース:
    これはLINE公式アカウントの管理画面から簡単に出稿でき、LINE上だけでなくYahoo! JAPANのアプリ内などにも友だち追加を促す広告を配信できるようになるサービスだ。
  • OA Post広告:
    新機能である「OA Post」の中で反響の良かった内容を広告化し、ターゲットユーザーに対してさらに広く強くリーチできる機能だ。
  • 目的別フォーマット:
    広告からLINE公式アカウントのチャット画面や予約実行画面などに直接遷移できる、目的に最適化された広告フォーマット。チャットや予約といったアクションに合わせて、広告からコンバージョンまでを最短距離でつなげることが可能になる。
LINE公式アカウントと連動した広告サービス3種

LINEミニアプリ

続いて登壇した山崎氏は、良質な顧客体験の提供と「LINEミニアプリ」の進化について語った。

多くの方に利用されるミニアプリタブでの導線強化と実績

オープニングで池端氏からも説明があった通り、LINEミニアプリは、サービスリリース数は昨対比157%、月間利用ユーザー数も昨年対比でほぼ200%に拡大するなど、非常に多くのユーザーに利用されている。

LINEミニアプリ:サービスリリース数157.1%、月間利用ユーザー数199.9%(昨対比)

より多くのユーザーに「LINEミニアプリ」のサービスを見つけてもらうために、LINEアプリの「ミニアプリタブ」をLINEミニアプリの起点とする導線強化が行われた。ミニアプリタブ内では、ユーザーごとによく使うLINEミニアプリが最適化されて表示されたり、周辺のサービスがお知らせされたりする。

2026年3月にリリースされたばかりだが、すでに単月で4400万人ものユーザーが訪れているという。今後は、履歴やお気に入りがより使いやすくなるほか、過去の注文内容を保持して再注文をしやすくする動線や、注文ステータスの可視化などが予定されている。また、ユーザーの位置情報に応じたクーポンの並び替えや、まだLINEミニアプリを使ったことがないユーザーに向けたおすすめ診断フォーマットなども次々と提供していくという。

ミニアプリタブ:2026年3月にリリース、月間MAU4400万

アプリ内広告と決済機能によるマネタイズ支援

さらに、LINEミニアプリ内のマネタイズやオンライン体験向上のための機能も追加された。スマホゲームなどで有益な収益源となる「アプリ内広告」による収益化機能や、コンテンツ課金などにストレスなく対応できるLINEミニアプリ内決済機能「IAP」が実装されている。これらの機能はすでに150以上のLINEミニアプリで導入されており、事業者の収益化に大きく寄与している。

「アプリ内広告」による収益化機能、LINEミニアプリ内決済機能:150件以上導入

AppleのMini Apps Partner Programへの対応

そして大きなトピックとして、Appleが提供する「Mini Apps Partner Program(ミニアプリパートナープログラム)」への対応を進めていることが発表された。これにより、通常26%〜31%だった手数料が20%に抑えられ、事業者はより収益を上げやすくなる。2026年10月以降に向けて準備が進められている。

Appleが提供するMini Apps Partner Programへの対応:決済手数料が26-31%→20%に

業種別の独自ニーズに応える4つの新サービス

続いて登壇した大橋氏は、良質な顧客体験を提供するための新たな取り組みとして、それぞれの業種別の独自ニーズに応える4つの新サービスを紹介した。

①幅広い業種に対応する「CRMオプション」

2026年夏頃にリリース予定の「CRMオプション」は、LINE公式アカウントの追加機能として利用できる。フォーム機能を使った情報収集や、自社データのインポートによる顧客リストの可視化が可能だ。蓄積された顧客の誕生日や購買情報などのデータをトリガーに、ユーザーごとの最適なタイミングや興味に合わせたメッセージの自動配信など、高度なマーケティングを実現できる。小売業や生活関連サービス、教育など幅広い業種を対象としている。

CRMオプション:2026年夏頃リリース予定


②飲食店の業務を一気通貫でサポート「LINEレストランプラス」

2026年6月より提供を開始する予定の飲食業向けのサービスが「LINEレストランプラス」だ。飲食店に必要なレジやモバイルオーダー機能を提供する。ユーザーは卓上のQRコードを読み込むか、「LINEタッチ」にスマホをかざすだけでモバイルオーダーを立ち上げ、注文からクーポンの適用、会計手続きまでスムーズに完了できる。 

店側は初回客か常連客かのステータスに合わせた接客が可能になるほか、モバイルオーダー利用時に友だち追加を促すことで来店や注文履歴のデータを蓄積。そのデータをもとに、顧客の好みに合わせたクーポンの自動配信といったリピーター獲得施策も簡単に実行できるようになる。

LINEレストランプラス:2026年6月リリース予定

③美容室の予約・カルテ管理を統合「LINEビューティープラス」

2026年夏頃にリリース予定の「LINEビューティープラス」は、美容業向けに予約システムや顧客カルテを提供するサービスだ。サイトコントローラーと連携した予約台帳機能により、既存の他社サービスの予約とも統合した管理が可能になる。また、顧客カルテにはカウンセリングシートや過去の施術内容、来店記録が蓄積される。これにより、「最終来店から30日経過した顧客に染め直しのメッセージを自動配信する」といった、データを活用したピンポイントなアプローチが可能になり、リピーターの育成と良質な顧客体験の両立を実現する。

LINEビューティープラス:2026年夏頃リリース予定

④LINE上で簡単にストア開設「ECストアオプション(仮)」

最後に紹介されたのが、LINE上で簡単にストアを開設できる「ECストアオプション」だ。初めてECを立ち上げる事業者でも、ストア開設からCRMまでを簡単に実現できる。ユーザーは商品との出会いから購入までの一連の体験をLINE上でシームレスに完結できる。また、ビジネスオーナーにとっても「カゴ落ち」や「お気に入り」のリマインドといったEC運用に必要な個別配信の自動化が可能となり、効率的なCRM運用を実現できる新たなチャネルとして機能する。

ECストアオプション(仮)

AIによる新たな体験を紹介

再び登壇した二木氏は、2026年4月にリリースされた「Agent i」と夏頃にリリースされるビジネス向けのAI「Agent i Biz」について説明した。

Agent iは、AIを日常的に使いこなせていない一般層に向けに設計されている。LINEやYahoo! JAPANから簡単にアクセスでき、旅行のプランニングや節約レシピの考案などを自律的にサポートしてくれる。

一方、店舗や企業の複雑な運用オペレーションを代行・支援するのがビジネス向けのAgent i Bizだ。たとえば、ECサイトの担当者が「トラフィックはあるが購入に至らない」と相談を投げるだけで、離脱ポイントの深掘り分析から、予算状況を加味した最適なプランニング、メッセージやクリエイティブの生成、広告の配信設定、ルーティンのレポート作成までをAIが全自動で行ってくれる。

これらはPCの管理画面を開かずとも、LINEアプリ上で対話するだけで完結させることが可能だ。

ビジネス向けのAI「Agent i Biz」:2026年夏頃から順次リリース

「Agent i」を活用した飲食店の予約デモ

また会場では、CTOの垣内氏が登壇し、「Agent i」を活用した飲食店の予約までのデモが行われた。AIが24時間365日接客対応し、音声による自然な対話を通じて日程の空き状況や人数の確認・コース提案を行うだけでなく、「1名だけレバー抜きにしてほしい」「誕生日のお祝いメッセージプレートを用意してほしい」といった細かな個別要望にも柔軟に対応。そのまま予約を完了させ、店舗側の予約台帳システムへと即座に連携・反映させるスムーズな流れが披露された。本機能はすでに20社以上のパートナー企業で検討中だという。

最後に、再び登壇した二木氏は、今後はAI技術を活用して一人ひとりに合わせたコミュニケーションを実現し、ユーザーとブランド・お店とが「まるで友だちのような関係性」を構築していくことが同社のミッションであると語り、講演を締めくくった。

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