デジタル広告の技術はさまざまな進化を遂げ、ユーザーとのタッチポイントが多様化するなか、マーケターは常に大きな問題に直面しています。それは、次のような疑念です:
広告が適切なタイミングで、適切なオーディエンスに配信されているのか
従来の「興味関心」をベースとした広告配信では、期待するROIや結果を得られない状況が生まれており、広告配信のあり方そのものが見直されつつあります。
そうしたなかで突破口となるのが「購買行動」に基づいたターゲティング手法です。消費者の購買プロセスに寄り添うことで、高精度でより的確な広告配信が可能になります。
この記事では、従来のデジタル広告の課題と、今後求められる新たなアプローチ方法を紹介します。
従来のデジタル広告の課題
従来の広告プラットフォームは、主に次の2つのデータを活用したターゲティングが主流でした:
- コンテクスチュアル・シグナル(閲覧コンテンツ)
- ユーザー属性(性別・年代・居住地などのデモグラフィック情報)
しかし、これらはあくまで「広告主が描いた理想のユーザー像」に過ぎません。オーディエンス対象範囲の広さや基盤となるデータの鮮度、偏り、あるいは不完全性や誤差という要因が、ターゲティング精度の低下を招く一因となっていました。また関心があるだけでは、必ずしも購買に結びつくとは限らず、すでに購入済みのユーザーまで追いかけてしまうといった課題もあります。
こうした背景から、ユーザーが現在どのようなニーズを持ち、何を購入しようとしているのかといった「購買意向」に着目されるようになりました。
「購買意向」に沿った広告配信をするためには
では、消費者の「購買意向」に沿った広告配信とは、どのようにして実現されるのでしょうか。
それには、ユーザーの実際の購買行動に基づく膨大なデータ、たとえば特定の商品や商品カテゴリの閲覧回数、購入に近い行動など、ECサイトやオンラインで消費者が「実際に行動した」データを収集し、「誰が何を購入したか」「どのサービスに申し込んだか」といった具体的なパターンを分析することが重要です。
こうしたコマース起点の実行動データと、コンテクスチュアルな文脈理解(ユーザーのメディアやコンテンツの閲覧情報をもとに興味関心を推測)を組み合わせることで、より精度の高いオーディエンス設計の実現が可能です。
また、こうした「コマース・シグナル」を集め、次の2つの視点でデータを統合するのがカギとなります。
視点1商品属性
購買に至るまで関心を寄せている具体的な商品に関する情報。たとえば、次のような情報です:
- 消費者が現在閲覧している商品
- 関心を寄せているブランドやメーカー
- 検討中の商品の種類やカテゴリー
- 価格帯など
視点2顧客属性
消費者の行動や関心を捉える情報。たとえば、次のような情報です:
- 位置情報
- デモグラフィックデータ
- 実際の購入履歴
- 広告との接触状況
- 閲覧されたコンテンツの種類やカテゴリーなど
これらを掛け合わせAIを用いた高度な分析をすることで、「何を買ったか」だけでなく「次に何を買う確率が高いか」までを予測します。これにより、購買意向の高い潜在層を高い精度で特定することができるのです。
AIとデジタル広告の新たな可能性
AIの進化は、デジタル広告のあり方を変えつつあります。特に「機械学習(マシンラーニング)」と「深層学習(ディープラーニング)」の発展により、行動データからオーディエンスを自動的に抽出する仕組みが整いました。AIを活用して購買意欲の高いタイミングで情報を届けることは、企業と消費者の双方にとって価値のあるコミュニケーションにつながります。
たとえば欧州では、複数の小売業者やブランドが連携して、共通のAIモデルを育成することで、各社のレコメンデーション精度を向上させる取り組みも進んでいます。
その一例が、Criteoが提供する「コマース・オーディエンス」です。これは、世界中の消費者の購買行動に関する膨大なデータをもとに構築された広告ターゲティングの仕組みであり、数千におよぶ行動シグナルを活用することで、消費者のニーズに即した広告配信を可能とし、広告効果の最大化を支援します。
今後の広告は、単なる情報提供にとどまりません。消費者の意思決定に寄り添いながら、信頼と価値を提供することが求められるでしょう。
<Criteo 参考URL>
オーディエンス ターゲティング
https://www.criteo.com/jp/solutions/audiences/
