エゲつないほどカワイイのに私は社会不適合者。超絶美形女子「はましゃか」の破壊力半端ない!
まずは、美しさをご堪能ください。
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超絶美形女子「はましゃか」のかわいさの破壊力、半端ない。
そんな彼女は、多摩美術大学を2018年3月に卒業して、現在はフリーランスで活動しながら、女優を目指している。『ar』などで「生き恥を晒す」と話題のコラムを執筆する一方で、Instagramで「#しゃかコラ」という流行を作り出すマルチクリエイターでもある。
「はましゃかさんのネットストーカーです♥」というライオン・内田佳奈さんが、はましゃかさんへの愛全開で「マルチクリエイターとして働くきっかけ」「しゃかコラを編み出した裏側」「はましゃかさんが語るジェンダーレスの世界観」などを聞いた。◎撮影:吉田浩章
超美形女子はましゃかさん、一体何者?
内田: Web担読者の多くの読者さんがはましゃかさんと「初めまして」だと思うので、まず、経歴から教えてください。
はましゃか: 初めまして、はましゃかです。札幌から上京して、多摩美術大学のグラフィックデザイン学科をギリギリ(笑)今年の3月に卒業しました。大学では、イラスト・写真・広告とかを広く学んでいました。
内田: 今はどんなお仕事をしているのですか?
はましゃか: フリーで活動していて、文章を書く仕事をしたり、演劇の仕事をしたり、写真を撮ったり、イラストを描いたり、モデルの仕事をしたりしています。
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エゲつないほどカワイイのに「社会不適合者」?
内田: フリーランスで働くきっかけを教えてください。
はましゃか: 在学中にミスコンがあり、それに出場して、TwitterやInstagramを頑張り始めたのがきっかけですね。内輪では自分のナルシストキャラが浸透していたんですが、「外でうかつにやると嫌われるから出すもんじゃない」と思っていたんです。でも、自分に自信をもって発信することって楽しいなと。
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内田: なるほど。自分のよいところを素直に認めることはミレニアル世代にとても受け入れられる傾向にありますよね。
はましゃか: 私、実は貧困だったんです。
内田: え!? (突然のカミングアウトに驚く)
はましゃか: 大学4年のとき、普通のバイトができなくて。決まった時間に同じ場所に通い続けるってことができなくて。
内田: それって、社会不適合者ってこと?
編集: 内田さん、ズバリ言う(思わずつっこむ)。
一同: 笑
はましゃか: いや、でもホントなんです。太文字で社会不適合者って書いてもらいたいくらい。仕事はちゃんとやるのに、時間だけ間に合わなくて。やる気があるのに、やる気がないと思われてしまって。飲食店とかたくさんバイトをしたんですがダメで……。バイトができないってことは、会社勤めはできないなって。
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内田: なるほど。
はましゃか: じゃ、自分の得意なことでお金を稼ぐしかないってなって。そんなとき、しおたん(milieu編集長の塩谷 舞(@ciotan))さんが、私の話題になったブログ「はましゃかのミュー研ブログ」を見て、DMで「ごはん行きましょう」と誘ってくれて。2017年春ごろのことです。そのとき、まだ何にも実績ないんですよ。大学生だし、お金を稼いでいたわけじゃないし。
内田: はましゃかさんをおもしろいと思ったしおたんさんの気持ち、同世代の私はちょっとわかる気がします。ごはん行って、何か変わりましたか?
はましゃか: しおたんさんと一緒にご飯を食べに行ったときに、「私、絶対就職できないと思うんですけど、どうしたらいいですか」って相談したら、「大学4年生のうちに月20万円稼げるようになろう。そしたら、卒業したときにフリーランスで働けるじゃん」って言われて。
内田: 生き方を教えてくれたんだ。そういうことがあったから、「マルチクリエイター」って言われるほどいろいろチャレンジしてるんですね。あと、フリーランスで働くことを意識し始めたのは、最近のことなんですね。
はましゃか: 自分が「できないこと」と「できること」が明確なので、できることをやって、お金になって生活できれば、という感じで今のところなんとか生きています(笑)。
内田: 卒業したらどうするんだろうって心配していました。でも、卒業したばかりなのに、『じゃらん』とか『ar』コラムを書いているんですよ。すごいですよね。有名メディアで執筆や有名人にリプライをもらっているのを見るたび、じわじわとみんながはましゃかさんの価値観に染まっていくのを感じました。
はましゃか: いやいや。
内田: ところで、同級生もマルチクリエイターとして活動している人が多いのですか?
はましゃか: マルチクリエイターとして活動をするというよりは、在学中からSNSを使って活動している人たちが何人かいたので、「なるほど、こういう働き方があるのか!」と。私はたまたま発信するコンテンツを一つに絞っていないって感じですね。私もマルチクリエイターとして活動がしたいというより、新しい仕事を作ることに憧れています。糸井重里さんがコピーライターを作ったように、私もいろいろな仕事をしていくうちに新しい形が見出せたらなと思っています。
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はましゃかの強みは「あったかみ」だ! だから「#しゃかコラ」だ!
内田: 新しい仕事という点では「#しゃかコラ」とかもそうですよね? 私もマネしています。
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はましゃか: ありがとうございます! しゃかコラは、Instagramで独自性を出したくて。スマホ画面のなかに「あったかみ(温かみ)」が欲しい! Instagramって、アイデアの塊じゃないですか。日々新しいものが生まれる。いろんな人がオリジナリティを模索したり、それが流行りになったりもします。たとえば、ちょっと前に流行った9枚の写真投稿で1つの投稿にするとか。
内田: ありましたね!
はましゃか: Instagramの先駆者が、自分のアートのポートフォリオじゃないですけど、日々をアーティステックに記録するみたいな使い方をしていて。その流行を追うのが楽しかったんですが、追ってばかりじゃつまらない。まだ、誰もやっていないInstagramの加工法を考えていたら、「私の強みはあったかみだ!」となって、「しゃかコラ」を編み出しました。
内田: はましゃかさんは「あったかみ」、「生の人間っぽさ」、「芯のとおった意思」が混ざり合った存在だと感じます。独自の価値をしっかり見極めて、そのアウトプットが「しゃかコラ」だったんですね。ところで「しゃかコラ」って、オリジナルなのになぜ、やり方を公開しているのですか?
はましゃか: 感覚なんですが、隠すのはだめなのかなと。出した方がいいような気がするって。
内田: 感覚なんだ。
はましゃか: でも、友人が有料noteでオリジナルの加工方法を公開しているのを見て「やっちゃったー、私、もうブログで公開しちゃった。有料noteでアップすれば、ひと儲けできたかもしれないけど、もう駄目じゃん」って凹みました(笑)。でも私、流行を作りたかったんです。
内田: 流行を作る?
はましゃか: Instagramは今「#(タグ)」でフォローできるんです。なので、私ひとりの拡散力よりも、みんなにマネしてもらって「#しゃかコラ」を貼って使ってくれた方が拡散力が増すかなって。その結果、しゃかコラのコミュニティができたんです。
内田: みんなで取り入れて進化していく感じ、まさに、オープンソース! って、オープンソースってきっとはましゃかさんはわからないと思いますが……(笑)。
はましゃか: #しゃかコラでいろいろみんな投稿してくれて。それが本当に嬉しいんです。タグをつけてくれている人にはコメントしに行ったりします。
内田: 「なんとなく感覚で」かもしれないけど、ナチュラルにファンづくりやコミュニティづくりの才能があるんだなと思います。そこにSNSの特性も理解して活用している。マーケターとして見習うところばかりですね!
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チビしゃかはイノセント!
内田: コラムを書くきっかけになったブログですが、ブログ記事を書く時にどんな人に対して届けたいと思っていますか?
はましゃか: 過去の私ですね。
内田: チビしゃかに?(笑)
はましゃか: そう、私最近のアップデートがすごいんです。
内田: アップデートがすごい?
はましゃか: 私、実際に20歳になっても精神年齢は13歳のままだったんです。「知ることは汚れること。賢くなることは擦れること」だと思っていて、本当に大人になるのが怖かった。
内田: ピーターパンやん(笑)。
はましゃか: まさに! ピーターパン症候群。自分はイノセントでいたかった。大人にならないがゆえに、失恋をしたり、バイトができなくて生活に困ったり……。「そのままじゃ大学卒業後、生きていけない」って感じて。周りの人に無理やり、やる気スイッチを押してもらったんです。
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内田: やる気スイッチ(笑)。
はましゃか: 同世代に活躍している人がいるのに、自分がアップデートしないままではダメだ。生きて行けるだけの技量を身に付けなければ。人間関係も今のわがままなまま育っていったらダメだって。
内田: よい友だちを持ちましたね!
はましゃか: 無知であったがゆえに、失敗も多くて。でも、失敗からいろいろ学んでいくと、「今までなんでこんなことに気が付かなったのだ!」ということがたくさんありました。過去の自分に対する怒りというか、親心というか。あの時の自分を思い出すと可哀そうで仕方がない。
内田:具体的にどんなことですか?
はましゃか: たとえば、中高生向けの雑誌で架空のイケメン男性読者が「彼女とデートするときは露出高い服を着てほしくないな。でも、俺といるときだけは着てくれてもいいかな」って書いてあるのを、まじめに読んでいたわけです。私高校まで女子高だったので。
内田: あるあるだ。
はましゃか: デートの時は緑の服を着ちゃいけないとか。本当に信じていたんです。
内田: え、緑の服を着ちゃダメなんだ!(笑)
はましゃか: 男子の嫌いな服の色1位「緑」とか。
一同: 何それー!
はましゃか: 「男子の意見に合わせてファッションを選ぶ」のが当たり前だと信じていて。でも、それっておかしいですよね。私みたいな勘違いをしている人が世の中いっぱいるだろうなと思って。だから「危ない! そこ渡っちゃダメ!」っていうのを伝えたいんです。
内田: 私の屍を越えていけってこと?
はましゃか: そうそう(笑)。
内田: 冷静でニュートラルな姿勢に注目が集まっているように思っていたけど、その裏では伝えたい相手を明確に描き、気持ちが半端なくこもっているんですね。だからこそ、人に強く共感されるコンテンツになってるんだろうなと思います。
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サラダ取り分け禁止委員会とナンパされない10の方法
内田: ちなみに『ar』さんで連載しているはましゃかさんのコラムで私が好きなのは、「サラダ取り分け禁止委員会を発足します!」と「ナンパされない10の方法」です。
- サラダ取り分け禁止委員会を発足します!【はましゃかコラム】
https://ar-mag.jp/lifestyle/26822/2/ - ナンパされない10の方法【はましゃかコラム】
https://ar-mag.jp/lifestyle/24130/
はましゃか: ナンパのコラムは、痴漢に対する私の怒りの表れです。好きな格好をして歩いているのに、「そんな恰好しているから痴漢されるんだよ」って言われる。でも、好きな格好して歩くのの何が悪いのか。我慢するのが当たり前みたいになっていることへの怒りです。
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内田: サラダ取り分け禁止委員会は?
はましゃか: サラダ取り分け禁止委員会は、サラダを絶対取り分けるなっていう意味ではなくて、自分が女だから取り分けなきゃいけないっていう、女性の役割意識はいらないということを言いたかったのです。
内田: なるほど。
はましゃか: 「次の料理が来て、机に置くところがない、だから取り分ける」というのはいいんです。でもメディアでは「サラダを上手に取り分けられる女性」=「モテるテクニック」とか女性の価値を図る物差しって感じで情報が流している。それっておかしいですよね。そういう気持ちで女性が取り分けているのであれば、やめちゃった方がいいって。
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内田: 確かにね。「日々の生活で何気なくやっていた行為に、人としての尊厳が奪われていることがあるんだ」と、この記事を読んだときの新鮮な驚きと目の覚めるような感覚を今でもはっきり覚えています。
はましゃか: あと飲み会に行くと、飲み会ヒエラルキーというか、最下層が取り分けるんだよね的な圧を感じたことあります。このサラダ取り分け禁止委員会のコラムを書いた発端は、まさにこれです。
内田: あーある、ある。
はましゃか: 飲み会で、たまたま自分の隣が飲み会内での年長者で。ビール瓶を見て「あれ、ビール注がないといけないのかな」と思って。でも、初めてあった人だしな……。お世話になった人ならわかるけど、単純に隣に座っただけの人のためにビールを注いだり、サラダを取り分けたりする必要があるのかなって思って……。
内田: 難しいところだね。
はましゃか: で、何でもしないで「見ていよう」って思ったんです。そしたら鍋が来ちゃって(笑)。
内田: 鍋! 取り分け界のラスボス(笑)。
はましゃか: 「これ絶対働かなきゃいけないやつ」ですよね。でも、年長者の人がめちゃくちゃおいしいおじやを作ってくれたんです。申し訳なくなってきたものの、何もしないでおこうと決めたので最後まで何もしなかったんです。そしたら、飲み会が終わったとき年長者の人に「あなた、おもしろいけど、もうちょっと気づかいができるといいわね」って言われてしまって。
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内田: 凹むわ……。
はましゃか: 実験は失敗に終わった、と。気遣いのできない女というレッテルを貼られてしまって。でも、自分は子供のころから親戚の集まりとかで女の人だけが働いていることに違和感があったんです。
内田: なるほど。なかなか根強い思いなんですね。
はましゃか: たとえば、実際の家庭ではそこまで男女差がなかったとしても、マスメディアが描くドラマとかだと当たり前に女性が家事をしている。それがいまだにデフォルトですよね。たとえば、おむつのCMもたいてい一緒に映っているのはお母さんだったり。そういう作られた世界が、すごくいびつなものに見えてしまって。
内田: 日用品を扱う企業として、女性やお母さんを顧客像として描くことが多いので、耳が痛いとともにしっかり心に刻みたい言葉です。
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はましゃか「ジェンダーレス」への価値観を語る
内田: はましゃかさん世代は、ジェンダーレスという考え方があるんですかね。内田の少ないN数(母数)の研究によるとそんな気がします。
はましゃか: 笑、私たちの世代は、「おじさんと〇〇」とか「ミレニアル世代と〇〇」という対立で語られることが多いですよね。でも私は全然そんなの望んでなくて、望んでいるのは「共存」なんです。
内田: 共存?
はましゃか: 多くのメディアで「女性の価値観を開放せよ!」って言われることが多い。でも、私が男性に生まれていたら、なぜ男性が家族を養わなければいけないのか、と思うはず。背が高くて高収入とか、何で言われるんだろうって。
内田: よく聞くフレーズですね。
はましゃか: 私は、女性が実際に感じる性別からくる圧力は感じられるけど、男性が日々感じている圧力は実際には感じられない。でも、強くいなきゃいけないとか、何かを守らなきゃいけないとか、きっとなんで? って思ってる男性はいると思うんですよね。特に「男性だからこうならなきゃいけない」というプレッシャーを男性自らが、自分にかけているように感じていて。その呪いから解き放たれて、性別に関係なくスカートで出勤したいからするとか、化粧をしたい気分だったからするみたいな選択する自由という価値観が当たり前になったらいいと思う。
内田: 圧倒されてしまう気もするけど、すごく自由で楽しいイメージが湧きますね。インタビュー、ありがとうございました!
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取材を通じて感じたこと
内田: 今年のSXSW(South by Southwest)※で、「この商品は老若男女だれでも使うものだから、ジェンダーレスを訴えるためのキャンバスにしよう」という価値観の施策を目にしました。
海外でも、そして日本のミレニアル世代でも、ナチュラルにジェンダーレスの価値観を持っているのが今の時代です。私たちマーケターの施策が「真に心を揺さぶるもの」になるかどうかは、こういった価値観にいかに寄り添えるかということも大事なポイントではないでしょうか。
そして注目したいのは、はましゃかさんは「女性」の解放という意味でのジェンダーレスというよりも、「男女に関係なく、すべての人を呪縛から解きたい」という気持ちでいること。先人へのリスペクトも、若く弱い者への保護心もどちらもバランスよく持ちながら、発信を続けています。今話題の「Facebookおじさん」なんて一度も口にしませんでした(笑)。
そして、ファンづくりやファンへの対応・コミュニティ形成など、自然に振舞われる行為のなかに恐ろしいほど、コミュニケーションの才能を感じます。彼女を通して世代の最先端の価値観に触れていくことで、私自身も、マーケターとしての日々の仕事やアウトプットを進化させていきたいです!
※サウス・バイ・サウスウエスト:毎年3月にアメリカ合衆国で行われる大規模イベント
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