2025年のSEOをバッチリにする6つのポイント
2025年にSEOの成果を最大限高めるにはどのような戦略を取るべきか思案している人もいるかもしれない。その疑問にお答えしよう! 今回のホワイトボード・フライデーでは、ブランド認知度の向上やトラフィックソースの多様化など、2025年に役立つSEOのヒント6選をチマ・メジェが紹介する。

2025年に成果を出すには、ブランドが極めて重要になる。今回のテーマが2025年に役立つSEOのヒントであるのはわかっているが、どうかそのことを頭の片隅に置いておいてほしい。ステークホルダーと話すときは、SEOをどう使えば今年のブランド目標をサポートできるのかを考えよう。
ブランド認知度を高めてブランド検索を促進する

そのための最初のヒントは、ブランド認知度を高めてブランド検索を促進することだ。これはMoz Proで追跡できる。ブランド名を入力して調べるだけで、君のブランドを検索している人の数が表示される。
さらに一歩先を行くためのアドバイスとして、Moz Proでブランド名にソリューション名や製品名を加えて検索すると、君のブランドソリューションを検索している人の数を確認することもできる。
たとえばMozの例で言うと、現在は多くの人が「Domain Authority」(ドメインオーソリティ)を検索していて、その前に「Moz」を付け加えたり、「Moz Local」などを検索したりしている。こうしたブランド検索が増えれば、ブランドSEOに向けた取り組みが成果を上げていることがわかるだろう。
では、ブランド認知度を高めるには何ができるだろうか? これにはたとえば、次のものが挙げられる:
- ソーシャルメディア
- デジタルPR
- スポンサーシップ
- プロモーションの実施や試供品の提供
- 屋外広告やペイドメディア
- SEO
- ソートリーダーシップ
もちろん、SEO担当者としては、SEOだけに注力したいと思うだろう。しかし、私たちはあまりにも長い間、サイロに浸かっていた。そこで、あえてこう自問してみたい。
SEOを使って他のチャネルを拡大するにはどうすればいいか。
そして、こうした他のチャネルを使ってSEOを拡大するにはどうすればいいか。
そう自問することで、ブランドの目標が何であれ、その達成に役立つ統一された目標に向かって全員で取り組めるようになる。
たとえば、ソートリーダーシップはSEOをサポートできる。なぜなら、ソートリーダーがいる場合、またはソートリーダーシップのコンテンツを作成している場合、それは非常に優れたコンテンツ戦略となり、オーガニックだけでなくオーガニック以外でもトラフィックの増加につながるからだ。
ソーシャルメディアも同様だ。コンテンツを作成しているなら、ソーシャルメディアを使って、ブログで作成しているコンテンツを拡散させられる。あるいは、デジタルPRを使って試供品や実施中のプロモーションを拡散させることもできる。イベントに参加したり、イベントを開催したりしているなら、それを使って、君のコンテンツを利用している人たちの前でブランドを宣伝できる。
SEOのようには見えないかもしれないが、これらの異なるタッチポイントをすべて連携させることで、優れたブランドオーソリティを生み出せる。
トラフィックソースを多様化する

次に、誰もが話題にしていることで、今年はこれに注力する必要も出てくると私が思うのは、トラフィックソースの多様化だ。私たちは、「AIによる概要」が実に多くのブランドのオーガニック検索を確実に浸食しているのを目にしており、これに対処する鍵は多様化にあると誰もが言っている。
しかし、それはどういうことだろう? トラフィックソースを多様化するには、どうすればいいのだろうか? 私たちは長い間、グーグルに頼りすぎていた。鍵は「使い回し」にあると私は考えている。
実際にやるとなると難しいことはわかっている。誰もが、ただコンテンツを作成して次の作業に進みたいと思う。来た道を引き返して「これにどう肉付けできるか」などと考えたくはない。しかし、こう考えてみてほしい:
オンラインセミナーを1本制作し、そのオンラインセミナーの内容をうまく使ってブログ記事を2本、3本、4本作れれば、それだけで「新しいコンテンツを作る」という目標は達成できるじゃないか。
Mozでは次のようなことをしている:
私たちは、101のSEOツールに関するマイク・キング氏のオンラインセミナーを制作した。
そのセミナー1本からブログ記事を4本作成して、Mozブログに掲載した。
さらに、そのセミナーを細かく分割して短い動画を作成し、ソーシャルメディアやYouTubeに投稿した。
その後、このセミナーを電子メールでもバックアップした。
電子メールは、オンラインセミナーだけでなく、さまざまなものに役立てられることを注意してほしい。ポッドキャストやブログなど、あらゆるチャネルのバックアップに利用できるのだ。
これらのチャネルを相互にバックアップさせ合うことは十分に可能だ。
動画について言えば、2025年には動画が大きな存在になると誰もが話している。ポッドキャストやオンラインセミナーで動画コンテンツを制作したら、それを使い回して残りのコンテンツ戦略を強化できる。
おわかりのように、これはグーグルとは何の関係もない。それでも、オーガニックだけでなく、その他のチャネルからの検索も促進できる。
AIで生成される結果に合わせて最適化する

もう1つ話題になっているのが、AIで生成される結果に合わせて最適化することだ。はっきりさせておこう。グーグルは「AI検索に合わせて最適化するためにできることは何もない」と言っている。しかし、私たちはこれまでグーグルの話を信頼して聞いたことがあっただろうか?
これについては調査が進められており、今では多くのSEO担当者が「AIによる概要」やその他のAI検索機能に合わせた最適化を試している。そして、SEO担当者らが明らかにしている取り組みのなかには、「AIによる概要」で表示されるコンテンツの分析もある。
こうしたデータは、MozのエンタープライズツールSTATで取得できる。
- → MozのSTATを見てみる
これを使えば、AIだけでなく、どのようなクエリであっても、表示されるコンテンツを把握できる。表示されるコンテンツがわかれば、キーワードのパターンや構造がわかるようになる。そうすれば、検索意図がわかる。検索意図を理解することは非常に重要だ。それがわかれば、目的がインフォメーション(情報収集)なのか、コマーシャル(商業)なのか、どのようなクエリなのかがわかるからだ。
それがわかったら、コンテンツをこの上なく読みやすいものにしたい。超シンプルにして、誰でも読めるようにする必要がある。
次にやるべきは、検索クエリを必ずターゲットキーワードと一致させることだ。そのための簡単な方法は、Google Search Consoleにアクセスして、自分のURLを入力し、そのキーワードに対してグーグルにどのようなコンテンツが表示されるかを確認することだ。
たとえば、あるキーワードに対して表示されるようにしたいのに、Google Search Consoleでデータを見ると、そのキーワードに対してグーグルに表示されるコンテンツがまったく異なる場合がある。これらを一致させなければならない。君が作成したコンテンツとグーグルに表示されるコンテンツが違っていると、「AIによる概要」機能で拾ってもらえない。
そのうえで、「マルチメディア」「統計値」「専門家の引用」などを盛り込もう。専門家の引用については、単なる普通の引用ではなく、ソートリーダーとして尊敬されている専門家の引用をするのが良い。
基本的には、これらすべてが君のE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)となる。
そして最後に、自然言語向けに最適化する必要がある。なぜこれが非常に重要なのかを説明しよう。アップルはApple Intelligenceを導入し、Siriに実装した。私はグーグルを使っており、私のスマートフォンはGoogle Pixelだ。Geminiと音声で会話できる。音声検索やAIは今や定着している。もう以前には戻れない。
では、次のように考えてみよう:
人々は、音声検索でどのように質問をしているのだろうか?
コンテンツを作成するときは、その口調や会話の仕方を反映させたい。自然な感じにする必要がある。それらの質問に対する回答の仕方や、ユーザーが求めている回答も、詳細なものになるだろう。シンプルなコンテンツにしつつ、できるだけ詳細な内容にする必要もあるということだ。
ユーザー生成コンテンツ(UGC)を奨励する

これが私たちSEO担当者の仕事ではないように見えるかもしれないのはわかっている。しかし、今年検索に関するニュースを追っていた人なら、「考えられるありとあらゆるキーワードに対してRedditやQuoraのコンテンツが表示されている」ことをご存知だろう。
これはどちらかというと警告だ。QuoraやRedditでオーディエンスにレビューを投稿してもらうよう働きかけることはできない。裏目に出る可能性が高い。実際、先日のオンラインセミナーでこの疑問を提起したところ、「そうした行為には注意する必要があり、推奨しない」と言われた。私もそう思う。
代わりに、TrustpilotやCapterraなど、ユーザーがレビューを投稿できる他のプラットフォームに重点を置いてみてはどうだろうか。これらのプラットフォームなら、肯定的なブランド影響力のシグナルとして認識できるほどグーグルも賢いはずだ。
ニッチなインフルエンサーを活用する

影響力について言えば、君にはニッチなインフルエンサーが必要だ。それは君の業界内の人で、グーグルがニッチなインフルエンサーとして認識している人でなければならない。たとえば、私はSEO業界にいるので、今回もSEOの例を挙げよう。私なら、自分の場合のインフルエンサーとして、リリー・レイ氏やマイク・キング氏のような人を思い浮かべるかもしれない。
SEOツールを使っている人やインフルエンサーマーケティングを試みている人がアプローチすべきは、こういった人たちだ。というのも、グーグルはこうした人たちを権威として信頼しているからだ。オーディエンスも信頼している。これらを組み合わせれば、魔法のような効果が得られる。
ここまで説明してきたことはすべて、最初の「ブランド認知度を高めてブランド検索を促進する」の部分に返ってくる。それが、2025年におけるSEOの最終目標だ。自分のブランドを大きくしよう。ブランドを大きくして、人々が検索する前から、ジャーニーを始める前から、君のブランドのことを思い浮かべてもらえるようにしよう。
そうすれば、君のブランド名で検索する人も増えるだろう。
LLMからの参照トラフィックを追跡して、どこに注力すべきかを判断する

最終的には、これを追跡できるようにするべきだ。そこで、Googleアナリティクス4にアクセスして、AI検索からどの程度の参照トラフィックを獲得しているかを追跡しよう。
それには、Googleアナリティクス4にアクセスする。「ライフサイクル」の下で「集客」、次に「トラフィック獲得」を選択し、「セッションのキャンペーン」でフィルタリングしよう。それから、「ChatGPT」と入力するだけでいい。「Gemini」と入力してもいいし、何であれ君が見ている任意のAI検索プラットフォームを入力すれば、そのデータが得られる。あるいは、そのデータを取得するためのデータ探索ツールを設定するのもいいだろう。

※Web担編注 手元の環境では、「セッションのキャンペーン」でフィルタしても調査できなかった。フィルタするディメンションを「セッションの参照元」にして、「次を含む」で「chatgpt」や「gemini」を指定すれば調べられた。
以上、参考になれば幸いだ。2025年のSEO成功を祈っている。さようなら。

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