Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

Google検索結果の変化が加速? 1ページ目の48.8%が2年で入れ替わる時代のコンテンツ作り

Google検索のコンテンツ入れ替わり率が5年で2倍以上になった。背景には、AIの進化と度重なるアルゴリズムの更新がある。

グーグルの検索アルゴリズムが絶えず変化しているのは周知の事実だ。2023年には4,000件以上の改善を施したとグーグルは報告している。

一方、ウェブサイト自体はどうだろうか。新しいコンテンツが秒の単位で作られており、AIの進歩もあって(良くも悪くも)その傾向はさらに加速しているように感じられる。

  • コンテンツ作成のペースが加速しているのは本当なのだろうか?
  • それを具体的に測定することはできるのだろうか?

Mozのドクター・ピートが解説する

コンテンツの入れ替わりの現状と測定方法

結論から言うと、どちらの問いに対する答えも「イエス」だ。2019年末から2024年末までのわずか5年間で、コンテンツの入れ替わり率(コンテンツチャーン)は127%増加し、2倍以上になった。

次のグラフは、過去5年間の月ごとのコンテンツチャーンを示している。

コンテンツの入れ替わり率(2020~2024年)

「コンテンツチャーン」は業界で確立された指標ではない。具体的には、次のようなものだ:

「コンテンツチャーン」とは?

検索結果の1ページ目に、「過去30日間に検索結果の1ページ目に表示されていなかったURL」がどれぐらいの割合で存在するか(対象はGoogle.com/USのデスクトップ、率は1日単位の数値)。

つまり、最近の検索履歴と比較して、検索結果がどの程度「新しいか(変わったか)」を示しているのだ。このデータは、MozCastリサーチプロジェクトが2014年から追跡している1万件のクエリを対象に測定された。調査対象ののクエリには、検索ボリュームの多いヘッドキーワード(ビッグキーワード)が多数含まれている。

2023年に何が起こったか

グラフを見ると、2023年第3四半期(7月)まで着実に上昇した後、第4四半期に急落し、その後さらに速いペースで上昇して現在の高い水準に達しているのがわかる。2023年の夏は、歴史的に見ても検索順位の変動が激しい時期であった。特に顕著だったのは、次のGoogleアップデートだ:

  • 8月のコアアップデート
  • 9月のヘルプフルコンテンツアップデート
  • 10月のスパムアップデート

多くの「ノイズ」から「シグナル」を見分けるのは困難だが、「積極的なコンテンツ作成による入れ替わりの激しさ」にGoogleが何らかの形で対抗した可能性も考えられる。

また、2022年末にOpenAIのChatGPTが一般公開され、コンテンツ生成競争が本格化したことも、言及しておくべき点だ。「AIコンテンツの生成」と「それに対抗するGoogle」という構図での攻防は、検索順位だけを見て区別することが非常に難しいため、現時点では推測するしかない。

原因が何であれ、コンテンツの入れ替わり率は2023年末の急落後すぐに再び増加し始め、わずか1年も経たないうちに過去最高水準に達している。

時間の経過に伴う累積的な入れ替わり

入れ替わり率が2倍以上になったとはいえ、次のように思うかもしれない:

2024年12月の時点でもたった2.3%に過ぎない

たしかにその通りだが、この数値は「1日単位」のものである点に注意してほしい。この日々の入れ替わり率は時間の経過とともに累積されていく。対象期間をさらに遡るとどうなるだろうか? 長期的にはどのような傾向が見られるだろうか?

比較対象期間を30日間ではなく、3か月、半年と広げていくと、どうなるだろうか? 次のグラフは、2024年12月31日の時点で、コンテンツの入れ替わり率が時間の経過とともに累積されていく様子を示している。

時間の経過に伴う累積的なコンテンツの入れ替わり率

比較対象期間を24か月前まで広げると、コンテンツの入れ替わり率は48.8%に上昇する。これはつまり、2024年12月31日に検索結果の1ページ目に表示されたコンテンツのほぼ半分は、2年前にはその検索結果に表示されていなかったURLだということを意味する。

つまり、どういうことか

悲観的に見れば、コンテンツマーケターである私たちの苦労が、これまで以上に速いペースで「時代遅れ」になる可能性を示している。

しかし楽観的に考えれば、これはコンテンツの作成と更新における競争優位性がいっそう高まることを意味する。

コンテンツの入れ替わり率は、さまざまな検索意図を反映している点に注意が必要だ。たとえば、「ブランド名」や「ナビゲーションに関するクエリ」の検索結果はほとんど入れ替わらないが、「ニュース性の高いトピック」の検索結果は毎日書き換えられる可能性がある。自身のニッチ市場を深く理解し、そのコンテンツのライフサイクルを把握することが非常に重要だ。

どのような分野のウェブサイトであれ、コンテンツマーケティングを自動操縦に任せておくことはできない。これまで効果的だったピラーコンテンツでさえ、2025年には、ほんの数年前と比べて取って代わられる可能性が高くなる。

主要な検索結果や検索順位、そしてそれらが時間とともにどう進化しているかを常に把握しておくことが、かつてないほど重要になっている。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

フォーカスグループ
マーケティング調査手法の1つ。 市場セグメントを代表する人を会議室などに複 ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]