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コアアップデートは年○回? グーグルに翻弄されないために知っておきたい基本情報(前編)

これまでのコアアルゴリズムのアップデートから見えてくる傾向と、グーグルの姿勢を知っていこう。
この記事の内容はすべて筆者自身の見解であり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

グーグル検索におけるコアアルゴリズムのアップデートは、SEO担当者にとって厄介な問題になることもある。未知の事態への対応に追われ、変化に対処しようと奔走する様子を、グーグルはまるで他人事のように眺めている始末だ。

グーグルがコアアップデート、さらには定期的なアップデートについてさえ、秘密主義的な姿勢に終始していることを考えると、僕たちはアルゴリズムに翻弄され、独自の正当な対策を取ることもほぼできないように思えてしまう。グーグルがくり返し述べているように、ウェブサイトの所有者にとってアップデートとは戦う相手と見なすべきものではないのだ。

では、降参して諦めるべきなのだろうか?

答えはノーだ。僕たちが取れる戦術はたくさんあるが、長期にわたる微妙な戦術が必要だ(SEOにおいては何でもそうだ)。この記事では、コアアルゴリズムのアップデートに対処して分析し、結果に影響を及ぼす方法を探っていく。

グーグルのコアアルゴリズムアップデートに対処する方法

まず何よりも、コアアップデートに対する見方を適切に修正することが重要だ。前述したように、グーグルは前回のコアアップデート後に次のようにツイートし、アップデートを受けてウェブサイトの所有者が何かを修正する必要はまったくないと念を押した:

検索パフォーマンスが下がったページにとって、「修正」措置として意味があるのは、優れたコンテンツの作成に引き続き注力することだけだ。時間が経てば、他のページよりパフォーマンスが改善する可能性もある。

このように簡単に「修正」できないのは、ウェブサイトがある一定の期間にわたって評価されるからだ。これは基本的に評価点を1つにまとめた総合成績表と見なすことができ、サイトの評価を次のように判断するのに使われる:

  • 上げるか
  • 下げるか
  • 維持するか

つまり学年末に良い点数を取るには、

  • 日頃は授業をサボって期末テストの直前になって詰め込む

のではなく、

  • 学期全体を通して最善を尽くす

必要があるということだ。

同様に、多くのSEO担当者が、コアアップデートに先立つ数週間はウェブサイトの変更がほぼ無視される傾向を確認していることにも触れておきたい。

この発見は、わずか数週間以内ではなく、もっと長い期間にわたって行われた変更に基づいてウェブサイトが評価されるという観点からは、たしかに理にかなっている。めったにないことだが、グーグルがアップデートについて事前に予告してくれる場合でも、それを合図としてサイト全体に多くの変更を加えるべきではない

2018年以降に実施されたコアアルゴリズムのアップデート

タイミングについて理解を深めるための具体的なデータの例を示そう。過去のコアアップデートの開始日を使って、いくつかポイントを挙げてみる。

「コアアルゴリズムのアップデート」という概念が広く知られるようになったのは、コアアップデートの「Brackets」が最初だったようだ。

それを考慮して、2018年3月の「Brackets」以降に実施された過去のコアアップデートのタイミングを整理すると次のようになる:

四半期前回
アップデート
からの日数
202111174139
202171329
2021622181
20201234213
2020542112
20201131111
20199243113
201963283
20193121223
2018813106
2018417240
201838186

この表から、次のような洞察が得られる:

  • アップデートの頻度: 1年に3回(2021年を除く)。

  • 最も多い四半期: 第2四半期で、計4回。第4四半期は2回しか確認されていない(グーグルもホリデーシーズンを楽しんでいるのだろう)。
  • 最も多い月: 3月と6月に2回ずつ実施されている。

  • 1か月の間で最も多い日: 12回のアップデートのうち9回は月の前半(15日以前)に実施されている。半数以上は月の最初の4日間に実施されている。グーグルは月初にスタートダッシュを図っているのかもしれない。

ある程度までは、このデータを活用できる。グーグルによるコアアルゴリズムアップデートについての僕たちの分析と一致している:

  • 平均間隔は120日
  • 通常は年に3回行われる

これは、コアアップデートの間隔を把握して修正やアルゴリズム上の改善を試みる目安になる。

グーグルのコアアルゴリズムアップデートを分析する方法

次に、アップデートが適用された後のウェブサイトのパフォーマンスを適切に分析する必要がある。

グーグルは近年、アルゴリズムの変更についてわずかではあるが透明性を高めている。情報公開の一環として、アップデートの適用にかけている期間が1~2週間であることも明らかにした:

以前発表した2021年7月のコアアップデートを現在ロールアウト中だ:
twitter.com/searchliaison/...

これは通常、完了まで1~2週間ほどかかる。このようなアップデートに関するガイダンスは、以下を確認してほしい:
webmasters.googleblog.com/2019/08/core-u...

アップデートによる検索の改善に関する詳細:
twitter.com/searchliaison/...

アップデートの適用中は誰もが傾向を確認したくなるが、より詳細に分析するのは、適用が開始されてから2週間後、またはグーグルがアップデートの適用を完了したことを示唆するまで待つ必要がある。そうすれば、アップデート後の分析を何度も行わなくて済む。

Moz提供の分析ツール「STAT」でパフォーマンスの変動を測定する

STAT「Competitive Landscape」タブは、ウェブサイトのパフォーマンスの変動を最初に測定するうえで最適な方法の1つであることを僕は発見した。というのも、STATは追跡するキーワードを君自身が設定できるため、特に重視するキーワードに関するウェブサイトのビジビリティを、おそらく最も正確に示せるからだ。

STATは、Mozが提供するSEO分析ツール。大規模サイト向けに順位や検索結果ページを調査・分析できる(有料、6000キーワードで月額720ドル~)。

ただし次のような場合は、STATではあまり有益な結果を得られない可能性がある:

  • キーワードのサブセットを追跡している場合
  • 最近キーワードを追加したばかりの場合

なぜなら、外れ値を減らせるほど十分な規模のキーワードセットが必要になる可能性が高いほか、STATでは過去の履歴データを得られないからだ。

十分なキーワードセットがあると仮定した場合、STATの「Competitive Landscape」タブに移動すると、以下のような画面が表示される。

STATの「Competitive Landscape」イメージ画

指定したキーワードにおけるSoV上位10サイトのトレンドラインを示したグラフが表示される。STATでは、グーグルでの特定のキーワードセットのビジビリティをSoVで測定する。

※シェアオブボイス(SoV)は、次の公式で算出する指標:
 SoV = クリック総数 ÷ 検索ボリューム総数

このツールを活用することで、競合する上位10サイトに対するSERPの変動を把握できる。STATは7日ごとに、選択したキーワードセットの検索結果で上位10件に表示された頻度が高いサイトを簡単に集計している。この結果から、競合する上位10サイトが選ばれる。

コアアルゴリズムのアップデートに関して得られる多くのインサイトについて、次にその一部を挙げる:

  • キーワードセット全般におけるビジビリティの変動:

    業界全体の増減が、通常の需要拡大やグーグルのSERP機能の縮小といったさまざまな要因を示す可能性がある。

  • 自分のウェブサイトに対するビジビリティの変動:

    アップデート後に君のサイトに対するビジビリティが上昇した場合は、サイトがプラスの影響を受けたことを示し、ビジビリティが低下した場合はマイナスの影響を受けたことを示す。

    自分のサイトと競合サイトのビジビリティが逆相関の関係にある場合は、メジャーアップデートを受けてどちらが勝者になり、どちらが敗者になったかを示している。

  • グーグルに対するビジビリティの変動:

    通常、コアアルゴリズムのアップデート後にグーグルのビジビリティが高まった場合は、同社がSERPの追加機能を導入したために、君のサイトや競合サイトのビジビリティが実質的な影響を受けた可能性が高い。

特定のキーワードに関するビジビリティに応じて、君自身のウェブサイトは無条件で上位に表示される場合と表示されない場合がある。次では、無条件で表示されない場合に、「Competitive Landscape」タブに自分のウェブサイトを追加する方法を示す:

  1. 「Data Views」(データビュー)ペインでサイトを選択し、「Site Tools」(サイトツール)ペインの「Settings」(設定)をクリックする。

  2. 「Share of Voice」(シェアオブボイス)タブを選択する。

  3. サイトのドメイン名を入力する。

    • ドメイン名は完全一致で指定する。「www.example.com」と入力しても「example.com」や「shop.example.com」は調べられない。
    • スキーム(「http://」または「https://」)やディレクトリパス(「www.example.com/blog/」)は入力しない。
  4. 「Add」(追加)をクリックする。

  5. 「Save」(保存)をクリックする。

  6. 「Yes」(はい)をクリックして確定させる。

シェアオブボイスのグラフと表に、(上のスクリーンショットで左下に示したように)ピン留めされたサイトが表示される。このデータが計算されるまで、最大24時間かかることもある。ピン留めされたサイトにはアスタリスクが表示される。

コアアルゴリズムのアップデートを適切に対処する方法を学んでいるこの記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、アルゴリズムの面で望ましい反応を促すために改善できるポイントを探る。

→後編を読む

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