グーグルSERPが10年前に巻き戻り? 「1サイト2ページまで」の真意とは?【SEO記事12本まとめ】
グーグルの検索結果ページが10年前の仕様に戻った――同じサイトから2ページまでしか表示されなくなったのだ。なぜこのタイミングで古く懐かしい制限が戻ったのか、その背後には「検索結果の多様性」という狙いがあるようだ。
ほかにも、今週も「パーソナライズ」「モバイル検索でのファビコン表示」「コアアルゴリズム更新への対処方」などなど、SEO担当者に役立つ情報をまとめてお届けする。
- グーグルSERPのFAQリッチリザルトは敵か味方か?
- グーグル検索結果の「パーソナライズ」は性別や年齢も影響するのか?
- モバイル検索にファビコン表示開始! 確実に良いファビコンを表示させるには?
- 構造化データ始めてみませんか? グーグルが入門解説を公開
- Googleコアアルゴリズムアップデートの最適な対処方法とは?
- 画像を出し分けるときの重複コンテンツ対策は?
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今週のピックアップ
グーグルSERPが10年前に巻き戻り? 「1サイト2ページまで」の真意とは?
ランキングアルゴリズムのアップデートではない (金谷 武明 on ツイッター) 国内情報
グーグルの検索結果(SERP)に表示されるページが変わった。具体的には、同じサイトから2ページまでしか検索結果に表示されなくなったのだ。これは、
グーグル検索結果の上位に同じようなサイトばかり表示される。もっと多様なサイトを表示してほしい
といった声に応え、検索ニーズに応える多様なサイトが表示されるようにという変更だ。
検索結果が変わったといっても、この変更は「ランキングを決定するアルゴリズム」の更新ではない。ランキングをもとに「どのページを検索結果に表示するか」のルール変更だ。
冒頭に示したようなフィードバックをもとに「検索結果の多様性を確保することが目的」に導入したこの変更を、グーグル検索の広報役を担うツイッターの Google SearchLiaison アカウントが発表し、金谷氏が日本語に訳して案内してくれた。
具体的には次のような内容だ。
同じサイトのページは検索結果に2ページまでしか表示しない
ただし、特に関連性が高いと判断した場合は3ページ以上表示する場合がある
サブドメインも含めて「同じサイト」とみなす
ただし、関連性があるとみなされたサブドメインは別サイトとして扱う場合もある
このアップデートをグーグルは「site diversity」と呼んでいる。つまり「サイト多様性アップデート」だ(先日ローンチされた「June 2019 Core Update」とは別のアップデートだということだ)。
これまでは、クエリによっては特定のサイトが検索結果を埋め尽くすような状況もあった。そうしたサイトはこのアップデートでトラフィックが減少するかもしれない。しかし大部分のサイトには目に見えるような大きな影響はないだろう。
それにしても、「SERPには1サイト2ページまで」とは、SEO業界の人間としては懐かしい響きだ。というのも、昔のグーグルはこのルールだったのだ。しかし検索結果に「1サイトから3ページ以上もOK」となったのが2010年頃なので、10年弱の期間を経て昔に戻ったということか。
とはいえ、昔のルールと今のルールは少し意味が違うのではないだろうか。
昔は「リンクを集めているサイトがずば抜けて強すぎるので限定」という意図だったが、今は「検索結果に多様性を」という意図なのではないかと想像する。さて実際のところはどうなのだろうか。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報
グーグルSERPのFAQリッチリザルトは敵か味方か?
トラフィックは減るが、CXは改善できる (Lily Ray & Jarno van Driel on Twitter) 海外情報
FAQ(よくある質問とその回答)ページに掲載している項目を検索結果でダイレクトに表示するFAQのリッチリザルトを、グーグルが先日公開した(FAQリッチリザルト用の構造化データをページに追加すると表示される)。
FAQのリッチリザルトによって検索トラフィックが減ってしまったサイト管理者が、どうしたものかとボヤキをツイッターに投稿した。
The unintended consequence of adding FAQ schema. It looks so pretty in the SERP... but where did all our traffic go? 🙄#seo #structureddata #schema #google pic.twitter.com/yy93nGo6m8
— Lily Ray (@lilyraynyc) 2019年6月13日
ツイートで示されている検索アナリティクスのデータを見ると、インプレッション数は増えているもののクリック数は半減してしまっている。検索結果のFAQリッチリザルトでユーザーは疑問を解決できるため、わざわざサイトに訪問しないのだ。
トラフィック減少という観点では、FAQリッチリザルトはマイナスの影響を及ぼしたことになる。
ところが、FAQリッチリザルトのおかげでカスタマーサポートへの問い合わせ電話が3分の1に減り、コストを大幅に削減できたというサイトもあるようだ。
At my previous employer I worked together with customer service to create highly optimized contact pages. Google became so good at returning that info in search (before FAQ schema was launched) that customer calls were reduced by just over 1/3 - saved tons of 💰💰💰
— Jarno van Driel (@JarnoVanDriel) 2019年6月14日
収益は増えないが支出を抑えるという観点では、FAQリッチリザルトは貢献していることになる。さらには、顧客はわざわざカスタマーサポートに電話しなくても問題を解決できたというわけなので、CX(顧客体験)も改善されたといえる。
サイトへのトラフィックが重要ならFAQリッチリザルトは足を引っ張る要因になり得る。しかし、顧客体験を改善して不要なコストを削減するという観点では、ポジティブな貢献をする可能性がある。どちらを取るかはビジネスの判断だ。
コンテンツで集客するために検索エンジンを活用している人ではなく、顧客接点としてウェブを活用している一般企業のWeb担当者さんには、非常に喜ばしいことなのではないだろうか。
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グーグル検索結果の「パーソナライズ」は性別や年齢も影響するのか?
属性によるパーソナライズはしていない (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報
グーグルの検索結果は「パーソナライズ」される場合がある。自分がいつも使っているブラウザで見た検索順位と、他の人が見る検索順位が違うことは、現実的にあり得る。
ではグーグルは、年齢・性別・職業・興味関心といったユーザーの属性に応じて「パーソナライズ」して検索結果を変化させるのだろうか?
グーグルに限らずフェイスブックなどでも、広告では属性でターゲティングすることはふつうに行われている。同じようなことをオーガニック検索でも自動的に実行しているのだろうか?
結論から言うと「ノー」だ。検索ユーザーが若いからといって、若い人向けのサイトを上位表示するといったようなことはない。
グーグルは確かに検索結果をパーソナライズしているが、そもそもパーソナライズが適用される状況や与える影響はかなり限られていると説明している。具体的には、現状でパーソナライズに利用しているのは「場所」と「直前の検索」の情報だけであり、年齢や性別などの属性情報は含まれていない。
英語版オフィスアワーでのジョン・ミューラー氏の説明をもとに解説したが、別のグーグル社員に筆者が直接質問したことがあり、同様に、属性でのパーソナライズはしていないと回答を得た。
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モバイル検索にファビコン表示開始! 確実に良いファビコンを表示させるには?
全ページのファビコンが変わっているがチェック (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報
グーグルは、モバイル検索結果に表示される各リンクに、そのサイトのファビコンを表示するようにモバイル検索結果のデザインを5月下旬に変更した。
ヘルプページでは、ファビコンはトップページで指定されたものが取得されると記載している(ヘルプ内では「ホームページ」)。
だがファビコンを変更した場合は、トップページだけではなく全ページのコードを更新することをジョン・ミューラー氏は推奨した。そのほうが、ファビコンが変わったという明確なシグナルをグーグルに送ることができるからだ。
前述のヘルプにもあるが、ファビコンを指定するHTMLは次のものだ。
<link rel="shortcut icon" href="/path/to/favicon.ico">
検証情報から判断すると、早ければ数時間、だいたい1日以内にはファビコンの変更が検索結果に反映されるようだ。しかしミューラー氏は「1週間以上かかることもありえるだろう」と言っている。
まさか検索結果に表示されるとは思っておらず、あまりファビコンに注意を向けていなかったサイトもあるだろう。このタイミングで、検索結果で目を留めてもらえるより良いファビコンに更新したのならば、それを確実に反映してもらうように、全ページのHTML内でファビコン指定が変わっていることを確認しておこう。
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構造化データ始めてみませんか? グーグルが入門解説を公開
シリーズもの第一弾 (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ) 国内情報
グーグルの検索結果でよりアピールするための構造化データの活用を勧める解説記事を、グーグルがウェブマスター向け公式ブログに投稿した。
シリーズものの第一弾で、まず次のようなトピックを取り上げている。
- 構造化データの概要紹介
- 構造化データの成功事例
- 構造化データでできること
非常に初歩的なのですでに構造化データを実装している人には目新しい情報はない。しかし、
- 構造化データについてほとんど知識がない
- これから構造化データを始めてみようかと考えている
といった人にとっては入門編としてちょうどいい。
第二弾は、Search Consoleを利用した構造化データの監視についての記事が予定されている。英語記事はすでに公開されている。日本語訳が待てない人は先に読んでおくといい。
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