strongタグとbタグのホントの意味の違いとSEOにおける違いとは?【SEO情報まとめ】
あなたは<strong>
タグと<b>
タグの違いを知っているだろうか。
「<b>
タグは太字表示でしょ」というあなたの知識は古い。最新の情報を把握しておこう。
ほかにも、Google検索のコアアップデート、寄生サイト取り締まり続報、グーグルのAIチャット「Bard」利用登録開始、Search Consoleデータの活用方法などなど、あなたのSEO力をアップさせる情報を今週もまとめてお届けする。
- 2023年初のコアアップデートが始まる
- 長期間スパムだったサイトは所有者が代わってもスパム扱いされる?
- グーグル、寄生サイトの取り締まりを継続中
- グーグルのAIチャット「Bard」が実験版を公開(順番待ちリストへの登録が必要)
- Search Consoleのデータをスプレッドシートへエクスポートする方法
- Looker StudioでSearch Consoleデータをモニタリングする方法
- Search Consoleのユーザー管理機能がバージョンアップ
- CWVを劇的改善させたサーバーサイドレンダリング(SSR)化
- ニュースサイト向けに、グーグル検索の基本を2人のグーグル社員が解説
- GoogleのPC検索でもファビコンとサイト名が表示されるようになる
- サブドメインのサイトでもGoogleモバイル検索でサイト名を表示できるようになる
今週のピックアップ
<strong>タグと<b>タグ、ホントの意味の違いとSEOにおける違いとは?
SEO観点で使い分けなくていい (March 2023 Google SEO office hours on YouTube) 海外情報
あなたは<strong>
タグと<b>
タグの違いを知っているだろうか。
「<b>
タグは太字表示でしょ」というあなたの知識は古い。最新のHTML定義でどうなっているか把握したうえで、SEO観点からの取り扱いも把握しておこう。
<strong>
タグと<b>
タグのグーグル検索での扱いの違いについて、グーグルのリッジィ・サースマン氏が、2023年3月の英語版オフィスアワーで次のように説明した:
<strong>
タグも<b>
タグもテキストが重要であることを明確にする方法です。でも、同じではありません。
<strong>
タグは、事実上、もっと極度に重要で、緊急で、深刻な場合に使うべきです。たとえば警告です。(違いを)覚えるための方法として私が好きなのは、
<strong>
タグは太字装飾よりも強いということです。
まず仕様としての定義からみていこう。
<strong>
タグも<b>
タグも、(CSSで調整していない限りは)どちらも多くのブラウザではたいてい太字で表示される。見た目に違いはない。しかし、HTMLのセマンティック観点からは意味が異なる(引用部分はMDNの解説):
<strong>
タグ ―― 内容が重要であることを示すものHTML の強い重要性要素 (
<strong>
) は、内容の重要性、重大性、または緊急性が高いテキストを表します。ブラウザーは一般的に太字で描画します。<b>
タグ ―― 読み手の注意をひきたいが意味的に重要性があるわけではないものHTML の注目付け要素 (
<b>
) は、要素の内容に読み手の注意を惹きたい場合で、他の特別な重要性が与えられないものに使用します。
MDN上でも<strong>
と<b>
の区別について次のように解説している。
新しい開発者をよく悩ませることが、ウェブサイトの表示において同じことを表現するために、なぜたくさんの方法があるかということです。
<b>
と<strong>
はもっともよくある混乱の源で、開発者に「<b>
と<strong>
のどちらを使えばいいんですか? どちらも同じことをするんでしょう?」という疑問を起こします。それは正しくありません。
<strong>
要素はより高い重要性を持つコンテンツのためのものであるのに対し、<b>
要素はより重要であるという意味なしに、テキストに注意を引かせるために使用します。HTML5 ではどちらも有効で意味のある要素であり、ほとんどのブラウザーでは、同じ既定のスタイル (太字) が使用されていることは間違いありません (ただし、古いブラウザーの中には
<strong>
に下線を引くものもあります)。それぞれの要素は特定の種類のシナリオで使用するためのものです。単に装飾のために太字のテキストを使用する場合は、代わりに CSS の font-weight プロパティを使用してください。囲まれたテキストの意図された意味または目的によって、使用する要素を決定してください。伝えられる意味がどのような意味であるかがすべてです。
こうした違いがあるので、「意味的に強調したい場合には<strong>
タグを用いるべき」だとサースマン氏は述べているのだろう。
次に、グーグルのことを考えていこう。
もう10年近く前になるのだが、当時グーグルの検索チームで働いていたマット・カッツ氏は次のようにコメントしていた:
ランキングや評価、インデックスなどそういったものにおいては
<strong>
タグも<b>
タグもまったく同じように(グーグルは)扱っていた。同様に
<em>
タグと斜体を示す<i>
タグもまったく同じように扱っていた。どちらを使ってもグーグルのランキングには違いを生まない一言で言ってしまうと、(どのタグを使うべきかは)気にしなくていい。僕が知る限りでは、
<strong>
タグとbタグ、<em>
タグと<i>
タグをグーグルは等しく扱う。意味的なことを考慮して使い分けるなら、それはもちろん構わない。だけどどちらでもグーグルは気にしない。
つまり、次のタグに対するグーグル検索の扱いは同じだというのだ:
<strong>
タグ と<b>
タグ<em>
タグ と<i>
タグ
ただし、先にも言及したように10年近く前の情報だ。現在は扱い方が変わっているかもしれない。
少なくとも、強調タグはSEOに役立つのは確かなことだ。とはいえ、どう役立つのかは、あなたがイメージするものとは違うかもしれない:
× 上位表示に効果がある ←この効果は期待できない
○ ページの中で重要な部分をグーグルが把握する手助けになる ←この効果を期待する
詳細は過去記事を参照してほしい。
なんにせよ、<strong>
タグと<b>
タグ、そして<em>
タグと<i>
タグに関しては、上位表示に役立つかどうかで使い分ける必要はない。それぞれのタグが持つ本来の意味と目的に応じて使い分ければいい。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
グーグル検索SEO情報①
2023年初のコアアップデートが始まる
大きく動いている模様 (Google Search Central on Twitter) 海外情報
グーグルは、コア アップデートの展開を3月15日(太平洋時間)に開始した。ツイッターでアナウンスしている。
Today we released the March 2023 core update. We'll update our ranking release history page when the rollout is complete: https://t.co/sQ5COfdNcb
— Google Search Central (@googlesearchc) March 15, 2023
本日、2023年3月のコア アップデートをリリースしました。展開が完了したらランキングアップデートの履歴ページを更新します。
ランキングアップデートの履歴ページには、展開の完了までには最長で2週間かかると書かれている。3月中には完了するだろう。
Search Engine Roundtable(サーチエンジン ラウンドテーブル)によれば、幅広いジャンルで大きめのランキング変動が発生したようだ。筆者が調べた限りでは、日本でも展開直後に大きく動いていたようだ。
コア アップデートに関するグーグルからのアドバイスは今までと変わらない。影響を受けたようであれば、こちらのドキュメントをあらためて参照するといい:
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
長期間スパムだったサイトは所有者が代わってもスパム扱いされる?
前科ありすぎで検索エンジンに信じてもらえない (John Mueller on Twitter) 海外情報
別の人が以前に所有していたドメイン名、いわゆる「中古ドメイン」を購入してサイトを公開したものの、5か月たってもまったく検索トラフィックがないと途方に暮れるサイト管理者が、グーグルのジョン・ミューラー氏に相談した。
どうやら、長らくスパムをやっていたサイトのようで、グーグルは依然としてスパムサイトだとみなしているらしかった。
ミューラー氏は次のように説明した:
archive.orgを見たところ、そのドメインには、長期にわたってややこしい歴史がある。以前とはまったく異なるサイトで、過去数十年にやってきたこととは無関係だと検索エンジンにわからせるのは難しいように思う。
Looking at https://t.co/DusIkyCibB, that domain has a long and complicated history. I think it's going to be hard to convince search engines that it's something very different & unrelated to what was done in the past decades.
— johnmu is not a chatbot yet 🐀 (@JohnMu) March 6, 2023
つまり、「前科がありすぎて、今はまっとうだと検索エンジンに信じさせることは無理」だというのだ。
筆者が、archive.orgのWayback Machine(ウェイバック マシーン)で調べたところ、2000年よりも前から使われていたドメイン名だった。現在に至るまで、数回、所有者が変わっているようだ。常にスパムサイトとだったかどうかまでは調査できてないが、ミューラー氏のコメントから察するに、少なくとも大半の期間はスパム行為をやっていたのだろう。
過去にスパムだったドメイン名を知らずに買ってしまうケースは珍しくない。新規にドメイン名を取得する際には、Wayback Machineで以前に所有者がいたかどうか、いた場合はどんなサイトだったかを必ず確かめよう。怪しい点があれば、取得を控えるほうがいい。
- すべてのWeb担当者 必見!
グーグル、寄生サイトの取り締まりを継続中
スパムポリシーの回避は許さない (辻正浩 on ツイッター) 国内情報
so.laの辻氏による寄生サイト問題の続報だ。
寄生サイト周り、1月・2月の調整や3月のコアアップデートで大分落ちていますが、そういう中で回避手段に出る所も増えましたね。「そんな事したらドメイン単位でやられるだけじゃ?」というような回避手法も多いです。おそらく寄生側はリスクを説明していないのでしょうが。(続く
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) March 20, 2023
続き)Googleのガイドライン違反に対する対応で、同一サイトで2度3度と続けて違反した時の対応の厳しさは、2010年前後とかに激しくSEOに関わっていた人なら思い出したくないほどよくわかると思います。もう10年以上前で、知らない人も少なくないのかもしれませんが……。(続く
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) March 20, 2023
続き)「Googleの寄生サイト対策」の回避関連。Googleは「ポリシー違反の回避」を問題視する文書公開を昨年11月( https://t.co/f5QLCvQPg9 )、今年2月( https://t.co/G9JVe0iQep )と直近にしましたが、その文書の内容も寄生サイトの意識が強そうです。悪質な業者に騙されないようご注意ください。
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) March 20, 2023
グーグルは2023年初めにも寄生サイトに対処したと思われるが、排除の取り組みを継続しているようだ。
辻氏が最後に言及しているのは「スパムに関するポリシー」を解説するドキュメントの「ポリシーの回避」のセクションのことだ。最近更新され、わかりやすく簡潔な表現になった:
Google のスパムに関するポリシーや Google 検索のコンテンツ ポリシーの回避を目的とした行為に関与した場合、Google は、検索の一部の機能(トップニュース、Discover など)の利用資格の制限または削除など、適切な措置を講じることがあります。回避行為には次のようなものが含まれますが、これらに限定されません。
- ポリシーに違反する行為を継続的に行うことを目的として、複数のサイトを作成または使用する
- コンテンツの配信の継続や、ポリシー違反を目的とした行為への継続的関与を意図した他の方法を使用する
この更新が、寄生サイトを意識してのものかどうかは筆者には判断がつかないが、スパムポリシーをかいくぐろうとする行為には相応の措置が与えられるのは間違いない。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグルのAIチャット「Bard」が実験版を公開(順番待ちリストへの登録が必要)
もう形になってきた(Bard) 海外情報
グーグルが会話型AIサービス「Bard(バード)」を発表したことを伝えたのが2月末だが、もうBardが形になってきたようだ。
すでにBardのサイトができており(英語)、利用できるようになるための順番待ちリストへの登録を受け付けている。
サイトにアクセスし、[Join waitlist]ボタンから登録しておこう。
ただし、うまくいかない場合もあるようだ。注意点は次のとおり:
現時点では個人用Googleアカウントのみが対象で、Google Workspaceアカウントでは登録できない
→Gmailなどのアカウントで登録する一部の環境では次の表示となり、登録できない
「Bard isn’t currently supported in your country. Stay tuned!」
→VPNを使うまたは対応されるまで待つ
サイトではBardのことを次のように解説している:
クリエイティブで役に立つ共同作業者が、あなたの想像力をスーパーチャージし、生産性を高め、アイデアに命を吹き込む。
決して「新しい検索」のような表現はしていない。また、当面は英語のみ対応のようだ。
- 新しい技術を試したい人はぜひ
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