国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
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グーグル検索でインデックスされない! そんなあなたに対処法の指南書をどうぞ【SEO情報まとめ】

「Googleにインデックスされない」「検索結果に出ない」「インデックスカバレッジに関するエラーがある」そんな風にお困りのあなたに、状況を把握して対処法を探るトラブルシューティングの指南書をお届けする。

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「Googleにインデックスされない」「検索結果に出ない」「インデックスカバレッジに関するエラーがある」そんな風にお困りのあなたに、状況を把握して対処法を探るトラブルシューティングの指南書をお届けする。

ほかにも、公的機関のサイトリニューアルで大量のURLがリンク切れになった問題とその背景にある原則や、グーグルの「検索ステータスダッシュボード」に追加されたランキングシステムアップデートの情報、Bing検索へのアクセス増加などなど、あなたのSEO力に役立つ情報をまとめてお届けする。

  • ITの公的機関がサイトリニューアルで大失態→炎上。パーマリンクはWebの大原則を忘れるな
  • ランキングシステムのアップデート履歴が検索ステータスダッシュボードに移行
  • 重要なワードをタイトルの先頭に配置するのは正しいアドバイスか?
  • サイトマップにトラブル発生! どうすればいい?
  • Bing検索へアクセスが13.6%⬆、グーグル検索へは2.8%⬇
  • Search Consoleにはもう「www」有無やhttps/httpなど全パターンを登録する必要はない
  • グーグル、Search Consoleの一括エクスポートを改良。複数プロパティを1つのプロジェクトにエクスポート可能
  • パスワード保護したステージングサイトがクロールエラー、公開後は正常にクロールされるのか?
  • はてなブログがIndexNowに対応。Bingインデックス促進に効果あり
  • GoogleがBardプレビュー版を公開。Bardにできること・できないこと
  • Google Bardを使ってみた。やっぱり日本語未対応
※次回更新日変更のおしらせ 通常ならばこのコーナー次回の更新は4月21日ですが、筆者の都合で1週間お休みして4月28日の更新とします。少し間があきますが、次回のまとめをお楽しみに!

今週のピックアップ

グーグル検索でインデックスされない! そんなあなたに対処法の指南書をどうぞ【包括版】
ヘルプコミュニティのエキスパートが作成 (グーグル 検索セントラル ヘルプコミュニティ) 国内情報

次のようなトラブルに見舞われるサイトが少なくない:

  • グーグルにインデックスされない
  • インデックスされてもすぐに消えてしまう
  • ウェブサイトやウェブページがグーグルの検索結果に表示されない・出ない・掲載されない
  • Search Consoleでインデックスカバレッジに関するエラーが発生したり、エラーメッセージが届いたりする:
    • クロール済み - インデックス未登録
    • noindex タグによって除外されました
    • など

ひょっとしたら、あなたにも経験があるかもしれない。こうした問題への包括的な対処方法(トラブルシューティングの手順)がグーグル検索セントラルのヘルプコミュニティに投稿された。

状況を把握する確認方法から始まり、インデックス関連トラブル4つの原因ごとの確認や対策を、確認方法や改善のための参考情報とともに示している。

ヘルプコミュニティでプラチナ プロダクトエキスパートに認定されている次の5人のメンバーが知恵を振り絞って作成したものだ:

※2023-04-10 記事初出当初、参加メンバーの記載に誤りがありました。正しくは、上記5名の方によるドキュメントです。記載漏れ、申し訳ありません。

インデックス問題は継続してヘルプコミュニティで質問が多いトピックだ。困ったサイト管理者が質問をわざわざ投稿しなくても、この対処法を参考にしてトラブルシューティングするのを手助けするために作成した。

あなた(や関係者)がグーグル検索のインデックスにトラブルを抱えた際には、こちらのガイダンスを参考にしてほしい。

★★★★★
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

グーグル検索SEO情報①

ITの公的機関がサイトリニューアルで大失態→炎上。パーマリンクはWebの大原則を忘れるな
URL変更したのにリダイレクトなし!? (IPA(情報処理推進機構) on ツイッター) 国内情報

IT関連の公的機関であるIPA(情報処理推進機構)が、サイトをリニューアルした。

しかし、情報処理を専門にする団体にあるまじき事態を引き起こした。URL構造を変更したにもかかわらずリダイレクトを構成していないのだ。かなり大きなミスだと言っていいだろう。

IPAといえば、さまざまな調査データ・ガイドライン・セキュリティ情報など、多くの技術者が参照(つまりリンク)する情報を提供しているところだ。そうした多くの重要な情報のURLが「404 Not Found」になってしまったのだ。

こうした「社会的に重要な情報をだすサイト」がURL変更後にリダイレクトしないというのは、基本的にはやってはいけないことだ。

なぜなら、過去のURLを参照しているドキュメントやリンクが役に立たなくなってしまうからだ。ユーザーに著しくひどい不便をもたらすことになる。HTMLならばリンクを書き換えることも可能だが、印刷物やプレゼンテーション画像など、そうもいかないものも多い。

さらに、検索エンジンの評価もゼロから構築し直しだ。内部検索にはグーグル検索を利用しているらしく、こちらもクロール、インデックスが完了するまでは使いものにならない(直接は関係ないが、RSS配信も停止したようだ)。

こうした状況に対する不満の嵐で、ある種の炎上に近い状況になっていた。

この事態に対しては、SEOの辻正浩氏も苦言を呈している(入札時のRFPまで確認しているのはさすがと言うほかない)。

想像だが、プロジェクト初期にはリダイレクトしていくつもりだったのだろう。しかし実際にはリダイレクト対象のURLが膨大すぎて、精査と設定にかかる工数が当初の予算をオーバーしてしまっていたのかもしれない。

プロジェクト管理では取捨選択が要なので、ありがちと言えばありがちな話だ。しかし、優先度判断の基準がサイトユーザーのニーズと少しずれていたように思われる。

こうした状況に対応して、IPAは謝罪と今後の対応を発表した。順次リダイレクトしていく予定だそうだ。迅速で正しい対応に感謝したい。

IPAウェブサイトリニューアルに係るお詫びと対応について

対岸の火事としてやり過ごさず、URL変更を伴うリニューアルやサイト移転の際には、グーグルが推奨するガイダンスを確実に実行して、トラブルを起こさないように慎重を期してほしい。

SEOというよりはWebの原則として「パーマリンク」という言葉があることを忘れてはいけない。価値のある情報はいったん公開したらURLはパーマネント(永続的)なものであるべきなのだ。それが、「情報は受け取って利用する人がいること」を前提とした大原則なのだ。情報の構造が変わらない限り、URLを変えない(またはURLが変わっても以前のURLでアクセスできるようにする)のが大切だ。

★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!
  • 技術がわかる人に伝えましょう

ランキングシステムのアップデート履歴が検索ステータスダッシュボードに移行
4つの検索システムの稼働状況がダッシュボードの対象 (Google Search Central on Twitter) 海外情報

グーグルは、「ランキングシステムのアップデート履歴」を「検索ステータス ダッシュボード」に統合した。

ランキングシステムのアップデート履歴に関しては、各アップデートをリストアップした専用ページをグーグルはこれまで公開していた。

ランキングアップデート履歴

この記事を書いている時点で、日本語ページにはまだアクセスできるが英語ページは検索ステータス ダッシュボードのランキングステータスの履歴ページにリダイレクトされる。

ランキングアップデート履歴

※筆者補足: 日本語ページにアクセスできるとはいえ、オリジナルの英語ページがなくなっているので更新されていない。先日実施された2023年3月のコア アップデートはリストに載っていない。

そもそも、この「ランキングステータスの履歴ページ」を含む「検索ステータスダッシュボード」は、アルゴリズムアップデートだけでなく、検索システムの稼働状況を確認できる仕組みだ。現時点では次の4項目を確認できる:

  • Crawling(クロール)
  • Indexing(インデックス)
  • Serving(検索結果配信)
  • Ranking(ランキング)⇐ New!

以前は上の3つだけだったが、2023年3月下旬から4つ目のランキング関連情報が追加された形だ。

実施済み、あるいは展開中のランキングシステムアップデートに関しては、これからは検索ステータスダッシュボードで確認することになる(ランキングシステムのアップデートがあれば、検索ステータスダッシュボードにその旨表示される)。

検索ステータスダッシュボードでのアルゴリズム変更表示
3月15日のアップデートが表示されていた状態。「i」マークをクリックすればその更新の情報を示すページに移動する。
★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

重要なワードをタイトルの先頭に配置するのは正しいアドバイスか?
正しいようだが続きあり (Media × Tech) 国内情報

重要なワードはタイトルの先頭に配置したほうがいい。視認性が高まりクリック率が上がることを期待できるからだ。

記事タイトルの設定でこうしたアドバイスを聞いたことはないだろうか? 実際に、筆者はこのようにアドバイスすることがある。

果たして事実なのかどうかをスマートニュースが調査した。調査の結果から次のような結論に至った。

前半部分に主語が含まれているタイトルは、そうでないものと比べてCTRが高い傾向がある――つまり、「Web記事のタイトルでは、重要なキーワードを前に持ってくるべし」はデータからも妥当であると言えそうです。

やっぱりね! と思いたいところだが、話はこれだけでは終わらない。

15~16文字目でまたCTRが上がっている傾向が出ていたのだ。

グラフ

理由を次のように推測している。

SmartNewsのレイアウトで見てみると、ちょうどタイトルの折り返し位置にあたるということがわかりました。折り返されていることから、実質冒頭に置いたような効果が出ている……ということでしょうか。

調査結果から導いた最終的な考察は次のとおりだ。

  • タイトルの主語にあたるキーワードの位置は、ユーザーの目に早く入る位置がよい。おおむね前半部分(10文字以内)

  • 記事のタイトルが2行以上で表示される場合、折り返し冒頭の位置は早く目に入るため、前半部分においたときと同様の効果がある可能性がある

  • ユーザーはタイトルを「読む」ことより「見る」ことを楽しんでいるのではないか

さて、元記事はスマートニュースでの表示に関してだが、Google検索の検索結果でのCTRを高めるという観点ではどうだろうか

モバイル検索では、スマートニュースの場合と同様にタイトルが折り返して表示される。折り返し位置の文字数はデバイスのスクリーン幅によって変わってくる。全角でだいたい17~18文字目くらいが折り返し2行目の行頭に来るようだ。

モバイル検索
解像度が高いスマホのモバイル検索結果では、18文字目あたりが折り返し2行目の行頭
モバイル検索
解像度が少し低いスマホのモバイル検索結果では、17文字目あたりが折り返し2行目の行頭

重要なワードを先頭に置けない場合は、17~18文字目にできないか検討してみてもいいのかもしれない。

★★★★★
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

サイトマップにトラブル発生! どうすればいい?
ヘルプコミュニティのエキスパートが手助け (グーグル 検索セントラル ヘルプコミュニティ) 国内情報

サイトマップのトラブル全般についての対処方法を紹介する。今週のピックアップでインデックス問題への対処法を紹介したが、こちらの情報も同様に検索セントラルヘルプコミュニティに投稿されたものだ。

先に紹介したインデックス関連の問題と同様に、サイトマップ関連のトラブルに関する相談も頻繁だ。そこで、コミュニティのプロダクトエキスパートたちが対処方法をまとめた。

次の2つのセクションに分かれている:

  • あらゆるサイトに共通のトラブルシューティング
  • WordPress固有のトラブルシューティング

サイトマップに問題が発生したときに参照してほしい。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
用語集
CMS / CTR / Googlebot / HTML / RSS / SEO / UA / アクセス解析 / インデックス / クリック率 / クロール / ドメイン名 / パーマリンク / リンク / リンク切れ / 検索エンジン / 訪問

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