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Googleコアアルゴリズムアップデートの最適な対処方法とは?

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Googleコアアルゴリズムアップデートの最適な対処方法とは?
パンダアップデート時のヒントは今でも役立つ (Google Webmaster Central office-hours) 海外情報

Google検索コアアルゴリズムのアップデートをグーグルが実施したことを前回お伝えした。残念ながら、悪い影響を受けたウェブ担当者もいたかもしれない。

コアアルゴリズムアップデートに対する最適な取り組み方を、グーグルのジョン・ミューラー氏が説明した。参考にしてほしい。

ウェブマスターが対処できるアップデートもある。たとえば、スピードアップデートはモバイル向けページの表示速度を特定の対象にしている。だから「モバイルページの表示速度を改善する」という明確な対処法がある。

しかし、

  • 関連性のアップデート
  • 品質のアップデート
  • コアアルゴリズムアップデート

は、「こう対処すればいい」と明確にアドバイスできるものではない。

ウェブは変化するものだし、ユーザーが求めるものも変化する。同じように、関連性を判断しようとするグーグルのアルゴリズムも変化する。したがって、そうした変化に対しては、「これをすればいい」と断言できるようなものはないのだ。

ミューラー氏が説明したことを端的にまとめれば、詰まるところ、コアアルゴリズム(や関連性・品質を判断するアルゴリズム)は、何か1つの決まった要因を評価するものではないということだ。

もしコアアルゴリズムが見ていると思われる要因を探り当てたとしても、それだけに対応すればいいというものではない。今のグーグルはそのほかのさまざまな要因を総合的に見ているし、その要因は次回のアップデートでは考慮しなくなるかもしれない。そして、新たな要因を考慮に入れるかもしれない。つまり「今回はこう対処」という場当たり的な対応は、中長期的にはいたちごっこになって意味がないのだ。

ミューラー氏は、もっと大局的な視点でサイトの品質を高めることを勧めている。そして役立つリソースとして、グーグルが以前に公開したこの公式ブログ記事を紹介している:

  • 良質なサイトを作るためのアドバイス(Googleウェブマスター向け公式ブログ、日本語記事)

    筆者補足: このアドバイスは、コンテンツ品質を判断することを目的としたパンダアップデートの導入に関連してグーグルが提供したものだ(古くからSEOに取り組んでいる人はご存知だろう)。公開以来7年近くが経過しているが、書かれていることは今でもまったく色あせていない。パンダとは関係なしに、助けになるガイダンスである。

たとえば、訪問者がそのサイトを信頼できると思うかどうかという観点はどうだろう。情報を探している立場で情報の信頼性を判断するときに、たとえば次のようなことを気にかけるかもしれないと、ミューラー氏は例を挙げている。

  • サイトが古臭く見えはしないか
  • 記事を書いた人を認識できるか
  • 記事を書いた人の写真は本人か、素材集の画像ではないか

これらはあくまでも例に過ぎず、これらをクリアすれば信頼性を担保できるわけではない。

自分のサイトの品質や信頼性を高めるには、こうした例としてあげられているものをマネするだけでなく、「どういったものが必要なのか」を関係者でブレインストーミングしてアイディアを出し合うのもいいかもしれない。それをグーグルのアルゴリズムが実際に見ているかどうかは関係ない。ユーザーにどう認識されるかが重要なのだ。

「関係者で」と書いたが、管理サイトとは無関係の人、あるいはサイトのジャンルに詳しくない人に頼るのもいい。先入観が入っていない中立な視点からの意見が手に入りそうだ(これは、ミューラー氏からのアドバイス)。

★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!

画像を出し分けるときの重複コンテンツ対策はどうすべきか?
特別な対応は不要 (John Mueller on Twitter) 海外情報

レスポンシブ画像」というHTMLの技術がある。scrset 属性や size 属性を使ったりpicture 要素を使ったりして、画面サイズに応じた大きさの画像を配信するものだ。ムダに大きな画像を配信せずに済むので表示の高速化に役立つ。

しかしこの手法を使うと、同じ画像を複数公開することになり、(画像ではあるが)重複コンテンツになってしまうのではないかと不安になった人がいる。

ツイッターで示されたそうした懸念に対して、グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように説明した。

画像の重複と変形型をグーグルはとても上手に識別できる。特別なことをする必要はない。

同じ画像を複数サイズで公開しても心配はいらないとのことだ。srcsetsize 属性や picture 要素による画像の出し分けに限らず、画像の重複はさほど気にかけなくていいだろう。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

検索パフォーマンスがデフォルトで90日間表示に伸びた
ありがたい人にはありがたい小さな改良 (Google Webmasters on Twitter) 海外情報

Search Console の検索パフォーマンスレポートの初期表示が90日間のデータになった(以前は30日間だった)。検索結果とDiscoverの両方のパフォーマンスレポートに適用される。

初期表示での期間が90日間の検索パフォーマンスレポート
デフォルトで90日間のレポートになっている

一般的に、データを分析する際には30日間は短いのではないだろうか。毎回手動で期間を長く設定しているウェブ担当者も多いように思う。そういった人にとっては、デフォルトでの期間が伸びたので手間が省けるだろう。

もともと90日分のデータを表示しようと思えばできたので、根本的なデータ仕様が変わったわけではない。しかし、よく使う人にとってはありがたい小さな改良だ。

せっかくなので検索アナリティクスの豆知識をお伝えしておこう。検索アナリティクスで調べられるデータには、次のような制限がある(連携させたGoogleアナリティクスのデータでも同様)。

  • 古いデータは、500日前まで(それより古いデータは取得できない)
  • 新しいデータは、2~3日前まで(それより新しいデータは取得できない、Search Consoleの右上に「最終更新日」として表示))

この制限を仕様として明記しているドキュメントは見つけられなかった。しかし、試しにSearch Consoleで2018年2月5日~2019年6月21日(501日前~今日)を指定して検索パフォーマンスを調べて見るとわかるだろう(線グラフの左端と右端にマウスオーバーするとデータのある日付範囲がわかる)。

★★★☆☆
  • Search Consoleを使ってSEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

ドメイン名を決めるときの忘れがちなSEO鉄則
過去のスパムドメイン名をつかんでしまわないように (Reddit) 海外情報

新しいサイト用にドメイン名を決めて取得するときに、あなたはどんなことを気にするだろうか。

  • .co.jpか.comか、新しいTLDか
  • そもそも希望のドメイン名を取得できるか
  • ドメイン名は文字列としてわかりやすく、ブランドを表すか
  • 隠語や俗語と読み間違えられないか
  • 料金はいくらか
  • 取得して使えるようになるまでの時間は
  • レジストラは信頼できるか

といったことを意識すると思うのだが、SEO担当者として忘れてはいけないことがある。それは、次の確認だ。

  • そのドメイン名が以前にスパムサイトとして使われていなかったかどうか

以前にSEOスパムをしていたサイトが使っていたドメイン名は、グーグルに手動対策されたままの場合があるからだ。自分にまったく非はないのだが、そのドメイン名でサイトを運用したいのであれば自力で解除するしかなくなる。

取得したいドメイン名が過去に使われたことがあるかどうか、使われたことがあったとしたらどんなサイトだったのかを調べるにはWayback Machine(ウェイバック マシーン)のサイトを利用するといい。Wayback Machineは、サイトの過去の姿を何世代にもわたって保存している。

Wayback Machineによるチェックはグーグルのジョン・ミューラー氏も推奨する手段だ。

archive.org(Wayback Machineを運用するサイト)は、とても便利だ。すべてをカバーしてはいないが、どんなコンテンツを提供していたかを簡単にチェックできる。

Wayback Machineを利用したチェック方法はよく知られている。もし聞いたことがなければぜひ覚えておこう。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

日本で始まったWebmaster Conferenceが世界規模イベントに
日本では年内にあと3回開催 (Official Google Webmaster Central Blog) 海外情報

「Webmaster Conference(ウェブマスター カンファレンス)」という名称で、 Google 検索をテーマとしたイベントが2019年3月に福岡と沖縄で開催された。

グーグルはこの Webmaster Conference を、日本だけではなく世界規模のイベントとして位置づけているようだ。インド(の15都市)とインドネシア(ジャカルタバリ)での開催がすでに決定している。また2019年後半には、ヨーロッパと北米での開催を予定しているそうだ。

日本から始まったイベントが世界に広がっていくのはうれしいことだ。

気になる日本だが、2019年内にあと3回予定しているとのことである。

  • 東京
  • 大阪
  • もう1都市(秘密)

3都市目がどこかはまだ明かされていない。東京以西では開催されているので、北陸・東北・北海道あたりで開催してもらえれば、これらの地域に住んでいる人にはうれしいに違いない。

発表を楽しみに待とう(なお、海外の開催に参加することも可能)。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人にも価値あるイベント)

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