Google検索コアアルゴリズム6月3日にアップデート 順位への影響は? 対策は?【SEO記事12本まとめ】
グーグル検索の広範囲にわたるコアアルゴリズムが6月3日にアップデートされた。事前告知もあったこの更新、検索順位への影響はどの程度になるだろうか。基本的な対策も含めて解説する。
ほかにも、辻氏と長山氏による新SEO会社JADEからの「SEO情報の分断」に関する情報や検索品質評価ガイドライン更新など、SEOに役立つ情報をまとめてお届けする(テクニカルSEOに関する情報は2ページ目にまとめている)。
- 「SEOはシンプルになった」「SEOは複雑になった」どちらも正しいその真実とは?
- グーグル検索品質評価ガイドライン更新(10か月ぶり)
- グーグルが好んでいるように見えるサイトを作るのは間違い!?
- サイトの高速化に役立つ新機能×3
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Google検索コア アルゴリズム6月3日にアップデート。順位への影響は? 対策は?
今回は異例の事前告知あり (Google SearchLiaison on Twitter) 海外情報
グーグルは広範囲にわたるGoogle検索コア アルゴリズムのアップデートを2019年6月3日に実施した(日本時間では6月4日)。
オリジナルのアナウンスを金谷氏が日本語に訳した投稿を紹介する。
The June 2019 Core Update、コア アルゴリズムのアップデートのロールアウトを開始しました。今後数日間で様々なデータセンターに反映されていきます。https://t.co/peUupV81Xf
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) 2019年6月3日
数日間かけて全体に展開していくとのことだ。検索結果にどんな影響が出ているかはまだわからない(入稿の関係でこの記事はアップデート当日に書いている)。注目に値するような変化があれば次回にお伝えする。
初めてのコア アップデート事前告知
ちなみに今回のコア アルゴリズム アップデートについては、事前に告知があった。アップデートを実行したあとにアナウンスするのが通例であり、事前のアナウンスはおそらく初めてだ。
明日、広範囲にわたるコア アルゴリズムのアップデートを実施いたします。コア アルゴリズムのアップデートについては以前お伝えした下記 Tweet の内容をご参照ください。一点、事前にお伝えしているのは規模や影響が大きいという意味ではありませんので。https://t.co/JlaNGek1x4 https://t.co/p0TLBIBhhF
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) 2019年6月2日
とは言うものの、事前告知したからといって、今回のアップデートは規模や影響が大きいということではないようだ。一般的に、コア アルゴリズム アルゴリズムのアップデートには普段には見られない、比較的大きめの変動が発生する。そのため事前に知らせておくほうが透明性をより高められると判断したのだろう(前もって知らせてほしいという要望も多かったようだ)。
コア アップデートで影響を受けたらどうすればいい? 対処方は?
さて、コア アルゴリズム アップデートによって悪い影響を万が一受けてしまったら、できるだけ早く対策しようとすることだろう。
だが、そうした場合の特効薬はないと思っておいてほしい。今回に限らず、もっと言えばコア アルゴリズム のアップデートの有無にかかわらず、SEOとしてやるべきことは決まっている。
そのやるべきこととは――以前のアルゴリズムアップデートで書いた次の記事を参照してほしい。
あなたのコンテンツに問題がなくても順位が落ちることも……
なお、あなたのサイトに、特にコンテンツ品質に問題がなかったとしてもコア アルゴリズム のアップデートによって検索トラフィックが減ってしまうことがある。
そういう場合にも、あわててはいけない。
品質の良し悪しに絶対的な基準はない。そのため、「あなたがユーザーにとってベストと考える品質の判断基準」と「“現在の”グーグルのアルゴリズムがユーザーにとってベストと考える品質の判断基準」が違っており、評価が下がってしまうことがあり得るのだ。
そういうときは、次のたとえを思い出してほしい。
私が「絶品」で「すばらしい」と思っており大好きなラーメンがある。
でも、あなたがそのラーメンを食べても、絶品だと感じるとは限らない。むしろ「微妙だ」「好きじゃない」と判断するかもしれない。
絶対的な基準がないうえに、ユーザーが求めるものは絶えず変化する。だからグーグルはアップデートを継続するのだ。何もしなくても次回のアップデートで順位が戻る可能性があることも知っておいてほしい。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報
「SEOはシンプルになった」「SEOは複雑になった」どちらも正しいその真実とは?
必要なSEO情報はサイトによって異なる (株式会社JADE) 国内情報
元グーグルの長山氏とso.laの辻氏がタッグを組んで、新会社JADE(ジェイド)を設立した。「日本のインターネットを良くする」をミッションとした企業で、さらに広告面で小西氏も含めた3人で活動を開始している。
そのJADEとしての情報発信がスタートしている。まずは、辻氏によるSEO情報を収集する際の注意点を解説した投稿だ。
この投稿で辻氏は、
SEOはよりシンプルになった
と言う一方で、
SEOはより複雑になった
とも言っている。一見すると矛盾した発言だ。
現在のSEO状況を辻氏がこう表現する背景にあるのは、「SEOで必要なことは、サイトのタイプや規模によって大きく異なるようになっている」ことだ。
わかりやすい違いの例として、辻氏は次のように説明している。
一般企業のコーポレートサイト向けのSEOのノウハウはブロガーには役立たないことが多いでしょう。アフィリエイターのノウハウは企業向けに使えないことも多いものです。巨大サイトのSEOのノウハウは通常サイトにはほぼ不要です。
企業とアフィリエイターでSEOのノウハウが違うのはわかりやすい。しかし実際には、一般企業のなかでも「中小規模」と、「大規模サイト」「多言語サイト」「技術的に高度なことをやっているサイト」では、また違ってくる。
中小規模のサイトであれば、昔とは異なり、良いコンテンツ作りに集中すればいい。なぜならグーグルのコンテンツ理解力が格段に向上してきたからだ。同義語の選択やHTMLタグの使い方のようなテクニック的なことはほとんど気にしなくていい。
ところが、超大規模サイトや多言語サイト、JavaScriptを多用したサイトなどでは、高度な知識と設計がSEOにおいて決定的に重要だ。たとえば、クロールの制御、hreflangの設定、JSコンテンツを確実にインデックスさせるといったことが必須になる。
こうした状況によって「SEO情報の断絶」が起きていると辻氏は言っているのだ。
昔は「SEO情報」を調べれば何らかの形で自分のサイト運営に役立てられていたものだ。しかし今は、そうとは限らない。
一見すると良いSEO情報に見えるが、実際のところは自分のサイトには必要でない情報
や、場合によっては、
自分のサイトには何の役に立たないSEO情報
に従ってSEOを施策してしまうケースも少なくないという。
要は、「自分のサイトにとって必要なSEO情報を選択する能力が今後ますます重要になってくる」のだということを、辻氏は述べている。
とは言うものの、何が必要なのかを判断するのは、そう簡単なことではない。これは筆者からのアドバイスだが、情報を取捨選択するにあたっては、たとえば次のようなことを常に考慮に入れるといいだろう:
- だれが書いたのか
- いつ書かれたのか
- 1次情報か2次情報か
- 根拠はなにか
- 事例の場合はどんなサイトなのか
- 自分のサイトで実行できることか
- グーグルのガイドラインに従っているか
ちなみに、辻氏・長山氏・小西氏が立ち上げたJADEの背景などに関するインタビューがWeb担に掲載されているので、まだ見てない方はそちらも参照しておくといいだろう。インタビューをしているのは、こちらもSEOの専門家である木村氏だ。
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グーグル検索品質評価ガイドライン更新(10か月ぶり)
大きな変更はない (電通デジタル) 国内情報
グーグルの検索品質評価ガイドラインが更新された。2018年7月以来、10か月ぶりの更新だ。
英語に不自由ないとしてもかなりのボリュームなので、更新版の差分を見つけ出すだけでも大変だ。ありがたいことに、最新版で更新された部分をこちらの記事がまとめてくれている。
大きな変更点はなく、全バージョンからそれなりに変更があったのは次の4つだ。
- 「邪魔なインタースティシャル」の解説追記
- 「Everyday Expertise」についての追記
- 「Page Quality」と「E-A-T」の関係を明確化
- 「Rater」への呼称統一
変更点の具体的な内容は元記事を参照してほしい。
なおこちらの記事は、評価ガイドライン全体の解説も公開している。評価ガイドラインをまだ一度も読んだことがなければ、目を通しておくといい。評価ガイドラインに基づいた評価がランキングに直接影響することはないが、グーグルが理想とする検索の姿を学ぶことに役立つ。
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グーグルが好んでいるように見えるサイトを作るのは間違い!?
差別化、独自性を追求せよ (金谷 武明 on ツイッター) 国内情報
「グーグルが好むコンテンツ作り」に関するアドバイスを、グーグルの金谷氏がツイッターに投稿した。
ビジネスにおいてあまりにも基本だと思うので僕が言うのも気が引けるのですが、何となく言い続けた方が良いと思うので時々コメントしようと思いますが、グーグルが好んでいるように"見える"サイトを目指すより差別化、独自性を追求することの方が大事に思えますね。
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) 2019年5月28日
さっきちらっと読んだ記事で「グーグルが好むAの要素が低いサイトは表示されなくなる」のような事が書いてあって、それを鵜呑みにするとみんなAみたいなサイトになってしまうので、検索結果の多様性が失われてしまいますし、多分後から似たサイトを作ってもレッドオーシャンですよね。
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) 2019年5月28日
誰かの視点で見たときにある一定の法則があるように見えることもあると思いますが、ジャンルやサイトの規模などによっても検索結果から読み取れる傾向は異なりますし、とにかく鵜呑みにするのではなく1つの意見として捉えるのが大事だと思います。
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) 2019年5月28日
グーグルは、よく次のようなことを言っている。
アルゴリズムを追うな、ユーザーを追いかけろ
金谷氏のコメントはこれに通じるところがある。現在のアルゴリズムを分析してそれに(見かけ上)ぴったりとはまるコンテンツを作るのは、ユーザーのほうを向いて作っているとは言えない。あなたのサイトでしか得られない独自の価値をどうやったらユーザーに提供できるかを我々は常に考えなければならない。
もちろん、ただコンテンツを作ればいいというわけでもない。そのコンテンツをグーグルに確実に理解してもらうための最新の技術的な知識は必要だ(たとえば、モバイル向けサイトがインデックス対象になるとか、どの程度のJavaScriptをGooglebotが実行できるのかなど)。そこがSEOのおもしろいところであり、難しいところでもある。
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