グーグルは検索結果の情報が正しいかどうかを判断していないだって!?【SEO記事12本まとめ】
「グーグルの検索結果で上位に表示されている情報は正しい」と思っている人も多いことだろう。しかし、実際にはそうだとは限らない。
なぜ情報の正確性をグーグルがみているとは限らないのか、グーグルは「情報の正しさ」をどう扱っているのか、中の人の発言から解説する。
ほかにも、グーグル検索やリンク、リッチリザルト、AMPストーリーなどなど、SEOに役立つ情報を今週もまとめてお届けする。
- nofollowリンクの扱いが変わり、ランキング評価対象に!?
- ハウツーのリッチリザルトが日本でも開始
- リンクの否認ツールの正しい使い方、教えます
- 検索パフォーマンス レポートの更新頻度アップ! 24時間以内のデータを入手可能に
- 4月に発生したグーグル検索のインデックス大障害の裏側に迫る
- 画像で作ったFAQコンテンツを構造化データでマークアップできるか?
- グーグル検索チームが札幌にやってきた、北国で彼らは何を語ったのか?
- 【AMPストーリー事例】手作りのお弁当をアメブロがAMPストーリーでお届け
- ChromeのネイティブLazy-loadにはwidth属性とheight属性を
- Googleがrel=nofollow属性の扱いを変更。sponsored属性とugc属性を新たに導入
- rel=nofollowの扱い変更とsponsored属性・ugc属性の導入に関してよくある質問
今週のピックアップ
グーグルは検索結果の情報が正しいかどうかを判断していないだって!?
嘘情報を検索で提供しないようにはしているが (Danny Sullivan on Twitter) 海外情報
Q.グーグルの検索結果に表示されている情報は、正しい情報ですよね?
A.いいえ。グーグルは情報が正しいか間違っているかを判断していません。
「グーグルの検索結果で上位に表示されているのだから、その情報は正しいのだろう」と思っている人も多いことだろう。しかし、実際にはそんなことはない。
「コンテンツの正確性をグーグルはどのように扱っているのか?
」という質問に対して、グーグル検索広報担当のダニー・サリヴァン氏が次のように回答した(強調は筆者による)。
機械は正確性を判断しない。その代わりに、トピックとの関連性と権威性にそったシグナルに頼っている。こちらとこちらの記事を見てほしい。
Machines can't tell the "accuracy" of content. Our systems rely instead on signals we find align with relevancy of topic and authority. See: https://t.co/O65v1PTehr and https://t.co/cTveD8XNxp
— Danny Sullivan (@dannysullivan) September 9, 2019
そのページに書かれていることが本当なのか間違っているのかを確かめることなく、グーグルは検索結果に出しているのだ。驚くべきことのように思えるが、事実だ。2016年のオフィスアワーでは(当時グーグル社員だった)長山氏も認めている。現在も状況は大きくは変わっていないだろう。
とはいえグーグルも、間違った情報を検索結果で提供しないようにはしている。そのための仕組みが、権威性が高いサイトのコンテンツを優先するというものだ。つまりグーグルは現時点では、「情報自体が正しいかどうか」を判断するのではなく、「その情報を出しているサイトが認められているかどうか」で判断しているというわけだ。
また、グーグルニュースではフェイクニュース(嘘ニュース)の露出を防止したり不適切なオートコンプリートが検索結果に出ないようにしたりするためのプロジェクトを展開したこともある。
情報が正しいか間違っているかは、ときとして人間にだって判断することが難しいこともある。昨日まで正しいとされていたことが、今日になって覆されることさえある。情報の正当性を見極めるのは、検索エンジンにも難しいのだ。
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グーグル検索SEO情報
nofollowリンクの扱いが変わり、ランキング評価対象に!?
スパム悪用は不可、変更の必要なし (Official Google Webmaster Central Blog) 海外情報
rel="nofollow"
リンク属性の扱いをグーグルが変更した。これまで「命令」だったのだが、これからは「ヒント(手がかり)」として扱う。
グーグルはこれまで、nofollow
が付いたリンクをランキング要因や URL発見の要素としては例外なく利用していなかった。nofollow
はそうしないように指示する「命令」だったからだ。
しかし今後は、nofollow
が付いたリンクであっても、評価の対象に含めてよいとグーグルが判断した場合は利用することがある。nofollow
は、あくまでも判断の参考とする「ヒント」として扱われるからだ。
英語版ウェブマスターブログが正式にアナウンスしており、グーグル金谷氏も日本語で概要をツイートしている。
本日新しくリンク属性が 2 つ追加されました!
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) September 10, 2019
rel="sponsored"
rel="ugc"
です。rel="nofollow" と合わせてリンクの関係性を伝えるのにご活用下さい!
Official Google Webmaster Central Blog:Evolving “nofollow” – new ways to identify the nature of links https://t.co/I91AzBVyoj @googlewmc
この変更に伴い、Google は、これらのリンク属性を今後はヒントとして取り扱うように対応を変更します。本変更についての詳しい情報はブログ記事の Q&A や、ヘルプ記事をご覧下さい。
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) September 10, 2019
ヘルプ記事「Google に外部リンクの関係性を伝える」https://t.co/rXrq8TaH0z
Q&A 抜粋
— 金谷 武明 Takeaki Kanaya (@jumpingknee) September 10, 2019
- 既存の nofollow を慌てて変更する必要はない
- これらの属性は rel="nofollow ugc" のように組み合わせ可
- 広告や有料リンクには引き続き “nofollow” か “sponsored”を
- この変更は、本日からランキングへ活用します。クロールやインデックスへの活用は来年 3/1 より
ここでは詳しい内容は解説しないでおく。というのは、重要な変更なのでいずれ日本語訳記事も公開されるはずだからだ。
詳しく解説しない理由は、ほかにもいくつかある。
1つ目は、重要な変更ではあるものの、サイトオーナー側で何らかの修正や変更をする必要になるケースはまれだからだ。nofollow
がヒントとしての扱いに変わったとしても、本当に nofollow として扱うかそれとも通常リンクとして扱うかは、グーグルの判断による。サイト側でどうこうできるものではない。
2つ目は、この変更と同時に導入されたsponsored
と ugc
という nofollow
から派生したリンクの rel
属性値に関することだ。これまで rel="nofollow"
としていたリンクを rel="sponsored"
や rel="ugc"
のようにして使うのだが(あるいは、rel="nofollow sponsored"
や rel="nofollow ugc"
のようにセットにしてもいい)、サイトオーナー側がこれらの新しい属性値に対応することに特段のメリットはない。リンクの種類を見分けるための手助けになるというグーグル側のメリットでしかない(グーグルに協力したいという意味では利用してあげるといいのだが)。
3つ目は、スパム活用などに関することだ。nofollow
が命令ではなくヒントになったとしても、ウィキペディアやツイッター、はてなブックマークなどの nofollow
リンクが突如としてすべて評価対象になるわけではない。SEOスパマーを喜ばすような変更をグーグルがするはずがない(グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏に直接確認もしている)。
なお、日本語訳の公開が待ちきれずすぐにでも詳細を知りたいという方がいたら、筆者の個人ブログの記事を参照してほしい。
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ハウツーのリッチリザルトが日本でも開始
CTRアップに期待 (Duncan Wright on ツイッター) 国内情報
「〜のやり方」や「〜の仕方」のようなハウツーを表現する「How to」のリッチリザルトが日本のグーグル検索でも検索結果に表示されるようになった。How-toリッチリザルトは今年の5月に正式公開されていたが、日本での導入は遅れていた。
画像が出るタイプのHow-toリッチリザルトは検索ユーザーの視線を集めそうだ。また、手順が多い場合はすべてのステップが検索結果には出てこない。続きを知りたいユーザーはきっとタップしてそのページに訪問するだろう。クリック率の増加が期待できそうだ。
How-toリッチリザルトを表示するには、専用の構造化データをサイトに実装する。技術仕様はデベロッパーサイトで確認できる。
- How-toコンテンツを提供するすべてのWeb担当者 必見!
リンクの否認ツールの正しい使い方、教えます
不正な意図があるかどうかを自分の目で見て確かめる (Pedro Dias on Twitter) 海外情報
リンクの否認ツールの使い方に関して、元グーグル社員のペドロ・ディアス氏が次のようにアドバイス(注意喚起)した。
リンクの否認は、不正な操作を一掃する目的で使われるべきだ。
- ほぼ自動化された方法
- プロキシサーバーのログ
- フィッシング攻撃
- ハッキングの巻き添えによるリンク
のようなことが原因で突然湧いて出たようなリンクを否認する必要はない。
否認は(リンクを張った)意図に対抗するための目的で使う。リンクやウェブサイトが見た目にどのように見えるかで単純に判断するものではない。
否認する必要があるなら意図を判断することに労力を費やすべきである。
本当に悪いリンクというのは、不正な企みのために作られたもので手動対策を与えられる可能性があるものだ。ツールで簡単に危険マークが付くようなものではない。
自分の目で実際に見なければならない。
Disavowing links should be aimed at cleaning up manipulation.
— Pedro Dias: ~/pedro$ (@pedrodias) September 2, 2019
You don't need to disavow links that pop-up on the web in mostly automated ways (e.g theglobe); Squid HTML logs. Or links that are collateral from phishing attacks or hacked websites. That's often a waste of time.
Disavowing is aimed at combating intent. Not just at what a link or a website aesthetically looks like.
— Pedro Dias: ~/pedro$ (@pedrodias) September 2, 2019
If you need to disavow, keep your disavow efforts focused on evaluating intent.
True bad links, built for manipulation and that can award you a manual action, aren't gonna pop-up in a tool as a red flag.
— Pedro Dias: ~/pedro$ (@pedrodias) September 2, 2019
You WILL HAVE to look at them.
「見た目が怪しげなサイトから張られている」という理由だけで、片っ端からリンクを否認する必要はない。ランキングを操作する目的で張られたに違いないという不正な意図を垣間見ることができるリンクこそが本当に否認の対象になる、とペドロ氏は言っているのだ。
無意味なリンク否認に労力を費やすのはもったいないし、そうしたリンク否認はグーグル側にも無駄な工数を使わせることになる。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
検索パフォーマンス レポートの更新頻度アップ! 24時間以内のデータを入手可能に
当日のトラフィック状況がわかる (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ) 国内情報
Search Console で利用できる検索パフォーマンスのデータ更新頻度が上がり、より迅速にデータを確認できるようになった。具体的には、24時間以内の最新データが反映されるようになった(データがレポートに反映するまでにはこれまではだいたい3日ほどかかっていた)。
更新頻度が上がったことで、たとえば次のような利用価値があるとグーグルは述べている。
週末のパフォーマンスを月曜日の朝に確認する。水曜日まで待つ必要はありません。
朝一番にサイトの統計情報を確認する。祝日や世界規模のイベント、ショッピング シーズンなどの重要な期間後、あるいは期間中でも確認できるようになります。
重要な技術的問題を修正した後、すぐにサイトのトラフィックが回復するかどうかを確認する。
更新頻度アップは非常に喜ばしい改善だ。ただし現時点では、次のような注意点がある。
最新データは暫定的なものであり、最終的に多少変更される可能性がある
Search Analytics API は、まだ最新データをサポートしていない
最新データはオーガニック検索だけであり、Discoverは対象外
ところで、検索パフォーマンス(を含むSearch Consoleの各種レポート)は、太平洋時間(ヘルプによると太平洋夏時間、PDT)で記録される。ヘルプには書いてあるのだが、知らない人も多い。これに関しても、検索パフォーマンスレポートの画面に注釈が入った。時間がずれていることに気付かずに困惑することが減るだろう。
このほか、経時的なパフォーマンス データのエクスポートも可能になった。詳しい内容は公式アナウンスで確認してほしい。
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