サイトリニューアルで、SEO用語を使わずに事業サイドとのやりとりとSEOを円滑に進める方法
ウェブサイトのリニューアル(サイト移行)は一筋縄ではいかない。SEOの専門家は、そのプロセスや潜在的な影響について、SEOに詳しくない上司や事業側の人にわかりやすく説明する必要があるし、そもそもリニューアルのどの段階から参加できるかによってできることも変わってくる。
その際に欠かせない「リニューアルにあたって、SEOに詳しくない人たちとコミュニケーションして作業を円滑に進める」戦略を、レベッカ・ユー氏が紹介する。
この記事では、次の3つを学ぼう:
- コミュニケーションのギャップを埋める方法
- 移行のタイミングを正確に特定する方法
- 誰にとっても円滑に移行する方法
みなさん、こんにちは。私はレベッカ・ユー。JakalaでSEO担当マネージャーを務めている。今回は、SEOに詳しくない人(ビジネス側の人・上司・クライアントなど)にSEOの課題をどう伝えるべきかについて説明する。
ウェブサイトのリニューアルは、SEO担当者にとって最大の課題の1つとなることも多い。だが実のところ、最も難しいのは技術的な部分ではない。難しいのは「移行の問題についてクライアントとコミュニケーションを取り、それにどう対処しながら計画を立てるか」ということだ。
多くの場合、SEO担当者がサイトの移行を知らされるのはあまりにも遅く、時には公開の数日前に伝えられることもある。こうした混乱を避けて正気を保つには、サイトの移行をSEO用語を使わずに理解できるようにすることが極めて重要だ。
SEO用語を使ったサイト移行とは

サイトの移行をSEOの言葉で説明すると、次の3つがある:
- ドメイン名の移行
- プラットフォームの移行
- 構造の移行
「ドメイン名の変更とは何か」「新しいCMSにどう移行するのか」など、話し始めれば1日かかる。だが、これはクライアントが理解できる言葉ではない。相手は、次のように聞いてくるだろう。
CMSの移行とは何ですか?
この場合は「バックエンドの引っ越しをする」ということだ。
サイト移行の詳細をSEO用語を使わずに説明するには

SEOに詳しくない人でも理解しやすいように、サイトのリニューアルを「SEO用語を使わずに」説明する。ウェブサイトの主な変更について、いくつか見ていこう。
新しい名称へのリブランディング
ブランドを刷新するということだ。SEO担当者は移行からこうした手掛かりをつかみ、ウェブサイトの裏側で何が起きているかを理解する必要がある。新しい国のウェブサイトを追加
グローバルSEOであり、新しいウェブサイトへの移行であることは明らかだ。CMSの新バージョンへのアップグレード
これは多くのSEO担当者が見落としがちだと思う。CMSの新バージョンには、旧バージョンほど必要なフィールドが揃っていない場合がある。だからこそ、君はSEO担当者として、すべてのデータが旧バージョンから新バージョンに正しく移行されることを確認する必要がある。これは最も厄介な作業の1つだと思う。メニューとナビゲーションの変更
君は次のように思うかも知れない:
メニューとナビゲーションを変えるだけだ。なぜ家の引っ越しのようにとらえるのか?
それは、「サイトの見え方を少し変える」だけでなく、「あるサイトから別のサイトに移行」しようとしているからだ。
そう言われると、次のように言いたくなるだろう:
いや、メニューを変えようとしているだけだ
残念ながら「メニューを変える」だけで済まないことが多い。実際のところ、メニュー構造の変更には、あらゆるリンクの変更が関わってくる可能性がある。リニューアルにあたっては、次のような作業をすることもある:
- セクション全体を削除
- メニューにまったく新しいリンク群を追加
SEOの移行に関するこれらの手掛かりを見ていく際、ここで考えるべきは次のことだろう:
ウェブサイトへの主な変更のうち、SEOに影響するのはどれか?
こうしたポイントは、SEOに詳しくないビジネス側の人にはわからない場合もあるからだ。
そのため、君にできる最善策は、事業部の人や上層部との定期的な打ち合わせでこれらの手掛かりをつかみ、移行の可能性を早期に特定することだ。そのうえで「その場合、実際に必要になる作業はこのようなことです」と伝えることで、理解を求めることができる。
移行について尋ねるべき質問

移行作業に入っていることを認識したら尋ねるべき質問項目は、次のとおりだ:
スケジュール
公開日はいつかが最も重要だ。それから、サイトの移行準備にかけられる時間はどのくらいあるかを確認しよう。移行の理由
マーケティングのためか、リブランディングのためか、あるいは、コンプライアンスだけが理由で移行したいクライアントもいる。複数の国にまたがって行っていた事業を国ごとに分割しようとしていて、それにあわせてウェブサイトも分割する必要がある場合もあるだろう(ただし、これはあまりSEOを重視した対応とは言えないだろう)。ステークホルダー、役割と責任
サイトの移行を主導するのは誰か、どのチームが関与するか。通常は、当然ながら技術チームが移行作業を担い、それからUI/UXチーム、マーケティングチーム、ブランドコミュニケーションチームなどが関わる。当事者間の連携
定期的に打ち合わせをしているか。毎週または隔週でミーティングを開催しているか。メールで連絡を取っているか。JiraやClickUpなど、変更を記録するチケット管理プラットフォームはあるか。こうしたことができていれば情報やニーズを記録し、技術チームにフィードバックできる。開発チームとの連絡
サイトの移行を成功させるうえで、「開発者に直接連絡できるようになっているか」は最も重要な要素の1つと言えるだろう。というのも、SEO要件がマーケティングチームやブランディングチーム、コーポレートコミュニケーションチームなどを経由してようやく技術チームに伝えられるような状態では、途中で情報が失われることもあるからだ。
サイトの移行プロセス

尋ねるべき質問の後は、次のサイト移行プロセスがある:
- 計画
- 準備
- テスト
- 公開
- モニタリング
サイト移行の初期段階「計画」「準備」で関わる場合
サイト分析のための時間が十分にあるため、SEOの強化を図れる。必要なことをしよう。「テスト段階」「公開直前の段階」で関わる場合
移行を成功させられる見込みはある。ただし、この段階で重点を置くべきは、ウェブサイトにおけるSEOの大きなミスを避けることだと思う。サイト公開後に移行プロジェクトに関わる場合
不運に見舞われた場合、「それは君のせいではない」としか私には言えない。そういうこともある。君にできるのは「修正作業に集中すること」だ。それは、上位20ページのパフォーマンスを確認し、これらのページを修正してトラフィックの損失を防ぐことだ。
以上、参考になれば幸いだ。みんながウェブサイトを円滑に移行できることを願っている。それから、LinkedInでレベッカ・ユーをフォローしてほしい。では、良い一日を。
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