企業側からみた退職代行、使われた経験があるのは何%?【東京商工リサーチ調べ】
東京商工リサーチは、「退職代行」に関する調査結果を発表した。企業を対象にインターネットによるアンケートを行い、6,653社が回答している。
退職代行を利用されたことで、残る従業員・業務にも影響あり
2024年1月以降に「退職代行業者から退職手続きの連絡を受けたことがある」「退職代行を活用した従業員の退職があった」とした企業は、全体の7.2%(6,653社中481社)。資本金1億円以上を大企業、1億円未満を中小企業(個人企業等を含む)でわけると、大企業は15.7%(489社中77社)にのぼる一方、中小企業は6.5%(6,164社中404社)にとどまった。なおいずれも正社員が利用している場合が多い。
退職代行を利用した従業員の退職があったと回答した企業を業種別でみると、最多は百貨店などを含む「各種商品小売業」の30.0%(10社中3社)。以下「洗濯・理容・美容・浴場業」の20.83%(24社中5社)と接客業が続く。また退職代行を利用した従業員の年代では、「20代」60.84%(452社中275社)が最多で、「30代」26.99%(122社)がそれに続いく。


「退職代行を利用した従業員の退職による業務への影響」を聞くと、一般的に想定される「退職者の業務をカバーするため、従業員の残業が発生した」31.11%(376社中、117社)が最多だが、「退職代行を活用した理由について検証した」30.31%(114社)、「引き継ぎが円滑にできず、商品・サービスの提供に影響がでた」23.40%(88社)、「退職代行を活用しない退職手続きより時間がかかった」21.80%(82社)、「従業員の士気が低下した」14.09%(53社)、「パソコンや携帯電話など会社貸与機器の回収に時間がかかった」13.56%(51社)など、退職代行ならではのトラブルも発生しているようだ。

その後の採用に与えた影響としては、全企業で「影響はない」74.0%(431社中、319社)が最多だったが、「応募者の転職回数や職歴をより厳格に見極めるようになった」20.88%(90社)、「応募者のリファレンスチェックをするようになった(より厳格化した)」10.20%(44社)、「適性検査(SPIなど)で退職代行を活用した退職者と同じ傾向の応募者の採用を厳格化した」5.80%(25社)が上位となっている。

調査概要
- 【調査対象】資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義
- 【調査方法】インターネットによるアンケート調査を実施
- 【調査時期】2025年6月2日~9日
- 【有効回答数】6,653社
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