国内企業の“業績見通し”に暗雲?「増収増益」見込みはわずか16.6%【東京商工リサーチ調べ】
2025年度は“業績停滞×債務過剰”のダブルパンチ? トランプ関税、物価高、価格転嫁負担が要因か。
8:00 調査/リサーチ/統計 | 調査データ
東京商工リサーチ(TSR)は、「業績予想」「過剰債務」に関するアンケート調査を実施した。今年度(2025年度)の業績の見通しなどについて、6,602社を対象に調べている。
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2025年度の国内企業の業績、「増収増益」見込みが16.6%に急減

まず、2025年度の業績見通しについてみると、「増収増益」を見込む企業は16.6%にとどまり、2024年6月調査と比べると6.7ポイント下落した。最も多かったのは「(売上)横這い(利益)横這い」の29.4%で、前回調査から8.5ポイントの上昇。売上・利益ともに苦戦する企業が目立つ結果となった。

「増益」と回答した企業に対しその理由を聞くと、「受注(販売)の伸長が見込まれる」が66.6%で圧倒的に多く、ついで「価格転嫁が進んでいる」が38.3%と続いた。価格転嫁については、大企業と中小企業とで差が見られ、商品の競争力や交渉力の隔たりがうかがえた。

一方で、「減益」と回答した企業に対しその理由を聞くと、「受注(販売)が落ち込んでいる」が59.0%で最多に。また、「仕入高騰分の価格転嫁が進まない」が43.9%、「賃上げ分の価格転嫁が十分に進まない」が37.1%と、価格転嫁に関する回答も多いようだった。

債務(負債)の状況について聞くと、「コロナ前から過剰感がある」「コロナ後に過剰となった」を合わせて24.3%が「過剰債務」と回答しており、前回調査からは1.7ポイントの改善となった。規模別でみると、大企業の「過剰感あり」は合計13.9%だったのに対し、中小企業では25.1%と、10ポイント以上の差が見られた。
調査概要
- 【調査期間】2025年6月2日~9日
- 【有効回答数】6,602社
- 【調査方法】インターネットによるアンケート調査を実施。資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。
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