Step 4-1 コンテンツの更新と管理
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クイズ
- 新しいWebサイトの公開までこぎつければ一安心。Web担当者は、修正箇所が見つかったらコンテンツを更新していけば良いのでしょうか?
Web担当者としては、Webサイトが公開されてからが本当の勝負。「既存コンテンツの間違いを修正する」「社内の各部署からの依頼がある都度、コンテンツを更新する」ということだけがコンテンツ更新ではありません。コンテンツ更新が単なる作業にならないようにしましょう。Webサイトの目的を達成するために、積極的なコンテンツ更新を行っていくことを忘れないでくださいね。
- コンテンツ更新が単なる作業になる
- Webサイトの目的を達成するために、コンテンツ更新を行う
Step4では、Webサイトの運用時のポイントを紹介していきます。その最初となる4-1では、Webサイトの目的を達成するためのコンテンツ更新と管理について解説します。
コンテンツ更新の目的
クイズでも紹介したように、コンテンツ更新の目的は、あくまでWebサイトの目的を達成することです。とはいえ、これまで作成してきたコンテンツの間違いの修正など、通常業務としてのコンテンツ更新もあります。大きく分けると、更新には次の2種類があるといえます。
- 通常業務としてのコンテンツ更新:ニュースリリースのアップや既存ページの修正など。
- 戦略的なコンテンツ更新:KPIをみつめ、成果をあげるためにどこが良かったのか、ダメだったのかを判断して、コンテンツを改善。
企業の信用を得るためにも通常業務としてのコンテンツ更新は欠かせません。地道に行っていく必要があります。また、戦略的なコンテンツ更新は、サイトの目的を果たすための施策として行う更新です(改善事例はStep4-3で紹介します)。
コンテンツ管理のポイント
コンテンツを管理していくうえで、ポイントとなるのが次の事項です。
担当者を明確にする
コンテンツ運用計画書を作成し、次のような「担当責任者」を明確にすることが大切です。事業部からのコンテンツの素材は誰が作り、コンテンツ制作は誰が行うのか、コンテンツの最終承認をするのは誰かなどを明確にします。Step2-15で、次のようなコンテンツ管理の責任者例を掲載しましたが、ここを明確にしないと制作はスムーズに進めません。
たとえば、コンテンツを制作するのはWeb主管部署のWeb担当者がすべて行うのか、社内の各事業部の担当者がCMSを使って制作するのか、あるいは制作会社に外注するのか、さまざまなケースが考えられます。また、コンテンツの原稿を確認するのは誰で、デザインを確認するのは誰で、公開のOKを出すのは誰か、フローを含めて確認しておきましょう(フローについては、4-2で解説します)。
更新頻度を整理して年間スケジュールを立てる
コンテンツの更新頻度は、各コンテンツによって異なります。たとえば、ニュースリリース、新商品追加は、発生したときに更新するので不定期更新です。一方、お役立ちブログのような社内メンバーによるコラムなどは、たとえば毎月1日の7時に更新するといったように定期更新が多いです。こうした不定期更新か定期更新かを整理して、以下のような年間スケジュールを立てておきましょう。
更新費用はどの部署がもつかを決めておく
忘れがちなのが更新にかかる費用です。たとえ社内で行うにしても、工数は発生していますし、画像を購入する費用が発生するかもしれません。上記にあげたような年間計画にあがっているコンテンツであれば予算を確保しているかもしれませんが、急遽決まった新製品のWebでのキャンペーンでは、どの部署が費用をもつのかが課題になるときがあります。たとえば商品Aのキャンペーン費用は商品A事業部がもつ、あるいはWebコンテンツに関する費用は一括してマーケティング部がもつといったように、あらかじめ決めておくとスムーズです。
効果測定によってコンテンツ改善と機能改修が起こる可能性あり
KPIをもとに分析した結果次第では、コンテンツの改善と合わせて機能の改修が発生する場合もあります。たとえば、効果測定を行ったところ、回遊率が悪い・直帰率が高いといった結果が出たとき、それがCMSのテンプレートに起因していると考えられれば、その改修が必要になります。こうした機能改修の可能性についても考慮してきましょう。
地味でも忘れてはいけない、古いファイルのメンテナンス
コンテンツは定期的に棚卸しをすることをおススメします。半年たった古いファイルは全部削除する、というルールを決められれば楽なのですが、ページによっては1年たってもアクセスがあるページもありますから、機械的な削除は難しいです。かといって、そのまま放置しておくとデータ量も肥大化しますし、コンテンツ内容が古くてリンク切れが発生し、SEO的にもよくない場合が出てきます。
そこで、ほとんどアクセスのないコンテンツであれば、新しくて内容が近いコンテンツにリダイレクト(別のコンテンツのURLに誘導すること)して、削除するなどメンテナンスを行います。また、キャンペーンページのような表示期間が決まったものは、あらかじめ期限を決めて自動的に表示されないようにするとよいでしょう。
部署ごとの独自コンテンツ・小規模サーバーに気を付けよう
企業によっては、事業部の部署ごとにWeb予算をもち、Web主管部署を通さずに独自コンテンツを外注して作成している場合があります。効果測定のタグも独自に設定していたり、ときには、その部署だけの小規模サーバーを立てたりしている場合もあります。それが各部署で行われると、小規模サイトが乱立することになります。そうなるとWebサーバーの管理がおいつかなくなり、管理しているサイトに脆弱性が出て、セキュリティ的に問題になる可能性が出てきます。
小規模サイトを完全に別ドメインで作ることもありますが、そうなると主管部署が把握することは困難です。結局は、リニューアルのタイミングなどで1つのサーバーに統一するケースが多いので、リニューアル費用がかさみます。各部署で独自のコンテンツの作成・更新を行う可能性がある場合には、あらかじめルールを決め、主管部署でしっかり管理できる体制をもっておくことが大切です。
4-1では、運用段階でのコンテンツ更新の注意点を解説しました。4-2では、運用体制をうまく実施するための運用フロー図の作成について紹介します。
- ポイント
- 4-1 「コンテンツの更新と管理」のポイント
- コンテンツ更新の目的は、Webサイトの目的を達成すること
- コンテンツ管理では、担当者、更新頻度、更新費用を明確にする
- 効果測定によっては、コンテンツ更新と合わせて、機能改修もあることを考慮する
- 古いファイルのメンテナンスを忘れない
- 部署ごとの独自コンテンツ・小規模サーバーに気を付ける
- やってみよう
- 自社サイト内に、どのようなコンテンツがあるかを確認し、年間の更新スケジュール案を作成してみよう。
- もっと学び、成長するために
- Webサイトの運用に関しては、次の書籍が参考になります。
- 『イラスト図解式 この一冊で全部わかるWeb制作と運用の基本』NRIネットコム 小出修平 他:著 SBクリエイティブ:刊
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