Step 4-2 Webサイト運用フローの明確化
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クイズ
- 事業部Aから企業サイトへの掲載依頼がメールで届きました。その内容に基づいてWebページを作り、確認用のURLを返信しておきました。その後1週間たってから、事業部Aから企業サイトに掲載されていないというクレームが入り、びっくりしました。どうすれば良かったのでしょうか?
返信を待っていたWeb担当者にとっては、いきなりクレームだなんてびっくりしていまいますよね。コミュニケーション不足が原因のクレームだともいえますが、それだけでしょうか? 確認用URLを返信したメールに、その後のスケジュールについて細かく記しておけば良かったのでしょうか?
こうした問題を根本的に解決するのが、運用フロー図です。Webページの制作依頼からページ公開までの運用フローが明確であれば、クイズのような行き違いはなくなります。制作依頼に対して、どのようなフローでWebページは制作されていくのかを明確にしたフロー図を作り、それに沿ってWebページの修正や新規作成を行っていきましょう。
- 運用フローをドキュメント化して、社内で共有する
4-2では、運用をスムーズに行うために必要な運用フロー図について紹介します。
運用フロー、運用マニュアルを確認しよう
運用者にレクチャーするミーティングを公開前に開催していれば、すでに一度は、運用マニュアルに沿って更新作業を行っていると思います(運用者へのレクチャーについては、Step 3-13で解説しています)。この時点で、運用フローの確認はできているはずです。
しかし、忙しくて開催できていない場合には、あらためて運用者のためのミーティングを開き、運用フローを含めた運用マニュアルの確認を行いましょう。運用マニュアルがない場合は、なるべく早く作成してください。運用フロー図、運用マニュアルがあれば、たとえ担当者が変わっても、「どのように進めてよいかわからない」といったことは無いでしょう。
運用フロー図の例
ここで、運用フロー図の例を紹介しましょう。このフロー図では、各事業部がWebコンテンツの企画を立て、そのための情報やデータなどを集めてWeb部に依頼するフローになっています。その依頼に対して、Web部では、情報・データの過不足などを確認して準備が整ったらデザイン作成に入ります。その際、必要な画像なども作成し、デザインとともに依頼部署に確認依頼を出します。そして、依頼部署で確認してOKであれば、Web部で制作者へのアサインを行うという流れを示しています。
上記の例では、ページ作成に入るまでを記していますが、実際には、制作したWebページの確認を依頼部署が行ったり、制作課で修正を行ったりなど、フロー図は続きます。
運用フロー図(シンプル)の例
先のフロー図は、承認フローを細かく記し、企画段階の手順もフロー図に盛り込んでいて、かなり詳細なものになっています。一方で、承認フローは記さず、他部署から制作依頼が来てWeb主管部が制作に入るところから記したシンプルなフロー図もあります。たとえば次のフロー図は、どの部署が担当するのか、といったタテのライン1本で終わるシンプルな例です。
最近では、複雑な承認フローをドキュメント化するのではなく、システムに組み込む例が多く、フロー図もシンプルになってきています。複雑なフローに沿って紙ベースでやりとりをする、ということも少なくなりました。
制作依頼方法を統一しよう
先に紹介したような運用フローの決定とともに、制作依頼方法も決めておくとよいでしょう。というのも、ある部署からはWordファイル添付のメールで依頼され、ほかの部署からはExcelファイル添付のチャットツールで依頼されてその後のやりとりはメールで、ということになると制作過程の管理が複雑になります。また、何か問題があった場合、部署間のやりとりをきちんと追えず、問題の原因を探ることが難しくなります。
そこで、制作を依頼するドキュメントのフォーマットを作って、どのような形で依頼してもらうかを決めておくことが重要になります。たとえば、「制作依頼申請書」のフォーマットをWordファイルで作っておき、そこに書き込んだものをSlackに添付して依頼してもらう、という方法もあります。部署間のやりとりも、サイボウズやSlackといったクラウド型のコミュニケーションツールを使えば履歴が追えますから、便利です。
4-2では、スムーズな運用を実現するための運用フロー図の作成について解説しました。4-3では、効果測定を活かしたWebコンテンツ改善を行う際の注意点ついて紹介します。
- ポイント
- 4-2 「Webサイト運用フローの明確化」のポイント
- 運用フロー図、運用マニュアルを作成し、社内で共有する
- 制作依頼申請の方法は統一する
- やってみよう
- 現在行っている自分の業務を、承認フローを含めてフロー図にしてみよう。その際、その業務はどこから依頼されたのか(上司なのか、他部署の担当者なのか)など、「誰」という部分もしっかり記しておこう。
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