マーケターに必須なスキルは企画・立案、データ分析、社内調整。デジタルの知識は6番目ぐらいかな
今日は、「マーケティング業務に必要な知識」の調査データの情報をお届けします。ガートナーさんが調べたもので、上位は「企画・立案能力」「データ分析能力」「マーケティング全般の経験・知識」でした。
「マーケティング業務の変化に関する調査結果」を、ガートナー ジャパンが発表しました。
マーケ業務にもっとも必要なスキルは企画・立案
マーケティング業務において必要なスキルに関する質問では、次のような回答でした。
「重要であり絶対に必要」と回答した人の多かった上位の項目は次のとおり。
- 企画・立案能力(72.1%)
- データ分析能力(62.4%)
- マーケティング全般の経験/知識(54.7%)
- 社内調整力(53.1%)
- プレゼンテーション能力(43.5%)
- デジタル・マーケティング専門の経験/知識(36.1%)
スキルの重要性でいうと、「デジタルマーケティングの経験/知識」よりも「マーケティング全般の経験/知識」のほうが大切だという結果で、回答者のマーケティングへの関与度合いが高いほど、この傾向がより顕著だったということ。
言われてみれば当たり前の話で、「デジタルマーケティング」をするのではなく、「マーケティングをデジタルの世界で行う」「マーケティングにデジタルを活用する」のですから、ベースとなるそもそものマーケティング全般を知らなければいけないのは当然の話ですね。
さらに言うと、「デジタルマーケティング」「テクノロジ」よりも重要であり絶対に必要とされている知識に、「社内調整力」「プレゼンテーション能力」があります。マーケティング業務は1人でがんばってやれるものではなく、社内の各部署と調整しながら協力を得て、ステークホルダーにその価値を正しく伝えて進めることが大切だということですね。
たしかにうちの社内でも、デジタルの新しい施策でも社内をどう巻き込んでボスからいかに予算や人員を獲得するかが一番のボトルネックになっています。当然ですね。
社内調整やプレゼンテーションといった「仕事を進めるための周辺のこと」を軽視する人が、たまにいます。「それは政治力であって本当のスキルではない」という感じで。
でも、組織で仕事をするということは、さまざまな考えの人がいるなかで仕事を進めるということです。
そして、他人(上司や同僚を含め)は、あなたとは別人です。あなたの考えていることをそのまま理解してくれるとは限りませんし、将来に関してあなたと同じ予測をもっているわけでもなく、さまざまな物事の優先度付けの考え方も違います。
デジタルを活用したマーケティングに携わっている人で、こうしたことをもし軽視している人がいたら、改めてこの調査結果を参考に、「デジタルしか見えていないやつ」になっていないか、考えてみるといいかもしれませんね。
とはいえ、「デジタルやテクノロジの知識は必要ない」ということではありませんよ。
マーケティング全般の知識と経験があり、周囲とコミュニケーションができて、さらにデジタルやテクノロジの知識がしっかりとあると、より良いのは間違いありません(なかなか難しいですが)。
さらに言うと、今後はデジタルの知識なしにはどんどん厳しくなっていくのは、間違いないでしょう。単に「デジタル頭でっかち」が望ましくないだけです。
マーケティングの部門長はマーケ上がりではないほうがいい?
ちなみにガートナーさんはもう1つ、「CMO(マーケティング組織の部門長)」に関する調査も行っています。
「現在のマーケティング部門長の経歴」と「マーケティング部門長としてふさわしいと思う経歴」それぞれに関して聞いています。
おもしろいのが、どちらも「マーケティング部門内からの昇進」よりも、「広告代理店やコンサルティング企業などマーケティング・スペシャリストの中途入社」や「社内の他部門またはグループ企業からの異動」のほうが多いことです。
こちらは、「超スペシャリスト」または「ビジネスをしっかりとわかっている人」を望んでいるということでしょうか。
この調査は、ガートナーさんのイベント参加者やニュースレター購読者に対してWeb上で2016年11月18日~12月5日に行われ、有効回答数は378件でした。
回答企業の従業員数規模別内訳は、2,000人以上が209社、1,000~1,999人が43社、100~999人が109社(その他17社)というデータです。
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