シャノンの「ゴール機能」は、まさにマーケティングを進める組織に必要な考え方だ
今日は、軽めのコラムです。シャノンさんが2016年に発表した「ゴール機能」が、経営層・管理者層・現場の「マーケティング」をちゃんと進めるのに非常に重要なポイントを押さえていると思うのです。
- シャノン、組織階層で分断しているマーケティングをつなぐために「ゴール機能」を発表(シャノンのプレスリリース)
このコラムでは、(グーグルなどの大きなものを除けば)特定の企業のツールやサービスにはあまり触れないようにしています。
でも、シャノンさんが2016年12月に発表した「SHANON MARKETING PLATFORM」の「ゴール機能」は、すばらしいと思うので、紹介します(提供開始は2017年2月予定)。
この「ゴール機能」は、「組織階層で分断しているマーケティングをつなぐために」作られた機能だということです。
「マーケティング」と言っても、組織のレイヤーごとに認識が違っている
このゴール機能の何がすばらしいって、「経営層」「管理者層」「現場」それぞれがもっている、いまの「マーケティング」に対する認識のズレをなくし、組織としてマーケティングを正しい方向にもっていくことを目的に実装している機能であることです。
その「ズレ」とは? リリースに書かれている次の図がわかりやすいでしょう。
経営層は、ビジネス指標(つまり売上や利益)の改善につながらなければ意味がないと考えています。逆に言えば、そうした見込みを明確に示してくれるのであれば、予算をつけることもやぶさかではありません。
それに対して管理者層は、マーケティング施策で効果を出していると言います。しかしその「効果」は、経営層の考えている「ビジネス成果」とは少しズレている場合も。
また、管理者はKGIにつながる施策を進めてほしいと現場に対して思っているのですが、現場は自分のしている施策が大きなビジネスの戦略のなかでどういう位置づけなのかを把握できていないという。
要は、マーケティング側の人が「成果」だと思っていることが、経営層から見ると本当の成果ではない、また、日々行っている施策が本当の成果につながるものだとは限らないという状況が多いということですね。
「いや、うちはちゃんとやってる」と言う人も多いかと思います。
でも実際には、もっている指標は「獲得リード数」「MQL数」で、それが最終的なビジネス売上にどの程度のインパクトを与えているのかを数字で説明しきれないという場合も多いのではないでしょうか。
KPIは本当のゴールから逆算して設定すべきもの
マイナビさんに掲載された安田のインタビューでKPIに関して話している部分があるのですが、次のようなことを言っています。
一般的にKPIとは、目的を達成するための経過としての中間目標、いわゆる小さなゴールとして設定されますが、「とりあえず当面これをやればいいんじゃないの?」という形で、いい加減に設定することがあると思います。でも、それでは良くないんですよね。
メディアでも施策でも、必ず最終的なゴールがあるはずです。それがKGIですね。そのKGIを実現するための要因を考えていくと、その手前の指標が見えてきます。そのように、ゴールから逆算してKPIを設定するという意識が必要です。
つまり、適当に決めたKPIでは意味がないし、誤ったKGIからは誤ったKPIしか導けないということですね。
マーケ担当のあなたは、どんな指標をKPIにしていますか?
PV? UU? CTR? エンゲージメント率? リード数? 資料請求数? 問い合わせ数? ナーチャリング度合い?
その指標は、「それを達成すれば、その先の数値がこう動き、それがこういう風に影響して売り上げがこう変わるはず」という数値になっていますか?
そして、その流れを上と握れていますか?
上司はその流れがビジネス指標にどうつながるかについて、経営層に説明して握れていますか?
マーケをやっていると、ついつい目の前の施策やデータに集中してしまいがちですが、「なぜそれをやることが自分の仕事として正しいのか」を確信してできないと、仕事もおもしろくならないですし、成果を認められるとは限りませんよね。
そう、まるで、デートで鉄板焼屋に行ったらしじみたっぷりの味噌汁が出されて、思わず目の前に出されたしじみの身をほじくることに夢中になってしまうような……んー、これはちょっと違いますかね。
ツールの選定では、「いまの機能」だけでなく「フィロソフィ」も大切
では、シャノンさんのツールに実装される「ゴール機能」で、こうしたことを完璧に実現できるのでしょうか。
おそらく、そんなに簡単ではないですよね。
たとえば、オフライン営業の成果とオンライン施策の成果のつなぎ込みや、最終的な基幹システムに登録される売上データとのつなぎ込みなんかは、このツールを入れれば実現できるというものではないですよね。
そりゃそうですよ。どんなツールでも、魔法の杖のように何かを一気にうまく片付けてくれることはありません。
でも、ツールを選ぶ際に「そのツールがどういった思想で作られているか」は非常に大切だと思います。
特に最近は、多くのベンダーが「こういう機能あります」と言うための機能を実装していたりしますし、それが具体的にどこまでできるのかは、なかなか聞くだけではわかりませんからね。
でも、そのツールが目指す世界が自分の考えている方向性と合っていれば、現時点では自分のやりたいことを完璧には実現できなくても、その先の機能強化に期待できます。
そういった意味で、入手できる目の前の数字を何とかするのではなく、「組織がどうあるべきか」を思想に含めて作られている(だろう)このシャノンさんの「ゴール機能」は、すばらしいと思います。
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