初代編集長ブログ―安田英久

Google MAPのサイト埋め込み、APIキー必須で有料になる!?

Googleマップ(グーグルマップ)をホームページに埋め込みする際、「Maps Embed API」などのプログラムを使っていたら、APIキー必須で新しい料金プランに。ただし、[地図を埋め込む]ボタンで取得したiframeによるものならば、この変更の影響を受けない仕組みになっています。どの方式で埋め込まれているのか、チェックツールで調べてみましょう。
Web担のなかの人

GoogleマップをWebサイトに埋め込んでいる場合、グーグル側の仕様変更により「APIキー」が必須となり、対応しない場合は7月16日から表示されなくなります。ただし、実はすべての埋め込みGoogleマップが対象ではなく、そのままで問題ない場合もあります。

結論としては、次のような切り分けです。

  • 通常のGoogleマップから[地図を埋め込む]でページに設置したマップ ―― そのままで問題なし
  • グーグルの「Static Maps API」「Maps JavaScript API」「Maps Embed API」などを使って埋め込んでいたマップ ―― APIキー必須で新しい料金プランに

また、上記のAPI利用の場合でも、モバイル向けの地図表示などAPIキーは必須ではあるものの無料で利用できる場合もありますので、「大変だ! 有料に!」と慌てる必要はないかもしれません。

GoogleマップのAPIが仕様変更、APIキー必須で料金プランも新しいものに

「サイト内でのGoogleマップが6月12日から表示されなくなる可能性がある」とする情報が6月11日に流れ、業界が一時騒然となりました。

今後もGoogleマップをサイトに掲載するには、開発者向けのシステムで面倒くさい設定をして「APIキー」を取得し、それを使わなければいけなくなるらしい。しかも有料に。

グーグルの新しいGoogle Maps Platform適用スタートというこのニュースは、情報としては正しいものです。

でも、大切なポイントが抜けていたため、誤って解釈されていたようです。

まず、情報として正しい点から。

冒頭で解説したように、「Static Maps API」「Maps JavaScript API」「Maps Embed API」や経路系のAPI(つまりGoogleマップの機能をJavaScriptなどのプログラムで呼び出す仕組み)を使って地図をサイトに表示していた場合は、この変更を影響を受けます。

制作を担当した人に、Google Maps Platformの「既存ユーザー用ガイド」のページを確認して対応するように指示しましょう。実装に必要な情報はGoogle Maps Platformのサイトに集約されています。

また、場合によっては利用料金が発生する場合があります。料金プランが複雑でわかりづらいのですが、制作者さんとコミュニケーションしながら調べてください。

Googleマップのサイトから埋め込んでいるiframeの地図は変更なし

抜けていた大切なポイントというのは、「Googleマップのサイト上で場所を表示して[地図を埋め込む]で取得したiframeによる地図埋め込みは、この変更の影響を受けない」ということです。

具体的には、次に示す手順でHTMLを取得して埋め込んだ場合です。

この方法で地図をページに埋め込んでいる場合は、今のまま使い続けても問題ありません。

これは、グーグルさんに確認しましたので、間違いありません。

ただし、利用規約にもあるように、正当な利用には一般向けの無料公開ページで、モバイルアプリではないという条件があることには注意してください。

また、この原稿を執筆しながら改めて確認すると、Googleマップからの埋め込む場合の利用規約も、新しいGoogle Maps Platformの利用規約になることが示されていました。もしかしたら、今後はGoogleマップからの埋め込みの場合でも利用の条件や制限が変わる可能性があることには注意してください。

じゃぁ、うちのサイトの埋め込み地図はダメなの? 大丈夫なの?

現時点で「7月までにサイト上の地図をなんとか更新しなければ!」と慌てている人がいたら、まずはサイトの地図がどの方式で埋め込まれているのかを調べましょう。

必ずしもAPIキーを取得して料金プランを確認しなくても大丈夫かもしれません。

調査には、グーグルが提供しているチェックツール「Google Maps Platform API Checker」を使うのが便利です。

このツールはChromeの拡張機能として提供されています。地図を埋め込んでいるページをChromeで表示した状態でこの拡張機能を実行します。

拡張機能の表示によって、対応が必要かどうかを判断できます。

このように表示された場合は、更新が必要です。制作を担当した人に、Google Maps Platformの「既存ユーザー用ガイド」のページを確認して対応するように指示しましょう。

このように表示された場合は、更新が必要ありません。すでに新しい仕様に則ってAPIキーを正しく指定しています。

このような表示の場合は、少し注意が必要です。システム的にはMaps Embed APIを使っていることになっているのですが、Googleマップから埋め込んでいる場合でもこの表示になります。

確認するには、iframeのsrc属性に指定しているURLを見てください。

  • URLが「https://www.google.com/maps/embed?pb=」で始まっている場合は、おそらくGoogleマップの正当な埋め込み機能を使っているので、今後も影響を受けることはないと思われます。

  • URLが上記以外のもの(たとえば「https://www.google.com/maps/embed/v1/place?」や「https://maps.google.co.jp/maps?output=embed&q=」など)で始まっている場合は、通常のMaps Embed APIを使っているため、修正しなければいけないかを確認する必要があると思われます。

◇◇◇

あなたのサイトでは、どちらの方法で地図を埋め込んでいましたか?

対応が必要な場合は、あと2週間強で修正が必要ですが、対応が必要ない場合は慌てて契約しにいかなくても大丈夫ですので、よく確認してください。

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