Web担当者になったら知っておきたい「基本」が学べる Web担ビギナー

Step 1-3 ユーザー行動の変化をふまえたサイト戦略

Web担として求められていることを把握するStep 1。3回目の1-3では、「Webサイトの利用方法の変化」を意識する必要性について解説します。

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クイズ

企業にとって「良いサイト」とは、社長や上司が言う通り作ったサイトでしょうか?

Step 1-1Step 1-2を読んでくれた方なら、「NO、必ずしもそうではない」と答える方が多いでしょう。しかし実際の現場で、「NO」と言えるでしょうか? 過去の実績などを突き付けられ、なんとなく押し切られて社長や上司の言う通りのサイトを作ることになるかもしれませんよね。

そんなときには、大切なユーザーのことをもう一度思い出してください。ここ数年で、ユーザーがWebサイトを使う状況は大きく変化してきています。特にスマートフォン(スマホ)の一般化は、Webサイトの利用方法も大きく変化させています。トップや上司が現場にいたころの状況とは大きく異なってきているのです(もちろん、それを理解しているトップ、上司もいます)。

そして社長や上司を説得する際には、ユーザーの求めていることを定量的な数値を示して明確にし、そのために「こうしたい」「こうするべきです」と説得してみてください。社長や上司が納得するのは、お客様の声がきこえる「数値だけ」だとも言えます。なお、ユーザーの求めていることを分析する方法については、Step 2-3で解説します。

  • 企業のWebサイトは社長や上司の言う通り作る
  • 企業のWebサイトは、社長や上司の話に耳を傾けながらも、ユーザー行動の変化にも対応する

Step 1-2では、ターゲットユーザーのニーズを徹底的に知ることが大切だと記しましたが、そのためにはユーザーのWeb利用法の変化を念頭におくことが重要です。

ユーザーがどのようにWebを利用しているかを意識しよう

スマホを使うことで、ユーザーは電波の通っているところであれば、いつでもどこでもWebを使えるようになりました。たとえば、友だちとの会話中や会議中にわからないコトバがあればすぐにスマホのブラウザで検索。そして検索結果一覧のなかから目的に合ったものを選び、訪れたサイトで目的が達成できなければすぐに一覧に戻って違うサイトへ。こうした行動をあなたもしていませんか?

手軽にどこからでもインターネットを利用できるだけに、どのサイトを訪れたかは意識せず、目的に合った情報が得られるまで次々とアクセスすることが多くなりました。こうしたユーザーの利用状況をふまえて、Webサイトの構築をする必要があります。特に意識したいのが次の2点です。

  • マルチデバイスを意識
  • ユーザーの目的を早く満足させることを意識

マルチデバイスを意識しよう

スマホ、タブレット、パソコン、どのデバイスで見ても、ユーザーがストレスなく目的を果たせる最適な利用環境を提供する必要があります。なお、現在のユーザーの多くは、スマホでの利用に慣れ親しんでいます。そのため、パソコンやタブレットなどの他のデバイスでも、スマホと同様の使い方ができれば問題ない状況になってきていることを考慮しておくと良いでしょう。

ユーザーの目的を早く満足させることを意識しよう

スマホでWebサイトにいつでもアクセスできるようになったので、通勤・通学時間や昼休み休憩の時間など、いわゆるスキマ時間にサイトを利用する人が多くなりました。5分、10分のサイト利用で目的を果たしたい人が増加したわけです。

Step 1-2でのAmazonの例を思い出してみてください。「過去の注文履歴から再購入できる機能」はまさに、「いつも購入している洗剤を探す」という手間を省き、ユーザーの目的を早く満足させる機能です。

検索サイトで「短期アルバイト 時給800円以上」を入力してバイトを探しているユーザーを想像してみてください。このとき、ユーザーは、早く自分が望むバイト先候補を見たいはずです。そこでバイト情報を提供する就職情報サイトでは、「短期が可能で、時給800円以上のバイト先一覧」をすぐにユーザーに提示できるような機能が求められます。さらに、ユーザーが東京でアクセスしているのであれば東京のバイト情報を、大阪であれば大阪のバイト情報を表示する必要があります。

このようにユーザーがスピードを重視するようになった今、ますますユーザーのニーズを予測して機能を追加しておくことが重要になりました。

ユーザーはすぐに目的を果たしたい!

こうしたスマホによる利用環境の変化によって、Webサイトを作成する側の意識も変えなくてはならなくなっています。つまり、現在の市場やユーザー行動を知ることが重要です。そして、過去の実績にとらわれず、あなたの会社の商品やサービスが将来的にも売れ続けることができるようなサイトを目指しましょう。

1-4では、こうした「売れ続ける」ためのサイトについて解説します。

ポイント
1-3「ユーザー行動の変化をふまえたサイト戦略」のポイント
  • マルチデバイスを意識する
  • ユーザーの目的を早く満足させることを意識する
復習ミニテスト

Q1-3-1 一般的に、マルチデバイスとして絶対に意識しておくものはどれ?(単一選択)

  • 1. タブレット
  • 2. 電子黒板
  • 3. スマホ
  • 4. ゲーム機

3. スマホ

Q1-3-2 ユーザーの目的を早く満足させるのはなぜ?(単一選択)

  • 1. ビジネス目的をみつけるため
  • 2. スマホの一般化でユーザー行動が変わったから
  • 3. ユーザーニーズを知るため
  • 4. 上司がそうしろと言っているから

2. スマホの一般化でユーザー行動が変わったから

もっと学び、成長するために
本記事の監修者

濱田 優(はまだ ゆう)

株式会社キノトロープ 執行役員
制作部 部長 プロジェクトマネージャー/システムコンサル

千葉県出身。2006年、オンデマンドCDサービス、音楽配信、CD全国流通・海外プレスの事業を立ち上げ。事業を売却し、全都道府県を巡る日本一周旅行へ。
プログラマとして再出発し、書籍を2冊(『Zend Framework 2徹底解説』(秀和システム)、『JUnit速効レシピ』(秀和システム))出版。
現在は、システムコンサルとして事業会社様の問題解決を行うほか、大学や専門学校での講師、セミナー等での講演も務める。
2020年、キノトロープの連結子会社、株式会社フューチャープランの代表取締役社長に就任。

Twitter:@hamadayuu1

デザイン:三苫慧子
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